JP2004086638A - 生産進捗制御システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき、生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムおよび方法を提供する。
【解決手段】生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う製造装置8Bと、前記各生産ロットを製造装置8Bによる生産処理に関連してそれぞれ搬送する搬送装置7Bとを備え、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて製造装置8Bで処理される次処理ロットを決定する進捗制御部5を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う製造装置8Bと、前記各生産ロットを製造装置8Bによる生産処理に関連してそれぞれ搬送する搬送装置7Bとを備え、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて製造装置8Bで処理される次処理ロットを決定する進捗制御部5を設けた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、生産進捗制御システムおよび方法、特に、ウエハラインのような同一装置で複数品種および複数工程を担当する製造装置で構成される半導体製造ラインにおける処理ロットを選択する生産進捗制御システムおよび方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程等の生産ラインにおいて、製造装置により生産処理するための生産ロットについて、工程別の仕掛ロット群の中から次処理ロットを選び出す場合、従来は、例えば、FIFO(先入れ先出し;First_In_First_Out)や進捗遅れ順などのように所定の進捗ルールに基づき決定された優先順位を設定し、その優先順位にしたがい製造装置へロットを搬送して作業させる手法をとっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、生産ロットのロケーションおよび生産ロットが進捗停止となっている等の属性状態に関わらずロット処理の指示を出しているため、製造装置がアイドルの状態でも、そのロットの到着を待ち続けるか、または、そのロットを探すことが必要になり、製造装置の稼働能力低下あるいは作業混乱を発生する原因となる等の問題点がある。
【0004】
この発明は、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムおよび方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る生産進捗制御システムでは、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段と、前記各生産ロットを前記生産手段による生産処理に関連してそれぞれ搬送する搬送手段とを備え、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定する制御手段を設けたものである。
【0006】
第2の発明に係る生産進捗制御システムでは、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う複数の生産手段と、前記各生産ロットについて処理工程毎に仕掛りロットの処理優先順位を設定する工程進捗管理手段と、前記生産手段の稼働能力および負荷を管理する生産能力管理手段と、前記生産ロットを集結配置し前記生産手段へ生産対象としての生産ロットを供給するための生産処理用配置手段と、前記生産手段により生産処理された生産ロットを搬送するため集結配置する搬送処理用配置手段と、前記生産処理用配置手段と前記搬送処理用配置手段との間で前記生産ロットを搬送する搬送手段と、作業者に生産ロット処理用作業指示および生産ロット運搬用作業指示を伝達する作業指示手段と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性状態を逐次把握し前記各生産ロットの属性情報を導出するロット状態管理手段とを備え、前記ロット状態管理手段により導出される前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達する制御手段を設けたものである。
【0007】
第3の発明に係る生産進捗制御システムでは、第2の発明において、前記制御手段は、前記制御手段により決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を前記ロット状態管理手段からの情報によって把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を前記搬送手段および作業指示手段へ伝達し、作業の進捗を促進するものである。
【0008】
第4の発明に係る生産進捗制御システムでは、第1ないし第3の発明において、前記制御手段は、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0009】
第5の発明に係る生産進捗制御システムでは、第4の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択するものである。
【0010】
第6の発明に係る生産進捗制御方法では、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段へ前記各生産ロットを搬送して前記生産手段による生産処理を進めるにあたり、前記搬送手段による搬送によって生じる前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定するものである。
【0011】
第7の発明に係る生産進捗制御方法では、第6の発明において、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えるものである。
【0012】
第8の発明に係る生産進捗制御方法では、第7の発明において、前記決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業員にそのロケーション情報に基づく作業指示を与え、作業の進捗を促進するものである。
【0013】
第9の発明に係る生産進捗制御方法では、第8の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0014】
第10の発明に係る生産進捗制御方法では、第9の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態について、図1ないし図6を参照して詳細に説明する。図1は、この発明による実施の形態における全体構成を示すブロック図である。図2は、この発明による実施の形態における配置構成を示すブロック図である。図3は、この発明による実施の形態における工程とロットの状態とロケーションの関係を示す説明図である。図4は、この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が高い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図5は、この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が低い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図6は、この発明による実施の形態における次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0016】
図1を参照すると、この発明による実施の形態における生産進捗制御システムは、基準情報管理部1と、装置能力管理部2と、ロット状態管理部3と、工程進捗管理部4と、進捗制御部5と、ストッカ制御部6と、搬送装置制御部7と、製造装置制御部8と、作業指示部9と、から構成される。
これらの構成要素間は有線または無線による通信手段CNで接続され、制御信号または作業指示情報を授受する。
【0017】
基準情報管理部1は、ロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,処理時間,搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件,製造装置の稼動データなどの情報を管理する。
基準情報管理部1は、装置能力管理部2へ製造装置の稼働データ,処理時間,生産計画数などの情報を伝送する。
また、基準情報管理部1は、工程進捗管理部4および進捗制御部5へロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,搬送ルートおよび搬送手段の構成,搬送条件などの情報を伝送する。
【0018】
装置能力管理部2は、基準情報管理部1から伝送された稼動データ,処理時間,生産計画数などの情報から製造装置群別の能力時間および負荷時間を算出する。
【0019】
ロット状態管理部3は、FA/マニュアル等の既存の処理ルール如何に関わらず、例えば、トラブル等による評価や営業要因による進捗停止などを含めた生産ロットの属性状態や、生産ロットがストッカ,搬送装置,評価室,製造装置などのいずれのロケーションに位置するかのロケーション状況を、自動または作業者の入力により把握し、それらの属性情報およびロケーション情報をリアルタイムで管理する。
さらに、予め生産ロットの属性状態およびロケーション毎に生産ロットが製造装置により生産処理可能であるかの情報を保有し常に修正されており、生産ロットが製造装置により即時処理可能な状態にあるか否かをリアルタイムで判定する。
