JP2004090463A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェト記録装置の縁なし記録において、記録媒体からはみ出して吐出される領域で発生するインクミストがその領域を囲むリブに付着することを抑制し、この付着したミストによる用紙などの汚れを防止する。
【解決手段】キャリッジ1804は記録ヘッドの走査において、記録ヘッドから用紙1803の縁をはみ出してインクを吐出した後、通常の距離より長い距離Sを移動し、傾斜部1804aを利用して形成される斜め上方の開放部が所定の大きさになる位置で停止する。これにより、上方が閉鎖された空間に浮遊していたミストFは上記斜め上方の開放部を介して飛散し、リブ1802bの方向にミストが飛散しにくくなる。
【選択図】    図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、詳しくは、記録用紙などの記録媒体において余白を設けずに記録を行なう、いわゆる縁なし記録に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置では、記録ヘッドに対向する位置にプラテンが設けられている。このプラテンによって、その上を搬送される記録媒体とこれにインクを吐出する記録ヘッドとを適切な位置関係に規制することができる。そして、プラテンと記録媒体との実際の接触は、記録媒体の搬送における摺動性や搬送時の安定性などを考慮して、記録媒体とその頂部で略線接触する、プラテン上に設けられたリブを介して行なわれることが多い。このリブは、例えば、プラテンの上面において記録ヘッドの走査方向に複数配列され、また、この複数のリブは搬送される記録媒体の上記走査方向のサイズが異なる複数の記録媒体に対応できる配置とされている。記録媒体はこのようなプラテンリブの頂部に支持された状態で、記録ヘッドと一定距離を保ちつつ搬送されることが可能となる。
【0003】
一方、インクジェットプリンタなどでは銀塩写真なみの高画質記録が可能になりつつある。これに伴い、銀塩写真と同様の記録を行うべく、光沢を有した記録媒体を用い、また、この記録材に対して縁なしで記録を行なうことの需要が高まりつつあり、近年この機能を具えたインクジェットプリンタが提供されている。ここで、「縁なし記録」とは、例えば、銀塩写真において四辺に余白を設けないで媒体の全面にプリントをするものと同様の態様であり、インクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置においても、記録媒体の四辺に余白が生じないよう全面に記録することをいう。また、本明細書では、四辺のうち一部、例えば二辺に余白が生じないよう、その二辺それぞれの縁に連続する領域を含んで記録を行なうような一部について全面記録を行なう態様も縁なし記録に含むものであり、本明細書では、以上の全ての態様を「縁なし記録」という。
【0004】
インクジェットプリンタにおいて縁なし記録を行うには、基本的に記録媒体の縁からはみ出した領域にもインクを吐出する必要がある。すなわち、記録媒体の搬送誤差やカット精度などによる記録媒体自体のサイズ誤差などがあるため、常に、記録媒体の全面にその縁まで正確に記録することは難しく、このため、上記の誤差に応じて、記録媒体の縁からはみ出した領域までインクを吐出して記録することが一般的に行なわれている。
【0005】
また、このはみ出した領域に吐出されたインクは回収されることが望ましく、そのために、例えば、記録媒体の搬送方向における端部の記録ではみ出すインクについては、記録ヘッドの走査範囲に沿って所定幅で上述のプラテンに切り欠きを設けるとともにその切り欠き内部にインク吸収体を設けて回収する。また、記録媒体の幅方向、すなわち、記録ヘッドの走査方向における端部の記録ではみ出すインクについては、搬送される記録媒体の幅に対応した箇所に、記録ヘッドの吐出口配列に対応した範囲にわたって同様にプラテンに切り欠きが設けられ、その内部にインク吸収体が設けられる。これにより、記録媒体の四辺の外にはみ出して吐出されたインクを回収することができる。
【0006】
図18は、従来の縁なし記録を説明する図であり、記録媒体である用紙の幅方向における縁なし記録を示している。図において、プラテン1801上に所定の高さのリブ1802が複数設けられ、直接にはこれらのリブ1802が搬送される用紙1803と接してこれを支える。この用紙1803は、不図示の紙送り機構によって同図の奥より手前に向けて搬送される。一方、キャリッジ1804は記録ヘッド1805を搭載して、図中、矢印A方向およびその逆方向に記録ヘッドの走査を行う。このキャリッジ1804は、例えば、用紙の端が浮いた状態でもその端を引っ掛けないようにするため、キャリッジの端部を斜めに形成したものである。なお、図では記録ヘッド1805がキャリッジ1804の左端に搭載されているように示されるが、実際には記録ヘッド1805はキャリッジ1804の走査方向における略中央部に搭載されており、記録ヘッドを挟んでキャリッジの左右は略対称形状となっている。1806は、記録ヘッド1805に配列されているインク吐出口の(同図の紙面に垂直方向の)配列を模式的に示しており、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)およびマゼンタ、シアンについてより色材濃度の薄い淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)の6種類のインクの吐出口列を示すものである。なお、実際は、同図に示すように吐出口(列)が記録ヘッドから突出して設けられるものではなく、平面の部材に形成された孔として設けられるものである。記録ヘッドのそれぞれの吐出口には、それに連通するインク路に電気熱変換素子であるヒータが設けられ、このヒータが発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、その気泡の圧力によってインクを吐出することができる。
【0007】
縁無し記録のため、用紙1803の幅方向の縁1808をはみ出して記録を行う場合、例えば、同図に示すように、キャリッジ1804が、矢印Aが示す方向と逆方向に移動するのに伴い、記録ヘッド1805のそれぞれの色のインクを吐出する吐出口(列1806)は、縁1808からはみ出した、矢印で示す領域Pまで所定の吐出データに基いて吐出を行なう。この領域Pでは、吐出されたインクは、一般には矢印Iで示すようにインク吸収体1809に至り回収される。なお、はみ出して吐出するための上記所定の吐出データは、例えば、各走査において吐出するデータの最も端のコラムもしくはラスター、またはそれに続く数コラムもしくは数ラスターの吐出データと同じデータとすることができる。
【0008】
領域Pにおける吐出の後は、記録時間を短くするなどの目的で、キャリッジ1804をできるだけ短い距離で減速して停止させる。図中矢印Sは減速して停止する距離を示している。そして、停止後は、キャリッジ1804は矢印A方向に動き始め次の走査を行う。
【0009】
以上のように、縁無し記録を行う場合には記録媒体において余白を生じさせないために記録対象画像の大きさを記録媒体のサイズより若干大きく拡大し、記録媒体よりはみ出してインクを吐出するようにする。そして、はみ出して吐出されたインクは、一般にはプラテン内に設けられた吸収体に着弾して回収されるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今のインクジェット記録装置は、さらなる高画質化などのために吐出されるインク滴がより小液滴化してきているが、この小液滴化が縁なし記録におけるインクミストの問題を派生することがある。
【0011】
例えば、あるインクジェットプリンタで用いられる最も小さい主インク滴のサイズが約2plであるとする。ここで、主インク滴とは記録媒体において実質的にドットを形成するものであり、記録ヘッドもしくはプリンタ等の設計において考慮されるファクタである。記録ヘッドの吐出動作では、この主インク滴とともにこれよりさらに小さなサテライトと呼ばれる微小インク滴が、主インク滴から分離して生じ、または主インク滴とともに吐出されることがある。本願発明者らの実験によれば、このような約2plという比較的小さな体積の主インク滴を記録媒体からはみ出して吐出する場合、15m/s程度の初速度で主インク滴を吐出すると、サテライトはその速度が小さいため、空気抵抗によってプラテン内に設けられたインク吸収体まで飛翔できないことがわかった。そして、このようなインク吸収体に至らないインク滴はミストとして浮遊する。また、主インク滴の初速度がより小さな10m/s程度である場合は、インク吸収体に到達するまでに必要とされる飛翔距離によっては主インク滴までもがミスト化する恐れもある。
【0012】
このはみ出して吐出が行われる領域で発生するミストの問題について図18を参照して具体的に説明する。同図は、縁なし記録において、用紙1803の幅方向における縁1808、すなわち、記録ヘッドの走査方向における縁をはみ出してインクを吐出する場合を示している。詳細には、記録ヘッド1805が同図に示す矢印A方向とは逆の方向、つまり、用紙1803上を走査した後これを抜ける方向に走査して移動方向の反転のため停止するまでの間に、縁1808をはみ出してインクを吐出する場合を示している。
【0013】
はみ出して吐出する領域Pにおける吐出インク滴Iのうち、主インク滴以外の微小インク滴(サテライト)は空気抵抗によってインク吸収体に到達せずにミスト化し、撒き上がるミストFとなる。そして、このミストFが生じるとき、キャリッジ1804は距離Sだけ移動して停止する。この記録ヘッドがはみ出してインクを吐出して停止するまでの間、領域Pは比較的長い時間、その上方が閉鎖された空間となって、撒きあがって浮遊するミストFはその閉鎖された空間内に閉じ込められることになる。その結果、ミストは、上記閉鎖空間を形成する、特に左側のリブ1802の頂部に符号1813で示すように付着することがある。そして、このリブに付着したインクは、例えば、より大きなサイズの用紙が搬送されるとき、その用紙の裏面に付着して用紙を汚染するなどの問題を生じさせる。
【0014】
これに対し、例えば、インク吸収体を記録ヘッドにより近づけることにより、簡易に、主インク滴以外の非常に小さいインク滴も吸収体に到達できるようにすることが考えられる。しかし、その程度まで近づけると、用紙が搬送されるときにその先端や後端が若干曲った場合その用紙の一部が直接吸収体にふれるおそれがある。
【0015】
また、例えば、はみ出して吐出する領域の大きさをユーザーが設定できるプリンタであれば、用紙に余白が生じない程度でできるだけはみ出し領域の大きさを少なく設定できるが、この場合は、ユーザーによる調整の手間が煩雑になるという問題が派生する。
【0016】
さらに、複数の異なるサイズのインク滴を吐出できる記録ヘッドを用いたプリンタなどでは、縁無し記録以外で最小体積の主インク滴(2pl)を吐出して記録を行い、縁なし記録モードでは上記の最小体積の主インク滴は吐出せずに、ミストが発生しにくいより大きな体積の主インク滴を吐出するようにすることが考えられる。具体的構成として、例えば、特開平2002−192714号公報では、プラテンと記録ヘッドとのギャップを検出するセンサを設けて記録ヘッドからインク吸収体までの距離を求め、この距離が大である場合には使用できる記録モードを制限し、2pl程度の比較的小さなインク滴を吐出させないようにする技術を開示している。しかし、このような小さなインク滴を縁なし記録では用いることができず、結果として、そのインク滴による高画質の記録を行なうことができないことになる。
