JP2004060523A - 消音器 - Google Patents
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Abstract
【課題】導ガスパイプの外周に空間室を介してカバーパイプを配置する消音器において、前記の空間部の容量を大きくして消音効率の向上を図る。
【解決手段】消音器1内に排気ガスを導入する導ガスパイプ4と消音器1内から排気ガスを導出する導ガスパイプ11を設ける。前記両導ガスパイプ4,11の少なくとも一方の導ガスパイプ4における消音器のハウジング2と嵌合する嵌合端部4aを、該嵌合端部4a以外の部分よりも大径に形成する。導ガスパイプ4に連通孔8を形成するとともにその外周に空間部6を介してカバーパイプ7を配置する。カバーパイプ7の一端7aを前記導ガスパイプ4の嵌合端部4aに嵌合する。
【選択図】 図1
【解決手段】消音器1内に排気ガスを導入する導ガスパイプ4と消音器1内から排気ガスを導出する導ガスパイプ11を設ける。前記両導ガスパイプ4,11の少なくとも一方の導ガスパイプ4における消音器のハウジング2と嵌合する嵌合端部4aを、該嵌合端部4a以外の部分よりも大径に形成する。導ガスパイプ4に連通孔8を形成するとともにその外周に空間部6を介してカバーパイプ7を配置する。カバーパイプ7の一端7aを前記導ガスパイプ4の嵌合端部4aに嵌合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は消音器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の消音器として図2に示すように、外筒101の両端に端板102,103を設け、一方の端板102側に、排気ガスを消音器内に導くインレットパイプ104を設け、他方の端板103側に、消音器内の排気ガスを外部へ排出するアウトレットパイプ105を設け、更に、前記インレットパイプ104には連通孔106を穿設し、該連通孔106の穿設範囲におけるインレットパイプ104の外周に空間部107を介してカバーパイプ108を設け、更に前記空間部107に吸音材109を充填した消音器が、例えば実開昭61−190424号公報に開示されている。
【0003】
この消音器は、インレットパイプ104の外周を、空間部107を介してカバーパイプ108で被覆することにより、この空間部107が高周波の騒音を消音する異音吸収型の消音室を形成するが、インレットパイプ104の上流端の嵌合端部110が、これに接続する排気管の径に応じて図2のように拡径されていると、カバーパイプ108の上流側部111がインレットパイプ104の嵌合端部110から外れた一般部112に位置するようにカバーパイプ108が備えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、車両の軽量化の要望に応えるために、消音器が小容量化されるとともに、より消音効率の良い消音器が求められている。
【0005】
しかし、前記従来のように、インレットパイプ104に拡径された嵌合端部110が存在することにより、この嵌合端部110から離れてカバーパイプ108を配置するものにおいては、その空間部107が大きく取れない問題がある。
【0006】
そこで本発明は、前記のようなカバーパイプ内の空間部の容量を大きくできるようにして消音効率を高め、消音器の小型化、軽量化を図ることができる消音器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、消音器内に排気ガスを導入する導ガスパイプと消音器内から排気ガスを導出する導ガスパイプを有する消音器において、前記両導ガスパイプの少なくとも一方の導ガスパイプにおける消音器のハウジングと嵌合する嵌合端部を、該嵌合端部以外の部分よりも大径に形成し、該導ガスパイプに連通孔を形成するとともにその外周に空間部を介してカバーパイプを配置し、該カバーパイプの一端を前記導ガスパイプの嵌合端部に嵌合したことを特徴とする消音器である。
【0008】
本発明においては、導ガスパイプ内を流通する排気騒音の一部は導ガスパイプに形成した連通孔を通じてカバーパイプとの間の空間部に流入し、高周波の騒音が消音される。
【0009】
また、カバーパイプの一端を、導ガスパイプの大径の嵌合端部に延在させたので、前記空間部の容積を大きくすることができ、消音効率を向上させて、消音器の小型化、軽量化を図ることができる。
【0010】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記カバーパイプの一端は導ガスパイプとともに消音器のハウジングに嵌合されていることを特徴とする消音器である。