【0020】
工程進捗管理部4は、基準情報管理部1から伝送されたロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された装置群別負荷率データおよびロット仕掛データとから、ロット優先順位を算出し、進捗制御部5へその結果を伝送する。
【0021】
進捗制御部5は、基準情報管理部1から伝送された搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された装置群別負荷率データおよびロット仕掛データと、工程進捗管理部4から伝送されたロット優先順位と、ロット状態管理部3から伝送された生産ロットのロケーションおよび属性状態とから、現在時点で次に処理すべき生産ロットを選択する。
また、処理優先順位が高く、しかも、そのロケーション状況により即時処理できない生産ロットについては、そのアラーム情報を作成する。
【0022】
ストッカ制御部6および搬送装置制御部7は、進捗制御部5から伝送された処理ロット情報に基づきストッカから払出し、ロット優先順位に基づきロットの搬送するための入出庫,搬送を行う。
【0023】
製造装置制御部8は、進捗制御部5からのロット処理指示に基づき、搬送装置6または作業者からロット受け取りロット処理を行い、処理開始および処理完了時に工程進捗データを工程進捗管理部4へ伝送する。
【0024】
作業指示部9は、ロット処理作業者に対し現在処理すべきロットを指示し、搬送作業者に対しロット優先順位に基づくロット搬送を指示するための表示手段である。
【0025】
この発明による実施の形態における生産ラインの配置構成を示す図2について、この発明による実施の形態における処理動作を説明する。
図2に示す生産ラインは処理工程Aおよび処理工程Bにより構成されている。製造装置8Aは、工程Aに属し、製造装置8Bは、工程Bに属する。
【0026】
図において、1は基準情報管理部、2は装置能力管理部、3はロット状態管理部、4は工程進捗管理部、5は進捗制御部、6はストッカ制御部、7は搬送装置制御部、8は製造装置制御部、9は作業指示部である。
6AS,6AT,6BS,6BTはストッカ、7A,7B,7Cは搬送装置、8Aは第1の製造装置群を構成する製造装置A、8Bは第2の製造装置群を構成する製造装置B、8AP,8BPは製造装置8A,8Bに設けられた装置前ロット配置部、8AQ,8BQは製造装置8A,8Bに設けられた処理済ロット配置部である。
【0027】
ここで、工程進捗管理部4は、工程Aおよび工程Bのそれぞれについて、基準情報管理部1から伝送された生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された製造装置8A,8B別の負荷率データおよび工程A,工程B別のロット仕掛データとから、製造装置8A,8Bにおいて生産処理すべき生産ロットの処理優先順位を算出し、進捗制御部5へその結果を伝送する。
【0028】
進捗制御部5は、工程Aおよび工程Bのそれぞれについて、工程進捗管理部4による処理優先順位の算出結果、ならびに、基準情報管理部1による生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2による製造装置8A,8B別の負荷率データおよび工程A,工程B別のロット仕掛データとの伝送を受けるものである。
【0029】
工程Aにおいて、製造装置8Aに複数個のウエハ等からなる生産ロットを供給するための生産処理用ストッカ6ASは搬送装置7Aにより搬送されてきた前工程で処理済の生産ロットを集結配置している。
生産処理用ストッカ6ASに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、製造装置8Aに設けられた装置前ロット配置部8APに配置され、「待ち」状態となる。
【0030】
製造装置8Aは、進捗制御部5の指示に応じて、指定された生産ロットについてウエハ加工等の所定の生産処理を行う。
生産処理済の生産ロットは、製造装置8Aに設けられた処理済ロット配置部8AQに配置され、その生産ロットは、搬送のため搬送処理用ストッカ6ATに集結配置される。
【0031】
工程Bにおいて、搬送処理用ストッカ6ATに集結配置された複数個のウエハ等からなる生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、搬送装置7により、生産処理用ストッカ6BSに搬送されて集結配置される。
生産処理用ストッカ6BSに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、製造装置8Bに設けられた装置前ロット配置部8BPに配置され、「待ち」状態となる。
【0032】
製造装置8Bは、進捗制御部5の指示に応じて、指定された生産ロットについてウエハ加工等の所定の生産処理を行う。
生産処理済の生産ロットは、製造装置8Bに設けられた処理済ロット配置部8BQに配置され、その生産ロットは、搬送のため搬送処理用ストッカ6BTに集結配置される。
【0033】
ここで、進捗制御部5は、前述の通り、基準情報管理部1,装置能力管理部2,ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から次のような情報の伝送を受ける。
基準情報管理部1から搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件等に関する情報が伝送される。
装置能力管理部2から製造装置8A,8Bのそれぞれについての稼働能力時間および負荷時間に関する情報が伝送される。
ロット状態管理部3から製造装置8A,8Bによって生産処理される各生産ロットのロケーション状況を含む属性状態に関する情報が伝送されるとともに、各生産ロットが製造装置8A,8Bによって即時生産処理可能かどうかの情報が伝送される。
工程進捗管理部4から各生産ロットについてどの生産ロットを優先して生産処理するかのロット優先順位決定結果に関する情報が伝送される。
【0034】
進捗制御部5は、装置能力管理部2,ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から伝送された情報に基づき、次のような情報処理を行う。
基準情報管理部1から伝送された搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件等に関する情報と、ロット状態管理部3から伝送された各生産ロットのロケーション状況を含む属性状態に関する情報と、工程進捗管理部4から伝送された各生産ロットについてのロット優先順位に関する情報とから、時間の経過にしたがって各時点で、製造装置8A,8Bにおいて次に生産処理すべき生産ロットを選択するように、逐次リアルタイムで情報処理を行う。
そして、処理優先順位が相対的に高い特定の生産ロットに着目し、その生産ロットが製造装置8A,8Bにおいて即時生産処理できるかどうかを判別する。即時生産処理できない場合には、その生産ロットについてアラーム情報を生成し、この情報を搬送装置7および作業指示部9へ伝送し、当該生産ロットを製造装置8A,8Bの処理前ロット配置部8AP,8BPに搬送および移送して即時生産可能な状態とするよう搬送装置7および作業員へ作業指示を与える。
進捗制御部5は、生産ロットが製造装置8A,8Bにおいて即時生産処理できるかどうかを判別するための基準として、予め設定された定義を有する。その定義は、対象の生産ロットが製造装置8Aの装置前ロット配置部8APまたは生産処理用ストッカ6ASに存在する場合に、製造装置8Aによって即時生産処理可能とし、対象の生産ロットが製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPまたは生産処理用ストッカ6BSに存在する場合に、製造装置8Bによって即時生産処理可能とするものである。
【0035】
図2において、ある生産ロットに注目することとし、その処理工程の流れを追ってみると、次の通りである。
工程Aにおいて、搬送装置7Aにより生産処理用ストッカ6ASに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5によって製造装置8Aで次に生産処理されるべき生産ロットとして選択されると、その情報は生産処理用ストッカ6ASまたは作業指示部9に伝送され、生産処理用ストッカ6ASから運搬装置によって製造装置8Aの装置前ロット配置部8APへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって製造装置8Aの装置前ロット配置部8APへ移送される。
製造装置8Aでの生産処理が終了すると、生産ロットは製造装置8Aの処理後ロット配置部8AQへ配置される。
【0036】
工程Bにおいて、製造装置8Aの処理後ロット配置部8AQへ配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって、運搬装置によって搬送処理用ストッカ6ATへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって搬送処理用ストッカ6ATへ移送され、搬送処理用ストッカ6ATで集結配置される。
搬送処理用ストッカ6ATに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって搬送装置7Bにより、生産処理用ストッカ6BSに搬送される。
生産処理用ストッカ6BSに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5によって製造装置8Bで次に生産処理されるべき生産ロットとして選択されると、その情報は生産処理用ストッカ6BSまたは作業指示部9に伝送され、生産処理用ストッカ6BSから運搬装置によって製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ移送される。
