JP2004092561A - スクロール流体機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏心旋回駆動装置1に固定スクロール3を取り付け、偏心旋回駆動装置1の旋回軸2に本体旋回軸5を取り付け、本体旋回軸5に旋回スクロール6を取り付け、旋回スクロール6のスクロール本体7に固定スクロール3のラップと同一形状の上ラップ8および下ラップ9を設け、固定スクロール3に軸受11を介して回転可能に回転体10を支持し、回転体10に軸受12を介して本体旋回軸5を偏心して回転可能に支持し、固定スクロール3に軸受15を介して回転可能に回転体14を支持し、回転体14に軸受16を介して本体旋回軸5を偏心して回転可能に支持する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気圧縮機、真空ポンプ、冷媒ガス圧縮機、酸素吸入機用圧縮機等として用いられるスクロール流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクロール流体機械においては、所定の軸を中心に偏心旋回しかつ回転しない偏心旋回駆動を行なう偏心旋回駆動装置のケーシングに固定スクロールが取り付けられ、偏心旋回駆動装置の旋回軸に旋回スクロールが取り付けられ、固定スクロールと旋回スクロールにラップが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなスクロール流体機械においては、固定スクロールの中心線に対して旋回スクロールの中心線がずれると、旋回スクロールと固定スクロールとの間の接触圧力を適正かつ均一に維持することができなくなり、被変圧ガスを効率よく変圧することができない。
【0004】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、被変圧流体を効率よく変圧することができるスクロール流体機械を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明においては、偏心旋回駆動装置と、上記偏心旋回駆動装置により駆動される流体機械本体とを有するスクロール流体機械において、上記偏心旋回駆動装置の旋回軸に取り付けられた本体旋回軸または上記偏心旋回駆動装置の旋回軸に上記流体機械本体の旋回スクロールを取り付け、上記旋回スクロールの両側に、上記流体機械本体の固定スクロールに対して上記本体旋回軸または上記偏心旋回駆動装置の旋回軸を偏心旋回可能に支持する第1、第2の偏心旋回支持手段を設ける。
【0006】
また、モータと、上記モータによって駆動される流体機械本体とを有するスクロール流体機械において、本体旋回軸に上記流体機械本体の旋回スクロールを取り付け、上記旋回スクロールよりも上記モータ側に、上記流体機械本体の固定スクロールに上記モータの出力軸に取り付けられた回転体または上記モータの出力軸を回転可能に支持しかつ上記回転体または上記モータの出力軸に偏心して回転可能に上記本体旋回軸を支持する第3の偏心旋回支持手段を設け、上記旋回スクロールよりも上記モータ側とは反対側に、上記固定スクロールに対して上記本体旋回軸を偏心旋回可能に支持する第4の偏心旋回支持手段を設け、上記本体旋回軸の偏心旋回を許容しかつ上記本体旋回軸の自転を防止する自転防止手段を設ける。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るスクロール流体機械を示す概略断面図である。図に示すように、所定の軸を中心に偏心旋回しかつ回転しない偏心旋回駆動を行なう偏心旋回駆動装置1に固定スクロール3が取り付けられ、固定スクロール3には渦巻状のラップが設けられている。また、偏心旋回駆動装置1の旋回軸2に取付具4を介して本体旋回軸5が取り付けられ、旋回軸2の中心線と本体旋回軸5の中心線とは一致している。また、本体旋回軸5に旋回スクロール6が取り付けられ、旋回スクロール6のスクロール本体7には固定スクロール3のラップと同一形状の上ラップ8および下ラップ9が設けられ、旋回スクロール6の上ラップ8、下ラップ9と固定スクロール3のラップとが重なり合っており、複数の変圧室が形成されている。また、固定スクロール3の旋回スクロール6よりも偏心旋回駆動装置1側に軸受11を介して回転可能に回転体10が支持され、回転体10の回転中心線は偏心旋回駆動装置1の回転軸(説明後述)の回転中心線と一致している。