JP2004092696A - 密封型転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密封型転がり軸受は、外輪の端部内周面に取り付けられた密封板35が、半径方向内方に延びてその先端部36aが内輪32の端部外周面に形成されたシール摺動面32aに締め代をもって接触する第1のリップ36と、軸方向内方に延びてその先端部37aが内輪32の肩面32bに締め代をもって接触する第2のリップ37とを備える。内輪32の肩面32bの端部における面取部Rの径方向寸法a1と軸方向寸法a2とをそれぞれ0 .2 〜0.5mmの範囲とし、且つ第2のリップ37の腕部37bの組立前の内径寸法d1を内輪32の肩面32bの外径寸法Dより大きくする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のプロペラシャフトを支持するセンターベアリングや車輪支持装置等のように、泥水等が跳ねかかり易い環境下にて使用される軸受に好適な密封型転がり軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の密封型転がり軸受としては、例えば図3に示したように、内輪2と外輪3との間に複数の玉(転動体)10が保持器4を介して周方向に転動可能に配設されると共に、外輪3の端部内周面に密封板5が取り付けられた密封型転がり軸受1がある。
この密封板5は、リップ6を備えたゴムや合成樹脂等の弾性部材を芯金7の周りに一体成形したものであり、該リップ6の先端部を内輪2の外周面に摺接させることでシールを行う接触シールである。
【0003】
そこで、一般的には、密封型転がり軸受1のシール性を向上させるために、前記リップ6の締め代を大きくしてシールの接触圧を高めていた。又、前記密封板5の替わりに、ガータスプリング付シールを使用してシールの接触圧を高めたものもある。
【0004】
ところが、このような対策では軸受のトルクや発熱が増大することから、例えば、実開平1−39929号公報等に開示された「ころがり軸受の密封装置」のように、略径方向に延びる第1のリップと、略軸方向に延びる第2のリップとを密封板に設け、該第1のリップの先端部を内輪の端部外周面に形成されたシール摺動面に接触させると共に、第2のリップの先端部を前記シール摺動面と内輪外径面との間に設けた勾配の異なるシール摺動斜面に接触させ、これら第1及び第2のリップを二種類のシール摺動斜面に接触させた密封型転がり軸受が提案された。
【0005】
しかしながら、上記実開平1−39929号公報等に開示された密封型転がり軸受では、第1のリップの先端部が接触するシール摺動面に加えて、第2のリップの先端部が接触する勾配の異なるシール摺動斜面を内輪の外周面に形成する必要があるため、該第2のリップと保持器との干渉を防ぐためには、シール摺動斜面の軸方向幅を広く設定して軸受幅を広くするか、保持器に逃げ部を設ける等の対策が必要となる。
【0006】
このような事情から、従来においては軸受の内部空間が小さい場合にも対応できるように、図4に示したような密封型転がり軸受21が提案されている。
密封型転がり軸受21は、図4に示したように、内輪22と外輪3との間に複数の玉10が保持器4を介して周方向に転動可能に配設されると共に、外輪3の端部内周面に密封板25が取り付けられている。
【0007】
前記密封板25は、第1のリップ26aの先端部を内輪22の端部外周面に形成されたシール摺動面22aに接触させると共に、第2のリップ26bの先端部を内輪22の肩面22bに接触させており、該第2のリップ26bの先端部が接触するシール摺動斜面を内輪の外周面に形成する必要がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来の密封型転がり軸受21においては、密封板25の第2のリップ26bの先端部及び腕部共に、組立前の内径寸法が内輪22の肩面22bの外径寸法より小さくなっている。
そこで、密封板25を軸受に組み付ける際には、図5に一点鎖線で示したように、第2のリップ26bが内輪22の肩面22bの端部と干渉して反転してしまう虞れがあり、組付けが困難であった。
【0009】
又、前記第2のリップ26bの反転を防止する対策として、前記肩面22bの端部における面取部の半径寸法を大きくすることが考えられるが、この面取部の半径寸法を大きくすると、該面取部の軸方向寸法も長くなる。
そこで、第2のリップ26bの先端部を前記肩面22bの円筒面部に接触させるためには、第2のリップ26bの軸方向長さを長くしなければならなくなり、結局は第2のリップ26bと玉10や保持器4との干渉を避けるために、軸受の幅寸法を広げなければならないという問題が生じる。
