JP2004086852A - 非接触idカード類及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ回路基板の電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で導通状態に接合するように両基板を積層して成る非接触IDカード類に関し、その接合状態を、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って良好に保つことができるようにすることである。
【解決手段】アンテナ6を形成したアンテナ回路基板2とICチップ4が埋設されたインターポーザー基板7とが積層され、アンテナ6に接続されたアンテナ電極3a,3bとICチップ4の電極に接続された拡大電極11a,11bとが導電性接着材又は導電性粘着材8で導通状態に接合されていると共にアンテナ回路基板2の基材9とインターポーザー基板7の基材10とが固着されている。
【選択図】 図2
【解決手段】アンテナ6を形成したアンテナ回路基板2とICチップ4が埋設されたインターポーザー基板7とが積層され、アンテナ6に接続されたアンテナ電極3a,3bとICチップ4の電極に接続された拡大電極11a,11bとが導電性接着材又は導電性粘着材8で導通状態に接合されていると共にアンテナ回路基板2の基材9とインターポーザー基板7の基材10とが固着されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ID(識別情報)カード類及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アンテナ回路基板にICチップを実装した非接触IDカードや非接触タグ等(以下、このようなものを総称して非接触IDカード類という。)は、各種型式のものが公知であるが、その代表例として、例えば、国際公開公報(WO01/62517号公報)において開示されている非接触IDカード類が挙げられる。
【0003】
かかる公知の非接触IDカード類は、基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを備え、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを電性接着材又は導電性粘着材で接合するように両基板を積層して成るものである。
【0004】
しかし、上述のように、両電極を、導電性接着材又は導電性粘着材で接合している為に、その接合が、温度や湿度等の環境変化の影響を受け易く、両電極の良好な接合状態、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態を長期間に亘って保つことが困難であり、この欠点は、接合部が微小である為に、市販されている一般の導電性接着材又は導電性粘着材を用いる限りにおいては、解消し難い。
【0005】
なお、上述の導電性接着材又は導電性粘着材として、樹脂中に多数の導電性粒子を含有せしめた接着性又は粘着性を有しているペースト状若しくはフィルム状のものが用いられている。その使用上の便宜性等から大量生産には前者のペースト状のものが、そして、少量生産には後者のフィルム状のものがそれぞれ適しているが、上述の接着性を有する導電性フィルム(以下、導電性接着フィルムという。)及び粘着性を有する導電性フィルム(以下、導電性粘着フィルムという。)は、ペースト状のもののように塗布した後、乾燥する工程を必要としないので、接着性を有する導電性ペースト(以下、導電性接着ペーストという。)又は粘着性を有する導電性ペースト(以下、導電性粘着ペーストという。)よりも手軽に用いられている。
【0006】
その際、上述の導電性接着材又は導電性粘着材は、電極同士の接合に先立ってインターポーザー基板の電極上に塗布乾燥されるか又は貼着され、そして、これをアンテナ回路基板上に積層した後に、両電極の接合部をヒートシール、つまり、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との間に導電性接着材又は導電性粘着材を介在させた姿の接合しようとする箇所をヒートツールで押圧しながら加熱する。
【0007】
これによって、導電性接着材又は導電性粘着材が両電極を導通状態に接合する。そのような材料には、導電性接着材又は導電性粘着材を構成している樹脂を加熱硬化させる熱硬化型や、前記樹脂を加熱軟化させて一方の導電性粒子と他方のそれとの間から樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する熱可塑性型のもの等がある。
【0008】
しかし、いずれの接合においても、かかるヒートシールの開始直後(ヒートシールの初期段階)においては、両電極は、それらと接着又は粘着された前記接着材又は粘着材によって接合状態が保たれているのにすぎず、不安定な仮接合状態になっている。
【0009】
その為、ヒートシールの開始直後において、樹脂中に導電性粒子を含有せしめて成る導電性接着材又は導電性粘着材の弾性によって両電極の接合位置ずれが発生し易いと共に、ヒートシール温度(例えば、100℃)に達するまでの昇温途中(中間温度)において前記接着材又は粘着材が軟化する為に、接合部の平面度を精密に保っていないと同様に接合位置ずれが発生し易く、かつ上述の接合位置ずれを無視して接合位置ずれが発生したままでヒートシールしてしまうと、接合の電気抵抗値が変化して不良品になる為、製品の歩留まりの低下を招くといった欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の欠点に鑑みて発明されたものであって、その第1の目的は、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合しても、接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる非接触IDカード類及びその製造方法を提供しようとすることである。また、その第2の目的は、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合しても接合位置ずれが未発生の一定品質の実用的な電気的特性を有する非接触IDカード類及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
上述の第1の目的を達成する為に、本発明においては、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合すると共にアンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着している。
【0012】
このように、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合することに加えて、アンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着するようにしている為に、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合に導電性接着材又は導電性粘着材を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0013】
上述の両基材の固着は、適当な接着材による固着、熱溶着による固着のいずれであってもよいが、熱溶着による固着の方が、生産効率等において優れているので好ましく、かつ、それを両電極の接合に先立って行うのが好ましい。
【0014】
また、上記第2の目的を達成する為に、本発明においては、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合する為のヒートシールに先立って、かかる両電極のうち、どちらか一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入するようにしている。
【0015】
このように、導電性接着材又は導電性粘着材を介在させて両電極を接合するヒートシールに先立って、一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に若しくは導電性接着材又は導電性粘着材の局所を変形させて他方の電極に圧入するようにしているので、ヒートシールに際して接合位置ずれの発生を防止することができて製品の歩留まり低下を防止することができる。
【0016】
上述の圧入する電極は、アンテナ回路基板の電極又はインターポーザー基板の拡大電極のどちらであってもよいが、その電極の複数局所を圧入するのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る非接触IDカード類は、アンテナ回路基板とインターポーザー基板とを積層して構成されている。この姿が平面図である図1及び図1のII−II断面図である図2に示されている。
【0018】
両図において、下側のアンテナ回路基板2と上側のインターポーザー基板7は、その電極同士が導電性接着材又は導電性粘着材8で導通状態に接合されていると共に、かかる接合に加えて基材同士が固着されている。
【0019】
上述のアンテナ回路基板2は、樹脂フィルムで構成されている基材9に、アンテナ6及びこれに接続された一対のアンテナ電極3a,3bを形成している。一方、インターポーザー基板7は、熱可塑性樹脂フィルムで構成されている基材10にICチップ4を埋設し、かつICチップ4の一対の電極12a,12bに接続された拡大電極11a,11bを形成している。
【0020】
なお、インターポーザー基板7の基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムは、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)で構成され、これが図3に示されているように、アンテナ回路基板2の基材9を構成している樹脂フィルムに熱溶着、すなわち、図1に示されている15a〜15dの4個所で熱溶着されている。かかる熱溶着は、例えば、ヒートツールを押し付けて、120℃、0.5秒〜2秒間、加熱して行うことができる。
【0021】
また、インターポーザー基板7の拡大姿が図4,5に示されているが、両図において、ICチップ4の一対の電極12a,12bは、例えば、アルミ電極であって、これが拡大電極11a,11bの細いリード部11a1,11b1に接続されている。
【0022】
このように、インターポーザー基板7の基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムを、アンテナ回路基板2の基材9を構成している樹脂フィルムに熱溶着している。その為、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合に、導電性接着材又は導電性粘着材8を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合状態を、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0023】
