JP2006066057A - 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体並びに磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体並びに磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、従来と同等以上の記録再生特性を確保しつつ、トラック密度を大幅に増加させ、ひいては面記録密度を増加させようとすることを目的とする。
【解決手段】 本発明は、成膜装置10内に、非磁性基板11、ターゲット材12、マグネット板21を平行に配置し、ターゲット材には高周波電圧を印加し、マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、ターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、その製造方法、および前記磁気記録媒体を備えた磁気記録装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特に、MRヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)、およびPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)、TMRヘッド(トンネル磁気抵抗型ヘッド)なども導入され1年に約100%ものペースで増加を続けている。
これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために、磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(SN比)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられており、最新の磁気記録装置においてはトラック密度110kTPIにも達している。
しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となり、SN比を損なうという問題が生じやすくなる。このことは、そのままビットエラーレート(Bit Error rate)の低下につながるため、記録密度の向上に対して障害となっている。
また、トラック間距離が近づくために、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されると同時に、記録を幅広く実行し、再生は隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために、記録時よりも狭い幅で再生を実行する方法が一般的に用いられている。この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分に得ることが困難であり、そのために十分なSN比を確保することが難しいという問題がある。
このような問題を解決する方法の1つとして、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的に分離することによってトラック密度を上げようとする試みがなされている。このような技術を以下にディスクリートトラック法と呼ぶ。
ディスクリートトラック法には、何層かの薄膜からなる磁気記録媒体を形成した後にトラックを形成する方法と、あらかじめ基板表面に直接、あるいはトラック形成のための薄膜層に凹凸パターンを形成した後に、磁気記録媒体の薄膜形成を行う方法とが知られている。これらのうち、後者の方法をプレエンボス法と呼称することができる。このプレエンボス法は、媒体表面に対する物理的加工が媒体形成前に完了するため、製造工程が簡略化でき、かつ媒体が製造工程において汚染しにくいという利点があるが、プレエンボス加工で形成された凹凸形状が、媒体成膜時に薄膜が凹凸面のあらゆる方向に成長するがためにうまく保たれず、微細トラックピッチの場合にはトラック同士の物理的分離が困難であるという問題点があった。
特開2001−274143号公報 特開2002−15418号公報
本発明は、トラック密度の増加に伴い、従来技術では技術的困難に直面している磁気記録装置において、従来と同等以上の記録再生特性を確保しつつ、トラック密度を大幅に増加させ、ひいては面記録密度を増加させようとするものである。
本発明は特に、プリエンボスタイプのディスクリートトラック磁気記録媒体において、成膜後もトラックの凹凸形状を保存し、有用なディスクリートトラック型磁気記録媒体を供することを目的とする。
本発明は、ディスクリートトラック型磁気記録媒体の製造方法において、薄膜形成の際に、ターゲットからスパッタされて放出される粒子を基板に対して垂直に入射させることにより、薄膜を物理的に分離された不連続なトラックから形成し、隣接トラックからの磁気的影響を完全に排除し、トラック密度の増加を容易なさしめ、ひいては磁気記録媒体の面記録密度を向上させようとするものである。
