JP2004091314A - 多層石英ガラス板及び石英ガラス製治具 - Google Patents

多層石英ガラス板及び石英ガラス製治具 Download PDF

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伊勢 吉明
Shiyouji Takahashi
高橋 賞治
Kazuo Asajima
浅島 一男
Hiroharu Yarimizu
鑓水 弘治
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Abstract

【課題】石英ガラス材料の品種毎の短所を補うために異種又は同種の石英ガラス材料を複合して製造されかつ熱遮蔽性に優れるとともにパーティクルの発生を解消した多層石英ガラス板、並びにこの多層石英ガラス板を用いて製造されかつ従来の熱遮蔽用の石英ガラス製治具に比べて熱遮蔽効果が格段に向上しかつ半導体基板の熱処理を行う熱処理装置等において好適に用いられる石英ガラス製治具を提供する。
【解決手段】不透明石英ガラス材料の表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス材料を設けることにより、表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス層を有し、該透明石英ガラス層の中間に不透明石英ガラス層を介在させて多層構造としてなるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱遮蔽性に優れかつパーティクルの発生を解消した多層石英ガラス板、及びこの多層石英ガラス板を用いて製造されかつ半導体基板を熱処理する際等に用いられる熱処理装置において好適に用いられる石英ガラス製治具に関する。
【0002】
【関連技術】
石英ガラス板はその使用目的に応じて様々な特徴を持った品種があり、内部に泡等が入らないため光透過性の良い透明石英ガラス材料や逆に内部に泡等を積極的に入れて、光透過性を悪くした不透明石英ガラス材料及び合成石英ガラス材料を使用した超高純度品等がある。
【0003】
半導体向け石英ガラスの場合の多くは高純度・高耐熱性の二つの性能をともに満足する透明石英ガラス材料を使用するが、部分的には光を遮断する必要から、不透明の石英ガラス材料を使用する場合もある。
【0004】
不透明石英ガラス材料の場合、その多くはガラス内部に微細な泡を混入させて不透明化をしているため、使用後エッチング洗浄をすると石英ガラス表面の微細泡が開放されて表面が著しく粗れ、結果として石英ガラス表面から発塵する等使用上の短所がある。
【0005】
一方、従来より半導体製造工程においては、例えば、半導体基板をヒータで囲まれた加熱炉内に配置して所定のキャリアガスとともに原料ガスを流し、400〜1400℃程度の範囲の高温雰囲気下で不純物を半導体基板内部に浸透させるドライブイン処理を行う熱処理装置に、多数枚の基板を整列保持させて収納するカセットボート、該カセットボートを複数搭載するマザーボート又は基板支持ボートと呼称される基板支持治具が使用されている。
【0006】
この基板支持治具の下端部には、加熱炉内を外部から遮断して内部を一定温度に保温する保温部材が設けられている。この保温部材の内部には複数枚の熱遮蔽用の石英ガラス製治具、即ち石英ガラス熱遮蔽板と、これらの石英ガラス製治具を上下方向に所定間隔をもって水平に支持する複数の支柱が設けられている。この石英ガラス製治具としては、多数の気泡を含有すことで光透過性を抑制した不透明石英ガラス材料が主として用いられる。
【0007】
この種の不透明石英ガラス材料は、前述したように、内部に多数の泡が混入されており、半導体熱処理装置で使用中にこれらの泡が崩壊し、崩壊した泡がパーティクル(石英粉)として発生し、半導体基板の品質に悪影響を及ぼしてしまう。
【0008】
また、半導体製造工程において随時行われている洗浄工程においても泡が崩壊した状態の不透明石英ガラス材料を含む石英ガラス製治具は洗浄によって不透明石英ガラス材料の表面はさらに荒れてくるので、パーティクルが一層発生し益々半導体基板に悪影響を及ぼす。
【0009】
