JP2012057509A - スクロール流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回軸受の温度上昇が小さく、旋回スクロールの径が小さい、スクロール流体機械を提供する。
【解決手段】ラップを有する旋回スクロール1およびラップを有する一対の固定スクロール2、3が組み合わせられ、中空の旋回軸1Dが旋回スクロール1の中心部に設けられ、回転軸6が旋回軸1Dの中空部1Eを貫通し、一対のカバー7、9が固定スクロール2、3の外面側に設置され、回転軸6がカバー7、9に回転可能に支持され、旋回軸受12、14が旋回軸1Dの両端に設けられ、旋回軸受12、14が回転軸6に設けられた偏心部6A、6Bに嵌合し、旋回スクロール1の自転防止機構が旋回軸1Dの一端に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は圧縮機、真空ポンプ、ブロワ、膨張機等のスクロール流体機械に関する。
両面にラップを持つ旋回スクロールの中心部を駆動して旋回スクロールを旋回運動させる構造のスクロール圧縮機が提案されている。例えば特開2010−77913号公報が開示するスクロール流体機械は、駆動軸が旋回スクロールの中心部の中空部を貫通し、駆動軸が両側で回転可能に支持される。駆動軸の旋回スクロールの中心部を貫通する中間部は偏心軸になっている。偏心軸受が偏心軸と旋回スクロールとの間に設けられている。
特開2010−77913号公報
従来のスクロール流体機械では、旋回軸受が旋回スクロールの中心部の中空部に設けられている。圧縮機や真空ポンプでは圧縮により流体が温度変化するから、旋回スクロールの中心部は高温になる。膨張機では旋回スクロールの中心部から高温高圧の流体が流入するから、旋回スクロールの中心部は高温になる。そのため、旋回軸受が高温になり、旋回軸受の耐久性が低下する問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、旋回軸受の耐久性が高いスクロール流体機械を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、鏡板の両面に渦巻状のラップを有する旋回スクロールおよび鏡板の片面に渦巻き状のラップを有する一対の固定スクロールを組み合わせて構成されたスクロール流体機械において、中空の旋回軸が前記旋回スクロールの中心部に設けられ、前記固定スクロールを貫通し、回転軸が前記旋回軸の中空部を貫通して前記固定スクロールの外面側に設置された一対のカバーに回転可能に支持され、旋回軸受が前記旋回軸の両端に設けられ、前記回転軸に設けられた偏心部に嵌合し、前記旋回スクロールの自転防止機構が前記旋回軸の一端に設けられたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記偏心部は前記回転軸の前記旋回軸受に対応する位置にのみ設けられ、前記回転軸の前記偏心部間は回転中心軸と同軸に形成されたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記自転防止機構は、片側の前記固定スクロールに連結して設けられた一対の固定側キー溝と、前記旋回軸に設けられかつ前記旋回軸受を収容する旋回軸受ハウジングに前記固定側キー溝と直交するように設けられた一対の旋回側キー溝と、前記固定側キー溝と嵌合する一対のオルダムキーおよび前記旋回側キー溝と嵌合する一対のオルダムキーを有するオルダムリングとにより構成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、第1バランスウェイトが前記旋回軸の一端側の旋回軸受と前記回転軸を一方の前記カバーに回転可能に支持する回転軸受との間の前記回転軸に取り付けられ、第2バランスウェイトが前記旋回軸の他端側の旋回軸受と前記回転軸を他方の前記カバーに回転可能に支持する回転軸受の間の前記回転軸に取り付けられたことを特徴とする。
請求項1に係る発明においては、旋回スクロールの中心部に設けられた旋回軸を支持する旋回軸受は旋回軸の両端にあり、旋回軸受は旋回スクロールの中心部にないから、旋回スクロールの熱は旋回軸受に伝わりにくい。旋回スクロールの中心部が高温になっても旋回軸受は高温にならない。したがって、旋回軸受の耐久性が高まる。また、旋回軸の径を小さくできるので、旋回スクロールの径を小さくできる。それによりスクロール流体機械をコンパクトにできる。
請求項2に係る発明においては、回転軸の偏心部は旋回軸受部の2か所だけである。回転軸のその他の部分は偏心していない。遠心力は回転軸の偏心していない部分には発生しない。それにより、回転軸の変形が小さくなる。したがって、スクロール流体機械の振動も小さくなる。
請求項3に係る発明においては、旋回軸受ハウジングが自転防止機構の部品を兼ねるので、スクロール流体機械の部品点数が減る。
請求項4に係る発明においては、第1、第2バランスウェイトと旋回軸受との距離を短くできるので、回転軸に作用するモーメントを小さくでき、軸の変形を抑えられる。
本発明を圧縮機に実施した形態例を示す軸方向断面図 図1の断面と直交する面で切った自転防止機構部の断面図