すなわち本発明は以下に関する。
(1)本発明は、非磁性基板の少なくとも一方の表面に、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成したディスクリート型磁気記録媒体の製造方法であって、成膜装置内に、前記非磁性基板、該非磁性基板の両面にターゲット材、該ターゲット材の反基板側にマグネット板をそれぞれ平行に配置し、前記ターゲット材には高周波電圧を印加し、前記マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、成膜装置内にスパッタリングガスを導入してターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、前記非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成することを特徴とする。
本発明において、前記成膜装置内に配置した前記非磁性基板の近傍におけるプラズマ密度を1×1011/cm以上とすることができる。
本発明において、前記非磁性基板に高周波電圧バイアスを印加することを特徴とする。
本発明において、前記ターゲット材に高周波電圧に加え、さらに、直流電圧を印加しても良い。
本発明において、前記ターゲット材に加える高周波の周波数が、前記非磁性基板に加える高周波の周波数より高いことが好ましい。
本発明において、前記マグネット板を回転させることを特徴とするものでも良い。
本発明において、前記非磁性基板が少なくとも一方の表面に直接凹凸を形成したもの、あるいは少なくとも一方の表面に形成した薄膜上に凹凸を形成したものであることを特徴とするものでも良い。
本発明において、請求項1〜7の何れか1項に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体。
本発明において、請求項8に記載の磁気記録媒体と、この磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせてなる磁気記憶装置とする。
本発明によれば、工業的に利点の多いプレエンボス法を用いたディスクリートトラック磁気記録媒体において、優れたトラック分離性能を有し、隣接トラック間の信号干渉の影響を受けず、高記録密度特性に優れた磁気記録媒体を供することができる。
本発明のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法を具体的に説明する。
使用される磁気記録媒体の磁性膜の構成は現在広く用いられているものにおいて、いずれのものでも適用することができ、本発明の不連続トラックの形成プロセスに磁性膜の構成が影響を与えることはない。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、面内磁気記録媒体、垂直磁気記録媒体を問わない。また、本発明の磁気記録媒体に使用される非磁性基板としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。これらの中でもAl合金基板や結晶化ガラス等のガラス製基板を用いることが好ましい。
磁気ディスクの製造工程においては、まず、基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確保する見地からも、その形成前に洗浄、乾燥を行うことが望ましい。また、本発明を適用する基板サイズも特に限定するものではない。
本発明ではこの基板の表面に、トラック間距離に合わせて設計された凹凸を形成後、表面に磁性層等を形成し磁気記録媒体を製造する。具体的には図1に示すように以下の方法を用いることができる。
1)基板1の表面に凹凸を形成するための薄膜層(以下、プレエンボス層と呼称する。
)2を形成する(図1(a)参照)。
2)前記1)の工程で形成したプレエンボス層2の表面に、所望のトラック間距離にあわせて設計された凹凸を表面に形成した金属製の型(スタンパー)を密着させ、高圧でプレスすることにより、前述の基板表面のプレエンボス層2の表面にトラック形状の凹凸部3を形成させる(図1(b)参照)。この凹凸部3は例えば基板1が円盤状である場合、その表面に平面視的に同心円状あるいは螺旋状に形成される。
ここで凹凸部3として例えば、パーソナルコンピュータ等の磁気記録再生装置に適用される円盤状の磁気記録媒体に形成される凹凸部の場合、凹部3aの幅0.2〜0.05nm程度、凸部3bの幅0.05〜0.2nm程度、深さ0.05〜0.15nm程度が選択されるが、これらの値は現状の記録密度の磁気記録媒体において適用される範囲の一例であって、これらに本発明が制限されるものではない。