【0017】
本発明は、以上の問題を解決するためになされたものであり、目的とするところは、縁なし記録において記録媒体からはみ出して吐出される領域で発生するインクミストがその領域を囲む部材に付着することを抑制し、この付着したミストによる用紙などの汚れを防止することができるインクジェット記録装置およびインクジェト記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう装置であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録装置において、前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材と、前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する制御手段と、を具えたことを特徴とする。
【0019】
他の形態では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう装置であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録装置において、記録ヘッドの走査を制御する制御手段を具え、該制御手段は、前記縁なし記録を行なうときは、同じ記録媒体のサイズに対して該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離または該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうことを特徴とする。
【0020】
また、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう方法であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録方法において、前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材を用意し、前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する、ステップを有したことを特徴とする。
【0021】
他の形態では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう方法であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録方法において、記録ヘッドの走査を制御する制御ステップを有し、該制御ステップは、前記縁なし記録を行なうときは、同じ記録媒体のサイズに対して該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離または該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうことを特徴とする。
【0022】
以上の構成によれば、縁なし記録に際して、記録ヘッドが記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出するとき、記録ヘッドの走査において、記録媒体を支持する、例えばプラテンリブなどの支持部材のうち、記録に用いられる記録媒体を支持する支持部材と、この支持部材に隣接し記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する、例えばキャリッジなどの部材とによって形成される空間が、さらなる走査によってその空間より上の部分を介して開放されるので、上記のはみ出したインク吐出によって上記空間内にミストが発生しても、そのミストは上記開放された部分を介してその空間の上方に導かれる。その結果、発生したミストが、上記空間を形成するリブなどの支持部材に付着する量を低減し、または、略付着することを防止でき、その支持部材がその後に支持する別の記録媒体にミストが転写されてこれを汚すことを防ぐことができる。
【0023】
また、同じ用紙サイズに対して、例えば、異なるインク滴のサイズに応じて縁なし記録を行なうときは、縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離または該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうので、縁なし記録を行うときは、上記のより確実な開放を行うべく、例えば第1の距離が開放が必要ない場合であっても第2の距離によって確実な上記開放を行うことができ、上記の付着ミスト量低減の作用を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
まず、図1〜図10を参照して本発明のインクジェット記録装置の一実施形態であるインクジェットプリンタについて説明する。
【0026】
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0027】
ここで、「記録媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0028】
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0029】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外郭は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0030】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
【0031】
また、前記下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0032】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0033】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0034】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0035】
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0036】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートを装置本体内へと自動的に給送する、自動給送部M3022と自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。搬送部M3029の詳細は図11および図12にて後述される。この搬送部における、記録部の記録ヘッドの走査する領域の下方には、図11、図12にて詳細に説明されるプラテンおよびその上に形成される複数のリブが設けられる。なお、図2においては以上の搬送部M3029の詳細な図示は省略されている。
【0037】
(記録部)
ここで、記録部について説明するに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0038】
[記録ヘッドカートリッジ]
まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に基づき説明する。
【0039】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0040】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0041】
そして,記録ヘッドH1001は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0042】
記録素子基板H1100には、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。また、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。吐出口H1100Тは、上述した6種類のインクに応じて6つの吐出口列を形成する。そして各列は、2列の吐出口列が相互に所定量ずれた千鳥状の列を形成しており、各吐出口からは、約2plの体積のインクが吐出される。
【0043】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0044】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0045】
[キャリッジ]
次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0046】
図2に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
【0047】
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0048】
また、キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(図7参照、以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0049】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参照)。
【0050】
[スキャナ]
この実施形態におけるプリンタは、上述した記録ヘッドカートリッジH1000の代わりにキャリッジM4001にスキャナを装着することで読取装置としても使用することができる。
【0051】
このスキャナは、プリンタ側のキャリッジM4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うことにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができる。
【0052】
図6(a)および(b)は、このスキャナM6000の概略構成を説明するために、スキャナM6000を上下逆にして示す図である。
【0053】
図示のように、スキャナホルダM6001は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要な光学系・処理回路などが収納されている。また、このスキャナM6000をキャリッジM4001へと装着した時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM6006が設けられており、このレンズM6006により原稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズM6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射される。
