JP2004270654A - 回転型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転中に発生する作動媒体の圧縮反力により生じていたアンバランス状態を解消して、騒音及び振動の発生を抑制することができる回転型圧縮機を提供する。
【解決手段】スクロール型圧縮機において、ロータ旋回スクロール16aを有するロータ部材(公転圧縮部材)16と、カウンタウエイト14と、前部バランスウエイト10bと、後部バランスウエイト10aとを備える。そして、カウンタウエイト14及び各バランスウエイト10b,10aの回転軸心Z軸に対する重心位置Gc,Gb,Ga方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向及び/又は回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からクランク軸7の回転方向に対して所定遅れ角度θだけ遅れた方向とする。
【選択図】図2
【解決手段】スクロール型圧縮機において、ロータ旋回スクロール16aを有するロータ部材(公転圧縮部材)16と、カウンタウエイト14と、前部バランスウエイト10bと、後部バランスウエイト10aとを備える。そして、カウンタウエイト14及び各バランスウエイト10b,10aの回転軸心Z軸に対する重心位置Gc,Gb,Ga方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向及び/又は回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からクランク軸7の回転方向に対して所定遅れ角度θだけ遅れた方向とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型圧縮機及びローリングピストン型圧縮機等の回転型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転型圧縮機は、運転中に低振動・低騒音を実現するため、特開昭59−215984号に開示されたバランス設計がなされている。この公報に開示されたスクロール型圧縮機を図9及び図10に示す。図9は断面図を示し、図10は図9のスクロール型圧縮機におけるバランスの説明図を示す。図9に示すように、従来のスクロール型圧縮機は、偏心軸132を有する回転軸(クランク軸)13と、偏心軸132に固定されたロータ部材(公転部材)19と、第1バランスウエイト331と、第2バランスウエイト35と、第3バランスウエイト36とを有する。各バランスウエイト331,35,36は、回転軸13に固定されている。
【0003】
従来のスクロール型圧縮機の各バランスウエイト331,35,36によるバランス設計手法について図10を用いて説明する。従来のバランス設計は、各バランスウエイトを配設することにより、ロータ部材19の旋回運動(公転運動)により発生する遠心力Frを打ち消すようにしている。まず、第1バランスウエイト331の回転軸心に対する重心位置Gc方向を、回転軸13の回転軸心に対するロータ部材19の重心位置Gr方向の反対方向に一致させている。すなわち、第1バランスウエイト331が発生する遠心力Fcにて、静バランスの釣り合いをとっている。
【0004】
また、スクロール型圧縮機全体の動バランスは、第2バランスウエイト35が発生する遠心力Fa及び第3バランスウエイト36が発生する遠心力Fbにより釣り合いをとっている。具体的には、第2バランスウエイト35の重心位置Ga方向は、第1バランスウエイト331の重心位置Gc方向と同一方向とし、第3バランスウエイト36の重心位置Gb方向は、第1バランスウエイト331の重心位置Gc方向と反対方向としている。
【0005】
また、ローリングピストン型圧縮機についても、ほぼ同様のバランス設計を行っている。ただし、ローリングピストン型圧縮機の場合のバランス設計は、シリンダ数に応じて異なる。シリンダが一つの場合は、上述のスクロール型圧縮機と同様である。シリンダが二つの場合であって、それぞれのシリンダの重心位置方向が反対方向である場合は、上述の第2バランスウエイト及び第3バランスウエイトのみを使用する。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−215984号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図9に示すスクロール型圧縮機の運転中には、作動媒体の圧縮反力により、回転軸13又は偏心軸132等の撓みや歪み、さらには回転軸13又は偏心軸132と軸受とのクリアランス等によって、ロータ部材(公転部材)19が回転方向に対して遅れる場合が生じる。すなわち、ロータ部材19の重心位置方向と各バランスウエイトとの重心位置方向にずれが生じることになる。従って、アンバランス状態となり、騒音や振動が発生する。
【0008】
特に、作動媒体として二酸化炭素等の媒体を使用した場合には、圧縮後の圧力が臨界圧力以上となり非常に大きな圧縮反力を生じるため、上述の現象が生じやすい。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、運転中においてアンバランス状態の生じないバランス設計がなされた回転型圧縮機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、バランスウエイトの取付角度をずらすことを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の回転型圧縮機は、ハウジングと、クランク軸と、公転圧縮部材と、バランスウエイトと、駆動手段とを備える。ここで、クランク軸は、ハウジングに回転軸心まわりに回転自在に軸支された主回転軸と、主回転軸に固定され回転軸心から偏心した偏心軸とを有する軸である。公転圧縮部材は、クランク軸の偏心軸に連結され、ハウジングとの間の隙間を維持しながらハウジングに対して公転運動をすると共に、公転運動により作動媒体を圧縮する部材である。バランスウエイトは、クランク軸に配設され、公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対してバランスをとるウエイトである。駆動手段は、クランク軸を回転駆動する手段である。
【0012】
そして、本発明の特徴的なことは、バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向からクランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向としていることである。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向及び/又は該重心位置方向の反対方向である。所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向がクランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0013】
つまり、回転型圧縮機の静止状態において、バランスウエイトの重心位置方向が、公転圧縮部材の重心位置方向若しくは公転圧縮部材の重心位置方向の反対方向である基準方向と一致していない。しかし、回転型圧縮機の運転中においては、上述したように、公転圧縮部材が作動媒体の圧縮反力により、クランク軸の回転方向に対して遅れた方向、すなわち公転圧縮部材の回転方向の逆方向に所定遅れ角度だけずれる。そして、その遅れ角度分だけバランスウエイトの重心位置方向をずらすことにより、回転型圧縮機の運転中においてバランスのとれた状態にすることができる。従って、回転型圧縮機の運転中において、騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0014】
なお、バランスウエイトの取付角度は実験により求めることができる。例えば、まず、重心位置方向を適当な角度にバランスウエイトを取付け、回転型圧縮機を運転させる。そして、回転型圧縮機の振動及び騒音データに基づき、最適なバランスウエイトの取付角度を求める。ここで、この角度は、圧縮時の作動媒体の圧縮反力、クランク軸の剛性、クランク軸と軸受けとのクリアランス、及び公転圧縮部材とクランク軸との取付ガタ等によって異なるものである。
【0015】
また、バランスウエイトは公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して静バランスをとる静バランスウエイトであって、静バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向から、クランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向であるようにするとよい。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向の反対方向である。また、所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向がクランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0016】
