JP2004089260A - ウイルスの感染率を低下させる方法、病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法およびそれらの方法を実行する装置 - Google Patents

ウイルスの感染率を低下させる方法、病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法およびそれらの方法を実行する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ウイルスの感染率を低下させる方法、病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法およびそれらの方法を実行する装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用を利用するものである。特に、本発明のウイルスの感染率を低下させる方法および装置は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内にあることを特徴とすることができるものであるため、正負両イオンの発生に高電圧の印加を必要とせず、このため人体に対して有害なオゾンを副生する可能性がない。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正負両イオンの作用等によりウイルスの感染率を低下させる方法、病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法およびそれらの方法を実行する装置に関するものである。さらに本発明は、該方法および装置を利用した空気調節装置(例えば、空気清浄機、空気調和機、除湿機、加湿器、電気ヒータ、石油ストーブ、ガスヒータ、クーラーボックス、及び冷蔵庫等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住環境の高気密化に伴い、人体に有害な空気中の浮遊ウイルスや細菌を取り除き健康で快適な生活を送りたいという要望が強くなっている。この要望に応えるため、各種のフィルタを備えた空気調節装置が開発されている。
【0003】
しかしながら、このような空気調節装置では、空間の空気を吸引してフィルタにより浮遊ウイルスを吸着若しくは分解する方式であるため、長期にわたる使用によりフィルタの交換等のメンテナンスが不可欠であり、しかもフィルタの特性が充分でないため満足のいく性能が得られていない。
【0004】
一方、イオン発生装置を用いて正負イオンにより各種の細菌を殺菌する方法が提案されているが、かかる方法においては正負イオンを発生させるのに高電圧を印加する必要があり、このため人体に有害なオゾンを副生する可能性があるという問題がある。また、各種の細菌の中でもとりわけ芽胞形成菌等は耐性力がありこれを殺菌するには困難を伴っていた。
【0005】
したがって、現在のところこれらの不都合や困難を伴うことなくウイルスの感染率を低下させたり、病原性細菌や芽胞形成菌を殺菌したりする有効な方法は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、人体に対して他の悪影響を与えることなく正負両イオンの作用等によりウイルスの感染率を低下させる方法、病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法およびそれらの方法を実行する装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、従来公知の正負イオンによる各種細菌の殺菌方法に対して正負イオンの作用によりウイルスの感染率を低下させる場合には、低濃度の正負イオン濃度で達成することができるとの知見を得、しかもこの場合には正負イオンを発生させるのに高電圧の印加を必要としないことから人体に対して有害な物質を副生することがないという極めて有利な効果が得られることが判明した。また一方、本発明者は、耐性力を有する細菌を殺菌するためにはある一定濃度以上の高濃度の正負イオンを作用すれば達成できるという知見を得た。本発明は、これらの知見に基づきさらに研究を重ねることにより完成されたものである。
【0008】
すなわち本発明は、正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用によりウイルスの感染率を低下させる方法に係るものである。
【0009】
特に、本発明のウイルスの感染率を低下させる方法は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内にあるため、正負両イオンの発生に高電圧の印加を必要とせず、このため人体に対して有害なオゾン量を副生する可能性がない。
【0010】
一方、本発明は正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用により病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法に係るものである。
【0011】
とりわけ本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/mの範囲内にあるため、従来の方法ではその殺菌が困難であった病原性細菌や芽胞形成菌に対して優れた効果を示すものである。
【0012】
また、本発明に係る上記の各方法は、正イオンがH(HO)(nは任意の自然数)であり、負イオンがO (HO)(mは任意の自然数)とすることもできる。
【0013】
また、本発明に係る上記の各方法は、正イオンと負イオンとが、化学反応することによって過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させることによってウイルスの感染率を低下させる方法に係るものである。ウイルスは、その個体表面に糖タンパク質を有しており、これを電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊すればウイルスは感染能力を失し、以って感染率を飛躍的に低下させることが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る上記の各方法は、相対湿度が10%〜90%の条件下で実行することを特徴とする。