さらに、従来の熱処理装置において熱遮蔽用として用いられる石英ガラス製治具はその熱遮蔽効果がいまだ充分とはいえず、またHF洗浄により包含される気泡が表層に現れ表面の平滑性がくずれ、シール性を維持できず、かつパーティクルが発生しやすい等の問題があった。さらに、熱処理装置に設けられているO−リング等のシール機構の熱的劣化を惹起してしまう事故がなかなか解消できないという問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、石英ガラス材料の品種毎の短所を補うために異種又は同種の石英ガラス材料を複合して製造されかつ熱遮蔽性に優れるとともにパーティクルの発生を解消した多層石英ガラス板、並びにこの多層石英ガラス板を用いて製造されかつ従来の熱遮蔽用の石英ガラス製治具に比べて熱遮蔽効果が格段に向上しかつ半導体基板の熱処理を行う熱処理装置等において好適に用いられる石英ガラス製治具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の多層石英ガラス板の第1の態様は異種又は同種の複数枚の石英ガラス材料を重ね合わせることによって多層構造としてなることを特徴とする。異種又は同種の複数枚の石英ガラス材料としては、天然石英ガラス材料、合成石英ガラス材料、透明石英ガラス材料、不透明石英ガラス材料等を適宜複合的に組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明の多層石英ガラス板の第2の態様は、不透明石英ガラス材料の表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス材料を設けることにより、表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス層を有し、該透明石英ガラス層の中間に不透明石英ガラス層を介在させて多層構造としてなることを特徴とする。
【0013】
前記透明石英ガラス層としては不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した透明石英ガラス材料が好ましい。
【0014】
前記不透明石英ガラス層が、1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、10μm未満の最大気孔寸法、及び1mmの壁厚において、λ=200〜5000nmの波長範囲で5%未満の直接分光透過率を有し、不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した不透明石英ガラス材料によって形成されていることが好ましい。
【0015】
前記不透明石英ガラス層としては、1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、球状気孔における最大気孔寸法(d)が50μm以下、及び/又は楕円球状気孔における最大気孔長径寸法(d)が150μm以下でかつ最大気孔短径寸法(d)が50μm以下及び1mmの壁厚において、λ=200〜5000nmの波長範囲で10%以下の直接分光透過率を有し、不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した不透明石英ガラス材料を用いることもできる。
【0016】
上記密度としては、2.08〜2.18g/cmがさらに好ましく、2.15〜2.18g/cmが最も好ましい。上記最大気孔長径寸法(d)としては、100μm以下がさらに好ましい。なお、球状気孔における最大気孔寸法(d)、楕円球状気孔における最大気孔長径寸法(d)及び最大気孔短径寸法(d)の下限値については、気孔が存在していればよいもので、特別の限定はない。
【0017】
上記不透明石英ガラス材料の製造法は、基材をスリップ被覆法により製造し、その際少なくとも99.9%の純度の石英ガラスは70μm未満の粒度の粉末に粉砕されて、該粉末からなるスリップを形成し、永続運動を維持することにより1〜240時間の間に亙って安定化され、安定化されたスリップは基材に対応する気孔型中に装入され、そこで予め決められた時間保持され、型から除去した後基材素材を乾燥し、ついで炉の中で5〜60K/分の加熱速度で、1350〜1450℃の範囲の焼結温度に加熱し、ついで少なくとも40分間、1300℃を越える温度にし、焼結された基材を冷却することによって行われる。
【0018】
上記した多層石英ガラス板において、不透明石英ガラス層の側面が露出状態のままであると、パーティクル等が発生し汚染の原因となる。そこで、該不透明石英ガラス層の側面を透明石英ガラス材料によって被覆しておけば、パーティクル等の発生を防止することができ好ましい。
【0019】
本発明の石英ガラス製治具は上記した多層石英ガラス板を用いて製造され半導体基板熱処理工程において使用され、特に石英ガラス熱遮蔽板として好適に使用される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面中、図1及び図2に基づいて説明する。図1は本発明の多層石英ガラス板の構造の一例を示す拡大断面図、図2は本発明の石英ガラス製治具を熱処理装置の支柱に取りつけた状態を示す側面説明図である。
【0021】
