JP2004169608A - スクロール型空気供給装置 - Google Patents

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Kiyoshi Sawai
澤井  清
Atsushi Sakuta
作田  淳
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】小型でかつ吐出流量が大きく、しかも組み立てが容易にできるスクロール型空気供給装置を提供する。
【解決手段】メカシャフト141によって動作する旋回スクロール120と、旋回スクロール120との間で圧縮空間を形成する固定スクロール125とによって、ポンプ機構部100が構成される。モータ部10におけるモータシャフト41の一端側および他端側が軸受172、272によってそれぞれ回転自在に保持され、メカシャフト141の一端側が軸受172によって保持され、メカシャフト141の他端側が、軸受172から旋回スクロール120および固定スクロール125を越えた位置で軸受180によって保持される。第1の軸受172の内部でモータシャフト41とメカシャフト141とが連結される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池のエアコンプレッサとして利用されるスクロール型空気供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、燃料電池は様々な分野で開発途上にあり、その燃料電池のセルに空気を供給するエアコンプレッサも燃料電池のタイプに応じて種々のものが検討されており、それぞれ開発が進められている。なかでも車載用燃料電池は出力が30〜50kWと大きく、そのセルに空気を供給する空気ポンプは、比較的小型で大出力のものが必要とされる。すなわち、この種の空気ポンプに求められる特性は、供給空気はオイル等の不純物を含んでいないこと、すなわちオイルレス機構であること、供給空気量は1〜3m/min程度と大流量であること、燃料電池の比出力(大きさに対する出力)を高めるために、供給圧力はΔp=20〜200kPaと高い圧力が必要なこと、大きさは車に搭載することから直径φ200mm以下であること、および騒音レベルが低いことが求められる。これらの要求特性を満たすポンプ機構すなわち圧縮機としては、スクロール型が有望である。
【0003】
このスクロール型圧縮機の従来技術について説明する。従来、スクロール型空気圧縮機としては、特許文献1に記載されているようなものがあった。
一般にスクロール圧縮機において吐出量を増やすためには、スクロールのラップ高さ寸法を大きくするか径方向寸法を拡大することにより行程容積を拡大するか、あるいは運転回転数を高くする必要がある。
【0004】
図3に特許文献1に記載のスクロール圧縮機を示すが、この特許文献1には、モータの両側にポンプ機構を2つ設けることにより、その行程容積を拡大した構成が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−13492号公報(第9頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示すスクロール圧縮機は、軸心方向に距離をおいて設けられた一対の固定スクロール7A、7Bの近傍に偏心軸受14A、14Bを設け、これら偏心軸受14A、14Bによって回転軸21と旋回軸22とを支持することにより、旋回軸22に一体に取り付けた旋回スクロール28A、28Bを、固定スクロール7A、7Bに対応した状態で回転軸21の軸心のまわりに公転運動すなわち旋回運動させる構成となっている。
【0007】
固定スクロール7A、7Bに対して旋回スクロール28A、28Bを旋回運動させて圧縮室で空気の圧縮動作をさせると、旋回スクロール28A、28Bのラップには、その高さの1/2の位置にガス圧縮に伴う大きな半径方向力が作用する。また、旋回スクロール28A、28Bには、旋回運動に伴って遠心力も作用する。上記ガス圧縮動作に伴う半径方向力と遠心力は、ともに旋回スクロール28A、28Bを傾かせようとする。
【0008】
図3に示す構成では、旋回スクロール28A、28Bはその背面側でスラスト受板24A、24Bに嵌合固定され、さらにこのスラスト受板24A、24Bはボルト27A、27Bにより旋回軸22に固定されているので、上記ラップ高さの中央に作用する半径方向力は、距離が離れて配置された旋回軸22で受けることになり、その分旋回スクロール28A、28Bには傾きが発生し、旋回スクロール28A、28Bが固定スクロール7A、7Bと接触し易くなる。これを避けるために、スクロールのラップ高さ、すなわち行程容積をあまり大きくすることができないという課題があった。