【0016】
一方、本発明は、正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とするウイルスの感染率を低下させる装置に係るものである。
【0017】
また、本発明の上記装置は、過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の上記装置は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とすることができる。このため該装置は、正負両イオンの発生に高電圧の印加を必要とせず、このため人体に対して有害なオゾン量を副生する可能性がない。
【0019】
また、本発明は、ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させるための放電機構を有することを特徴とするウイルスの感染率を低下させる装置に係る。
【0020】
また、本発明の上記各装置は、空気調節機構を備えていることを特徴とし、これによりウイルスの感染率を低下させる能力をもった各種の空気調節装置(例えば、空気清浄機、空気調和機、除湿機、加湿器、電気ヒータ、石油ストーブ、ガスヒータ、クーラーボックス、及び冷蔵庫等)を提供することが可能となる。
【0021】
一方、本発明は、正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とする病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置に係るものである。
【0022】
また、本発明の上記装置は、過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の上記装置は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の上記各装置は、空気調節機構を備えていることを特徴とし、これにより病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する能力をもった各種の空気調節装置(例えば、空気清浄機、空気調和機、除湿機、加湿器、電気ヒータ、石油ストーブ、ガスヒータ、クーラーボックス、及び冷蔵庫等)を提供することが可能となる。
【0025】
また、本発明の上記各装置は、ウイルスの感染率を低下させる能力を併せ持つものとすることができる。すなわち、これによりウイルスの感染率を低下させる能力を有しかつ病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する能力を併せ持った空気調節装置を提供することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
<ウイルスの感染率を低下させる方法>
本発明に係るウイルスの感染率を低下させる方法は、正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用により達成されるものである。これらの正負両イオンは、正イオンもしくは負イオンそれぞれ単独ではウイルスに対して格別の効果は示されない。しかし、これらのイオンが共存すると後述のような化学反応によって活性物質が発生しこれによりウイルスの感染率を低下させることが可能となる。ここで、ウイルスの感染率を低下させるとは、ウイルスの感染率が正負両イオンを作用させる前後において2分の1、好ましくは10分の1以下に減少することをいうものとする。以下、該方法に適する正負両イオンの濃度、正負両イオンの送出方法等について説明する。なお、本発明が対象とするウイルスは、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、ポリオウイルス等をはじめとしてあらゆるウイルスに対して効果を発揮するものである。
【0027】
<正負両イオンの濃度>
正負両イオンの濃度は、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/m、好ましくは130万個/m〜200億個/m、さらに好ましくは1000万個/m〜200億個/mとすることが好適である。27万個/m未満の場合には、ウイルスに対して効果を発揮することができなくなる一方、200億個/mを超えるとイオン発生の際に人体に対して有害となるオゾン等の副生を伴う可能性があり好ましくない。
【0028】
このように本発明の方法によれば各種のウイルスに対して比較的低レベルでその感染率の低下に実効を挙げることができ、このため放電によりこれらの正負両イオンを発生させるのに必要な印加電圧も低く押さえることができる。したがって、本発明の方法によれば人体に有害なオゾン等を副生することなくウイルスの感染率を低下させられるという極めて有利な効果を示すことができる。なお、これらの関係を図16にまとめて示す。図16によれば、ウイルスの感染率を低下させるのに有効な範囲の正負両イオンの濃度に対して、該濃度の正負両イオンを発生させるのに必要な印加電圧では人体に有害なオゾン量(約0.1ppm以上)が発生しないことが示されている。
【0029】
<正負両イオンの送出方法>
本発明に係る正負両イオンは、主としてイオン発生素子の放電現象により発生するものであり、通常、正負の電圧を交互に印加させることにより正負両イオンを同時に発生させ空気中に送出することができる。しかしながら、本発明の正負両イオンの送出方法はこれのみに限られることはなく、正負いずれか一方の電圧のみを印加し正負いずれか一方のみのイオンを先に送出させた後、次に逆の電圧を印加しすでに送出されたイオンとは逆の電荷をもったイオンを送出させることもできる。なお、これらの正負両イオンの発生、送出に必要な印加電圧は、電極の構造にもよるが3.0〜5.5kV、好ましくは3.2〜5.5kVの範囲とすることができる。
【0030】
<正負イオンの同定>
