JP2004092476A - 排気系部品と排気管との接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】外管内に内管を配設するとともに、その内管の一方の端部を外管の一方の首部側において摺動可能に設ける接続構造において、その一方の首部の長さを短くすることができるようにして、その一方の首部の縮径加工を容易にし、その一方の首部における亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制する。
【解決手段】外管2の少なくとも一方の首部2bから内管端部3bが突出するように内管3を配設し、該突出した内管端部3eを、その外周に緩衝材8を配設して排気管7の内部に摺動可能に嵌合する。外管2の前記一方の首部2bと排気管7を固着する。
【選択図】 図1
【解決手段】外管2の少なくとも一方の首部2bから内管端部3bが突出するように内管3を配設し、該突出した内管端部3eを、その外周に緩衝材8を配設して排気管7の内部に摺動可能に嵌合する。外管2の前記一方の首部2bと排気管7を固着する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンから排出される排気ガスを導く排気管の途中に、排気系部品を接続する排気系における排気系部品と排気管との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の排気系は、エンジンから排出される排気ガスを車両後方に導く排気管の途中に、消音器などの排気系部品を接続、配置して構成されている。
【0003】
このような排気系における排気管と排気系部品である消音器との接続構造として、例えば図3に示すような構造が知られている。
【0004】
この図3に示す構造について説明すると、その消音器101は、金属製の大径な外管102の両端に小径な首部103,104が一体成形され、該外管102内に金属製の穴明き管からなる内管105が配置されているとともに該内管105の両端部106,107が前記外管102の首部103,104の内側で保持された2重構造で構成されている。
【0005】
また、前記内管105の他端部106は、前記外管102の一端部の首部103の内面に直接嵌合されているとともにその一端部106側の管端は、外管102の一端の首部103の管端から僅かに外側へ突出して配置されている。
【0006】
また、前記内管105の他端部107は、その管端が、外管102の他端の首部104内に位置するようにして配置され、外管102の他端の首部104が、内管105の他端部107の管端より大きく外側へ突出している。更に、前記外管102の首部104と内管105の他端部107との間には緩衝材108が介在され、外管102と内管105とが相互に摺動可能に嵌合されている。
【0007】
また、前記の消音器101と排気管との接続は、消音器101の一端の首部103側においては、内管105の一端部106内に一方の排気管109が挿入されて、外管102の首部103と内管105の一端部106と排気管109の端部110が同時に溶接固定されて接続されている。また、消音器101の他端の首部104側においては、その首部104内に、内管105の管端と離間した状態に他方の排気管111が挿入されて、外管102の他端の首部104と他方の排気管111の端部112のみが溶接固定されている。
【0008】
このような構造によって消音器101と両排気管109,111とを接続することで、消音器101の他端の首部104と内管105とが相互に摺動可能となり、外管102と内管105との相互の熱膨脹差を吸収し、熱膨脹差により内管105に座屈などが発生して内管105が破損することを防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような外管102の首部103,104は、例えば特許第3157742号公報に記載のようなスピニング加工やプレス加工などによって、大径な外管の両端部を比較的大きな縮径率で縮径加工して形成される。
【0010】
また、前記のように消音器の外管102と内管105を摺動可能にするためには、少なくとも一方の首部(図3の構造においては他端の首部104)の長さを長く形成する必要がある。
【0011】
しかし、前記のように、縮径量が大きく、長い首部をスピニング加工で形成するには、長い加工時間を要する上に、加工硬化により首部に亀裂や内面に波状のシワが発生し易い。また、プレス加工では大きな加工力を必要とするため座屈が発生し易い。特に、近年、軽量化の要望から外管の板厚が薄肉化される傾向にあり、前記の加工不良の発生率が増加する傾向にあった。