本発明に係る非接触IDカード類は、上述の非接触IDカード類に限定されず、アンテナ回路基板2の基材9は、単体材としての樹脂フィルムや紙や不織布等で構成してもよい。インターポーザー基板7の基材10についても、単体材としての樹脂フィルム、紙、不織布又は樹脂フィルムを備えた積層材(例えば、樹脂フィルムと紙の積層材等)で構成してもよい。上記樹脂フィルムは、熱可塑性のものを選択するのが好ましい。
【0024】
また、インターポーザー基板7の基材10に対するICチップ4の搭載は、埋設以外の形態、例えば、ICチップ挿入用の凹部を形成していない基材上に積層した姿に搭載してもよい。しかし、カード類の薄型化の面からして埋設するのが好ましい。
【0025】
更に、アンテナ回路基板2の基材9と、インターポーザー基板7の基材10との固着は、上述の熱溶着に限定されず、適当な接着剤を用いて固着してもよい。すなわち、基材9,10の両方を、熱溶着できない材(非熱可塑性の材)で構成した場合においては、適当な接着剤を用いて固着する。
【0026】
それに対し、アンテナ回路基板2の基材9又はインターポーザー基板7の基材10のどちらか一方、好ましくは後者若しくは両者を、熱可塑性樹脂フィルムで構成した場合においては熱溶着する。接着剤の塗布が煩わしいから、接着剤を用いる場合よりも熱溶着する方が好ましい。
【0027】
熱溶着する箇所は、必要に応じて適宜、所定箇所を選択することができると共に点状に熱溶着したり或るいは所定長さに熱溶着したり等いずれであってもよい。かかる熱溶着する箇所を、拡大電極11a,11b、アンテナ電極3a,3bの周辺部の部分的な箇所に限定すれば、簡便かつ生産性を確保しながら接合状態を良好に保つことができる。
【0028】
また、熱溶着手段としてのヒートツールは、超音波型ヒートツール、セラミック型ヒートツール等、必要に応じて所定型式のものを選択することができ、かつヒートツール以外の他の適当な熱溶着手段であってもよい。
【0029】
同様に、インターポーザー基板7の基材10と、アンテナ回路基板2の基材9とを接着剤で固着する場合においても、その固着箇所は、必要に応じて適宜、所定箇所を選択することができると共に点状に接着したり或るいは所定長さに接着したり等いずれであってもよい。なお、かかる接着剤は、接着性又は粘着性を有するもののいずれであってもよく、かつ熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型等のいずれであってもよい。
【0030】
また、アンテナ回路基板2とインターポーザー基板7とを導通状態に接合する為の導電性接着材又は導電性粘着材8は、ペースト状又はフィルム状のもの等、いずれのものであってもよく、それらは、接着性又は粘着性を有している。なお、異方性又は等方性のいずれのものであってもよいと共に熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型等のいずれであってもよい。
【0031】
上述の導電性接着材又は導電性粘着材8は、使用上の便宜性等からして、ペースト状のものよりもフィルム状のもの、すなわち、導電性接着フィルムや導電性粘着フィルムを用いるのが好ましい。しかし、必要に応じて導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを選択してもよい。特に、量産する場合においては、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いるのが好ましい。
【0032】
非熱硬化型の代表例として熱可塑性型の導電性粘着フィルムが挙げられる。市販されているフィルム状の導電性接着材又は導電性粘着材の多くは、熱硬化性の接着材又はPSA(pressure sensitive adhesive)型の粘着材であるが、熱可塑性型のものもある。例えば、ホットメルト型アクリル系粘着樹脂に、金属粒子(NiやAg等の粒子)又は金属被覆粒子などの導電性粒子を含有させたもの等が挙げられる。
【0033】
ペースト状の導電性接着材又は導電性粘着材8として、導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストを用いる場合においては、それを電極上に印刷法や滴下法によって塗布し、次いで、乾燥させる等により膜状にする。それに対し、フィルム状のもの(導電性接着フィルムや導電性粘着フィルム)を用いる場合においては電極上に貼着する。
【0034】
また、上述の熱可塑性型の導電性粘着フィルムを用いる場合においては、電極接合部を押圧しながら加熱し、樹脂を軟化させて一方の導電性粒子と他方のそれとの間から樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する。
【0035】
一方、PSA型の導電性粘着フィルムを用いる場合においては、電極接合部を押圧しながら加熱し、導電性粘着フィルムを構成している導電性粒子を両電極に接触保持させて導通状態に接合する。いずれの場合においても、フィルム貼着及び加熱押圧のみの工程によって接合することができて短時間に導通させることができる。
【0036】
上述の電極接合に際しての加熱温度及び加熱時間は、選択された導電性接着材又は導電性粘着材に対応して所定の温度及び時間に制御される。例えば、熱可塑性型の導電性粘着フィルムを用いる場合にあっては、100℃、数秒間程度である。
【0037】
なお、拡大電極11a,11b及びアンテナ6は、導電性樹脂で構成するのが好ましく、コスト低減を図る面からは印刷法、例えば、スクリーン印刷法によって形成するのが好ましい。しかし、必要に応じて他の印刷法、例えば、オフセット印刷等で形成してもよく、更には、印刷方法以外の方法、例えば、スパッタリング法等でアルミ等を蒸着してもよい。ICチップ4の電極12a,12bについても、拡大電極11a,11bとの接続を確実なものにする為にアンダーバリヤーメタル層(UBM層)を形成するのが好ましい。
【0038】
また、インターポーザー基板7の基材10を熱可塑性樹脂フィルムで構成することに代えて、アンテナ回路基板2の基材9を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよく、要するに、アンテナ回路基板2又はインターポーザー基板7のどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよい。熱可塑性樹脂フィルムで構成することにより、基材同士を熱溶着することができる。
【0039】
かかる熱可塑性樹脂フィルムは、上述の共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)以外の例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)等であってもよい。
【0040】
また、アンテナ6の電極3a,3b及びインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bの接合面それぞれを微細な凹凸が形成された面(粗面)に設けるのが好ましい。導電性接着材又は導電性粘着材8が付着し易くする為である。
【0041】
アンテナ回路基板2のアンテナ6についても、渦巻き型、櫛歯型(図6参照)等いかなる型式のものであってもよいと共に、基板搭載部13の空隙に絶縁樹脂材14(図2参照)を充填してもよい。これによって接合部の絶縁性を高めることができる。
【0042】
上述に係る非接触IDカード類を製造するに当って、アンテナ回路基板2及びインターポーザー基板7が、前工程の諸工程を経て予め準備され、そして、それを積層する。かかるインターポーザー基板7の準備に際し、拡大電極11a,11b上に、導電性接着材又は導電性粘着材8が塗布又は貼着される。
【0043】
すなわち、導電性接着材又は導電性粘着材8として導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを用いる場合にあっては、それを拡大電極11a,11b上に貼着し、そして、導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストを用いる場合にあっては、それを拡大電極11a,11b上に塗布する。
【0044】
よって、それをアンテナ回路基板2上に積層して接合することができるが、その際、図示されていない下方のステージに吸着保持されているアンテナ回路基板2に対し、インターポーザー基板7を吸着保持している上方のヒートツールを移動させて、アンテナ回路基板2の電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとを、水平面内において互いに直交する二軸方向(XY軸方向)にアライメント(位置合わせ)し、次いで、前記ヒートツールを下方へ移動させてアンテナ回路基板2の電極3a,3bに対して導電性接着材又は導電性粘着材8を押し付けると共に加熱を開始してヒートシールする。
【0045】
加えて、例えば、インターポーザー基板7の基材10を熱可塑性の樹脂フィルムで構成した場合においては、上述の接合と同時、又はその後に、更には接合に先立って、インターポーザー基板7の基材10を、アンテナ回路基板2の基材9に熱溶着する。一般には、電極接合に先立って熱溶着するのが好ましい。
【0046】
その際において、上述の接合に用いるヒートツールで熱溶着するのが好ましいが、接合に用いるヒートツールとは別の他のヒートツールで熱溶着してもよく、かついずれの場合においても、その溶着箇所を適宜に選択、例えば、上述のように、15a〜15d(図1参照)箇所を選択することができる。固着箇所は、電極周辺部を固着するのが簡便かつ生産性を確保しながら接合状態を良好に保つことができるので好ましい。
【0047】
上述の熱溶着に際しての温度及び時間は、選択された熱可塑性樹脂フィルムに対応して所定の温度及び時間に制御される。例えば、上述のように、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)である場合においては、120℃、0.5秒〜2秒間である。かかる熱溶着(基材固着)は、接合の位置ずれ防止及び生産効率の面などからして、上述の電極接合に先立って行うのが好ましい。接着剤を用いる基材同士も固着も上述の接合に先立って行うのが好ましい。
【0048】
ここで、熱溶着による基材同士の固着を、上述の接合の後で行う態様について、より具体的に述べると、導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に貼着し、次いで、両電極同士を位置合わして接合し、次いで、ヒートツールで前記フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方の熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着するようにしてもよい。