また、回転体10に軸受12を介して本体旋回軸5が回転可能に支持され、回転体10の中心線と本体旋回軸5の中心線とは偏っている。すなわち、本体旋回軸5は回転体10に偏心して回転可能に支持されている。そして、回転体10等により固定スクロール3に対して本体旋回軸5を偏心旋回可能に支持する第1の偏心旋回支持手段13が構成され、偏心旋回支持手段13は旋回スクロール6よりも偏心旋回駆動装置1側に設けられている。また、固定スクロール3の旋回スクロール6よりも偏心旋回駆動装置1側とは反対側に軸受15を介して回転可能に回転体14が支持され、回転体14の回転中心線は偏心旋回駆動装置1の回転軸の回転中心線、回転体10の回転中心線と一致している。また、回転体14に軸受16を介して本体旋回軸5が回転可能に支持され、回転体14の中心線と本体旋回軸5の中心線とは偏っている。すなわち、本体旋回軸5は回転体14に偏心して回転可能に支持されている。そして、回転体14等により固定スクロール3に対して本体旋回軸5を偏心旋回可能に支持する第2の偏心旋回支持手段17が構成され、偏心旋回支持手段17は旋回スクロール6よりも偏心旋回駆動装置1側とは反対側に設けられている。そして、固定スクロール3、旋回スクロール6等により偏心旋回駆動装置1によって駆動される流体機械本体18が構成されている。
【0008】
図2は図1に示したスクロール流体機械の偏心旋回駆動装置を示す概略断面図、図3は図2に示した偏心旋回駆動装置の一部を示す断面図である。図に示すように、ケーシング21にステータ22が固定され、ケーシング21に軸受23を介して回転軸24が回転可能に支持され、回転軸24にロータ25が固定され、ステータ22、ロータ25等によりモータ(電動機)が構成されている。また、回転軸24に軸受26、27を介して旋回軸2が回転可能に支持され、回転軸24の中心線と旋回軸2の中心線とは偏っている。すなわち、旋回軸2は回転軸24に偏心して回転可能に支持されている。また、旋回軸2に旋回板28が取り付けられ、ケーシング21と旋回板28との間に3個のピンクランク29が設けられている。このピンクランク29のクランク本体30には軸31、32が設けられ、軸31の中心線と軸32の中心線とは偏心しており、この偏心量は回転軸24の中心線と旋回軸2の中心線との偏心量と等しい。また、ピンクランク29の軸31はケーシング21に軸受33を介して回転可能に支持され、ピンクランク29の軸32は旋回板28に軸受34を介して回転可能に支持されている。そして、旋回板28、ピンクランク29等により旋回軸2の偏心旋回を許容しかつ旋回軸2の自転を防止する自転防止手段35が構成されている。
【0009】
このスクロール流体機械においては、回転軸24、ロータ25が回転し、旋回軸2は回転軸24の中心線を中心として偏心旋回するが、自転防止手段35が設けられているから、旋回軸2は自転しない。このため、旋回軸2、本体旋回軸5、旋回スクロール6がケーシング21、固定スクロール3に対して回転せずに偏心旋回するから、旋回スクロール6と固定スクロール3との間に形成された変圧室が徐々に縮小する。したがって、空気等の被変圧ガスは変圧室で変圧される。
【0010】
このようなスクロール流体機械においては、流体機械本体18の旋回スクロール6の両側において、偏心旋回支持手段13、17により固定スクロール3に対して本体旋回軸5が偏心旋回可能に支持されているから、旋回スクロール6が固定スクロール3に対して回転せずに偏心旋回するときに、固定スクロール3の中心線に対して旋回スクロール6の中心線がずれるのを確実に防止することができるので、旋回スクロール6と固定スクロール3との間の接触圧力を適正かつ均一に維持することができ、被変圧ガスを効率よく変圧することができる。
【0011】
図4は本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略断面図である。図に示すように、偏心旋回駆動装置1の旋回軸2に旋回スクロール6が取り付けられ、偏心旋回支持手段13、17により固定スクロール3に対して旋回軸2が偏心旋回可能に支持されている。すなわち、回転体10等により固定スクロール3に対して旋回軸2を偏心旋回可能に支持する第1の偏心旋回支持手段13が構成され、回転体14等により固定スクロール3に対して旋回軸2を偏心旋回可能に支持する第2の偏心旋回支持手段17が構成されている。そして、他の構成は図1に示したスクロール流体機械の構成と同様である。
【0012】