製造装置8Bでの生産処理が終了すると、生産ロットは製造装置8Bの処理後ロット配置部8BQへ配置される。
製造装置8Bの処理後ロット配置部8BQへ配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって、運搬装置によって搬送処理用ストッカ6BTへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって搬送処理用ストッカ6BTへ移送され、搬送装置7Cによる次工程への搬送のため搬送処理用ストッカ6BTで集結配置される。
【0037】
次に、生産ロットについてのロケーション状況を含む属性状態について図3に基づき説明する。図3は各工程における生産ロットについてのロケーション状況を含む属性状態を示す説明図である。
図3を参照すると、例えば工程Bについて、その工程の中を生産ロットのロケーション状況で分割すれば、通常のロケーション状況は「移送1」,「搬送」,「移送2」,「待ち」,「処理」に分類される。
ここで、「移送1」は処理完了後の装置からストッカまでのロット運搬を指し、「移送2」は処理開始前のストッカから装置までのロット運搬を指す。「待ち」は、一般的に処理前の「待ち」を指すが、移送および搬送中にも「待ち」は発生する。
そして、このような「移送1」から「処理」までのロケーション状況の移行が正常に推移する『正常ロット』の他、検査により異常が発見された場合や工程異常により進捗不能となる場合など、ロット進捗を故意に停止させ、ストッカまたは検査装置エリアに待機させるような、「品質異常」や「工程異常」等を含む『異常ロット』が存在する場合もある。
【0038】
図3に示す「ロット状態1」は、『正常ロット』における属性状態としてのロケーション状況の推移を生産ロットの一つを挙げて例示すものである。
この生産ロットは、次の(1)〜(5)のようなロケーション状況の推移をたどる。
(1)工程Aにおいて装置Aにより生産処理された後、処理後ロット配置部8AQから搬送処理用ストッカ6AT(図2参照)へ運搬移動される(「移送1」)。
(2)搬送処理用ストッカ6ATから生産処理用ストッカ6BSへ搬送装置7Bにより搬送移動される(「搬送」)。
(3)生産処理用ストッカ6BSから製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ運搬移動される(「移送2」)。
(4)製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPにおいて製造装置8Bによる生産処理のため待機する(「待ち」)。
(5)製造装置8Bにより生産処理される(「処理」)。
【0039】
また、「ロット状態2」は、『異常ロット』におけるロケーション状況を含む属性状態の推移を生産ロットの他の一つを挙げて例示すものである。
この生産ロットは、次の(1)〜(6)のようなロケーション状況の推移をたどる。
(1)工程Aにおいて装置Aにより生産処理された後、処理後ロット配置部8AQから搬送処理用ストッカ6ATへ運搬移動される(「移送1」)。
(2)搬送処理用ストッカ6ATにおいて、「工程異常」を原因とする進捗停止により、待機する(「待ち」)。
(3)「工程異常」の解消により、搬送処理用ストッカ6ATから生産処理用ストッカ6BSへ搬送装置7Bにより搬送移動される(「搬送」)。
(4)生産処理用ストッカ6BSから製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ運搬移動される(「移送2」)。
(5)製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPにおいて製造装置8Bによる生産処理のため待機する(「待ち」)。
(6)製造装置8Bにより生産処理される(「処理」)。
【0040】
続いて、次処理ロットを決定する手法について図4および図5に基づき説明する。図4は製造装置の負荷率が高い場合に生産ロットのロケーション状況を加味して次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図5は製造装置の負荷率が低い場合に生産ロットのロケーション状況に関係なく次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【0041】
生産ロットについての製造装置によるロット処理順序を設定するロット進捗ルールとして、FIFO(先入れ先出し;First_In_First_Out)や予定日程からの遅れ順などが適用されている。
図4および図5に示すように、これらの進捗ルールにより設定した優先順位1〜7が工程進捗管理部4によって生産ロット(ID1〜7)毎に設定される。
【0042】
工程進捗管理部4によって生産ロット毎に設定された「優先順位」、ならびに、図4および図5において「ロット状態」および「ロケーション」として示されたロケーション状況を含む各生産ロットの属性状態は、ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から進捗制御部5に伝送されており、進捗制御部5は工程進捗管理部4によって設定された優先順位を基に、ロケーション状況を含む各生産ロットの属性状態に応じて、生産処理を行う製造装置による次処理ロットを選択し生産ロットの生産処理順序を設定する。
【0043】
このような進捗制御部5による次処理ロットの選択処理は、生産処理を行う製造装置の負荷率に応じて実行される。
負荷率は次のように参照する。
負荷率=負荷時間/能力時間 または 負荷率=負荷数/能力数
この製造装置群の負荷率がある基準値以上である場合、すなわち負荷量に対して稼働能力に余裕がなくネック工程になり易い装置では、製品待ち時間を少なくして、ロット処理を優先することが必要である。
逆に負荷率が基準値以下である場合、すなわち能力に余裕がある装置では、稼動ロスの発生よりロット進捗順序を遵守して納期遵守や工期短縮を図ることが必要である。
【0044】
したがって、進捗制御部5は装置能力管理部2から製造装置8A,8Bに関する負荷率データの伝送を受け、図4に示すように、製造装置Bでの負荷率が85%と高い場合には、優先順位が比較的低い「4」ではあるがロケーション状況が製造装置Bによる処理待ちの生産ロット(ID4)を製造装置Bによる次処理ロットとして選択するように生産ロットのロケーション状況を含む属性状態を加味して選択処理を行う。
【0045】
図5に示すように、製造装置Bでの負荷率が50%と低い場合には、工程進捗管理部4によって設定された優先順位にしたがい、優先順位が「1」である生産ロット(ID1)を次処理ロットとして選択する。
【0046】
以上のように、次処理ロットは負荷率基準を参照として所定時間内に処理開始できるロットをロット状態とロケーションを勘案して選択される。
【0047】
なお、負荷率が常に高いと推定されるような製造装置の場合等には、負荷率に係らず、進捗制御部5によるロケーション状況を加味した次処理ロットの選択処理を常時行うようにすることもできる。
【0048】
次に、次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを説明する。図6は次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図6を参照すると、先ず、工程進捗管理部4は、基準情報管理部1から伝送される生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件等の、ロット進捗ルールを適用するための情報を収集して、生産処理を行う製造装置8A,8Bにおけるロット処理優先順位を設定する(ステップS501)。
【0050】
次に、進捗制御部5は、ロット状態管理部3から各生産ロットのロケーション状況データを含む生産ロットの属性状態等に関する情報を収集するとともに、装置能力管理部2から製造装置8A,8Bに関する負荷率等の装置能力情報を収集する(ステップS502)。
【0051】
続いて、進捗制御部5は、工程進捗管理部4により設定されたロット処理優先順位情報ならびに前記ステップS502において収集された情報から、図2ないし図5について前述した処理動作により、製造装置8A,8Bにおける次処理ロットを設定する(ステップS503)。
【0052】
進捗制御部5は、ステップS503において設定した次処理ロット情報に基づく作業指示を、ストッカ5と、搬送装置6と、製造装置7と、作業指示部9とに与え、前ロットの作業処理が完了した時点で、次処理ロットについてそれぞれ連携して処理を実行させる(ステップS504)。
【0053】
前ロットの作業処理が未だ完了していない場合には、進捗制御部5は、ストッカ5と、搬送装置6と、作業指示部9とに対し、次処理ロット情報に基づき、搬送優先ロットを特定する作業や異常ロット解除の優先処理を進めるよう指示する(ステップS505)。
【0054】
以上のように、この発明による実施の形態では、製造装置の負荷率に対応した処理ロット指示およびその指示に近づけるようなロット運搬指示あるいは異常ロット解除処理を指示することができる。
したがって、負荷率が高い装置に対してはロット処理を優先するため、能力のロスを小さくしてこの工程における処理能力を高くし、結果的に工期を短縮することができる。
【0055】