【0049】
また、導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に貼着し、次いで、両電極同士を位置合わした姿に積層し、次いで、ヒートツールで前記導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方の電極周辺部のみを熱溶着(電極部を避けて熱溶着)するようにしてもよい。
【0050】
また、熱可塑性樹脂をバインダーとした熱可塑性型の導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に熱貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせ、かつヒートツールで前記フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方を熱溶着すると同時に電極接合するようにしてもよい。
【0051】
また、Bステージ化によって粘着性が付与された樹脂をバインダーとした熱硬化型の導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極部又はアンテナ回路基板2の電極部に熱貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせ、かつヒートツールで導電性粘着フィルムを加熱硬化させつつ両基材のどちらか一方又は両方を熱溶着すると同時に電極接合するようにしてもよい。
【0052】
同様に、接着剤を用いての基材固着の態様についても、より具体的に述べると、インターポーザー基板7又はアンテナ回路基板2のどちらか一方の基板の電極周辺に接着剤を塗布すると共に他方の基板の電極上に導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせして電極同士を接合すると同時に両基材を接着するようにしてもよい。
【0053】
また、インターポーザー基板7の拡大電極周辺又はアンテナ回路基板2のアンテナ電極周辺に熱硬化性の接着剤を塗布すると共に他方の基板の電極上に導電性接着フィルム、好ましくは導電性粘着フィルムを貼着し、次いで、両電極同士を位置合わしてヒートツールで加熱して電極接合と接着剤の硬化による両基材の固着とを同時に行うようにしてもよい。
【0054】
上述のように、本発明に係る非接触IDカード類の製造方法は、基材9にアンテナ6を形成したアンテナ回路基板2と、ICチップ4が搭載された基材10にICチップ4の電極に接続された拡大電極11a,11bを形成したインターポーザー基板7とを、アンテナ6の電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとを導電性接着材又は導電性粘着材8で接合するように積層する基板積層工程と、アンテナ回路基板2の基材9とインターポーザー基板7の基材10とを固着する基材固着工程とを備えている。
【0055】
その為、電極同士の接合に、導電性接着材又は導電性粘着材8を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合状態を、長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる非接触IDカード類を得ることができる。
【0056】
次に、上述の非接触IDカード類とは異なり、電極同士を圧入する他の非接触IDカード類について述べる。図7〜図13に示されている非接触IDカード類は、アンテナ回路基板2aとインターポーザー基板7aとを積層して構成されている。
【0057】
平面図である図7及び図7のVIII−VIII断面図である図8において、下側のアンテナ回路基板2aと上側のインターポーザー基板7aは、導電性接着材又は導電性粘着材8を介して導通状態に接合されている。なお、上述のアンテナ回路基板2aは、基材9を構成している樹脂フィルムに、アンテナ6及びこれに接続された一対のアンテナ電極3a,3bを形成している。
【0058】
一方、インターポーザー基板7aは、上述の図4,5を転用して述べると、基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムに対してICチップ4を埋設し、かつICチップ4の一対の電極に接続された拡大電極11a,11bを形成している。ICチップ4の一対の電極12a,12bは、例えば、アルミ電極であって、これが拡大電極11a,11bの細いリード部11a1,11b1に接続されている。なお、インターポーザー基板7aの基材10は、アンテナ回路基板2aの基材9に固着されていない。
【0059】
図8及びこの図の一部の平面図である図9において、インターポーザー基板7aの拡大電極11aとアンテナ回路基板2aのアンテナ電極3aとの接合部が拡大されて示されている。同図において、電極11aと電極3aは、拡大電極11aの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3aの局所に圧入した姿に接合されている。
【0060】
図示されていない他方の電極11bと電極3bも同形態に接合されている。また、拡大電極11aの局所20は、平面視において、アンテナ電極3aの中心部に位置されている(図9参照)。上述の電極同士の接合は、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bとの間に、導電性接着材又は導電性粘着材8を介在させるように両基板2a,7aを積層した姿で行われる。
【0061】
その際、電極接合の為のヒートシールに先立って、例えば、インターポーザー基板7aの基板10に、その上方側からポンチ等の適当な成型ツールを図示矢印の方向(下方向)へ押し付けて、所定深さに押し込むことによって拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bの局所に圧入させる。
【0062】
そして、次いで、適当な手段(例えば、ヒートツール)でヒートシールを行うことによって両電極を接合する。かかるヒートシールにおいては、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bとの間に、導電性接着材又は導電性粘着材8を介在させた姿の接合しようとする箇所を、例えば、図示されていないヒートツールで押圧しながら加熱することによって、導電性接着材又は導電性粘着材8を構成している導電性粒子を両電極に熱溶着させたり、或るいは、PSA型の導電性粘着フィルムを使用している場合にあっては、導電性粒子を両電極に接触保持させて導通状態に接合する。
【0063】
なお、導電性接着材又は導電性粘着材8として、上述のPSA型、或るいは熱硬化型のものに代えて、熱可塑性型のものを用いてもよく、その場合においては、導電性接着材又は導電性粘着材8を構成している樹脂を加熱軟化させて、前記樹脂中に混入されている一方の導電性粒子と他方のそれとの間から前記樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する。
【0064】
導電性接着材又は導電性粘着材8は、上述したもの以外のものを用いてもよい。例えば、導電性粒子の含有量を増加させて、通常の状態(常温)で導通状態に接合することができるようにしたもの等を用いてもよく、その場合においては、上述の接合に際し、加熱しないで押圧のみを行うが、この場合においても、上述の接合位置ずれ防止を防止することができる。
【0065】
上述のように、ヒートシールに先立って、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入している為に、その後において、電極接合しようとする箇所を押圧しながら加熱、つまり、ヒートシールしても、両電極の接合位置ずれが発生するのを防止し得て、位置ずれが発生していない良好な状態に接合することができて歩留まりを向上することができる。
【0066】
上述のヒートシールにおいては、接着性又は粘着性の樹脂中に導電性粒子を含有せしめて成る導電性接着材又は導電性粘着材8の弾性によって両電極の接合位置ずれが発生し易いと共に、ヒートシール温度(例えば、100℃)に達するまでの昇温途中(中間温度)において前記樹脂が溶ける為に接合部の平面度を精密に保っていないと、同様に接合位置ずれが発生し易い。
【0067】
しかし、上述のように、ヒートシールに先立って、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入しているから、ヒートシールに際して両電極の接合位置ずれの発生を防止することができ、かつそのこと基づいて、接合位置ずれが発生していない姿に接合することができるので、一定品質の実用的な電気的特性を有する非接触IDカード類を得ることができる。
【0068】
上述の接合位置ずれの発生は、一般に、導電性接着材よりも導電性粘着材を用いる場合において顕著であるが、上述のように、ヒートシールに先立って圧入することによって、上述の接合位置ずれの発生を防止することができるので、特に有効である。
【0069】
上述の導電性接着材又は導電性粘着材8は、ペースト状又はフィルムのいずれであってもよい。言い換えると、導電性接着材8は、導電性接着ペーストと導電性接着フィルムとに分けられると共に導電性粘着材8は、導電性粘着ペーストと導電性粘着フィルムとに分けられるが、本発明においては、それらのいずれを用いてもよい。
【0070】
かかる導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストは、上述のように、電極上に塗布後、乾燥されて、導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムと同様に膜状に形成される。その為、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においても、導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを用いる場合と同様に、その乾燥又は硬化した膜の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入することができる。
【0071】
上述の圧入は、接合位置ずれの発生を防止すること等からして、導電性粘着フィルムを用いる場合において最も有効であって、次いで、導電性接着フィルムを用いる場合において有効である。しかし、それのみに限定されず、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においても、後者と同程度に有効である。
【0072】
