JP2004086975A - 薄膜磁気ヘッド用基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミック基板上に成膜するアモルファスアルミナ膜のCu不純物量が多く、素子を形成する際にの膜厚を高精度に制御できない。
【解決手段】セラミック基板1の上面にアモルファスアルミナ膜2を成膜してなる薄膜磁気ヘッド用基板3であって、該アモルファスアルミナ膜2中のCu量が蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下とする。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン、テレビ等の記録装置であるハードディスクドライブやテープドライブ等に用いられる薄膜磁気ヘッド用基板およびその基板上のアモルファスアルミナ膜を成膜する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パソコン、テレビ等の記録装置であるハードディスクドライブやテープドライブ等には、磁気抵抗効果を用いたMR(磁気抵抗効果)ヘッドやGMR(巨大磁気抵抗効果)ヘッド等の薄膜磁気ヘッドが用いられている。
【0003】
かかる薄膜磁気ヘッドは、一般にAlとTiCを主成分とするセラミックからなる基板上に、アモルファスアルミナ膜をスパッタリング法にて成膜し、さらに多数の層からなる磁性膜によりMR素子やGMR素子を形成してなる。上記アモルファスアルミナ膜は、導電材であるセラミック基板との絶縁性を得るために形成されている。
【0004】
スパッタリング法は薄膜形成技術の一つであり、例えば光ディスクの記録層や誘電体層、反射層等を形成するのに用いられている。このスパッタリング法で薄膜を形成するには、図4(a)に示すようなスパッタ装置24を用いて行われ、真空槽25内に成膜材料となるアルミナ等のターゲット26を配し、薄膜を形成するために基板ホルダー27に備えたポケット内に装着したセラミック基板21とを対向するように配して構成されている。そしてこの真空槽25内にAr(アルゴン)等の不活性ガス31を導入し、ターゲット26とセラミック基板21との間に高圧を印加することで放電が生じアルゴンプラズマが発生する。その中のアルゴン正イオンは、ターゲット26表面へ高速で衝突し、ターゲット26の表面からターゲット粒子がはじき出され、セラミック基板21上に被着、堆積し、アモルファスアルミナ膜等のスパッタ膜が成膜される仕組みである。
【0005】
上記基板ホルダー27の各ポケットにおけるセラミック基板21の裏側には、スパッタ時の発熱によるセラミック基板21の劣化を防ぎ、かつ冷却効率を高めるため、重金属が塗布されている。そのため、この基板ホルダー27は上述の冷却効率およびポケット形状の加工性の観点からCuが採用されている。
【0006】
基板ホルダー27の外側には、プラズマを安定化させるためのステンレス製のプラズマ安定化治具33が配されており、これによりアルゴンプラズマが偏在することがないため、成膜ばらつきや膜特性を安定化する役割を果たしている。
【0007】
なお、この従来方法においては、図4(b)の部分拡大図に示すように基板ホルダー27の上面位置はプラズマ安定化治具33と上面位置とほぼ同位置の状態でスパッタされる。上面位置のずれは、具体的には±0.1mm程度である。
【0008】
また、基板ホルダー27とプラズマ安定化治具33との間は数mm程度の隙間があいているため、基板ホルダー27の外周エッジ部およびプラズマ安定化治具33の内周エッジ部は露出されている。
【0009】
このアモルファスアルミナ膜は、上述した磁性膜の磁化方向が乱れるのを防止するためにその表面をより平滑な面にすることが求められており、一般にケミカル・メカニカルポリッシング(以下CMPと略す)等で研磨加工する。得られるアモルファスアルミナ膜の表面粗度は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy;以下AFMと略す)で測定すると、算術平均粗さ(Ra)で3〜6Å程度、最大高さ(Rmax)で50Å程度である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
例えばGMRヘッド用素子は、上述したアモルファスアルミナ膜付きのセラミック基板上に、薄膜技術により磁性膜や電極膜、絶縁膜等を成膜、フォトリソグラフィ技術によってこれらを所定形状にエッチングすることにより作製される。
【0011】