上記のイオン発生素子の放電現象により発生した正負両イオンの組成は、主として正イオンとしてはプラズマ放電により空気中の水分子が電離して水素イオンHが生成し、これが溶媒和エネルギーにより空気中の水分子とクラスラリングすることによりH(HO)(nは任意の自然数)を形成したものである。水分子がクラスラリングしていることは、図5(a)において最小に観測されるピークが分子量19の位置にあり、後のピークはこの分子量19に対して水の分子量に相当する18を順次足した位置に現れることから明らかである。すなわち、この結果は分子量1の水素イオンHに分子量18の水分子が一体となって水和していることを示している。一方、負イオンとしてはプラズマ放電により空気中の酸素分子または水分子が電離して酸素イオンO が生成し、これが溶媒和エネルギーにより空気中の水分子とクラスラリングすることによりO (HO)(mは任意の自然数)を形成したものである。水分子がクラスラリングしていることは、図5(b)において最小に観測されるピークが分子量32の位置にあり、後のピークはこの分子量32に対して水の分子量に相当する18を順次足した位置に現れることから明らかである。すなわち、この結果は分子量32の酸素イオンO に分子量18の水分子が一体となって水和していることを示している。
【0031】
そして、空間に送出されたこれらの正負両イオンは空気中に浮遊しているウイルスを取り囲み、ウイルスの表面で正負両イオンが以下のような化学反応(1)〜(3)によって活性種である過酸化水素Hまたはヒドロキシラジカル・OHを生成する。
【0032】
【化1】
Figure 2004089260
【0033】
そして、このように正負両イオンが作用して生成した過酸化水素Hまたはヒドロキシラジカル・OHは、ウイルスの表面タンパク質を変性ないし破壊してウイルスの感染能力を喪失させることにより、効率的に空気中のウイルスの感染率を低下させることができる。
【0034】
なお、上記の説明においては、正イオンとしてH、負イオンとしてO をそれぞれ中心に述べてきたが、本発明における正負イオンはこれらのみに限られるものではない。たとえば、正イオンとしてはN 、O 等を、負イオンとしてはNO 、CO 2−等をそれぞれ例示することができる。
【0035】
<その他の方法等>
本発明のウイルスの感染率を低下させる方法は、ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させることにより実行することができる。このようにウイルスの表面タンパク質は、正負両イオンを発生させる際の電圧印加によるプラズマ放電自体によっても変性ないし破壊され、以ってこのような電気的衝撃によってもウイルスの感染能力は喪失し、その感染率を低下させることができる。このようにして本発明においては、上記の作用が相乗的に奏されることによりウイルスの感染率を効果的に低下させることに成功したものである。
【0036】
<相対湿度>
本発明のウイルスの感染率を低下させる方法は、特に相対湿度が10%〜90%、好ましくは40%〜70%の条件下で実行することが好適である。前述の通り正負両イオンの発生は、空気中の水分子の存在と関係するからである。すなわち、相対湿度が10%未満の場合は、発生イオンは空気中の水分子によるクラスターイオンが十分に生成されないものとなり、また90%を超える場合はイオンを生成するための放電エネルギが低下することとなり、いずれも好ましくない。
【0037】
<装置>
本発明のウイルスの感染率を低下させる装置は、正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とする。通常、該機構は放電現象により正負両イオンを発生する従来公知のイオン発生素子が該当する。また該装置は、このようにして発生した正負両イオンの化学反応により過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする。さらに該装置は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とする。また、該装置は、ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させるための放電機構を有することを特徴とする。ウイルスの表面タンパク質は上記の正負両イオンの作用による化学反応だけではなく、放電等による電気的衝撃によっても変性ないし破壊されるため、これらの両作用を達成させるべく放電機構を備えていることが極めて有効である。これにより、これら両作用の相乗効果が期待できる。なお、ここでいう放電機構とは、たとえば絶縁体を電極で挟み込んだような構造の電極を用い、片側の電極に交流の高電圧を印加するとともにもう一方の電極を接地させることにより、該接地電極に接している空気層にプラズマ放電が形成されて空気中の水分子や酸素分子を電離または解離することによってイオンを生成するような機構をいい、より具体的には電極の形状を電圧印加側は板状またはメッシュ状にするとともに接地側はメッシュ状とし、このような構造の電極に対して高電圧を印加すると接地側電極のメッシュ端面部で電界が集中して沿面放電が起こりプラズマ領域が形成され、このプラズマ領域にウイルスを含んだ空気を流し込むと前記イオン発生による化学反応とともにプラズマによる電気的衝撃によってウイルスの表面タンパク質が変性ないし破壊されるような機構を挙げることができる。
【0038】
一方、本発明のウイルスの感染率を低下させる装置は、空気調節機構を備えていることを特徴としている。ここでいう空気調節機構とは、例えば空気清浄機、空気調和機、除湿機、加湿器、電気ヒータ、石油ストーブ、ガスヒータ、クーラーボックス、及び冷蔵庫等の空気調節装置が備えている通常の空気を調節する機構であって、したがって、本発明のウイルスの感染率を低下させる装置はこれらの空気調節装置としての機能を兼備したものとすることができる。
【0039】
<病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法>
