JP2004091966A - ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置 - Google Patents

ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラスめっきが施されたスチールワイヤの生産性を損なうことなくワイヤ表層領域におけるリンの量を抑制し、ゴムとの接着性を向上させることのできるゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法およびこの方法に使用する製造装置を提供する。
【解決手段】ブラスめっきが施されたスチールワイヤ10を最終湿式伸線工程で伸線した後、スチールワイヤ10を、任意に変形されたスチールワイヤ3が密集する中を下記条件、
・通過長さL(m):(0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
(式中、Sは伸線スピード(m/分)である)
・密集圧力:90〜110g/cm(8.82〜10.78kPa)
・任意に変形されたスチールワイヤの線径:0.1mm以下
・密集密度:1.9g/cm以上
にて通過させ、ブラスめっきが施されたスチールワイヤ10の表層領域におけるリンの量を抑制する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤや工業用ベルトなどのゴム物品の補強に供されるゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法およびこの方法に使用する製造装置に関し、詳しくは、ブラスめっきが施されたスチールワイヤの生産性を損なうことなくワイヤ表面のリン量を抑制し、ゴムとの接着性の向上を図ったゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法およびこの方法に使用する製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ラジアルタイヤのベルトやカーカス用ボディープライ、および各種工業用ベルト部材などのゴム物品においては、ブラスめっきが施されたスチールワイヤまたはこれを複数本撚り合わせてなるスチールコードをゴムで被覆してなるものを用いることにより、補強効果を得ることが行われている。従ってこの場合、補強効果を十全に得るためにはスチールコードとゴムとの間の接着性を十分に確保することが必要であり、かかる観点からブラスめっきにおける銅と亜鉛との割合やめっき厚さを適正化すること等が検討され、これまでに一定の知見が確立されている。
【0003】
また、特開昭63−33135号公報では、ブラスめっきを施したスチールワイヤにおいて、ブラスめっき中にリンを4mg/m以上含有させることにより湿熱による接着性の劣化を低減させることが提案されている。
【0004】
さらに、国際出願WO097/23311号公報には、ブラスめっきが施された線材を、リン酸塩を含む潤滑剤中に浸漬したダイス群を通過させて連続湿式することで得られたスチールワイヤをスプールに巻取り、次いで、前記スプールを撚線機の巻き出し部に装着し、撚線機の巻き出し部と撚線部との間に配設した減面率5%以上の1又は2以上のダイスにより伸線して縮径し、スチールワイヤのブラスめっきの表面に形成された被膜中のリン化合物をリンとして0.2〜0.9mg/mの範囲内、酸化亜鉛を20.0〜70.0mg/mの範囲内とし、これにより、ゴムとの初期接着性が改善されて加流時間の短縮化を実現できることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、ブラスめっきを施したスチールコードとゴムとの間の接着反応を支配するコード表面因子をこれまで以上に機器分析的手法を駆使してコントロールし、詳細に表面を造り込んで、接着性との対応を検討した結果、ブラスめっきのバルク組成が同じである場合には、ブラスめっき表面からワイヤ半径方向内側に5nmの深さまでの表層領域における、酸化物として含まれるリンの量を1.5原子%以下に抑制することが極めて効果的であるとの知見を得、先に特許出願を行った。
【0006】
かかる表層領域におけるリンの量の抑制方法としては、伸線加工のパススケジュール、ダイスのエントランスやアプローチの形状および角度、ダイスの材質、並びに潤滑剤組成などの調整が有効であることが確認されている。
【0007】
しかしながら、ワイヤ表層領域におけるリンの量の上記抑制方法では、ダイスと被伸線ワイヤとの間に本来必要な潤滑性が損なわれ、ワイヤの断線、頻繁なダイスの交換などが発生するおそれがあり、スチールワイヤの生産性を低下させてしまうという問題があった。
【0008】
また、ダイスの材質としてダイヤモンドを使用した場合、通常のダイスより高価となり、スチールコードの製造コストが高くなってしまうという問題があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、ブラスめっきが施されたスチールワイヤの生産性を損なうことなくワイヤ表層領域におけるリンの量を抑制し、ゴムとの接着性を向上させることのできるゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法およびこの方法に使用する製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法は、ブラスめっきが施されたスチールワイヤを最終湿式伸線工程で伸線した後、該スチールワイヤを、任意に変形されたスチールワイヤが密集する中を下記条件、