【0009】
また、高速回転で運転しようとすると旋回スクロール28A、28Bに作用する遠心力が急速に大きくなるので、この場合もラップ間の接触を避けるために、従来例の構成では高速運転が出来ないという課題があった。
【0010】
また、旋回スクロール28A、28Bの旋回位相(角度)が同じであるため、左右2つのポンプ機構部で吸入・圧縮・吐出行程が同時に進行し、2つのポンプ機構部の吸入流路と吐出流路を1つにすると、脈動、騒音、通路抵抗が大きくなるという課題があった。
【0011】
そこで本発明は、スクロールラップの高さ寸法を十分大きくすることができ、かつ高い回転数で運転してもラップが接触しない、すなわち小型で吐出流量の大きい空気供給装置を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、小型でかつ吐出流量が大きく、かつ容易に組み立てができる空気供給装置を提供することを目的とする。
また本発明は、吐出流量を大きくしても、吸入通路や吐出流路の脈動、騒音および流路抵抗の増大を抑えることができる空気供給装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明のスクロール型空気供給装置は、メカシャフトによって動作する旋回スクロールと、前記旋回スクロールとの間で圧縮空間を形成する固定スクロールとによってポンプ機構部が構成され、前記メカシャフトを回転させるためのモータシャフトを有したモータが設けられ、前記モータシャフトの一端側および他端側が第1および第2の軸受によってそれぞれ回転自在に保持され、前記メカシャフトの一端側が前記第1の軸受によって保持され、前記メカシャフトの他端側が、前記第1の軸受から旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第3の軸受によって保持され、前記第1の軸受の内部でモータシャフトとメカシャフトとが連結されているようにしたものである。
【0014】
このような構成であると、メカシャフトの一端側と他端側とが旋回スクロールと固定スクロールとを越えた位置で支承されるため、ガス圧縮力と遠心力の合力が半径方向力として旋回スクロールに作用しても、旋回スクロールの傾きを小さく抑えることができる。その結果、スクロールラップ高さを加工限界まで高くしてポンプ機構部の行程容積を大きくすることができるとともに、高い回転数まで運転することも可能となることから、吐出流量を著しく大きくすることができる。また、1つの軸受がモータの一端を支承するとともにポンプ機構部の一端をも併せて支承する構成としているため、全体を小型化することもできる。
【0015】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、第1の軸受は一対の第4の軸受と第5の軸受とが並んで配置された構成とされ、モータシャフトの一端が第4の軸受によって保持されるとともにメカシャフトの一端が第5の軸受によって保持されているようにしたものである。
【0016】
このような構成であると、第1の軸受を一対の軸受にて構成し、これら一対の軸受にはそれぞれモータシャフトを支承する役割とメカシャフトを支承する役割とを分担させるため、モータとポンプ機構部とを備えた複雑な構成の空気供給装置であっても、まずポンプ機構部を単独に組み立て、その後にポンプ機構部をモータに組み付けるという組立て順序をとることができるので、空気供給装置の全体を容易に組み立てることができる。
【0017】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、一対のポンプ機構部を備え、第1のポンプ機構部の第1のメカシャフトの一端側が第1の軸受によって保持され、前記第1のメカシャフトの他端側が、第1の軸受から第1のポンプ機構部の旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第3の軸受によって保持され、第2のポンプ機構部の第2のメカシャフトの一端側が第2の軸受によって保持され、前記第2のメカシャフト他端側が、第2の軸受から第2のポンプ機構部の旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第6の軸受によって保持され、第1の軸受の内部でモータシャフトと第1のメカシャフトとが連結され、第2の軸受の内部でモータシャフトと第2のメカシャフトとが連結されているようにしたものである。
【0018】
