JP2009294852A - 仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置 - Google Patents

仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各加工装置でのロスを最小化することや防止することができる仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置を提供する。
【解決手段】処理対象バッファの充填比較棚にワークが入っているかを判断する第1ステップと、入っている場合に処理対象バッファおよび次のバッファの各充填比較棚の仕掛数を比較する第2ステップと、次のバッファの仕掛数の方が少ない場合に次のバッファへのワークの搬送を決定する第3ステップと、第1ステップで入っていないまたは第2ステップで少なくないと判断された場合もしくは第3ステップ実施後に処理対象バッファの仕掛総数と第2仕掛閾値とを比較した結果、処理対象バッファの仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きい場合に次のバッファの棚に空きがあるかを判断する第4ステップと、第2仕掛閾値よりも大きくかつ空きがある場合に、次のバッファへのワークの搬送を決定する第5ステップとからなる仕掛分配処理を実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一つの生産工程内に配置された同一の処理を実施する複数の加工装置にバッファを介してワークを搬送する場合に、バッファに保管するワークの数を制御する仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置に関するものである。
通常、製品は生産ラインに設けられた複数の工程を経て製造されるが、特に、半導体製品の場合には工程数が多くなる。一般に、これら複数の工程間および各工程内に配置された加工装置間の仕掛(加工装置による処理前のワーク)の搬送制御は、コンピュータを用いて行われる。この搬送制御に関して近年特に重要視されている点は、生産ラインのリードタイム(新たなワークが生産ラインに投入されてから、全ての工程での処理が終わり生産ラインから払い出されるまでに掛かる時間)と各加工装置の稼働率(ある一定時間に対するその時間内に実際に処理を行った時間の比率)とのバランスを最適化することである。即ち、他品種少量生産に対応するためには、バッファで待機するワーク数を抑制することで待ち時間を低減させたり、同じ工程を実施する加工装置の台数を増やしたりすることでリードタイムを抑制する必要がある。しかしながら、一方で加工装置自体が高額であるため、各加工装置の稼働率の低下を抑制するためにはバッファである程度の数のワークを待機させる必要がある。
前述した点を考慮した従来の製造システムの一例として、特開2004−295192号公報に開示されている製造システムがある。当該製造システムは、1つまたは複数の工程からなる工程ブロック毎に、搬入する対象物(仕掛)の個数に対して所定のしきい値を設定し、該しきい値を満足するように搬送手段を制御するよう構成することにより、リードタイムと稼働率とのバランスを最適化し、リードタイムの長時間化と稼働率の低下を抑制している。
特開2004−295192号公報
前述した生産ラインでは、複数のワークを1つのカセットに格納した状態で各工程間での搬送を行ない、各工程内で、工程に投入されたカセットからワークを取り出して加工装置でワークに工程を施した後、再びワークをカセットに格納し工程から払出す各工程間のカセット搬送が一般的に実施されている。さらに、近年では、リードタイムのさらなる短縮を図るために、複数の工程を1本の搬送ラインで繋げたレイアウトで複数の工程に渡り枚葉搬送を行うことによって、予め設定された数のワークがカセットに格納されるまでの待機時間を短縮している。
前記レイアウトでは、搬送装置の配置が可能な床面積および床形状が制限される場合、枚葉搬送を行う搬送装置の能力に対応可能な程度に充分な棚数のバッファを工程間に用意することができない。また、1つの工程内に複数の加工装置が配置されている場合、仕掛を溜めておくバッファは、各工程の前後(出入口付近)のみならず、各加工装置間にも設置する必要がある。即ち、仕掛は工程前のみならず、加工装置間にも溜める必要がある。
しかしながら、前述の特開2004−295192号公報に開示されている製造システム等、従来のものはこのようなバッファ配置に対応していない。そのため、例えば、工程内の最も先頭に配置されたバッファのみで最小仕掛数および最大仕掛数を設定しておき、これら最小仕掛数および最大仕掛数とバッファの現在の仕掛保有数とを比較しながら、バッファ内の仕掛の数を制御した場合、バッファで保有している仕掛が不足し、前工程でロス(稼働率の低下)が発生したり、工程内で下流側に配置された加工装置でロスが発生したりして、稼働率が低下してしまうといった問題があった。また、加工装置間のバッファをすべて使用する目的で、工程内で下流側に配置されたバッファの棚から順に仕掛を溜めるよう制御した場合、上流側の加工装置でロスが発生し稼働率が低下しリードタイムが増加してしまうといった問題があった。
なお、本明細書において、「上流側」とはワークの投入側を言い、「下流側」とはワークの払出側を言う。
本発明はかかる問題を解決すべく創案されたもので、その目的は、一つの生産工程に配置された同一の処理を実施する複数の加工装置の上流側にバッファを設け、当該バッファを介してワークの搬送を行う場合においても、前記一つの生産工程内に配置された各加工装置でのロスを最小化することができるとともに、前記一つの生産工程の前工程の加工装置でのロスを防ぐこともできる仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の仕掛分配制御方法は、同一の処理を行う複数の加工装置と、当該複数の加工装置に搬送するワークを保管する複数の棚を備えた少なくとも一つのバッファとが配置された生産工程を含んでなる生産ラインで、上流側から下流側へ一方向に搬送されるワークに加工装置による処理を施して製品を製造する際に、バッファに保管するワークの数を制御するものであり、例えば図6に示すような、前記バッファを構成する棚の全棚数302と、バッファ内のいずれか一つの棚番号を示す第1仕掛閾値304と、当該第1仕掛閾値304よりも大きいいずれか一つの棚番号または第1仕掛閾値304と同じ棚番号を示す第2仕掛閾値305と、前記第1仕掛閾値304以下の棚番号が付された少なくとも一つの棚から構成された充填比較棚の棚番号のうち最も小さい棚番号を示す充填比較棚の棚番号306と、バッファに保管されたワークの総数(バッファの仕掛総数303)と、前記充填比較棚に保管されたワークの数(充填比較棚にある仕掛数307)とを各バッファに対応付けた状態で示す仕掛棚情報300に基づいて仕掛分配処理を実施するものである。
さらに、前記仕掛分配処理は、いずれか一つのバッファで保管しているワークの数に変化があったタイミングに、保管しているワークの数に変化があったバッファまたは当該バッファよりも1つ上流側に配置されているバッファを処理対象バッファと定義して実施されるものである。前記仕掛分配処理は、図7に示すように、前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っているか否かを判断する第1ステップ(ステップS1)と、前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていると判断された場合に、前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数と前記1つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数とを取得し比較する第2ステップ(ステップS2)と、前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少ないと判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第3ステップ(ステップS3)と、前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていないと判断された場合、前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少なくないと判断された場合、または前記第3ステップを実施した後に、前記仕掛棚情報から前記処理対象バッファの前記仕掛総数と第2仕掛閾値とを取得し比較した結果、前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きい場合に、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあるか否かを判断する第4ステップ(ステップS4)と、前記第4ステップで前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きく、かつ、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあると判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第5ステップ(ステップS5)とからなる。
一方、本発明の仕掛分配制御装置は、同一の処理を行う複数の加工装置と、当該複数の加工装置に搬送するワークを保管する複数の棚を備えた少なくとも一つのバッファとが配置された生産工程を含んでなる生産ラインで、上流側から下流側へ一方向に搬送されるワークに加工装置による処理を施して製品を製造する際に、バッファに保管するワークの数を制御するものであり、前記仕掛棚情報を格納した仕掛数情報領域を含むライン情報データベースと、前記仕掛棚情報のうち、前記バッファの仕掛総数と前記充填比較棚の仕掛数とをバッファの状態に応じて更新する仕掛棚情報管理手段と、いずれか一つのバッファで保管しているワークの数に変化があったタイミングに、保管しているワークの数に変化があったバッファまたは当該バッファよりも1つ上流側に配置されているバッファを処理対象バッファと定義し、当該処理対象バッファについて前記仕掛分配処理を実施する仕掛分配処理手段を備えてなるものである。