図1において、10は本発明の多層石英ガラス板で、不透明石英ガラス材料12aの表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス材料14aを設けることにより、表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス層14を有し、該透明石英ガラス層14の中間に不透明石英ガラス層12を介在させて多層構造(図示例では三層構造)とされている。この多層石英ガラス板10は半導体基板熱処理工程において、石英ガラス熱遮蔽板等の石英ガラス製治具10A(図2)として好適に用いられる。図1において、14Bは側面透明石英ガラス層で、不透明石英ガラス層12の側面部分を被覆し、側面部分からのパーティクル等の発生を防止する。
【0022】
該不透明石英ガラス層12は1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、10μm未満の最大気孔寸法を有し、不純物含量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した不透明石英ガラス材料12aによって形成されている。上記密度としては、2.08〜2.18g/cmがさらに好ましく、2.15〜2.18g/cmが最も好ましい。
【0023】
上記した多層石英ガラス板10を半導体基板を熱処理する熱処理装置において石英ガラス熱遮蔽板等の石英ガラス製治具10Aとして使用する場合には、図2に示すように半導体基板と略同一のサイズに多層石英ガラス板、即ち該石英ガラス製治具(例えば、石英ガラス熱遮蔽板)10Aを形成し、これを熱処理装置(図示せず)内に設置されるベース板16上に立設された支柱18,18に溶接等によって取りつけ、ヒータ等の熱源(図示せず)からの熱が熱処理装置の下部開口部側へ連通して、O−リング等の劣化、並びにシール機能の低下を惹起しないように熱の透過を遮蔽する作用を果す。なお、上記支柱18,18に支柱溝(図示せず)を設け、上記石英ガラス製治具10Aを該支柱溝を介して該支柱18,18に着脱自在に取りつける構造とすることもできる。
【0024】
上記した多層石英ガラス板10の不透明石英ガラス層12を構成する不透明石英ガラス材料12aはスリップキャスト法により造られている。その際、原材料として、99.9%の化学純度を有する高純度の非晶性二酸化珪素が使用され、それは珪砂又は岩結晶から製造されたものである。また、場合により、原材料として破砕された石英ガラスのような高純度石英ガラスクズを使用することもできる。
【0025】
原材料は70μm未満、好ましくは0.45〜50μmの非常に狭い範囲の粒度の粉末に粉砕される。この粉砕法はポリウレタンでライニングされたボールミル中で、脱イオン水と共に実施される。原材料を化学的に純粋に保つために、使用されるボールミルは石英ガラスからなるものが好ましい。スリップは沈殿現象が観察されなくなるまで、ボールミル中での運動状態が維持される。この状態において、スリップの固体含量はpH4.5において約80%である。ついで、このスリップは、造るべき基材の雌型である硬質石膏型に注入される。鋳造された材料を型全体中に数時間保持した後、粗成形素材を型から取り出し、乾燥する。この乾燥は、例えば個々の温度段階が10〜15時間の時間間隔で維持される間、300℃の温度に、ゆっくりと徐々に加熱されるように行うべきである。温度の段階的上昇は約15〜20℃であるべきである。ついで、この乾燥された成形体素材は炉中で高温処理に付され、その際1350〜1450℃の焼結温度にされる。成形体素材は少なくとも40分間、1300℃を越える温度で高温処理される。ついで、焼結された素材は冷却される。
【0026】
また、前記した多層石英ガラス板10の透明石英ガラス層14を構成する実質的に気泡のない透明石英ガラス材料14aは常法によって製造されたものを適用すればよい。
【0027】
上記不透明石英ガラス材料12a及び透明石英ガラス材料14aを用いて図1に示した本発明の多層石英ガラス板10の多層構造(図示例では三層構造)を形成するには、従来公知の電気炉プレス、真空炉又は熱間プレス炉を用いて高温下でプレスして形成する方法が適用できる。
【0028】
その他に、不透明石英ガラス材料の表裏両面に透明石英ガラス材料14aを重ね合わせ、可燃ガスバーナーにより加熱し、任意の板厚で溶着させることもできる。この場合、重ね合わせ体の上端部を吊り下げ昇降手段に縦吊り固定し、下端部を延伸手段昇降部に固定した状態とし、両側からガスバーナーによって加熱し、ガスバーナー火炎の風圧によって板厚方向に押し付けて溶着しながら延伸すれば、吊り下げ昇降手段の降下速度と延伸手段昇降部の降下速度比率に応じて製造される多層石英ガラス製治具の板厚を自在に制御することができる利点がある。
【0029】
前記不透明石英ガラス層が、1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、10μm未満の最大気孔寸法、及び1mmの壁厚において、λ=200〜5000nmの波長範囲で5%未満の直接分光透過率を有するのが好ましい。
【0030】