このような構成であると、モータの両側にポンプ機構部を2つ備える空気供給装置において、それぞれのポンプ機構部のメカシャフトの一端側と他端側とが旋回スクロールと固定スクロールとを越えた位置で支承されるため、ガス圧縮力と遠心力の合力が半径方向力として旋回スクロールに作用しても、旋回スクロールの傾きを小さく抑えることができる。その結果、スクロールラップ高さを加工限界まで高くしてポンプ機構部の行程容積を大きくすることができるとともに、高い回転数まで運転することも可能となることから、吐出流量を著しく大きくすることができる。また、1つの軸受がモータの一端を支承するとともにポンプ機構部の一端をも併せて支承する構成としているため、全体を小型化することもできる。
【0019】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、第1の軸受は一対の第4の軸受と第5の軸受とが並んで配置された構成とされ、第2の軸受は一対の第7の軸受と第8の軸受とが並んで配置された構成とされ、モータシャフトの一端が第4の軸受によって保持されるとともに第1のメカシャフトの一端が第5の軸受によって保持され、モータシャフトの他端が第7の軸受によって保持されるとともに第2のメカシャフトの一端が第8の軸受によって保持されているようにしたものである。
【0020】
このような構成であると、モータの両側にポンプ機構を2つ備え、ポンプ機構部の両端でそれぞれのメカシャフトの一端側を支承し、この支承部における一対の軸受がモータシャフトの一端を支承するとともにメカシャフトの一端をも併せて支承するものであるため、これら一対の軸受にはそれぞれモータシャフトを支承する役割とメカシャフトを支承する役割とを分担させることになり、このため、1モータ2ポンプ機構のような複雑な構成の空気供給装置においても、まずポンプ機構部をそれぞれ単独に組み立て、その後に2つのポンプ機構部をモータに組み付けるという組立て順序をとることができるので、空気供給装置全体を容易に組み立てることができる。
【0021】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、上記のように第1の軸受の内部でモータシャフトとメカシャフト(第1メカシャフト)とが連結されていることに代えて、モータシャフトとメカシャフト(第1メカシャフト)とが一体に構成されているようにしたものである。
【0022】
このような構成であると、メカシャフト(第1メカシャフト)とモータシャフトとを一体化してメインシャフトを構成したことにより、組立て時にポンプ機構部の軸心とモータの軸心とを容易に一致させることができるようになり、ひいては空気供給装置全体の組立てが容易にできるようになる。すなわち、まず、最初にモータを組立て、ポンプ機構部側に突き出たメインシャフトの端部から旋回スクロールと固定スクロールを嵌合してポンプ機構部を取り付けるという組立て順序をとることが可能になり、また一対のポンプ機構部を有する場合は、第1のポンプ機構部をこのように取り付けた後に、既に組立ててあった第2のポンプ機構部をこれに取り付けるという組立て順序をとることが可能になり、したがって空気供給装置全体を容易に組み立てることができる。
【0023】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、軸受が潤滑剤封入式の軸受にて構成されているようにしたものである。
このような構成であると、吐出する供給空気がオイルなどの不純物を含まないようにすることができる。
【0024】
また本発明のスクロール型空気供給装置は、第1のポンプ機構部で進行する圧縮工程の位相と第2のポンプ機構部で進行する圧縮工程の位相とが互いに180度ずれるように、モータシャフトと第1および第2のメカシャフトとが連結されているようにしたものである。
【0025】
このような構成であると、第1のポンプ機構部と第2のポンプ機構部においては、吸入行程、圧縮行程、吐出行程のすべての位相が互いに180度ずれるので、2つのポンプ機構の吸入口と吐出口をそれぞれ合流させて1流路にすると、全体の流れが均一化されて、吸入脈動や吐出脈動が減少するとともに圧力損失(流路抵抗)も減少する。また、圧縮行程での負荷トルクも均一化されるので、振動や騒音を低く抑えることができると同時に、モータの効率も向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール型空気供給装置の縦断面図である。本実施の形態のスクロール型空気供給装置は、モータ部10と、このモータ部10の両側に設けられた第1のポンプ機構部100および第2のポンプ機構部200とを備えている。
【0027】
モータ部10は、円筒状のモータフレーム11と、このモータフレーム11の内面に固定されたステータ12と、モータシャフト41と、このモータシャフト41に固定されてステータ12内で回転するロータ13とから構成されている。
【0028】