本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法は、正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用により達成されるものである。これらの正負両イオンは、正イオンもしくは負イオンそれぞれ単独では病原性細菌および/または芽胞形成菌に対して格別の効果は示されない。しかし、これらのイオンが共存すると前述のような化学反応によって活性物質が発生しこれにより病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌することが可能となる。以下、該方法に適する正負両イオンの濃度等について説明する。なお、本発明が対象とする病原性細菌および/または芽胞形成菌は、通常の細菌をはじめ、特に耐性力を有する病原性細菌や芽胞形成菌に対して効果を発揮するものである。
【0040】
<正負両イオンの濃度>
耐性力を有する病原性細菌や芽胞形成菌を殺菌する場合の正負両イオンの濃度は、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/m、好ましくは5000万個/m〜200億個/m、さらに好ましくは1億個/m〜200億個/mとすることが好適である。1000万個/m未満となる場合には十分な殺菌効果が得られないのに対して、200億個/mを超える場合には副生するオゾンの濃度が高くなり過ぎて危険なためである。なお、これらの正負両イオンの発生、送出に必要な印加電圧は、電極の構造にもよるが4.0〜5.5kV、好ましくは4.5〜5.5kVの範囲とすることができる。
【0041】
<正負両イオンの送出方法>
正負両イオンの送出方法は、前述のウイルスの感染率を低下させる方法において用いられる送出方法と同様の方法を採用することができる。
【0042】
<正負両イオンの同定>
正負両イオンの同定は、前述のウイルスの感染率を低下させる方法において説明したのと同様である。
【0043】
<相対湿度>
相対湿度は、前述のウイルスの感染率を低下させる方法において説明したのと同様である。
【0044】
<装置>
本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置は、正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とする。通常、該機構は放電現象により正負両イオンを発生する従来公知のイオン発生素子が該当する。また該装置は、このようにして発生した正負両イオンの化学反応により過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする。さらに該装置は、空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とする。また、該装置は、放電機構を有することを特徴とする。ここでいう放電機構とは、たとえば絶縁体を電極で挟み込んだような構造の電極を用い、片側の電極に交流の高電圧を印加するとともにもう一方の電極を接地させることにより、該接地電極に接している空気層にプラズマ放電が形成されて空気中の水分子や酸素分子を電離または解離することによってイオンを生成するような機構をいい、より具体的には電極の形状を電圧印加側は板状またはメッシュ状にするとともに接地側はメッシュ状とし、このような構造の電極に対して高電圧を印加すると接地側電極のメッシュ端面部で電界が集中して沿面放電が起こりプラズマ領域が形成されてイオンを生成するような機構を挙げることができる。
【0045】
一方、本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置は、空気調節機構を備えていることを特徴としている。ここでいう空気調節機構とは、例えば空気清浄機、空気調和機、除湿機、加湿器、電気ヒータ、石油ストーブ、ガスヒータ、クーラーボックス、及び冷蔵庫等の空気調節装置が備えている通常の空気を調節する機構であって、したがって、本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置はこれらの空気調節装置としての機能を兼備したものとすることができる。
【0046】
さらに、本発明の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置は、ウイルスの感染率を低下させる能力を併せ持つものとすることができる。これにより病原性細菌および/または芽胞形成菌の殺菌ばかりではなく、ウイルスの感染率を低下させることもできるため、極めて快適な居住空間等を提供することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
<実施例1>
本実施例は、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルスおよびポリオウイルスをそれぞれ用いて、正負両イオンの作用によるウイルスの感染率の低下を確認したものである。以下、図1〜5を参照して説明する。
【0049】
図1は、本実施例で採用した正イオンと負イオンの作用によるウイルスの感染率を低下させる方法を実行するための装置の概略図である。図2は、正負両イオンの濃度とインフルエンザウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図3は、正負両イオンの濃度とコクサッキーウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図4は、正負両イオンの濃度とポリオウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図5は、図1の装置で送出される正イオンおよび負イオンの質量スペクトルを示した図である。
【0050】
まず、図1に示した装置では、イオン発生素子1として縦37mm、横15mmの平板状の沿面放電素子を用いた。電極間に正と負の電圧を交互に印加することにより表面電極部で沿面放電を起こし、大気圧下での放電プラズマにより正イオン5と負イオン4を同時に生成し送出させた。印加した電圧は3.2kV〜5.5kVであり、この範囲の電圧において有害なオゾン量が発生することはなかった(図16参照)。該イオン発生素子は、内径55mm、長さ200mmのアクリル製の円筒型風洞6の内部に取り付け固定し、この容器の一方にはウイルス液を噴霧する注入口2を、もう一方にはウイルス液の回収口3を取り付けた。
