JP2004086198A - カラーフィルム処理用の均質な一液形カラー現像濃厚液およびその使用方法 - Google Patents

カラーフィルム処理用の均質な一液形カラー現像濃厚液およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーネガまたはカラーリバーサル写真ハロゲン化銀フィルム用に有効なカラー現像濃厚液を提供する。
【解決手段】a)遊離塩基形態の発色現像主薬、b)少なくとも1個の可溶性基を有するN,N−ジアルキルまたはN,N−ジアリールヒドロキシルアミン酸化防止剤、およびc)構造式:YZMを有し、濃厚水溶液で存在し、分子量100〜400を有する水混和性または可溶性の有機補助溶媒を含む、水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー写真フィルムにカラー画像を形成するのに有用な一液形で、均質な写真カラー現像濃厚液、並びに、かかるカラー画像を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
露光したカラー写真のハロゲン化銀材料から有用なカラー画像を得るための基本的な処理には、カラー現像、銀の漂白、ハロゲン化銀の定着および水洗または適当な光化学組成物を用いる色素画像の安定化のような光化学処理の数個の工程が含まれる。
【0003】
反応時に消耗し、処理材料によって持ち去られた処理薬剤を補うために、処理機におけるカラー現像組成物に「補充」液を加えることは、通常実施していることである。かかる補充によって、均一な現像および発色現像主薬の最大の安定性が保証される。
【0004】
カラー現像組成物は、通常、使用直前に混合される三液形以上の「パート」(溶液)で供給される。多液形は、屡、成分の化学活性および溶解性を区別しかつ保持するために必要であり、そうでないと、アルカリ性条件下で、長期間一緒に保管されるときに劣化し、また相互に反応してしまうことにもなりかねない。例えば、一つのパートには、多分、発色現像主薬が含まれ、他のパートには、混合カラー現像組成物のアルカリ性を保持するための薬剤が含まれることになる。更にその他のパートには、光学増白剤が含まれることになろう。全てのパートと水が混合されるときには、処理機の作業濃度に対応する均質なカラー現像組成物が、通常、得られる。
【0005】
カラー現像組成物を調製するため、特に補充液を調製するために使われるパートの数を減らすことが、当業界では望まれている。広範囲の組成物が当該分野では記載され、また、「直ぐに使用できる」溶液、濃厚液または乾燥配合物として市販されている。液体濃縮物では、作業濃度の溶液を得るために、単に水で希釈すればよい。乾燥配合物では、単に、水に溶解させるだけでよい。例えば、欧州特許第0793141号(Chugai Photo)明細書には、固体あるいは液体形態のいずれでも供給することが可能な、二液形のカラー現像組成物が記載されている。
【0006】
写真処理浴で使用される種々な写真薬剤の濃度は、最適な性能を得るために、ある狭い限界内にあることが必要である。かかる写真処理のため最も重要な溶媒は、水である。多くの無機塩では、容易に水に溶解できるが、一方、かかる処理浴での有機写真薬剤では、通常、所望の作業濃度で適当な水溶解性を有している。
【0007】
しかしながら、水は、それが大量に存在しているため、即使用可で、ある濃度をもつ写真組成物についての利点であると共に、重大な問題ともなっている。結果として、かかる組成物の製造、輸送および保管のコストが、確実に増大している。普通は、ユーザーの写真組成物には、個々の写真薬剤が混合され、あるいは希釈されるのに役立つ水を有しているが、このことは、通常、多くの理由で実際的ではない。写真薬剤の正確な組成は、一般ユーザーには容易に決められないし、生産者も、かかる目的のためにその配合を容易に与えたがらない。その上、仮にその配合が知られていたとしても、混合を失敗すると、結果として写真処理の結果がまずいことになってしまう。
【0008】
これらの理由のため、写真業界には、生産者およびユーザーが大量の水の使用、輸送または保管のために金を支払う必要がないように、そしてより小さい容器の使用で済むように、写真処理組成物(カラー現像組成物を含む)を濃厚形態で提供しようとする傾向がある。更にまた、当業界では、種々な成分を混合する必要なしに(それによって混合の誤りを少なくして)それらの容器から直接使用できる組成物、例えば「自動補充」処理機として知られているもの、を提供することが望まれてきた。
【0009】
当業界では、濃厚物および固体混合物(粉体およびタブレットを含む)の両者の使用を研究してきた。多くの場合に、濃厚物は、使用には便利であるが、粉体またはスラリーあるいは二液形の混合物の形態であるものに比して、高い包装コストがかかる。粉体は、高濃度を可能とするが、全ての写真組成物を乾燥して安定な粉体とすることができない。加えて、粉体には、粉塵、別個に包装することの必要性、および更に厄介な計量または混合操作に伴う問題が存在する。多くの乾燥処理組成物では、容易に水に溶解しない。
【0010】