このような仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置によれば、ワークを各バッファに適切に分配することができるので、各加工装置でのロスを最小化することや防止することができる。
また、前記仕掛分配処理は、前記生産ラインを構成する一つの生産工程内に配置された全てのバッファ(但し、前記一つの生産工程内において最も下流側の加工装置よりも下流側に配置されたバッファが存在する場合にはこのバッファを前記全てのバッファから除くものとする。)のうち最も下流側のバッファを除くバッファで、保管しているワークの数に変化があったタイミングに実施されることが好ましい。
また、前記処理対象バッファは、前記全てのバッファのうちの保管しているワークの数に変化があった一つのバッファまたは当該一つのバッファよりも1つ上流側に配置されているバッファ、もしくは前記一つの生産工程への投入待ち状態のワークを保管している一つのバッファであることが好ましい。例えば、前記変化が増加である場合、前記処理対象バッファは前記保管しているワークの数に変化があった一つのバッファである。一方、前記変化が減少である場合、前記処理対象バッファは、前記全てのバッファのうちの保管しているワークの数に変化があった一つのバッファよりも1つ上流側に配置されているバッファ、または前記一つの生産工程への投入待ち状態のワークを保管している一つのバッファである。但し、前記一つの生産工程の上流側に当該一つの生産工程への投入待ち状態のワークを保管するバッファが配置されていないレイアウトにおいて、前記一つの生産工程内で最も上流側に配置されたバッファでワークの数が減少した場合には、前記処理対象バッファに定義できるバッファが無いため前記仕掛分配処理は実施されない。
また、前記バッファの第1仕掛閾値以下の棚番号の棚のうち、同一の生産工程内に配置された全てのバッファの各第1仕掛閾値のうち最も小さい第1仕掛閾値と等しい数分の棚が棚番号が大きい順で前記充填比較棚に設定されることが好ましい。
また、前記第1仕掛閾値が同一の生産工程内に配置された全てのバッファで同じ値に設定されていることが好ましい。
また、前記第1仕掛閾値は、同一生産工程に配置された加工装置の数、加工装置の処理時間および搬送装置による搬送時間等の生産工程の処理条件を考慮して、2以上の値に設定されていることが好ましい。
また、前記第2仕掛閾値は、各バッファで仕掛状態のワークの保管に使用する棚の数から1つ減じた数以下の値に設定されていてもよい。例えば、仕掛状態のワークを保管する以外の目的で使用される棚(例えば、ダミーワーク保管棚)が必要な場合、全棚数からダミーワーク保管棚数を減算した棚数が「各バッファでの仕掛状態のワークの保管に使用する棚の数」であり、それから1つ以上減算した数が第2仕掛閾値となる。
本発明は上記のように構成したので、ワークを必要以上に溜め込まず、同一製造工程内に配置された各加工装置でのロスを最小化することができるとともに、前工程の加工装置でのロスを防ぐこともでき、これにより、リードタイムと稼働率のバランスを適切に保つことができる。
以下、本発明の仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、ここでは、特に区別する必要がある場合を除き、加工装置による処理が終了したワークのみならず、仕掛状態のワーク(仕掛)も単にワークと言う。
図1は、本発明の仕掛分配制御装置の一実施形態におけるシステム構成の一例を示す説明図であり、図2は、図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配制御が実施される生産ラインのレイアウトの一例を示す説明図である。
なお、図1中には、仕掛分配制御装置11とともに、この仕掛分配制御装置11を含んでなるライン搬送制御装置10と、前記仕掛分配制御装置11によってワークの分配制御が行われる生産ライン30の一部分と、これらライン搬送制御装置10内ならびにライン搬送制御装置10および生産ライン30間でのデータ転送に用いられるネットワーク20とを示す。
前記ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)および(または)インターネット通信網を用いて構成されている。
前記生産ライン30は、複数の生産工程と、各生産工程間に配置される複数のバッファと、ワークの搬送を行う搬送工程とから構成されている。図1および図2では、前記複数の生産工程のうち枚葉搬送を行う第1生産工程および第2生産工程のみを示し、前記搬送工程を構成する複数の搬送装置のうち、第1生産工程および第2生産工程での搬送に係る第1搬送装置(搬送装置名「Rob1」)34、第2搬送装置(搬送装置名「Rob2」)35および第3搬送装置(搬送装置名「Rob3」)36のみを示した。また、バッファについては、前記第1生産工程および第2生産工程間に配置されており、第2生産工程への投入待ち状態のワークを保管している第1バッファ(バッファ名「BUF1」)37、ならびに第2生産工程内に配置された第2バッファ(バッファ名「BUF2」)38のみを示した。
前記生産ライン30を構成する各生産工程には、少なくとも一台の加工装置がそれぞれ配置されており、ワークが生産工程の順に加工工程を通過すると同時に、このワークに対して処理が施されることによって、製品が完成する。なお、少なくとも一部の生産工程では、ワークがバッファを介して加工装置に搬送される。
前記第1生産工程は、図2に示すように、一つの工程(A加工)を実施する1台のA加工装置(加工装置名「McnA」)31と、前工程(第1生産工程の上流側に配置された生産工程(不図示))から第1生産工程へ投入された投入カセットを載置する投入棚(不図示)とから構成されている。また、前記第2生産工程は、他の一つの工程(B加工)を実施する複数のB加工装置(ここでは、直列に接続された第1B加工装置(加工装置名「McnB1」)32および第2B加工装置(加工装置名「McnB2」)33)と、この第2B加工装置33の上流側に配置された第2バッファ(バッファ名「BUF2」)38と、この第2生産工程から後工程(第2生産工程の下流に配置されている生産工程(不図示))へ払い出すワークを格納する払出カセットを載置する払出棚(不図示)とから構成されている。
また、投入カセットからのワークの取り出し、投入カセットからA加工装置31へのワークの搬送、およびA加工装置31から第1バッファ37へのワークの搬送は、第1搬送装置34によって行われる。また、第1バッファ37から第1B加工装置32へのワークの搬送、当該第1B加工装置32から第2バッファ38へのワークの搬送、および第1バッファ37から第2バッファ38へのワークの搬送は、第2搬送装置35で実施される。さらに、第2バッファ38から第2B加工装置33へのワークの搬送、第2B加工装置33から払出カセットへのワークの搬送、および払出カセットへのワークの格納は、第3搬送装置36で実施される。
前記第1バッファ37は、例えば第2搬送装置35が処理中である場合または第2搬送装置35は使用可能であるが第1B加工装置32が処理中である場合に、処理待ちのワークを保管する複数の棚を備えている。一方、前記第2バッファ38は、例えば第3搬送装置36が処理中である場合または第3搬送装置36は使用可能であるが第2B加工装置33が処理中である場合に、処理待ちのワークを保管する複数の棚を備えている。
なお、図2では、搬送装置および生産装置をそれぞれ3台、バッファを2台示したが、搬送装置、生産装置およびバッファそれぞれの台数はこれに限定されるものではない。
また、図1に示すライン搬送制御装置10は、本実施形態の仕掛分配制御装置11を構成する仕掛棚情報管理部11aおよび仕掛分配処理部11bと、加工装置情報管理部12と、搬送指示部13と、工程使用装置定義領域14a、加工装置情報領域14bおよび仕掛棚情報領域14cから構成されたライン情報データベース14と、各バッファの棚の状態を示す情報を取得するためのバッファ情報管理部(ここでは、第1バッファ情報管理部15aおよび第2バッファ情報管理部15b)とから構成されている。
前記仕掛棚情報管理部11aは、バッファの棚のうち仕掛を保管するための棚(仕掛棚)の入数(保管しているワークの数)等を監視しており、バッファへワークが搬送され保管されているワークが増加するまたはバッファからワークが取り出され保管されているワークが減少することによりワークの数が変化するたびに、仕掛棚に関する情報を後述の仕掛数検出部15a1,15b1を用いて収集して各バッファにおけるワークの保管状態を管理するものである。前記仕掛分配処理部11bは、前記仕掛棚情報管理部11aからの指示に従い転送された情報を用いて、ワークを分配する処理(仕掛分配処理)を行う。なお、これら仕掛棚情報管理部11aおよび仕掛分配処理部11bの動作については、後述の仕掛分配制御方法の説明で詳細に示す。
前記加工装置情報管理部12は、前記A加工装置31、第1B加工装置32および第2B加工装置33の稼動状態(例えば、故障等により「停止」かまたは正常に「稼動中」か)および処理状態(例えば、処理するワークがない「未処理」かまたは現在ワークを「処理中」か)を監視するとともに、これらA加工装置31、第1B加工装置32および第2B加工装置33に対してネットワーク20を通じてワークの処理を指示するものである。この指示に基づき、ワークは保管されているバッファから、搬送装置によって加工装置に搬送され、この加工装置にて加工が施される。
前記搬送指示部13は、第1搬送装置34、第2搬送装置35および第3搬送装置36に対して各ワークをA加工装置31、第1B加工装置32または第2B加工装置33もしくは第1バッファ37または第2バッファ38へ搬送する際に搬送命令を送信して搬送を指示する。
前記工程使用装置定義領域14aは、生産工程を構成する加工装置に関する情報(以下、「工程装置情報」とも言う。)を各生産工程に対応付けた状態で格納しており、この工程装置情報は予め定義されているものである。前記加工装置情報領域14bは、加工装置に関する情報(以下、「加工装置情報」と言う。)を各加工装置に対応付けた状態で格納している。この加工装置情報には、加工装置の現在の稼動状態および処理状態を示す情報が含まれており、当該情報は加工装置情報管理部12によって常に更新される。また、前記仕掛棚情報領域14cは、バッファの棚のうちの仕掛棚に関する情報(以下、「仕掛棚情報」と言う。)を各バッファに対応付けた状態で格納している。この仕掛棚情報には、現在バッファに保管されている仕掛の数(仕掛総数および仕掛数)を示す情報が含まれており、当該情報は仕掛棚情報管理部11aによって常に更新される。なお、これら工程使用装置定義領域14a、加工装置情報領域14bおよび仕掛棚情報領域14cは、物理的に単一の装置のデータベース(データ記憶部)に搭載されていてもよく、また異なる装置に分散して配置されたデータベースによって実現してもよい。