【0051】
ウイルスとしてインフルエンザウイルスを用いた場合、該インフルエンザウイルスは、発育鶏卵の奨尿膜腔に接種しフラン器で培養後、奨尿液を採取しこれを供試ウイルス液とした。供試ウイルス液をガラス製アトマイザーに10ml入れ、図1の装置のウイルス液噴霧用の注入口2に接続した。同装置のウイルス液の回収口3には、PBS(−)を10ml入れたガラス製インピンジャーを接続した。アトマイザーは、エアコンプレッサーからの圧縮空気の吐出圧力をゲージ圧で0.48hPaに調節し、注入口2から供試ウイルスを噴霧した。噴霧量は3.0ml(噴霧流量0.1ml/min×噴霧時間30min)とした。インピンジャーは毎分10Lの吸引流量で30分間円筒型風洞6内の空気を吸引捕集した。インピジャーで円筒型風洞6内の空気を吸引捕集したPBS(−)を試験液とし、インフルエンザウイルスは、MDCK細胞を用いたプラック法で測定を行なった。なお、正負両イオンの濃度は上記のようにイオン発生素子1を設置した円筒型風洞6のウイルス液噴霧用の注入口2より送風ファンにより風速4m/secで風を流し、ウイルス液の回収口3にダン科学製空気イオンカウンタ(品番83−1001B)を設置し、該空間の正負両イオンの合計濃度を測定した。空間雰囲気は温度25℃、相対湿度60%RHであった。また、図5に示したように送出された正イオンはH(HO)(nは任意の自然数)、負イオンはO (HO)(mは任意の自然数)であり、これらの正負両イオンは前記の化学反応(1)〜(3)により過酸化水素Hおよびヒドロキシラジカル・OHを生成した。
【0052】
そして、イオン発生素子1を作動させない状態の時をコントロールとし、該素子に5.0kV、5.3kV、5.5kVの電圧をそれぞれ印加して正負両イオンを送出し、円筒型風洞6内の正負両イオンの濃度を正負両イオンの合計数として50億個/m、100億個/m、200億個/mとした場合のインフルエンザウイルスの感染率の低下を調べた。その結果を図2に示す。
【0053】
図2に示すように、イオン発生素子を作動させない場合(すなわち正負イオンが発生していない状態)のインフルエンザウイルスの細胞への感染率を100%とすると、正負両イオンの濃度がそれぞれ50億個/m、100億個/m、200億個/mとなった場合、細胞への感染率は3.8%、2.6%、0.5%に低下し、この範囲のイオン濃度によりインフルエンザウイルスの感染率が顕著に低下していることが確認された。
【0054】
一方、インフルエンザウイルスの測定を行なった上記のプラック法において、用いた細胞をMDCK細胞からHela細胞に代えることを除き、他は全て上記と同様にしてコクサッキーウイルスおよびポリオウイルスについても試験を行なった。それらの結果を図3および図4にそれぞれ示す。
【0055】
図3に示すように、イオン発生素子を作動させない場合のコクサッキーウイルスの細胞への感染率を100%とすると、正負両イオンをそれぞれ合計50億個/m、100億個/m、200億個/mの濃度で発生させた場合、細胞への感染率は3.3%、2.6%、1.1%に低下し、この範囲のイオン濃度によりコクサッキーウイルスの感染率が顕著に低下していることが確認された。
【0056】
また、図4に示すように、イオン発生素子を作動させない場合のポリオウイルスの細胞への感染率を100%とすると、正負両イオンをそれぞれ合計50億個/m、100億個/m、200億個/mの濃度で発生させた場合、細胞への感染率は1.0%、0.5%、0.4%に低下し、この範囲のイオン濃度によりポリオウイルスの感染率が顕著に低下していることが確認された。
【0057】
<実施例2>
本実施例は、上記実施例1とは異なった装置により正負両イオンの作用によるウイルスの感染率の低下を確認したものである。以下、図6〜10を参照して説明する。
【0058】
図6は、本実施例で用いた装置の断面図であって、イオン発生素子としての電源13と電極14を吹出し口12風路に配設するとともに、脱臭フィルター10、吸い込み口11、集塵フィルター15、送風ファン16を備えることにより空気調節機構を備えた装置の断面図を示している。図7はイオン送出量と空気中の浮遊インフルエンザウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図8はイオン送出量と空気中の浮遊コクサッキーウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図9はイオン送出量と空気中の浮遊ポリオウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。図10は容量30mの空間に正負イオンを1分間で合計540万個/m供給した場合の、空気中のインフルエンザウイルスの細胞への感染率の経時変化を示した図である。
【0059】
本実施例で用いた図6の装置は、イオン発生素子としての電源13と電極14との放電機構により、図5に示したように正イオンとしてH(HO)(nは任意の自然数)、負イオンとしてO (HO)(mは任意の自然数)を同時に送出するものである。このイオン送出量と空間中を浮遊するインフルエンザウイルスの細胞への感染率との関係を確認するため、27Lの空間として30cm×30cm×30cmの塩化ビニル製容器の両端にウイルス噴霧装置と回収装置とを取り付けたものを用いた。この容器内に図6の空気調節装置の吹出し口12を取り付けた。また、噴霧したウイルスを長時間浮遊させる目的で、該容器内に軸粒ファンを風向が上部に行くように設置した。また、空間雰囲気としては温度25℃、相対湿度60%RHであった。
【0060】
該容器内に噴霧されるインフルエンザウイルス(Influenza virus A(H1N1) A/PR8/34:ATCC VR−95)は、発育鶏卵の奨尿膜腔に接種しフラン器で培養後、奨尿液を採取しこれを供試ウイルス液とした。供試ウイルス液をガラス製アトマイザーに10ml入れ上記容器の一端に接続した。もう一方の一端には、滅菌生理食塩液100mlを入れたガラス製インピンジャーを接続した。アトマイザーはエアコンプレッサーからの圧縮空気の吐出圧力をゲージ圧で0.48hPaに調節し、噴霧口から供試ウイルスを該容器内に噴霧した。噴霧量は3.0ml(噴霧流量0.1ml/min×噴霧時間30min)とした。ウイルス液噴霧と同時に軸粒ファンを作動させ、試験終了までの間連続運転を行なった。