【0054】
スキャナホルダM6001の底部に固定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM6001の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱することができる。
【0055】
また、スキャナホルダM6001には、読取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出するよう設けられており、キャリッジM4001へとスキャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPCB M6004がキャリッジM4001側のコンタクトFPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるようになっている。
【0056】
[プリンタの電気回路の構成]
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図7は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概略的に示す図である。
【0057】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
【0058】
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
【0059】
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0060】
さらに、メインPCB E0014はこの実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)センサE0009、カバーセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM1400を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源をなすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PGモータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンプティセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0061】
図8は、メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。図において、E1001はCPUであり、このCPU E1001は内部に発振回路E1005に接続されたクロックジェネレータ(PCG) E1002を有し、その出力信号E1019によりシステムクロックを発生する。また、制御バスE1014を通じてROM E1004およびASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit) E1006に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、ASIC E1006の制御、電源キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーからの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接続されるインクエンプティ検出信号(INKS)E1011及びサーミスタによる温度検出信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御を司る。
【0062】
ここで、ヘッド検出信号E1013は、記録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インクエンプティ検出信号E1011はインクエンプティセンサE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0063】
E1008はCRモータドライバであって、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのCRモータ制御信号E1036に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、CRモータE0001を駆動する。E1009はLF/PGモータドライバであって、モータ電源E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータを駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生成してPGモータを駆動する。
【0064】
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1006からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。パラレルI/F E0016は、ASIC E1006からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続されるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、またパラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC E1006に伝達する。シリアルI/F E0017は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E1028を、外部に接続されるシリアルI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1006に伝達する。
【0065】
一方、電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1006からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0066】
またヘッド電源信号E1039は、メインPCB E0014上で平滑化された後にフレキシブルフラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
【0067】
E1007はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低下を検出して、CPU E1001及びASIC E1006にリセット信号(RESET)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0068】
このASIC E1006は1チップの半導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCPU E1001によって制御され、前述したCRモータ制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレルI/F E0016およびシリアルI/F E0017との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するためのセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010からのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0069】
さらに、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフレキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッドH1000に供給される。
【0070】
図9は、ASIC E1006の内部構成例を示すブロック図である。
【0071】
なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
【0072】
図中、E2002はPLLコントローラであり、図9に示すようにCPU E1001から出力されるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(PLLON)E2033により、ASIC E1006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
【0073】
また、E2001はCPUインターフェース(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、CPU E1001から出力されるソフトリセット信号(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2031及び制御バスE1014からの制御信号により、以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行ない、CPU E1001に対して割り込み信号(INT)E2034を出力し、ASIC E1006内部での割り込みの発生を知らせる。
【0074】
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用するバッファとして、上記の各記録用データバッファに代えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデータバッファE2026、送出バッファE2028などの領域を有する。
【0075】
また、このDRAM E2005は、CPU E1001の動作に必要なワーク領域としても使用されている。すなわち、E2004はDRAM制御部であり、制御バスによるCPU E1001からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行なう。
【0076】
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書込みデータE2038、E2041、E2044、E2053、E2055、E2057などをDRAM制御部E2004に出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータE2040、E2043、E2045、E2051、E2054、E2056、E2058、E2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0077】
また、E2006は、IEEE 1284I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、パラレルI/F E0016を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0016からの受信データ(PIF受信データE2036)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(1284送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0078】