ポンプ機構部は2つを備えているが、回転部の位相が180度異なるのみで、その他の構成は同一なので、第1のポンプ機構部100を中心にして構成を説明する。ポンプ機構部100の外側を覆うケーシング150は、モータフレーム11の端面を封止するとともに第1のポンプ機構部100の一端側端面を形成する軸受プレート部151と、第1のポンプ機構部100の外周部を覆う外周ケーシング部152とが一体に構成されたものである。吐出ケーシング153が、第1のポンプ機構部100の他端側端面を形成している。第1のポンプ機構部100は、ケーシング150内に、第1メカシャフト141によって動作される旋回スクロール120と、旋回スクロール120との間で圧縮空間を形成する固定スクロール125と、旋回スクロール120を旋回動作させる自転拘束部材130とを有する。旋回スクロール120には、所定の高さで立設された旋回スクロールラップ121が設けられ、固定スクロール125には、所定の高さで立設された固定スクロールラップ126が設けられている。そして旋回スクロールラップ121と固定スクロールラップ126とは、互いに噛み合うように配置されている。なお、旋回スクロールラップ121の側面と固定スクロールラップ126の側面とは、互いに接触しないように隙間を設けている。また旋回スクロールラップ121と固定スクロールラップ126との先端の端面には、それぞれチップシール122、127が設けられている。すなわち、旋回スクロールラップ121の先端部と固定スクロール125の底面との間にはチップシール122が設けられ、また固定スクロールラップ126の先端部と旋回スクロール120の底面との間にはチップシール127が設けられている。
【0029】
ケーシング150の軸受プレート部151は、その外周部においてボルトなどの連結部材によってモータフレーム11と連結されている。なお、軸受プレート151とモータフレーム11との連結は、芯出し用の位置決めプレート163を介して行うことが好ましい。また軸受プレート部151の中心部には貫通穴158が形成され、この貫通穴158には軸受172が設けられている。モータシャフト41の一端は、この軸受172によって回転自在に保持されている。外周ケーシング部152は、第1のポンプ機構部100に空気を導入する吸入口135を備えている。また外周ケーシング部152の開放端部側は、ボルトなどの連結部材よって固定スクロール125と連結されている。
【0030】
吐出ケーシング153は、円盤状のプレート部154と、このプレート部154の外周端に連続する円筒部155とが一体に形成された構成である。円筒部155の開放端部側は、ボルトなどの連結部材によって固定スクロール125と連結されている。プレート部154の中心部には軸受180が設けられている。第1メカシャフト141の端部には偏心円盤181が連結部材(ボルト)によって取り付けられ、この偏心円盤181が軸受180に嵌合され、この構成によって第1メカシャフト141の端部が偏心状態で軸受180に回転自在に保持されている。またプレート部154は、第1のポンプ機構部100で圧縮された空気を導出する吐出口136を備えている。この吐出口136には、吐出管137がボルトなどの連結部材によって取り付けられている。固定スクロール125の中心部には、吐出ポート128が設けられている。
【0031】
自転拘束部材130は、第1メカシャフト141を中心とする旋回スクロール120の回転すなわちその自転を拘束し、旋回スクロール120を、モータシャフト41の回転軸を中心とする旋回動作すなわち公転動作のみに拘束する。具体的には自転拘束部材130は、軸受プレート部151と旋回スクロール120との間に配置されるクランクピン131によって構成される。クランクピン131は、軸受プレート部151と旋回スクロール120との間に3つ設けられ、それぞれのクランクピン131は、第1メカシャフト141から等しい距離で、等間隔に配置してある。このクランクピン131は、軸受プレート部151に設けられた軸受132と旋回スクロール120の端部に設けられた軸受133とに挿入されて保持されている。なお、軸受132、133は、グリース(潤滑剤)が封入されたボールベアリングを使用している。
【0032】
なお、図1において、220は旋回スクロール、225は固定スクロール、281は偏心円盤である。
【0033】
次に、モータシャフト41と第1メカシャフト141と第2メカシャフト241、およびこれらシャフトの保持構成について説明する。
【0034】
第1のポンプ機構部100を構成する軸受プレート部151の中心部に設けられた軸受172は、並んで配置された2つの転がり軸受173、174によって構成され、一方、第2のポンプ機構部200を構成する軸受プレート部251の中心部に設けられた軸受272は、並んで配置された2つの転がり軸受273、274によって構成されている。
