JP2004087550A - プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッチング溶液に従来の塩化第二鉄溶液を用いることができ、且つエッチングファクタを高めることができる導体層の構成及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10の両面に絶縁層15及び銅箔からなる金属層21を形成し、硫酸銅めっき浴に窒素含有の界面活性剤であるJanus Green Bなどの染料系化合物や、ポリエチレンベンジルイミンなどのイミン化合物等を添加して電解銅めっきを行い、金属層21上に窒素を0.01〜10ppmの範囲で含有させた所定厚の銅からなる金属層31を形成し、金属層21及び窒素を含有した金属層31からなる導体層40をパターニング処理して配線層40aを形成してプリント配線板100を得る。
【選択図】図2
【解決手段】絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10の両面に絶縁層15及び銅箔からなる金属層21を形成し、硫酸銅めっき浴に窒素含有の界面活性剤であるJanus Green Bなどの染料系化合物や、ポリエチレンベンジルイミンなどのイミン化合物等を添加して電解銅めっきを行い、金属層21上に窒素を0.01〜10ppmの範囲で含有させた所定厚の銅からなる金属層31を形成し、金属層21及び窒素を含有した金属層31からなる導体層40をパターニング処理して配線層40aを形成してプリント配線板100を得る。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は民生用、産業用電子機器に使用される高密度配線のプリント配線板に関し、特にプリント配線板の配線層に使用する導体層の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在プリント配線板は電子機器の高機能、高性能化に伴って高密度配線のプリント配線板が要求されている。フォトエッチング加工技術においては高精細化が重要な課題である。湿式エッチングにおける金属材料の溶出は基板に対して垂直方向だけでなく、水平方向にも進行するサイドエッチが発生し、エッチング断面は垂直ではなく山裾野型曲線となる(図4参照)。
【0003】
図3(a)〜(c)に、配線層形成工程の一例を示す。
絶縁基材11上の銅箔からなる導体層41上にレジストパターン51を形成して、導体層41をエッチングし、レジストパターンを剥離して配線層41a形成する。
配線層41aのエッチング状態は導体層41の厚みdをサイドエッチ量(水平方向のエッチング量:(W1−W2)/2)で割った値で示される「エッチングファクタ」で評価されることが多い(図3(c)参照)。
エッチングファクタ(Ef)=2d/(W1−W2)で表される。
フォトエッチング加工で高精細パターンを得るための課題は、いかにしてエッチングファクタ(Ef)を高める(サイドエッチング量を抑える)かにある。
【0004】
プリント配線板の銅箔をエッチングするエッチング溶液には、一般に塩化第二鉄溶液が用いられる。エッチングファクタ(Ef)を高めるために、スプレイ噴射により垂直方向への液の供給効率を高めるスプレイ法がよく用いられている。板厚の制御も行われているが板厚が厚くなると、エッチング深度が大きくなる分、サイドエッチング量が大きくなり、パターニング精度は悪くなるという問題点がある。
また、塩化第二鉄溶液以外のエッチング溶液を用いる方法としては、アンモニアアルカリ溶液を用い、エッチング生成物の銅アンミン錯体を耐食層として形成させる方法があるが、サイド面だけでなく全体に耐食層が形成されてしまうため、エッチング速度が遅くなってしまうという問題点がある。
また、酢酸−過酸化水素系溶液を用いる方法では、結晶面によってエッチング速度が大きく異なるため、エッチング速度の遅い結晶面をサイド面に作製してサイドエッチ量を抑える方法が検討されている。しかし、これらの溶液は塩化第二鉄溶液に比べ高価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、エッチング溶液に従来の塩化第二鉄溶液を用いることができ、且つエッチングファクタを高めることができる導体層の構成及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記問題点を解決するために、まず請求項1においては、導体層をパターニング処理して、絶縁基材上に少なくとも配線層を形成してなるるプリント配線板において、前記導体層(40)が結晶性の異なる少なくとも2種類の金属層(21)及び金属層(31)が積層状に構成されていることを特徴とするプリント配線板としたものである。
【0007】
また、請求項2においては、前記導体層(40)の最上層の前記金属層(31)は0.01〜10ppmの窒素を含有していることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板としたものである。