E2007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、シリアルI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシリアルI/F E0017からの受信データ(USB受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(USB送信データ(RDUSB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信する。受信制御部E2008は、1284I/F E2006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
【0079】
E2009は圧縮・伸長DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に書込む。
【0080】
E2013は記録バッファ転送DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1007の制御によってワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファE2014上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)する。また、E2012はワーククリアDMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御によって記録バッファ転送DMAコントローラ E2013による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0081】
E2015は記録データ展開DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録データ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理されている。
【0082】
E2018はヘッド制御部で、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行なう。
【0083】
また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
【0084】
また、スキャナ読み取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021として入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処理DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055をDRAM E2005上のスキャナデータバッファE2026に書込む。
【0085】
E2027はスキャナデータ圧縮DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナデータバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書込み転送する。
【0086】
E2019はエンコーダ信号処理部であり、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E1001に提供する。CPU E1001はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。また、E2020はCRモータ制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、CRモータ制御信号E1036を出力する。
【0087】
E2022はセンサ信号処理部で、PGセンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサE0009、及びGAPセンサE0008等から出力される各検出信号E1033,E1025,E1026,E1027を受けて、CPUE1001の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ E2021に対してセンサ検出信号E2052を出力する。
【0088】
LF/PGモータ制御用DMAコントローラE2021は、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、DRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御信号E1033を出力する他、動作モードによっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E1033を出力する。
【0089】
また、E2030はLED制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
【0090】
[プリンタの動作]
次に、上記のように構成された本実施形態のインクジェットプリンタの動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0091】
AC電源に装置本体1000が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0092】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0093】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0094】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0095】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
【0096】
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
【0097】
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
【0098】
ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップ8へと進む。
【0099】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0100】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0101】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0102】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0103】
以上図10を参照して説明した処理は、図15、図16で後述する縁なし記録に関する処理を含むものであり、具体的には、これら図15等で後述する処理は、ステップS4のイベントの判別に従ったステップS5以降の記録動作に関する処理、またはステップS11以降のその他のイベントに係わる処理として説明されるものである。また、図10に示される処理は、図7〜図9で説明した本プリンタの制御回路によって実行されるものである。しかし、図10もしくは図15、図16に示す縁なし記録処理は、このような形態に限らず、例えば、ホストコンピュータ等のホスト装置によって実行されてもよく、あるいはホスト装置とプリンタを有した記録システムにおいてホスト装置とプリンタが部分的に実行してもよい。
【0104】
なお、本発明が有効に適用されるインクジェット記録装置で用いる記録ヘッドの一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成し、この気泡の圧力によってインクを吐出する形態である。
【0105】
[記録領域]
図11および図12は、記録部および搬送部における、特に縁なし記録に係わる構成を示す図である。このうち、図11は、用紙の搬送方向に対してその横方向から見た断面図であり、図12(a)および(b)は、プラテン、その上に設けられたリブおよびプラテン内に設けられたインク吸収体を示しており、同図(b)はその上面図、同図(a)は同図(b)におけるB−B線断面図である。図12(a)において、用紙は同図の紙面の奥から手前側に搬送され、記録ヘッドは往復記録において左および右方向に走査される。
【0106】
図11に示すように、プラテン1801の上流側には、搬送ローラM3001とこれに用紙1803を押圧して搬送力を生じさせるためのピンチローラM3002が設けられる。また、下流側には排紙ローラM2003と同様に搬送力を生じさせるための拍車M2004が設けられる。用紙1803が記録ヘッドによる記録領域を挟んで設けられたこれらのローラ対の双方によて保持されているときは、その搬送精度は一定以上のものが確保される。
【0107】
プラテン1801に設けられた切り欠きの内部にはインク吸収体1809が設けられる。この切り欠きは、図12(b)に示すように、記録ヘッド1805(H1001)の走査方向(同図の左右方向、図11ではその紙面に垂直な方向)に延在しており、記録ヘッド1805の走査によって、搬送される用紙1803の紙送り方向の先端部および後端部に対する記録を行なう際に、用紙1803からはみ出して吐出されるインクを切り欠き内部に設けられたインク吸収体によって捕捉することができる。
【0108】
また、搬送される用紙1803の幅方向、すなわち記録ヘッドの走査方向においてこの用紙1803をはみ出して吐出されるインクは、図12(a)および(b)に示す、リブ1802bに隣接して設けられる、用紙搬送方向において他の部分より長く延在するインク吸収体1809によって捕捉される。この部分のインク吸収体の長さは、記録ヘッド1805における各色インクの記録へどの吐出口配列の長さに対応してこれより長い範囲に設けられている。また、この吐出口列に対応した長さのインク吸収体は、図12(a)から明らかなように、搬送される用紙1803a(2L判サイズ)、1803b(葉書サイズ)または1803c(L判サイズ)の幅方向のサイズに応じてそれぞれ設けられる。このように、記録ヘッドの吐出口配列の長さに対応してインク吸収体が設けられるのは、用紙の搬送方向の先端および後端以外では、全ての吐出口を用いて記録を行うためである。換言すれば、本実施形態では、用紙の先端のおよび後端では、用いる吐出口の数を少なくしてその領域の搬送精度の低下に対応している。
【0109】
また、本実施形態のプラテンリブは、図12(a)および(b)に示すように、図中矢印a、bで示した2種類の高さのリブを有している。高さaのリブ1802aは用紙の端部以外の部分を支持するものであり、高さbのリブ1802bは高さaより若干高く設定されており用紙の端部を支えるためのものである。これにより、搬送される用紙は、端部を少し持ち上げ用紙全体をわずかながら凹状にすることにより安定して搬送されることが可能となる。
【0110】