【0010】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、密封板を組み付ける際の第2のリップの反転を防止すると共に、軸受幅を広げることなく該第2のリップと転動体及び保持器との干渉を防止することができる密封型転がり軸受を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、内輪と外輪との間に複数の転動体が保持器を介して周方向に転動可能に配設されており、前記外輪の端部内周面に取り付けられた密封板が、半径方向内方に延びてその先端部が前記内輪の端部外周面に形成されたシール摺動面に締め代をもって接触する第1のリップと、軸方向内方に延びてその先端部が前記内輪の肩面に締め代をもって接触する第2のリップとを備えた密封型転がり軸受であって、前記内輪の肩面の端部における面取部の径方向寸法と軸方向寸法とをそれぞれ0 .2 〜0.5mmの範囲とし、且つ前記第2のリップの腕部の組立前の内径寸法を前記内輪の肩面の外径寸法より大きくしたことを特徴とする密封型転がり軸受により達成される。
【0012】
上記構成によれば、軸方向内方に延びた第2のリップの先端部は、内輪の肩面に対して締め代をもっているので、密封板を組み付ける際には該肩面の端部に接触するが、該内輪の肩面の端部における面取部の径方向寸法が0 .2 〜0.5mmの範囲とされ、且つ前記第2のリップの腕部の組立前の内径寸法が前記内輪の肩面の外径寸法より大きくされるので、密封板の組付時に該第2のリップが反転するのを防止できる。
【0013】
又、前記内輪の肩面の端部における面取部の軸方向寸法が0 .2 〜0.5mmの範囲とされるので、先端部を前記肩面の円筒面部に接触させる第2のリップの軸方向長さが必要以上に長くされることもない。
そこで、軸受幅を広げることなく前記第2のリップと転動体及び保持器との干渉を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る密封型転がり軸受を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る密封型転がり軸受の断面図、図2は図1の要部拡大図である。
【0015】
本実施形態に係る密封型転がり軸受31は、図1に示したように、内輪32と外輪33との間に複数の転動体である玉10が保持器34を介して周方向に転動可能に配設されている。前記外輪33の端部内周面に形成された係止溝39には、芯金38の周りにゴムや合成樹脂等の弾性部材を一体成形した密封板35の外径部が取り付けられている。
【0016】
前記密封板35は、半径方向内方に延びてその先端部が内輪32の端部外周面に形成されたシール摺動面32aに締め代をもって接触する第1のリップ36と、軸方向内方に延びてその先端部が内輪32の肩面32bに締め代をもって接触する第2のリップ37とを備えている。
前記第2のリップ37の先端部37aは、図2に示したように、組立前の内径寸法d1が、内輪32の肩面32bの外径寸法Dより小さくされており、該肩面32bの円筒面部に全周にわたって接触している。
【0017】
また、前記内輪32の肩面32bの端部における面取部Rの径方向寸法a1と軸方向寸法a2とをそれぞれ0.2〜0.5mmの範囲とし、且つ前記第2のリップ37の腕部37bの組立前の内径寸法d2を前記内輪32の肩面32bの外径寸法Dより大きくしてある。
前記面取部Rの径方向寸法a1と軸方向寸法a2とをそれぞれ0.2mm以上としたのは、実際の面取加工の精度を考慮したものであり、0.5mm以下としたはのは、面取部の寸法を大きくし過ぎると、第2のリップ37の先端部37aを肩面32bの円筒面部に接触するために第2のリップ37の軸方向長さを長くしなければならなくなり、第2のリップ37と玉10や保持器34との干渉を避けるために、軸受の幅寸法を広げなければならなくなる為である。
【0018】
即ち、軸方向内方に延びた前記第2のリップ37の先端部37aは、内輪32の肩面32bに対して締め代をもっているので、軸受の端面開口に前記密封板35を組み付ける際には、該肩面32bの端部に接触する。
ここで、前記内輪32の肩面32bの端部における面取部Rの径方向寸法a1が0 .2 〜0.5mmの範囲とされ、且つ前記第2のリップ37の腕部37bの組立前の内径寸法d2が前記内輪32の肩面32bの外径寸法Dより大きくされているので、密封板35の組付時に該第2のリップ37が内輪32の肩面32bの端部と干渉して反転してしまうのを防止できる。
【0019】
又、前記内輪32の肩面32bの端部における面取部Rの軸方向寸法a2が0 .2 〜0.5mmの範囲とされるので、先端部37aを前記肩面32bの円筒面部に接触させる第2のリップ37の軸方向長さが必要以上に長くされることもない。