【0035】
モータシャフト41は、その一端側が軸受173により回転自在に支承され、他端側が軸受273により回転自在に支承されている。
第1メカシャフト141は、軸受174と軸受180とによって偏心状態で回転自在なように保持され、同様に第2メカシャフト241は軸受274と軸受280とによって偏心状態で回転自在なように保持されている。
【0036】
モータシャフト41と第1メカシャフト141とは、軸受172内で機械的に連結されている。この実施の形態では、モータシャフト141の端部が凸形状になり、第1メカシャフト141の端部が凹形状になった連結構成となっている。ただし、形状は逆でも差し支えない。また、モータシャフト41と第2のメカシャフト241も、同様な構成にて軸受272内で連結されている。なお、これらの軸受173、軸受174、軸受273および軸受274は、グリ−スなどの潤滑剤を封入した転がり軸受を用いている。
【0037】
次に、旋回スクロール120の第1メカシャフト141への取り付け構成について説明する。旋回スクロール120の中心にはシャフト貫通穴124が設けられ、このシャフト貫通穴124には、その両端部の近くに2つの転がり軸受182、183を備え、旋回スクロール120は、これらの軸受182、183を介して第1メカシャフト141に同心状に取り付けられている。これらの軸受182、183も、グリ−スなどの潤滑剤を封入した転がり軸受を用いている。
【0038】
第1のメカシャフト141における軸受180の近傍の部分には、扇形のバランスウエイト146が設けられている。また、モータシャフト41において、ロータ13と軸受172の間に、バランスウエイト146と同様な扇形のバランスウエイト147が設けられている。バランスウエイト146、147は、モータ部10の軸心に対して偏心して回転する旋回スクロール120やメカシャフト141によって生じる遠心力に釣り合う逆向きの遠心力を働かせることで、回転バランスを保つためのものである。
【0039】
以下に、本実施の形態の空気供給装置の動作について説明する。
ここで第1のポンプ機構部100と第2のポンプ機構部200の動作は、位相が180度異なるのみでその他は同じである。よって、第1のポンプ機構部100の動作を例にとって説明する。
【0040】
モータ部10を構成するロータ13の回転によって、モータシャフト41が回転する。第1メカシャフト141は、モータシャフト41を中心にして偏心回転する。したがって、第1メカシャフト141に連接されている旋回スクロール120も、モータシャフト41を中心にして回転運動を行う。しかし、旋回スクロール120は、クランクピン130によって、第1メカシャフト141を中心とした自転動作は拘束される。したがって、旋回スクロール120は、モータシャフト41を中心とした旋回動作(公転動作)を行うだけとなる。
【0041】
この旋回スクロール120の旋回動作によって、固定スクロール125との間で形成された複数の圧縮空間は、外周部から中心部にむかって容積を狭めながら移動する。したがって、吸入口135から吸入された空気は、旋回スクロール120と固定スクロール125との間で形成される圧縮空間に閉じこめられ、圧縮されながら中心部に移動し、固定スクロール125の中心部に設けられた吐出ポート128から吐出ケーシング153内の空間に吐出され、吐出口136を経て吐出管137に至る。
【0042】
以上説明したように実施の形態1の構成では、メカシャフト141が旋回スクロール120と固定スクロール125とを貫通する構成にし、かつ貫通したメカシャフト141を軸受172、180によって旋回スクロール120の両端側の位置で支承する構成にしているため、ガス圧縮力と遠心力の合力が半径方向力として旋回スクロール120に作用しても、旋回スクロールの120の傾きを小さく抑えることができる。その結果、スクロールラップ高さを加工限界まで高くできることによりポンプ機構部の行程容積を大きくすることができるとともに、運転回転数を上昇させることも可能となることから、吐出流量を著しく大きくすることができる。
【0043】
すなわち、モータ10の両側にポンプ機構部を2つ備えたスクロール型空気供給装置において、2つのポンプ機構部の行程容積と回転数をともに大きくすることができ、大容量の空気供給装置を提供することが可能となる。
【0044】
また、軸受172あるいは軸受272がモータシャフト41の一端を支承するとともにメカシャフト141、241の一端をも併せて支承する構成としているため、全体を小型化することもできる。
【0045】