【0011】
本発明においては、カバーパイプの一端を、導ガスパイプとともにハウジングに嵌合したので、これらの嵌合部を相互に固着することによって、その嵌合部の強度、耐久性が低下しない。そのため、カバーパイプを薄肉化することができ、消音器の軽量化、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0012】
請求項3記載の第3の発明は、前記第1又は第2の発明において、前記カバーパイプの内径を、その他端における導ガスパイプとの嵌合部を除いて、前記導ガスパイプの嵌合端部と略同径に形成したことを特徴とする消音器である。
【0013】
本発明においては、カバーパイプの一端を導ガスパイプに嵌合固着する際に、そのカバーパイプの嵌合部の縮径加工を廃止でき、製造時間の短縮を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1に示す実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1において、消音器1を構成するハウジング(外筒)2は、金属製の管材の両端部を、適宜手段、例えばスピニング加工により縮径加工(ネッキング加工)して、大径の主体部(一般部)2aと、その軸方向両端部に位置して除変部2b,2cと、小径の両首部2d,2eとが一体成形されている。
【0016】
前記上流側の首部2dは前端開口部を形成しており、該開口した首部2dには、消音器1内に形成された拡張室3に排気ガスを導入する導ガスパイプであるインレットパイプ4が嵌装されている。該インレットパイプ4の上流側端には拡径されて大径に形成された嵌合端部4aが形成され、該嵌合端部4aに上流側排気管5の下流端が嵌合接続されている。
【0017】
前記インレットパイプ4の外周には空間部6を介して薄板の金属板からなるカバーパイプ7が配置されている。該カバーパイプ7は、その内側端部(他端)を除いて、前記インレットパイプ4の嵌合端部4aの外径と略同径の一定の内径に形成され、該カバーパイプ7の外側端部(一端)を嵌合部7aとして、該嵌合部7aがインレットパイプ4の嵌合端部4aの外面に嵌合されている。
【0018】
したがって、図1に示すように、上流側排気管5の下流端の外周にインレットパイプ4の大径の嵌合端部4aが嵌合され、該嵌合端部4aの外周にカバーパイプ7の嵌合部7aが嵌合され、該嵌合部7aの外周にハウジング2の首部2dが嵌合されている。
【0019】
また、カバーパイプ7における前記嵌合部7a側の端部は、インレットパイプ4における嵌合端部4a側の端部とともにハウジング2の首部2dの端部から段差を設けて僅かに突出して首部2dに嵌合されている。
【0020】
更に、前記上流側排気管5、インレットパイプ4の嵌合端4a、カバーパイプ7の嵌合部7a、首部2dは、これらの重合部において溶接により一体に固着されている。
【0021】
また、前記カバーパイプ7の内側端部(他端)には、前記インレットパイプ4の主体部(一般部)、すなわち、前記嵌合端部4a以外の部分の外径と同等に縮径されて縮径部7bが形成され、該縮径部7bをインレットパイプ4に嵌合するとともにインレットパイプ4に点付け溶接などで固着されている。
【0022】
前記インレットパイプ4には、消音器内における所定範囲、図の実施例においては、嵌合端部4aと内側端部を除く範囲において、連通孔8が多数穿設されている。
【0023】
前記の構造により、インレットパイプ4の外周に、カバーパイプ7によって被覆された空間部6が形成され、インレットパイプ4に形成した連通孔8によってインレットパイプ4内と空間部6とが連通している。
【0024】
更に、前記空間部6内にはステンレスウールやグラスウール等の吸音材10が充填されており、排気ガスがインレットパイプ4内を通過する際に、排気騒音が連通孔8を通じて吸音材10に流入し、高周波の騒音が消音されるようになっている。
【0025】
前記ハウジング2の下流側の首部2eにも、前記上流側の首部2dに設けたインレットパイプ4と同形状のアウトレットパイプ11が設けられ、該アウトレットパイプ11の外周にも前記と同形状のカバーパイプ12が嵌合して備えられ、アウトレットパイプ11とカバーパイプ12と間に空間部13を形成し、該空間部13内に前記と同様の吸音材14が充填されている。
【0026】
すなわち、下流側の首部2eは後端開口部を形成しており、該開口した首部2eには、消音器1内に形成された拡張室3から排気ガスを排出する導ガスパイプであるアウトレットパイプ11が嵌装されている。該アウトレットパイプ11の下流側端は拡径されて大径に形成された嵌合端部11aが形成され、該嵌合端部11aに下流側排気管15の上流端が嵌合接続されている。