・通過長さL(m):(0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
(式中、Sは伸線スピード(m/分)である)
・密集圧力:90〜110g/cm(8.82〜10.78kPa)
・任意に変形されたスチールワイヤの線径:0.1mm以下
・密集密度:1.9g/cm以上
にて通過させ、前記ブラスめっきが施されたスチールワイヤ表層領域におけるリンの量を抑制することを特徴とするものである。これにより、スチールコードの生産性を損なうことなくワイヤ表面のリンの量を所望量まで抑制し、ゴムとスチールコードとの間の接着性を向上させることができる。
【0011】
本発明の製造方法においては、前記ブラスめっきが施されたスチールワイヤの線径が0.15〜0.40mmであるものに好適に適用することができ、また前記任意に変形されたスチールワイヤが略5mm程度のカール径でクセ付けされていることが好ましい。
【0012】
また、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置は、ブラスめっきが施されたゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置において、該スチールワイヤの通過方向に長尺で、かつ該スチールワイヤを内部に通過させるための入口と出口とを有する箱体と、該箱体の中で前記スチールワイヤの表層領域におけるリンを切削する、任意に変形されたスチールワイヤの密集体と、を具備することを特徴とするものである。この製造装置は、上記本発明の方法に好適に適用することができる。また、ワイヤ表面のリンの量を抑制するためにダイスの材質を変更する従来方法では各最終伸線機毎への新規ダイスの適用が必要となるが、本発明によれば、伸線後ボビンに巻き取るまでの間で数台分をまとめて処理でき、コスト面、管理面でも有利である。
【0013】
本発明の製造装置においては、前記箱体のスチールワイヤ通過方向長さL(m)が次式、
(0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
(式中、Sは伸線スピード(m/分)である)で表される関係を満足することが好ましく、また、前記箱体の上面が、該箱体内部におけるスチールワイヤの密集体を適宜加圧できるように落とし蓋形式となっていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき具体的に説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係るゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置1は、ブラスめっきが施されたスチールワイヤ10の表層領域におけるリンの量を抑制するための製造装置であり、本発明の方法に好適に適用することができる。かかる製造装置1は、箱体2と、この箱体2の中の任意に変形されたスチールワイヤ3の密集体とからなる。箱体2は、スチールワイヤの通過方向に長尺に形成されており、また、箱体2は、スチールワイヤ10をその内部にて通過させるための入口4と出口5とを有する。図1に示す例では、箱体2の対向する両側面に設けられた入口4と出口5とは夫々一箇所であるが、同時に複数のスチールワイヤ10を通過させることができるように、夫々複数の入口4と出口5とを両側面に設けてもよい。
【0015】
また、箱体2は、内部に充填されたスチールワイヤ3の密集体を容易に加圧することができるように、図1の矢視方向断面図の図2に示すように、上面を落とし蓋6にて形成することが好ましい。この落とし蓋6の上から、スチールワイヤ3の密集体を適宜加圧することにより、スチールワイヤ3の密集体に所望の圧力を付与することができる。
【0016】
箱体2の中には、図1に示すように、スチールワイヤ3が夫々任意に変形された状態で密集体を形成しているが、このスチールワイヤ3の線径は、0.1mm以下、好ましくは0.05〜0.08mmとする。この線径が0.1mmを超えると、ブラスめっきが施されたワイヤ10との間に十分な接触が得られず、表層領域におけるリンの切削効果が不十分となる。同様にリンの切削効果を十分に得る上で、任意に変形されたスチールワイヤ3は、図3に示すように略5mm程度のカール径dでクセ付けされていることが好ましい。
【0017】
本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法においては、上述の製造装置1内を下記の条件で、ブラスめっきが施されたスチールワイヤ10を最終湿式伸線工程で伸線した後に通過させることにより、ブラスめっきが施されたスチールワイヤ10の表層領域におけるリンを所望量切削する。
【0018】
即ち、スチールワイヤ3の密集体が収納された箱体2のスチールワイヤ通過方向長さL(m)が次式、
(0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
(式中、Sは伸線スピード(m/分)である)で表される関係を満足するようにする。この関係が次式、
L≦(0.0018×S−0.23)×0.9
で表される関係のときは十分なリンの切削効果が得られず、一方、次式
L≧(0.0018×S−0.23)×1.1
で表される関係のときは表面のブラスめっきまでが切削され、逆にゴムとの接着性が低下してしまうことになる。
【0019】