すなわち、導電性接着材又は導電性粘着材を用いる限りにおいては、上述の接合位置ずれが発生し易いが、上述の圧入によって、それを防止することができる。なお、上述の例においては、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入しているが、それに代えて、図10に示すように、アンテナ電極3a,3bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共に拡大電極11a,11bに圧入してもよい。上述のように、導電性接着材又は導電性粘着材8で両電極を導通状態に接合するヒートシールに先立って、一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共に他方の電極に圧入する。
【0073】
導電性接着材又は導電性粘着材8として、導電性接着フィルムや導電性粘着フィルムを用いる場合には、貼着後、直ちに圧入してもよいが、必要ならば、半硬化させた状態にしてから圧入してもよい。一方、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においては、塗布後、乾燥又は半硬化させた状態で、それを同様に圧入する。
【0074】
かかる圧入の為の手段は、上述のポンチ等の成型ツールに限定されず他の手段であってもよく、かつその圧入位置についても、アンテナ電極3a,3b又は拡大電極11a,11bの中心部に限定されず、中心部でない位置に設定してもよいと共に圧入形状についても、図8,10,11に示すようなV字形又は逆V字形の圧入形状に限定されず、他の形状、例えば、湾曲状(図12参照)等にしてもよい。
【0075】
また、接合位置ずれの発生防止をより十分にする為に、一方の電極の複数局所を他方の電極に圧入してもよい。このような形態が図11に示されている。かかる圧入は、電極に対して非貫通の状態に圧入することの他、図13に示されているように貫通の状態に圧入してもよい。
【0076】
アンテナ回路基板2aの基材9は、上述と同様に、単体材としての樹脂フィルムや紙や不織布等であってもよい。インターポーザー基板7の基材10についても、単体材としての樹脂フィルム若しくは樹脂フィルムを有する積層材(例えば、樹脂フィルムと紙の積層材)のいずれあってもよい。上記樹脂フィルムは、熱可塑性のものを選択するのが好ましい。
【0077】
また、インターポーザー基板7aの基材10に対するICチップ4の搭載は、埋設に限定されず、埋設されていない一般の形態に搭載してもよいが、基材10を樹脂フイルム又は熱可塑性樹脂フイルムで構成し、かつそれらに対してICチップ4を埋設するのが、薄型化の面からして好ましい。
【0078】
アンテナ回路基板2aとインターポーザー基板7aとを導通状態に接合する為の導電性接着材又は導電性粘着材としての導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムについても、接着性又は粘着性を有するものであれば、熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよい。一般には、非熱硬化型の導電性粘着フィルム、例えば、その代表例として、熱可塑性型の導電性粘着フィルムが挙げられる。
【0079】
かかる熱可塑性型の導電性粘着フィルムとして、ホットメルト型アクリル系粘着樹脂に金属粒子又はNi、Agなどの金属を被覆した粒子(金属被覆粒子)を含有したもの等が用いられる。貼着及び押圧のみの工程で接合が可能、すなわち、短時間で導通することができるからである。導電性接着ペーストについても、上述の導電性接着フィルムと同様に、接着性を有するものであれば、熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよい。
【0080】
また、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bは共に銀ペースト印刷電極で構成するか、或るいは一方を銀ペースト印刷電極で構成すると共に他方をアルミ電極で構成するのが好ましい。両電極の圧接条件として、2.5mm2当り10g〜20kg、好ましくは50g〜5kgが適当である。ヒートシール時の温度は、例えば100℃等、所定温度を選択することができる。なお、接合抵抗に関し、50℃、93%RHの高温高湿試験に合格することができた。
【0081】
また、拡大電極11a,11b及びアンテナ6は、導電性樹脂で構成するのが好ましく、コスト低減を図る面からは印刷方法、例えば、スクリーン印刷法によって形成するのが好ましい。しかし、必要に応じて他の印刷方法、例えば、オフセット印刷等で形成してもよく、更には、印刷方法以外の方法、例えば、スパッタリング法等でアルミ等を蒸着してもよい。
【0082】
また、ICチップ4の電極12a,12bは、拡大電極11a,11bとの接続を確実なものにする為にアンダーバリヤーメタル層(UBM層)を形成するのが好ましい。また、インターポーザー基板7aの基材10を熱可塑性樹脂フィルムで構成することに代えて、アンテナ回路基板2aの基材9を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよく、要するに、アンテナ回路基板2a又はインターポーザー基板7aのどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよい。
【0083】
上述の熱可塑性樹脂フィルムについても、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)以外の例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)等であってもよい。
【0084】
また、アンテナ回路基板2a又はインターポーザー基板7aのどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成した場合には、ヒートシールに際して、これらの基板を同時に熱溶着することができるので、この点から電極接合状態を良好に保つことができる。電極の大きさよりも大きい加熱面積を持つヒートツールを用いてヒートシールすれば、電極の周辺部を電極接合と同時に熱溶着することができる。
【0085】
また、アンテナ6の電極3a,3b及びインターポーザー基板7aの拡大電極11a,11bの接合面それぞれを粗面に設けるのが好ましい。上述の導電性接着材又は導電性粘着材が付着し易くする為である。また、アンテナ回路基板2aのアンテナ6は、渦巻き型、櫛歯型(図6参照)等いかなる型式のものであってもよいと共に、基板搭載部13の空隙に絶縁材14(図2参照)を充填してもよい。
【0086】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1〜10に記載の発明によると、非接触IDカード類及びその製造方法に関し、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合することに加えて、アンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着しているから、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0087】
また、請求項11〜14に記載の発明によると、非接触IDカード類及びその製造方法に関し、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合する為のヒートシールに先立って、かかる両電極のうち、どちらか一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入するようにしているから、ヒートシールに際して接合位置ずれの発生を防止することができて一定品質の実用的な電気的特性に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触IDカード類の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】インターポーザー基板の基材である熱可塑性樹脂フィルムの熱溶着態様を示す図である。
【図4】インターポーザー基板の正面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】アンテナ回路基板に設けられている櫛型のアンテナを示す平面図である。
【図7】他の非接触IDカード類の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図8の一部の平面図である。
【図10】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図11】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図12】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図13】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2,2a:アンテナ回路基板
3a,3b:アンテナ電極
4:ICチップ
6:アンテナ
7,7a:インターポーザー基板
8:導電性接着材又は導電性粘着材
9:アンテナ回路基板の基材
10:インターポーザー基板の基材
11a,11b:拡大電極
15a〜15d:熱溶着箇所
20:圧入局所
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ID(識別情報)カード類及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アンテナ回路基板にICチップを実装した非接触IDカードや非接触タグ等(以下、このようなものを総称して非接触IDカード類という。)は、各種型式のものが公知であるが、その代表例として、例えば、国際公開公報(WO01/62517号公報)において開示されている非接触IDカード類が挙げられる。
【0003】
かかる公知の非接触IDカード類は、基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを備え、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを電性接着材又は導電性粘着材で接合するように両基板を積層して成るものである。
【0004】
しかし、上述のように、両電極を、導電性接着材又は導電性粘着材で接合している為に、その接合が、温度や湿度等の環境変化の影響を受け易く、両電極の良好な接合状態、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態を長期間に亘って保つことが困難であり、この欠点は、接合部が微小である為に、市販されている一般の導電性接着材又は導電性粘着材を用いる限りにおいては、解消し難い。