【0008】
また、請求項3においては、前記金属層(31)の厚みは前記導体層(40)の厚みの10〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板としたものである。
【0009】
さらにまた、請求項4においては、前記金属層(21)及び前記金属層(31)が銅からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)に本発明のプリント配線板の一実施例を示す構成断面図を、図1(b)に図1(a)のA部を拡大した配線層40aの拡大断面図を、図2(a)〜(f)に本発明のプリント配線板の製造方法を工程順に示す構成断面図をそれぞれ示す。
【0011】
請求項1に係るプリント配線板の発明では、配線層に使用する導体層40を図2(d)に示すように結晶性の異なる少なくとも2種類の金属層21及び金属層31を積層状に構成したもので、このような構成にすることにより、エッチング加工時のエッチング速度を変化させ、エッチングファクタを高める効果を狙ったものである。
【0012】
また、請求項2に係るプリント配線板の発明では、導体層40を構成している上層の金属層31中の窒素含有量を0.01〜10ppmにしている。
配線層をサブトラクティブ法で形成する場合に有効で、これは銅からなる金属層31に窒素を含有させるとエッチング速度が小さくなることを利用して、エッチングが進行してくる側の金属層31のエッチング速度を小さくする効果を狙ったものである。そうすることにより、従来のエッチングでパターン形成する場合よりもエッチングファクタを上げることができる。ここで、窒素含有量は0.01ppm以上でエッチング速度を小さくするに効果を示し、10ppm以上でもエッチング速度を小さくする効果は有するが、10ppm以上窒素を含有させた金属層は伸び率が減少し、抗張力が高くなるという問題を有し、金属層31中の窒素含有量は0.01〜10ppmの範囲が好適である。
【0013】
また、請求項3に係るプリント配線板の発明では、上層の金属層31の厚みが導体層40の厚みの10〜50%とすることで、サイドエッチ量を抑え、エッチングファクタを高める効果を狙ったものである。
【0014】
また、請求項4に係るプリント配線板の発明では、導体層40を構成している金属層21及び金属層31は銅金属からからなり、金属層31を電解銅めっきで形成する際に効果を有する。
【0015】
以下、本発明のプリント配線板の形成法について図2(a)〜(f)を用いて説明する。
まず、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を含浸させた絶縁基材11の両面に銅箔を積層した銅張積層板をスルーホール加工、パターニング処理して、絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10を作製する(図2(a)参照)。
【0016】
次に、プリプレグフィルム及び銅箔を積層して、コア基板10の両面に絶縁層15及び銅箔からなる金属層21を形成する(図2(b参照)。
さらに、金属層21の所定位置をレーザー加工にて孔開け加工して、ビア用孔22を形成する(図2(c)参照)。このビア用孔はコア基板10の配線層12a及び12bと上層に形成する配線層を絶縁層15を介してフィルドビアで電気的接続するためのフィルドビア形成用の孔である。
【0017】
次に、硫酸銅めっき浴に窒素含有の界面活性剤であるJanus GreenBなどの染料系化合物や、ポリエチレンベンジルイミンなどのイミン化合物等を添加して電解銅めっきを行い、金属層21上に窒素を0.01〜10ppmの範囲で含有させた所定厚の銅からなる金属層31及びビア用孔22にフィルドビア32を形成し、コア基板の絶縁層15上に金属層21上に金属層31が積層された導体層40を形成する(図2(d)参照)。
ここで、金属層31への窒素含有量は硫酸銅めっき浴に添加する添加剤と電解銅めっき条件でどの程度になるか、予め実験的にデータを収集しておく。
また、導体層40はフィルドビア32にてコア基板10の配線層12a及び12bと電気的に接続される。
【0018】
次に、導体層40上にドライフィルムを貼り合わせる等の方法で感光層を形成し、パターン露光、現像等のパターニング処理を行って、レジストパターン51を形成する(図2(e)参照)。
【0019】
次に、レジストパターン51をエッチングマスクにして導体層40を塩化第二鉄溶液にてエッチングし、レジストパターン51を専用の剥離液で剥離し、金属層パターン21a及び窒素を含有した金属層パターン31aからなる配線層40aを形成し、本発明の4層のプリント配線板100を得る(図2(f)参照)。ここでは、コア基板10の両面に配線層を形成した4層のプリント配線板について説明したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、上記絶縁層、導体層形成及びパターニング工程を繰り返すことにより、必要層数のプリント配線板を得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