【0027】
前記アウトレットパイプ11の外周には空間部13を介して薄板の金属板からなるカバーパイプ12が配置されている。該カバーパイプ12は、その内側端部(他端)を除いて、前記アウトレットパイプ11の嵌合端部11aの外径と略同径の一定の内径に形成され、該カバーパイプ12の外側端部(一端)を嵌合部12aとして、該嵌合部12aがアウトレットパイプ11の嵌合端部11aの外面に嵌合されている。
【0028】
したがって、図1に示すように、下流側排気管15の上流端の外周にアウトレットパイプ11の嵌合端部11aが嵌合され、該嵌合端部11aの外周にカバーパイプ12の嵌合部12aが嵌合され、該嵌合部12aの外周にハウジング2の首部2eが嵌合されている。
【0029】
また、カバーパイプ12における前記嵌合部12a側の端部は、アウトレットパイプ11における嵌合端部11a側の端部とともにハウジング2の首部2eの端部から段差を設けて僅かに突出して首部2eに嵌合されている。
【0030】
更に、前記下流側排気管15、アウトレットパイプ11の嵌合端部11a、カバーパイプ12の嵌合部12a、首部2eは、これらの重合部において溶接により一体に固着されている。
【0031】
また、前記カバーパイプ12の内側端部(他端)には、前記アウトレットパイプ11の主体部(一般部)、すなわち、前記嵌合端部11a以外の部分の外径と同等に縮径されて縮径部12bが形成され、該縮径部12bをアウトレットパイプ11に嵌合するとともにアウトレットパイプ11に点付け溶接などで固着されている。
【0032】
前記アウトレットパイプ11には、消音器内における所定範囲、図の実施例においては、嵌合端部11aと内側端部を除く範囲において、連通孔16が多数穿設されている。
【0033】
前記の構造により、アウトレットパイプ11の外周に、カバーパイプ12によって被覆された空間部13が形成され、アウトレットパイプ11に形成した連通孔16によってアウトレットパイプ11内と空間部13とが連通している。
【0034】
更に、前記空間部13内にはステンレスウールやグラスウール等の吸音材14が充填されており、排気ガスがアウトレットパイプ11内を通過する際に、排気騒音が連通孔16を通じて吸音材14に流入し、高周波の騒音が消音されるようになっている。
【0035】
前記の構造において、上流側排気管5を流通してきた排気ガスおよび排気騒音は、導ガスパイプであるインレットパイプ4内を流通した後、インレットパイプ4内の内端から消音器1内に形成した拡張室3内に流入して、排気騒音は拡張作用により消音される。その後、導ガスパイプであるアウトレットパイプ11の内端からアウトレットパイプ11内を流通して、下流側排気管15に排出される。
【0036】
また、前記のようにインレットパイプ4およびアウトレットパイプ11内を流通する際に、排気騒音はそれぞれの連通孔8,16を通じて空間部6,13内に流入し、該空間部6,13内に充填された吸音材10,14によって高周波の騒音が消音される。
【0037】
また、両カバーパイプ7,12の一端の嵌合部7a,12aを、インレットパイプ4、アウトレットパイプ11の拡径した嵌合端部4a,11aまで延在させたので、従来のように、カバーパイプの一端をインレットパイプやアウトレットパイプの拡径部まで延在させることなく小径部までとするものに比べて、空間部6,13の容量を大きくすることができ、空間部6,13での消音効果を向上することができる。したがって、消音器の小型化、軽量化を図ることができる。
【0038】
また、導ガスパイプであるインレットパイプ4の嵌合端部4aおよび導ガスパイプであるアウトレットパイプ11の嵌合端部11aは大径であるので、本実施例のように両端を縮径加工して形成した管材をハウジング2として用いる場合、そのハウジング2の管材の縮径量を小さくできるため加工が容易化される。
【0039】
更に、カバーパイプ7,12の一端である嵌合部7a,11aは、導ガスパイプ4,11とともにハウジング2に嵌合されて、ハウジングと一体に固着されているので、強度、耐久性が低下しないため、カバーパイプ7,12を薄肉化することができ、消音器1の軽量化、強いては車両の軽量化に貢献できる。特に本実施例のように、導ガスパイプ4,11が片持ちタイプにおいては、その支持強度を高めることができる効果がある。
【0040】
また、カバーパイプ7,12は、その他端7b,12bを除いて、導ガスパイプ4,11の嵌合端部4a,11aの外径と略同径の一定の内径に形成したので、その他端の縮径部7b,12bの縮径加工のみでよく、一端部である嵌合部7a,12aの縮径加工を廃止することができる。したがって、製造時間の短縮を図ることができる。