【0005】
なお、上述の導電性接着材又は導電性粘着材として、樹脂中に多数の導電性粒子を含有せしめた接着性又は粘着性を有しているペースト状若しくはフィルム状のものが用いられている。その使用上の便宜性等から大量生産には前者のペースト状のものが、そして、少量生産には後者のフィルム状のものがそれぞれ適しているが、上述の接着性を有する導電性フィルム(以下、導電性接着フィルムという。)及び粘着性を有する導電性フィルム(以下、導電性粘着フィルムという。)は、ペースト状のもののように塗布した後、乾燥する工程を必要としないので、接着性を有する導電性ペースト(以下、導電性接着ペーストという。)又は粘着性を有する導電性ペースト(以下、導電性粘着ペーストという。)よりも手軽に用いられている。
【0006】
その際、上述の導電性接着材又は導電性粘着材は、電極同士の接合に先立ってインターポーザー基板の電極上に塗布乾燥されるか又は貼着され、そして、これをアンテナ回路基板上に積層した後に、両電極の接合部をヒートシール、つまり、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との間に導電性接着材又は導電性粘着材を介在させた姿の接合しようとする箇所をヒートツールで押圧しながら加熱する。
【0007】
これによって、導電性接着材又は導電性粘着材が両電極を導通状態に接合する。そのような材料には、導電性接着材又は導電性粘着材を構成している樹脂を加熱硬化させる熱硬化型や、前記樹脂を加熱軟化させて一方の導電性粒子と他方のそれとの間から樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する熱可塑性型のもの等がある。
【0008】
しかし、いずれの接合においても、かかるヒートシールの開始直後(ヒートシールの初期段階)においては、両電極は、それらと接着又は粘着された前記接着材又は粘着材によって接合状態が保たれているのにすぎず、不安定な仮接合状態になっている。
【0009】
その為、ヒートシールの開始直後において、樹脂中に導電性粒子を含有せしめて成る導電性接着材又は導電性粘着材の弾性によって両電極の接合位置ずれが発生し易いと共に、ヒートシール温度(例えば、100℃)に達するまでの昇温途中(中間温度)において前記接着材又は粘着材が軟化する為に、接合部の平面度を精密に保っていないと同様に接合位置ずれが発生し易く、かつ上述の接合位置ずれを無視して接合位置ずれが発生したままでヒートシールしてしまうと、接合の電気抵抗値が変化して不良品になる為、製品の歩留まりの低下を招くといった欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の欠点に鑑みて発明されたものであって、その第1の目的は、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合しても、接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる非接触IDカード類及びその製造方法を提供しようとすることである。また、その第2の目的は、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合しても接合位置ずれが未発生の一定品質の実用的な電気的特性を有する非接触IDカード類及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
上述の第1の目的を達成する為に、本発明においては、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合すると共にアンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着している。
【0012】
このように、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合することに加えて、アンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着するようにしている為に、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合に導電性接着材又は導電性粘着材を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0013】
上述の両基材の固着は、適当な接着材による固着、熱溶着による固着のいずれであってもよいが、熱溶着による固着の方が、生産効率等において優れているので好ましく、かつ、それを両電極の接合に先立って行うのが好ましい。
【0014】
また、上記第2の目的を達成する為に、本発明においては、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合する為のヒートシールに先立って、かかる両電極のうち、どちらか一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入するようにしている。
【0015】
このように、導電性接着材又は導電性粘着材を介在させて両電極を接合するヒートシールに先立って、一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に若しくは導電性接着材又は導電性粘着材の局所を変形させて他方の電極に圧入するようにしているので、ヒートシールに際して接合位置ずれの発生を防止することができて製品の歩留まり低下を防止することができる。
【0016】
上述の圧入する電極は、アンテナ回路基板の電極又はインターポーザー基板の拡大電極のどちらであってもよいが、その電極の複数局所を圧入するのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る非接触IDカード類は、アンテナ回路基板とインターポーザー基板とを積層して構成されている。この姿が平面図である図1及び図1のII−II断面図である図2に示されている。
【0018】
両図において、下側のアンテナ回路基板2と上側のインターポーザー基板7は、その電極同士が導電性接着材又は導電性粘着材8で導通状態に接合されていると共に、かかる接合に加えて基材同士が固着されている。
【0019】
上述のアンテナ回路基板2は、樹脂フィルムで構成されている基材9に、アンテナ6及びこれに接続された一対のアンテナ電極3a,3bを形成している。一方、インターポーザー基板7は、熱可塑性樹脂フィルムで構成されている基材10にICチップ4を埋設し、かつICチップ4の一対の電極12a,12bに接続された拡大電極11a,11bを形成している。
【0020】
なお、インターポーザー基板7の基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムは、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)で構成され、これが図3に示されているように、アンテナ回路基板2の基材9を構成している樹脂フィルムに熱溶着、すなわち、図1に示されている15a〜15dの4個所で熱溶着されている。かかる熱溶着は、例えば、ヒートツールを押し付けて、120℃、0.5秒〜2秒間、加熱して行うことができる。
【0021】
また、インターポーザー基板7の拡大姿が図4,5に示されているが、両図において、ICチップ4の一対の電極12a,12bは、例えば、アルミ電極であって、これが拡大電極11a,11bの細いリード部11a1,11b1に接続されている。
【0022】
このように、インターポーザー基板7の基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムを、アンテナ回路基板2の基材9を構成している樹脂フィルムに熱溶着している。その為、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合に、導電性接着材又は導電性粘着材8を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合状態を、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0023】
本発明に係る非接触IDカード類は、上述の非接触IDカード類に限定されず、アンテナ回路基板2の基材9は、単体材としての樹脂フィルムや紙や不織布等で構成してもよい。インターポーザー基板7の基材10についても、単体材としての樹脂フィルム、紙、不織布又は樹脂フィルムを備えた積層材(例えば、樹脂フィルムと紙の積層材等)で構成してもよい。上記樹脂フィルムは、熱可塑性のものを選択するのが好ましい。
【0024】
また、インターポーザー基板7の基材10に対するICチップ4の搭載は、埋設以外の形態、例えば、ICチップ挿入用の凹部を形成していない基材上に積層した姿に搭載してもよい。しかし、カード類の薄型化の面からして埋設するのが好ましい。
【0025】
更に、アンテナ回路基板2の基材9と、インターポーザー基板7の基材10との固着は、上述の熱溶着に限定されず、適当な接着剤を用いて固着してもよい。すなわち、基材9,10の両方を、熱溶着できない材(非熱可塑性の材)で構成した場合においては、適当な接着剤を用いて固着する。
【0026】
それに対し、アンテナ回路基板2の基材9又はインターポーザー基板7の基材10のどちらか一方、好ましくは後者若しくは両者を、熱可塑性樹脂フィルムで構成した場合においては熱溶着する。接着剤の塗布が煩わしいから、接着剤を用いる場合よりも熱溶着する方が好ましい。
【0027】
熱溶着する箇所は、必要に応じて適宜、所定箇所を選択することができると共に点状に熱溶着したり或るいは所定長さに熱溶着したり等いずれであってもよい。かかる熱溶着する箇所を、拡大電極11a,11b、アンテナ電極3a,3bの周辺部の部分的な箇所に限定すれば、簡便かつ生産性を確保しながら接合状態を良好に保つことができる。
【0028】
また、熱溶着手段としてのヒートツールは、超音波型ヒートツール、セラミック型ヒートツール等、必要に応じて所定型式のものを選択することができ、かつヒートツール以外の他の適当な熱溶着手段であってもよい。
【0029】
同様に、インターポーザー基板7の基材10と、アンテナ回路基板2の基材9とを接着剤で固着する場合においても、その固着箇所は、必要に応じて適宜、所定箇所を選択することができると共に点状に接着したり或るいは所定長さに接着したり等いずれであってもよい。なお、かかる接着剤は、接着性又は粘着性を有するもののいずれであってもよく、かつ熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型等のいずれであってもよい。
【0030】