GMR素子は数層の薄膜で形成されており、その構成の中にはCuを主成分とする薄膜が含まれている。このCuを主成分とする膜は、主に磁化固定磁性層と磁化自由磁性層の間で非磁性金属層(絶縁層)として用いられ、この膜厚はヘッド特性に影響を及ぼすことが知られており、この膜の厚み管理はX線による成分量検出によって管理を行う手法が取られている。
【0012】
現在の高記録密度化のニーズに伴い、この膜厚は更に薄くなっているため、セラミック基板に形成された他の膜中に含まれるCu不純物が、膜厚測定精度に大きく影響を及ぼすようになり、正確な膜厚制御が難しくなっている。
【0013】
ここで、Cu不純物とは、基板ホルダー27の材質であるCuが真空中でスパッタリングされ、膜中に含まれたものをいう。
【0014】
従来、上記図5に示すように基板ホルダー27の上面位置はプラズマ安定化治具33の上面位置とほぼ同位置にあり、それぞれのエッジ部は露出されているため、基板ホルダー27の外周エッジ部にも電荷がたまりやすく、スパッタ中にCuが飛散する量が多くなり、アモルファスアルミナ膜中のCu量が増加し、蛍光X線を用いたカウント比で0.050KCPS程度となり、膜中に含まれるCu不純物が膜厚測定精度に大きく影響を及ぼす恐れがあるため、正確な膜厚制御が困難となるという問題を有している。
【0015】
本発明は、上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、成膜中に含まれるアモルファスアルミナ膜のCu不純物量を極小にすることであり、成膜工程において高精度の膜厚制御が可能となる薄膜磁気ヘッド用基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の問題を解決するため、本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、セラミック基板の上面にアモルファスアルミナ膜を成膜してなる薄膜磁気ヘッド用基板であって、該アモルファスアルミナ膜中のCu量が蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下であることを特徴とする。
【0017】
また、上記アモルファスアルミナ膜の厚みが0.05〜6μmであることを特徴とする。
【0018】
さらに、上記セラミック基板をプラズマを安定させるプラズマ安定化治具
に挟持された基板ホルダーの凹部にその上面が該基板ホルダーの上面と同一面となるように保持し、セラミック基板上にプラズマを用いてターゲットを照射し、アモルファスアルミナ膜を成膜する薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法であって、上記基板ホルダー及びセラミック基板の上面が、上記プラズマ安定化治具の上面より低い位置に設けられていることを特徴とする。
【0019】
またさらに、上記基板ホルダー及びセラミック基板の上面が上記プラズマ安定化治具の上面より1〜5mm低いことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の薄膜磁気ヘッド用基板3の部分断面図を示すものであり、セラミック基板1上にアモルファスアルミナ膜2が成膜されている。
【0022】
上記セラミック基板1は、例えば図2(a)、(b)に示すようなオリエンテーション部を有する直径80〜200mmの円板状、または図2(c)に示すような一辺80〜150mmの角板状をなし、Al−TiC系セラミックから形成されており、例えば60〜80%のAlと20〜40%のTiCを主成分とする原料粉末に所定の有機溶剤、溶媒を添加混合して原料粉末を調整するとともに該原料粉末を、大気あるいは還元雰囲気中で約1600〜1800℃でホットプレスあるいはHIP処理することによって作製される。
【0023】
得られたセラミック基板1の表面には、アモルファスアルミナ膜2が成膜され、導電材料であるAl−TiC系セラミック基板1に絶縁性を持たせるとともに、この膜の表面を研磨加工して滑らかな面とし、その上面に磁性膜を積層して得られるGMRヘッドを形成するための下地膜等として用いられる。
【0024】
上記薄膜磁気ヘッド用基板3におけるアモルファスアルミナ膜2は、例えばRFスパッタリング法やECRスパッタリング法によって形成され、研磨代として規格寸法に約0.2〜0.3μm程度上乗せして成膜しておくのが好ましい。これは、Al−TiC系セラミック基板1にアモルファスアルミナ膜2をスパッタリング法によって成膜した直後のアモルファスアルミナ膜2の表面がAlとTiCの段差で凹凸面となっていたり、Al−TiC系セラミック基板1が反って平坦度が悪い場合でも、CMPによって研磨加工することで、面の凹凸を除いて平滑にしたり、平坦度を良くしたりすることができるためである。研磨代が0.2〜0.3μmより小さいと、1枚あたりにかかる研磨時間は短縮されるものの、平坦度の修正に必要な膜厚が足りなくなることがある。