例えば、カラーネガフィルムにカラー画像を得るために用いられる通常のカラー現像組成物では、典型的に、三つの「パート」を単一の溶液中に混合することによって得られる。現在、慣用の酸化防止剤である、ヒドロキシルアミンスルフェートは、それが処理に使用されるまで、亜硫酸塩から離しておかなければならない。同様に、慣用の発色現像主薬である、4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシルエチルアミノ)−2−メチルアニリンスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−4)は、溶解の目的のために低いpHに維持しなければならないが、低いpH環境は、他の必須の写真処理薬剤には好適ではない。
【0011】
明確な意図のない観察者は、カラー現像組成物を得るのに使用される慣用の「パート」は全て、混合して容易に一液形の均質な組成物が形成されると考えがちである。このことは、人が考えるほど簡単ではない。濃厚形態では、写真薬剤間の相互作用やそれらの劣化が強められて、処理される写真材料に得られる作用は、その得られるお粗末な画像によって望ましくないものとなる。
【0012】
上記問題のいくつかを克服する数種のカラー現像組成物が市販されているが、沈殿物(例えば、スラリー)や多くの溶媒相の存在のために、それらは、使用する前に激しく攪拌または混合することが必要となる。かかる組成物は、一般に、少容量に限定される。更に、沈殿物や「スラッジ」の存在が、ユーザーに対して魅力のないものとなるかもしれない。ユーザーのある者は、多相の組成物を適当に攪拌するための好適な装置を有していない。
【0013】
付属的な少容量の、容易に使用できるカラー現像組成物は、米国特許第5,273,865号(Loiacono 等)明細書に記載されている。これらの組成物は、4〜8個のヒドロキシル基を有するポリオール化合物を含むために、臭化物、ヒドロキシルアミンおよびベンジルアルコールを含まないと言われており、また、高臭化物乳剤のみを有する写真要素の迅速処理に有効であるとも言われている。
【0014】
均質で、濃厚でかつ安定である非常に有用な一液形のカラー現像組成物は、米国特許第6,077,651号(Darmon 等)明細書に記載されている。かかる組成物は、発色現像主薬の遊離塩基形態とその溶解性を促進させるための特定量の水混和性有機溶媒が存在することによって安定である。これらの濃厚組成物は、カラー現像印画紙を処理するために最も有効である。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第4,232,113号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,987,060号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,273,865号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,376,510号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,660,974号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,837,435号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,869,223号明細書
【特許文献8】
米国特許第5,891,609号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,914,221号明細書
【特許文献10】
米国特許第6,077,651号明細書
【特許文献11】
米国特許第6,197,484号明細書
【特許文献12】
米国特許第6,416,940号明細書
【特許文献13】
欧州特許第0204372号明細書
【特許文献14】
欧州特許第0528406号明細書
【特許文献15】
欧州特許第0793141号明細書
【特許文献16】
欧州特許第0800111号明細書
【特許文献17】
国際出願公報第99/46641号明細書
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
写真業界には、均質で、濃厚で、安定であり、かつカラーネガフィルムに有用な一液形のカラー現像組成物を求める耐えざる需要がある。かかる濃厚な組成物は、カラー写真印画紙を処理するために通常使用されている組成物とは異なる成分と配合を必要とする。本発明では、当該分野でのかかる需要を満足する濃厚なカラー現像組成物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、当該分野における進歩をもたらすために、
pH9〜13を有し、
a)少なくとも0.05モル/Lの遊離塩基形態のN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン発色現像主薬、
b)少なくとも0.1モル/Lの、少なくとも1個の可溶性基を有するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体またはN,N−ジアリールヒドロキシルアミン誘導体を含む前記発色現像主薬用の酸化防止組成物、および