また、スチールワイヤ3の密集圧力が90〜110g/cm(8.82〜10.78kPa)となるように、落とし蓋6からの圧力を調整する。この圧力が90g/cm(8.82kPa)未満であると十分なリンの切削効果が得られず、一方、110g/cm(10.78kPa)を超えると表面のブラスめっきまでが切削され、逆にゴムとの接着性が低下してしまうことになる。
【0020】
さらに、箱体2内スチールワイヤ3の密度は1.9g/cm以上、好ましくは2.1〜3.0g/cmとする。この密度が1.9g/cm未満であると、リンが切削されるブラスめっきワイヤとの間に十分な接触が得られず、リンの切削効果が不十分となる。
【0021】
本発明の他の実施形態として、図4に示すように、複数の伸線機本体11(図示する例では7台)による最終湿式伸線工程で伸線された複数のブラスめっきスチールワイヤ10を1台の箱体2に通過させてもよい。箱体2通過後は、夫々巻き取りリール12にて巻き取る。尚、本発明のスチールワイヤの製造方法における多段湿式伸線以外の工程、例えば最初の乾式伸線、パテンティング処理、ブラスめっき処理等は常法に従い行うことができる。
【0022】
本発明においては、周面ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの含有量を、良好に1.5原子%以下に抑制することができる。リンの含有量が1.5原子%を超えると、それにつれてゴムとの接着速度が遅くなり、所望のゴム接着性を確保するのが難しくなる。リンの量を1.5原子%以下とすることにより、ゴム接着性を安定して得ることが可能になる。
【0023】
ブラスめっき層の平均厚みは、好適には、0.13〜0.30μmである。ブラスめっき層の平均厚みが0.13μm未満では、鉄地が露出する部分が増加して初期接着性が阻害され、一方、0.30μmを超えると、ゴム物品使用中の熱によって過剰に接着反応が進行して、脆弱な接着しか得られなくなる。
【0024】
また、本発明においては、ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60〜70重量%であり、かつ、上記ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15〜45原子%であることが好ましい。ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60重量%未満になると、伸線性が悪化して断線により生産性が阻害され、量産することが難しくなる。一方、70重量%を超えると、耐熱接着性の耐水分接着性が低下して、ゴム物品、特にタイヤが曝される環境に対して十分な耐久性を維持できなくなる。また、ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15原子%未満であると、ワイヤ表層領域におけるリンの量を上記した1.5原子%以下に制限した場合であっても、ゴムとの接着反応に乏しくなる結果、より優れたゴム接着性の確保が困難となる。一方、45原子%を超えると、耐熱接着性や耐水分接着性が低下するという不利を招く。
【0025】
本発明においては、最終湿式伸線工程で伸線した後におけるスチールワイヤ3の線径は、好ましくは0.15〜0.40mmであり、かかる線径のときに良好にリンの切削効果が得られる。また、直径が0.40mmを超えると、使用したゴム物品が曲げ変形下で繰り返し歪みを受けたときに表面歪が大きくなり、座屈を引き起こし易くなる。
【0026】
伸線加工に供する鋼線材としては、炭素含有率が0.60〜0.95重量%の高炭素鋼線材を用いることが好ましく、鋼線材表層部の脱炭を抑制しつつ、初析セメンタイト、初析フェライトあるいはベイナイト等の混在量が少ない均一なパーライト組成を形成するように熱処理することが好ましい。
【0027】
本発明により製造されたスチールワイヤは、単線で用いてもよく、また、撚線機により常法に従い撚り合わせすることにより、所望の撚り構造のゴム物品補強用スチールコードとして用いてもよい。かかるスチールワイヤを複数本を撚り合わせたスチールコードとして用いる場合、ゴム物品、中でもタイヤのカーカスやベルトの補強材として好適である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例、従来例および比較例に基づき説明する。
従来例
約0.80重量%の炭素を含有する直径約5.5mmの高炭素鋼線材に、直径が約1.72mmになるまで乾式伸線を施した後、パテンティング処理を施し、次いで銅63重量%および亜鉛37重量%の組成を有するブラスめっきを下記の表1に示す付着量で施し、しかる後、リン酸亜鉛を含有する水性潤滑剤に全没させた多段湿式伸線機にて直径0.30mmまで複数ダイスを使用し伸線加工を行った。
【0029】
ワイヤの表層領域における酸化物として含まれるリンの量をX線光電子分光法に従い計測を行った。X線光電子分光法に従い計測される光電子の脱出深さ領域において、全元素の原子数と酸化物中のリンの原子数を検出し、全元素の原子数を100としたときの酸化物中のリン原子数を指数で表示したものを、当該領域における酸化物に含まれるリンの原子%とした。
【0030】
また、所定の方法で得られたワイヤを撚り合わせ1×3×0.30mmのスチールコードとし、JIS G3510(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法に準拠して下記の初期ゴム接着性試験および劣化後接着性試験を行った。この接着試験で使用したゴムの配合は、天然ゴム100重量部に対し、カーボンブラック(HFC)50重量部、亜鉛華5重量部、ナフテン酸コバルト(10%含量)2重量部、、加硫促進剤(DZ)0.5重量部および硫黄5重量部とした。