また、アンテナ回路基板2とインターポーザー基板7とを導通状態に接合する為の導電性接着材又は導電性粘着材8は、ペースト状又はフィルム状のもの等、いずれのものであってもよく、それらは、接着性又は粘着性を有している。なお、異方性又は等方性のいずれのものであってもよいと共に熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型等のいずれであってもよい。
【0031】
上述の導電性接着材又は導電性粘着材8は、使用上の便宜性等からして、ペースト状のものよりもフィルム状のもの、すなわち、導電性接着フィルムや導電性粘着フィルムを用いるのが好ましい。しかし、必要に応じて導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを選択してもよい。特に、量産する場合においては、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いるのが好ましい。
【0032】
非熱硬化型の代表例として熱可塑性型の導電性粘着フィルムが挙げられる。市販されているフィルム状の導電性接着材又は導電性粘着材の多くは、熱硬化性の接着材又はPSA(pressure sensitive adhesive)型の粘着材であるが、熱可塑性型のものもある。例えば、ホットメルト型アクリル系粘着樹脂に、金属粒子(NiやAg等の粒子)又は金属被覆粒子などの導電性粒子を含有させたもの等が挙げられる。
【0033】
ペースト状の導電性接着材又は導電性粘着材8として、導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストを用いる場合においては、それを電極上に印刷法や滴下法によって塗布し、次いで、乾燥させる等により膜状にする。それに対し、フィルム状のもの(導電性接着フィルムや導電性粘着フィルム)を用いる場合においては電極上に貼着する。
【0034】
また、上述の熱可塑性型の導電性粘着フィルムを用いる場合においては、電極接合部を押圧しながら加熱し、樹脂を軟化させて一方の導電性粒子と他方のそれとの間から樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する。
【0035】
一方、PSA型の導電性粘着フィルムを用いる場合においては、電極接合部を押圧しながら加熱し、導電性粘着フィルムを構成している導電性粒子を両電極に接触保持させて導通状態に接合する。いずれの場合においても、フィルム貼着及び加熱押圧のみの工程によって接合することができて短時間に導通させることができる。
【0036】
上述の電極接合に際しての加熱温度及び加熱時間は、選択された導電性接着材又は導電性粘着材に対応して所定の温度及び時間に制御される。例えば、熱可塑性型の導電性粘着フィルムを用いる場合にあっては、100℃、数秒間程度である。
【0037】
なお、拡大電極11a,11b及びアンテナ6は、導電性樹脂で構成するのが好ましく、コスト低減を図る面からは印刷法、例えば、スクリーン印刷法によって形成するのが好ましい。しかし、必要に応じて他の印刷法、例えば、オフセット印刷等で形成してもよく、更には、印刷方法以外の方法、例えば、スパッタリング法等でアルミ等を蒸着してもよい。ICチップ4の電極12a,12bについても、拡大電極11a,11bとの接続を確実なものにする為にアンダーバリヤーメタル層(UBM層)を形成するのが好ましい。
【0038】
また、インターポーザー基板7の基材10を熱可塑性樹脂フィルムで構成することに代えて、アンテナ回路基板2の基材9を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよく、要するに、アンテナ回路基板2又はインターポーザー基板7のどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよい。熱可塑性樹脂フィルムで構成することにより、基材同士を熱溶着することができる。
【0039】
かかる熱可塑性樹脂フィルムは、上述の共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)以外の例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)等であってもよい。
【0040】
また、アンテナ6の電極3a,3b及びインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bの接合面それぞれを微細な凹凸が形成された面(粗面)に設けるのが好ましい。導電性接着材又は導電性粘着材8が付着し易くする為である。
【0041】
アンテナ回路基板2のアンテナ6についても、渦巻き型、櫛歯型(図6参照)等いかなる型式のものであってもよいと共に、基板搭載部13の空隙に絶縁樹脂材14(図2参照)を充填してもよい。これによって接合部の絶縁性を高めることができる。
【0042】
上述に係る非接触IDカード類を製造するに当って、アンテナ回路基板2及びインターポーザー基板7が、前工程の諸工程を経て予め準備され、そして、それを積層する。かかるインターポーザー基板7の準備に際し、拡大電極11a,11b上に、導電性接着材又は導電性粘着材8が塗布又は貼着される。
【0043】
すなわち、導電性接着材又は導電性粘着材8として導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを用いる場合にあっては、それを拡大電極11a,11b上に貼着し、そして、導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストを用いる場合にあっては、それを拡大電極11a,11b上に塗布する。
【0044】
よって、それをアンテナ回路基板2上に積層して接合することができるが、その際、図示されていない下方のステージに吸着保持されているアンテナ回路基板2に対し、インターポーザー基板7を吸着保持している上方のヒートツールを移動させて、アンテナ回路基板2の電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとを、水平面内において互いに直交する二軸方向(XY軸方向)にアライメント(位置合わせ)し、次いで、前記ヒートツールを下方へ移動させてアンテナ回路基板2の電極3a,3bに対して導電性接着材又は導電性粘着材8を押し付けると共に加熱を開始してヒートシールする。
【0045】
加えて、例えば、インターポーザー基板7の基材10を熱可塑性の樹脂フィルムで構成した場合においては、上述の接合と同時、又はその後に、更には接合に先立って、インターポーザー基板7の基材10を、アンテナ回路基板2の基材9に熱溶着する。一般には、電極接合に先立って熱溶着するのが好ましい。
【0046】
その際において、上述の接合に用いるヒートツールで熱溶着するのが好ましいが、接合に用いるヒートツールとは別の他のヒートツールで熱溶着してもよく、かついずれの場合においても、その溶着箇所を適宜に選択、例えば、上述のように、15a〜15d(図1参照)箇所を選択することができる。固着箇所は、電極周辺部を固着するのが簡便かつ生産性を確保しながら接合状態を良好に保つことができるので好ましい。
【0047】
上述の熱溶着に際しての温度及び時間は、選択された熱可塑性樹脂フィルムに対応して所定の温度及び時間に制御される。例えば、上述のように、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)である場合においては、120℃、0.5秒〜2秒間である。かかる熱溶着(基材固着)は、接合の位置ずれ防止及び生産効率の面などからして、上述の電極接合に先立って行うのが好ましい。接着剤を用いる基材同士も固着も上述の接合に先立って行うのが好ましい。
【0048】
ここで、熱溶着による基材同士の固着を、上述の接合の後で行う態様について、より具体的に述べると、導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に貼着し、次いで、両電極同士を位置合わして接合し、次いで、ヒートツールで前記フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方の熱可塑性樹脂フィルムを熱溶着するようにしてもよい。
【0049】
また、導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に貼着し、次いで、両電極同士を位置合わした姿に積層し、次いで、ヒートツールで前記導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方の電極周辺部のみを熱溶着(電極部を避けて熱溶着)するようにしてもよい。
【0050】
また、熱可塑性樹脂をバインダーとした熱可塑性型の導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極上又はアンテナ回路基板2の電極上に熱貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせ、かつヒートツールで前記フィルムを加熱軟化させつつ両基材のどちらか一方又は両方を熱溶着すると同時に電極接合するようにしてもよい。
【0051】
また、Bステージ化によって粘着性が付与された樹脂をバインダーとした熱硬化型の導電性粘着フィルムを、インターポーザー基板7の拡大電極部又はアンテナ回路基板2の電極部に熱貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせ、かつヒートツールで導電性粘着フィルムを加熱硬化させつつ両基材のどちらか一方又は両方を熱溶着すると同時に電極接合するようにしてもよい。
【0052】
同様に、接着剤を用いての基材固着の態様についても、より具体的に述べると、インターポーザー基板7又はアンテナ回路基板2のどちらか一方の基板の電極周辺に接着剤を塗布すると共に他方の基板の電極上に導電性接着フィルム好ましくは導電性粘着フィルムを貼着し、次いで、両電極同士を位置合わせして電極同士を接合すると同時に両基材を接着するようにしてもよい。
【0053】
また、インターポーザー基板7の拡大電極周辺又はアンテナ回路基板2のアンテナ電極周辺に熱硬化性の接着剤を塗布すると共に他方の基板の電極上に導電性接着フィルム、好ましくは導電性粘着フィルムを貼着し、次いで、両電極同士を位置合わしてヒートツールで加熱して電極接合と接着剤の硬化による両基材の固着とを同時に行うようにしてもよい。
【0054】
上述のように、本発明に係る非接触IDカード類の製造方法は、基材9にアンテナ6を形成したアンテナ回路基板2と、ICチップ4が搭載された基材10にICチップ4の電極に接続された拡大電極11a,11bを形成したインターポーザー基板7とを、アンテナ6の電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとを導電性接着材又は導電性粘着材8で接合するように積層する基板積層工程と、アンテナ回路基板2の基材9とインターポーザー基板7の基材10とを固着する基材固着工程とを備えている。