【0061】
噴霧終了後の時点で容器内空気をインピンジャーで毎分10Lの吸引流量で30分間吸引捕集した。これを0分値とし、作動開始後1時間経過後に0分値と同様に容器内空気を300L吸引捕集した。インピンジャーで試験装置内空気を吸引捕集したPBS(−)を試験液とし、インフルエンザウイルスはMDCK細胞を用いたプラック法で測定を行なった。
【0062】
なお、イオンの送出量は、図6の装置のイオン発生素子の入力電圧を調製することにより調整した。具体的には、入力電圧が2.5kVの時に正負両イオンの送出量が1万個/m・分、同2.8kVの時に同送出量が10万個/m・分、同3.2kVの時に同送出量が130万個/m・分となるように調整した。また、該送出量が1万個/m・分の時、前記容器内の作動開始1時間後の正負両イオンの濃度は1万個/m、10万個/m・分の時、同容器内の作動開始1時間後の正負両イオンの濃度は10万個/m、130万個/m・分の時、同容器内の作動開始1時間後の正負両イオンの濃度は130万個/mであった。
【0063】
イオン送出量0個/m・分の場合の細胞への感染率を100%とした場合、図7に示したように27万個/m・分以上で細胞への感染率の急激な低下が確認され、正負両イオンの濃度が27万個/m以上でウイルスの感染率が低下することが確認された。
【0064】
一方、空間容積30m内に図6の装置を設置し、集塵フィルター15、脱臭フィルター10および送風ファン16を装着しない状態でイオン発生素子を運転させた場合における空間内の浮遊インフルエンザウイルスの残存率を調べた。図6に示したように該装置は、吹出し口12風路にイオン発生素子として電源13と電極14が配設されており、吸い込み口11より吸い込んだ空気が吹出し口12より送出されるときに、該空気中に正負両イオンを含ませて空間内にイオンを送出するものである。これにより、吸い込んだ空気のみにイオンを付加するのではなく、空気調節機構とともに空間内全体に正負両イオンを提供することができる。ウイルスの感染率の測定は上記で行なったのと同じ方法で行なった。イオン送出量は1分間で540万個/m供給した。この場合、1時間後の該空間内の正負両イオンの濃度は540万個/mであった。また、空間雰囲気としては温度25℃、相対湿度60%RHであった。
【0065】
以上の結果、図10に示されているようにインフルエンザウイルスの細胞への感染率は1時間で10分の1に低下することがわかった。このように住環境で実際に用いられる容積において十分効果があることがわかった。なお、このように優れた効果が示されるのは、空間に送出された正負イオンが空気中に浮遊しているウイルスを取り囲み、前記化学反応(1)〜(3)によって活性種である過酸化水素Hおよび/またはラジカル・OHを生成するとともに前記電源13と電極14の放電作用により、ウイルスの表面タンパク質を変性および/または破壊してウイルスの感染能力を喪失させるためである。
【0066】
また同様の実験をコクサッキーウイルスおよびポリオウイルスにおいても行なったところ、図8および図9に示したようにイオン送出量0個/m・分の場合の細胞への感染率を100%とした場合、27万個/m・分以上で細胞への感染率の急激な低下が確認され、正負両イオンの濃度が27万個/m以上でウイルスの感染率が低下することが確認された。
【0067】
<実施例3>
本実施例は、黄色ブドウ球菌(MRSA)を用いて正負両イオンの作用による病原性細菌に対する殺菌作用を確認したものである。以下、図11〜13を参照して説明する。
【0068】
図11は正負両イオンの作用による病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法を示した概略図である。図12は正負両イオンの濃度を1000万個/mとした場合の、空気中を浮遊する黄色ブドウ球菌(MRSA)濃度の経時変化を示した図である。図13はイオン発生素子を組み込んだ装置と紫外線式オゾン発生装置とを比較するものであって、それぞれの装置を作動させた場合の空気中を浮遊する黄色ブドウ球菌(MRSA)濃度の経時変化を示した図である。
【0069】
まず、本実施例において正負両イオンを発生させる手段は、実施例1で用いたのと同じイオン発生素子を吹出し口部に組み込んだ図6に示した装置を使用した。これにより、正イオンとしてはH(HO)(nは任意の自然数)、負イオンとしてはO (HO)(mは任意の自然数)をそれぞれ同時に送出するものとした。また、空間雰囲気としては温度25℃、相対湿度60%RHであった。
【0070】
上記イオン発生素子を作動させた場合の一定空間中を浮遊する黄色ブドウ球菌(MRSA)の正イオンと負イオンとの作用による殺菌効果を確認するため、図11に示したように、試験用の空間(1m)として1m×1m×1mのFRP製の容器8の両端にアクリル製板を取り付けたものを用いた。この容器8内に上記装置、すなわち、実施例1のイオン発生素子を吹出し口部に組み込んだ空気調節機構を備えた図6の構造の装置7を取り付けた(風量2m/min)。また、噴霧した菌を長時間浮遊させるため、容器8の四隅に15cm角の軸粒ファン9を風向が上部に行くように4基設置した。この容器8のアクリル製板の部分の一端に菌液噴霧用の注入口2とその他端に回収口3とを設け、これを試験用空間とした。
【0071】
本実施例で使用した黄色ブドウ球菌(MRSA)の供試菌は、保存株をトリプチケースソイ寒天培地(BBL)に接種し35℃、24時間培養した。この菌を滅菌生理食塩液で希釈調整し洗浄後、供試菌として用いた。
【0072】
該供試菌液をガラス製アトマイザーに10ml入れ、前記試験用空間の注入口2に接続した。そしてもう一方の回収口3には、滅菌生理食塩液100mlを入れたガラス製インピンジャーを接続した。アトマイザーは、エアコンプレッサーからの圧縮空気の吐出圧力をゲージ圧で0.48hPaに調節し、注入口2から供試菌を噴霧した。噴霧量は1.0ml(噴霧流量0.1ml/min×噴霧時間10min)とした。菌液噴霧と同時に軸粒ファン9を作動させ試験終了までの間連続運転を行なった。