【0012】
そこで本発明は、前記の首部の縮径加工が容易で、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制するとともに加工時間の短縮を図ることができ、また、これによって外管の板厚を薄肉に設定できて消音器の軽量化に貢献できる排気系部品と排気管との接続構造を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、両端部を縮径加工して首部を形成した外管の内部に内管を配設した排気系部品と排気ガスが流通する排気管との接続構造であって、外管の少なくとも一方の首部から内管端部が突出するように内管を配設し、該突出した内管端部を、その外周に緩衝材を配設して排気管の内部に摺動可能に嵌合するとともに、外管の前記一方の首部と排気管を固着したことを特徴とする排気系部品と排気管との接続構造である。
【0014】
本発明において、外管と内管との間に熱膨脹差が生じた場合には、内管における一方の内管端部を排気管に摺動可能に嵌合したことにより、その熱膨脹差が吸収され、熱膨脹差による内管の座屈などの発生が防止される。
【0015】
また、内管を摺動可能に嵌合する側における外管の一方の首部は短くてよいため、該首部の縮径加工が容易になる。
【0016】
更に、内管における緩衝材が嵌設された前記摺動側は、精度良く形成された排気管に嵌合するため、前記外管の首部が縮径加工により寸法精度が悪化しても、この首部とは無関係に内管を排気管へ容易に組み付けることができる。
【0017】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記外管における一方の首部側の排気管端部を拡径して該排気管端部と外管の一方の首部とを固着したことを特徴とする排気系部品と排気管との接続構造である。
【0018】
本発明においては、前記一方の首部側の排気管端部を拡径することにより、一方の首部の縮径量を小さくすることができ、その首部の縮径加工が容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0020】
図1及び図2は排気系部品を消音器とし、この消音器と排気管とを接続する構造に本発明を適用した実施例である。
【0021】
図1は本発明の第1実施例を示す。
排気系部品である消音器1は、金属製の管材の両端部をスピニング加工或いはプレス加工などにより縮径加工して、一端の首部2aと他端の首部2bを形成した外管2と、多数の小孔4が設けられ、両端部3a,3bを前記首部2a,2bに挿通して配設された金属製の内管3とによって構成され、その外管2と内管3との間で共鳴室5が形成されている。
【0022】
前記内管3における上流側である一端部3aは、その管端3cが外管2の一端の首部2aの管端から僅かに突出するようにして一端の首部2aに嵌合され、また、内管3における下流側である他端部3bは、その管端3dが外管2の他端の首部2bの管端から長く突出し、かつ、首部2bと離間するようにして他端の首部2bに挿通されている。
【0023】
前記一端の首部2a側における内管3の一端部3aには、金属製の上流側排気管6の端部6aが挿入されて、外管2の一端の首部2aと内管3の一端部3aと上流側排気管6の端部6aが溶接W1によって一体に固着されている。
【0024】
また、前記外管2における他端の首部2b内には、金属製の下流側排気管7の端部7aが挿入されて、これら首部2bと端部7aが溶接W2によって一体に固着されている。
【0025】
また、前記内管3の他端部3bであって、前記他端の首部2bよりも突出した部分3eの外周面には、金属細線を編成し環状に形成した緩衝材であるワイヤメッシュ8が設けられ、該緩衝材8の外周面を前記下流側排気管7の内周面に摺動可能に嵌合して、内管3と下流側排気管7とが軸方向に相対的に摺動できるようになっている。
【0026】
次に前記第1実施例の作用について説明する。
図示しないエンジンからの排気ガスは、上流側排気管6に導かれて消音器1の内管3内を流通した後、下流側排気管7に導かれる。
【0027】
排気ガスとともに上流側排気管6を伝播してきた排気騒音も排気ガスとともに消音器1の内管3に導かれ、内管3に形成した小孔4から共鳴室5内に伝播し、共鳴作用により騒音の高周波数成分が消音される。
【0028】
また、内管3は排気ガスが直接流通するため、外管2に比べて加熱され易く、外管2と内管3との間に熱膨脹差が発生する。このとき、内管3の他端部3bが緩衝材8を介して下流側排気管7に摺動可能に嵌合されているため、内管3の他端部3bが軸方向に移動して熱膨脹差を吸収し、内管3に座屈などが発生するおそれがない。