【0041】
なお、前記の実施例は、インレットパイプ4とアウトレットパイプ11にカバーパイプ7,12などを設けて、両パイプ4,11に異音吸収型の消音器(異音吸収型消音室)17,18を形成したが、このように双方のパイプ4,11に設けることなく、インレットパイプ7とアウトレットパイプ12のいずれか一方に設けるようにしても良い。
【0042】
更に、消音器1のハウジング2は、筒状のシェルと端板によって形成するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のようであるから、本発明においては、導ガスパイプの一端に大径の嵌合端部を形成するとともに該導ガスパイプの外周に空間部形成用のカバーパイプを設けるものにおいて、その空間部の容量を従来構造のものよりも増大させることができ、消音効率を向上させることができる。したがって、消音器の小型化、軽量化、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0044】
更に、請求項2に記載の発明によれば、カバーパイプを薄肉化して一層、消音器、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0045】
更に、請求項3に記載の発明によれば、カバーパイプの一端の縮径加工を廃止して、製造時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の消音器の実施例を示す断面図、(b)は(a)における一部拡大断面図。
【図2】従来の消音器を示す断面図。
【符号の説明】
1 消音器
2 ハウジング
3 拡張室
4,11 導ガスパイプ
4a,11a 拡径された嵌合端部
6,13 空間部
7,12 カバーパイプ
7a,12a 一端
7b,12b 他端
8,16 連通孔
10,14 吸音材
【発明の属する技術分野】
本発明は消音器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の消音器として図2に示すように、外筒101の両端に端板102,103を設け、一方の端板102側に、排気ガスを消音器内に導くインレットパイプ104を設け、他方の端板103側に、消音器内の排気ガスを外部へ排出するアウトレットパイプ105を設け、更に、前記インレットパイプ104には連通孔106を穿設し、該連通孔106の穿設範囲におけるインレットパイプ104の外周に空間部107を介してカバーパイプ108を設け、更に前記空間部107に吸音材109を充填した消音器が、例えば実開昭61−190424号公報に開示されている。
【0003】
この消音器は、インレットパイプ104の外周を、空間部107を介してカバーパイプ108で被覆することにより、この空間部107が高周波の騒音を消音する異音吸収型の消音室を形成するが、インレットパイプ104の上流端の嵌合端部110が、これに接続する排気管の径に応じて図2のように拡径されていると、カバーパイプ108の上流側部111がインレットパイプ104の嵌合端部110から外れた一般部112に位置するようにカバーパイプ108が備えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、車両の軽量化の要望に応えるために、消音器が小容量化されるとともに、より消音効率の良い消音器が求められている。
【0005】
しかし、前記従来のように、インレットパイプ104に拡径された嵌合端部110が存在することにより、この嵌合端部110から離れてカバーパイプ108を配置するものにおいては、その空間部107が大きく取れない問題がある。
【0006】
そこで本発明は、前記のようなカバーパイプ内の空間部の容量を大きくできるようにして消音効率を高め、消音器の小型化、軽量化を図ることができる消音器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、消音器内に排気ガスを導入する導ガスパイプと消音器内から排気ガスを導出する導ガスパイプを有する消音器において、前記両導ガスパイプの少なくとも一方の導ガスパイプにおける消音器のハウジングと嵌合する嵌合端部を、該嵌合端部以外の部分よりも大径に形成し、該導ガスパイプに連通孔を形成するとともにその外周に空間部を介してカバーパイプを配置し、該カバーパイプの一端を前記導ガスパイプの嵌合端部に嵌合したことを特徴とする消音器である。
【0008】