まず、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を含浸させた絶縁基材11の両面に16μm厚の銅箔を積層した銅張積層板をスルーホール加工、パターニング処理して、絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10を作製した(図2(a)参照)。
【0021】
次に、コア基板10の両面にドライフィルム状ビルドアップ樹脂(プロビコート5000(商品名):日本ペイント(株)製)と20μm厚の銅箔を真空ラミネーターで貼り合わせ、加熱乾燥して絶縁層15及び金属層21を形成した(図2(b)参照)。
【0022】
次に、金属層21及び絶縁層15の所定位置をレーザー加工にて孔開け加工し、フィルドビア形成用のビア用孔22を形成した(図2(c)参照)。
【0023】
次に、硫酸銅70g/L、硫酸250g/L、塩酸50mg/Lの溶液に窒素含有の界面活性剤であるJanus Green B(C30H31ClN6)を40ppm添加した硫酸銅めっき浴にて電解銅めっきを行い、金属層21上に10μm厚の金属層31を形成した導体層40及びフィルドビア32を形成した(図2(d)参照)。電解銅めっき条件は、温度25℃、陰極電流密度1A/dm2とした。
【0024】
次に、金属層31表面を整面処理し、液状レジスト(PMER−N(商品名):東京応化工業(株)製)をスピンナーにて塗布、乾燥して7.5μm厚の感光層を形成した。さらに、パターン露光、現像等のパターニング処理を行って、金属層31の所定位置に幅30μm、間隔30μmのレジストパターン51を形成した(図2(e)参照)。
【0025】
次に、比重1.5g/cm3、温度50℃の塩化第二鉄溶液を用いて、レジストパターン51をエッチングマスクにして、導体層40をスプレイ法でエッチングし、3%水酸化ナトリウム水溶液にてレジストパターン51を剥離し、金属層パターン21a及び窒素を含有した金属層パターン31aからなる配線層40aを形成し、本発明の4層のプリント配線板100を得た(図2(f)参照)。
【0026】
上記プリント配線板100の配線層40aのエッチングファクタは2.7であった。また、金属層パターン31aをXPS(X線光電子分析装置)で組成分析した結果、窒素含有量は7ppmであった。
【0027】
<比較例>
コア基板10の両面にドライフィルム状ビルドアップ樹脂(プロビコート5000(商品名):日本ペイント(株)製)と30μm厚の銅箔を真空ラミネーターで貼り合わせ、加熱乾燥して、30μm厚の単一層の銅箔導体層を形成し、実施例と同様のエッチング条件でエッチングした結果、エッチングファクタは1.8となった。
【0028】
実施例と比較例の同一膜厚でのエッチングファクタを比較した結果、実施例では2.7、比較例では1.8となり、本発明のプリント配線板では、従来のエッチング条件で、エッチングファクタの大きい、高精度の配線層が得られることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
本発明のプリント配線板では、導体層を銅からなる金属層の2層構成とし、上層の金属層に0.01〜10ppmの窒素を含有させることにより、従来の同一膜厚の銅箔と比較してエッチングファクタを高めることができ、高密度、高精度の配線層を有するプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のプリント配線板の一実施例を示す模式構成断面図である。(b)は、(a)の配線層40aのA部を拡大した模式構成断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の一例を工程順に示す模式構成断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、配線層の形成工程を示す説明図である。
【図4】配線層のパターン形状の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10……コア基板
11……絶縁基材
12a、12b……配線層
15……絶縁層
21……金属層
21a……金属層パターン
22……ビア用孔
31……窒素を含有させた金属層
31a……金属層パターン
32……フィルドビア
40……導体層
40a……配線層
41……導体層
41a……配線層
51……レジストパターン
100……プリント配線板
W1……配線層のボトム幅
W2……配線層のトップ幅
d……導体層の厚さ
【発明の属する技術分野】