3)前記2)の工程で形成した凹凸部3を有する基板1の上に、非磁性下地層、磁性層等からなる記録層5を成膜する(図1(c)参照)。ここで凹凸部3の上に堆積させる記録層5の膜厚と凹凸部3の段差の大小関係から、凹凸部3の段差が大きい場合は凹凸部3の段差部分の内壁にはステップカバレージの関係で記録層5の付着量が少なくなるので、図1(c)に示すように、凹凸部3のうちの凹部(溝)3aの底部と凸部3bの頂上部を主体として記録層5が積層される。ここで用いられる磁性層5は磁性層単体層あるいは磁性層自体が複数層の積層構造であるもの、あるいは中間層や複数の機能を有する層の複合体としての多層構造の記録層などを適用できるが、記録層5の全体として厚さ0.02〜0.20nm程度の範囲を選択できる。
4)前記記録層5の上にSiO等の非磁性層8を堆積させ、トラックとトラックの間に形成された極めて細長い凹部3aに該非磁性物質を充填させる(以下、埋め込みプロセスと称する)。このとき磁気記録媒体表面の凹部(溝)3aの奥までこの非磁性物質を充填させて凹部3aの内部を非磁性充填部9とする(図1(d)参照)。
5)その後、ポリッシュまたはドライエッチングなどの手法により非磁性層8の表面を平滑化する(以下、平滑化プロセスと呼ぶ。)(図2(a)〜(b)参照)。
ここで非磁性層8を平滑化した場合、図2(b)に示すように凸部3b(図1(c)参照)の上に位置する記録層5の上に積層されていた非磁性層8を全て除去し、凹部3aの内部に充填されている非磁性物質のみが残留して非磁性充填部9が残存した状態とすることが好ましい。
6)その後、保護膜4を成膜する(図2(c)参照)。図2(c)に示す状態では、円盤状の基板とした場合は平面視螺旋状あるいは同心円状の凹部3aの内部に沿って非磁性充填部9が残存した形状とされる。
なお、前記1)〜2)のプロセスの代わりに、基板に直接スタンパーを密着させ、高圧でプレスすることにより、基板表面にトラック形状の凹凸部を形成し、ここから図1(c)〜図2(c)に示したものと同等のプロセスを施しても良い。その場合、基板に直接形成した凹部に非磁性充填部が形成されてなる構成となる。
本発明では前述の3)および4)のプロセスで採用する成膜装置として、例えば図3に示すように、チャンバ10内に、起立した状態の非磁性基板11を収容自在に構成し、非磁性基板11の両面側にターゲット材12、12、これらターゲット材12の反基板側にマグネット板21をそれぞれ平行に配置可能であり、ターゲット材12には高周波電圧を印加できるように高周波電源22が接続自在とされた構成の成膜装置Aを用いることができる。
また、図3の装置構成では、前記非磁性基板11には、高周波電圧のバイアスを印加するためのバイアス電源23が接続され、ターゲット材12に、高周波電圧に加えて、直流電圧を印加できるように構成されているが、このバイアス電源23は略しても良い。
そして、図3に示す構成の成膜装置Aのチャンバ10には、スパッタリングガス13の導入用のバルブ付き導入管15が接続され、更にチャンバ10の内部を真空ポンプに接続するためのバルブ付き排気管16が接続されてチャンバ10の内部を減圧可能に構成されている。
この例の成膜装置Aでは、チャンバ10の内部を規定の圧力に減圧するとともに、スパッタリングガス13を導入管15から導入してターゲット材12の周囲にプラズマを発生させ、チャンバ10の内部に収容した非磁性基板11にスパッタリング法により薄膜を形成する。
この例では非磁性基板11に、5MHz〜400MHzの範囲内の高周波電圧バイアスをバイアス電源23から加えることが好ましく、ターゲット材12に印加する高周波電圧は、非磁性基板11に印加するバイアスより高い周波数を加えることが好ましい。
例えば、非磁性基板11に13.56MHzの高周波を加えた場合は、ターゲット材12、12には60MHzの高周波を印加するのが好ましい。
マグネット板21はターゲット材12の背面側に配置されており、その働きはマグネトロンスパッタリングの場合と基本的に同じである。
マグネット板21の表面には、例えば図4に示すように、小さいマグネットMが碁盤目状に、交互に異なる極性となるように等間隔で密に配置されており、これらのマグネットMからの磁束の分布が細かく複雑になっている。
これらのマグネットMは成膜装置Aのターゲット材12の部分に細かな磁界を生じさせるため、ターゲット材12の近傍において高い磁界強度を生成し、高いプラズマ密度をもたらす。よって、高いイオン密度で、均一なスパッタ粒子をターゲット材12から放出させることができる。また、このようにして配置したマグネットMを有するマグネット板21を成膜時に回転させることで、より均一な膜堆積を得ることができる。
本発明では、このようなきめの細かい複数のマグネットMにより発生される磁界と、ターゲット材12に印加された高周波電圧により、より多くの粒子をイオン化させることができ、通常のスパッタリング法では達成できない優れた膜被覆率、指向性を得ることができる。よって、基板面やプレエンボス層表面にあらかじめ形成した細い凹部(溝)の形状をほぼそのまま保存した形で薄膜層を積層させることが可能となる。