c)分子量100〜400を有し、有機補助溶媒に対する水の重量比が7:1〜30:1であるような濃度の濃厚液で存在し、かつ以下の構造I:
Y−Z         (I)
式中、Yは、pH10〜11の範囲では荷電しない、4〜16個の炭素原子を有するアルキル基、環に5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、シクロアルキル基、炭素環式アリール基もしくは1〜3個のヘテロ原子を含有する複素環式基と付加的に置換する1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、または環に6〜10個の炭素原子を有する炭素環式アリール基であり、Zは、単一の負の電荷を含む一価の基またはpH10以上で単一の負の電荷基にイオン化される酸性基であり、そしてMは、一価のカチオンである、
によって表わされる水混和性または水溶性有機補助溶媒、
を含む水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液が提供される。
【0018】
好ましい実施態様によれば、本発明では、pH10〜11を有し、
a)0.05〜0.2モル/Lの、それぞれが遊離塩基形態の、4−(N,N−ジエチル)−2−メチルアニリン塩酸塩(KODAK 発色現像主薬 CD−2)、4−(N−エチル−N−メタンスルホンアミドエチル)−2−メチルアニリンセスキスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−3)、または4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル)−2−メチルアニリンスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−4)、
b)0.1〜0.4モル/Lの、実質的にN,N−ビス(エチレンスルホナト)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ヒドロキシルアミン、またはN−イソプロピル−N−エチルスルホナトヒドロキシルアミンからなる発色現像主薬用の酸化防止組成物、
c)分子量120〜220を有し、有機補助溶媒に対する水の重量比が10:1〜15:1であるような濃度の濃厚液で存在する、水混和性または水溶性の安息香酸塩またはそのアルカリ金属塩、
d)炭酸塩緩衝剤、および
e)0.1〜0.50モル/Lの亜硫酸イオン、
を含む、水性で、均質の、一液形カラー現像濃厚液が提供される。
【0019】
更にまた、本発明によれば、
I)本発明の、水性で、均質の、一液形カラー現像濃厚液、および
II)以下の組成物:
写真漂白組成物、
写真漂白/定着組成物、
写真定着組成物、または
写真安定化もしくは最終水洗組成物、
の一以上、
を含む写真処理薬剤キットが提供される。
【0020】
更に、本発明によれば、本発明の、水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液を少なくとも2.5倍に希釈して、これとカラーネガ写真またはカラーリバーサル写真のハロゲン化銀フィルムを接触させることを含む、カラー写真画像を形成する方法が提供される。
【0021】
本発明の好ましい写真処理方法には、次の工程:
A)本発明の、水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液を少なくとも4倍に希釈して、これと像様露光したカラーネガ写真またはカラーリバーサル写真のハロゲン化銀フィルムをカラー現像すること、および
B)カラー現像したカラーネガ写真またはカラーリバーサル写真のハロゲン化銀フィルムを脱銀すること、
が含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一液形カラー現像濃厚液およびその使用によれば、現在市販され、または知られている写真組成物に優る多くの利点が提供される。当該濃厚液では最小限の水しか有さず、結果として製造、輸送および保管コストにおいて相当な節約となる。加えて、それが、沈殿物、スラリーまたは多数の溶媒相を有しないという意味で、それは、均質な組成物である。それには、使用前の激しい攪拌も必要とせず、しかも、最小限の指示と誤りの可能性をもって、速やかにかつ容易に計量して写真処理タンクまたは浴に装填できる。例えば、この濃厚液は、必要に応じて処理組成物が希釈されて使用される「自動補充」処理機内で使うことができる。重要なことは、液体であれ、あるいは固体であれ、それは一液形の組成物として提供されるので、多数のパートの混合が、避けられることである。
【0023】
本発明の濃厚液およびそれにより得られる作業濃度のカラー現像組成物は、多くの慣用の多液形カラー現像組成物よりも臭気が少ない。更に、意外なことには、カラー現像に必要な薬剤を配合して一液形の組成物にすると、結果的に、それら薬剤(例えば、酸化防止剤や発色現像主薬)のいくつかの化学的安定性に最小限の損失しか起こらず、またpHにも最小限の変化しか起こらないことである。
【0024】
発色現像主薬は、その慣例のアニオン(例えば、硫酸イオン)が、アルカリ金属塩基の存在下でそれを沈殿させることにより当該組成物の配合の初期において除かれるという意味で、「遊離塩基」の形態で与えられる。好ましくは、得られるカラー現像濃厚液には、本質的に硫酸イオンが含まれない(0.005モル/L未満の硫酸イオンを意味する)。