静バランスをとるためには、静バランスウエイトの重心位置方向が公転圧縮部材の重心位置方向の反対側に設けるのがよい。そこで、上述のように、静バランスウエイトを前記所定遅れ角度だけ遅れた位置に取り付けることにより、回転型圧縮機の運転中に確実に静バランスをとることができる。なお、静バランスウエイトが必要な圧縮機としては、例えば、スクロール型圧縮機や、1シリンダのローリングピストン型圧縮機等がある。
【0017】
また、バランスウエイトは公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して動バランスをとる動バランスウエイトであって、動バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向から、クランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向であるようにするとよい。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向、及び該重心位置方向の反対方向である。所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向が、クランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0018】
動バランスをとるためには、一般に、2以上の動バランスウエイトが必要となる。そして、一方の動バランスウエイトの重心位置方向を公転圧縮部材の重心位置側に、他方の動バランスウエイトの重心位置方向を公転圧縮部材の重心位置方向の反対側に設けるのがよい。そこで、上述のように、動バランスウエイトを前記所定遅れ角度だけ遅れた位置に取り付けることにより、回転型圧縮機の運転中に確実に動バランスをとることができる。なお、動バランスウエイトが必要な圧縮機としては、例えば、スクロール型圧縮機や、1シリンダのローリングピストン型圧縮機、及び複数シリンダのローリングピストン型圧縮機等がある。
【0019】
また、公転圧縮部材は、スクロール型であるようにしてもよい。すなわち、回転型圧縮機がスクロール型圧縮機である。また、公転圧縮部材は、ローリングピストン型であるようにしてもよい。すなわち、回転型圧縮機がローリングピストン型圧縮機である。
【0020】
また、駆動手段は、電動機としてもよいし、原動機としてもよい。電動機の場合は、ハウジング内に固定した構成としてもよい。また、原動機は、例えば、車両用の内燃機関等である。
【0021】
また、作動媒体は、冷凍サイクル内を流通する冷媒であって、圧縮後の圧力が臨界圧力以上である媒体としてもよい。このような作動媒体としては、例えば、二酸化炭素冷媒である。圧縮後の圧力が臨界圧力以上となる場合には、作動媒体による圧縮反力が非常に大きくなる。つまり、大きな圧縮反力により、公転圧縮部材が回転方向に対して大きく遅れることになる。この場合に、従来のようなバランス設計では、非常に大きな騒音や振動が発生するおそれがある。そこで、本発明のバランス設計を行うことで、上述の作動媒体を使用したとしても、騒音や振動の発生を確実に抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態における回転型圧縮機について図1〜図5を参照して説明する。ここで、本実施形態における回転型圧縮機として、一体化された電動モータにより駆動されるスクロール型圧縮機を例に取り説明する。図1には、スクロール型圧縮機の断面図を示す。
【0024】
図1に示すように、スクロール型圧縮機は、外形がフロントハウジング(ハウジング)1、ミドルハウジング(ハウジング)2、シェル(ハウジング)3、及びリアプレート(ハウジング)4から構成される。そして、内部側には、駆動部と、軸部と、圧縮部と、バランスウエイトとから構成される。
【0025】
駆動部(駆動手段)は、電動モータ(電動機)から構成される。電動モータは、ステータモータ8と、ロータモータ9とから構成される。ステータモータ8は、フロントハウジング1の内周側に固定されている。ロータモータ9は、複数個の永久磁石により構成され、ステータモータ8の内側に回転可能に配設されている。なお、電動モータは、ブラシレスモータを構成している。
【0026】
軸部は、クランク軸6,6aと、フロント玉軸受け11と、ミドル軸受け12と、ブッシュ13と、ロータ軸受け15とから構成される。クランク軸は、シャフト(主回転軸)7と、シャフト偏心部(偏心軸)7aとから構成される。シャフト7は、ロータモータ9に固定されている。すなわち、ロータモータ9の回転に伴いシャフト7が回転する。シャフト偏心部7aは、シャフト7の一端側に固定されており、シャフト7の回転軸心から偏心した位置に配設されている。フロント玉軸受け11は、フロントハウジング1内部の一端側に配設され、ミドル軸受け12は、フロントハウジング1内部の他端側に配設されている。そして、フロント玉軸受け11及びミドル軸受け12により、シャフト7を支承している。ブッシュ13は、クランク軸のシャフト偏心部7aに固定されている。ロータ軸受け15は、ブッシュ13の外周側に配設され、後述するロータ部材16をブッシュ13に対して回動可能に支承している。
【0027】
圧縮部は、ロータ部材16と、ピン17と、上述したシェル3と、スラスト受け部2aとから構成される。ロータ部材16は、ロータ旋回スクロール16aと、ロータボス部16bとから構成される。ロータ旋回スクロール16aは、渦巻状の羽根部が形成されている。ロータボス部16bは、ロータ旋回スクロール16aの反対側に配設され、上述したロータ軸受け15の外周側に取り付けられる。また、ロータ部材16には、位置決め用の穴が形成され、この位置決め用の穴にピン17が嵌挿されている。スラスト受け部2aは、ロータ部材16とミドルハウジング2との間に配設されている。そして、シェル3は、ロータ旋回スクロール16aに対向する面にロータ旋回スクロール16aの羽根部とほぼ同様の羽根部からなるシェル固定スクロール3aが形成されている。また、シェル3には、作動媒体の吸入口及び吐出口が形成されている。そして、シェル固定スクロール3aとロータ旋回スクロール16aとの間には、作動室(所定隙間)22が形成されており、この作動室22にて作動媒体が圧縮される。
【0028】
ここで、ロータ部材16は、シャフト7から公転駆動部23を介して電動モータの駆動力が伝達されて、シェル3に対して公転運動するように構成されている。この公転駆動部23は、シャフト偏心部7aと、ブッシュ13と、ロータ軸受け15と、ロータボス部16bとスラスト受け部2aとから構成されている。
【0029】
バランスウエイトは、カウンタウエイト(静バランスウエイト)14と、前部バランスウエイト(動バランスウエイト)10bと、後部バランスウエイト(動バランスウエイト)10aとからなる。カウンタウエイト14は、図4又は図5に示すような形状をなしている。すなわち、カウンタウエイトは、取付軸と、重り部とからなる。取付軸は、中央にブッシュ13が嵌挿される穴が形成されているリング状の部分である。重り部は、略半月状の形状に形成されている。この重り部は、図4に示すような対称形状であってもよいし、図5に示すような非対称形状であってもよい。
【0030】
前部バランスウエイト10b及び後部バランスウエイト10aは、カウンタウエイト14とほぼ同様の形状をなしている。ただし、前部及び後部バランスウエイト10b,10aは、カウンタウエイト14に比べて、小さな重り部を有している。そして、この前部及び後部バランスウエイト10b,10aは、ロータモータ9の両端側にそれぞれ配設されている。前部バランスウエイト10bは、ロータモータ9の前側、すなわちフロント玉軸受け11側に配設されている。後部バランスウエイト10aは、ロータモータ9の後側、すなわちミドル軸受け12側に配設されている。
【0031】
次に、図2及び図3を参照して、バランスウエイトの位置関係及び遠心力の関係について説明する。図2は、図1のスクロール型圧縮機の内部構成部品の斜視図である。すなわち、シャフト7と、ロータモータ9と、ブッシュ13と、ロータ部材16と、各バランスウエイト10b,10a,14とを示す。図3は、ロータ部材16と、各バランスウエイト10b,10a,14の重心位置関係について模式的に示した図である。なお、図2及び図3の各構成部品の位置関係は、スクロール型圧縮機の停止中の位置関係を示す。
【0032】
まず、バランスウエイトの重心位置の関係について説明する。図2及び図3に示すように、シャフト7の回転軸心をZ軸とする。そして、このシャフト7等は、図示するように、時計回りに回転させる。また、ロータ部材16の重心位置GrがY軸上に位置するとする。すなわち、シャフト偏心部7aがシャフト7の回転軸心に対してY軸方向に偏心している場合である。そして、カウンタウエイト14の重心位置Gcは、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Grとはほぼ反対側に位置する。詳細には、カウンタウエイト14の回転軸心Z軸に対する重心位置Gc方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。図4又は図5に示すような形状のカウンタウエイト14は、それぞれ図示するような位置に取り付けられる。