【0029】
また、前記のように熱膨脹差によって移動する内管3の他端部3bを下流側排気管7側に摺動可能に嵌合したので、外管2の他端の首部2bを、従来の構造のように長く形成する必要がなく、一端の首部2aと同様に短くてよい。
【0030】
このように、外管2の両首部2a,2bが短くてよいことは、首部、特に他端の首部2bの縮径加工が容易になり、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制するとともに加工時間の短縮を図ることが可能になる。
【0031】
また、前記のように縮径加工が容易で、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制できることは、外管の板厚を薄肉に設定することができ、消音器の軽量化に貢献することができる。
【0032】
また、一般に前記のように縮径加工された首部の内周面は、縮径に伴う増肉変形により寸法精度が悪化するため、図3に示す従来の構造のように首部104に緩衝材108及び内管105を嵌設する場合、その組み付け性が良好でなかった。しかし、本実施例においては、内管3の他端部3bを、径寸法の精度が高い下流側排気管7に緩衝材8を介して嵌合するようにしたので、外管2の他端の首部2bの寸法精度が多少悪くても緩衝材8及び内管3の組み付け性が良好になる。
【0033】
図2は第2実施例を示す。
本第2実施例は、前記第1実施例の下流側排気管7の端部7aを、その一般部よりも拡径し、該端部7aを外管2の他端の首部2b内に挿入して、該端部7aと他端の首部2bとを溶接にて固着したものである。
【0034】
その他の構造は、前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本第2実施例のように、下流側排気管7の端部7aを拡径することにより、その拡径した分だけ外管2の他端の首部2bの縮径量を小さくすることできる。このように、縮径量が小さいことは、その首部2bの縮径加工が容易になり、前記第1実施例における効果を一層高めることができる。
【0036】
なお、前記両実施例は、外管の首部内に排気管の端部を挿入した例で示したが、本発明は、排気管の端部内に外管の首部を挿入して固着するものに適用してもよい。
【0037】
更に、前記両実施例においては、内管の下流側を、これに緩衝材を設けて摺動可能としたが、本発明は、内管の上流側の端部外周に前記のような緩衝材を設けて上流側を摺動可能としても良く、更には上流側と下流側に前記の緩衝材を設けるようにしても良い。
【0038】
更に、前記両実施例においては、排気系部品として消音器の例で示したが、本発明は、外管と内管を備えた多重構造で、外管に縮径部を形成した排気系部品であれば消音器以外にも適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は前記のようであるから、内管の摺動側における外管の首部を前記従来の首部に比べて短く形成できるため、該首部の縮径加工が容易になり、該首部における亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制することができるとともに、加工時間の短縮を図ることができる。
【0040】
更に、前記のように首部の縮径加工が容易であることは、その首部の板厚を薄肉にしてもその首部を精度良く形成できるため、その外管の板厚を薄肉にしてその排気系部品の軽量化に貢献できる。
【0041】
更に、縮径加工された首部の内周は、縮径に伴う増肉変形により寸法精度が悪化するため、従来のように、首部に緩衝材および内管を嵌合する場合には組み付け性が良好ではなかったが、しかし、本発明においては、緩衝材を嵌合した内管を寸法精度が良い排気管に嵌合するため、緩衝材および内管の組み付け性が良好になる。
【0042】
また、請求項2に記載の発明によれば、外管の首部の縮径量を小さくすることができることから、その首部の縮径加工が容易になり、前記の効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を消音器と排気管との接続構造に適用した第1実施例を示すもので、(a)は側断面図、(b)は(a)における左側の首部を示す拡大側断面図、(c)は(a)における右側の首部を示す拡大側断面図。
【図2】本発明を消音器と排気管との接続構造に適用した第2実施例を示す側断面図。
【図3】従来の構造を示す側断面図。
【符号の説明】
1 排気系部品である消音器
2 外管
2a,2b 首部
3 内管
3a,3b 内管端部
3e 突出した内管端部
6,7 排気管
