JP2004092364A - 透水性アスファルト舗装の補強方法 - Google Patents

透水性アスファルト舗装の補強方法 Download PDF

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上野 敏孝
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Abstract

【課題】透水性舗装は、雨水を表層のアスファルト舗装体を浸透させることで表面の水たまりを減らし、さらに雨水を地面に還元することで水の自然循環を可能とする舗装方法である。しかし、通常舗装よりも路床が劣化しやすく、車両の走行量が多い道路への採用は不向きとされている。一方、車道の舗装表面の水たまりは車両の走行に悪影響を与える。そこでこのような道路には、表層の透水性アスファルト舗装体の下にコンクリート基盤を設ける排水性舗装が採用される。しかしこれでは地盤への水の還元は期待できない。またガスや上下水道の埋設管敷設およびメンテナンスの際に、コンクリート基盤が作業の障害になる。
【解決手段】透水性舗装を車道に採用するために、表層の透水性アスファルト舗装体(1)のたわみ、轍を防止するために、網目状の補強材(2)を配して路盤(3)の剛性および耐力を向上させて路床の劣化を防止する工法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、透水性アスファルト舗装の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年都市部において、歩道や駐車場など車両の走行量が少ない舗装面へ、透水性舗装の採用が増えている。透水性舗装は、表層のアスファルト舗装体の空隙率が大きく、雨水がその中を浸透して地面に還元される。そのため表面に水たまりができない舗装方法である。これにより排水施設への負担軽減、さらに地下水枯渇の防止や地中水分の蒸散作用によるヒートアイランド現象の軽減などが期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
透水性アスファルト舗装体は空隙率が大きいため、通常よりも耐力および耐久性が低い。また浸透した水により路床の耐力が低下する可能性がある。それゆえ透水性舗装は、たわみや轍が生じやすいく、車両の走行量が多い道路には不向きとされている。
【0004】
一方、車道舗装表面の水たまりは、車両走行時の水はねやスリップ事故および夜間の照明の乱反射など悪影響を与える。その対策として車道では、透水性のアスファルト表層舗装体の下に非透水性である剛性および耐力の高いコンクリート基盤を形成して、雨水を道路脇の側溝に導く排水性舗装が用いられるようになった。しかしこれでは地盤への水の還元は期待できない。またガスや上下水道の埋設管敷設およびメンテナンスの際に、コンクリート基盤が作業の障害になることが多い。
【0005】
そこで、より多くの水の自然循環を可能とするため、また埋設管工事などの作業性を向上させるため、排水性舗装に代わり透水性舗装を車道へ採用することを可能にする補強方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の問題点を解決するため、請求項1の発明は、網目状の補強材(2)を配して路盤(3)の剛性および耐力を向上させることを特徴とした工法である。
【0007】
エキスパンドメタルや溶接金網などの金属製補強材(2)を用いることを特徴とした路盤(3)の補強方法である。
【0008】
硬性プラスチックなどの剛性高い非金属製補強材(2)を用いることを特徴とした路盤(3)の補強方法である。
【0009】
再掘削を容易にするために、ブロック化した補強材(2)と継手材(5)を用いることを特徴とした路盤(3)の補強方法である。
【0010】
補強材(2)を表層舗装体(1)と路盤(3)の間、または路盤(3)内部、または路盤(3)と路床(4)の間に用いることを特徴とした路盤(3)の補強方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
路盤(3)の上面または内部または下面に網目状の補強材(2)を配して、高剛性および高強度の路盤(3)を形成する。
【0012】
【実施例】
図1は、ブロック化した補強材(2)を用いる場合の例である。
【0013】
図2は、路盤(3)が1層であり補強材(2)に耐熱性の補強材を用いる場合の例である。路盤形成後に補強材(2)を敷き、その上に透水性アスファルト舗装(1)を施す。
【0014】
図3は、路盤が上層(3a)と下層(3b)の2層に分かれている場合の例である。下層路盤(3b)形成後に補強材を敷き、その上に上層路盤(3a)を形成する。
【0015】
図4は、路盤(3)が1層であり補強材(2)に非耐熱性の補強材を用いる場合の例である。路床(4)形成後に補強材を敷き、その上に路盤(3)を形成する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によって、路盤の剛性および耐力が上昇するため、表層の透水性アスファルト舗装体のたわみや轍の発生を低減できる。そのため車両の走行量が多い道路はもちろん、排水性舗装レベルの投資がしにくい一般の街路にも透水牲舗装の採用が可能となる。
これにより、広範囲において雨水の地中への還元が可能となる。また排水性舗装と比較し、施工費の低減、また埋設物の維持管理や更新も容易となる利点をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロック化した補強材設置を示した斜視図である。(実施例1)
【図2】路盤の補強位置を示した斜視図である。(実施例2)
【図3】路盤の補強位置を示した斜視図である。(実施例3)
【図4】路盤の補強位置を示した斜視図である。(実施例4)
【符号の説明】
1  透水性アスファルト舗装体
2  補強材
3  路盤
3a 上層路盤
3b 下層路盤
4  路床
5  継手材

Claims (5)

  1. 表層の透水性アスファルト舗装体(1)のたわみ、轍を防止するために、網目状の補強材(2)を配して路盤(3)の剛性および耐力を向上させる工法。
  2. エキスパンドメタルや溶接金網などの金属製補強材(2)を用いる請求項1記載の補強方法。
  3. 硬性プラスチックなどの剛性の高い非金属製補強材(2)を用いる請求項1記載の補強方法。
  4. 再掘削を容易にするために、ブロック化した補強材(2)と継手材(5)を用いる請求項1記載の補強方法。
  5. 補強材(2)を表層舗装体(1)と路盤(3)の間、または路盤(3)内部、または路盤(3)と路床(4)の間に用いる請求項1記載の補強方法。
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