【0033】
また、後部バランスウエイト10aは、後部バランスウエイト10aの重心位置Ga方向が、カウンタウエイト14と同様の方向となるように取り付けられる。すなわち、後部バランスウエイト10aの回転軸心Z軸に対する重心位置Ga方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0034】
また、前部バランスウエイト10bは、前部バランスウエイト10bの重心位置Gb方向が、カウンタウエイト14及び後部バランスウエイト10aの重心位置Gc,Ga方向の反対方向となるように取り付けられる。すなわち、前部バランスウエイト10bの回転軸心Z軸に対する重心位置Gb方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0035】
次に、バランスウエイト及びロータ部材13の遠心力の関係について図3を参照して説明する。ロータ部材16の重心位置はGrであって、遠心力はFrとなる。カウンタウエイト14の重心位置はGcであって、遠心力はFcとなる。そして、遠心力Fc方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。ここで、ロータ部材16の遠心力Frとカウンタウエイト14の遠心力Fcとは、同じ大きさである。カウンタウエイト14はロータ部材16より小さな質量からなるものであるが、回転軸心Z軸と重心位置Gcとの距離を回転軸心Z軸と重心位置Grとの距離より大きくしていることにより、遠心力を同一とすることができる。
【0036】
そして、前部バランスウエイト10bの重心位置はGbであって、遠心力はFbである。この遠心力Fb方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。後部バランスウエイト10aの重心位置はGaであって、遠心力はFaである。この遠心力Fa方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。これらバランスウエイト10b,10aの遠心力Fb,Faは、ロータ部材16の遠心力Fr及びカウンタウエイトの遠心力Fcより小さい。
【0037】
次に、上述のように構成されたスクロール型圧縮機の動作について説明する。まず、電動モータの回転駆動により、シャフト7が回転する。シャフト7の回転に伴って、シャフト偏心部7aが回転する。そして、シャフト偏心部7aの回転により、ロータ部材16がシェル3に対して公転運動する。この公転運動により、作動室に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。
【0038】
次に、スクロール型圧縮機を動作させた場合におけるスクロール型圧縮機のバランスについて説明する。スクロール型圧縮機を動作させると、上述したように、ロータ部材16が公転運動を行う。このときに発生する遠心力Frの方向は、図3に示したようなY軸方向とは一致しない。これは、ロータ部材16が回転方向の反対方向に発生する作動媒体の圧縮反力によるものである。従って、作動媒体の圧縮反力により、実際には、回転方向の反対方向に所定遅れ角度θ1だけ遅れた方向にロータ部材16の遠心力が発生することになる。この遅れ角度θ1は、作動媒体の圧縮反力、シャフト7の剛性、シャフト7と各軸受けとのクリアランス、及びロータ部材16とブッシュ13との取付ガタ等によって決定される。
【0039】
そして、ロータ部材16の遠心力方向の遅れ角度θ1とカウンタウエイト14及び前部バランスウエイト10b及び後部バランスウエイト10aの遠心力Fc,Fb,Fa方向のY軸方向とのずれ角度θとが一致する場合は、静バランス及び動バランスが釣り合っている状態となる。つまり、スクロール型圧縮機の運転中に騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態における回転型圧縮機について図6〜図8を参照して説明する。ここで、本実施形態における回転型圧縮機として、一体化された電動モータにより駆動される2シリンダのローリングピストン型圧縮機を例に取り説明する。図6には、ローリングピストン型圧縮機の断面図を示す。
【0041】
図6に示すように、ローリングピストン型圧縮機は、外形が、ハウジング31と、アッパハウジング32とから構成される。そして、内部側には、駆動部と、軸部と、圧縮部と、バランスウエイトとから構成される。
【0042】
駆動部(駆動手段)は、電動モータ(電動機)から構成される。電動モータは、ステータモータ34と、ロータモータ35とから構成される。ステータモータ34は、ハウジング31の内周側に固定されている。ロータモータ35は、複数個の永久磁石により構成され、ステータモータ34の内側に回転可能に配設されている。なお、電動モータは、ブラシレスモータを構成している。
【0043】
軸部は、クランク軸36,36a,36bと、フロント軸受け38aと、リヤ軸受け40aとから構成される。クランク軸は、シャフト(主回転軸)36と、フロントシャフト偏心部(偏心軸)36aと、リヤシャフト偏心部(偏心軸)36bとから構成される。シャフト36は、ロータモータ35に固定されている。すなわち、ロータモータ35の回転に伴いシャフト36が回転する。フロントシャフト偏心部36a及びリヤシャフト偏心部36bは、シャフト36の一端側に一体化されており、シャフト36の回転軸心から偏心した位置に配設されている。そして、フロントシャフト偏心部36aの偏心方向とリヤシャフト偏心部36bの偏心方向は、反対方向を向いている。
【0044】
そして、フロント軸受け38aと、リヤ軸受け40aは、それぞれ、後述するフロントプレート38、リヤプレート40、ハウジング1に固定されて、クランク軸を支承している。
【0045】
圧縮部は、フロントプレート38と、ミドルプレート39と、リヤプレート40と、フロントロータ41と、リヤロータ42と、フロントベーン43と、リヤベーン44と、フロントシリンダ45と、リヤシリンダ46とから構成される。まず、フロントプレート38、フロントシリンダ45、ミドルプレート39、リヤシリンダ46、リヤプレート40の順にハウジング1に固定されている。そして、上述したフロント軸受け38aは、フロントプレート38の内周側に配設され、リヤ軸受け40aは、リヤプレート40の内周側に配設されている。
【0046】
そして、フロントロータ(公転圧縮部材)41は、フロントシャフト偏心部6aに回転摺動可能に嵌合され、フロントシリンダ45内にて配設されている。また、リヤロータ(公転圧縮部材)42は、リヤシャフト偏心部6bに回転摺動可能に嵌合され、リヤシリンダ46内にて配設されている。つまり、シャフト36が回転することにより、フロントロータ41及びリヤロータ42は、フロントシリンダ45及びリヤシリンダ46に対して公転運動を行う。
【0047】
フロントベーン43は、フロントロータ41に接しており、フロントシリンダ45に対して摺動可能に配設されている。このフロントベーン43は、フロントロータ41,フロントシリンダ45,フロントプレート38及びミドルプレート39により形成される作動室47を高圧室と低圧室とに区画している。また、リヤベーン44は、リヤロータ42に接しており、リヤシリンダ46に対して摺動可能に配設されている。このリヤベーン44は、リヤロータ42,リヤシリンダ46,ミドルプレート39及びリヤプレート40により形成される作動室47を高圧室と低圧室とに区画している。
【0048】
バランスウエイトは、前部バランスウエイト(動バランスウエイト)37bと、後部バランスウエイト(動バランスウエイト)37aとからなる。これらのバランスウエイトは、第1実施形態におけるバランスウエイトとほぼ同一形状をなしている。そして、この前部及び後部バランスウエイト37b,37aは、ロータモータ35の両端側にそれぞれ配設されている。前部バランスウエイト37bは、ロータモータ35の前側に配設されている。後部バランスウエイト37aは、ロータモータ35の後側に配設されている。
【0049】
次に、図7及び図8を参照して、バランスウエイトの位置関係及び遠心力の関係について説明する。図7は、図6のローリングピストン型圧縮機の内部構成部品の斜視図である。すなわち、シャフト36と、ロータモータ35と、フロントロータ41と、リヤロータ42と、前部及び後部バランスウエイト37b,37aとを示す。図8は、フロントロータ41と、リヤロータ42と、前部及び後部バランスウエイト37b,37aの重心位置関係について模式的に示した図である。なお、図7及び図8の各構成部品の位置関係は、ローリングピストン型圧縮機の停止中の位置関係を示す。
【0050】