さらに、軸受172を2つの転がり軸受173、174により構成し、軸受272を2つの転がり軸受273、274により構成し、2つの転がり軸受にそれぞれモータシャフト41を支承する役割と第1メカシャフト141および第2メカシャフト241を支承する役割とを分担させているため、1モータ2メカ機構のような複雑な機構の場合においても、まずポンプ機構部100、200をそれぞれ単独で組み立て、その後2つのポンプ機構部100、200をモータ10に組み付けるという組立て順序をとることができるので、空気供給装置全体を容易に組み立てることができるという効果も生まれる。
【0046】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2のスクロール型空気供給装置の縦断面図である。本実施の形態2によるスクロール型空気供給装置は、モータ部10と、このモータ部10の両側に設けられた第1のポンプ機構部100および第2のポンプ機構部200とを備える。そして、モータ部10を構成するモータシャフト41と第1のポンプ機構部100を構成する第1メカシャフト141とを一体化して、メインシャフト40を構成したものである。このメインシャフト40は、モータシャフト41と第1メカシャフト141との境界部において、単体の軸受172によってケーシング150の軸受プレート部151に支持されている。なお、この実施の形態2において、上記のメインシャフト40に関する構成以外は、図1に示した実施の形態1と同じ構成なので、その詳しい説明は省略する。
【0047】
モータシャフト41と第1メカシャフト141とを一体化してメインシャフト40を構成したことにより、組立て時にモータ部10の軸心と第1のポンプ機構部100の軸心とを容易に一致させることができるようになり、ひいては空気供給装置全体を容易に組立てができることとなる。すなわち、まず、最初にモータ部10を組立て、第1のポンプ機構部100側に突き出たメインシャフト40の他端側から旋回スクロール120と固定スクロール125を組み立てて第1のポンプ機構部100を組み立て、これに既に組み立ててあった第2のポンプ機構部200を取り付けるという組立て順序をとることが可能になり、空気供給装置全体を容易に組み立てることができることとなる。
【0048】
また、本発明のスクロール型空気供給装置は、実施の形態1あるいは2に示したように、第1のポンプ機構部100で進行する圧縮行程の位相と、第2のポンプ機構部200で進行する圧縮行程の位相とが互いに180度ずれるように、モータシャフト41と第1メカシャフト141と第2メカシャフト241を互いに連結している。
【0049】
この構成により、第1のポンプ機構部100と第2のポンプ機構部200においては、吸入行程、圧縮行程、吐出行程のすべての位相が180度ずれるので、2つのポンプ機構部100、200の吸入流路、および吐出流路をそれぞれ合流させると、それぞれの流れが均一化されて、吸入脈動や吐出脈動が減少することとなる。また、圧縮行程での負荷トルクも均一化されて、振動や騒音を低く抑えることができるとともに、モータ部10の効率も向上する。
【0050】
【発明の効果】
上記のように本発明によると、モータとポンプ機構とを備える空気供給装置において、メカシャフトの一端側と他端側とが旋回スクロールと固定スクロールとを越えた位置で支承されるため、ガス圧縮力と遠心力との合力が半径方向力として旋回スクロールに作用しても、旋回スクロールの傾きを小さく抑えることができる。その結果、スクロールラップ高さを加工限界まで高くしてポンプ機構の行程容積を大きくすることができるとともに、運転回転数を上昇させることも可能となることから、吐出流量を大きくすることができる。また、1つの軸受がモータの一端を支承するとともにポンプ機構部の一端をも併せて支承する構成としているため、全体を小型化することもできる。
【0051】
また、上記のように、本発明の空気供給装置によれば、モータにポンプ機構部を取り付け、ポンプ機構部の両端でメカシャフトを支承し、かつ1つの軸受がモータの端部を支承するとともにポンプ機構部の一端をも併せて支承し、この軸受を並んで配置された2つの軸受より構成し、2つの軸受にそれぞれモータを支承する役割とポンプ機構部を支承する役割とを分担させたため、モータとポンプ機構部とを有する複雑な機構であっても、まずポンプ機構部を単独で組み立て、その後にモータにポンプ機構部を組み付ける組立て順序をとることができるので、空気供給装置全体を容易に組み立てることができる。
【0052】
また本発明の空気供給装置によれば、メカシャフト(第1メカシャフト)とモータシャフトとを一体化してメインシャフトを構成したことにより、組立て時にポンプ機構部の軸心とモータの軸心とを容易に一致させることができるようになり、ひいては空気供給装置全体を容易に組立てができることとなる。すなわち、まず、最初にモータを組立て、突き出たメインシャフトの他端から旋回スクロールと固定スクロールを嵌合してポンプ機構部を組立て、一対のポンプ機構部を有する場合はこれに既に組立ててあった第2のポンプ機構部を取り付けるという組立て順序をとることが可能になり、空気供給装置全体を容易に組み立てることができる。