このようなスクロール流体機械においても、固定スクロール3の中心線に対して旋回スクロール6の中心線がずれるのを確実に防止することができるから、旋回スクロール6と固定スクロール3との間の接触圧力を適正かつ均一に維持することができ、被変圧ガスを効率よく変圧することができる。
【0013】
図5は本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略正断面図、図6は図5に示したスクロール流体機械を示す概略平面図である。図に示すように、モータ(電動機)41に固定スクロール43が取り付けられ、固定スクロール43には渦巻状のラップが設けられている。また、モータ41の出力軸42に取付具44を介して回転体45が取り付けられ、出力軸42の中心線と回転体45の中心線とは一致している。また、固定スクロール43の旋回スクロール50(説明後述)よりもモータ41側に軸受46を介して回転可能に回転体45が支持され、回転体45に軸受47を介して本体旋回軸49が回転可能に支持され、回転体45の中心線と本体旋回軸49の中心線とは偏っている。すなわち、本体旋回軸49は回転体45に偏心して回転可能に支持されている。そして、軸受46、47等により固定スクロール43に回転体45を回転可能に支持しかつ回転体45に偏心して回転可能に本体旋回軸49を支持する第3の偏心旋回支持手段48が構成されており、偏心旋回支持手段48は旋回スクロール50よりもモータ41側に設けられ、偏心旋回支持手段48は固定スクロール43に対して本体旋回軸49を偏心旋回可能に支持している。また、本体旋回軸49に旋回スクロール50が取り付けられ、旋回スクロール50のスクロール本体51には固定スクロール43のラップと同一形状の上ラップ52および下ラップ53が設けられ、旋回スクロール50の上ラップ52、下ラップ53と固定スクロール43のラップとが重なり合っており、複数の変圧室が形成されている。また、固定スクロール43の旋回スクロール50よりもモータ41側とは反対側に軸受56を介して回転可能に回転体55が支持され、回転体55の回転中心線は回転体45の回転中心線と一致している。また、回転体55に軸受57を介して本体旋回軸49が回転可能に支持され、したがって回転体55の中心線と本体旋回軸49の中心線とは偏っている。すなわち、本体旋回軸49は回転体55に偏心して回転可能に支持されている。そして、回転体55等により固定スクロール43に対して本体旋回軸49を偏心旋回可能に支持する第4の偏心旋回支持手段58が構成され、偏心旋回支持手段58は旋回スクロール50よりもモータ41側とは反対側に設けられている。また、固定スクロール43と本体旋回軸49との間に3個のピンクランク54が設けられている。このピンクランク54のクランク本体には2つの軸が設けられ、ピンクランク54の2つの軸の中心線は偏心しており、この偏心量は回転体45、55と本体旋回軸49との偏心量(回転体45、55の中心線と本体旋回軸49の中心線との偏心量)と等しい。そして、ピンクランク54の2つの軸の固定スクロール43、本体旋回軸49への支持構造は図3に示したピンクランク29の軸31、32のケーシング21、旋回板28への支持構造と同様であり、ピンクランク54等により本体旋回軸49の偏心旋回を許容しかつ本体旋回軸49の自転を防止する自転防止手段が構成されている。そして、固定スクロール43、旋回スクロール50等によりモータ41によって駆動される流体機械本体59が構成されている。
【0014】
このスクロール流体機械においては、モータ41を動作させて出力軸42を回転すると、回転体45が回転し、本体旋回軸49は回転体45の中心線を中心として偏心旋回するが、自転防止手段が設けられているから、本体旋回軸49は自転しない。このため、本体旋回軸49、旋回スクロール50が固定スクロール43に対して回転せずに偏心旋回するから、旋回スクロール50と固定スクロール43との間に形成された変圧室が徐々に縮小する。したがって、空気等の被変圧ガスは変圧室で変圧される。
【0015】
このようなスクロール流体機械においては、流体機械本体59の旋回スクロール50の両側において、偏心旋回支持手段48、58により固定スクロール43に対して本体旋回軸49が偏心旋回可能に支持されているから、旋回スクロール50が固定スクロール43に対して回転せずに偏心旋回するときに、固定スクロール43の中心線に対して旋回スクロール50の中心線がずれるのを確実に防止することができるので、旋回スクロール50と固定スクロール43との間の接触圧力を適正かつ均一に維持することができ、被変圧ガスを効率よく変圧することができる。