まず、バランスウエイトの重心位置の関係について説明する。図7及び図8に示すように、シャフト36の回転軸心をZ軸とする。そして、このシャフト36等は、図示するように、時計回りに回転させる。また、リヤロータ42の重心位置Gr1がY軸正方向上に位置するとする。すなわち、リヤシャフト偏心部36bがシャフト36の回転軸心に対してY軸正方向に偏心している場合である。さらに、フロントロータ41の重心位置Gr2がY軸負方向上に位置するとする。すなわち、フロントシャフト偏心部36aがシャフト36の回転軸心に対してY軸負方向に偏心している場合である。
【0051】
そして、後部バランスウエイト37aの重心位置Gaは、回転軸心Z軸に対するフロントロータ41の重心位置Gr2方向とほぼ同一側に位置する詳細には、後部バランスウエイト37aの回転軸心Z軸に対する重心位置Ga方向は、回転軸心Z軸に対するフロントロータ41の重心位置Gr2方向からずれ角度θだけ、シャフト36の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0052】
また、前部バランスウエイト37bは、前部バランスウエイト37bの重心位置Gb方向が、後部バランスウエイト37aの重心位置Ga方向の反対方向となるように取り付けられる。すなわち、前部バランスウエイト37bの回転軸心Z軸に対する重心位置Gb方向は、回転軸心Z軸に対するリヤロータ42の重心位置Gr1方向からずれ角度θだけ、シャフト36の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0053】
次に、バランスウエイト及び各ロータの遠心力の関係について図8を参照して説明する。リヤロータ42の重心位置はGr1であって、遠心力はFr1となる。フロントロータ41の重心位置はGr2であって、遠心力はFr2となる。そして、後部バランスウエイト37aの重心位置はGaであって、遠心力はFaである。この遠心力Fa方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。前部バランスウエイト37bの重心位置はGbであって、遠心力はFbである。この遠心力Fb方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。
【0054】
次に、上述のように構成されたローリングピストン型圧縮機の動作について説明する。まず、電動モータの回転駆動により、シャフト36が回転する。シャフト36の回転に伴って、フロントシャフト偏心部36a及びリヤシャフト偏心部36bが回転する。そして、フロントシャフト偏心部36aの回転により、フロントロータ41がフロントシリンダ45に対して公転運動する。この公転運動により、作動室47に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。さらに、リヤシャフト偏心部36bの回転により、リヤロータ42がリヤシリンダ46に対して公転運動する。この公転運動により、作動室47に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。
【0055】
次に、ローリングピストン型圧縮機を動作させた場合におけるローリングピストン型圧縮機のバランスについて説明する。ローリングピストン型圧縮機を動作させると、上述したように、フロントロータ41及びリヤロータ42が公転運動を行う。このときに発生する遠心力Fr1,Fr2の方向は、図3に示したようなY軸方向とは一致しない。これは、フロントロータ41及びリヤロータ42が回転方向の反対方向に発生する作動媒体の圧縮反力によるものである。従って、作動媒体の圧縮反力により、実際には、回転方向の反対方向に所定遅れ角度θ1だけ遅れた方向にフロントロータ41及びリヤロータ42の遠心力が発生することになる。この遅れ角度θ1は、作動媒体の圧縮反力、シャフト36の剛性、シャフト36と各軸受けとのクリアランス等によって決定される。
【0056】
そして、フロントロータ41及びリヤロータ42の遠心力方向の遅れ角度θ1と、前部バランスウエイト37b及び後部バランスウエイト37aの遠心力Fb,Fa方向のY軸方向とのずれ角度θとが一致する場合は、動バランスが釣り合っている状態となる。つまり、ローリングピストン型圧縮機の運転中に騒音や振動の発生を抑制することができる。なお、静バランスは、2シリンダとすることにより、フロントロータ41とリヤロータ42のみにより釣り合っている。
【0057】
なお、第2実施形態では、2シリンダのローリングピストン型圧縮機としているが、複数のシリンダを有するローリングピストン型圧縮機であって、ロータの静バランスが釣り合っている圧縮機であれば適用することができる。また、1シリンダのローリングピストン圧縮機等のように、ロータの静バランスが釣り合っていない圧縮機の場合には、第1実施形態に示した構成が適用できる。
【0058】
また、作動媒体として、例えば、二酸化炭素冷媒(炭酸ガス冷媒)を用いた圧縮機においては、作動室の圧力が5〜10MPaという高圧となる。そのため、ロータ部材に加わるラジアル方向の冷媒ガス圧縮反力が非常に大きくなる。従って、作動媒体として二酸化炭素冷媒等を用いた場合には、ロータ部材の重心Grの遅れ角度θ1も大きくなるためアンバランスを発生しやすい特徴がある。また、前記遅れ角度θ1は、軸受け及びその他の回転摺動部のクリアランスの大小等にも依存するが、第1実施例におけるスクロール型圧縮機では、行程容積4.5cm3で、一般的な基準に従い設計製作したものにおいて、この遅れ角度θ1は約3°であった。
【0059】
また、図3に示す実施形態においては、カウンタウエイト14の重心Gc、後部バランスウエイト10aの重心Ga、前部バランサウエイト10bの重心Gbともずれ角度θだけ回転方向に対して遅らせて取り付けているが、最も影響の大きいカウンタウエイト14の重心Gcのみをずれ角度θ遅らせて取り付ける構成としてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、電動モータを使用した電動圧縮機としたが、原動機等の外部駆動力により運転される開放型圧縮機としてもよい。また、作動媒体のうち冷凍サイクルに用いられる冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)冷媒に限定されるものではなく、フロン、ハイドロカーボンその他の冷媒システムにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるスクロール型圧縮機の断面図である。
【図2】図1の内部構成部品を示す斜視図である。
【図3】バランスウエイト及びロータ部材の重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【図4】カウンタウエイトを示す図である。
【図5】カウンタウエイトを示す図である。
【図6】第2実施形態におけるローリングピストン型圧縮機の断面図である。
【図7】図6の内部構成部品を示す斜視図である。
【図8】バランスウエイト及び各ロータの重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【図9】従来のスクロール型圧縮機の断面図である。
【図10】図9のバランスウエイト及びロータ部材の重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:フロントハウジング、 2:ミドルハウジング、 3:シェル、
3a:シェル固定スクロール、 4:リアプレート、 7:シャフト、
7a:シャフト偏心部、 8:ステータモータ、 9:ロータモータ、
10a:後部バランスウエイト、 10b:前部バランスウエイト、
11:フロント玉軸受け、 12:ミドル軸受け、 13:ブッシュ、
14:カウンタウエイト、 15:ロータ軸受け、 16:ロータ部材、
16a:ロータ旋回スクロール、 16b:ロータボス部、 17:ピン、
22:作動室、 23:公転駆動部、 31:ハウジング、
34:ステータモータ、 35:ロータモータ、 36:シャフト、
36a:フロントシャフト偏心部、 36b:リヤシャフト偏心部、
37a:後部バランスウエイト、 37b:前部バランスウエイト、
41:フロントロータ、 42:リヤロータ、 43:フロントベーン、
44:リヤベーン、 45:フロントシリンダ、 46:リヤシリンダ、
47:作動室
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型圧縮機及びローリングピストン型圧縮機等の回転型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転型圧縮機は、運転中に低振動・低騒音を実現するため、特開昭59−215984号に開示されたバランス設計がなされている。この公報に開示されたスクロール型圧縮機を図9及び図10に示す。図9は断面図を示し、図10は図9のスクロール型圧縮機におけるバランスの説明図を示す。図9に示すように、従来のスクロール型圧縮機は、偏心軸132を有する回転軸(クランク軸)13と、偏心軸132に固定されたロータ部材(公転部材)19と、第1バランスウエイト331と、第2バランスウエイト35と、第3バランスウエイト36とを有する。各バランスウエイト331,35,36は、回転軸13に固定されている。
【0003】