本発明のマグネット板で用いる小さいマグネットは、例えば5mm〜30mm程度の大きさのものが好ましく、その断面形状は四角でも円でもかまわない。これらの小さいマグネットを、0mm〜20mm程度の間隔で、交互に異なる極性を碁盤目状に、等間隔で配置する。
前記2)のプロセスで用いられるスタンパーは、例えば、金属プレートに電子線描画などの方法を用いて微細なトラックパターンを形成したものが使用でき、材料としてはプロセスに耐えうる硬度、耐久性が要求される。例えば、スタンパーの構成材料としてNiなどを使用できるが、前述の目的に合致するものであれば構成材料は特に問わない。スタンパーには、通常のデータを記録するトラックの他に、バーストパターン、グレイコードパターン、プリアンブルパターンといったサーボ信号のパターンも形成することが可能である。
前記4)の埋め込みプロセスでは非磁性物質を、例えばドライプロセスにより充填することができる。代表的な材料はSiOなどであるが、非磁性の材料でかつ磁気記録媒体としての性能を損なわないものであればこれに限らない。この埋め込みプロセスでは、極めて細く深い凹部(溝)に均一に該非磁性材料を充填する必要がある。この埋め込みプロセスが正確になされないと、トラック間の磁気的相互作用が十分遮断されず、十分な記録再生特性を期待できない。また、隙間の部分が酸素などのガスと接触し耐食性に悪影響を及ぼす懸念がある。
そこで本発明に係る成膜装置A並びにスパッタリング方法を用いることにより、非磁性物質を高充填率で凹部3aに埋め込み成膜することが可能となる。
前記5)の平坦化プロセスでは、埋め込みプロセス後に生ずる膜表面の凹凸を、磁気記録媒体として十分なレベルまで平滑にする。この手段としては例えば、Chemical mechanical polish(CMP)、Ion Bean Etching(IBE)などを用いることができる。また、磁気記録媒体の性能を損なわず、磁気記録媒体表面を十分平滑に加工できる限りにおいては、いかなる手法を用いても本発明の効果には支障がない。
また、磁気記録再生時のことを考慮すると、磁気ヘッドのヘッド浮上量ができるだけ小さいことが、高密度磁気記録の実現には有効であり、また、これら基板の特徴の1つが、優れた表面平滑性にあることから、磁気記録媒体においては基板の表面粗さ(Ra)は、1nm以下、さらには0.5nm以下であることが好ましく、中でも0.1nm以下であることが好ましい。
前記6)のプロセスでは保護膜を形成する。一般的にはダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon)の薄膜をP−CVDなどの成膜法を用いて成膜するが、手法はこの限りではない。
この発明で用いる保護膜4は一般的に磁気記録媒体保護膜として使用されているものと同じと考えてよい。保護層4としてこの他、C、水素化C、窒素化C、アルモファスC、SiC等の炭素質層やSiO、Zr、TiNなど、通常用いられる保護層材料を適宜用いることができる。また、保護層が2層以上の層から構成されていてもよい。
この発明で用いる保護層4の膜厚は1〜10nm、特に好ましくは1〜5nmであり、耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定することが好ましい。
この保護層4の上には潤滑層を形成することが好ましい。潤滑層に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられ、通常1〜4nmの厚さで潤滑層を形成する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は別のディスクリートトラック方式の磁気記録媒体の製造方法にも適用できるので、以下にそのプロセスの一例について説明する。
1)基板上に通常の方法により磁性膜等を成膜し磁気記録媒体を製造する。
2)磁気記録媒体表面にレジストを塗布する。必要に応じて焼成を行い余分な有機溶剤等を除去する。
3)所望のトラック間距離にあわせて設計された凹凸を表面に形成されたスタンパーを前記2)のプロセスで得られた媒体表面に密着させ、高圧でプレスすることにより媒体表面のレジストに、トラック形状の凹凸を形成させる(以下、インプリントプロセスと呼ぶ)。
4)その磁気記録媒体について、ドライエッチング、反応性イオンエッチングなどの手法を用いて、表面のレジスト、保護膜、磁性層の一部を剥ぎ取る。これの結果、前記3)で形成されたトラックの凹凸に沿った磁気記録媒体の凹凸が残ることになる(以下、エッチングプロセスと呼ぶ)。
5)この上からSiOなどの非磁性物質をスパッタリングなどの手法を用いて堆積させ、トラックとトラックの間に形成された極めて細長い溝に該非磁性物質を充填させる。
6)その後、ポリッシュまたはドライエッチングなどの手法により表面に残る凹凸を平滑化する。
7)最後に再び保護膜を成膜する。
本発明のスパッタリング方法を前記5)のプロセスに用いることにより磁気記録媒体表面に形成した凹部の奥底の部分まで、非磁性物質を充填させることが可能となり、トラック間の磁気的相互作用が遮断された電磁変換特性の優れた磁気記録媒体を確実に精度良く製造することが可能となる。