本発明においては、導ガスパイプ内を流通する排気騒音の一部は導ガスパイプに形成した連通孔を通じてカバーパイプとの間の空間部に流入し、高周波の騒音が消音される。
【0009】
また、カバーパイプの一端を、導ガスパイプの大径の嵌合端部に延在させたので、前記空間部の容積を大きくすることができ、消音効率を向上させて、消音器の小型化、軽量化を図ることができる。
【0010】
請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記カバーパイプの一端は導ガスパイプとともに消音器のハウジングに嵌合されていることを特徴とする消音器である。
【0011】
本発明においては、カバーパイプの一端を、導ガスパイプとともにハウジングに嵌合したので、これらの嵌合部を相互に固着することによって、その嵌合部の強度、耐久性が低下しない。そのため、カバーパイプを薄肉化することができ、消音器の軽量化、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0012】
請求項3記載の第3の発明は、前記第1又は第2の発明において、前記カバーパイプの内径を、その他端における導ガスパイプとの嵌合部を除いて、前記導ガスパイプの嵌合端部と略同径に形成したことを特徴とする消音器である。
【0013】
本発明においては、カバーパイプの一端を導ガスパイプに嵌合固着する際に、そのカバーパイプの嵌合部の縮径加工を廃止でき、製造時間の短縮を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1に示す実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1において、消音器1を構成するハウジング(外筒)2は、金属製の管材の両端部を、適宜手段、例えばスピニング加工により縮径加工(ネッキング加工)して、大径の主体部(一般部)2aと、その軸方向両端部に位置して除変部2b,2cと、小径の両首部2d,2eとが一体成形されている。
【0016】
前記上流側の首部2dは前端開口部を形成しており、該開口した首部2dには、消音器1内に形成された拡張室3に排気ガスを導入する導ガスパイプであるインレットパイプ4が嵌装されている。該インレットパイプ4の上流側端には拡径されて大径に形成された嵌合端部4aが形成され、該嵌合端部4aに上流側排気管5の下流端が嵌合接続されている。
【0017】
前記インレットパイプ4の外周には空間部6を介して薄板の金属板からなるカバーパイプ7が配置されている。該カバーパイプ7は、その内側端部(他端)を除いて、前記インレットパイプ4の嵌合端部4aの外径と略同径の一定の内径に形成され、該カバーパイプ7の外側端部(一端)を嵌合部7aとして、該嵌合部7aがインレットパイプ4の嵌合端部4aの外面に嵌合されている。
【0018】
したがって、図1に示すように、上流側排気管5の下流端の外周にインレットパイプ4の大径の嵌合端部4aが嵌合され、該嵌合端部4aの外周にカバーパイプ7の嵌合部7aが嵌合され、該嵌合部7aの外周にハウジング2の首部2dが嵌合されている。
【0019】
また、カバーパイプ7における前記嵌合部7a側の端部は、インレットパイプ4における嵌合端部4a側の端部とともにハウジング2の首部2dの端部から段差を設けて僅かに突出して首部2dに嵌合されている。
【0020】
更に、前記上流側排気管5、インレットパイプ4の嵌合端4a、カバーパイプ7の嵌合部7a、首部2dは、これらの重合部において溶接により一体に固着されている。
【0021】
また、前記カバーパイプ7の内側端部(他端)には、前記インレットパイプ4の主体部(一般部)、すなわち、前記嵌合端部4a以外の部分の外径と同等に縮径されて縮径部7bが形成され、該縮径部7bをインレットパイプ4に嵌合するとともにインレットパイプ4に点付け溶接などで固着されている。
【0022】
前記インレットパイプ4には、消音器内における所定範囲、図の実施例においては、嵌合端部4aと内側端部を除く範囲において、連通孔8が多数穿設されている。
【0023】
前記の構造により、インレットパイプ4の外周に、カバーパイプ7によって被覆された空間部6が形成され、インレットパイプ4に形成した連通孔8によってインレットパイプ4内と空間部6とが連通している。
【0024】
更に、前記空間部6内にはステンレスウールやグラスウール等の吸音材10が充填されており、排気ガスがインレットパイプ4内を通過する際に、排気騒音が連通孔8を通じて吸音材10に流入し、高周波の騒音が消音されるようになっている。
【0025】