従来のスクロール型圧縮機の各バランスウエイト331,35,36によるバランス設計手法について図10を用いて説明する。従来のバランス設計は、各バランスウエイトを配設することにより、ロータ部材19の旋回運動(公転運動)により発生する遠心力Frを打ち消すようにしている。まず、第1バランスウエイト331の回転軸心に対する重心位置Gc方向を、回転軸13の回転軸心に対するロータ部材19の重心位置Gr方向の反対方向に一致させている。すなわち、第1バランスウエイト331が発生する遠心力Fcにて、静バランスの釣り合いをとっている。
【0004】
また、スクロール型圧縮機全体の動バランスは、第2バランスウエイト35が発生する遠心力Fa及び第3バランスウエイト36が発生する遠心力Fbにより釣り合いをとっている。具体的には、第2バランスウエイト35の重心位置Ga方向は、第1バランスウエイト331の重心位置Gc方向と同一方向とし、第3バランスウエイト36の重心位置Gb方向は、第1バランスウエイト331の重心位置Gc方向と反対方向としている。
【0005】
また、ローリングピストン型圧縮機についても、ほぼ同様のバランス設計を行っている。ただし、ローリングピストン型圧縮機の場合のバランス設計は、シリンダ数に応じて異なる。シリンダが一つの場合は、上述のスクロール型圧縮機と同様である。シリンダが二つの場合であって、それぞれのシリンダの重心位置方向が反対方向である場合は、上述の第2バランスウエイト及び第3バランスウエイトのみを使用する。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−215984号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図9に示すスクロール型圧縮機の運転中には、作動媒体の圧縮反力により、回転軸13又は偏心軸132等の撓みや歪み、さらには回転軸13又は偏心軸132と軸受とのクリアランス等によって、ロータ部材(公転部材)19が回転方向に対して遅れる場合が生じる。すなわち、ロータ部材19の重心位置方向と各バランスウエイトとの重心位置方向にずれが生じることになる。従って、アンバランス状態となり、騒音や振動が発生する。
【0008】
特に、作動媒体として二酸化炭素等の媒体を使用した場合には、圧縮後の圧力が臨界圧力以上となり非常に大きな圧縮反力を生じるため、上述の現象が生じやすい。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、運転中においてアンバランス状態の生じないバランス設計がなされた回転型圧縮機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、バランスウエイトの取付角度をずらすことを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の回転型圧縮機は、ハウジングと、クランク軸と、公転圧縮部材と、バランスウエイトと、駆動手段とを備える。ここで、クランク軸は、ハウジングに回転軸心まわりに回転自在に軸支された主回転軸と、主回転軸に固定され回転軸心から偏心した偏心軸とを有する軸である。公転圧縮部材は、クランク軸の偏心軸に連結され、ハウジングとの間の隙間を維持しながらハウジングに対して公転運動をすると共に、公転運動により作動媒体を圧縮する部材である。バランスウエイトは、クランク軸に配設され、公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対してバランスをとるウエイトである。駆動手段は、クランク軸を回転駆動する手段である。
【0012】
そして、本発明の特徴的なことは、バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向からクランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向としていることである。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向及び/又は該重心位置方向の反対方向である。所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向がクランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0013】
つまり、回転型圧縮機の静止状態において、バランスウエイトの重心位置方向が、公転圧縮部材の重心位置方向若しくは公転圧縮部材の重心位置方向の反対方向である基準方向と一致していない。しかし、回転型圧縮機の運転中においては、上述したように、公転圧縮部材が作動媒体の圧縮反力により、クランク軸の回転方向に対して遅れた方向、すなわち公転圧縮部材の回転方向の逆方向に所定遅れ角度だけずれる。そして、その遅れ角度分だけバランスウエイトの重心位置方向をずらすことにより、回転型圧縮機の運転中においてバランスのとれた状態にすることができる。従って、回転型圧縮機の運転中において、騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0014】
なお、バランスウエイトの取付角度は実験により求めることができる。例えば、まず、重心位置方向を適当な角度にバランスウエイトを取付け、回転型圧縮機を運転させる。そして、回転型圧縮機の振動及び騒音データに基づき、最適なバランスウエイトの取付角度を求める。ここで、この角度は、圧縮時の作動媒体の圧縮反力、クランク軸の剛性、クランク軸と軸受けとのクリアランス、及び公転圧縮部材とクランク軸との取付ガタ等によって異なるものである。
【0015】
また、バランスウエイトは公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して静バランスをとる静バランスウエイトであって、静バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向から、クランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向であるようにするとよい。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向の反対方向である。また、所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向がクランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0016】
静バランスをとるためには、静バランスウエイトの重心位置方向が公転圧縮部材の重心位置方向の反対側に設けるのがよい。そこで、上述のように、静バランスウエイトを前記所定遅れ角度だけ遅れた位置に取り付けることにより、回転型圧縮機の運転中に確実に静バランスをとることができる。なお、静バランスウエイトが必要な圧縮機としては、例えば、スクロール型圧縮機や、1シリンダのローリングピストン型圧縮機等がある。
【0017】
また、バランスウエイトは公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して動バランスをとる動バランスウエイトであって、動バランスウエイトの回転軸心に対する重心位置方向は、基準方向から、クランク軸の回転方向に対して、所定遅れ角度だけ遅れた方向であるようにするとよい。ここで、基準方向とは、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向、及び該重心位置方向の反対方向である。所定遅れ角度とは、作動媒体の圧縮反力により、公転圧縮部材の回転軸心に対する重心位置方向が、クランク軸の回転方向に対して遅れる角度である。
【0018】
動バランスをとるためには、一般に、2以上の動バランスウエイトが必要となる。そして、一方の動バランスウエイトの重心位置方向を公転圧縮部材の重心位置側に、他方の動バランスウエイトの重心位置方向を公転圧縮部材の重心位置方向の反対側に設けるのがよい。そこで、上述のように、動バランスウエイトを前記所定遅れ角度だけ遅れた位置に取り付けることにより、回転型圧縮機の運転中に確実に動バランスをとることができる。なお、動バランスウエイトが必要な圧縮機としては、例えば、スクロール型圧縮機や、1シリンダのローリングピストン型圧縮機、及び複数シリンダのローリングピストン型圧縮機等がある。
【0019】
また、公転圧縮部材は、スクロール型であるようにしてもよい。すなわち、回転型圧縮機がスクロール型圧縮機である。また、公転圧縮部材は、ローリングピストン型であるようにしてもよい。すなわち、回転型圧縮機がローリングピストン型圧縮機である。
【0020】
また、駆動手段は、電動機としてもよいし、原動機としてもよい。電動機の場合は、ハウジング内に固定した構成としてもよい。また、原動機は、例えば、車両用の内燃機関等である。
【0021】