この発明による実施の形態によれば、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う製造装置8A,8Bからなる複数の生産手段と、前記各生産ロットについて処理工程毎に仕掛りロットの処理優先順位を設定する工程進捗管理部4からなる工程進捗管理手段と、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段の稼働能力および負荷を管理する装置能力管理部2からなる生産能力管理手段と、前記生産ロットを集結配置し前記製造装置8A,8Bからなる生産手段へ生産対象としての生産ロットを供給するための生産処理用ストッカ6AS,6BSからなる生産処理用配置手段と、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により生産処理された生産ロットを搬送するため集結配置する搬送処理用ストッカ6AT,6BTからなる搬送処理用配置手段と、前記生産処理用ストッカ6AS,6BSからなる生産処理用配置手段と前記搬送処理用ストッカ6AT,6BTからなる搬送処理用配置手段との間で前記生産ロットを搬送する搬送装置7Bからなる搬送手段と、作業者に生産ロット処理用作業指示および生産ロット運搬用作業指示を伝達する作業指示部9からなる作業指示手段と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性状態を逐次把握し前記各生産ロットの属性情報を導出するロット状態管理部3からなるロット状態管理手段とを備え、前記工程進捗管理部4からなる工程進捗管理手段により設定される処理優先順位情報ならびに前記ロット状態管理部3からなるロット状態管理手段により導出される前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記製造装置8A,8Bからなる生産手段で処理される次処理ロットについての生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送装置7Bからなる搬送手段,製造装置8A,8Bからなる生産手段および作業指示部9からなる作業指示手段に伝達する進捗制御部5からなる制御手段を設けたので、搬送手段による搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0056】
また、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記進捗制御部5からなる制御手段により決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を前記ロット状態管理部3からなるロット状態管理手段によって把握し、その生産ロットが前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を前記搬送装置7Bからなる搬送手段および作業指示部9からなる作業指示手段へ伝達し、作業の進捗を促進するようにしたので、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を搬送手段および作業指示手段へ伝達することにより、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0057】
さらに、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により処理される次の生産ロットを前記進捗制御部5からなる制御手段によって選択するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0058】
さらにまた、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えるようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0059】
そして、この発明による実施の形態によれば、前項の方法内容において、前記決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業員にそのロケーション情報に基づく作業指示を与え、作業の進捗を促進するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0060】
そしてまた、この発明による実施の形態によれば、前項の方法内容において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0061】
【発明の効果】
第1の発明によれば、生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0062】
第2の発明によれば、生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0063】
第3の発明によれば、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を搬送手段および作業指示手段へ伝達することにより、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0064】
第4の発明によれば、第1ないし第3の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0065】
第5の発明によれば、第4の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0066】
第6の発明によれば、搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0067】
第7の発明によれば、第6の発明において、搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えることにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0068】
第8の発明によれば、第7の発明において、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業者にそのロケーション情報に基づく作業指示を与えて、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0069】
第9の発明によれば、第6ないし第8の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0070】
第10の発明によれば、第9の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態における全体構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による実施の形態における配置構成を示すブロック図である。
【図3】この発明による実施の形態における工程とロットの状態とロケーションの関係を示す説明図である。
【図4】この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が高い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【図5】この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が低い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【図6】この発明による実施の形態における次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 基準情報管理部、2 装置能力管理部、3 ロット状態管理部、4 工程進捗管理部、5 進捗制御部、6 ストッカ制御部、6AS,6AT,6BS,6BT ストッカ、7 搬送装置制御部、7A,7B,7C 搬送装置、8 製造装置制御部、8A,8B 製造装置、8AP,8BP 装置前ロット配置部、8AQ,8BQ 処理後ロット配置部、9 作業指示部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、生産進捗制御システムおよび方法、特に、ウエハラインのような同一装置で複数品種および複数工程を担当する製造装置で構成される半導体製造ラインにおける処理ロットを選択する生産進捗制御システムおよび方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程等の生産ラインにおいて、製造装置により生産処理するための生産ロットについて、工程別の仕掛ロット群の中から次処理ロットを選び出す場合、従来は、例えば、FIFO(先入れ先出し;First_In_First_Out)や進捗遅れ順などのように所定の進捗ルールに基づき決定された優先順位を設定し、その優先順位にしたがい製造装置へロットを搬送して作業させる手法をとっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、生産ロットのロケーションおよび生産ロットが進捗停止となっている等の属性状態に関わらずロット処理の指示を出しているため、製造装置がアイドルの状態でも、そのロットの到着を待ち続けるか、または、そのロットを探すことが必要になり、製造装置の稼働能力低下あるいは作業混乱を発生する原因となる等の問題点がある。
【0004】
この発明は、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムおよび方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る生産進捗制御システムでは、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段と、前記各生産ロットを前記生産手段による生産処理に関連してそれぞれ搬送する搬送手段とを備え、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定する制御手段を設けたものである。