前記ハウジング2の下流側の首部2eにも、前記上流側の首部2dに設けたインレットパイプ4と同形状のアウトレットパイプ11が設けられ、該アウトレットパイプ11の外周にも前記と同形状のカバーパイプ12が嵌合して備えられ、アウトレットパイプ11とカバーパイプ12と間に空間部13を形成し、該空間部13内に前記と同様の吸音材14が充填されている。
【0026】
すなわち、下流側の首部2eは後端開口部を形成しており、該開口した首部2eには、消音器1内に形成された拡張室3から排気ガスを排出する導ガスパイプであるアウトレットパイプ11が嵌装されている。該アウトレットパイプ11の下流側端は拡径されて大径に形成された嵌合端部11aが形成され、該嵌合端部11aに下流側排気管15の上流端が嵌合接続されている。
【0027】
前記アウトレットパイプ11の外周には空間部13を介して薄板の金属板からなるカバーパイプ12が配置されている。該カバーパイプ12は、その内側端部(他端)を除いて、前記アウトレットパイプ11の嵌合端部11aの外径と略同径の一定の内径に形成され、該カバーパイプ12の外側端部(一端)を嵌合部12aとして、該嵌合部12aがアウトレットパイプ11の嵌合端部11aの外面に嵌合されている。
【0028】
したがって、図1に示すように、下流側排気管15の上流端の外周にアウトレットパイプ11の嵌合端部11aが嵌合され、該嵌合端部11aの外周にカバーパイプ12の嵌合部12aが嵌合され、該嵌合部12aの外周にハウジング2の首部2eが嵌合されている。
【0029】
また、カバーパイプ12における前記嵌合部12a側の端部は、アウトレットパイプ11における嵌合端部11a側の端部とともにハウジング2の首部2eの端部から段差を設けて僅かに突出して首部2eに嵌合されている。
【0030】
更に、前記下流側排気管15、アウトレットパイプ11の嵌合端部11a、カバーパイプ12の嵌合部12a、首部2eは、これらの重合部において溶接により一体に固着されている。
【0031】
また、前記カバーパイプ12の内側端部(他端)には、前記アウトレットパイプ11の主体部(一般部)、すなわち、前記嵌合端部11a以外の部分の外径と同等に縮径されて縮径部12bが形成され、該縮径部12bをアウトレットパイプ11に嵌合するとともにアウトレットパイプ11に点付け溶接などで固着されている。
【0032】
前記アウトレットパイプ11には、消音器内における所定範囲、図の実施例においては、嵌合端部11aと内側端部を除く範囲において、連通孔16が多数穿設されている。
【0033】
前記の構造により、アウトレットパイプ11の外周に、カバーパイプ12によって被覆された空間部13が形成され、アウトレットパイプ11に形成した連通孔16によってアウトレットパイプ11内と空間部13とが連通している。
【0034】
更に、前記空間部13内にはステンレスウールやグラスウール等の吸音材14が充填されており、排気ガスがアウトレットパイプ11内を通過する際に、排気騒音が連通孔16を通じて吸音材14に流入し、高周波の騒音が消音されるようになっている。
【0035】
前記の構造において、上流側排気管5を流通してきた排気ガスおよび排気騒音は、導ガスパイプであるインレットパイプ4内を流通した後、インレットパイプ4内の内端から消音器1内に形成した拡張室3内に流入して、排気騒音は拡張作用により消音される。その後、導ガスパイプであるアウトレットパイプ11の内端からアウトレットパイプ11内を流通して、下流側排気管15に排出される。
【0036】
また、前記のようにインレットパイプ4およびアウトレットパイプ11内を流通する際に、排気騒音はそれぞれの連通孔8,16を通じて空間部6,13内に流入し、該空間部6,13内に充填された吸音材10,14によって高周波の騒音が消音される。
【0037】
また、両カバーパイプ7,12の一端の嵌合部7a,12aを、インレットパイプ4、アウトレットパイプ11の拡径した嵌合端部4a,11aまで延在させたので、従来のように、カバーパイプの一端をインレットパイプやアウトレットパイプの拡径部まで延在させることなく小径部までとするものに比べて、空間部6,13の容量を大きくすることができ、空間部6,13での消音効果を向上することができる。したがって、消音器の小型化、軽量化を図ることができる。
【0038】
また、導ガスパイプであるインレットパイプ4の嵌合端部4aおよび導ガスパイプであるアウトレットパイプ11の嵌合端部11aは大径であるので、本実施例のように両端を縮径加工して形成した管材をハウジング2として用いる場合、そのハウジング2の管材の縮径量を小さくできるため加工が容易化される。
【0039】