また、作動媒体は、冷凍サイクル内を流通する冷媒であって、圧縮後の圧力が臨界圧力以上である媒体としてもよい。このような作動媒体としては、例えば、二酸化炭素冷媒である。圧縮後の圧力が臨界圧力以上となる場合には、作動媒体による圧縮反力が非常に大きくなる。つまり、大きな圧縮反力により、公転圧縮部材が回転方向に対して大きく遅れることになる。この場合に、従来のようなバランス設計では、非常に大きな騒音や振動が発生するおそれがある。そこで、本発明のバランス設計を行うことで、上述の作動媒体を使用したとしても、騒音や振動の発生を確実に抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態における回転型圧縮機について図1〜図5を参照して説明する。ここで、本実施形態における回転型圧縮機として、一体化された電動モータにより駆動されるスクロール型圧縮機を例に取り説明する。図1には、スクロール型圧縮機の断面図を示す。
【0024】
図1に示すように、スクロール型圧縮機は、外形がフロントハウジング(ハウジング)1、ミドルハウジング(ハウジング)2、シェル(ハウジング)3、及びリアプレート(ハウジング)4から構成される。そして、内部側には、駆動部と、軸部と、圧縮部と、バランスウエイトとから構成される。
【0025】
駆動部(駆動手段)は、電動モータ(電動機)から構成される。電動モータは、ステータモータ8と、ロータモータ9とから構成される。ステータモータ8は、フロントハウジング1の内周側に固定されている。ロータモータ9は、複数個の永久磁石により構成され、ステータモータ8の内側に回転可能に配設されている。なお、電動モータは、ブラシレスモータを構成している。
【0026】
軸部は、クランク軸6,6aと、フロント玉軸受け11と、ミドル軸受け12と、ブッシュ13と、ロータ軸受け15とから構成される。クランク軸は、シャフト(主回転軸)7と、シャフト偏心部(偏心軸)7aとから構成される。シャフト7は、ロータモータ9に固定されている。すなわち、ロータモータ9の回転に伴いシャフト7が回転する。シャフト偏心部7aは、シャフト7の一端側に固定されており、シャフト7の回転軸心から偏心した位置に配設されている。フロント玉軸受け11は、フロントハウジング1内部の一端側に配設され、ミドル軸受け12は、フロントハウジング1内部の他端側に配設されている。そして、フロント玉軸受け11及びミドル軸受け12により、シャフト7を支承している。ブッシュ13は、クランク軸のシャフト偏心部7aに固定されている。ロータ軸受け15は、ブッシュ13の外周側に配設され、後述するロータ部材16をブッシュ13に対して回動可能に支承している。
【0027】
圧縮部は、ロータ部材16と、ピン17と、上述したシェル3と、スラスト受け部2aとから構成される。ロータ部材16は、ロータ旋回スクロール16aと、ロータボス部16bとから構成される。ロータ旋回スクロール16aは、渦巻状の羽根部が形成されている。ロータボス部16bは、ロータ旋回スクロール16aの反対側に配設され、上述したロータ軸受け15の外周側に取り付けられる。また、ロータ部材16には、位置決め用の穴が形成され、この位置決め用の穴にピン17が嵌挿されている。スラスト受け部2aは、ロータ部材16とミドルハウジング2との間に配設されている。そして、シェル3は、ロータ旋回スクロール16aに対向する面にロータ旋回スクロール16aの羽根部とほぼ同様の羽根部からなるシェル固定スクロール3aが形成されている。また、シェル3には、作動媒体の吸入口及び吐出口が形成されている。そして、シェル固定スクロール3aとロータ旋回スクロール16aとの間には、作動室(所定隙間)22が形成されており、この作動室22にて作動媒体が圧縮される。
【0028】
ここで、ロータ部材16は、シャフト7から公転駆動部23を介して電動モータの駆動力が伝達されて、シェル3に対して公転運動するように構成されている。この公転駆動部23は、シャフト偏心部7aと、ブッシュ13と、ロータ軸受け15と、ロータボス部16bとスラスト受け部2aとから構成されている。
【0029】
バランスウエイトは、カウンタウエイト(静バランスウエイト)14と、前部バランスウエイト(動バランスウエイト)10bと、後部バランスウエイト(動バランスウエイト)10aとからなる。カウンタウエイト14は、図4又は図5に示すような形状をなしている。すなわち、カウンタウエイトは、取付軸と、重り部とからなる。取付軸は、中央にブッシュ13が嵌挿される穴が形成されているリング状の部分である。重り部は、略半月状の形状に形成されている。この重り部は、図4に示すような対称形状であってもよいし、図5に示すような非対称形状であってもよい。
【0030】
前部バランスウエイト10b及び後部バランスウエイト10aは、カウンタウエイト14とほぼ同様の形状をなしている。ただし、前部及び後部バランスウエイト10b,10aは、カウンタウエイト14に比べて、小さな重り部を有している。そして、この前部及び後部バランスウエイト10b,10aは、ロータモータ9の両端側にそれぞれ配設されている。前部バランスウエイト10bは、ロータモータ9の前側、すなわちフロント玉軸受け11側に配設されている。後部バランスウエイト10aは、ロータモータ9の後側、すなわちミドル軸受け12側に配設されている。
【0031】
次に、図2及び図3を参照して、バランスウエイトの位置関係及び遠心力の関係について説明する。図2は、図1のスクロール型圧縮機の内部構成部品の斜視図である。すなわち、シャフト7と、ロータモータ9と、ブッシュ13と、ロータ部材16と、各バランスウエイト10b,10a,14とを示す。図3は、ロータ部材16と、各バランスウエイト10b,10a,14の重心位置関係について模式的に示した図である。なお、図2及び図3の各構成部品の位置関係は、スクロール型圧縮機の停止中の位置関係を示す。
【0032】
まず、バランスウエイトの重心位置の関係について説明する。図2及び図3に示すように、シャフト7の回転軸心をZ軸とする。そして、このシャフト7等は、図示するように、時計回りに回転させる。また、ロータ部材16の重心位置GrがY軸上に位置するとする。すなわち、シャフト偏心部7aがシャフト7の回転軸心に対してY軸方向に偏心している場合である。そして、カウンタウエイト14の重心位置Gcは、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Grとはほぼ反対側に位置する。詳細には、カウンタウエイト14の回転軸心Z軸に対する重心位置Gc方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。図4又は図5に示すような形状のカウンタウエイト14は、それぞれ図示するような位置に取り付けられる。
【0033】
また、後部バランスウエイト10aは、後部バランスウエイト10aの重心位置Ga方向が、カウンタウエイト14と同様の方向となるように取り付けられる。すなわち、後部バランスウエイト10aの回転軸心Z軸に対する重心位置Ga方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向の反対方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0034】
また、前部バランスウエイト10bは、前部バランスウエイト10bの重心位置Gb方向が、カウンタウエイト14及び後部バランスウエイト10aの重心位置Gc,Ga方向の反対方向となるように取り付けられる。すなわち、前部バランスウエイト10bの回転軸心Z軸に対する重心位置Gb方向は、回転軸心Z軸に対するロータ部材16の重心位置Gr方向からずれ角度θだけ、シャフト7の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0035】
次に、バランスウエイト及びロータ部材13の遠心力の関係について図3を参照して説明する。ロータ部材16の重心位置はGrであって、遠心力はFrとなる。カウンタウエイト14の重心位置はGcであって、遠心力はFcとなる。そして、遠心力Fc方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。ここで、ロータ部材16の遠心力Frとカウンタウエイト14の遠心力Fcとは、同じ大きさである。カウンタウエイト14はロータ部材16より小さな質量からなるものであるが、回転軸心Z軸と重心位置Gcとの距離を回転軸心Z軸と重心位置Grとの距離より大きくしていることにより、遠心力を同一とすることができる。
【0036】
そして、前部バランスウエイト10bの重心位置はGbであって、遠心力はFbである。この遠心力Fb方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。後部バランスウエイト10aの重心位置はGaであって、遠心力はFaである。この遠心力Fa方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。これらバランスウエイト10b,10aの遠心力Fb,Faは、ロータ部材16の遠心力Fr及びカウンタウエイトの遠心力Fcより小さい。
【0037】
次に、上述のように構成されたスクロール型圧縮機の動作について説明する。まず、電動モータの回転駆動により、シャフト7が回転する。シャフト7の回転に伴って、シャフト偏心部7aが回転する。そして、シャフト偏心部7aの回転により、ロータ部材16がシェル3に対して公転運動する。この公転運動により、作動室に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。