【0073】
噴霧終了後の時点で、該容器内空気をインピンジャーで毎分10Lの吸引流量で10分間吸引捕集した。これを0分値とした。イオン発生素子を作動させた場合は、イオン発生素子と送風ファンを同時に作動させた。作動開始後一定時間経過後に、0分値と同様に容器内空気を100L吸引捕集した。イオン発生濃度はイオン発生素子への入力電圧を4.0kVとし、正負両イオンの合計数として1000万個/mとした。また、イオン発生素子を作動させない場合(自然減衰値)も、ファンのみ作動させた状態で運転し、経時時間毎に容器内空気を吸引捕集した。なお、これらの試験における菌数の算定は以下の方法で行なった。すなわち、インピンジャーで容器内空気を吸引捕集した滅菌生理食塩液を試験液とし、これを同滅菌生理食塩液を用いて段階希釈を行ない、原液及び各希釈液をトリプトソイ寒天培値(BBL)上に塗抹し、35℃、48時間培養を行なった後、培地上に発育した集落数を算定し、吸引空気あたりの菌数として表した。
【0074】
その結果、図12に示すように、イオンを発生させるとイオン発生素子を作動させない場合と比べ、30分経過後浮遊菌濃度が約20分の1以下に減少することが確認された。さらに、60分経過後、浮遊菌を検出できないレベルとなっていた。
【0075】
一方、オゾンによる殺菌作用との比較対照実験を行なうため、紫外線式オゾン発生装置(OZ51N‐1、セン特殊光源株式会社)を用いて、イオン発生素子から生成されるオゾン量と同量のオゾン生成量である1.637mg/h(22℃、17%RH)のオゾン濃度の条件下で前記試験用空間を用いて試験を行なった。
【0076】
その結果、図13に示すようにイオン発生素子では紫外線式オゾン発生装置と比べ、60分経過後浮遊菌濃度が約30分の1以下に減少することが確認された。
【0077】
以上の結果、院内感染の代表的な病原性細菌である黄色ブドウ球菌(MRSA)について、正負両イオンの作用による殺菌作用が確認された。
【0078】
<実施例4>
本実施例は、実施例3で用いた黄色ブドウ球菌(MRSA)に代えてバチルス菌を用いて正負両イオンの作用による芽胞形成菌に対する殺菌作用を確認したものである。
【0079】
まず、本実施例において正負両イオンを発生させる手段は、実施例3の装置と同じものを使用し、これにより、正イオンとしてはH(HO)(nは任意の自然数)、負イオンとしてはO (HO)(mは任意の自然数)をそれぞれ同時に送出するものとした。また、空間雰囲気としては温度25℃、相対湿度60%RHであった。
【0080】
上記装置を作動させた場合の一定空間中を浮遊するバチルス菌の正イオンと負イオンとの作用による殺菌効果を確認するため、実施例3と同じ試験用空間(図11)を用い、上記装置の風量のみ8m/minに変更する以外は全て実施例3と同様にして試験を行なった。正負両イオンの濃度は、正負両イオンの合計数として1000万個/mであった。なお、本実施例で使用したバチルス菌の供試菌は、日抗基胞子形成用培地(日本抗生物質医薬品基準、昭和57年6月30日厚生省告示第117号)に接種し35℃、7日間培養した。この菌を滅菌生理食塩液で洗浄後、65℃、30分間加熱処理し、芽胞形成を顕微鏡で確認した。これを滅菌生理食塩液で洗浄し、希釈したものを供試菌として用いた。
【0081】
その結果、図14に示すように、イオンを発生させるとイオン発生素子を作動させない場合と比べ、30分経過後浮遊菌濃度が約10分の1以下に減少することが確認された。さらに、120分経過後、浮遊菌を検出できないレベルとなっていた。
【0082】
一方、実施例3と同様にオゾンによる殺菌効果との比較対照実験を行なったところ、図15に示すように、イオン発生素子では紫外線式オゾン発生装置と比べ、60分経過後浮遊菌濃度が約5分の1以下に減少することが確認された。
【0083】
以上の結果、耐熱性がある芽胞を形成したバチルス菌についても、正負両イオンの作用による殺菌作用が確認された。したがって、炭疽菌はバチルス菌と同属菌であるため炭疽菌についても殺菌効果が期待できる。
【0084】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0085】
【発明の効果】
本発明の方法によれば正負両イオンの作用によりウイルスの感染率を低下させることができ、特に正負両イオンの濃度を一定範囲の低濃度のものとすることができるため人体に有害なオゾン等の副生をともなうことがない。また、本発明の装置によれば正負両イオンを空気中に送出しウイルスの感染率を低下させることができ、人体に有害なオゾン等の副生をともなうこともない。
【0086】
一方、本発明の別の方法によれば正負両イオンの作用により病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌させることができ、特に正負両イオンの濃度を調節することによりこれらの病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌できるため極めて有用である。また、本発明の装置によれば正負両イオンを空気中に送出し病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌することができる。
【0087】
したがって、本発明の方法または装置を利用した空気調節装置は、効率的に空気中のウイルスの感染率を低下させたり病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌することができ、快適な居住空間等を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウイルスの感染率を低下させる方法の一例を示す概略図である。
【図2】正負両イオンの濃度とインフルエンザウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図3】正負両イオンの濃度とコクサッキーウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図4】正負両イオンの濃度とポリオウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図5】イオン発生素子から生成される正イオンおよび負イオンの質量スペクトルを示した図である。