【0006】
第2の発明に係る生産進捗制御システムでは、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う複数の生産手段と、前記各生産ロットについて処理工程毎に仕掛りロットの処理優先順位を設定する工程進捗管理手段と、前記生産手段の稼働能力および負荷を管理する生産能力管理手段と、前記生産ロットを集結配置し前記生産手段へ生産対象としての生産ロットを供給するための生産処理用配置手段と、前記生産手段により生産処理された生産ロットを搬送するため集結配置する搬送処理用配置手段と、前記生産処理用配置手段と前記搬送処理用配置手段との間で前記生産ロットを搬送する搬送手段と、作業者に生産ロット処理用作業指示および生産ロット運搬用作業指示を伝達する作業指示手段と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性状態を逐次把握し前記各生産ロットの属性情報を導出するロット状態管理手段とを備え、前記ロット状態管理手段により導出される前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達する制御手段を設けたものである。
【0007】
第3の発明に係る生産進捗制御システムでは、第2の発明において、前記制御手段は、前記制御手段により決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を前記ロット状態管理手段からの情報によって把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を前記搬送手段および作業指示手段へ伝達し、作業の進捗を促進するものである。
【0008】
第4の発明に係る生産進捗制御システムでは、第1ないし第3の発明において、前記制御手段は、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0009】
第5の発明に係る生産進捗制御システムでは、第4の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択するものである。
【0010】
第6の発明に係る生産進捗制御方法では、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段へ前記各生産ロットを搬送して前記生産手段による生産処理を進めるにあたり、前記搬送手段による搬送によって生じる前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定するものである。
【0011】
第7の発明に係る生産進捗制御方法では、第6の発明において、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えるものである。
【0012】
第8の発明に係る生産進捗制御方法では、第7の発明において、前記決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業員にそのロケーション情報に基づく作業指示を与え、作業の進捗を促進するものである。
【0013】
第9の発明に係る生産進捗制御方法では、第8の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0014】
第10の発明に係る生産進捗制御方法では、第9の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態について、図1ないし図6を参照して詳細に説明する。図1は、この発明による実施の形態における全体構成を示すブロック図である。図2は、この発明による実施の形態における配置構成を示すブロック図である。図3は、この発明による実施の形態における工程とロットの状態とロケーションの関係を示す説明図である。図4は、この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が高い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図5は、この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が低い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図6は、この発明による実施の形態における次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0016】
図1を参照すると、この発明による実施の形態における生産進捗制御システムは、基準情報管理部1と、装置能力管理部2と、ロット状態管理部3と、工程進捗管理部4と、進捗制御部5と、ストッカ制御部6と、搬送装置制御部7と、製造装置制御部8と、作業指示部9と、から構成される。
これらの構成要素間は有線または無線による通信手段CNで接続され、制御信号または作業指示情報を授受する。
【0017】
基準情報管理部1は、ロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,処理時間,搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件,製造装置の稼動データなどの情報を管理する。
基準情報管理部1は、装置能力管理部2へ製造装置の稼働データ,処理時間,生産計画数などの情報を伝送する。
また、基準情報管理部1は、工程進捗管理部4および進捗制御部5へロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,搬送ルートおよび搬送手段の構成,搬送条件などの情報を伝送する。
【0018】
装置能力管理部2は、基準情報管理部1から伝送された稼動データ,処理時間,生産計画数などの情報から製造装置群別の能力時間および負荷時間を算出する。
【0019】
ロット状態管理部3は、FA/マニュアル等の既存の処理ルール如何に関わらず、例えば、トラブル等による評価や営業要因による進捗停止などを含めた生産ロットの属性状態や、生産ロットがストッカ,搬送装置,評価室,製造装置などのいずれのロケーションに位置するかのロケーション状況を、自動または作業者の入力により把握し、それらの属性情報およびロケーション情報をリアルタイムで管理する。
さらに、予め生産ロットの属性状態およびロケーション毎に生産ロットが製造装置により生産処理可能であるかの情報を保有し常に修正されており、生産ロットが製造装置により即時処理可能な状態にあるか否かをリアルタイムで判定する。
【0020】
工程進捗管理部4は、基準情報管理部1から伝送されたロットの工程手順,製造装置群の構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された装置群別負荷率データおよびロット仕掛データとから、ロット優先順位を算出し、進捗制御部5へその結果を伝送する。
【0021】
進捗制御部5は、基準情報管理部1から伝送された搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された装置群別負荷率データおよびロット仕掛データと、工程進捗管理部4から伝送されたロット優先順位と、ロット状態管理部3から伝送された生産ロットのロケーションおよび属性状態とから、現在時点で次に処理すべき生産ロットを選択する。
また、処理優先順位が高く、しかも、そのロケーション状況により即時処理できない生産ロットについては、そのアラーム情報を作成する。
【0022】
ストッカ制御部6および搬送装置制御部7は、進捗制御部5から伝送された処理ロット情報に基づきストッカから払出し、ロット優先順位に基づきロットの搬送するための入出庫,搬送を行う。
【0023】
製造装置制御部8は、進捗制御部5からのロット処理指示に基づき、搬送装置6または作業者からロット受け取りロット処理を行い、処理開始および処理完了時に工程進捗データを工程進捗管理部4へ伝送する。
【0024】
作業指示部9は、ロット処理作業者に対し現在処理すべきロットを指示し、搬送作業者に対しロット優先順位に基づくロット搬送を指示するための表示手段である。
【0025】
この発明による実施の形態における生産ラインの配置構成を示す図2について、この発明による実施の形態における処理動作を説明する。
図2に示す生産ラインは処理工程Aおよび処理工程Bにより構成されている。製造装置8Aは、工程Aに属し、製造装置8Bは、工程Bに属する。
【0026】
図において、1は基準情報管理部、2は装置能力管理部、3はロット状態管理部、4は工程進捗管理部、5は進捗制御部、6はストッカ制御部、7は搬送装置制御部、8は製造装置制御部、9は作業指示部である。
6AS,6AT,6BS,6BTはストッカ、7A,7B,7Cは搬送装置、8Aは第1の製造装置群を構成する製造装置A、8Bは第2の製造装置群を構成する製造装置B、8AP,8BPは製造装置8A,8Bに設けられた装置前ロット配置部、8AQ,8BQは製造装置8A,8Bに設けられた処理済ロット配置部である。
【0027】
ここで、工程進捗管理部4は、工程Aおよび工程Bのそれぞれについて、基準情報管理部1から伝送された生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2から伝送された製造装置8A,8B別の負荷率データおよび工程A,工程B別のロット仕掛データとから、製造装置8A,8Bにおいて生産処理すべき生産ロットの処理優先順位を算出し、進捗制御部5へその結果を伝送する。
【0028】