【0053】
また本発明の空気供給装置によれば、第1のポンプ機構部と第2のポンプ機構部において、吸入行程、圧縮行程、吐出行程のすべての位相が180度ずれるので、2つのポンプ機構の吸入流路と吐出流路をそれぞれ合流させると、それぞれの流れが均一化されて、吸入脈動や吐出脈動が減少するとともに、圧縮行程での負荷トルクも均一化され、振動や騒音を低く抑えることができるとともに、モータの効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のスクロール型空気供給装置の全体構成を示す縦断面図
【図2】本発明の実施の形態2のスクロール型空気供給装置の全体構成を示す縦断面図
【図3】従来の空気供給装置の全体構成を示す縦断面図
【符号の説明】
10 モータ
41 モータシャフト
100 第1のポンプ機構部
200 第2のポンプ機構部
120、220 旋回スクロール
125、225 固定スクロール
130 自転拘束部材(クランクピン)
141、241 メカシャフト
172 軸受
173 軸受
174 軸受
272 軸受
273 軸受
274 軸受
180 軸受
280 軸受

Claims (8)

  1. メカシャフトによって動作する旋回スクロールと、前記旋回スクロールとの間で圧縮空間を形成する固定スクロールとによってポンプ機構部が構成され、前記メカシャフトを回転させるためのモータシャフトを有したモータが設けられ、前記モータシャフトの一端側および他端側が第1および第2の軸受によってそれぞれ回転自在に保持され、前記メカシャフトの一端側が前記第1の軸受によって保持され、前記メカシャフトの他端側が、前記第1の軸受から旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第3の軸受によって保持され、前記第1の軸受の内部でモータシャフトとメカシャフトとが連結されているスクロール型空気供給装置。
  2. 第1の軸受は一対の第4の軸受と第5の軸受とが並んで配置された構成とされ、モータシャフトの一端が第4の軸受によって保持されるとともにメカシャフトの一端が第5の軸受によって保持されている請求項1記載のスクロール型空気供給装置。
  3. 一対のポンプ機構部を備え、第1のポンプ機構部の第1のメカシャフトの一端側が第1の軸受によって保持され、前記第1のメカシャフトの他端側が、第1の軸受から第1のポンプ機構部の旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第3の軸受によって保持され、第2のポンプ機構部の第2のメカシャフトの一端側が第2の軸受によって保持され、前記第2のメカシャフト他端側が、第2の軸受から第2のポンプ機構部の旋回スクロールおよび固定スクロールを越えた位置で第6の軸受によって保持され、第1の軸受の内部でモータシャフトと第1のメカシャフトとが連結され、第2の軸受の内部でモータシャフトと第2のメカシャフトとが連結されている請求項1記載のスクロール型空気供給装置。
  4. 第1の軸受は一対の第4の軸受と第5の軸受とが並んで配置された構成とされ、第2の軸受は一対の第7の軸受と第8の軸受とが並んで配置された構成とされ、モータシャフトの一端が第4の軸受によって保持されるとともに第1のメカシャフトの一端が第5の軸受によって保持され、モータシャフトの他端が第7の軸受によって保持されるとともに第2のメカシャフトの一端が第8の軸受によって保持されている請求項3記載のスクロール型空気供給装置。
  5. 第1の軸受の内部でモータシャフトとメカシャフトとが連結されていることに代えて、モータシャフトとメカシャフトとが一体に構成されている請求項1または2記載のスクロール型空気供給装置。
  6. 第1の軸受の内部でモータシャフトと第1のメカシャフトとが連結されていることに代えて、モータシャフトと第1のメカシャフトとが一体に構成されている請求項3または4記載のスクロール型空気供給装置。
  7. 軸受が潤滑剤封入式の軸受にて構成されている請求項1から6までのいずれか1項記載のスクロール型空気供給装置。
  8. 第1のポンプ機構部で進行する圧縮工程の位相と第2のポンプ機構部で進行する圧縮工程の位相とが互いに180度ずれるように、モータシャフトと第1および第2のメカシャフトとが連結されている請求項3、4、6、7のいずれか1項記載のスクロール型空気供給装置。
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