【0055】
その為、電極同士の接合に、導電性接着材又は導電性粘着材8を用いても、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板2のアンテナ電極3a,3bとインターポーザー基板7の拡大電極11a,11bとの接合状態を、長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる非接触IDカード類を得ることができる。
【0056】
次に、上述の非接触IDカード類とは異なり、電極同士を圧入する他の非接触IDカード類について述べる。図7〜図13に示されている非接触IDカード類は、アンテナ回路基板2aとインターポーザー基板7aとを積層して構成されている。
【0057】
平面図である図7及び図7のVIII−VIII断面図である図8において、下側のアンテナ回路基板2aと上側のインターポーザー基板7aは、導電性接着材又は導電性粘着材8を介して導通状態に接合されている。なお、上述のアンテナ回路基板2aは、基材9を構成している樹脂フィルムに、アンテナ6及びこれに接続された一対のアンテナ電極3a,3bを形成している。
【0058】
一方、インターポーザー基板7aは、上述の図4,5を転用して述べると、基材10を構成している熱可塑性樹脂フィルムに対してICチップ4を埋設し、かつICチップ4の一対の電極に接続された拡大電極11a,11bを形成している。ICチップ4の一対の電極12a,12bは、例えば、アルミ電極であって、これが拡大電極11a,11bの細いリード部11a1,11b1に接続されている。なお、インターポーザー基板7aの基材10は、アンテナ回路基板2aの基材9に固着されていない。
【0059】
図8及びこの図の一部の平面図である図9において、インターポーザー基板7aの拡大電極11aとアンテナ回路基板2aのアンテナ電極3aとの接合部が拡大されて示されている。同図において、電極11aと電極3aは、拡大電極11aの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3aの局所に圧入した姿に接合されている。
【0060】
図示されていない他方の電極11bと電極3bも同形態に接合されている。また、拡大電極11aの局所20は、平面視において、アンテナ電極3aの中心部に位置されている(図9参照)。上述の電極同士の接合は、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bとの間に、導電性接着材又は導電性粘着材8を介在させるように両基板2a,7aを積層した姿で行われる。
【0061】
その際、電極接合の為のヒートシールに先立って、例えば、インターポーザー基板7aの基板10に、その上方側からポンチ等の適当な成型ツールを図示矢印の方向(下方向)へ押し付けて、所定深さに押し込むことによって拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bの局所に圧入させる。
【0062】
そして、次いで、適当な手段(例えば、ヒートツール)でヒートシールを行うことによって両電極を接合する。かかるヒートシールにおいては、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bとの間に、導電性接着材又は導電性粘着材8を介在させた姿の接合しようとする箇所を、例えば、図示されていないヒートツールで押圧しながら加熱することによって、導電性接着材又は導電性粘着材8を構成している導電性粒子を両電極に熱溶着させたり、或るいは、PSA型の導電性粘着フィルムを使用している場合にあっては、導電性粒子を両電極に接触保持させて導通状態に接合する。
【0063】
なお、導電性接着材又は導電性粘着材8として、上述のPSA型、或るいは熱硬化型のものに代えて、熱可塑性型のものを用いてもよく、その場合においては、導電性接着材又は導電性粘着材8を構成している樹脂を加熱軟化させて、前記樹脂中に混入されている一方の導電性粒子と他方のそれとの間から前記樹脂を押し出すことによって導電性粒子同士を接触させると共に両電極にも接触させて導通状態に接合する。
【0064】
導電性接着材又は導電性粘着材8は、上述したもの以外のものを用いてもよい。例えば、導電性粒子の含有量を増加させて、通常の状態(常温)で導通状態に接合することができるようにしたもの等を用いてもよく、その場合においては、上述の接合に際し、加熱しないで押圧のみを行うが、この場合においても、上述の接合位置ずれ防止を防止することができる。
【0065】
上述のように、ヒートシールに先立って、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入している為に、その後において、電極接合しようとする箇所を押圧しながら加熱、つまり、ヒートシールしても、両電極の接合位置ずれが発生するのを防止し得て、位置ずれが発生していない良好な状態に接合することができて歩留まりを向上することができる。
【0066】
上述のヒートシールにおいては、接着性又は粘着性の樹脂中に導電性粒子を含有せしめて成る導電性接着材又は導電性粘着材8の弾性によって両電極の接合位置ずれが発生し易いと共に、ヒートシール温度(例えば、100℃)に達するまでの昇温途中(中間温度)において前記樹脂が溶ける為に接合部の平面度を精密に保っていないと、同様に接合位置ずれが発生し易い。
【0067】
しかし、上述のように、ヒートシールに先立って、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入しているから、ヒートシールに際して両電極の接合位置ずれの発生を防止することができ、かつそのこと基づいて、接合位置ずれが発生していない姿に接合することができるので、一定品質の実用的な電気的特性を有する非接触IDカード類を得ることができる。
【0068】
上述の接合位置ずれの発生は、一般に、導電性接着材よりも導電性粘着材を用いる場合において顕著であるが、上述のように、ヒートシールに先立って圧入することによって、上述の接合位置ずれの発生を防止することができるので、特に有効である。
【0069】
上述の導電性接着材又は導電性粘着材8は、ペースト状又はフィルムのいずれであってもよい。言い換えると、導電性接着材8は、導電性接着ペーストと導電性接着フィルムとに分けられると共に導電性粘着材8は、導電性粘着ペーストと導電性粘着フィルムとに分けられるが、本発明においては、それらのいずれを用いてもよい。
【0070】
かかる導電性接着ペースト又は導電性粘着ペーストは、上述のように、電極上に塗布後、乾燥されて、導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムと同様に膜状に形成される。その為、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においても、導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムを用いる場合と同様に、その乾燥又は硬化した膜の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入することができる。
【0071】
上述の圧入は、接合位置ずれの発生を防止すること等からして、導電性粘着フィルムを用いる場合において最も有効であって、次いで、導電性接着フィルムを用いる場合において有効である。しかし、それのみに限定されず、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においても、後者と同程度に有効である。
【0072】
すなわち、導電性接着材又は導電性粘着材を用いる限りにおいては、上述の接合位置ずれが発生し易いが、上述の圧入によって、それを防止することができる。なお、上述の例においては、拡大電極11a,11bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共にアンテナ電極3a,3bに圧入しているが、それに代えて、図10に示すように、アンテナ電極3a,3bの局所20を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共に拡大電極11a,11bに圧入してもよい。上述のように、導電性接着材又は導電性粘着材8で両電極を導通状態に接合するヒートシールに先立って、一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材8の局所と共に他方の電極に圧入する。
【0073】
導電性接着材又は導電性粘着材8として、導電性接着フィルムや導電性粘着フィルムを用いる場合には、貼着後、直ちに圧入してもよいが、必要ならば、半硬化させた状態にしてから圧入してもよい。一方、導電性接着ペーストや導電性粘着ペーストを用いる場合においては、塗布後、乾燥又は半硬化させた状態で、それを同様に圧入する。
【0074】
かかる圧入の為の手段は、上述のポンチ等の成型ツールに限定されず他の手段であってもよく、かつその圧入位置についても、アンテナ電極3a,3b又は拡大電極11a,11bの中心部に限定されず、中心部でない位置に設定してもよいと共に圧入形状についても、図8,10,11に示すようなV字形又は逆V字形の圧入形状に限定されず、他の形状、例えば、湾曲状(図12参照)等にしてもよい。
【0075】
また、接合位置ずれの発生防止をより十分にする為に、一方の電極の複数局所を他方の電極に圧入してもよい。このような形態が図11に示されている。かかる圧入は、電極に対して非貫通の状態に圧入することの他、図13に示されているように貫通の状態に圧入してもよい。
【0076】
アンテナ回路基板2aの基材9は、上述と同様に、単体材としての樹脂フィルムや紙や不織布等であってもよい。インターポーザー基板7の基材10についても、単体材としての樹脂フィルム若しくは樹脂フィルムを有する積層材(例えば、樹脂フィルムと紙の積層材)のいずれあってもよい。上記樹脂フィルムは、熱可塑性のものを選択するのが好ましい。
【0077】
また、インターポーザー基板7aの基材10に対するICチップ4の搭載は、埋設に限定されず、埋設されていない一般の形態に搭載してもよいが、基材10を樹脂フイルム又は熱可塑性樹脂フイルムで構成し、かつそれらに対してICチップ4を埋設するのが、薄型化の面からして好ましい。
【0078】
アンテナ回路基板2aとインターポーザー基板7aとを導通状態に接合する為の導電性接着材又は導電性粘着材としての導電性接着フィルム又は導電性粘着フィルムについても、接着性又は粘着性を有するものであれば、熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよい。一般には、非熱硬化型の導電性粘着フィルム、例えば、その代表例として、熱可塑性型の導電性粘着フィルムが挙げられる。