前記第1バッファ情報管理部15aおよび第2バッファ情報管理部15bは、一つのバッファに関する情報をそれぞれ収集し、当該情報をネットワーク20を介して仕掛棚情報管理部11に送信する。より具体的には、前記第1バッファ情報管理部15aは、第1バッファ37に関する情報を検出する、仕掛数検出部15a1と充填比較棚検出部15a2と移動仕掛連絡部15a3とから構成されており、前記第2バッファ情報管理部15bは、第2バッファ38に関する情報を検出する、仕掛数検出部15b1と充填比較棚検出部15b2と移動仕掛連絡部15b3とから構成されている。前記仕掛数検出部15a1,15b1は、バッファの仕掛棚で保管しているワークの数を検出するものであり、前記充填比較棚検出部15a2,15b2は、後述の充填比較棚にワークが存在するか検出するものであり、前記移動仕掛連絡部15a3,15b3は、搬送先へ搬送を行うワークの保管位置を検出するものである。
次に、図2に示すレイアウトの生産ラインで実施されるワークの搬送の一例について図3を参照しつつ説明する。
図3は、図2に示す生産ラインで実施されるワークの搬送の一例を示す説明図である。
なお、本明細書では、バッファの棚を優先的に使用する順番を予め決めておいて使用しており、図中の各バッファの紙面左側にこの順番を記載した。例えば、1番目に優先される棚の紙面左側には「棚1」、2番目に優先される棚の紙面左側には「棚2」が記載されており、図3では、各バッファの棚は7個であり、図示されているように下側の棚から優先的に使用している。また、ワーク39を保管している棚には丸付き数字が記載されており、この丸付き数字の数は各ワーク39のカセットから取り出された順番を示している。
まず初めに、第1生産工程を構成するA加工装置31での加工が終了したワークは、第1搬送装置34によって、A加工装置31から取り出され、矢印D1で示すように第1バッファ37まで搬送され、この第1バッファ37に格納される。
次に、前記第1バッファ37に格納されたワークは、第2生産工程では、第1B加工装置32または第2B加工装置33で加工が施される。即ち、矢印D2で示すように第1バッファ37から第1B加工装置32へ搬送されたワークは、第1B加工装置32での加工が終了した後、矢印D3で示すように第2搬送装置35によって第2バッファ38に搬送された後、第2B加工装置33での加工が施されること無く、矢印D7で示すように第2バッファ38から後工程に払い出される。
一方、前記第1バッファ37に格納されたワークのうち第2B加工装置33で加工が施されるワークは、矢印D4で示すように第1バッファ37から直接第2バッファ38に搬送され、さらに、矢印D5で示すように第2B加工装置33に搬送される。その後、第2B加工装置33での加工が終了すると、矢印D6で示すように第2B加工装置33から後工程に払い出される。
なお、ここでは、搬送の負荷を軽減するためにワークを上流側から下流側へ一方向に搬送しているので、例えば、第1バッファ37に保管されているワークを第1B加工装置32または第2B加工装置33に搬送することは可能であるが、第2バッファ38まで搬送されたワークを、この第2バッファ38の上流側に配置されている第1B加工装置32に搬送することはできない。
次に、図2に示すレイアウトの生産ラインにおいて従来の仕掛分配制御方法を実施した場合に発生しうる問題点1〜3について図17〜図19を参照しつつ説明する。
<問題点1>
例えば、第1B加工装置32および第2B加工装置33の処理能力が等しい状況でこれら第1B加工装置32および第2B加工装置33の処理能力のみに応じてワークを分配すると、図17示すように、ワークが第1バッファ37および第2バッファ38に均等に分配される場合がある。図17では、第1バッファ37の「棚1」〜「棚4」に、カセットから1,3,5,7番目に取り出されたワーク39が保管されており、第2バッファ38の「棚1」〜「棚4」に、カセットから2,4,6,8番目に取り出されたワーク39が保管されており、第1バッファ37および第2バッファ38それぞれに4個ずつワーク39が保管されている。
図17に示すようにワーク39を分配した場合、各加工装置の処理能力が時間に対して大幅にばらつく等の理由で一方の加工装置の処理能力が著しく低下したとき、または一方の加工装置で突発的な故障が発生したときには、一方の加工装置ではワークが溜まりすぎてしまったり、逆に、他方の加工装置では仕掛が足りなくなってしまったりして、加工装置でロスが発生するといった問題点があった。このような問題点は、第1バッファ37および第2バッファ38で保管しているワークの総数(仕掛総数)が少ない場合にも生じる。
<問題点2>
また、第1バッファ37および第2バッファ38で保管されるワークの仕掛総数が多くなる場合に備えて、下流側のバッファの棚に空きが有るときには常に下流側のバッファからワークを溜めておくといったルールに基づきワークを分配すると、図18に示すように、カセットから1〜7番目に取り出されたワーク39は、下流側のバッファである第2バッファ38で保管されてしまう。そのため、上流側のバッファである第1バッファ37には8番目に取り出されたワーク39しか保管されないので、第1B加工装置32で処理可能なワーク39は、前記8番目に取り出されたワーク39以降のワーク39のみとなる。
さらに、図示していないが、8番目に取り出されたワーク39が第1バッファ37から第1B加工装置32に搬送される前に、1番目に取り出されたワーク39が第2バッファ38から第2B加工装置33へ搬送されて第2バッファ38に空きが出た場合には、8番目に取り出されたワーク39も第2バッファ38に搬送されてしまう。
その結果、仕掛不足により上流側の加工装置でロスが発生して処理枚数が低下してしまうといった問題点があった。
<問題点3>
さらに、問題点2に示すような問題点が発生することを防止するために、常に上流側のバッファからワークを溜めておくといったルールに基づきワークを分配すると、図19に示すように、問題点2の場合と反対に、下流側のバッファである第2バッファ38へのワーク39の搬送が遅れてしまう。その結果、仕掛不足により下流側の加工装置でロスが発生して処理枚数が低下してしまうといった問題点があった。
次いで、本実施形態の仕掛分配制御方法を実施する際に利用する情報を格納した、工程使用装置定義領域14a、加工装置情報領域14bおよび仕掛棚情報領域14cの具体例について図面を参照しつつ説明する。
まず、工程使用装置定義領域14aに格納されている工程装置情報について、図4を参照しつつ説明する。
図4は、本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する工程使用装置定義領域に格納されている工程装置情報の一例を示す説明図である。
工程装置情報100には、生産工程を識別する工程番号101と、前記生産工程を処理するために使用する加工装置の台数(以下、「装置台数」とも言う。)102と、前記装置台数で示された台数分の加工装置の名称(以下、「加工装置名」とも言う。)103a,103bとが含まれている。なお、加工装置名103a,103bは、図2に示すレイアウトに従って、上流側から順番に格納されているものとする。また、この工程装置情報100はレイアウト決定時に予め定義されている。
続いて、加工装置情報領域14bに格納されている加工装置情報について、図5を参照しつつ説明する。
図5は、本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する加工装置情報領域に格納されている加工装置情報の一例を示す説明図である。
加工装置情報200には、生産ライン30内に配置された全ての加工装置それぞれについて、加工装置名201と、加工装置の仕掛棚として搬送物(ワーク)を保管しているバッファの名称(以下、「仕掛対応バッファ名」とも言う。)202と、加工装置の稼動状態203と、加工装置の処理状態204とを示す情報が含まれる。
なお、対応するバッファが無い加工装置については、仕掛対応バッファ名202は空欄となっている。また、稼動状態203として、加工装置が停止している場合は「0」、稼動中である場合は「1」が格納されており、処理状態204として、加工装置が未処理の場合は「0」、処理中の場合は「1」が格納されている。これら稼動状態203および処理状態204は、加工装置の監視結果に基づいて加工装置情報管理部12により随時更新される。
さらに、仕掛棚情報領域14cに格納されている仕掛棚情報について、図6を参照しつつ説明する。
図6は、本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する仕掛棚情報領域に格納されている仕掛棚情報の一例を示す説明図である。
仕掛棚情報300には、生産ライン30内に配置された全てのバッファそれぞれについて、バッファの名称(以下、「バッファ名」とも言う。)301と、バッファの全棚数302と、バッファの仕掛総数303と、バッファへのワークの搬送を判断する際に用いられる第1仕掛閾値(L1)304および第2仕掛閾値(L2)305と、バッファの充填比較棚の棚番号306と、充填比較棚にある仕掛数(充填比較棚に保管されたワークの数)307とを示す情報が含まれている。
なお、前記全棚数302は、ワークを保管できる棚の数量である。また、前記仕掛総数303は、現在、バッファに保管されている仕掛状態のワークの総数を示しており、仕掛数検出部15a1,15b1で検出した仕掛総数をネットワーク20を介して受け取る仕掛棚情報管理部11により随時更新される。
また、前記第1仕掛閾値304および第2仕掛閾値305には、予め設定された値が格納されている。例えば、前記第1仕掛閾値304は、同一生産工程に配置された加工装置の数、加工装置の処理時間および搬送装置による搬送時間等の生産工程の処理条件を考慮し設定する。
より具体的には、前記生産工程の処理条件を設定して第1仕掛閾値を変更しつつ生産ラインのシミュレーションモデルを構築し、加工装置でのロスが起こらなかったシミュレーションモデルでの値を第1仕掛閾値304として用いてもよい。