更に、カバーパイプ7,12の一端である嵌合部7a,11aは、導ガスパイプ4,11とともにハウジング2に嵌合されて、ハウジングと一体に固着されているので、強度、耐久性が低下しないため、カバーパイプ7,12を薄肉化することができ、消音器1の軽量化、強いては車両の軽量化に貢献できる。特に本実施例のように、導ガスパイプ4,11が片持ちタイプにおいては、その支持強度を高めることができる効果がある。
【0040】
また、カバーパイプ7,12は、その他端7b,12bを除いて、導ガスパイプ4,11の嵌合端部4a,11aの外径と略同径の一定の内径に形成したので、その他端の縮径部7b,12bの縮径加工のみでよく、一端部である嵌合部7a,12aの縮径加工を廃止することができる。したがって、製造時間の短縮を図ることができる。
【0041】
なお、前記の実施例は、インレットパイプ4とアウトレットパイプ11にカバーパイプ7,12などを設けて、両パイプ4,11に異音吸収型の消音器(異音吸収型消音室)17,18を形成したが、このように双方のパイプ4,11に設けることなく、インレットパイプ7とアウトレットパイプ12のいずれか一方に設けるようにしても良い。
【0042】
更に、消音器1のハウジング2は、筒状のシェルと端板によって形成するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のようであるから、本発明においては、導ガスパイプの一端に大径の嵌合端部を形成するとともに該導ガスパイプの外周に空間部形成用のカバーパイプを設けるものにおいて、その空間部の容量を従来構造のものよりも増大させることができ、消音効率を向上させることができる。したがって、消音器の小型化、軽量化、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0044】
更に、請求項2に記載の発明によれば、カバーパイプを薄肉化して一層、消音器、強いては車両の軽量化を図ることができる。
【0045】
更に、請求項3に記載の発明によれば、カバーパイプの一端の縮径加工を廃止して、製造時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の消音器の実施例を示す断面図、(b)は(a)における一部拡大断面図。
【図2】従来の消音器を示す断面図。
【符号の説明】
1 消音器
2 ハウジング
3 拡張室
4,11 導ガスパイプ
4a,11a 拡径された嵌合端部
6,13 空間部
7,12 カバーパイプ
7a,12a 一端
7b,12b 他端
8,16 連通孔
10,14 吸音材
Claims (3)
- 消音器内に排気ガスを導入する導ガスパイプと消音器内から排気ガスを導出する導ガスパイプを有する消音器において、前記両導ガスパイプの少なくとも一方の導ガスパイプにおける消音器のハウジングと嵌合する嵌合端部を、該嵌合端部以外の部分よりも大径に形成し、該導ガスパイプに連通孔を形成するとともにその外周に空間部を介してカバーパイプを配置し、該カバーパイプの一端を前記導ガスパイプの嵌合端部に嵌合したことを特徴とする消音器。
- 前記カバーパイプの一端は導ガスパイプとともに消音器のハウジングに嵌合されていることを特徴とする請求項1記載の消音器。
- 前記カバーパイプの内径を、その他端における導ガスパイプとの嵌合部を除いて、前記導ガスパイプの嵌合端部と略同径に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の消音器。
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JP2002219738A JP2004060523A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 消音器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009275711A (ja) * | 2009-08-24 | 2009-11-26 | Toyota Motor Corp | 排気構造 |
KR101306818B1 (ko) * | 2011-01-13 | 2013-09-10 | 세종공업 주식회사 | 연료전지용 배기소음기 |
CN106368787A (zh) * | 2016-10-14 | 2017-02-01 | 上海天纳克排气系统有限公司 | 消声器 |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219738A patent/JP2004060523A/ja active Pending
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