このように、より高いリブ1802bは、用紙の複数のサイズそれぞれに応じてそれぞれの端部を支持すべく複数の対応する位置に設けられることになる。この結果、高いリブと低いリブは混在し、用いるべく設定されている用紙のサイズに応じた位置関係で配置されることになる。図12(a)に示す例では、2L判および葉書サイズの用紙1803a、1803bをそれぞれ支持するリブ1802bの左側で隣接するリブは、用紙の端部以外の部分を支持する低いリブ1802aとなり、一方、L判サイズの用紙1803cを支持するリブ1802bの左側で隣接するリブは、葉書サイズの用紙1803bを支持する高いリブ1802bとなる。すなわち、そのプリンタで用いるべく設定されている用紙のサイズとそれら用紙間のサイズの関係によって、高いリブ1802bと低いリブ1802aの配置が定まる。例えば、図12(a)および(b)に示す配置において、2L判サイズの用紙1803aの端部を支持する高いリブ1802bの左側に配置される高いリブは、それが支持する用紙のサイズが2L判サイズの用紙1803aのサイズより比較的大きく、そのためその高いリブは比較的離れた位置に配置されることから(不図示)、用紙の端部以外の部分を支持するためにそのリブとの間に低いリブ1802a(図12(a)および(b)において最も左側のリブ)が配置される。一方、L判サイズの用紙1803cより一回り大きな用紙として設定されているのは葉書サイズの用紙1803bであり、サイズの差がそれほど大きくないため、隣接するリブは高いリブ1802bとなる。
【0111】
また、12(a)に示すとおり、インク吸収体はプラテン1801の面より下がった位置にその上面が位置するように配置される。これは、仮に用紙がプラテン1801の上面に触れることがあっても、インク吸収体には触れないようにするためである。本実施形態では、約1mmほど下げた位置としている。
【0112】
なお、以上説明した図12(a)および(b)に示すリブなどの構成は同図の左右対称な構成ではなく、これら図の右側は、各サイズの用紙の位置基準となる部材が設けられている。また、これら図は、構成の一部を示すものである。つまり、これらの図の最も左側に示す低いリブ1802aは、上述したように図に示されないより大きな、例えば、A4サイズの用紙に対応したものであり、その用紙の端部を支持する高いリブはさらに左側に設けられている(不図示)。
【0113】
図13(a)および(b)は、上述した構成においてリブ等の配置に応じて、前述したミストの付着が顕著となり前述した問題を生じる場合と、付着の程度が軽いかもしくはほとんど付着がなく問題を生じない場合とを説明する図である。これらの図は、図18にて前述したように縁なし記録における記録ヘッドの走査において、用紙から抜ける際にその用紙の縁からはみ出してインクを吐出し、その後、減速して反転する場合を示している。なお、図18示したのと同様、図13(a)および(b)において、記録ヘッド1805はキャリッジ1804の左端に搭載されているように示されるが、実際には記録ヘッド1805はキャリッジ1804のおよそ中央部に搭載されており、記録ヘッドを挟んでキャリッジの左右は略対称形状となっている。また、本実施形態は、記録ヘッドの走査の双方向で記録を行う形態であり、図13(a)および(b)は、その双方向の走査それぞれにおいて記録ヘッドが用紙から抜ける場合を示しているが、本発明の適用はこの双方向記録の形態に限られないことはもちろんである。例えば、片方向記録において、記録ヘッドが、その走査において用紙から抜ける際にその用紙の縁からはみ出してインクを吐出し、その後、減速して反転のために停止する場合にも本発明を適用することができる。
【0114】
但し、本実施形態では図18にて前述し、あるいは図13(a)にて以下で説明されるミストの問題は、用紙1803のこれらの図に示されない反対側の縁の吐出では生じない。その理由は、その反対側は紙送りの位置基準側であるため、異なるサイズの用紙でもプラテン上における紙端は同じ位置となる。すなわち、図13(a)で示すようなL判サイズの用紙1803cに対して縁無し記録を行うときにミストが顕著に付着するリブ1802bに相当するものは反対側に存在せず、かわりにプラテン部材の端となる壁が存在するのみで、この壁に付着するミストは再度紙に汚れを転写してしまうことがないからである。従って、図14、図15などにて後述するキャリッジの移動量をより長くする制御は、この反対側で用紙を抜ける走査では実行しない。なお、紙のセット位置とプラテンおよびリブの関係によって、両方の縁のインク吐出によってミストの問題が生じる場合には、以下で説明する本発明に係わる制御を行なうことはもちろんである。
【0115】
図13(a)は、図12にて説明したL判サイズの用紙1803cに縁無し記録を行う場合を示している。この場合、上述したように、その用紙の端部を支持するリブ1802bに隣接するリブは、葉書サイズの用紙の端部を支持するリブ1802bであり、これら2つのリブは比較的近い距離にある。これにより、これらリブとキャリッジ1804の底面、さらにインク吸収体1809とによって囲まれた空間は比較的狭い空間となる。
【0116】
その結果、図18にて前述したように、この空間の左側のリブ1802bの、特に頂部にミストが顕著に付着することになる。本実施形態では、吐出インクIの用紙1803cまでの飛翔距離は1.4mmであり、これに対し、インク吸収体までの飛翔距離は、高いほうリブ1802bの高さが2.0mm、プラテン1801の上面よりインク吸収体までが1.0mmであることから、4.4mmと用紙までのおよそ3倍になる。この場合、本実施形態の約2plの比較的小さなインク滴を記録ヘッドから吐出した場合、前述したように、インク吸収体までの飛翔距離4.4mmの条件では多くのミストが発生する。
【0117】
図13(b)は、2L判サイズの用紙1803aに縁無し記録を行う場合を示しており、この場合は、その用紙の端部を支持する高さbのリブ1802bの左側において隣接するリブは、比較的遠くに位置し、かつ低いリブ1802aである。これにより、これら2つのリブに挟まれた空間の上部にキャリッジ1805の底面が存在するが、その空間においてミストが発生する領域Pの図中左方は比較的大きな広がりを有することになり、左側のリブ1802aにミストが付着する量は少なくなるか、ほとんど付着することがない。
【0118】
(実施形態1)
図14(a)および(b)は、本発明の第一の実施形態を説明する図であり、図13(a)に示した、用紙サイズもしくはこの用紙に対するリブ配置の場合に生ずるミストの問題を解消する構成の二例を説明する図である。
【0119】
図14(a)に示す例は、キャリッジ1804が走査方向に傾斜する傾斜部1804aを有した形態に関し、この傾斜部を利用したものである。すなわち、キャリッジ1804は記録ヘッドから用紙1803の縁をはみ出してインクを吐出した後、傾斜部1804aを利用して形成される斜め上方の開放部が所定の大きさになる位置で停止するよう、キャリッジ1804の減速開始タイミングを遅らせる。すなわち、キャリッジを停止させるための減速加速度は、縁なし記録以外の通常の記録の場合と同じで、減速開始タイミングを遅らせるという比較的簡易な制御によって、停止のための移動距離Sを延ばし斜め上方の開放部が所定の大きさになるようにする。これにより、上方が閉鎖された空間に浮遊していたミストFは上記斜め上方の開放部を介して飛散することができるとともに、それ以外の方向にミストが飛散しにくくなる。この結果、上記空間を形成する左側のリブ1802bの先端に付着するミスト量を大幅に減少させることができる。
【0120】
なお、上記の開放部の所定の大きさは、例えば、実験などによって予めリブへのミストの付着が問題とならない量を知り、その付着量まで低減できる開放部の大きさとして求めることができる。つまり、その大きさ得るの必要なキャリッジの移動距離を知ることができる。また、減速開始タイミングは上例に限られるもではない。例えば、開放部の(部分的)形成をできるだけ速くするため、さらに減速開始タイミングを遅くし、これとともに、減速の加速度を通常の場合より大きくして停止位置、すなわち最終的な開放部の大きさが変らないようにしてもよい。この構成は、停止するまでの時間を短くするものでもあり、全体的な記録のスループットを向上させることも可能となる。
【0121】
また、開放部の形成に際して余分に移動する量は、キャリッジ1804の傾斜部1804aの角度と相関することはもちろんである。その結果、例えば、上記角度が、記録ヘッドの吐出口の数やリブ間隔など装置の仕様との関係で適切に定められることにより、図14(a)に示すように、上記開放部が図中上方から見てもキャリッジ1804に覆われて未だ見えない程度、つまり、上記空間の垂直上方が開放されない程度にキャリッジ1805を移動させれば済むようにすることもできる。これにより、移動距離Sを短くでき、一般的には記録のスループットを向上させることが可能となる。
【0122】
図14(b)は、キャリッジ1804の角が略直角形状の場合に関するものである。この場合は、上記空間の上方が開放されるまでキャリッジの減速開始のタイミングを遅らせる。より具体的には、同図に示すように上記空間を形成する左側のリブ1802bが現われるまでキャリッジ1804が余分に移動するよう、減速開始タイミングを遅らせる。減速開始タイミングの他の例として、図14(a)で説明したさらに減速開始タイミングを遅らせる形態を同様に適用することもできる。
【0123】
なお、上記の図14(b)に関する説明では上記空間すべてを上方に開放するものとしたが、一部の開放であっても、それによりリブへのミストの付着が問題を生じない程度まで付着量を低下させることができれば、その大きさの開放部を実現するキャリッジの移動量としてもよいことはもちろんである。また、上例では、2つのキャリッジ形状の場合について説明したが、上例と異なる形状であっても、キャリッジが停止したときにリブ等により囲まれる空間の斜め上方または上方が開放するようにキャリッジの減速開始タイミングを遅らせることにより、同様の効果を得ることができる。
【0124】
図15は、上述したキャリッジの移動制御を含む記録処理の制御手順を示すフローチャートである。具体的には、双方記録の各走査ごとに実行される処理である。
【0125】
ホスト装置からのデータの受信を待機しこれを受信すると、ステップS1501で、この受信したデータが記録モード設定コマンドであるかまたは記録データであるかを判断し、モード設定コマンドであるときは、ステップS1502にてそのモードデータを所定のメモリに記憶する。
【0126】
また、上記判断が記録データであるときは、ステップS1503において、そのサイズに基づき1スキャン(走査)分の左、右端位置を検出する。この左、右端位置は、記録データ(吐出データ)に基いて記録ヘッドからインク吐出を開始する位置とそのインク吐出を終了する位置である。次に、ステップS1504において、これから実行する走査の方向と走査(キャリッジ)速度のデータから加、減速距離を求め、上記で求めた左、右端位置を補正し、スキャン開始、終了位置を求める。
【0127】