【図6】イオン発生素子としての電源と電極を吹出し口風路に配設するとともに空気調節機構を備えた装置の断面図である。
【図7】イオン送出量と空気中の浮遊インフルエンザウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図8】イオン送出量と空気中の浮遊コクサッキーウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図9】イオン送出量と空気中の浮遊ポリオウイルスの細胞への感染率との関係を示した図である。
【図10】空気中のインフルエンザウイルスの細胞への感染率の経時変化を示した図である。
【図11】病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法の一例を示す概略図である。
【図12】空気中を浮遊する黄色ブドウ球菌(MRSA)濃度の経時変化を示した図である。
【図13】イオン発生素子を組み込んだ装置と紫外線式オゾン発生装置とを比較するものであって、それぞれの装置を作動させた場合の空気中を浮遊する黄色ブドウ球菌(MRSA)濃度の経時変化を示した図である。
【図14】空気中を浮遊するバチルス菌濃度の経時変化を示した図である。
【図15】イオン発生素子を組み込んだ装置と紫外線式オゾン発生装置とを比較するものであって、それぞれの装置を作動させた場合の空気中を浮遊するバチルス菌濃度の経時変化を示した図である。
【図16】ウイルスの感染率を低下させるのに有効な範囲の正負両イオンの濃度と、該濃度の正負両イオンを発生させるのに必要な印加電圧と、オゾンの発生との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 イオン発生素子、2 注入口、3 回収口、4 負イオン、5 正イオン、6 円筒型風洞、7 イオン発生素子を組み込んだ空気調節機構を備えた装置、8 容器、9 軸粒ファン、10 脱臭フィルター、11 吸い込み口、12吹出し口、13 電源、14 電極、15 集塵フィルター、16 送風ファン。

Claims (18)

  1. 正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用によりウイルスの感染率を低下させる方法。
  2. 空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のウイルスの感染率を低下させる方法。
  3. 正イオンと負イオンとを空気中に送出し、これらの正負両イオンの作用により病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法。
  4. 空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/mの範囲内にあることを特徴とする請求項3記載の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する方法。
  5. 正イオンがH(HO)(nは任意の自然数)であり、負イオンがO (HO)(mは任意の自然数)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 正イオンと負イオンとが、化学反応することによって過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させることによってウイルスの感染率を低下させる方法。
  8. 相対湿度が10%〜90%の条件下で実行されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とするウイルスの感染率を低下させる装置。
  10. 過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする請求項9記載のウイルスの感染率を低下させる装置。
  11. 空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として27万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とする請求項9記載のウイルスの感染率を低下させる装置。
  12. ウイルスの表面タンパク質を電気的衝撃および/または化学反応により変性ないし破壊させるための放電機構を有することを特徴とするウイルスの感染率を低下させる装置。
  13. 空気調節機構を備えていることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のウイルスの感染率を低下させる装置。
  14. 正イオンと負イオンとを空気中に送出する機構を有することを特徴とする病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置。
  15. 過酸化水素Hおよび/またはヒドロキシラジカル・OHを生成することを特徴とする請求項14記載の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置。
  16. 空気中の正負両イオンの濃度が、該正負両イオンの合計数として1000万個/m〜200億個/mの範囲内となるように正イオンと負イオンとを空気中に送出することを特徴とする請求項14記載の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置。
  17. 空気調節機構を備えていることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置。
  18. ウイルスの感染率を低下させる能力を併せ持つ請求項14〜17のいずれかに記載の病原性細菌および/または芽胞形成菌を殺菌する装置。
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