一方、前記第2仕掛閾値305としては、仕掛棚として使用可能な棚の棚数から1つ以上減算した値を用いてもよい。例えば、前記第2仕掛閾値305は、仕掛状態のワークを保管する以外の目的で使用される棚(例えば、ダミーワーク保管棚)が必要な場合には、必要とされる棚数を全棚数から減じた棚数を仕掛棚として使用可能な棚数とし、第2仕掛閾値305はその仕掛棚として使用可能な棚数から1つ以上減算した値となる。具体例をあげると、ダミーワーク保管棚が1個必要な場合は、第1バッファ37の7個の棚のうち1個の棚を除く6個の棚が仕掛棚として使用可能であり、第2仕掛閾値305は、1つ減算した値とする場合には「6−1」で「5」に設定され、2つ減算した値とする場合には「6−2」で「4」に設定される。また、例えば、第1生産工程で処理されたワークのうち、一部分が第2生産工程で処理され、他の部分が第2生産工程で処理されない加工フローであった場合等は、第2生産工程で処理されないワークを一時的に保管する棚が必要であるため、この保管に必要な棚の棚数を差し引いた棚数が仕掛棚として使用可能な棚の棚数となる。
一方、前記充填比較棚の棚番号306には、同一の生産工程を構成する全バッファの各第1仕掛閾値304のうち最も小さい第1仕掛閾値304を充填比較棚数と定義し、さらに、各バッファにおいて、第1仕掛閾値304が示す値以下の番号の棚を棚番号が最も大きい方から充填比較棚数分確保し、確保した棚を充填比較棚と定義したときに、この充填比較棚を構成する棚の棚番号のうち最も小さい棚番号が格納されている。この充填比較棚の棚番号306は、全バッファの各第1仕掛閾値304に基づいて予め設定されている。
さらに、前記充填比較棚にある仕掛数307は、仕掛数検出部15a1による検出の結果得られた仕掛総数303から予め設定された充填比較棚の棚番号306を差し引いた数を求め、さらに「1」を加えて得られた数を基に算出する。これにより得られた数が前記充填比較棚数以上であった場合は、前記充填比較棚にある仕掛数307は前記充填比較棚数となり、一方、前記得られた数が前記充填比較棚数より小さかった場合は、前記充填比較棚にある仕掛数307は前記得られた数となる。前記充填比較棚にある仕掛数307は、仕掛棚情報管理部11aが算出し常に更新している。具体例をあげると、仕掛総数303が「4」であり、充填比較棚の棚番号306が「3」である場合、仕掛棚情報管理部11aは「2」を算出する。ここで、算出した数である「2」が充填比較棚数以上であった場合(例えば、充填比較棚数が「2」または「1」の場合)、仕掛数307には充填比較棚数が格納される。また、算出した数である「2」が充填比較棚数よりも小さかった場合(例えば、充填比較棚数が「3」以上の場合)、前記充填比較棚にある仕掛数307には算出した数である「2」が格納される。なお、充填比較棚にワークが保管されていないときには算出結果が「0」以下となり、前記充填比較棚にある仕掛数307には「0」が格納される。
本実施形態の仕掛分配制御方法は、このような工程使用装置定義領域14a、加工装置情報領域14bおよび仕掛棚情報領域14cに格納されている情報を利用しつつ、本実施形態の仕掛分配制御装置11の仕掛分配処理部11bで以下に示すステップを実行することにより実施されるものであり、前述の問題点1〜3を解決するものである。
図7は、本発明の仕掛分配制御方法の一実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態の仕掛分配制御方法は、いずれか1つのバッファで保管しているワークの数が変化すると、ワークの数が変化したバッファまたは1つ上流側のバッファを処理対象バッファと定義して後述の仕掛分配処理を実施するものである。例えば、一つのバッファでワークの数が増加した場合には、当該一つのバッファを処理対象バッファと定義し、一つのバッファでワークの数が減少した場合には、当該一つのバッファよりも1つ上流側に配置されたバッファを処理対象バッファと定義する。但し、本実施形態においては、搬送の負荷を軽減するためにワークを下流側から上流側へ搬送しないので、この仕掛分配制御方法では、一つの生産工程内に配置された全てのバッファのうち最も下流側のバッファを除くバッファで、保管しているワークの数に変化があったタイミングに仕掛分配処理を実施するものとする。
具体的には、生産ラインの稼動中に、バッファで保管しているワークの数が変化すると、仕掛数検出部15a1,15b1が現在の仕掛総数を検出し、ネットワークを介して仕掛棚情報管理部11aに仕掛総数を示す情報を送信する。前記仕掛棚情報管理部11aは、受け取った情報に基づき仕掛棚情報領域14cの仕掛総数を更新するとともに、仕掛分配処理部11bに仕掛分配処理を実施するよう指示する。
前記仕掛分配処理では、まず、処理対象バッファについて、充填比較棚にワークが入っているか否か判断する(ステップS1)。もし、入っていない場合(ステップS1での判断結果がNOである場合)は、後述のステップS4に進む。一方、入っている場合(ステップS1での判断結果がYESである場合)は、ステップS2に進む。なお、ステップS1では、仕掛棚情報300から取得した仕掛総数303と充填比較棚の棚番号306とを比較し、仕掛総数303が充填比較棚の棚番号306以上の数値で有った場合に、充填比較棚にワークが入っていると判断する。
前記ステップS2では、仕掛棚情報300から取得した充填比較棚にある仕掛数に基づき、処理対象バッファの下流側に配置されているバッファ(以下、「次のバッファ」とも言う。)の充填比較棚にある仕掛数が、処理対象バッファの充填比較棚の仕掛数よりも少ないか否かを判断する。もし、次のバッファの充填比較棚の仕掛数の方が少ない場合(ステップS2での判断結果がYESである場合)はステップS3に進み、次のバッファの充填比較棚の仕掛数の方が多い場合(ステップS2での判断結果がNOである場合)は後述のステップS4に進む。
前記ステップS3では、処理対象バッファに保管されているワークのうち最も古いワーク(カセットから取り出された順番が最も早いワーク)を次のバッファに搬送することを決定し、ステップS4に進む。なお、仕掛分配処理部11bは、この決定を行うとともに、当該決定に基づきワークを搬送することを指示する情報を搬送指示部13に送信する。情報を受け取った搬送指示部13は、前記決定に基づきワークを搬送するよう、第1搬送装置34、第2搬送装置35または第3搬送装置36に指示する。
前記ステップS4では、仕掛棚情報300から取得した仕掛総数303および第2仕掛閾値305に基づき、処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えているか否かを判断し、もし、処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えている場合には、仕掛棚情報300から取得した全棚数302と仕掛総数303とに基づき、次のバッファの仕掛棚に空きがあるか否かを判断する。なお、処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えていると判断された場合には、続いて、次のバッファの仕掛棚に空きがあるか否かを判断するが、前述のステップS2での判断結果がYESでありステップS3でワークを次のバッファに搬送することが決定しているときには、この決定に従って次のバッファにワークが搬送された後の状態において仕掛棚に空きがあるか否かを判断するものとする。
もし、処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えており、かつ、次のバッファの仕掛棚に空きがある場合(ステップS4での判断結果がYESである場合)には、ステップS5に進む。一方、処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えていない場合、または処理対象バッファ内の仕掛総数303が第2仕掛閾値305を超えているが、次のバッファの仕掛棚に空きが無い場合(ステップS4での判断結果がNOである場合)には、仕掛分配処理を終了する。
前記ステップS5では、処理対象バッファに保管されているワークのうち最も新しいワーク(カセットから取り出された順番が最も遅いワーク)を次のバッファに搬送することを決定し、仕掛分配処理を終了する。なお、仕掛分配処理部11bは、この決定を行うとともに、当該決定に基づきワークを搬送することを指示する情報を搬送指示部13に送信する。情報を受け取った搬送指示部13は、前記決定に基づきワークを搬送するよう、第1搬送装置34、第2搬送装置35または第3搬送装置36に指示する。
<ワークの分配結果の具体例1>
次に、図1に示す仕掛分配制御装置を用いて仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの分配結果の具体例1について、図8および図9を参照しつつ説明する。
図8は、図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例1を示す説明図であり、同図には生産ラインを構成する一つの生産工程を示した。また、図9は、図8に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。
なお、本具体例では、必要に応じて図1および図7も参照しつつ説明を行う。但し、図1に示す生産ライン30の各構成要件については、図8中に示す構成要件に変更して説明を行っており、図8中に示す名称および参照符号を引用しつつ説明を行った。また、図示していないが、後述の第3バッファ49にも、第1バッファ47および第2バッファ48と同様に、バッファ情報管理部が配置されている。
図8に示す生産工程には、加工装置として、上流側から第1B加工装置(McnB1)42と第2B加工装置(McnB2)43と第3B加工装置(McnB3)44とを備えている。また、バッファについては、上流側から第1バッファ(BUF1)47と第2バッファ(BUF2)48と第3バッファ(BUF3)49とを備えている。さらに、搬送装置としては、上流側から第1搬送装置45aと第2搬送装置45bと第3搬送装置45cとを備えている。
このようなレイアウトにおいて、生産工程の投入棚(不図示)に載置されたカセットから取り出されたワーク41は、第1バッファ47に保管された後、第1搬送装置45aによって、第1バッファ47から第2バッファ48に直接搬送されるか、または第1B加工装置42に搬送され加工が施された後に第2バッファ48に搬送される。この第2バッファに搬送され保管されたワーク41は、第2搬送装置45bによって、第2バッファ48から第3バッファ49に直接搬送されるか、または第2B加工装置43に搬送され加工が施された後に第3バッファ49に搬送される。この第3バッファ49に搬送され保管されたワーク41は、第3搬送装置45cによって、第3バッファ49から払出棚(不図示)に直接搬送されるか、または第3B加工装置44に搬送され加工が施された後に払出棚に搬送される。