本発明は民生用、産業用電子機器に使用される高密度配線のプリント配線板に関し、特にプリント配線板の配線層に使用する導体層の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在プリント配線板は電子機器の高機能、高性能化に伴って高密度配線のプリント配線板が要求されている。フォトエッチング加工技術においては高精細化が重要な課題である。湿式エッチングにおける金属材料の溶出は基板に対して垂直方向だけでなく、水平方向にも進行するサイドエッチが発生し、エッチング断面は垂直ではなく山裾野型曲線となる(図4参照)。
【0003】
図3(a)〜(c)に、配線層形成工程の一例を示す。
絶縁基材11上の銅箔からなる導体層41上にレジストパターン51を形成して、導体層41をエッチングし、レジストパターンを剥離して配線層41a形成する。
配線層41aのエッチング状態は導体層41の厚みdをサイドエッチ量(水平方向のエッチング量:(W1−W2)/2)で割った値で示される「エッチングファクタ」で評価されることが多い(図3(c)参照)。
エッチングファクタ(Ef)=2d/(W1−W2)で表される。
フォトエッチング加工で高精細パターンを得るための課題は、いかにしてエッチングファクタ(Ef)を高める(サイドエッチング量を抑える)かにある。
【0004】
プリント配線板の銅箔をエッチングするエッチング溶液には、一般に塩化第二鉄溶液が用いられる。エッチングファクタ(Ef)を高めるために、スプレイ噴射により垂直方向への液の供給効率を高めるスプレイ法がよく用いられている。板厚の制御も行われているが板厚が厚くなると、エッチング深度が大きくなる分、サイドエッチング量が大きくなり、パターニング精度は悪くなるという問題点がある。
また、塩化第二鉄溶液以外のエッチング溶液を用いる方法としては、アンモニアアルカリ溶液を用い、エッチング生成物の銅アンミン錯体を耐食層として形成させる方法があるが、サイド面だけでなく全体に耐食層が形成されてしまうため、エッチング速度が遅くなってしまうという問題点がある。
また、酢酸−過酸化水素系溶液を用いる方法では、結晶面によってエッチング速度が大きく異なるため、エッチング速度の遅い結晶面をサイド面に作製してサイドエッチ量を抑える方法が検討されている。しかし、これらの溶液は塩化第二鉄溶液に比べ高価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、エッチング溶液に従来の塩化第二鉄溶液を用いることができ、且つエッチングファクタを高めることができる導体層の構成及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記問題点を解決するために、まず請求項1においては、導体層をパターニング処理して、絶縁基材上に少なくとも配線層を形成してなるるプリント配線板において、前記導体層(40)が結晶性の異なる少なくとも2種類の金属層(21)及び金属層(31)が積層状に構成されていることを特徴とするプリント配線板としたものである。
【0007】
また、請求項2においては、前記導体層(40)の最上層の前記金属層(31)は0.01〜10ppmの窒素を含有していることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板としたものである。
【0008】
また、請求項3においては、前記金属層(31)の厚みは前記導体層(40)の厚みの10〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板としたものである。
【0009】
さらにまた、請求項4においては、前記金属層(21)及び前記金属層(31)が銅からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)に本発明のプリント配線板の一実施例を示す構成断面図を、図1(b)に図1(a)のA部を拡大した配線層40aの拡大断面図を、図2(a)〜(f)に本発明のプリント配線板の製造方法を工程順に示す構成断面図をそれぞれ示す。
【0011】
請求項1に係るプリント配線板の発明では、配線層に使用する導体層40を図2(d)に示すように結晶性の異なる少なくとも2種類の金属層21及び金属層31を積層状に構成したもので、このような構成にすることにより、エッチング加工時のエッチング速度を変化させ、エッチングファクタを高める効果を狙ったものである。
【0012】
また、請求項2に係るプリント配線板の発明では、導体層40を構成している上層の金属層31中の窒素含有量を0.01〜10ppmにしている。