進捗制御部5は、工程Aおよび工程Bのそれぞれについて、工程進捗管理部4による処理優先順位の算出結果、ならびに、基準情報管理部1による生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件と、装置能力管理部2による製造装置8A,8B別の負荷率データおよび工程A,工程B別のロット仕掛データとの伝送を受けるものである。
【0029】
工程Aにおいて、製造装置8Aに複数個のウエハ等からなる生産ロットを供給するための生産処理用ストッカ6ASは搬送装置7Aにより搬送されてきた前工程で処理済の生産ロットを集結配置している。
生産処理用ストッカ6ASに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、製造装置8Aに設けられた装置前ロット配置部8APに配置され、「待ち」状態となる。
【0030】
製造装置8Aは、進捗制御部5の指示に応じて、指定された生産ロットについてウエハ加工等の所定の生産処理を行う。
生産処理済の生産ロットは、製造装置8Aに設けられた処理済ロット配置部8AQに配置され、その生産ロットは、搬送のため搬送処理用ストッカ6ATに集結配置される。
【0031】
工程Bにおいて、搬送処理用ストッカ6ATに集結配置された複数個のウエハ等からなる生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、搬送装置7により、生産処理用ストッカ6BSに搬送されて集結配置される。
生産処理用ストッカ6BSに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5の指示に応じて、製造装置8Bに設けられた装置前ロット配置部8BPに配置され、「待ち」状態となる。
【0032】
製造装置8Bは、進捗制御部5の指示に応じて、指定された生産ロットについてウエハ加工等の所定の生産処理を行う。
生産処理済の生産ロットは、製造装置8Bに設けられた処理済ロット配置部8BQに配置され、その生産ロットは、搬送のため搬送処理用ストッカ6BTに集結配置される。
【0033】
ここで、進捗制御部5は、前述の通り、基準情報管理部1,装置能力管理部2,ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から次のような情報の伝送を受ける。
基準情報管理部1から搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件等に関する情報が伝送される。
装置能力管理部2から製造装置8A,8Bのそれぞれについての稼働能力時間および負荷時間に関する情報が伝送される。
ロット状態管理部3から製造装置8A,8Bによって生産処理される各生産ロットのロケーション状況を含む属性状態に関する情報が伝送されるとともに、各生産ロットが製造装置8A,8Bによって即時生産処理可能かどうかの情報が伝送される。
工程進捗管理部4から各生産ロットについてどの生産ロットを優先して生産処理するかのロット優先順位決定結果に関する情報が伝送される。
【0034】
進捗制御部5は、装置能力管理部2,ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から伝送された情報に基づき、次のような情報処理を行う。
基準情報管理部1から伝送された搬送ルート,搬送手段の構成,搬送条件等に関する情報と、ロット状態管理部3から伝送された各生産ロットのロケーション状況を含む属性状態に関する情報と、工程進捗管理部4から伝送された各生産ロットについてのロット優先順位に関する情報とから、時間の経過にしたがって各時点で、製造装置8A,8Bにおいて次に生産処理すべき生産ロットを選択するように、逐次リアルタイムで情報処理を行う。
そして、処理優先順位が相対的に高い特定の生産ロットに着目し、その生産ロットが製造装置8A,8Bにおいて即時生産処理できるかどうかを判別する。即時生産処理できない場合には、その生産ロットについてアラーム情報を生成し、この情報を搬送装置7および作業指示部9へ伝送し、当該生産ロットを製造装置8A,8Bの処理前ロット配置部8AP,8BPに搬送および移送して即時生産可能な状態とするよう搬送装置7および作業員へ作業指示を与える。
進捗制御部5は、生産ロットが製造装置8A,8Bにおいて即時生産処理できるかどうかを判別するための基準として、予め設定された定義を有する。その定義は、対象の生産ロットが製造装置8Aの装置前ロット配置部8APまたは生産処理用ストッカ6ASに存在する場合に、製造装置8Aによって即時生産処理可能とし、対象の生産ロットが製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPまたは生産処理用ストッカ6BSに存在する場合に、製造装置8Bによって即時生産処理可能とするものである。
【0035】
図2において、ある生産ロットに注目することとし、その処理工程の流れを追ってみると、次の通りである。
工程Aにおいて、搬送装置7Aにより生産処理用ストッカ6ASに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5によって製造装置8Aで次に生産処理されるべき生産ロットとして選択されると、その情報は生産処理用ストッカ6ASまたは作業指示部9に伝送され、生産処理用ストッカ6ASから運搬装置によって製造装置8Aの装置前ロット配置部8APへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって製造装置8Aの装置前ロット配置部8APへ移送される。
製造装置8Aでの生産処理が終了すると、生産ロットは製造装置8Aの処理後ロット配置部8AQへ配置される。
【0036】
工程Bにおいて、製造装置8Aの処理後ロット配置部8AQへ配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって、運搬装置によって搬送処理用ストッカ6ATへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって搬送処理用ストッカ6ATへ移送され、搬送処理用ストッカ6ATで集結配置される。
搬送処理用ストッカ6ATに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって搬送装置7Bにより、生産処理用ストッカ6BSに搬送される。
生産処理用ストッカ6BSに集結配置された生産ロットは、進捗制御部5によって製造装置8Bで次に生産処理されるべき生産ロットとして選択されると、その情報は生産処理用ストッカ6BSまたは作業指示部9に伝送され、生産処理用ストッカ6BSから運搬装置によって製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ移送される。
製造装置8Bでの生産処理が終了すると、生産ロットは製造装置8Bの処理後ロット配置部8BQへ配置される。
製造装置8Bの処理後ロット配置部8BQへ配置された生産ロットは、進捗制御部5による作業指示によって、運搬装置によって搬送処理用ストッカ6BTへ移送されるか、運搬作業員による運搬によって搬送処理用ストッカ6BTへ移送され、搬送装置7Cによる次工程への搬送のため搬送処理用ストッカ6BTで集結配置される。
【0037】
次に、生産ロットについてのロケーション状況を含む属性状態について図3に基づき説明する。図3は各工程における生産ロットについてのロケーション状況を含む属性状態を示す説明図である。
図3を参照すると、例えば工程Bについて、その工程の中を生産ロットのロケーション状況で分割すれば、通常のロケーション状況は「移送1」,「搬送」,「移送2」,「待ち」,「処理」に分類される。
ここで、「移送1」は処理完了後の装置からストッカまでのロット運搬を指し、「移送2」は処理開始前のストッカから装置までのロット運搬を指す。「待ち」は、一般的に処理前の「待ち」を指すが、移送および搬送中にも「待ち」は発生する。
そして、このような「移送1」から「処理」までのロケーション状況の移行が正常に推移する『正常ロット』の他、検査により異常が発見された場合や工程異常により進捗不能となる場合など、ロット進捗を故意に停止させ、ストッカまたは検査装置エリアに待機させるような、「品質異常」や「工程異常」等を含む『異常ロット』が存在する場合もある。
【0038】
図3に示す「ロット状態1」は、『正常ロット』における属性状態としてのロケーション状況の推移を生産ロットの一つを挙げて例示すものである。
この生産ロットは、次の(1)〜(5)のようなロケーション状況の推移をたどる。
(1)工程Aにおいて装置Aにより生産処理された後、処理後ロット配置部8AQから搬送処理用ストッカ6AT(図2参照)へ運搬移動される(「移送1」)。
(2)搬送処理用ストッカ6ATから生産処理用ストッカ6BSへ搬送装置7Bにより搬送移動される(「搬送」)。
(3)生産処理用ストッカ6BSから製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ運搬移動される(「移送2」)。
(4)製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPにおいて製造装置8Bによる生産処理のため待機する(「待ち」)。
(5)製造装置8Bにより生産処理される(「処理」)。
【0039】
また、「ロット状態2」は、『異常ロット』におけるロケーション状況を含む属性状態の推移を生産ロットの他の一つを挙げて例示すものである。
この生産ロットは、次の(1)〜(6)のようなロケーション状況の推移をたどる。
(1)工程Aにおいて装置Aにより生産処理された後、処理後ロット配置部8AQから搬送処理用ストッカ6ATへ運搬移動される(「移送1」)。