【0079】
かかる熱可塑性型の導電性粘着フィルムとして、ホットメルト型アクリル系粘着樹脂に金属粒子又はNi、Agなどの金属を被覆した粒子(金属被覆粒子)を含有したもの等が用いられる。貼着及び押圧のみの工程で接合が可能、すなわち、短時間で導通することができるからである。導電性接着ペーストについても、上述の導電性接着フィルムと同様に、接着性を有するものであれば、熱硬化型、非熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよい。
【0080】
また、アンテナ電極3a,3bと拡大電極11a,11bは共に銀ペースト印刷電極で構成するか、或るいは一方を銀ペースト印刷電極で構成すると共に他方をアルミ電極で構成するのが好ましい。両電極の圧接条件として、2.5mm2当り10g〜20kg、好ましくは50g〜5kgが適当である。ヒートシール時の温度は、例えば100℃等、所定温度を選択することができる。なお、接合抵抗に関し、50℃、93%RHの高温高湿試験に合格することができた。
【0081】
また、拡大電極11a,11b及びアンテナ6は、導電性樹脂で構成するのが好ましく、コスト低減を図る面からは印刷方法、例えば、スクリーン印刷法によって形成するのが好ましい。しかし、必要に応じて他の印刷方法、例えば、オフセット印刷等で形成してもよく、更には、印刷方法以外の方法、例えば、スパッタリング法等でアルミ等を蒸着してもよい。
【0082】
また、ICチップ4の電極12a,12bは、拡大電極11a,11bとの接続を確実なものにする為にアンダーバリヤーメタル層(UBM層)を形成するのが好ましい。また、インターポーザー基板7aの基材10を熱可塑性樹脂フィルムで構成することに代えて、アンテナ回路基板2aの基材9を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよく、要するに、アンテナ回路基板2a又はインターポーザー基板7aのどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成してもよい。
【0083】
上述の熱可塑性樹脂フィルムについても、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)以外の例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)等であってもよい。
【0084】
また、アンテナ回路基板2a又はインターポーザー基板7aのどちらか一方又は両方の基材を熱可塑性樹脂フィルムで構成した場合には、ヒートシールに際して、これらの基板を同時に熱溶着することができるので、この点から電極接合状態を良好に保つことができる。電極の大きさよりも大きい加熱面積を持つヒートツールを用いてヒートシールすれば、電極の周辺部を電極接合と同時に熱溶着することができる。
【0085】
また、アンテナ6の電極3a,3b及びインターポーザー基板7aの拡大電極11a,11bの接合面それぞれを粗面に設けるのが好ましい。上述の導電性接着材又は導電性粘着材が付着し易くする為である。また、アンテナ回路基板2aのアンテナ6は、渦巻き型、櫛歯型(図6参照)等いかなる型式のものであってもよいと共に、基板搭載部13の空隙に絶縁材14(図2参照)を充填してもよい。
【0086】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1〜10に記載の発明によると、非接触IDカード類及びその製造方法に関し、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合することに加えて、アンテナ回路基板の基材とインターポーザー基板の基材とを固着しているから、温度や湿度等の環境変化の影響に左右されずに、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極との接合状態を長期間に亘って良好に保つ、すなわち、電気抵抗値が低くて一定している導通状態に長期間に亘って保つことができる。
【0087】
また、請求項11〜14に記載の発明によると、非接触IDカード類及びその製造方法に関し、アンテナ回路基板のアンテナ電極とインターポーザー基板の拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合する為のヒートシールに先立って、かかる両電極のうち、どちらか一方の電極の局所を、導電性接着材又は導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入するようにしているから、ヒートシールに際して接合位置ずれの発生を防止することができて一定品質の実用的な電気的特性に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触IDカード類の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】インターポーザー基板の基材である熱可塑性樹脂フィルムの熱溶着態様を示す図である。
【図4】インターポーザー基板の正面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】アンテナ回路基板に設けられている櫛型のアンテナを示す平面図である。
【図7】他の非接触IDカード類の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図8の一部の平面図である。
【図10】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図11】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図12】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【図13】電極の他の接合態様を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2,2a:アンテナ回路基板
3a,3b:アンテナ電極
4:ICチップ
6:アンテナ
7,7a:インターポーザー基板
8:導電性接着材又は導電性粘着材
9:アンテナ回路基板の基材
10:インターポーザー基板の基材
11a,11b:拡大電極
15a〜15d:熱溶着箇所
20:圧入局所
Claims (14)
- 基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを備え、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合するように両基板を積層して成る非接触IDカード類において、前記アンテナ回路基板の前記基材と前記インターポーザー基板の前記基材とを固着したことを特徴とする非接触IDカード類。
- 前記インターポーザー基板の前記基材を、単体材としての樹脂フィルム又は樹脂フィルムを備えた積層材で構成したことを特徴とする請求項1に記載の非接触IDカード類。
- 前記樹脂フィルムを熱可塑性樹脂フィルムで構成すると共に前記熱可塑性樹脂フィルムを前記アンテナ回路基板の前記基材に熱溶着したことを特徴とする請求項2に記載の非接触IDカード類。
- 前記熱可塑性樹脂フィルムに前記ICチップを埋設したことを特徴とする請求項3に記載の非接触IDカード類。
- 前記導電性粘着材を導電性粘着フィルムで構成したことを特徴とする請求項4に記載の非接触IDカード類。
- 前記拡大電極を導電性樹脂で構成したことを特徴とする請求項5に記載の非接触IDカード類。
- 前記アンテナ回路基板の前記基材を、単体材としての樹脂フィルム、紙又は不織布のいずれか一つで構成したことを特徴とする請求項1に記載の非接触IDカード類。
- 前記樹脂フィルムを熱可塑性樹脂フィルムで構成すると共に前記熱可塑性樹脂フィルムを前記インターポーザー基板の前記基材に熱溶着したことを特徴とする請求項7に記載の非接触IDカード類。
- 基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合するように積層する基板積層工程と、前記アンテナ回路基板の前記基材と前記インターポーザー基板の前記基材とを固着する基材固着工程とを備えていることを特徴とする非接触IDカード類の製造方法。
- 前記基板積層工程に先立って前記基材固着工程を行うことを特徴とする請求項9に記載の非接触IDカード類の製造方法。
- 基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを備え、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合するように両基板を積層して成る非接触IDカード類において、前記アンテナの電極と前記拡大電極とが、一方の電極の局所を、前記導電性接着材又は前記導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入した姿に接合されていることを特徴とする非接触IDカード類。
- 前記一方の電極の複数局所が前記他方の電極に圧入されていることを特徴とする請求項11に記載の非接触IDカード類。
- 基材にアンテナを形成したアンテナ回路基板と、ICチップが搭載された基材に前記ICチップの電極に接続された拡大電極を形成したインターポーザー基板とを、前記アンテナの電極と前記拡大電極とを導電性接着材又は導電性粘着材で接合するように積層する基板積層工程と、前記接合の為のヒートシールに先立って両電極のどちらか一方の電極の局所を、前記導電性接着材又は前記導電性粘着材の局所と共に他方の電極に圧入する電極圧入工程とを備えていることを特徴とする非接触IDカード類の製造方法。
- 前記一方の電極の複数局所を前記他方の電極に圧入することを特徴とする請求項13に記載の非接触IDカード類の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2007115249A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Natl Starch & Chem Investment Holding Corp | プレアプライド接着材を有するrfidアンテナ |
CN112586097A (zh) * | 2018-10-04 | 2021-03-30 | 日本航空电子工业株式会社 | 电子部件的安装结构的制造方法、电子部件的安装结构电子模块、配线片 |
-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003067827A patent/JP2004086852A/ja active Pending
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