次に、ステップS1505で、その走査がフォワード方向(図14等において矢印Aと逆の方向)の走査か否かを判断する。フォワード方向の走査でない場合、すなわち、図14等において矢印A方向の走査であるときは、ステップS1509へ移行して、直ちに走査を開始する。すなわち、図13にて上述したように、本実施形態では、矢印A方向の走査において用紙から抜ける際に縁をはみ出してインクを吐出する場合はミストの問題が生じないため、図14で説明したキャリッジの移動制御をする必要がないからである。
【0128】
ステップS1505でフォワード方向の走査であると判断したときは、ステップS1506で縁なし記録モードか否かについて判断する。すなわち、本実施形態のプリンタは、縁なし記録モード以外に、通常の余白を設けて記録するモードも有しており、このような余白を設けるモードの場合は、図14で説明したキャリッジの移動制御をする必要がないため、ステップS1509で直ちに記録のための走査を行う。このモードの場合、同じサイズの用紙で比較すると、以下で説明するキャリッジ移動制御を実行する場合に較べてキャリッジが用紙の一方の縁を越えて移動する量が短くなる。
【0129】
ステップS1506で縁なし記録モードであると判断したときは、ステップS1507において、キャリッジ1804の移動量を伸ばしてミストが発生する空間の斜め上方または上方を開放する制御を行なうか否かを判断する。すなわち、用いる用紙のサイズに対応した記録データサイズごとにオーバーラン規定停止位置が定められており、ステップS1503で検知したデータサイズに対応するオーバーラン規定停止位置より、ステップS1504で求めた走査終了位置である右端停止位置(図13等において左側の停止位置)が小さいか否かを判断する。ここで、キャリッジ移動制御が必要なL判サイズの用紙1803c(図12(a)参照)に対応したデータサイズの場合は、そのオーバーラン規定停止位置はその右端停止位置より大きく設定されている。一方、キャリッジ移動制御が必要でない2L判や葉書サイズの用紙に対応するデータサイズの場合は、そのオーバーラン規定停止位置はその右端停止位置と等しい値に設定されている。
【0130】
これにより、用紙のサイズがL判であるデータサイズのときは、ステップS1508に移行し、ステップS1509の走査の最後の停止の前にキャリッジ移動制御を行なうべく、右端停止位置をオーバーラン規定停止位置が示す値に補正する。そして、ステップS1509で記録のための走査を行い、その最後の停止に際して、図14(a)および(b)にて説明したように、上記補正した右端停止位置に基づき減速開始タイミングを遅らせる等の制御を行なう。
【0131】
この制御によって、図14(a)および(b)で説明したように、縁をはみ出して吐出することにより発生したミストを斜め上方または上方に飛散させてリブに付着するミストの量を低下させ、またはほとんど付着しないようにすることができる。
【0132】
なお、プリンタが記録のためセットされている用紙紙サイズを検知できる場合は、上記のように記録データサイズを考慮することなく、より簡単な処理で本発明を適用した処理を実行できる。具体的には、受信データに紙サイズ情報が添付されているかあるいは紙サイズ検知センサより紙サイズ情報が得られるプリンタである場合、ステップS1501の段階でL判であるかないかという判別を行い、L判であると判別されるとステップS1505ヘ進み、ステップS1505およびS1506が共に肯定判断であるときは、判別のステップS1507を行わず記録を開始することができるするものである。
【0133】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態は、上記第1の実施形態では減速開始タイミングを、通常の記録の場合よりも遅らせたのに対し、減速開始タイミングを変えずに減速テーブルを変更して所望の位置に停止させるものである。すなわち、減速テーブルをより減速の加速度が小さいものとして、キャリッジの移動距離を延ばし、最終的に停止する位置を上記第1の実施形態と同じようにミストが発生する空間の斜め上方もしくは上方を開放するようにする。
【0134】
図16は、本実施形態のキャリッジ移動制御を含む記録制御の手順を示すフローチャートであり、図15に示した処理と略同様の処理である。
【0135】
異なる点は、ステップS1608の処理であり、キャリッジ移動制御を行なう場合に、設定されている右端停止位置に基づきキャリッジの減速を制御したときに、実際は、それより長いオーバーラン規定停止位置で停止するように減速テーブルを変更する点である。その他の処理は、同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0136】
(実施形態3)
本実施形態は、異なる複数のサイズのインク滴を吐出できるプリンタに関し、吐出するインク滴のサイズに応じて、上記第1および第2の実施形態で説明したキャリッジの移動制御を実行するか否かを定めるものである。
【0137】
複数のサイズのインク滴を吐出する方法としては、例えば、記録ヘッドにおいてインク滴のサイズに応じた大きさの吐出口を設けたり、ピエゾ素子の変位を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドの場合であれば、インク滴サイズに応じてピエゾ素子に与える電気パルス波形を異ならせるものがある。
【0138】
前述したように、本発明者らの実験によれば吐出されるインク滴のサイズによって、発生するミストの量に差があることがわかっている。
【0139】
図17(a)および(b)は、この差について説明する図であり、記録ヘッドの吐出口からインク滴が吐出されるときを模式的に示している。これらの図において、1701は記録ヘッドを示し、1701nはこの記録ヘッドにおける1つの吐出口を示している。1702は、吐出口1701nに連通するインク路を示し、1703はこのインク路の底部に設けられるヒータを示している。すなわち、同図に示す記録ヘッドは、ヒータ1703が発生する熱エネルギーを利用してインク路1702内のインクに気泡を生じさせ、その気泡の圧力によって吐出口1701nからインクを吐出する方式のものである。そして、吐出口1701nの大きさ(直径)を異ならせることにより、異なる体積のインク滴を吐出するする。
【0140】
同図(a)に示すように、インク路1702では常にインクが供給されており、ヒータ1703に通電され表面のインクが膜沸騰を起こして気泡が生成されるのに伴い、ヒータ17032対向する開口部である吐出口1701nからインクが飛び出し主インク滴1704を形成し始める。しかし、飛び出すインクは粘性があるため、インク路内に残るインクとの間に尾引き部分1705が形成される。この尾引き部の状態はインクの飛び出す速度やインク路の形状などにより変化することもわかっている。
【0141】
そして、同図(b)に示すように、このように飛び出す瞬間形成された尾引き部は、その後インクの表面張力によりここに分離された微小なインク滴1706(サテライト)となる。これらは画像を形成する主インク滴1704と比較して非常にサイズが小さいものとなる。これら副次的に形成されるサイズの小さなインク滴は主インク滴と比べて運動エネルギーが小さいため、空気抵抗に打ち勝てず、主インク滴と同じ距離を飛翔することができないことが多い。
【0142】
本発明者らはインク吐出速度が15m/s程度において、主インク滴が3.2pl程度までは本発明を適用したほうがよく、主インク滴が4.6pl以上である場合は本発明を適用せずともよいということを確認した。
【0143】
その理由としては、前述したように主インク滴が約2plのサイズのもである場合は、そのサテライトは、本実施形態の記録ヘッドおける吐出口面から紙面までの距離1.4mmは飛翔できても、はみ出して吐出する部分におけるインク吸収体までの距離4.4mmは到達できないものが非常に多く、約4pl以上の主インク滴の場合には、サテライトとして上記のような空気抵抗に簡単に負けてしまう微小なものは主インク滴が約2plのサイズほど多くなく、ミストの問題は生じにくいと考えられる。
【0144】
従って本発明の第三の実施形態としては、複数のサイズのインク滴を吐出できる記録ヘッドを用い、体積の異なるインクのうち、一つのサイズのインク滴のみを吐出して記録を行なうモード、あるいは、ある走査でみたときに一つのサイズのインク滴のみを吐出して記録を行なうモードを有したプリンタの場合、記録時に設定されている主インク滴のサイズに応じて、実施形態1および2にて説明した本発明のキャリッジ移動制御を実施するか否かを判断する。
【0145】
具体的には、図15または図16に示したステップS1506またはS1606の次の処理として上記の判断を行なうようにする。そして、その判断がキャリッジ移動制御を行なう旨のものであるときは、それぞれステップS1508またはS1608で上述した処理を行なう。
【0146】
なお、縁なし記録を行なう場合は、同じ記録媒体のサイズについて、縁なし記録以外の縁に余白がある記録を行なうときに較べて、本発明を適用しない場合でも記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長くなる、すなわち、上述のように、インク滴の体積に応じて、本発明を適用しないキャリジ移動を行なっても、上記余白がある記録の場合より移動距離は長くなる。そして、本発明を適用したキャリッジ制御を行なうと、この第1の長い距離よりさらに長い第2の距離の移動制御を行なうことになる。
【0147】
以上本実施形態によれば、本発明のキャリッジ移動制御を適用しなくていよい主インク滴サイズを用いて縁無し記録を行う場合には不必要に記録時間が多くなることはく、本発明のキャリッジ移動制御を適用する必要がある主インク滴サイズであれば、上記制御を適用し、若干記録時間は長くなるが、用紙裏面の汚れの転写などの問題を避けることができる。
【0148】
また、この判断の閾値となるインク滴サイズは空気抵抗によるインク滴の失速によるところが大きく、本発明者らが実験に用いたインク吐出速度が15m/s程度の場合であれば、前述の3.2plと4.6plの間をとり4.0pl程度にすればよいと考えられる。
【0149】
しかし、よりインク吐出速度が早い場合には、閾値を下げることが可能となり、より遅い場合には閾値を上げる必要が発生する。これらの場合は、プリンタの設計段階で該プリンタにおけるインク吐出速度に応じてあらかじめ閾値を設定してやればよい。
【0150】
また、このようにサテライトが発生しないような吐出ができた場合でも主インク滴の吐出速度とサイズによっては、縁なし部において主インク滴自身が吸収体にまで到達しない場合も発生し得る。このような条件下でも本発明を適用することは有効となる。
【0151】
(他の実施形態)
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0152】
また、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するための図15、図16に示したソフトウェアなどのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0153】