本発明の磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせることにより記録密度の高い磁気記憶装置を製造することが可能となる。
このように媒体の記録トラックを物理的に不連続に加工したことによって、従来トラックエッジ部の磁化遷移領域の影響を排除するために再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くして対応していたものを、ほぼ両者同じ幅にして動作させることができる。これにより十分な再生出力と高いS/N比を得ることができる磁気記録媒体を提供できる。
さらに、上述の磁気ヘッドの再生部をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記憶装置を実現することができる。
また、この種の磁気ヘッドの浮上量を0.005μm〜0.020μmと従来より低い高さで浮上させると、出力が向上して高い装置S/N比が得られ、大容量で高信頼性の磁気記憶装置を提供することができる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせるとさらに記録密度を向上させることができ、例えば、トラック密度100kTPI以上、線記録密度1000kbpI以上、1平方インチ当たり100Gビット以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なS/Nが得られる。
HD用ガラス基板をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板は、LiSi(%)、Al+KO(%)、MgO+P(%)、Sb+ZnO(%)を成分とする結晶化ガラスを材質とし、表面粗さ(Ra):5Å、外径65mm、内径20mmの円盤状である。
該基板にプレエンボス層として通常のスパッタリング法を用いてSiO膜を200nmの膜厚で成膜した。
次に、あらかじめ用意していたNi製スタンパーを用いてインプリントを施した。スタンパーはトラックピッチ(Track pitch)が60nm、100nm、200nmの3種を用意した。グルーブ(溝型の凹部)の深さはいずれも20nmに調整した。それぞれのスタンパーについて2枚ずつ計6枚についてインプリントを実施した。
これらの基板のうち、各トラックピッチ(Track pitch)から各1枚選択し、計3枚を約250℃に加熱し、NiAl層、CrMo層、CoCrPt層、CoCr0BPt層、C保護層、フッ素系潤滑材の順に薄膜を積層した。成膜はすべてDCスパッタリング法を用いて行い、基板へのバイアス電圧印加は行わなかった。また、成膜時のアルゴンガス分圧は約7.0×10−1Paに設定した。
最終的に得られた層構成は、上からC/CoCrBPt/CoCrPt/CrMo/NiAl/基板とした。このうち、CoCrPt層の組成はCo−42Cr−2Pt[原子%]と設定した。それぞれの層の膜厚は、NiAl層(層厚、600Å)、CrMo層(層厚、100Å)、CoCr0BPt層(層厚、250Å)、C(層厚、50Å)とした。これらのサンプルをそれぞれ比較例1,2,3とする。
同様にこれらの基板のうち、各トラックピッチ(Track pitch)から各1枚、計3枚を選択し、これらについては本発明のスパッタリング方法で成膜した。
ここで用いたスパッタリングプロセスでの電極の大きさは、直径420mmの円形であり、電極全体に大きさ10×10×12mm、磁極近傍での磁束密度12.1kGのNd−Fe−B磁石をお互いの距離40mm間隔で格子状に配置したものとした。このとき磁極の向きは、隣接する磁石どうしが逆向きになるようにした。また、電極に対して60MHzのRF電源を接続し、1000Wの電力を印加した。Ar分圧は1.3Paに調整した。このときのプラズマ密度は、基板近傍において約1.0EIIcm−3になっていることは別途本発明者らが試験した結果として知見している。
プロセスはできるだけ上記にならい、基板を約250℃に加熱し、NiAl層、CrMo層、CoCrPt層、CoCr0BPt層、C保護層、フッ素系潤滑材の順に薄膜を積層した。成膜はすべて本発明のスパッタリング方法を用いた。
即ち、Arガス圧は6Pa、ターゲットへのRF印加は1.5kW、DCバイアスは100Wとした。基板にはバイアスを印加しなかった。成膜した合金組成、膜厚の条件は上記比較例1〜3と同等とした。作製した磁気記録媒体を実施例1,2,3とする。
ここで比較例1〜3、実施例1〜3を取り出し、再び高真空チャンバにセットし、RFスパッタ法を用いてSiO膜の非磁性層を堆積させた。SiOの非磁性層の平均膜厚は300Åになるように調整した。
さらにイオンビームエッチングを用いて表面平滑化を試みた。あらかじめ1×10−4Paまで排気した真空チャンバ内に各サンプルを入れ、分圧が5PaになるようにArガスを導入した。サンプルに対して300WのRF出力を印加し、サンプル表面をエッチングした。