6a,7a 排気管端部
8 緩衝材
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンから排出される排気ガスを導く排気管の途中に、排気系部品を接続する排気系における排気系部品と排気管との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の排気系は、エンジンから排出される排気ガスを車両後方に導く排気管の途中に、消音器などの排気系部品を接続、配置して構成されている。
【0003】
このような排気系における排気管と排気系部品である消音器との接続構造として、例えば図3に示すような構造が知られている。
【0004】
この図3に示す構造について説明すると、その消音器101は、金属製の大径な外管102の両端に小径な首部103,104が一体成形され、該外管102内に金属製の穴明き管からなる内管105が配置されているとともに該内管105の両端部106,107が前記外管102の首部103,104の内側で保持された2重構造で構成されている。
【0005】
また、前記内管105の他端部106は、前記外管102の一端部の首部103の内面に直接嵌合されているとともにその一端部106側の管端は、外管102の一端の首部103の管端から僅かに外側へ突出して配置されている。
【0006】
また、前記内管105の他端部107は、その管端が、外管102の他端の首部104内に位置するようにして配置され、外管102の他端の首部104が、内管105の他端部107の管端より大きく外側へ突出している。更に、前記外管102の首部104と内管105の他端部107との間には緩衝材108が介在され、外管102と内管105とが相互に摺動可能に嵌合されている。
【0007】
また、前記の消音器101と排気管との接続は、消音器101の一端の首部103側においては、内管105の一端部106内に一方の排気管109が挿入されて、外管102の首部103と内管105の一端部106と排気管109の端部110が同時に溶接固定されて接続されている。また、消音器101の他端の首部104側においては、その首部104内に、内管105の管端と離間した状態に他方の排気管111が挿入されて、外管102の他端の首部104と他方の排気管111の端部112のみが溶接固定されている。
【0008】
このような構造によって消音器101と両排気管109,111とを接続することで、消音器101の他端の首部104と内管105とが相互に摺動可能となり、外管102と内管105との相互の熱膨脹差を吸収し、熱膨脹差により内管105に座屈などが発生して内管105が破損することを防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような外管102の首部103,104は、例えば特許第3157742号公報に記載のようなスピニング加工やプレス加工などによって、大径な外管の両端部を比較的大きな縮径率で縮径加工して形成される。
【0010】
また、前記のように消音器の外管102と内管105を摺動可能にするためには、少なくとも一方の首部(図3の構造においては他端の首部104)の長さを長く形成する必要がある。
【0011】
しかし、前記のように、縮径量が大きく、長い首部をスピニング加工で形成するには、長い加工時間を要する上に、加工硬化により首部に亀裂や内面に波状のシワが発生し易い。また、プレス加工では大きな加工力を必要とするため座屈が発生し易い。特に、近年、軽量化の要望から外管の板厚が薄肉化される傾向にあり、前記の加工不良の発生率が増加する傾向にあった。
【0012】
そこで本発明は、前記の首部の縮径加工が容易で、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制するとともに加工時間の短縮を図ることができ、また、これによって外管の板厚を薄肉に設定できて消音器の軽量化に貢献できる排気系部品と排気管との接続構造を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、両端部を縮径加工して首部を形成した外管の内部に内管を配設した排気系部品と排気ガスが流通する排気管との接続構造であって、外管の少なくとも一方の首部から内管端部が突出するように内管を配設し、該突出した内管端部を、その外周に緩衝材を配設して排気管の内部に摺動可能に嵌合するとともに、外管の前記一方の首部と排気管を固着したことを特徴とする排気系部品と排気管との接続構造である。
【0014】
本発明において、外管と内管との間に熱膨脹差が生じた場合には、内管における一方の内管端部を排気管に摺動可能に嵌合したことにより、その熱膨脹差が吸収され、熱膨脹差による内管の座屈などの発生が防止される。