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0154】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0155】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0156】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、縁なし記録に際して、記録ヘッドが記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出するとき、記録ヘッドの走査において、記録媒体を支持する、例えばプラテンリブなどの支持部材のうち、記録に用いられる記録媒体を支持する支持部材と、この支持部材に隣接し記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する、例えばキャリッジなどの部材とによって形成される空間が、さらなる走査によってその空間より上の部分を介して開放されるので、上記のはみ出したインク吐出によって上記空間内にミストが発生しても、そのミストは上記開放された部分を介してその空間の上方に導かれる。その結果、発生したミストが、上記空間を形成するリブなどの支持部材に付着する量を低減し、または、略付着することを防止でき、その支持部材がその後に支持する別の記録媒体にミストが転写されてこれを汚すことを防ぐことができる。
【0158】
また、例えば、同じ用紙サイズに対して、異なるインク滴のサイズに応じて縁なし記録を行なうときは、縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離と該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうので、縁なし記録を行うときは、上記のより確実な開放を行うべく、例えば第1の距離が開放が必要ない場合であっても第2の距離によって確実な上記開放を行うことができ、上記の付着ミスト量低減の作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例によるプリンタに用いる記録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、図3の記録ヘッドカートリッジに代えて本発明の一実施例によるプリンタに搭載可能なスキャナカートリッジの構成を示すために、そのスキャナカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施例のプリンタにおける電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示した電気回路のうちメインPCBの内部構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示したメインPCBのうちASICの内部構成例を示すブロック図である。
【図10】上記実施形態のインクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタを、その用紙の搬送方向に対してその横方向から見た断面図である。
【図12】(a)および(b)は、図11にに示したプリンタにおけるプラテン、その上に設けられたリブおよびプラテン内に設けられたインク吸収体を示し、(b)はその上面図、(a)は(b)におけるB−B線断面図である。
【図13】(a)および(b)は、図11、図12に示した構成においてリブ等の配置に応じて、前述したミストの付着が顕著となり前述した問題を生じる場合と、付着の程度が軽いかもしくはほとんど付着がなく問題を生じない場合とを説明する図である。
【図14】(a)および(b)は、本発明の第一の実施形態を説明する図であり、図13(a)に示した、用紙サイズもしくはこの用紙に対するリブ配置の場合に生ずるミストの問題を解消する構成の二例を説明する図である。
【図15】本発明の一実施形態に係わるキャリッジの移動制御を含む記録処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の他の実施形態に係わるキャリッジ移動制御を含む記録制御の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17(a)および(b)は、発生するミストの量の差について説明する図である。
【図18】従来の縁なし記録を説明する図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M2015 紙間調整レバー
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
M6000 スキャナ
M6001 スキャナホルダ
M6003 スキャナカバー
M6004 スキャナコンタクトPCB
M6005 スキャナ照明レンズ
M6006 スキャナ読取レンズ1
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0006 インクエンドセンサ
E0007 PEセンサ
E0008 GAPセンサ(紙間センサ)
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ)
E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ)
E1004 ROM
E1005 発振回路
E1006 ASIC
E1007 リセット回路
E1008 CRモータドライバ
E1009 LF/PGモータドライバ
E1010 電源制御回路
E1011 INKS(インクエンド検出信号)
E1012 TH(サーミスタ温度検出信号)
E1013 HSENS(ヘッド検出信号)
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1016 RESUME(リジュームキー入力)
E1017 POWER(電源キー入力)
E1018 BUZ(ブザー信号)
E1019 発振回路出力信号
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1022 VHON(ヘッド電源ON信号)
E1023 VMON(モータ電源ON信号)
E1024 電源制御信号
E1025 PES(PE検出信号)
E1026 ASFS(ASF検出信号)
E1027 GAPS(GAP検出信号)
E0028 シリアルI/F信号
E1029 シリアルI/Fケーブル
E1030 パラレルI/F信号
E1031 パラレルI/Fケーブル
E1032 PGS(PG検出信号)
E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号)
E1034 PGモータ駆動信号
E1035 LFモータ駆動信号
E1036 CRモータ制御信号
E1037 CRモータ駆動信号
E0038 LED駆動信号
E1039 VH(ヘッド電源)
E1040 VM(モータ電源)
E1041 VDD(ロジック電源)
E1042 COVS(カバー検出信号)
E2001 CPU I/F
E2002 PLL
E2003 DMA制御部
E2004 DRAM制御部
E2005 DRAM
E2006 1284 I/F
E2007 USB I/F
E2008 受信制御部
E2009 圧縮・伸長DMA
E2010 受信バッファ
E2011 ワークバッファ
E2012 ワークエリアDMA
E2013 記録バッファ転送DMA
E2014 プリントバッファ
E2015 記録データ展開DMA
E2016 展開用データバッファ
E2017 カラムバッファ
E2018 ヘッド制御部
E2019 エンコーダ信号処理部
E2020 CRモータ制御部
E2021 LF/PGモータ制御部
E2022 センサ信号処理部
E2023 モータ制御バッファ
E2024 スキャナ取込みバッファ
E2025 スキャナデータ処理DMA
E2026 スキャナデータバッファ
E2027 スキャナデータ圧縮DMA
E2028 送出バッファ
E2029 ポート制御部
E2030 LED制御部
E2031 CLK(クロック信号)
E2032 PDWM(ソフト制御信号)
E2033 PLLON(PLL制御信号)
E2034 INT(割り込み信号)
E2036 PIF受信データ
E2037 USB受信データ
E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ)
E2039 受信バッファ制御部
E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/ラスタデータ)
E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/記録コード)
E2042 WDWF(ワークフィルデータ)
E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ/記録コード)
E2044 WDWP(並べ替え記録コード)
E2045 RDHDG(記録展開用データ)
E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ/展開記録データ)
E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ/展開記録データ)
E2049 ヘッド駆動タイミング信号
E2050 データ展開タイミング信号
E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み出しデータ)
E2052 センサ検出信号
E2053 WDHD(取込みデータ)
E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデータ)
E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/処理済データ)
E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ/処理済データ)
E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧縮データ)
E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮データ)
E2059 RDPIF(1284送信データ)
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 記録素子基板
H1100T 吐出口
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H1600d 連通路
1802a  高さaのリブ
1802b  高さbのいリブ
1803  用紙(記録媒体)
1803a  2L判サイズの用紙
1803b  葉書サイズの用紙
1803c  L判サイズの用紙
1801  プラテン
1804  キャリッジ
1805  記録ヘッド
1806  吐出口列
1809  インク吸収体

Claims (29)

  1. インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう装置であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録装置において、
    前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材と、