【0038】
次に、スクロール型圧縮機を動作させた場合におけるスクロール型圧縮機のバランスについて説明する。スクロール型圧縮機を動作させると、上述したように、ロータ部材16が公転運動を行う。このときに発生する遠心力Frの方向は、図3に示したようなY軸方向とは一致しない。これは、ロータ部材16が回転方向の反対方向に発生する作動媒体の圧縮反力によるものである。従って、作動媒体の圧縮反力により、実際には、回転方向の反対方向に所定遅れ角度θ1だけ遅れた方向にロータ部材16の遠心力が発生することになる。この遅れ角度θ1は、作動媒体の圧縮反力、シャフト7の剛性、シャフト7と各軸受けとのクリアランス、及びロータ部材16とブッシュ13との取付ガタ等によって決定される。
【0039】
そして、ロータ部材16の遠心力方向の遅れ角度θ1とカウンタウエイト14及び前部バランスウエイト10b及び後部バランスウエイト10aの遠心力Fc,Fb,Fa方向のY軸方向とのずれ角度θとが一致する場合は、静バランス及び動バランスが釣り合っている状態となる。つまり、スクロール型圧縮機の運転中に騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態における回転型圧縮機について図6〜図8を参照して説明する。ここで、本実施形態における回転型圧縮機として、一体化された電動モータにより駆動される2シリンダのローリングピストン型圧縮機を例に取り説明する。図6には、ローリングピストン型圧縮機の断面図を示す。
【0041】
図6に示すように、ローリングピストン型圧縮機は、外形が、ハウジング31と、アッパハウジング32とから構成される。そして、内部側には、駆動部と、軸部と、圧縮部と、バランスウエイトとから構成される。
【0042】
駆動部(駆動手段)は、電動モータ(電動機)から構成される。電動モータは、ステータモータ34と、ロータモータ35とから構成される。ステータモータ34は、ハウジング31の内周側に固定されている。ロータモータ35は、複数個の永久磁石により構成され、ステータモータ34の内側に回転可能に配設されている。なお、電動モータは、ブラシレスモータを構成している。
【0043】
軸部は、クランク軸36,36a,36bと、フロント軸受け38aと、リヤ軸受け40aとから構成される。クランク軸は、シャフト(主回転軸)36と、フロントシャフト偏心部(偏心軸)36aと、リヤシャフト偏心部(偏心軸)36bとから構成される。シャフト36は、ロータモータ35に固定されている。すなわち、ロータモータ35の回転に伴いシャフト36が回転する。フロントシャフト偏心部36a及びリヤシャフト偏心部36bは、シャフト36の一端側に一体化されており、シャフト36の回転軸心から偏心した位置に配設されている。そして、フロントシャフト偏心部36aの偏心方向とリヤシャフト偏心部36bの偏心方向は、反対方向を向いている。
【0044】
そして、フロント軸受け38aと、リヤ軸受け40aは、それぞれ、後述するフロントプレート38、リヤプレート40、ハウジング1に固定されて、クランク軸を支承している。
【0045】
圧縮部は、フロントプレート38と、ミドルプレート39と、リヤプレート40と、フロントロータ41と、リヤロータ42と、フロントベーン43と、リヤベーン44と、フロントシリンダ45と、リヤシリンダ46とから構成される。まず、フロントプレート38、フロントシリンダ45、ミドルプレート39、リヤシリンダ46、リヤプレート40の順にハウジング1に固定されている。そして、上述したフロント軸受け38aは、フロントプレート38の内周側に配設され、リヤ軸受け40aは、リヤプレート40の内周側に配設されている。
【0046】
そして、フロントロータ(公転圧縮部材)41は、フロントシャフト偏心部6aに回転摺動可能に嵌合され、フロントシリンダ45内にて配設されている。また、リヤロータ(公転圧縮部材)42は、リヤシャフト偏心部6bに回転摺動可能に嵌合され、リヤシリンダ46内にて配設されている。つまり、シャフト36が回転することにより、フロントロータ41及びリヤロータ42は、フロントシリンダ45及びリヤシリンダ46に対して公転運動を行う。
【0047】
フロントベーン43は、フロントロータ41に接しており、フロントシリンダ45に対して摺動可能に配設されている。このフロントベーン43は、フロントロータ41,フロントシリンダ45,フロントプレート38及びミドルプレート39により形成される作動室47を高圧室と低圧室とに区画している。また、リヤベーン44は、リヤロータ42に接しており、リヤシリンダ46に対して摺動可能に配設されている。このリヤベーン44は、リヤロータ42,リヤシリンダ46,ミドルプレート39及びリヤプレート40により形成される作動室47を高圧室と低圧室とに区画している。
【0048】
バランスウエイトは、前部バランスウエイト(動バランスウエイト)37bと、後部バランスウエイト(動バランスウエイト)37aとからなる。これらのバランスウエイトは、第1実施形態におけるバランスウエイトとほぼ同一形状をなしている。そして、この前部及び後部バランスウエイト37b,37aは、ロータモータ35の両端側にそれぞれ配設されている。前部バランスウエイト37bは、ロータモータ35の前側に配設されている。後部バランスウエイト37aは、ロータモータ35の後側に配設されている。
【0049】
次に、図7及び図8を参照して、バランスウエイトの位置関係及び遠心力の関係について説明する。図7は、図6のローリングピストン型圧縮機の内部構成部品の斜視図である。すなわち、シャフト36と、ロータモータ35と、フロントロータ41と、リヤロータ42と、前部及び後部バランスウエイト37b,37aとを示す。図8は、フロントロータ41と、リヤロータ42と、前部及び後部バランスウエイト37b,37aの重心位置関係について模式的に示した図である。なお、図7及び図8の各構成部品の位置関係は、ローリングピストン型圧縮機の停止中の位置関係を示す。
【0050】
まず、バランスウエイトの重心位置の関係について説明する。図7及び図8に示すように、シャフト36の回転軸心をZ軸とする。そして、このシャフト36等は、図示するように、時計回りに回転させる。また、リヤロータ42の重心位置Gr1がY軸正方向上に位置するとする。すなわち、リヤシャフト偏心部36bがシャフト36の回転軸心に対してY軸正方向に偏心している場合である。さらに、フロントロータ41の重心位置Gr2がY軸負方向上に位置するとする。すなわち、フロントシャフト偏心部36aがシャフト36の回転軸心に対してY軸負方向に偏心している場合である。
【0051】
そして、後部バランスウエイト37aの重心位置Gaは、回転軸心Z軸に対するフロントロータ41の重心位置Gr2方向とほぼ同一側に位置する詳細には、後部バランスウエイト37aの回転軸心Z軸に対する重心位置Ga方向は、回転軸心Z軸に対するフロントロータ41の重心位置Gr2方向からずれ角度θだけ、シャフト36の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0052】
また、前部バランスウエイト37bは、前部バランスウエイト37bの重心位置Gb方向が、後部バランスウエイト37aの重心位置Ga方向の反対方向となるように取り付けられる。すなわち、前部バランスウエイト37bの回転軸心Z軸に対する重心位置Gb方向は、回転軸心Z軸に対するリヤロータ42の重心位置Gr1方向からずれ角度θだけ、シャフト36の回転方向の反対方向に回転させた方向である。
【0053】
次に、バランスウエイト及び各ロータの遠心力の関係について図8を参照して説明する。リヤロータ42の重心位置はGr1であって、遠心力はFr1となる。フロントロータ41の重心位置はGr2であって、遠心力はFr2となる。そして、後部バランスウエイト37aの重心位置はGaであって、遠心力はFaである。この遠心力Fa方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。前部バランスウエイト37bの重心位置はGbであって、遠心力はFbである。この遠心力Fb方向は、Y軸からずれ角度θだけずれている。
【0054】
次に、上述のように構成されたローリングピストン型圧縮機の動作について説明する。まず、電動モータの回転駆動により、シャフト36が回転する。シャフト36の回転に伴って、フロントシャフト偏心部36a及びリヤシャフト偏心部36bが回転する。そして、フロントシャフト偏心部36aの回転により、フロントロータ41がフロントシリンダ45に対して公転運動する。この公転運動により、作動室47に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。さらに、リヤシャフト偏心部36bの回転により、リヤロータ42がリヤシリンダ46に対して公転運動する。この公転運動により、作動室47に吸入された作動媒体、例えば、冷凍サイクル内を流通させる二酸化炭素冷媒を圧縮させることができる。