また、多層構造の形成の手法によっては、不透明石英ガラス材料中に存在する気孔は該不透明石英ガラス材料の延伸とともに延伸され、図7に示すように延伸前の球状気孔Aは延伸後は熱による気泡の膨張及び延伸による変形のため楕円球状気孔Aに膨張変形することがある。この場合、球状気孔Aにおける最大気孔寸法はdで表示すればよいが、楕円球状気孔Aにおける最大気孔寸法は最大気孔長径寸法d及び最大気孔短径寸法dで表示する必要がある。このような表示による場合の前記不透明ガラス層としては、球状気孔における最大気孔寸法(d)が50μm以下、楕円球状気孔における最大気孔長径寸法(d)が150μm以下、好ましくは100μm以下であり、最大気孔短径寸法(d)が50μm以下のものを用いることもできる。上記延伸前の状態では、不透明石英ガラス材料中の気孔は球状で通常存在し、延伸後は当該気孔は楕円球状で通常存在することになるが、処理条件によっては球状気孔と楕円球状気孔とが混在することもありうる。なお、該不透明石英ガラス材料の表面側の気孔は溶着延伸の際の熱の影響を受けるため内部側の気孔に比較して気孔の膨張の度合いが大きくなる傾向が見られる。
【0031】
不透明石英ガラス材料12aの両面に透明石英ガラス材料14aを重ね合わせて、形成された多層石英ガラス板(例えば、三層石英ガラス板)は、使用目的に応じて所望の形状に切断されて使用される。この切断した状態の多層石英ガラス板単体(図示例では三層石英ガラス板単体)10aは、図3に示すように、不透明石英ガラス層12の側面は露出された状態となっており、このまま熱処理装置等において使用すると、該不透明石英ガラス層12の露出された側面部分12bからパーティクル等が排出されて汚染の原因となってしまう。
【0032】
そこで、半導体装置等で使用する場合には該不透明石英ガラス層12の露出状態の側面部分12bを側面用透明石英ガラス材料によって被覆することによって側面透明石英ガラス層14Bを形成し、パーティクル等の排出が生じないようにして最終的に図1に示した多層石英ガラス板10の構造とすることが必要である。この側面部分12bを被覆する手法(1)〜(3)について図4〜図6を参照して以下に説明する。
【0033】
(1)第1の手法としては、図4に示したように、不透明石英ガラス層12の露出した側面部分12bを有する石英ガラス三層構造単体10a[図4(a)]に対して、フッ酸エッチング処理又は機械研削処理を施すことによって該側面部分12bを除去して後退側面部分12c及び側面空間Kを形成するとともに上下の透明石英ガラス層14の端縁部を外方に延出した状態として上下の延出端縁部14bを形成する[図4(b)]。
【0034】
次いで、上記上下の延出端縁部14b,14bをガスバーナーBを用いファイア仕上げによって不透明石英ガラス層12の側面空間K側に溶解折曲せしめて[図4(c)]、側面空間Kを該透明石英ガラス層14の延出端縁部14bによって充填して後退側面部分12cを被覆する側面透明石英ガラス層14Bを形成する。これにより、不透明石英ガラス層12の全面が透明石英ガラス層14で被覆された多層石英ガラス板10が形成される[図4(d)]。
【0035】
(2)第2の手法としては、図5に示したように、石英ガラス三層構造単体10a[図5(a)]に対して、レーザー加工手段Rを用いて該石英ガラス三層構造単体10aの上面側から適宜の傾斜角θ(例えば、45°程度)でレーザー光線を照射して側面部分12bをレーザーカットし、斜面側面部分12dを形成するとともに上面側の透明石英ガラス層14の上部の端縁部を外方に延出した状態として上部の延出端縁部14bを形成する[図5(b)]。
【0036】
次いで、上記上部延出端縁部14bをガスバーナーBを用いファイア仕上げによって下方に溶解折曲せしめて[図5(c)]、不透明石英ガラス層12の斜面側面部分12dを該透明石英ガラス層14の延出端縁部14bによって被覆し側面透明石英ガラス層14Bを形成する。これにより、不透明石英ガラス層12の全面が透明石英ガラス層14で被覆された多層石英ガラス板10が形成される[図5(d)]。
【0037】
(3)第3の手法としては、図6に示したように、石英ガラス三層構造単体10a[図6(a)]に対して、透明ガラス製溶接棒Dの先端をガスバーナーBのファイア仕上げによって溶解して垂らし[図6(b)]、不透明石英ガラス層12の側面部分12bを被覆し、側面透明石英ガラス層14Bを形成する。これにより、不透明石英ガラス層12の全面が透明石英ガラス層14で被覆された多層石英ガラス板10が形成される[図6(c)]。
【0038】