これら3種のサンプルを実施例1〜3とする。
実施例1〜3、比較例1〜3についてスピンスタンドを用いて電磁変換特性の評価を実施した。このとき評価用のヘッドは、それぞれのトラックピッチ(Track pitch)に対して異なるものを使用した。
条件は下記の表1に示したとおりである。それぞれの組み合わせのもと、750kFCIの信号を記録したときのSNR(Signal to Noise Ratio)値を測定した。
Figure 2006066057
その結果、表1に示したように連続媒体である比較例4に比べてSNR、SquashといったRW特性(記録再生特性)に著しい改善が認められた。これは、通常のスパッタリング法では基板面に形成した凹凸形状が媒体成膜によって損なわれ、トラック間の磁気的分離が十分ではないのに対し、本願発明のスパッタリング方法を用いた場合は、ほぼ凹凸形状が保存され、トラック間の分離が十分なされたためであると考えられる。
図1は本発明の製造方法を工程順に示すもので、図1(a)は基板上にプレエンボス層を形成した状態を示す断面図、図1(b)はプレエンボス層に凹凸部を形成した状態を示す断面図、図1(c)は凹凸部上に磁性層を形成した状態を示す断面図、図1(d)は凹凸部上に非磁性層を形成した状態を示す断面図である。 図2は本発明の製造方法を工程順に示すもので、図2(a)は図1(d)に示す非磁性層の表面を一部エッチングした状態を示す断面図、図2(b)は磁性層上の非磁性層を除去した状態を示す断面図、図2(c)は保護膜を形成した状態を示す断面図である。 図3は本発明方法の実施に用いる成膜装置の一例を示す構成図である。 図4は図3に示す成膜装置に設けられるマグネット板における磁石の配置の例を示す図である。
符号の説明
1・・・基板、2・・・プレエンボス層、3・・・凹凸部、3a・・・凹部、3b・・・凸部、4・・・保護膜、5・・・記録層、8・・・非磁性層、9・・・非磁性充填部、10・・・成膜装置、11・・・非磁性基板、12・・・ターゲット材、13・・・スパッタリングガス、21・・・マグネット板、22・・・高周波電源、23・・・バイアス電源、15・・・導入管、16・・・排気管

Claims (9)

  1. 非磁性基板の少なくとも一方の表面に、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成したディスクリート型磁気記録媒体の製造方法であって、
    成膜装置内に、前記非磁性基板、該非磁性基板の両面にターゲット材、該ターゲット材の反基板側にマグネット板をそれぞれ平行に配置し、前記ターゲット材には高周波電圧を印加し、前記マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、成膜装置内にスパッタリングガスを導入してターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、前記非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成することを特徴とするディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記成膜装置内に配置した前記非磁性基板の近傍におけるプラズマ密度が1×1011/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記非磁性基板に高周波電圧バイアスを印加することを特徴とする請求項1または2に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記ターゲット材に高周波電圧に加え、さらに、直流電圧を印加することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記ターゲット材に加える高周波の周波数が、前記非磁性基板に加える高周波の周波数より高いことを特徴とする請求項3または4に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記マグネット板を回転させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記非磁性基板が少なくとも一方の表面に直接凹凸を形成したもの、あるいは少なくとも一方の表面に形成した薄膜上に凹凸を形成したものであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のディスクリート型磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体。
  9. 請求項8に記載の磁気記録媒体と、この磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせてなる磁気記憶装置。

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