また、第1バッファ47の第1仕掛閾値(L1)は棚2、第2バッファ48の第1仕掛閾値(L1)は棚1、第3バッファ49の第1仕掛閾値(L1)は棚3にそれぞれ設定されている。従って、この生産工程に配置されている全バッファにおいて最も小さい第1仕掛閾値を充填比較棚数とするとこのレイアウトでの充填比較棚数は「1」に設定される。さらに、第1仕掛閾値以下の棚のうち最も棚番号が大きい棚を前記充填比較棚数分確保し、確保した棚を充填比較棚とすると、第1バッファ47では棚2、第2バッファ48では棚1、第3バッファ49では棚3が充填比較棚47x,48x,49xに設定される。一方、第1バッファ47、第2バッファ48および第3バッファ49の各第2仕掛閾値(L2)は棚6にそれぞれ設定されている。
生産工程稼動開始時には、作業者が入力手段(不図示)を操作する等して予め設定した前述の各バッファに関する情報(全棚数、第1仕掛閾値、第2仕掛閾値および充填比較棚の棚番号)が仕掛棚情報1300(図9(a)参照)が仕掛棚情報領域14cに格納されている。なお、この仕掛棚情報1300のうち各バッファの棚の状態を示す情報(仕掛総数および充填比較棚にある仕掛数)は、バッファの仕掛総数が変化したタイミングで前記仕掛数検出部および充填比較棚検出部が検出した値を用いて、仕掛棚情報管理部11aが追加または更新する。
本実施形態では、前工程から第1バッファ47にワーク41が送られてきた場合またはいずれか一つの加工装置がワーク41の処理を行う前後等、同一の生産工程内にある全バッファのうち、一つのバッファでも仕掛総数に変化が起こったタイミングで、前記変化が起こったバッファまたは当該バッファよりも1つ上流側のバッファを処理対象バッファと定義して、前記仕掛分配制御装置11において仕掛分配制御方法に基づき図7に示す仕掛分配処理を実施する。具体的には、一つのワーク41の搬送が完了したときに、複数の搬送装置(第1搬送装置45a、第2搬送装置45bまたは第3搬送装置45c)のうち前記一つのワーク41の搬送を完了した搬送装置が搬送終了信号を出力する。この搬送終了信号をネットワーク20を介して受け取った仕掛棚情報管理部11aは、仕掛分配処理部11bに前記仕掛分配処理を実行するよう指示する。
例えば、第1バッファ47〜第3バッファ49にワークが1枚も保管されていない状態で(図8(a)参照)、1枚目のワーク(図中、丸付き数字「1」で示す)41が生産工程に投入され第1バッファ47に搬送されると(図8(b)参照)、第1バッファ47は1枚目のワーク41を棚1で保管する。
前記1枚目のワーク41を保管したことにより第1バッファ47の仕掛総数が変化(増加)するため、第1バッファ47に配置された仕掛数検出部が第1バッファ47の仕掛総数を検出し、検出結果をネットワーク20を介して仕掛棚情報管理部11aに送信する。この情報を受け取った仕掛棚情報管理部11aは、仕掛棚情報領域14cの仕掛総数を更新する(図9(b)参照)とともに、仕掛分配処理部11bに、第1バッファ47を処理対象バッファと定義して仕掛分配処理を実施するよう指示する。
指示を受けた仕掛分配処理部11bは、まず初めに、図7に示すステップS1を実行し、図9(b)に示す第1バッファ(BUF1)47の仕掛棚情報1300の仕掛総数1303と充填比較棚の棚番号1306とを取得し、仕掛総数が充填比較棚の棚番号以上であるか否かを判断する。ここでは、仕掛総数は「1」であり充填比較棚の棚番号は「2」である。そのため、仕掛分配処理部11bは、仕掛総数は充填比較棚の棚番号よりも小さく、充填比較棚にワーク41が入っていないと判断する。
続いて、仕掛分配処理部11bは、前記ステップS4を実行し、図9(b)に示す第1バッファ47の仕掛棚情報1300の仕掛総数1303と第2仕掛閾値1305とを取得し、仕掛総数が第2仕掛閾値を越えているか否か判断する。ここでは、仕掛総数は「1」であり第2仕掛閾値は「6」である。そのため、仕掛分配処理部11bは、仕掛総数は第2仕掛閾値を越えていないと判断し、第1バッファ47についての仕掛分配処理を終了する。
<ワークの分配結果の具体例2>
次に、図1に示す仕掛分配制御装置を用いて仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの分配結果の具体例2について、図10および図11を参照しつつ説明する。
図10は、図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例2を示す説明図であり、同図には生産ラインを構成する一つの生産工程を示した。また、図11は、図10に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。
本具体例では、図8(b)に示すような状態で、さらに、2枚目のワーク(図中、丸付き数字「2」で示す)41が生産工程に投入され第1バッファ47に搬送された場合について説明する。
生産工程に投入された2枚目のワーク41は、一旦第1バッファ47の棚2で保管される(図10(a)参照)。このタイミングで、仕掛数検出部はバッファの仕掛総数を、充填比較棚検出部は充填比較棚の仕掛数を検出し、この検出結果に基づき、仕掛棚情報管理部11aは、仕掛棚情報領域14cの仕掛総数1303と充填比較棚にある仕掛数1307とを更新する(図11(a)参照)とともに、仕掛分配処理部11bに、第1バッファ47を処理対象バッファと定義して仕掛分配処理を実施するよう指示する。その結果、第1バッファ47について、前述した手順と同様の手順で図7に示す仕掛分配処理が順次実施される。
第1バッファ47については、2枚目のワーク41が仕掛充填棚である棚2で保管されているので、ステップS1での判断結果がYESとなる。
続いて、仕掛分配処理部11bは、ステップS2を実施する。ここでは、次のバッファである第2バッファ48の充填比較棚の仕掛数は「0」であり、第1バッファ47の充填比較棚の仕掛数は「1」である。そのため、ステップS2での判断結果はYESとなるため、仕掛分配処理部11bはステップS3の処理を実施することを決定する。
その後、仕掛分配処理部11bは、ステップS4を実施する。ここでは、第1バッファ47の仕掛総数が第2仕掛閾値(L2)を超えていないので、仕掛分配処理を終了する。
また、前述の仕掛分配処理においてステップS3の処理を実施することが決定しているため、搬送指示部13は、第1バッファ47にあるワーク41の内、最も古い1枚目のワーク41を第2バッファ48に搬送するよう、第1搬送装置45aに指示する。なお、各バッファでは、バッファ情報記憶部(不図示)にワーク41の搬入時に各ワーク41の搬入時刻とワーク41が保管される棚の番号とを示すワーク保管情報を対応付けて記録している。前記ステップS3を実施する際には、前記移動仕掛連絡部がワーク保管情報を参照し、最も古いワーク41の保管位置を検出し、この検出結果を搬送指示部13に送信する。ここでは、搬送指示部13は、前記移動仕掛連絡部での検出結果に基づき、搬出を行うワーク41が入っている棚番号と搬送先とを第1搬送装置54aに指示する。
第1バッファ47から第2バッファ48へのワーク41の搬送が終了すると、仕掛棚情報管理部11aにより、仕掛棚情報領域14cに格納されている仕掛棚情報1300が更新される(図11(b)参照)。さらに、ワーク41の搬送により第1バッファ47の棚1が空き状態となるため、2枚目のワーク41が棚1に移動し(図10(c)参照)、仕掛棚情報領域14cに格納されている仕掛棚情報1300がさらに更新される(図11(c)参照)。
続いて、仕掛分配処理部11bは、第1バッファ47から第2バッファ48へのワーク41の搬送により仕掛総数が変化(増加)した第2バッファ48を処理対象バッファと定義して仕掛分配処理を実施する。ここでは、第2バッファ48で1枚目のワーク41が保管されているため、ステップS1での判断結果はYESとなる。
次いで、仕掛分配処理部11bは、ステップS2を実施する。ここでは、第3バッファ49の充填比較棚の仕掛数が「0」であり、第2バッファ48の充填仕掛棚の仕掛数が「1」であることから、ステップS2での判断結果はYESとなるため、仕掛分配処理部11bはステップS3の処理を実施することを決定する。
その後、仕掛分配処理部11bは、ステップS4を実施する。ここでは、第1バッファ47の仕掛総数が第2仕掛閾値(L2)を超えていないので、仕掛分配処理を終了する。
また、前述の仕掛分配処理においてステップS3の処理を実施することが決定しているため、搬送指示部13は、第2バッファ48にあるワーク41の内、最も古い1枚目のワーク41を第3バッファ49に搬送するよう、第2搬送装置45bに指示する。搬送指示部13は、前記移動仕掛連絡部での検出結果に基づき、搬出を行うワーク41が入っている棚番号と搬送先とを第2搬送装置54bに指示する。なお、これらの指示に基づき、第2バッファ48から第3バッファ49へ1枚目のワーク41が搬送されると、第3バッファ49の仕掛総数が変化(増加)するが、第3バッファ49は図10に示す生産工程内において最も下流側のバッファであるため、第3バッファ49を処理対象バッファとする仕掛分配処理は実施されない。
その後、第2バッファ48から第3バッファ49への1枚目のワーク41の搬送が終了すると(図10(d)参照)、前述した手順と同様の手順で、仕掛棚情報領域14cに格納されている仕掛棚情報1300が更新される(図11(d)参照)。
<ワークの分配結果の具体例3>
次に、図1に示す仕掛分配制御装置を用いて仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの分配結果の具体例3について、図12および図13を参照しつつ説明する。
図12は、図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例3を示す説明図であり、同図には生産ラインを構成する一つの生産工程を示した。また、図13は、図12に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。