図1および図2は本発明を圧縮機に実施した形態例を示す。旋回スクロール1が圧縮機の内部に設置される。旋回スクロール1は鏡板1Aの両面に渦巻状のラップ1Bと渦巻状のラップ1Cとを有する。第1固定スクロール2および第2固定スクロール3が旋回スクロール1を挟む。第1固定スクロール2および第2固定スクロール3は互いに固着されている。第1固定スクロール2は鏡板2Aに渦巻状のラップ2Bを有する。第2固定スクロール3は鏡板3Aに渦巻状のラップ3Bを有する。旋回スクロール1の鏡板1Aおよびラップ1Bと第1固定スクロール2の鏡板2Aおよびラップ2Bは圧縮室4を構成する。旋回スクロール1の鏡板1Aおよびラップ1Cと第2固定スクロール3の鏡板3Aおよびラップ3Bは圧縮室5を構成する。
中空の旋回軸1Dが鏡板1Aの半径方向の中央部に設けられる。旋回軸1Dの軸方向の一端に第1旋回軸受ハウジング11が固定される。第1旋回軸受ハウジング11の中心部に第1旋回軸受12が設けられる。旋回軸1Dの軸方向の他端に第2旋回軸受ハウジング13が固定される。第2旋回軸受ハウジング13の中心部に第2旋回軸受14が設けられる。回転軸6が旋回軸1Dの中空部を貫通する。第1固定スクロール2は背面に円筒部2Cを有する。カバー7は円筒部2Cの端面に設置される。第1回転軸受8がカバー7の中心部に設けられる。第2固定スクロール3は背面に円筒部3Cを有する。カバー9は円筒部3Cの端面に設置される。第2回転軸受10がカバー9の中心部に設けられる。回転軸6の一端6Cは第1回転軸受8に支持される。回転軸6の先端はカバー7を貫通して外部まで伸びている。シール部材15がカバー7の中心部に設けられ、回転軸6とカバー7との間をシールする。回転軸6の他端6Dは第2回転軸受10に支持される。回転軸6の2か所に偏心部6A、6Bが形成される。回転軸6の偏心部6Aと偏心部6Bとの間の部分は回転軸6の回転中心軸と同軸に形成される。第1旋回軸受12は偏心部6Aと嵌合する。第2旋回軸受14は偏心部6Bと嵌合する。すなわち、偏心部6A、6Bは回転軸6の第1、第2旋回軸受12、14に対応する位置にのみ設けられている。
第1旋回軸受ハウジング11はフランジ部11Aを有する。フランジ部11Aは旋回側キー溝11B、11Bを有する。固定板16が円筒部2Cの内面に固定される。オルダムリング17がフランジ部11Aと固定板16との間に嵌めこまれる。オルダムリング17はオルダムキー17A、17Aを有する。オルダムキー17A、17Aは旋回側キー溝11B、11Bと嵌合する。
図2は図1の断面と直交する軸方向断面で切った部分断面図である。図2に示すように、オルダムリング17はオルダムキー17A、17Aおよび反対側の面のオルダムキー17A、17Aを有する。オルダムキー17A、17Aとオルダムキー17B、17Bとは直交する。固定板16はオルダムキー17B、17Bと対面する位置に固定側キー溝16A、16Aを有する。すなわち、第1固定スクロール2に連結して一対の固定側キー溝16A、16Aが設けられる。オルダムキー17B、17Bは固定側キー溝16A、16Aと嵌合する。オルダムリング17、旋回側キー溝11B、11B、固定側キー溝16A、16Aにより自転防止機構が構成される。この自転防止機構により、第1旋回軸受ハウジング11は回転を防止され旋回のみ可能である。したがって旋回スクロール1も回転せず旋回のみ可能である。
第1旋回軸受ハウジング11はシール板11Cを有する。一方シールリング18が鏡板2Aに設置され、シール板11Cと鏡板2Aとの間をシールする。
第2旋回軸受ハウジング13はフランジ部13Aを有する。一方シール板19が円筒部3Cの内面に装着される。
シールリング20がシール板19の外周面に設置される。シールリング21がシール板19の端面に設置される。シールリング20およびシールリング21が円筒部3Cの内面およびフランジ部13Aの端面とシール板19との間をシールする。
カバー7と第1旋回軸受ハウジング11との間にウェイト室27が形成される。第1バランスウェイト22がウェイト室27内で回転軸6の第1回転軸受8と第1旋回軸受12との間に装着される。カバー9と第2旋回軸受ハウジング13との間にウェイト室28が形成される。第2バランスウェイト23がウェイト室28内で回転軸6の第2回転軸受10と第2旋回軸受14との間に装着される。
吸入口24が固定スクロール2の外周部に設けられる。鏡板1Aの旋回軸1D隣接部に開口38が設けられる。吐出室25が固定スクロール3の鏡板3Aの背面部に設けられる。吐出口26が鏡板3Aの外周部に設けられる。圧縮機は架台37の一方部37Aの上に設置される。
電動機29が架台37の他方部37Bの上に設置される。電動機29の駆動軸29Aと回転軸6の一端6Cとは同軸上に設置され、キーなどにより回り止めをされてカップリング30により連結される。
油タンク31が設置される。潤滑油32が油タンク31の内部に溜まる。油吸入管33が油タンク31の下部に接続され、ポンプ34の入り口に連結される。給油管35がポンプ34の出口に接続され、ウェイト室27およびウェイト室28の上部に連通する。油戻し管36がウェイト室27およびウェイト室28の下部に接続され、油タンク31に連通する。