(2)搬送処理用ストッカ6ATにおいて、「工程異常」を原因とする進捗停止により、待機する(「待ち」)。
(3)「工程異常」の解消により、搬送処理用ストッカ6ATから生産処理用ストッカ6BSへ搬送装置7Bにより搬送移動される(「搬送」)。
(4)生産処理用ストッカ6BSから製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPへ運搬移動される(「移送2」)。
(5)製造装置8Bの装置前ロット配置部8BPにおいて製造装置8Bによる生産処理のため待機する(「待ち」)。
(6)製造装置8Bにより生産処理される(「処理」)。
【0040】
続いて、次処理ロットを決定する手法について図4および図5に基づき説明する。図4は製造装置の負荷率が高い場合に生産ロットのロケーション状況を加味して次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。図5は製造装置の負荷率が低い場合に生産ロットのロケーション状況に関係なく次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【0041】
生産ロットについての製造装置によるロット処理順序を設定するロット進捗ルールとして、FIFO(先入れ先出し;First_In_First_Out)や予定日程からの遅れ順などが適用されている。
図4および図5に示すように、これらの進捗ルールにより設定した優先順位1〜7が工程進捗管理部4によって生産ロット(ID1〜7)毎に設定される。
【0042】
工程進捗管理部4によって生産ロット毎に設定された「優先順位」、ならびに、図4および図5において「ロット状態」および「ロケーション」として示されたロケーション状況を含む各生産ロットの属性状態は、ロット状態管理部3および工程進捗管理部4から進捗制御部5に伝送されており、進捗制御部5は工程進捗管理部4によって設定された優先順位を基に、ロケーション状況を含む各生産ロットの属性状態に応じて、生産処理を行う製造装置による次処理ロットを選択し生産ロットの生産処理順序を設定する。
【0043】
このような進捗制御部5による次処理ロットの選択処理は、生産処理を行う製造装置の負荷率に応じて実行される。
負荷率は次のように参照する。
負荷率=負荷時間/能力時間 または 負荷率=負荷数/能力数
この製造装置群の負荷率がある基準値以上である場合、すなわち負荷量に対して稼働能力に余裕がなくネック工程になり易い装置では、製品待ち時間を少なくして、ロット処理を優先することが必要である。
逆に負荷率が基準値以下である場合、すなわち能力に余裕がある装置では、稼動ロスの発生よりロット進捗順序を遵守して納期遵守や工期短縮を図ることが必要である。
【0044】
したがって、進捗制御部5は装置能力管理部2から製造装置8A,8Bに関する負荷率データの伝送を受け、図4に示すように、製造装置Bでの負荷率が85%と高い場合には、優先順位が比較的低い「4」ではあるがロケーション状況が製造装置Bによる処理待ちの生産ロット(ID4)を製造装置Bによる次処理ロットとして選択するように生産ロットのロケーション状況を含む属性状態を加味して選択処理を行う。
【0045】
図5に示すように、製造装置Bでの負荷率が50%と低い場合には、工程進捗管理部4によって設定された優先順位にしたがい、優先順位が「1」である生産ロット(ID1)を次処理ロットとして選択する。
【0046】
以上のように、次処理ロットは負荷率基準を参照として所定時間内に処理開始できるロットをロット状態とロケーションを勘案して選択される。
【0047】
なお、負荷率が常に高いと推定されるような製造装置の場合等には、負荷率に係らず、進捗制御部5によるロケーション状況を加味した次処理ロットの選択処理を常時行うようにすることもできる。
【0048】
次に、次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを説明する。図6は次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図6を参照すると、先ず、工程進捗管理部4は、基準情報管理部1から伝送される生産ロットの工程手順,製造装置8A,8Bの構成,作業条件,搬送ルート,搬送手段,搬送条件等の、ロット進捗ルールを適用するための情報を収集して、生産処理を行う製造装置8A,8Bにおけるロット処理優先順位を設定する(ステップS501)。
【0050】
次に、進捗制御部5は、ロット状態管理部3から各生産ロットのロケーション状況データを含む生産ロットの属性状態等に関する情報を収集するとともに、装置能力管理部2から製造装置8A,8Bに関する負荷率等の装置能力情報を収集する(ステップS502)。
【0051】
続いて、進捗制御部5は、工程進捗管理部4により設定されたロット処理優先順位情報ならびに前記ステップS502において収集された情報から、図2ないし図5について前述した処理動作により、製造装置8A,8Bにおける次処理ロットを設定する(ステップS503)。
【0052】
進捗制御部5は、ステップS503において設定した次処理ロット情報に基づく作業指示を、ストッカ5と、搬送装置6と、製造装置7と、作業指示部9とに与え、前ロットの作業処理が完了した時点で、次処理ロットについてそれぞれ連携して処理を実行させる(ステップS504)。
【0053】
前ロットの作業処理が未だ完了していない場合には、進捗制御部5は、ストッカ5と、搬送装置6と、作業指示部9とに対し、次処理ロット情報に基づき、搬送優先ロットを特定する作業や異常ロット解除の優先処理を進めるよう指示する(ステップS505)。
【0054】
以上のように、この発明による実施の形態では、製造装置の負荷率に対応した処理ロット指示およびその指示に近づけるようなロット運搬指示あるいは異常ロット解除処理を指示することができる。
したがって、負荷率が高い装置に対してはロット処理を優先するため、能力のロスを小さくしてこの工程における処理能力を高くし、結果的に工期を短縮することができる。
【0055】
この発明による実施の形態によれば、生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う製造装置8A,8Bからなる複数の生産手段と、前記各生産ロットについて処理工程毎に仕掛りロットの処理優先順位を設定する工程進捗管理部4からなる工程進捗管理手段と、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段の稼働能力および負荷を管理する装置能力管理部2からなる生産能力管理手段と、前記生産ロットを集結配置し前記製造装置8A,8Bからなる生産手段へ生産対象としての生産ロットを供給するための生産処理用ストッカ6AS,6BSからなる生産処理用配置手段と、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により生産処理された生産ロットを搬送するため集結配置する搬送処理用ストッカ6AT,6BTからなる搬送処理用配置手段と、前記生産処理用ストッカ6AS,6BSからなる生産処理用配置手段と前記搬送処理用ストッカ6AT,6BTからなる搬送処理用配置手段との間で前記生産ロットを搬送する搬送装置7Bからなる搬送手段と、作業者に生産ロット処理用作業指示および生産ロット運搬用作業指示を伝達する作業指示部9からなる作業指示手段と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性状態を逐次把握し前記各生産ロットの属性情報を導出するロット状態管理部3からなるロット状態管理手段とを備え、前記工程進捗管理部4からなる工程進捗管理手段により設定される処理優先順位情報ならびに前記ロット状態管理部3からなるロット状態管理手段により導出される前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記製造装置8A,8Bからなる生産手段で処理される次処理ロットについての生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送装置7Bからなる搬送手段,製造装置8A,8Bからなる生産手段および作業指示部9からなる作業指示手段に伝達する進捗制御部5からなる制御手段を設けたので、搬送手段による搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0056】
また、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記進捗制御部5からなる制御手段により決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を前記ロット状態管理部3からなるロット状態管理手段によって把握し、その生産ロットが前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を前記搬送装置7Bからなる搬送手段および作業指示部9からなる作業指示手段へ伝達し、作業の進捗を促進するようにしたので、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を搬送手段および作業指示手段へ伝達することにより、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0057】
さらに、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記製造装置8A,8Bからなる生産手段により処理される次の生産ロットを前記進捗制御部5からなる制御手段によって選択するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0058】