【0025】
上記アモルファスアルミナ膜3中のCu量は、蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下であることが重要であり、薄膜磁気ヘッド用基板3を用いて、GMR素子等を形成する際の膜の厚みを高精度に制御することができる。
【0026】
これは、薄膜磁気ヘッド用基板3に数層の薄膜を形成してGMR素子等を作製した場合、その素子中にCuを主成分とする薄膜が含まれている。このCuを主成分とする膜の厚みは、一般に蛍光X線による成分量検出によって管理されており、GMR素子等を形成する前の薄膜磁気ヘッド用基板3におけるアモルファスの膜中にCu不純物が含まれると、このCu量を検出してしまい、Cuを主成分とする膜の厚みを高精度に測定することができない。
【0027】
また、上記アモルファスアルミナ膜2の厚みは、0.05〜6μmとすることが好ましい。これは、0.05μm未満であると耐電圧が不十分で絶縁特性が得られず、逆に厚みが6μmを超えると放熱性が低下するためである。
【0028】
なお、アモルファスアルミナ膜2の厚みは、光干渉法により算出する。これは、表面反射と裏面反射との間の光路差により生ずる位相のずれから膜厚みを求める方法である。本発明では、表面がアモルファスアルミナ膜表面、裏面がセラミック基板との界面にあたる。
【0029】
ここで、本発明の薄膜磁気ヘッド用基板3におけるアモルファスアルミナ膜2のスパッタリング成膜方法について具体的に説明する。
【0030】
図3(a)に示すように、スパッタ装置4は真空槽5内に薄膜の材料となるターゲット6と、基板ホルダー7に備えたポケット内に装着したセラミック基板1とを対向するように配して構成されている。
【0031】
基板ホルダー7の各ポケットにおけるセラミック基板1の裏側には、スパッタ時の発熱によるセラミック基板1の劣化を防ぎ、かつ冷却効率を高めるため、重金属が塗布されている。また、基板ホルダー7の材質としては、上述の冷却効率およびポケット形状の加工性の観点からCuが採用されている。
【0032】
なお、基板ホルダー7の上面とセラミック基板1の上面は同一面となるようポケットの深さはセラミック基板1の厚みと等しくなるように形成され、セラミック基板1上に形成される膜の厚みのバラツキを防止する。
【0033】
また、基板ホルダー7の外側には、プラズマを安定化させるためのステンレス製のプラズマ安定化治具13が配されており、これにより成膜ばらつきや膜特性を安定化する役割を果たしている。
【0034】
そして、基板ホルダー7のポケットにセラミック基板1を装着した状態で、真空槽5内に例えばAr等の不活性ガス11を導入し、ターゲット6とセラミック基板1との間に高圧を印加することで放電を起こしてプラズマを生成し、そのプラズマ中のイオンによってターゲット6をスパッタし、基板ホルダー7のポケットに装着したセラミック基板1の上に、スパッタによってターゲット6から叩き出されたスパッタ粒子を堆積させる。この時、成膜時の放電状態を安定化させるために、放電開始後しばらくの間はシャッター8を閉めたままにしてプリスパッタを行い、放電が安定した後にシャッター8を開いて成膜を開始する。
【0035】
所定時間が経過した後、再びシャッター8を閉じて成膜を終了する。スパッタ時のセラミック基板1へのゴミ付着が主に起因して、膜中には多くの欠陥が発生しやすいので、スパッタリング装置内でArイオンエッチング処理を行うことで、そのゴミを飛ばすのが好ましい。
【0036】
ここで、図3(b)の部分拡大図に示すように、上記基板ホルダー7及びセラミック基板1の上面位置Cはプラズマ安定化治具13の上面位置Dよりも低くすることが好ましい。これにより、得られた薄膜磁気ヘッド用基板3のアモルファスアルミナ膜中のCu量が蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下とすることができ、上述のように薄膜磁気ヘッド用基板3にGMR素子を形成するためのCuを主成分とする膜の厚みを正確に管理することができるので、高品質のGMRヘッドを安定して生産することが可能となる。
【0037】
上記基板ホルダー7の上面位置Cを調節するには、固定台15の高さを変更することによって調節することが好ましいが、基板ホルダー7自体の厚みを薄くすることによって実質的にプラズマ安定化治具13の上面位置を高くしてもよい。両者の上面位置に段差を設けて成膜することにより、基板ホルダー7の外周部で集中的に発生するスパッタリングを低減させることができ、Cu不純物の発生が抑制される。
【0038】