本具体例では、生産工程が図8(a)と同様にレイアウトされており、図12(a)に示すように、第1バッファ47の棚1に4枚目のワーク(図中、丸付き数字「4」で示す)41、棚2に6枚目のワーク(図中、丸付き数字「6」で示す)41が保管されており、第2バッファ48の棚1に5枚目のワーク(図中、丸付き数字「5」で示す)41が保管されており、第3バッファ49の棚1に1枚目のワーク(図中、丸付き数字「1」で示す)41、棚2に2枚目のワーク(図中、丸付き数字「2」で示す)41、棚3に3枚目のワーク(図中、丸付き数字「3」で示す)41が保管されている状態において、5枚目のワーク41が第2バッファ48から第2B加工装置43に搬送された場合について説明する。
なお、図12(a)に示す状態における仕掛棚情報領域14cの仕掛棚情報1300を図13(a)に示す。
第2バッファ48から5枚目のワーク41が取り出されると、仕掛棚情報管理部11aは、仕掛棚情報領域14cの仕掛総数1303および充填比較棚にある仕掛数1307を更新する(図13(b)参照)とともに、第2バッファ48のワークの数が減少したため(第2バッファ48の仕掛総数が変化したため)、仕掛分配処理部11bに、仕掛総数が変化した第2バッファ48の1つ上流側のバッファである第1バッファ47を処理対象バッファと定義して仕掛分配処理を実施するよう指示する。その結果、第1バッファ47について、前述した手順と同様の手順で図7に示す仕掛分配処理が実施される。ここでは、第1バッファ47の充填比較棚47xに6枚目のワーク41が存在しているので第1バッファ47の充填比較棚にある仕掛数1307は「1」となっており、第2バッファ48の充填比較棚48xにはワークが存在していないので第2バッファ48の充填比較棚にある仕掛数1307は「0」となっているため、ステップS1およびステップS2での判断結果はYESとなり、仕掛分配処理部11bはステップS3の処理を実施することを決定する。
続いて、仕掛分配処理部11bはステップS4を実施するが、第1バッファ47の仕掛総数は第2仕掛閾値を越えていないので、ステップS4での判断結果はNOとなり、第1バッファ47についての仕掛分配処理を終了する。
また、前述の仕掛分配処理においてステップS3の処理を実施することが決定しているため、搬送指示部13は、第1バッファ47にあるワーク41の内、最も古い1枚目のワーク41を第2バッファ48に搬送するよう、第1搬送装置45aに指示する。その結果、第1バッファ47で保管されていた4枚目のワーク41は第2バッファ48の棚1に搬送される(図12(c)参照)。この状態における仕掛棚情報領域14cの仕掛棚情報1300を図13(c)に示す。
その後、図示していないが、第1バッファ47から第2バッファ48への4枚目のワーク41の搬送により第1バッファ47の棚1が空き状態となるため、2枚目のワーク41が棚1に移動し、仕掛棚情報領域14cに格納されている仕掛棚情報1300がさらに更新される。さらに、詳細な説明は省略するが、第1バッファ47から第2バッファ48へのワーク41の搬送により第2バッファ48の仕掛総数が変化(増加)するため、仕掛棚情報管理部11aは仕掛分配処理部11bにこの第2バッファ48を処理対象バッファと定義して仕掛分配処理を実施するよう指示する。
本発明の仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置によれば、図1〜図13を参照しつつ説明した手順で仕掛分配処理を実施することで、第1仕掛閾値(L1)が大きいバッファにワークが溜まり易く、かつ、各バッファにはそれぞれの第1仕掛閾値(L1)に対して比較的同程度の比率でワークが充填(保管)される。
また、2つのバッファの各第1仕掛閾値(L1)が同じ場合、例えば、第1バッファ(BUF1)の第1仕掛閾値(L1)が「2」、第2バッファ(BUF2)の第1仕掛閾値(L1)が「2」である場合、第1バッファおよび第2バッファの仕掛総数が4以下であれば、ワークは第1バッファおよび第2バッファに均等に分配できる。このように均等に分配することにより第1B加工装置(McnB1)および第2B加工装置(McnB2)それぞれに対応する各バッファで常に2枚のワークを保管することができ、ワーク不足による装置ロスを防ぐことができる。
また、前述したような手順で仕掛分配処理を実施することで、生産工程内に投入された仕掛数が増加しても、上流側のバッファに蓄えることが可能な最初のうちは上流側のバッファにワークを蓄えておくことができ、その後、さらにワークが投入され上流側のバッファからワークが溢れてしまった場合には、予め設定された第1仕掛閾値および第2仕掛閾値と仕掛総数とを比較しつつ、溢れてしまったワークのみを次のバッファに送ることが可能である。例えば、第1バッファと第2バッファとの仕掛総数の和が両バッファの第1仕掛閾値(L1)の合計以上となった場合、具体的には、図3に示すレイアウトにおいて、第1バッファ37と第2バッファ38との各仕掛総数が「2」となり両仕掛総数の和が「4」以上になった場合に、まず、上流側のバッファである第1バッファ37に優先してワーク39が分配される。この状態で、第2バッファ38から第2B加工装置33にワーク39が搬送され第2バッファ38の仕掛総数が第1仕掛閾値(L1)よりも小さくなった場合は、第1バッファ37で保管されているワーク39を第2搬送装置35によって第2バッファ36へ搬送することができる。即ち、第1仕掛閾値(L1)以下の範囲で第2バッファ36に可能な限りの数のワーク39を保管できる。
また、第2バッファでの第1仕掛閾値(L1)以上の数のワークの保管は、第1バッファの仕掛総数が第2仕掛閾値(L2)を超えた場合に、初めて実施される。具体的には、図3に示すレイアウトにおいて、第1バッファ37と第2バッファ38との両仕掛総数の和が「9」以上になった場合に、初めて、第2バッファ38の棚3にワーク39が搬送される。このような仕掛分配処理を実施することにより、第1バッファ37と第2バッファ38とのうち上流側のバッファである第1バッファ37により多くのワーク39を留めておくことができる。
またさらに、第1バッファ37および第2バッファ38の仕掛総数の和が大幅に増加した場合には、第1バッファ37および第2バッファ38の両方の仕掛棚を使用することができることから、第1B加工装置または第2B加工装置が故障で停止した場合等も、第2生産工程の前工程である第1生産工程のA加工装置(McnA)31の稼働率を低下させることなく、B加工を実施することができる。
なお、本実施形態では、図7中のステップS3において、ワークを搬送する際に処理実施中のバッファから最も古いワークを取り出し搬送しているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、最も新しいワークを搬送する等、他の基準を予め設定しておき、移送するワークを選択する際にこの他の基準を用いてもよい。また、図7中のステップS5においても、搬送するワークは最も新しいワークに限定されるものではなく、最も古いワークを搬送する等、他の基準を予め設定しておき、移送するワークを選択する際にこの他の基準を用いてもよい。
<ワークの分配結果の具体例4>
次に、図1に示す仕掛分配制御装置を用いて仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの分配結果の具体例4について、図14を参照しつつ説明する。
図14は、図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例4を示す説明図であり、同図には生産ラインを構成する第1生産工程および第2生産工程のみを示した。
図14に示す第1生産工程には、加工装置としてA加工装置(McnA)51を備えており、バッファとして第1バッファ(BUF1)55を備えており、搬送装置として第1搬送装置54aおよび第2搬送装置54bを備えている。
一方、第2生産工程には、加工装置として第1B加工装置(McnB1)52および第2B加工装置(McnB2)53を備えており、バッファとして第2バッファ(BUF2)56および第3バッファ(BUF3)57および第4バッファ(BUF4)58を備えており、搬送装置として第3搬送装置54cおよび第4搬送装置54dを備えている。
本具体例では、図3のレイアウトと同様、第2生産工程に同じ加工を実施する加工装置が2台配置されているが、図14に示すレイアウトでは、同じ加工を実施する第1B加工装置52と第2B加工装置とが並列に接続されている。
このレイアウトでは、第1生産工程に投入されたワーク59は、A加工装置51での処理が終了した後、第2生産工程での加工のために第1搬送装置54aによって第1バッファ55に搬送される。そして、第1バッファ55に搬送されたワーク59は、第2搬送装置54bによって第2バッファ56かまたは第3バッファ57のどちらかに搬送された後に、第3搬送装置54cかまたは第4搬送装置54dによって第1B加工装置52かまたは第2B加工装置53に搬送され、これら第1B加工装置52および第2B加工装置53のうちのいずれか一方の加工装置で処理される。その後、加工装置での処理が終了すると、第1B加工装置52かまたは第2B加工装置53によって第4バッファ58に搬送される。
このようなレイアウトにおいては、第2バッファ56および第3バッファ57両方の第1仕掛閾値(L1)を大きく設定し、かつ、一方の加工装置(例えば、第2B加工装置53)を下流側の加工装置とみなすように予め設定しておくことによって、これら2台の加工装置にワーク59を均等に分配することができる。ここでは、第2バッファ56および第3バッファ57の各第1仕掛閾値(L1)および第2仕掛閾値(L2)は棚6に設定されている。
なお、これら2台の加工装置の処理能力が同等でない場合は、第1B加工装置52に搬送するワーク59を保管する第2バッファ56および第2B加工装置53に搬送するワーク59を保管する第3バッファ57それぞれの第1仕掛閾値(L1)を各加工装置の処理能力に合わせて適宜設定することで、加工装置の処理能力にあった数のワーク59を各バッファに溜めることができる。
また、3台以上の加工装置が配置されている場合でも、同様に加工装置の順番(上流下流)を予め仮定しておくことで、複数の加工装置にワークを均等に分配することができる。これにより、ワークがいずれかのバッファに偏って保管されることによる第2生産工程での装置ロスを最小限に抑えられる。また、バッファの仕掛棚を最大限に使用することができるので、満杯となった一部のバッファによって第2生産工程内でのワークの搬送が滞ることで生じる第1生産工程での装置ロスを最小限に抑えることができる。