さらにまた、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えるようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0059】
そして、この発明による実施の形態によれば、前項の方法内容において、前記決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業員にそのロケーション情報に基づく作業指示を与え、作業の進捗を促進するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0060】
そしてまた、この発明による実施の形態によれば、前項の方法内容において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択するようにしたので、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0061】
【発明の効果】
第1の発明によれば、生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0062】
第2の発明によれば、生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0063】
第3の発明によれば、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を搬送手段および作業指示手段へ伝達することにより、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0064】
第4の発明によれば、第1ないし第3の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0065】
第5の発明によれば、第4の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御システムを提供することができる。
【0066】
第6の発明によれば、搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0067】
第7の発明によれば、第6の発明において、搬送によって生じる生産ロットのロケーション移動状況を含む各生産ロットの属性情報に応じて生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えることにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0068】
第8の発明によれば、第7の発明において、優先度の高い生産ロットが生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業者にそのロケーション情報に基づく作業指示を与えて、作業の進捗を促進し、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0069】
第9の発明によれば、第6ないし第8の発明において、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【0070】
第10の発明によれば、第9の発明において、前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することにより、生産ロットについて生産処理を行う生産手段の稼働能力を有効に活用でき生産進捗を的確に遂行できる生産進捗制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態における全体構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による実施の形態における配置構成を示すブロック図である。
【図3】この発明による実施の形態における工程とロットの状態とロケーションの関係を示す説明図である。
【図4】この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が高い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【図5】この発明による実施の形態における製造装置の負荷率が低い場合での次処理ロットを決定する手法を示す説明図である。
【図6】この発明による実施の形態における次処理ロットを設定するための進捗処理動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 基準情報管理部、2 装置能力管理部、3 ロット状態管理部、4 工程進捗管理部、5 進捗制御部、6 ストッカ制御部、6AS,6AT,6BS,6BT ストッカ、7 搬送装置制御部、7A,7B,7C 搬送装置、8 製造装置制御部、8A,8B 製造装置、8AP,8BP 装置前ロット配置部、8AQ,8BQ 処理後ロット配置部、9 作業指示部。
Claims (10)
- 生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段と、前記各生産ロットを前記生産手段による生産処理に関連してそれぞれ搬送する搬送手段とを備え、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定する制御手段を設けたことを特徴とする生産進捗制御システム。
- 生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う複数の生産手段と、前記各生産ロットについて処理工程毎に仕掛りロットの処理優先順位を設定する工程進捗管理手段と、前記生産手段の稼働能力および負荷を管理する生産能力管理手段と、前記生産ロットを集結配置し前記生産手段へ生産対象としての生産ロットを供給するための生産処理用配置手段と、前記生産手段により生産処理された生産ロットを搬送するため集結配置する搬送処理用配置手段と、前記生産処理用配置手段と前記搬送処理用配置手段との間で前記生産ロットを搬送する搬送手段と、作業者に生産ロット処理用作業指示および生産ロット運搬用作業指示を伝達する作業指示手段と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性状態を逐次把握し前記各生産ロットの属性情報を導出するロット状態管理手段とを備え、前記ロット状態管理手段により導出される前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットに関する処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示情報を前記搬送手段,生産手段および作業指示手段に伝達する制御手段を設けたことを特徴とする生産進捗制御システム。
- 前記制御手段は、前記制御手段により決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を前記ロット状態管理手段からの情報によって把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報を前記搬送手段および作業指示手段へ伝達し、作業の進捗を促進することを特徴とする請求項2に記載の生産進捗制御システム。
- 前記制御手段は、前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の生産進捗制御システム。
- 前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを前記制御手段によって選択することを特徴とする請求項4に記載の生産進捗制御システム。
- 生産対象としての生産ロットのそれぞれについて生産処理を行う生産手段へ前記各生産ロットを搬送して前記生産手段による生産処理を進めるにあたり、前記搬送手段による搬送によって生じる前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定することを特徴とする生産進捗制御方法。
- 前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて前記生産手段で処理される生産ロットの処理順序を決定し、決定された生産ロットの処理順序に応じた搬送処理および生産処理を行うとともに、決定された生産ロットの処理順序に応じた作業指示を作業者に与えることとを特徴とする請求項6に記載の生産進捗制御方法。
生産進捗制御方法。 - 前記決定された生産ロットの処理順序に関し優先度の高い生産ロットのロケーション状況を把握し、その生産ロットが前記生産手段により即時処理可能なロケーションに存在しない場合には、そのロケーション情報に基づいて搬送処理を行うとともに、作業員にそのロケーション情報に基づく作業指示を与え、作業の進捗を促進することを特徴とする請求項7に記載の生産進捗制御方法。
- 前記生産手段での負荷率と、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報とに応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することを特徴とする請求項6ないし請求項8に記載の生産進捗制御方法。
- 前記生産手段の負荷率が予め設定された基準値を超えている場合に、前記生産ロットのロケーション移動状況を含む前記各生産ロットの属性情報に応じて、前記生産手段により処理される次の生産ロットを選択することを特徴とする請求項9に記載の生産進捗制御方法。
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