【0025】
濃厚液の安定性は、臨界的な分子量100〜400を有する特定の有機補助溶媒の存在によって与えられる。この有機補助溶媒は、有機補助溶媒に対する水の重量比が10:1〜15:1であるような濃度で存在し、それは、1個の、そして唯一のカルボキシル、ヒドロキシ(但し、ヒドロキシル基は、pH10〜11の範囲で実質的にイオン化されていることを条件とする)、もしくはスルホ置換基を有するベンゼンであっても、または1個の、そして唯一のカルボキシルもしくはスルホ置換基を有する4〜16個の炭素アルキル鎖をもつ脂肪族化合物であってもよい。
【0026】
本発明の均一で、一液形のカラー現像濃厚液は、好適な発色現像主薬の水溶液を作製することによって調製される。当初は、この発色現像主薬は、一般に、硫酸塩の形態を採っている。また、この溶液には、カルボキシル基もしくはスルホ基を含有する前記の有機補助溶媒が含まれている。
【0027】
この環境内では、特に高度のアルカリ性下では、アルカリ金属イオンと硫酸イオンとは、有機補助溶媒の存在下に沈殿した硫酸塩を形成している。この沈殿した硫酸塩は、次いで、何らかの適当な液/固相分離技術(濾過、遠心分離またはデカンテーションを含む)を用いて容易に取り除くことができる。
【0028】
本発明のカラー現像濃厚液には、当該技術分野で周知である一種以上の発色現像主薬が酸化形態で含まれ、処理剤中の色素形成カラーカプラーと反応する。かかる発色現像主薬は、p−フェニレンジアミン(特に、N,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン)および、例えば欧州特許第0434097号(1991年6月26日発行)および同第053921号(1993年3月10日発行)明細書に記載されるような、当該分野で周知な他のものである。この発色現像主薬が、当該分野で知られるような1個以上の水溶性基を有することは有効である。
【0029】
好ましい発色現像主薬には、4−(N,N−ジエチル)2−メチルアニリン塩酸塩(KODAK 発色現像主薬 CD−2)、4−(N−エチル−N−メタンスルホンアミドエチル)−2−メチルアニリンセスキスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−3)、または4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル)−2−メチルアニリンスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−4)、および当業者に容易に明らかな他のものが含まれるが、これらに限定されない。KODAK 発色現像主薬 CD−2 および CD−4 は、本発明の実施に特に好ましい。
【0030】
発色現像主薬を酸化から保護するために、一種以上の酸化防止剤が、本発明のカラー現像濃厚液に酸化防止組成物として含まれる。無機の酸化防止剤がこれらの組成物に使用されてよく、また、無機および有機の酸化防止剤の混合物が存在してもよい。多くの種類の有用な無機酸化防止剤が知られ、これには、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および亜硫酸水素カリウム)を含むが、これらに限定されない。存在するときは、亜硫酸イオンは、0.1モル/Lの最小濃度で使用される。
【0031】
好ましい酸化防止剤組成物には、本質的に、一定のヒドロキシルアミン誘導体が用いられる。これらのヒドロキシルアミン誘導体は、少なくとも1個のアルキル基またはアリール基がスルホ、カルボキシ、ヒドロキシ、もしくはホスホ基のような1個以上の可溶性基で置換されているN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンおよびN,N−ジアリールヒドロキシルアミンである。好ましくは、その置換基は、ヒドロキシ基またはスルホ基であり、より好ましくは、それぞれのアルキル基が同一種類の多くの置換基を有する。
【0032】
特に有用なN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンには、1〜4個の炭素原子、そして好ましくは2または3個の炭素原子を有し、その少なくとも1個が上記可溶性基で置換されているアルキル基が含まれる。このアルキル基は、同じであっても、異なっていてもよく、そして好ましくは、それらは同じである。よって、最も好ましい化合物は、エチル基またはプロピル基の一方あるいは両方が、1個以上のカルボキシ、ヒドロキシ、またはスルホ置換基を有するN,N−ジエチルヒドロキシルアミンまたはN,N−ジプロピル(n−またはiso−)ヒドロキシルアミンである。特に有用なN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンには、N,N−ビス(エチレンスルホナト)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン、およびN−イソプロピル−N−エチレンスルホナトヒドロキシルアミンが含まれる。
【0033】