上記した実施の形態においては、不透明石英ガラス材料12aの表面及び裏面に対して透明石英ガラス材料14a、14aをそれぞれ重ね合わせて複合的な多層構造を形成する場合について説明したが、その他の組み合せによって多層構造を形成することも勿論可能であり、例えば、天然石英ガラス材料、合成石英ガラス材料、透明石英ガラス材料、不透明石英ガラス材料等を適宜複合的に重ね合わせて多層構造を形成することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の多層石英ガラス板は熱遮蔽効果に優れているとともにパーティクルの発生を解消したものであるので、この多層石英ガラス板によって製造された石英ガラス製治具は、半導体基板の熱処理を行う熱処理装置等において石英ガラス熱遮蔽板等として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層石英ガラス板の構造の一例を示す拡大断面図である。
【図2】本発明の石英ガラス製治具を熱処理装置の支柱に取りつけた状態を示す側面説明図である。
【図3】本発明の多層石英ガラス板の構造の他の例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の多層石英ガラス板の側面透明石英ガラス層の形成方法の一例を示す模式的説明図である。
【図5】本発明の多層石英ガラス板の側面透明石英ガラス層の形成方法の他の例を示す模式的説明図である。
【図6】本発明の多層石英ガラス板の側面透明石英ガラス層の形成方法の別の例を示す模式的説明図である。
【図7】本発明の多層石英ガラス板を溶着延伸して製造した場合の不透明石英ガラス材料中に存在する気孔の変形状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10:多層石英ガラス板、10A:石英ガラス製治具、10a:多層石英ガラス板単体、12:不透明石英ガラス層、12a:不透明石英ガラス材料、12b:露出側面部分、12c:後退側面部分、12d:斜面側面部分、14:透明石英ガラス層、14a:透明石英ガラス材料、14B:側面透明石英ガラス層、14b:延出端縁部、16:ベース板、18:支柱、B:ガスバーナー、D:溶接棒、K:側面空間、R:レーザー加工手段。

Claims (8)

  1. 異種又は同種の複数枚の石英ガラス材料を重ね合わせることによって多層構造としてなることを特徴とする多層石英ガラス板。
  2. 不透明石英ガラス材料の表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス材料を設けることにより、表裏両面に実質的に気泡のない透明石英ガラス層を有し、該透明石英ガラス層の中間に不透明石英ガラス層を介在させて多層構造としてなることを特徴とする多層石英ガラス板。
  3. 前記透明石英ガラス層が、不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した透明石英ガラス材料によって形成されていることを特徴とする請求項2記載の多層石英ガラス板。
  4. 前記不透明石英ガラス層が、1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、10μm未満の最大気孔寸法、及び1mmの壁厚において、λ=200〜5000nmの波長範囲で5%未満の直接分光透過率を有し、不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した不透明石英ガラス材料によって形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の多層石英ガラス板。
  5. 前記不透明石英ガラス層が、1.50〜2.20g/cmの密度、単位体積当たり0.5〜2.5%の気孔含有量、球状気孔における最大気孔寸法(d)が50μm以下、及び/又は楕円球状気孔における最大気孔長径寸法(d)が150μm以下でかつ最大気孔短径寸法(d)が50μm以下、及び1mmの壁厚において、λ=200〜5000nmの波長範囲で10%以下の直接分光透過率を有し、不純物含有量をNa≦0.5ppm、K≦0.8ppm、Al≦25ppm、Fe≦0.5ppm、Cu≦0.3ppm、Mg≦0.3ppmに制御した不透明石英ガラス材料によって形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の多層石英ガラス板。
  6. 前記多層構造の不透明石英ガラス層の側面を透明石英ガラス材料によって被覆してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の多層石英ガラス板。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の多層石英ガラス板を用いて製造され、半導体基板熱処理工程において使用されることを特徴とする石英ガラス製治具。
  8. 石英ガラス熱遮蔽板として使用されることを特徴とする請求項7記載の石英ガラス製治具。
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