上述のように、基板ホルダー7の上面位置Cがプラズマ安定化治具13の上面位置Dより低く構成されていると、基板ホルダー7の外周エッジ部が露出しないため、同一高さとしている場合よりスパッタ時に上記エッジ部に電荷がたまりにくく、Cuの飛散量が少なくなるためであり、アモルファスアルミナ膜中のCu量を減少させることができる。一方、基板ホルダー7の上面位置Cがプラズマ安定化治具13の上面位置Dより高いと、Cu製の基板ホルダー7のエッジ部がさらに露出されるため、プラズマ安定化治具13と同位置の時よりもアモルファスアルミナ膜2中のCu不純物量が増加してしまうためである。このCu不純物とは、基板ホルダー7の材質であるCuが真空中でスパッタリングされ、膜中に含まれたものをいう。基板ホルダー7の表面は従来通り同装置を用いてアモルファスアルミナ膜2を成膜したものを用いる。
【0039】
さらに、基板ホルダー7の上面位置Cは、プラズマ安定化治具13の上面位置Dより1〜5mm低いことがより好ましい。段差14が大きすぎると、プラズマ密度が減少してスパッタレートが減少し、生産性に悪影響を及ぼしてしまう。
【0040】
なお、上記アモルファスアルミナ膜2中のCu量の測定方法は、測定対象であるアモルファスアルミナ膜2は透明体であり、上述したように0.05〜6μmという厚みであるため、これだけを選択して定量分析することは非常に困難である。また、アルカリに溶解しやすい性質を利用して、溶液を作って分析する方法も考えられるが、その際にCu量が変動するおそれがあり、かつ非常に手間がかかるため適さない。そこで、簡易的に測定する方法として蛍光X線分析(XRF)を用いた手法があげられる。
【0041】
これは、アモルファスアルミナ膜2に一定強さのX線を照射し、一定時間内に発生したCu固有の蛍光X線の検出強さを指数で表し、このカウント数を比較する方法であり、上記Cu量のX線カウント比の単位KCPSとはキロカウント/秒を意味し、1秒あたりのカウント数の比を示すものである。
【0042】
以上のように、プラズマ安定化治具13とセラミック基板1を保持する基板ホルダー7との段差をつけて、基板ホルダーの上面位置を低くして成膜したセラミック基板1上のアモルファスアルミナ膜2は、膜中のCu量を低減することができる。これは、上述の蛍光X線分析によれば、Cu不純物量を0.04KCPS以下にすることができるものであり、GMR素子を形成するためのCuを主成分とする膜の厚みを正確に管理することができるので、高品質のGMRヘッドを安定して生産することが可能となる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0044】
出発原料としてアルミナAl(純度99.9重量%、平均粒子径0.4μm)とチタンカーバイドTiC(純度99.5重量%、平均粒子径0.3μm)を使用し、アルミナが70重量%、チタンカーバイドが30重量%の比率となるように秤量し、その中にチタンカーバイドに対して約10重量%の酸化チタンを添加後、アルミナボールにて混合した。その後、この混合粉末を成形し1600℃、25MPaの圧力で1時間ホットプレス焼成した。
【0045】
このようにして作製したAl−TiC焼結体をダイヤモンドホイールによって直径150mm、厚み2mmの円板状の基板に研削加工した後、ダイヤモンド砥粒を用いて表面にラッピング加工を行った。次に、平均粒子径1.0μmのダイヤモンドパウダーを用いて、基板表面と研磨盤を相対的に摺動させて精密研磨を行い、セラミック基板の表面粗度を算術平均粗さ(Ra)で6〜15Åとした。
【0046】
次に、純度99.5重量%のアルミナターゲットを用いて、図3に示すスパッタ装置を用いて、基板ホルダー及びセラミック基板の上面位置と、プラズマ安定化治具の上面位置を表1に示す如く変化させ、セラミック基板上にそれぞれ厚み約0.1μm、3μm、5.5μm、7μmのアモルファスアルミナ膜を成膜した。
【0047】
そして、得られた薄膜磁気ヘッド用基板におけるアモルファスアルミナ膜中のCu量を測定するため、アモルファスアルミナ膜にフィリップス社製PW1404型の装置を用いてX線(強さ:X線管電圧50kV、管電流40mA 時間:200秒)を照射し、Cu固有の蛍光X線の検出強さを指数で表し、このカウント数を比較した。
【0048】
なお、表1における基板外周部とは基板外周の任意の位置で、基板中央部とは外周から幅10mm内側に入った範囲の任意の位置で、それぞれ20mmに切り出した部分を測定したことを示す。
【0049】
また、段差を示す値が正値の場合は、基板ホルダーの上面位置がプラズマ安定化治具の上面位置よりも高いことを示す。負値の場合は、基板ホルダーの上面位置がプラズマ安定化治具の上面位置よりも低いことを示す。
【0050】