なお、前述した実施形態においては、棚に空きが生じると一つのバッファ内でワークを優先度の高い棚に順次移動しているが、本発明の仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、棚に空きが生じた場合、一つのバッファ内でワークを移動することなく、優先的に使用する棚の順番を、元の順番での大小関係を保ちつつ「1」から順に再定義してもよい。具体例を示すと、図12(c)に示すような状態において、1番目のワークが第3バッファ49から第3B加工装置44に搬送された場合、第3バッファ49に保存されている2番目および3番目のワークを第3バッファ49内の棚1と棚2とに順次移動することなく、元の棚2を棚1に、元の棚3を棚2に、元の棚1を棚3に再定義してもよい。なお、この場合、元の棚1である再定義後の棚2が第3バッファ49の充填比較棚となる。
次いで、複数のバッファでワークの数が同時に変化した場合における処理対象バッファの決定手順について説明する。
本実施形態において、前記仕掛分配処理は、保管しているワークの数に変化があった時刻が早いバッファを処理対象バッファとして順に設定し実施される。しかしながら、複数のバッファでワークの数が同時に変化する場合があり、この場合には、後述の優先順位に従って処理対象バッファを設定し、仕掛分配処理を実施する。なお、この処理対象バッファの設定および仕掛分配処理の実施優先順位の判断等の管理は、前記仕掛分配制御装置において行なわれる。
図15は、一つの生産工程において複数のバッファでワークの数が同時に変化した状態の具体例1を示す説明図であり、同図では、生産工程を構成するバッファ、搬送装置および加工装置のうち、説明のために必要なバッファのみを示した。
ここでは、生産工程内に第1バッファ(BUF1)1511〜第4バッファ(BUF4)1514までの4台のバッファが配置されており、図示していないが、第1バッファ1511〜第4バッファ1514の下流側には加工装置がそれぞれ配置されている。なお、各バッファおよび加工装置間のワークの搬送は搬送装置(不図示)によって行なわれる。
このような配置において、第2バッファ(BUF2)1512から第3バッファ(BUF3)1513へワーク1521が搬送されると、第2バッファ1512ではワークの数が減少し、第3バッファ1513ではワークの数が増加する。従って、第2バッファ1512での減少に基づく第1バッファ1511を処理対象バッファとする仕掛分配処理と、第3バッファ1513での増加に基づく第3バッファ1513を処理対象バッファとする仕掛分配処理とが発生する。
ここで、第1バッファ1511を処理対象バッファとする仕掛分配処理に係る第1バッファ1511および第2バッファ1512を第1グループ1501に属するバッファ、第3バッファ1513を処理対象バッファとする仕掛分配処理に係る第3バッファ1513および第4バッファ1514を第2グループ1502に属するバッファと仮定する。
これら第1グループ1501および第2グループ1502は、それぞれ独立したグループである(複数のグループに属するバッファが無い)ため、もし、前記仕掛分配制御装置が、複数の仕掛分配処理を並列して実施できるハードウエアで構成されている場合は、2つの仕掛分配処理を同時に実施する。
一方、前記仕掛分配制御装置が複数の仕掛分配処理を並列して実施できない場合は、ワーク切れを防ぐために、上流側のグループでの仕掛分配処理を優先して実施する。
また、独立していないグループがある場合(複数のグループに属するバッファがある場合)には、前記仕掛分配制御装置が並列処理可能であるか否かに係らず、優先順位に従って仕掛分配処理を実施する。
図16は、一つの生産工程において複数のバッファでワークの数が同時に変化した状態の具体例2を示す説明図であり、同図では、生産工程を構成するバッファ、搬送装置および加工装置のうち、説明のために必要なバッファおよび加工装置のみを示した。
ここでは、生産工程内に第1バッファ(BUF1)1611〜第4バッファ(BUF4)1614までの4台のバッファが配置されており、第1バッファ1611〜第4バッファ1614の下流側には第1加工装置(Mcn1)1631〜第4加工装置(Mcn4)1634がそれぞれ配置されている。なお、各バッファおよび加工装置間のワークの搬送は搬送装置(不図示)によって行なわれる。
このような配置において、第2バッファ(BUF2)1612から第3バッファ(BUF3)1613へワーク1621が搬送されるとともに、第3バッファ1613から第3加工装置(Mcn3)1633へワーク1622が搬送されると、ワーク1621の搬送により、第2バッファ1612ではワークの数が減少し、第3バッファ1613ではワークの数が増加すると同時に、ワーク1622の搬送により、第3バッファ1613ではワークの数が減少する。従って、第2バッファ1612での減少に基づく第1バッファ1611を処理対象バッファとする仕掛分配処理と、第3バッファ1613での増加に基づく第3バッファ1613を処理対象バッファとする仕掛分配処理と、第3バッファ1613での減少に基づく第2バッファ1612を処理対象バッファとする仕掛分配処理とが発生する。
ここで、第1バッファ1611を処理対象バッファとする仕掛分配処理に係る第1バッファ1611および第2バッファ1612を第1グループ1601に属するバッファ、第3バッファ1613を処理対象バッファとする仕掛分配処理に係る第3バッファ1613および第4バッファ1614を第2グループ1602に属するバッファ、第2バッファ1612を処理対象バッファとする仕掛分配処理に係る第2バッファ1612および第3バッファ1613を第3グループに属するバッファと仮定する。
このとき、第2バッファ1612および第3バッファ1613は異なる2つのグループに属するバッファとなっているため、優先順位に従って仕掛分配処理を実施する。
前記優先順位は以下のルールに従って定める。
(1)ワークの減少により発生した仕掛分配処理を優先して実施する。但し、このような仕掛分配処理が複数ある場合は、これら複数の仕掛分配処理の中から上流側のグループでの仕掛分配処理を優先して実施する。
(2)ワークの増加により発生した仕掛分配処理を次に実施する。但し、このような仕掛分配処理が複数ある場合は、これら複数の仕掛分配処理の中から上流側のグループでの仕掛分配処理を優先して実施する。
即ち、図16に示すような状態においては、まず初めに、ワークの減少により発生した仕掛分配処理を優先して実施するために、第1グループ1601または第3グループ1603に係る仕掛分配処理を優先して実施するが、第1グループ1601の方が上流側のグループであるため、最初に第1グループ1601に係る仕掛分配処理を実施し、次に第3グループ1603に係る仕掛分配処理を実施する。続いて、ワークの増加により発生した仕掛分配処理を実施するために、第2グループ1602に係る仕掛分配処理を実施する。
なお、優先順位に従って最初に第1グループ1601に係る仕掛分配処理を実施した結果、第1バッファ1611から第2バッファ1612へワークが搬送された場合は、前記第1グループ1601に係る仕掛分配処理に引き続き、第3グループ1603および第2グループに係る仕掛分配処理を順次実施した後、前記第1バッファ1611から第2バッファ1612へワークが搬送されたことにより新たに発生した仕掛分配処理を実施するものとする。
本発明の仕掛分配制御方法および仕掛分配制御装置は、一つの生産工程内に配置された複数の加工装置にバッファを介してワークを分配する際に活用できる。
本発明の仕掛分配制御装置の一実施形態におけるシステム構成の一例を示す説明図である。 図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配制御が実施される生産ラインのレイアウトの一例を示す説明図である。 図2に示す生産ラインで実施されるワークの搬送の一例を示す説明図である。 本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する工程使用装置定義領域に格納されている工程装置情報の一例を示す説明図である。 本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する加工装置情報領域に格納されている加工装置情報の一例を示す説明図である。 本発明の仕掛分配制御装置を含んでなるライン搬送制御装置を構成する仕掛棚情報領域に格納されている仕掛棚情報の一例を示す説明図である。 本発明の仕掛分配制御方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例1を示す説明図である。 図8に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。 図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例2を示す説明図である。 図10に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。 図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例3を示す説明図である。 図12に示すワークの分配結果を示す仕掛棚情報の一例を示す説明図である。 図1に示す仕掛分配制御装置を用いた仕掛分配制御方法によるワークの分配結果の具体例4を示す説明図である。 一つの生産工程において複数のバッファでワークの数が同時に変化した状態の具体例1を示す説明図である。 一つの生産工程において複数のバッファでワークの数が同時に変化した状態の具体例2を示す説明図である。 図2に示すレイアウトの生産ラインにおいて従来の仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの搬送例1を示す説明図である。 図2に示すレイアウトの生産ラインにおいて従来の仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの搬送例2を示す説明図である。 図2に示すレイアウトの生産ラインにおいて従来の仕掛分配制御方法を実施した場合のワークの搬送例3を示す説明図である。
符号の説明
10 ライン搬送制御装置
11 仕掛分配制御装置
11a 仕掛棚情報管理部
11b 仕掛分配処理部
12 加工装置情報管理部
13 搬送指示部
14 ライン情報データベース
14a 工程使用装置定義領域
14b 加工装置情報領域