配線層をサブトラクティブ法で形成する場合に有効で、これは銅からなる金属層31に窒素を含有させるとエッチング速度が小さくなることを利用して、エッチングが進行してくる側の金属層31のエッチング速度を小さくする効果を狙ったものである。そうすることにより、従来のエッチングでパターン形成する場合よりもエッチングファクタを上げることができる。ここで、窒素含有量は0.01ppm以上でエッチング速度を小さくするに効果を示し、10ppm以上でもエッチング速度を小さくする効果は有するが、10ppm以上窒素を含有させた金属層は伸び率が減少し、抗張力が高くなるという問題を有し、金属層31中の窒素含有量は0.01〜10ppmの範囲が好適である。
【0013】
また、請求項3に係るプリント配線板の発明では、上層の金属層31の厚みが導体層40の厚みの10〜50%とすることで、サイドエッチ量を抑え、エッチングファクタを高める効果を狙ったものである。
【0014】
また、請求項4に係るプリント配線板の発明では、導体層40を構成している金属層21及び金属層31は銅金属からからなり、金属層31を電解銅めっきで形成する際に効果を有する。
【0015】
以下、本発明のプリント配線板の形成法について図2(a)〜(f)を用いて説明する。
まず、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を含浸させた絶縁基材11の両面に銅箔を積層した銅張積層板をスルーホール加工、パターニング処理して、絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10を作製する(図2(a)参照)。
【0016】
次に、プリプレグフィルム及び銅箔を積層して、コア基板10の両面に絶縁層15及び銅箔からなる金属層21を形成する(図2(b参照)。
さらに、金属層21の所定位置をレーザー加工にて孔開け加工して、ビア用孔22を形成する(図2(c)参照)。このビア用孔はコア基板10の配線層12a及び12bと上層に形成する配線層を絶縁層15を介してフィルドビアで電気的接続するためのフィルドビア形成用の孔である。
【0017】
次に、硫酸銅めっき浴に窒素含有の界面活性剤であるJanus GreenBなどの染料系化合物や、ポリエチレンベンジルイミンなどのイミン化合物等を添加して電解銅めっきを行い、金属層21上に窒素を0.01〜10ppmの範囲で含有させた所定厚の銅からなる金属層31及びビア用孔22にフィルドビア32を形成し、コア基板の絶縁層15上に金属層21上に金属層31が積層された導体層40を形成する(図2(d)参照)。
ここで、金属層31への窒素含有量は硫酸銅めっき浴に添加する添加剤と電解銅めっき条件でどの程度になるか、予め実験的にデータを収集しておく。
また、導体層40はフィルドビア32にてコア基板10の配線層12a及び12bと電気的に接続される。
【0018】
次に、導体層40上にドライフィルムを貼り合わせる等の方法で感光層を形成し、パターン露光、現像等のパターニング処理を行って、レジストパターン51を形成する(図2(e)参照)。
【0019】
次に、レジストパターン51をエッチングマスクにして導体層40を塩化第二鉄溶液にてエッチングし、レジストパターン51を専用の剥離液で剥離し、金属層パターン21a及び窒素を含有した金属層パターン31aからなる配線層40aを形成し、本発明の4層のプリント配線板100を得る(図2(f)参照)。ここでは、コア基板10の両面に配線層を形成した4層のプリント配線板について説明したが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、上記絶縁層、導体層形成及びパターニング工程を繰り返すことにより、必要層数のプリント配線板を得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
まず、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を含浸させた絶縁基材11の両面に16μm厚の銅箔を積層した銅張積層板をスルーホール加工、パターニング処理して、絶縁基材11の両面に配線層12a及び配線層12bを形成したコア基板10を作製した(図2(a)参照)。
【0021】
次に、コア基板10の両面にドライフィルム状ビルドアップ樹脂(プロビコート5000(商品名):日本ペイント(株)製)と20μm厚の銅箔を真空ラミネーターで貼り合わせ、加熱乾燥して絶縁層15及び金属層21を形成した(図2(b)参照)。
【0022】
次に、金属層21及び絶縁層15の所定位置をレーザー加工にて孔開け加工し、フィルドビア形成用のビア用孔22を形成した(図2(c)参照)。
【0023】
次に、硫酸銅70g/L、硫酸250g/L、塩酸50mg/Lの溶液に窒素含有の界面活性剤であるJanus Green B(C30H31ClN6)を40ppm添加した硫酸銅めっき浴にて電解銅めっきを行い、金属層21上に10μm厚の金属層31を形成した導体層40及びフィルドビア32を形成した(図2(d)参照)。電解銅めっき条件は、温度25℃、陰極電流密度1A/dm2とした。
【0024】