次に本圧縮機の動作を説明する。電動機29に通電されると、駆動軸29Aが回転し、駆動軸29Aと連結する回転軸6が回転する。回転軸6が回転すると旋回軸1Dが自転防止機構により自転を防止されて偏心駆動される。その結果、旋回軸1Dと一体である旋回スクロール1は旋回運動する。するとガスは圧縮室4および圧縮室5の中で体積が減少されながら外周から内周へ移動する。ガスは、吸入口24から吸入され、圧縮室4および圧縮室5で圧縮され、吐出室25へ吐き出され、吐出口26から外部へ吐き出される。第1バランスウェイト22および第2バランスウェイト23により、旋回スクロール1の遠心力がキャンセルされる。このため振動はほとんど発生しない。
潤滑油32が油タンク31内から油吸入管33を通り、ポンプ34により加圧され、給油管35からウェイト室27およびウェイト室28に滴下する。潤滑油32は第1回転軸受8、第2回転軸受10、第1旋回軸受12、第2旋回軸受14、オルダムキー17A、17Bなどに供給され、これらの転がり部や摺動部を潤滑した後、ウェイト室27およびウェイト室28の下部から油戻し管36を通って油タンク31に戻る。
本実施の形態例によれば、第1旋回軸受12および第2旋回軸受14は旋回スクロール2の中心部にない。したがって、第1旋回軸受12および第2旋回軸受14は、旋回スクロール2が圧縮熱で高温になってもその影響を受けにくく、あまり高温にならない。すなわち圧縮機の耐久性が高まる。
また、旋回軸1Dの内部に軸受がないから、回転軸6の外周と旋回軸1Dの内周が近くなり、旋回軸1Dの径を小さくできる。したがって、旋回スクロール1、第1固定スクロール2および第2固定スクロール3の径を小さくでき、圧縮機をコンパクトにできる。
さらに、旋回スクロール1は第1旋回軸受12および第2旋回軸受14の中間に位置する。遠心力およびガス荷重は第1旋回軸受12および第2旋回軸受14に均等にかかる。したがって、旋回スクロール1は傾きを生じない。
また、第1旋回軸受12と第1回転軸受8との距離および第2旋回軸受14と第2回転軸受10との距離が近い。第1バランスウェイト22と第1旋回軸受12との距離および第2バランスウェイト23と第2旋回軸受14との距離も近い。それにより、回転軸6に作用するモーメントが小さく、回転軸6の変形も小さい。
このため、旋回スクロール1は高速で運転されても設定された偏心量で安定して運転される。したがって、圧縮機に発生する振動が小さい。
本実施の形態例では圧縮機を説明した。しかし本発明は真空ポンプ、ブロワ、膨張機などのスクロール流体機械にも適用できる。
1 旋回スクロール
2 第1固定スクロール
3 第2固定スクロール
8 第1回転軸受
10 第2回転軸受
11 第1旋回軸受ハウジング
12 第1旋回軸受
13 第2旋回軸受ハウジング
14 第2旋回軸受
22 第1バランスウェイト
23 第2バランスウェイト

Claims (4)

  1. 鏡板の両面に渦巻状のラップを有する旋回スクロールおよび鏡板の片面に渦巻き状のラップを有する一対の固定スクロールを組み合わせて構成されたスクロール流体機械において、
    中空の旋回軸が前記旋回スクロールの中心部に設けられ、前記固定スクロールを貫通し、
    回転軸が前記旋回軸の中空部を貫通して前記固定スクロールの外面側に設置された一対のカバーに回転可能に支持され、
    旋回軸受が前記旋回軸の両端に設けられ、前記回転軸に設けられた偏心部に嵌合し、
    前記旋回スクロールの自転防止機構が前記旋回軸の一端に設けられた
    ことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 前記偏心部は前記回転軸の前記旋回軸受に対応する位置にのみ設けられ、
    前記回転軸の前記偏心部間は回転中心軸と同軸に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール流体機械。
  3. 前記自転防止機構は、
    片側の前記固定スクロールに連結して設けられた一対の固定側キー溝と、
    前記旋回軸に設けられかつ前記旋回軸受を収容する旋回軸受ハウジングに前記固定側キー溝と直交するように設けられた一対の旋回側キー溝と、
    前記固定側キー溝と嵌合する一対のオルダムキーおよび前記旋回側キー溝と嵌合する一対のオルダムキーを有するオルダムリングとにより構成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール流体機械。
  4. 第1バランスウェイトが前記旋回軸の一端側の前記旋回軸受と前記回転軸を一方の前記カバーに回転可能に支持する回転軸受との間の前記回転軸に取り付けられ、
    第2バランスウェイトが前記旋回軸の他端側の前記旋回軸受と前記回転軸を他方の前記カバーに回転可能に支持する回転軸受の間の前記回転軸に取り付けられた
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスクロール流体機械。
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