    前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する制御手段と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、少なくとも停止のときに開放されるよう記録ヘッドの走査を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、記録ヘッドの走査を制御して前記空間が垂直上方以外の開放部を介して開放されるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録媒体上方を移動する部材はキャリッジを含み、該キャリッジの低部が前記走査方向に面する斜面を有することによって、前記空間が垂直上方以外の開放部を介して開放されることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、減速開始タイミングを遅らせることにより、前記空間を開放することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、減速制御に用いる減速テーブルを変更することにより、前記空間を開放することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、記録に用いる記録データサイズに応じて前記空間を開放するための走査の制御を実行するか否かを定めることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記制御手段は、記録に用いる記録媒体のサイズを検知し、サイズに応じて前記空間を開放するための走査の制御を実行するか否かを定めることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッドが吐出するインク滴の吐出速度が15m/sであって、該インク滴の体積が4.0plであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッドが吐出するインク滴の吐出速度が15m/sであって、該インク滴の体積が4.0plおよびこれより大きい体積のインク滴であり、前記制御手段は、前記より大きな体積のインク滴を吐出して記録を行うときは、前記走査の制御を実行しないことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう装置であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録装置において、
    記録ヘッドの走査を制御する制御手段を具え、
    該制御手段は、前記縁なし記録を行なうときは、同じ記録媒体のサイズに対して該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離または該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうことを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 前記制御手段は、減速開始タイミングを遅らせることにより、前記移動距離を長くするすることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記制御手段は、減速制御に用いる減速テーブルを変更することにより、前記移動距離を長くすることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記制御手段は、記録に用いる記録媒体のサイズを検知し、該サイズに応じて前記移動距離を長くするための走査の制御を実行するか否かを定めることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう方法であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録方法において、
    前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材を用意し、
    前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する、
    ステップを有したことを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 前記制御ステップは、少なくとも停止のときに開放されるよう記録ヘッドの走査を制御することを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記制御ステップは、記録ヘッドの走査を制御して前記空間が垂直上方以外の開放部を介して開放されるようにすることを特徴とする請求項15または16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記記録媒体上方を移動する部材はキャリッジを含み、該キャリッジの低部が前記走査方向に面する斜面を有することによって、前記空間が垂直上方以外の開放部を介して開放されることを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記制御ステップは、減速開始タイミングを遅らせることにより、前記空間を開放することを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記制御ステップは、減速制御に用いる減速テーブルを変更することにより、前記空間を開放することを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記制御ステップは、記録に用いる記録媒体のサイズを検知し、該サイズに応じて前記空間を開放するための走査の制御を実行するか否かを定めることを特徴とする請求項15ないし20のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  22. インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう方法であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録方法において、
    記録ヘッドの走査を制御する制御ステップを有し、
    該制御ステップは、前記縁なし記録を行なうときは、同じ記録媒体のサイズに対して該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なうときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離が長い第1の距離または該第1の距離より長い第2の距離を含む移動制御を行なうことを特徴とするインクジェット記録方法。
  23. 前記制御ステップは、減速開始タイミングを遅らせることにより、前記移動距離を長くするすることを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録方法。
  24. 前記制御ステップは、減速制御に用いる減速テーブルを変更することにより、前記移動距離を長くすることを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録方法。
  25. 前記制御ステップは、記録に用いる記録媒体のサイズを検知し、該サイズに応じて前記移動距離を長くするための走査の制御を実行するか否かを定めることを特徴とする請求項22ないし24のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  26. コンピュータに、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう処理であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録処理を実行させるためのプログラムにおいて、該プログラムの処理は、
    前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する、
    ステップを有したことを特徴とするプログラム。
  27. コンピュータに、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう処理であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録処理を実行させるためのプログラムにおいて、該プログラムの処理は、
    記録ヘッドの走査を制御する制御ステップを有し、
    該制御ステップは、前記縁なし記録を行なうときは、該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なう記録を行うときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離を長くすることを特徴とするプログラム。
  28. コンピュータに、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう処理であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録処理を実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体において、
    該プログラムの処理は、
    前記縁なし記録に際して、記録ヘッドが前記記録媒体の縁をはみ出してインクを吐出しつつ当該記録ヘッドの走査を行なうとき、前記記録において記録媒体を支持するための複数の支持部材のうち、記録に用いられる一のサイズの記録媒体を支持する支持部材と、該支持部材に隣接し前記一のサイズの記録媒体を支持しない支持部材と、前記記録ヘッドの走査に伴って記録媒体上方を移動する部材とによって形成される空間が、さらなる走査によって当該空間より上の部分を介して開放されるよう、当該走査を制御する、
    ステップを有したことを特徴とする記憶媒体。
  29. コンピュータに、インクを吐出する記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して走査し当該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行なう処理であって、記録媒体の縁に続く領域に余白を生じさせないよう当該領域を含んで記録を行なう縁なし記録を行なうことが可能なインクジェット記録処理を実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体において、
    該プログラムの処理は、
    記録ヘッドの走査を制御する制御ステップを有し、
    該制御ステップは、前記縁なし記録を行なうときは、該縁なし記録以外の、記録媒体の縁に続く領域を記録しないで当該領域を余白とする記録を行なう記録を行うときより、記録ヘッドの走査に伴う移動距離を長くすることを特徴とする記憶媒体。
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