【0015】
また、内管を摺動可能に嵌合する側における外管の一方の首部は短くてよいため、該首部の縮径加工が容易になる。
【0016】
更に、内管における緩衝材が嵌設された前記摺動側は、精度良く形成された排気管に嵌合するため、前記外管の首部が縮径加工により寸法精度が悪化しても、この首部とは無関係に内管を排気管へ容易に組み付けることができる。
【0017】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記外管における一方の首部側の排気管端部を拡径して該排気管端部と外管の一方の首部とを固着したことを特徴とする排気系部品と排気管との接続構造である。
【0018】
本発明においては、前記一方の首部側の排気管端部を拡径することにより、一方の首部の縮径量を小さくすることができ、その首部の縮径加工が容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0020】
図1及び図2は排気系部品を消音器とし、この消音器と排気管とを接続する構造に本発明を適用した実施例である。
【0021】
図1は本発明の第1実施例を示す。
排気系部品である消音器1は、金属製の管材の両端部をスピニング加工或いはプレス加工などにより縮径加工して、一端の首部2aと他端の首部2bを形成した外管2と、多数の小孔4が設けられ、両端部3a,3bを前記首部2a,2bに挿通して配設された金属製の内管3とによって構成され、その外管2と内管3との間で共鳴室5が形成されている。
【0022】
前記内管3における上流側である一端部3aは、その管端3cが外管2の一端の首部2aの管端から僅かに突出するようにして一端の首部2aに嵌合され、また、内管3における下流側である他端部3bは、その管端3dが外管2の他端の首部2bの管端から長く突出し、かつ、首部2bと離間するようにして他端の首部2bに挿通されている。
【0023】
前記一端の首部2a側における内管3の一端部3aには、金属製の上流側排気管6の端部6aが挿入されて、外管2の一端の首部2aと内管3の一端部3aと上流側排気管6の端部6aが溶接W1によって一体に固着されている。
【0024】
また、前記外管2における他端の首部2b内には、金属製の下流側排気管7の端部7aが挿入されて、これら首部2bと端部7aが溶接W2によって一体に固着されている。
【0025】
また、前記内管3の他端部3bであって、前記他端の首部2bよりも突出した部分3eの外周面には、金属細線を編成し環状に形成した緩衝材であるワイヤメッシュ8が設けられ、該緩衝材8の外周面を前記下流側排気管7の内周面に摺動可能に嵌合して、内管3と下流側排気管7とが軸方向に相対的に摺動できるようになっている。
【0026】
次に前記第1実施例の作用について説明する。
図示しないエンジンからの排気ガスは、上流側排気管6に導かれて消音器1の内管3内を流通した後、下流側排気管7に導かれる。
【0027】
排気ガスとともに上流側排気管6を伝播してきた排気騒音も排気ガスとともに消音器1の内管3に導かれ、内管3に形成した小孔4から共鳴室5内に伝播し、共鳴作用により騒音の高周波数成分が消音される。
【0028】
また、内管3は排気ガスが直接流通するため、外管2に比べて加熱され易く、外管2と内管3との間に熱膨脹差が発生する。このとき、内管3の他端部3bが緩衝材8を介して下流側排気管7に摺動可能に嵌合されているため、内管3の他端部3bが軸方向に移動して熱膨脹差を吸収し、内管3に座屈などが発生するおそれがない。
【0029】
また、前記のように熱膨脹差によって移動する内管3の他端部3bを下流側排気管7側に摺動可能に嵌合したので、外管2の他端の首部2bを、従来の構造のように長く形成する必要がなく、一端の首部2aと同様に短くてよい。
【0030】
このように、外管2の両首部2a,2bが短くてよいことは、首部、特に他端の首部2bの縮径加工が容易になり、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制するとともに加工時間の短縮を図ることが可能になる。
【0031】
また、前記のように縮径加工が容易で、亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制できることは、外管の板厚を薄肉に設定することができ、消音器の軽量化に貢献することができる。
【0032】