結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 2004086975
【0052】
表1に示すように、基板ホルダーをプラズマ安定化治具より低くすることで、段差をつけない従来の方法および基板ホルダーをプラズマ安定化治具よりも高くする方法に比べてCu量を大幅に低減することができた。
【0053】
ところが、基板ホルダーの位置をプラズマ安定化治具よりも6mm以上低くすると、ターゲットとの間隔が広がってプラズマ密度が低下し、成膜レートが遅くなり、生産性が悪化することが判明した。つまり、段差を0〜5mmの範囲とすることで生産性を落とすことなく、Cu不純物量低減の効果が得られる。
【0054】
なお、こうして得られたアモルファスアルミナ膜の表面を、片面ラップ装置にて研磨液と研磨パッドを用いて、約0.5μm研磨して平滑化したところ、面粗さや膜の密着強度等の各特性は従来通りであり、これまで通りの要求レベルを満たすことができた。
【0055】
【発明の効果】
本発明の薄膜磁気ヘッド用基板によれば、アモルファスアルミナ膜中のCu量を蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下であることから、薄膜磁気ヘッド用基板にGMR素子等を形成する際に用いられるCuを主成分とする膜の厚みを正確に管理することができ、高品質のGMRヘッドを安定して生産することが可能となる。
【0056】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法によれば、セラミック基板を保持する基板ホルダーの上面位置をプラズマ安定化治具の上面位置よりも低くして、セラミック基板上にアモルファスアルミナ膜を0.05〜6μm成膜してなることから、アモルファスアルミナ膜中に含まれるCu不純物量を大幅に低減することができ、膜厚管理の極めて高い薄膜磁気ヘッド用基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板の要部拡大断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の薄膜磁気ヘッド用基板におけるセラミック基板を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法に用いるスパッタ装置の構成を示す正面断面図であり、(b)はその部分拡大断面図である。
【図4】(a)は従来の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法に用いるスパッタ装置の構成を示す正面断面図であり、(b)はその部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1:セラミック基板
2:アモルファスアルミナ膜
3:薄膜磁気ヘッド用基板
4:スパッタ装置
5:真空槽
6:ターゲット
7:基板ホルダー
8:シャッター
9:回転機構
10:ガス導入口
11:不活性ガス
12:排気口
13:プラズマ安定化治具
14:段差
15:基板ホルダー固定台

Claims (4)

  1. セラミック基板の上面にアモルファスアルミナ膜を成膜してなる薄膜磁気ヘッド用基板であって、該アモルファスアルミナ膜中のCu量が蛍光X線カウント比で0.04KCPS以下であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド用基板。
  2. 上記アモルファスアルミナ膜の厚みが0.05〜6μmであることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド用基板。
  3. 上記セラミック基板をプラズマを安定させるプラズマ安定化治具に挟持された基板ホルダーのポケットにその上面が該基板ホルダーの上面と同一面となるように保持し、セラミック基板上にプラズマを用いてターゲットを照射し、アモルファスアルミナ膜を成膜する薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法であって、上記基板ホルダー及びセラミック基板の上面が、上記プラズマ安定化治具の上面より低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法。
  4. 上記基板ホルダー及びセラミック基板の上面が上記プラズマ安定化治具の上面より1〜5mm低いことを特徴とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法。
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