【0031】
初期接着性試験は、ゴム被覆コードを160℃で夫々5分、9分、13分、18分間加圧加硫した後室温で剥離試験を行って評価した。また、劣化後接着性試験は、ゴム被覆コードを160℃で18分間加圧加硫した後、夫々2日、4日、6日劣化させた後室温で剥離試験を行って評価した。劣化は、温度60℃、湿度90%の圧力釜に酸素を0.02MPa充填した環境下において、水分および酸素を強制的にゴム中へ浸透させることにより行った。評価したゴム付着率は、ゴムからコードを剥離をした後のスチールコードの表面を観察してコード表面が完全にゴムに覆われている場合を100%とし、ゴムが完全に覆われていない場合を0%として評価した。得られた結果を下記の表1および表2に示す。
【0032】
実施例および比較例1〜6
めっき付着量を下記の表1および表2に示すように変量とした以外は上記従来例と同様の方法により各スチールワイヤを得た。得られたスチールワイヤを夫々下記の表1および表2に示す条件にて図1に示す製造装置1内を通過させ、従来例と同様にしてスチールコードを製造した。これらコードの表層領域のリンの量並びに初期接着性試験および劣化後接着性試験の結果を下記の表2および表3に夫々示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004091966
*めっき表面からワイヤ半径方向内側へ5nmの深さまでの領域
【0034】
【表2】
Figure 2004091966
*めっき表面からワイヤ半径方向内側へ5nmの深さまでの領域
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、スチールコードの生産性を損なうことなくワイヤ表面のリンの量を抑制し、ゴムとスチールコードとの間の接着性を向上させることができる。この結果、高耐久性を有するゴム物品、例えば、高耐久性タイヤ等の製造が可能となる。また、ワイヤ表面のリンの量を抑制するためにダイスの材質を変更する方法では、各最終伸線機毎への新規ダイスの適用が必要となるが、本発明によれば、伸線後ボビンに巻き取るまでの間で数台分をまとめて処理でき、コスト面、管理面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスチールワイヤの製造装置を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す矢視A−A線に沿う断面図である。
【図3】密集体を形成するスチールワイヤ1本を取り出して示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るスチールワイヤの製造装置を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
1 製造装置
2 箱体
3,10 スチールワイヤ
4 入口
5 出口
6 落とし蓋
11 伸線機本体
12 巻き取りリール

Claims (6)

  1. ブラスめっきが施されたスチールワイヤを最終湿式伸線工程で伸線した後、該スチールワイヤを、任意に変形されたスチールワイヤが密集する中を下記条件、
    ・通過長さL(m):(0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
    (式中、Sは伸線スピード(m/分)である)
    ・密集圧力:90〜110g/cm(8.82〜10.78kPa)
    ・任意に変形されたスチールワイヤの線径:0.1mm以下
    ・密集密度:1.9g/cm以上
    にて通過させ、前記ブラスめっきが施されたスチールワイヤ表層領域におけるリンの量を抑制することを特徴とするゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法。
  2. 前記ブラスめっきが施されたスチールワイヤの線径が0.15〜0.40mmである請求項1記載の製造方法。
  3. 前記任意に変形されたスチールワイヤが略5mm程度のカール径でクセ付けされている請求項1または2記載の製造方法。
  4. ブラスめっきが施されたゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置において、該スチールワイヤの通過方向に長尺で、かつ該スチールワイヤを内部に通過させるための入口と出口とを有する箱体と、該箱体の中で前記スチールワイヤの表層領域におけるリンを切削する、任意に変形されたスチールワイヤの密集体と、を具備することを特徴とするゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置。
  5. 前記箱体のスチールワイヤ通過方向長さL(m)が次式、
    (0.0018×S−0.23)×0.9<L<(0.0018×S−0.23)×1.1
    (式中、Sは伸線スピード(m/分)である)で表される関係を満足する請求項4記載の製造装置。
  6. 前記箱体の上面が、該箱体内部におけるスチールワイヤの密集体を適宜加圧できるように落とし蓋形式となっている請求項4または5記載の製造装置。
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