また、一般に前記のように縮径加工された首部の内周面は、縮径に伴う増肉変形により寸法精度が悪化するため、図3に示す従来の構造のように首部104に緩衝材108及び内管105を嵌設する場合、その組み付け性が良好でなかった。しかし、本実施例においては、内管3の他端部3bを、径寸法の精度が高い下流側排気管7に緩衝材8を介して嵌合するようにしたので、外管2の他端の首部2bの寸法精度が多少悪くても緩衝材8及び内管3の組み付け性が良好になる。
【0033】
図2は第2実施例を示す。
本第2実施例は、前記第1実施例の下流側排気管7の端部7aを、その一般部よりも拡径し、該端部7aを外管2の他端の首部2b内に挿入して、該端部7aと他端の首部2bとを溶接にて固着したものである。
【0034】
その他の構造は、前記第1実施例と同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本第2実施例のように、下流側排気管7の端部7aを拡径することにより、その拡径した分だけ外管2の他端の首部2bの縮径量を小さくすることできる。このように、縮径量が小さいことは、その首部2bの縮径加工が容易になり、前記第1実施例における効果を一層高めることができる。
【0036】
なお、前記両実施例は、外管の首部内に排気管の端部を挿入した例で示したが、本発明は、排気管の端部内に外管の首部を挿入して固着するものに適用してもよい。
【0037】
更に、前記両実施例においては、内管の下流側を、これに緩衝材を設けて摺動可能としたが、本発明は、内管の上流側の端部外周に前記のような緩衝材を設けて上流側を摺動可能としても良く、更には上流側と下流側に前記の緩衝材を設けるようにしても良い。
【0038】
更に、前記両実施例においては、排気系部品として消音器の例で示したが、本発明は、外管と内管を備えた多重構造で、外管に縮径部を形成した排気系部品であれば消音器以外にも適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は前記のようであるから、内管の摺動側における外管の首部を前記従来の首部に比べて短く形成できるため、該首部の縮径加工が容易になり、該首部における亀裂、シワ、座屈などの加工不良を抑制することができるとともに、加工時間の短縮を図ることができる。
【0040】
更に、前記のように首部の縮径加工が容易であることは、その首部の板厚を薄肉にしてもその首部を精度良く形成できるため、その外管の板厚を薄肉にしてその排気系部品の軽量化に貢献できる。
【0041】
更に、縮径加工された首部の内周は、縮径に伴う増肉変形により寸法精度が悪化するため、従来のように、首部に緩衝材および内管を嵌合する場合には組み付け性が良好ではなかったが、しかし、本発明においては、緩衝材を嵌合した内管を寸法精度が良い排気管に嵌合するため、緩衝材および内管の組み付け性が良好になる。
【0042】
また、請求項2に記載の発明によれば、外管の首部の縮径量を小さくすることができることから、その首部の縮径加工が容易になり、前記の効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を消音器と排気管との接続構造に適用した第1実施例を示すもので、(a)は側断面図、(b)は(a)における左側の首部を示す拡大側断面図、(c)は(a)における右側の首部を示す拡大側断面図。
【図2】本発明を消音器と排気管との接続構造に適用した第2実施例を示す側断面図。
【図3】従来の構造を示す側断面図。
【符号の説明】
1 排気系部品である消音器
2 外管
2a,2b 首部
3 内管
3a,3b 内管端部
3e 突出した内管端部
6,7 排気管
6a,7a 排気管端部
8 緩衝材
Claims (2)
- 両端部を縮径加工して首部を形成した外管の内部に内管を配設した排気系部品と排気ガスが流通する排気管との接続構造であって、外管の少なくとも一方の首部から内管端部が突出するように内管を配設し、該突出した内管端部を、その外周に緩衝材を配設して排気管の内部に摺動可能に嵌合するとともに、外管の前記一方の首部と排気管を固着したことを特徴とする排気系部品と排気管との接続構造。
- 前記外管における一方の首部側の排気管端部を拡径して該排気管端部と外管の一方の首部とを固着したことを特徴とする請求項1記載の排気系部品と排気管との接続構造。
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-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002253323A patent/JP2004092476A/ja not_active Withdrawn
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