14c 仕掛棚情報領域
15a 第1バッファ情報管理部
15a1 仕掛数検出部
15a2 充填比較棚検出部
15a3 移動仕掛連絡部
15b 第2バッファ情報管理部
15b1 仕掛数検出部
15b2 充填比較棚検出部
15b3 移動仕掛連絡部
20 ネットワーク
30 生産ライン
31 A加工装置
32 第1B加工装置
33 第2B加工装置
34 第1搬送装置
35 第2搬送装置
36 第3搬送装置
37 第1バッファ
38 第2バッファ
39 ワーク

Claims (14)

  1. 同一の処理を行う複数の加工装置と、当該複数の加工装置に搬送するワークを保管する複数の棚を備えた少なくとも一つのバッファとが配置された生産工程を含んでなる生産ラインで、上流側から下流側へ一方向に搬送されるワークに加工装置による処理を施して製品を製造する際に、バッファに保管するワークの数を制御する仕掛分配制御方法において、
    前記バッファを構成する棚の全棚数と、バッファ内のいずれか一つの棚番号を示す第1仕掛閾値と、当該第1仕掛閾値よりも大きいいずれか一つの棚番号または第1仕掛閾値と同じ棚番号を示す第2仕掛閾値と、前記第1仕掛閾値以下の棚番号が付された少なくとも一つの棚から構成された充填比較棚の棚番号のうち最も小さい棚番号を示す充填比較棚の棚番号と、バッファに保管されたワークの総数を示す仕掛総数と、前記充填比較棚に保管されたワークの数を示す仕掛数とを各バッファに対応付けた状態で示す仕掛棚情報に基づき、
    いずれか一つのバッファで保管しているワークの数に変化があったタイミングに、保管しているワークの数に変化があったバッファまたは当該バッファよりも1つ上流側に配置されているバッファを処理対象バッファと定義して、
    前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っているか否かを判断する第1ステップと、
    前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていると判断された場合に、前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数と前記1つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数とを取得し比較する第2ステップと、
    前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少ないと判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第3ステップと、
    前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていないと判断された場合、前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少なくないと判断された場合、または前記第3ステップを実施した後に、前記仕掛棚情報から前記処理対象バッファの前記仕掛総数と第2仕掛閾値とを取得し比較した結果、前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きい場合に、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあるか否かを判断する第4ステップと、
    前記第4ステップで前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きく、かつ、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあると判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第5ステップとからなる仕掛分配処理を実施する仕掛分配制御方法。
  2. 請求項1記載の仕掛分配制御方法において、前記仕掛分配処理は、前記生産ラインを構成する一つの生産工程内に配置された全てのバッファのうち最も下流側のバッファを除くバッファで、保管しているワークの数に変化があったタイミングに実施される仕掛分配制御方法。
  3. 請求項2記載の仕掛分配制御方法において、前記処理対象バッファは、前記全てのバッファのうちの保管しているワークの数に変化があった一つのバッファまたは当該一つのバッファよりも1つ上流側に配置されているバッファ、もしくは前記一つの生産工程への投入待ち状態のワークを保管している一つのバッファである仕掛分配制御方法。
  4. 請求項1記載の仕掛分配制御方法において、前記バッファの第1仕掛閾値以下の棚番号の棚のうち、同一の生産工程内に配置された全てのバッファの各第1仕掛閾値のうち最も小さい第1仕掛閾値と等しい数分の棚が棚番号が大きい順で前記充填比較棚に設定される仕掛分配制御方法。
  5. 請求項1記載の仕掛分配制御方法において、前記第1仕掛閾値が同一の生産工程内に配置された全てのバッファで同じ値に設定されている仕掛分配制御方法。
  6. 請求項1記載の仕掛分配制御方法において、前記第1仕掛閾値は2以上の値に設定されている仕掛分配制御方法。
  7. 請求項1記載の仕掛分配制御方法において、前記第2仕掛閾値は、各バッファで仕掛状態のワークの保管に使用する棚の数から1つ減じた数以下の値に設定されている仕掛分配制御方法。
  8. 同一の処理を行う複数の加工装置と、当該複数の加工装置に搬送するワークを保管する複数の棚を備えた少なくとも一つのバッファとが配置された生産工程を含んでなる生産ラインで、上流側から下流側へ一方向に搬送されるワークに加工装置による処理を施して製品を製造する際に、バッファに保管するワークの数を制御する仕掛分配制御装置において、
    前記バッファを構成する棚の全棚数と、バッファ内のいずれか一つの棚番号を示す第1仕掛閾値と、当該第1仕掛閾値よりも大きいいずれか一つの棚番号または第1仕掛閾値と同じ棚番号を示す第2仕掛閾値と、前記第1仕掛閾値以下の棚番号が付された少なくとも一つの棚から構成された充填比較棚の棚番号のうち最も小さい棚番号を示す充填比較棚の棚番号と、バッファに保管されたワークの総数を示す仕掛総数と、前記充填比較棚に保管されたワークの数を示す仕掛数とを各バッファに対応付けた状態で示す仕掛棚情報のうち、前記バッファの仕掛総数と前記充填比較棚の仕掛数とをバッファの状態に応じて更新する仕掛棚情報管理手段、および
    いずれか一つのバッファで保管しているワークの数に変化があったタイミングに、保管しているワークの数に変化があったバッファまたは当該バッファよりも1つ上流側に配置されているバッファを処理対象バッファと定義し、当該処理対象バッファについて仕掛分配処理を実施する仕掛分配処理手段を備えてなり、
    前記仕掛分配処理が、前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っているか否かを判断する第1ステップと、
    前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていると判断された場合に、前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数と前記1つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数とを取得し比較する第2ステップと、
    前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少ないと判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第3ステップと、
    前記第1ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚にワークが入っていないと判断された場合、前記第2ステップで前記処理対象バッファの前記充填比較棚の仕掛数よりも前記一つ下流側に配置されたバッファの前記充填比較棚の仕掛数の方が少なくないと判断された場合、または前記第3ステップを実施した後に、前記仕掛棚情報から前記処理対象バッファの前記仕掛総数と第2仕掛閾値とを取得し比較した結果、前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きい場合に、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあるか否かを判断する第4ステップと、
    前記第4ステップで前記処理対象バッファの前記仕掛総数が第2仕掛閾値よりも大きく、かつ、前記一つ下流側に配置されたバッファの棚に空きがあると判断された場合に、前記処理対象バッファから前記一つ下流側に配置されたバッファにワークを搬送することを決定する第5ステップとからなるものである仕掛分配制御装置。
  9. 請求項8記載の仕掛分配制御装置において、前記仕掛分配処理は、前記生産ラインを構成する一つの生産工程内に配置された全てのバッファのうち最も下流側のバッファを除くバッファで、保管しているワークの数に変化があったタイミングに実施される仕掛分配制御装置。
  10. 請求項9記載の仕掛分配制御装置において、前記処理対象バッファは、前記全てのバッファのうちの保管しているワークの数に変化があった一つのバッファまたは当該一つのバッファよりも1つ上流側に配置されているバッファ、もしくは前記一つの生産工程への投入待ち状態のワークを保管している一つのバッファである仕掛分配制御装置。
  11. 請求項8記載の仕掛分配制御装置において、前記バッファの第1仕掛閾値以下の棚番号の棚のうち、同一の生産工程内に配置された全てのバッファの各第1仕掛閾値のうち最も小さい第1仕掛閾値と等しい数分の棚が棚番号が大きい順で前記充填比較棚に設定される仕掛分配制御装置。
  12. 請求項8記載の仕掛分配制御装置において、前記第1仕掛閾値が同一の生産工程内に配置された全てのバッファで同じ値に設定されている仕掛分配制御装置。
  13. 請求項8記載の仕掛分配制御装置において、前記第1仕掛閾値は2以上の値に設定されている仕掛分配制御装置。
  14. 請求項8記載の仕掛分配制御装置において、前記第2仕掛閾値は、各バッファで仕掛状態のワークの保管に使用する棚の数から1つ減じた数以下の値に設定されている仕掛分配制御装置。
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