【0055】
次に、ローリングピストン型圧縮機を動作させた場合におけるローリングピストン型圧縮機のバランスについて説明する。ローリングピストン型圧縮機を動作させると、上述したように、フロントロータ41及びリヤロータ42が公転運動を行う。このときに発生する遠心力Fr1,Fr2の方向は、図3に示したようなY軸方向とは一致しない。これは、フロントロータ41及びリヤロータ42が回転方向の反対方向に発生する作動媒体の圧縮反力によるものである。従って、作動媒体の圧縮反力により、実際には、回転方向の反対方向に所定遅れ角度θ1だけ遅れた方向にフロントロータ41及びリヤロータ42の遠心力が発生することになる。この遅れ角度θ1は、作動媒体の圧縮反力、シャフト36の剛性、シャフト36と各軸受けとのクリアランス等によって決定される。
【0056】
そして、フロントロータ41及びリヤロータ42の遠心力方向の遅れ角度θ1と、前部バランスウエイト37b及び後部バランスウエイト37aの遠心力Fb,Fa方向のY軸方向とのずれ角度θとが一致する場合は、動バランスが釣り合っている状態となる。つまり、ローリングピストン型圧縮機の運転中に騒音や振動の発生を抑制することができる。なお、静バランスは、2シリンダとすることにより、フロントロータ41とリヤロータ42のみにより釣り合っている。
【0057】
なお、第2実施形態では、2シリンダのローリングピストン型圧縮機としているが、複数のシリンダを有するローリングピストン型圧縮機であって、ロータの静バランスが釣り合っている圧縮機であれば適用することができる。また、1シリンダのローリングピストン圧縮機等のように、ロータの静バランスが釣り合っていない圧縮機の場合には、第1実施形態に示した構成が適用できる。
【0058】
また、作動媒体として、例えば、二酸化炭素冷媒(炭酸ガス冷媒)を用いた圧縮機においては、作動室の圧力が5〜10MPaという高圧となる。そのため、ロータ部材に加わるラジアル方向の冷媒ガス圧縮反力が非常に大きくなる。従って、作動媒体として二酸化炭素冷媒等を用いた場合には、ロータ部材の重心Grの遅れ角度θ1も大きくなるためアンバランスを発生しやすい特徴がある。また、前記遅れ角度θ1は、軸受け及びその他の回転摺動部のクリアランスの大小等にも依存するが、第1実施例におけるスクロール型圧縮機では、行程容積4.5cm3で、一般的な基準に従い設計製作したものにおいて、この遅れ角度θ1は約3°であった。
【0059】
また、図3に示す実施形態においては、カウンタウエイト14の重心Gc、後部バランスウエイト10aの重心Ga、前部バランサウエイト10bの重心Gbともずれ角度θだけ回転方向に対して遅らせて取り付けているが、最も影響の大きいカウンタウエイト14の重心Gcのみをずれ角度θ遅らせて取り付ける構成としてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、電動モータを使用した電動圧縮機としたが、原動機等の外部駆動力により運転される開放型圧縮機としてもよい。また、作動媒体のうち冷凍サイクルに用いられる冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)冷媒に限定されるものではなく、フロン、ハイドロカーボンその他の冷媒システムにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるスクロール型圧縮機の断面図である。
【図2】図1の内部構成部品を示す斜視図である。
【図3】バランスウエイト及びロータ部材の重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【図4】カウンタウエイトを示す図である。
【図5】カウンタウエイトを示す図である。
【図6】第2実施形態におけるローリングピストン型圧縮機の断面図である。
【図7】図6の内部構成部品を示す斜視図である。
【図8】バランスウエイト及び各ロータの重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【図9】従来のスクロール型圧縮機の断面図である。
【図10】図9のバランスウエイト及びロータ部材の重心位置及び遠心力の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:フロントハウジング、 2:ミドルハウジング、 3:シェル、
3a:シェル固定スクロール、 4:リアプレート、 7:シャフト、
7a:シャフト偏心部、 8:ステータモータ、 9:ロータモータ、
10a:後部バランスウエイト、 10b:前部バランスウエイト、
11:フロント玉軸受け、 12:ミドル軸受け、 13:ブッシュ、
14:カウンタウエイト、 15:ロータ軸受け、 16:ロータ部材、
16a:ロータ旋回スクロール、 16b:ロータボス部、 17:ピン、
22:作動室、 23:公転駆動部、 31:ハウジング、
34:ステータモータ、 35:ロータモータ、 36:シャフト、
36a:フロントシャフト偏心部、 36b:リヤシャフト偏心部、
37a:後部バランスウエイト、 37b:前部バランスウエイト、
41:フロントロータ、 42:リヤロータ、 43:フロントベーン、
44:リヤベーン、 45:フロントシリンダ、 46:リヤシリンダ、
47:作動室
Claims (10)
- ハウジングと、
前記ハウジングに回転軸心まわりに回転自在に軸支された主回転軸と該主回転軸に固定され該回転軸心から偏心した偏心軸とを有するクランク軸と、
前記クランク軸の前記偏心軸に連結され前記ハウジングとの間の隙間を維持しながら該ハウジングに対して公転運動をすると共に公転運動により作動媒体を圧縮する公転圧縮部材と、
前記クランク軸に配設され前記公転圧縮部材の前記公転運動により発生する遠心力に対してバランスをとるバランスウエイトと、
前記クランク軸を回転駆動する駆動手段と、
を備えた回転型圧縮機において、
前記バランスウエイトの前記回転軸心に対する重心位置方向は、前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向及び/又は該重心位置方向の反対方向である基準方向から、前記クランク軸の回転方向に対して、前記作動媒体の圧縮反力により前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向が前記クランク軸の回転方向に対して遅れる所定遅れ角度だけ遅れた方向であることを特徴とする回転型圧縮機。 - 前記バランスウエイトは前記公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して静バランスをとる静バランスウエイトであって、
前記静バランスウエイトの前記回転軸心に対する重心位置方向は、前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向の反対方向である基準方向から、前記クランク軸の回転方向に対して、前記作動媒体の圧縮反力により前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向が前記クランク軸の回転方向に対して遅れる所定遅れ角度だけ遅れた方向であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。 - 前記バランスウエイトは前記公転圧縮部材の公転運動により発生する遠心力に対して動バランスをとる動バランスウエイトであって、
前記動バランスウエイトの前記回転軸心に対する重心位置方向は、前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向及び該重心位置方向の反対方向である基準方向から、前記クランク軸の回転方向に対して、前記作動媒体の圧縮反力により前記公転圧縮部材の前記回転軸心に対する重心位置方向が前記クランク軸の回転方向に対して遅れる所定遅れ角度だけ遅れた方向であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。 - 前記公転圧縮部材はスクロール型であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。
- 前記公転圧縮部材はローリングピストン型であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。
- 駆動手段は電動機であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機
- 前記電動機は、前記ハウジングに固定されることを特徴とする請求項6記載の回転型圧縮機。
- 駆動手段は原動機であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。
- 前記作動媒体は、冷凍サイクル内を流通する冷媒であって、圧縮後の圧力が臨界圧力以上であることを特徴とする請求項1記載の回転型圧縮機。
- 前記作動媒体は、二酸化炭素冷媒であることを特徴とする請求項9記載の回転型圧縮機。
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