次に、金属層31表面を整面処理し、液状レジスト(PMER−N(商品名):東京応化工業(株)製)をスピンナーにて塗布、乾燥して7.5μm厚の感光層を形成した。さらに、パターン露光、現像等のパターニング処理を行って、金属層31の所定位置に幅30μm、間隔30μmのレジストパターン51を形成した(図2(e)参照)。
【0025】
次に、比重1.5g/cm3、温度50℃の塩化第二鉄溶液を用いて、レジストパターン51をエッチングマスクにして、導体層40をスプレイ法でエッチングし、3%水酸化ナトリウム水溶液にてレジストパターン51を剥離し、金属層パターン21a及び窒素を含有した金属層パターン31aからなる配線層40aを形成し、本発明の4層のプリント配線板100を得た(図2(f)参照)。
【0026】
上記プリント配線板100の配線層40aのエッチングファクタは2.7であった。また、金属層パターン31aをXPS(X線光電子分析装置)で組成分析した結果、窒素含有量は7ppmであった。
【0027】
<比較例>
コア基板10の両面にドライフィルム状ビルドアップ樹脂(プロビコート5000(商品名):日本ペイント(株)製)と30μm厚の銅箔を真空ラミネーターで貼り合わせ、加熱乾燥して、30μm厚の単一層の銅箔導体層を形成し、実施例と同様のエッチング条件でエッチングした結果、エッチングファクタは1.8となった。
【0028】
実施例と比較例の同一膜厚でのエッチングファクタを比較した結果、実施例では2.7、比較例では1.8となり、本発明のプリント配線板では、従来のエッチング条件で、エッチングファクタの大きい、高精度の配線層が得られることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
本発明のプリント配線板では、導体層を銅からなる金属層の2層構成とし、上層の金属層に0.01〜10ppmの窒素を含有させることにより、従来の同一膜厚の銅箔と比較してエッチングファクタを高めることができ、高密度、高精度の配線層を有するプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のプリント配線板の一実施例を示す模式構成断面図である。(b)は、(a)の配線層40aのA部を拡大した模式構成断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の一例を工程順に示す模式構成断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、配線層の形成工程を示す説明図である。
【図4】配線層のパターン形状の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10……コア基板
11……絶縁基材
12a、12b……配線層
15……絶縁層
21……金属層
21a……金属層パターン
22……ビア用孔
31……窒素を含有させた金属層
31a……金属層パターン
32……フィルドビア
40……導体層
40a……配線層
41……導体層
41a……配線層
51……レジストパターン
100……プリント配線板
W1……配線層のボトム幅
W2……配線層のトップ幅
d……導体層の厚さ
Claims (4)
- 導体層をパターニング処理して、絶縁基材上に少なくとも配線層を形成してなるるプリント配線板において、前記導体層(40)が結晶性の異なる少なくとも2種類の金属層(21)及び金属層(31)が積層状に構成されていることを特徴とするプリント配線板。
- 前記導体層(40)の最上層の前記金属層(31)は0.01〜10ppmの窒素を含有していることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
- 前記金属層(31)の厚みは前記導体層(40)の厚みの10〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
- 前記金属層(21)及び前記金属層(31)が銅からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269893A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Toppan Printing Co Ltd | 着色プリプレグ及びそれを用いた着色プリント配線板 |
KR100910877B1 (ko) | 2007-07-31 | 2009-08-06 | (주) 유니플라텍 | 연성 pcb용 전해 동 도금 첨가제 |
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-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002243078A patent/JP2004087550A/ja active Pending
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