そこで、軸受幅を広げることなく前記第2のリップ37と玉10及び保持器34との干渉を防止することができ、密封型転がり軸受31は大型化を防ぐことができる。
【0020】
尚、本発明の密封型転がり軸受における内外輪、転動体、保持器及び密封板等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、第2のリップ37の先端部37aが略三角形状断面とされているが、これに限定されず円形状断面等のその他の断面形状とすることもできる。
【0021】
また、シール性向上のために、前記第1のリップ36及び第2のリップ37と内輪32との間に形成されるラビリンス空間に耐水・防錆グリースを充填することもできる。
更に、前記第2のリップ37が摺接する内輪32の肩面32bは、旋削仕上げでも研削仕上げでもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の密封型転がり軸受によれば、軸方向内方に延びた第2のリップの先端部は、内輪の肩面に対して締め代をもっているので、密封板を組み付ける際には該肩面の端部に接触するが、該内輪の肩面の端部における面取部の径方向寸法が0 .2 〜0.5mmの範囲とされ、且つ前記第2のリップの腕部の組立前の内径寸法が前記内輪の肩面の外径寸法より大きくされるので、密封板の組付時に該第2のリップが反転するのを防止できる。
【0023】
又、前記内輪の肩面の端部における面取部の軸方向寸法が0 .2 〜0.5mmの範囲とされるので、先端部を前記肩面の円筒面部に接触させる第2のリップの軸方向長さが必要以上に長くされることもない。
そこで、軸受幅を広げることなく前記第2のリップと転動体及び保持器との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る密封型転がり軸受の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】従来の密封型転がり軸受の断面図である。
【図4】従来の他の密封型転がり軸受の断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【符号の説明】
10 転動体
31 密封型転がり軸受
32 内輪
33 外輪
34 保持器
35 密封板
36 第1のリップ
37 第2のリップ
a1 面取部の径方向寸法
a2 面取部の軸方向寸法
d2 第2のリップの腕部の組立前の内径寸法
D 内輪の外径寸法
Claims (1)
- 内輪と外輪との間に複数の転動体が保持器を介して周方向に転動可能に配設されており、前記外輪の端部内周面に取り付けられた密封板が、半径方向内方に延びてその先端部が前記内輪の端部外周面に形成されたシール摺動面に締め代をもって接触する第1のリップと、軸方向内方に延びてその先端部が前記内輪の肩面に締め代をもって接触する第2のリップとを備えた密封型転がり軸受であって、
前記内輪の肩面の端部における面取部の径方向寸法と軸方向寸法とをそれぞれ0 .2 〜0.5mmの範囲とし、且つ前記第2のリップの腕部の組立前の内径寸法を前記内輪の肩面の外径寸法より大きくしたことを特徴とする密封型転がり軸受。
Priority Applications (1)
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JP2002251676A JP2004092696A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 密封型転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004092696A true JP2004092696A (ja) | 2004-03-25 |
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ID=32058206
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JP2002251676A Pending JP2004092696A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 密封型転がり軸受 |
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JP (1) | JP2004092696A (ja) |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251676A patent/JP2004092696A/ja active Pending
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