【0016】
図7は本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略断面図である。図に示すように、固定スクロール43に軸受46を介して回転可能にモータ41の出力軸42が支持され、出力軸42に軸受47を介して本体旋回軸49が回転可能に支持されている。すなわち、軸受46、47等により固定スクロール43に出力軸42を回転可能に支持しかつ出力軸42に偏心して回転可能に本体旋回軸49を支持する第3の偏心旋回支持手段48が構成されている。そして、他の構成は図5に示したスクロール流体機械の構成と同様である。
【0017】
このようなスクロール流体機械においても、固定スクロール43の中心線に対して旋回スクロール50の中心線がずれるのを確実に防止することができるから、旋回スクロール50と固定スクロール43との間の接触圧力を適正かつ均一に維持することができ、被変圧ガスを効率よく変圧することができる。
【0018】
なお、上述実施の形態においては、自転防止手段としてピンクランク29を有する自転防止手段35、ピンクランク54を有する自転防止手段を用いたが、自転防止手段としてオルダムリングを有する自転防止手段等を用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係るスクロール流体機械においては、固定スクロールの中心線に対して旋回スクロールの中心線がずれるのを確実に防止することができるから、被変圧流体を効率よく変圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクロール流体機械を示す概略断面図である。
【図2】図1に示したスクロール流体機械の偏心旋回駆動装置を示す概略断面図である。
【図3】図2に示した偏心旋回駆動装置の一部を示す断面図である。
【図4】本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略断面図である。
【図5】本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略正断面図である。
【図6】図5に示したスクロール流体機械を示す概略平面図である。
【図7】本発明に係る他のスクロール流体機械を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…偏心旋回駆動装置
2…旋回軸
3…固定スクロール
5…本体旋回軸
6…旋回スクロール
7…スクロール本体
8…上ラップ
9…下ラップ
13…第1の偏心旋回支持手段
17…第2の偏心旋回支持手段
18…流体機械本体
41…モータ
42…出力軸
43…固定スクロール
45…回転体
48…第3の偏心旋回支持手段
49…本体旋回軸
50…旋回スクロール
51…スクロール本体
52…上ラップ
53…下ラップ
58…第4の偏心旋回支持手段
59…流体機械本体
Claims (2)
- 偏心旋回駆動装置と、上記偏心旋回駆動装置により駆動される流体機械本体とを有するスクロール流体機械において、上記偏心旋回駆動装置の旋回軸に取り付けられた本体旋回軸または上記偏心旋回駆動装置の旋回軸に上記流体機械本体の旋回スクロールを取り付け、上記旋回スクロールの両側に、上記流体機械本体の固定スクロールに対して上記本体旋回軸または上記偏心旋回駆動装置の旋回軸を偏心旋回可能に支持する第1、第2の偏心旋回支持手段を設けたことを特徴とするスクロール流体機械。
- モータと、上記モータによって駆動される流体機械本体とを有するスクロール流体機械において、本体旋回軸に上記流体機械本体の旋回スクロールを取り付け、上記旋回スクロールよりも上記モータ側に、上記流体機械本体の固定スクロールに上記モータの出力軸に取り付けられた回転体または上記モータの出力軸を回転可能に支持しかつ上記回転体または上記モータの出力軸に偏心して回転可能に上記本体旋回軸を支持する第3の偏心旋回支持手段を設け、上記旋回スクロールよりも上記モータ側とは反対側に、上記固定スクロールに対して上記本体旋回軸を偏心旋回可能に支持する第4の偏心旋回支持手段を設け、上記本体旋回軸の偏心旋回を許容しかつ上記本体旋回軸の自転を防止する自転防止手段を設けたことを特徴とするスクロール流体機械。
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