緩衝剤は、一般に、本発明のカラー現像濃厚液中に、pH7〜13、好ましくは8〜12、そしてより好ましくは10〜11の所望のアルカリ性pHを与え、もしくは維持するために存在する。これらの緩衝剤は、一般に、上記有機補助溶媒に可溶性であり、かつpKa9〜13を有する。かかる有用な緩衝剤には、炭酸塩、硼酸塩、四硼酸塩、グリシン塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、リン酸塩およびヒドロキシル安息香酸塩が含まれるが、これらに限定されない。アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸カリウム)が好ましい。所望ならば、緩衝剤の混合物も、使用可能である。
【0034】
本発明のカラー現像濃厚液の不可欠な成分は、その遊離塩基形態で発色現像主薬を溶解することができる、写真的に不活性で、水混和性もしくは水溶性の有機補助溶媒である。かかる有機補助溶媒は、単独で、あるいは組み合わせて使用でき、そして、それぞれが、少なくとも100、好ましくは少なくとも120、そして一般には400未満で、好ましくは220未満の分子量を有する。
【0035】
有用な有機補助溶媒は、以下の構造Iによって表わすことができる。
Y−Z          (I)
式中、Yは、pH10〜11の範囲で無電荷でなければならず、そして4〜16個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基(例えば、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、ベンジルおよび当業者に容易に明らかな他の線状および分枝状アルキル鎖)、環に5〜10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、および当業者に容易に明らかな他のもの)、付加的にシクロアルキル基、炭素環式基、もしくは1〜3個のヘテロ原子(窒素、酸素、または硫黄)を含有する複素環式基で置換される1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、または環に6〜10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール基(例えば、ベンジル、ナフチル、トリル、2−アミノベンジル、および2−ニトロベンジル)である。
【0036】
は、単一の負の電荷を含む一価の基またはpH10〜11で単一の負の電荷基にイオン化される酸性基である。有用なZ基には、カルボキシ、スルホ、およびヒドロキシ基が含まれる。但し、前記のヒドロキシ基は、pH10〜11の範囲で実質的にイオン化されていることを条件とする。酸性基は、直接「Y」に結合していても、あるいは、それが適当な線状もしくは分枝状の、置換もしくは非置換のアルキレン基(例えば、鎖中に1〜6個の炭素原子を含むもの)、置換もしくは非置換のシクロアルキレン基(例えば、1,4−シクロへキシレン)、または置換もしくは非置換のアリーレン基(例えば、1,4−フェニレン)を介して「Y」に結合していてもよい。
【0037】
は、水素、アルカリ金属イオン、またはアンモニウムイオンのような、適当な一価のカチオンである。
【0038】
好ましくは、本発明の濃厚液で使用される有機補助溶媒は、少なくとも1個のカルボキシまたはスルホ置換基を有するベンゼン環であっても、あるいは、少なくとも1個のカルボキシまたはスルホ置換基を有する4〜8個の炭素原子のアルキル鎖を含む脂肪族化合物であってもよい。
【0039】
「ベンゼン」化合物とは、縮合環はもたないが、1個で唯一の単独の負電荷の置換基もしくはイオン化して単独の負の電荷にする酸性置換基を有する6−員の炭素環式化合物を意味する。ここで、前記置換基の少なくとも1個は、スルホ、カルボキシ、またはヒドロキシ基であり、但し、ヒドロキシ基の場合は、pH10〜11の範囲で実質的にイオン化していることを条件とする。好ましくは、このベンゼン化合物は、1個で、唯一のかかる可溶性基、およびpH10〜11の範囲で実質的にイオン化されない可溶性基以外の1個までの付加的な基(例えば、1〜4個の炭素原子、ニトロ基、ヒドロキシ基(但し、この場合は、pH10〜11の範囲で実質的にイオン化しないことを条件とする)またはアミノ基)を含む。特に有用な可溶性基は、カルボキシおよびスルホ基(またはそれらの塩)であり、そして特に有用な付加的な置換基には、メチル、エチル、ニトロ、およびヒドロキシ基が含まれる。より好ましくは、ベンゼン化合物は、単独のカルボキシ基(またはその塩)で置換されている。
【0040】
ベンゼン化合物の可溶性基は、直接ベンゼン炭素に結合していてもよく、あるいは、1〜3個の炭素原子を有するアルキレン結合基を介して「間接的に」結合していてもよい。
【0041】
これに代えて、有機補助溶媒は、カルボキシ、スルホ、またはホスホ基(またはそれらの塩)で置換された4〜8個の炭素原子を有するアルキル鎖(線状もしくは分枝状の)を含む脂肪族化合物であってもよい。好ましくは、このアルキル鎖は、1個以上のカルボキシまたはスルホ基で置換されている。アルキル鎖には、可溶性基を含まない1個以上の他の置換基が含まれてもよい。好ましくは、アルキル鎖(線状もしくは分枝状の)は、5〜6個の炭素原子を有し、かつ単独のスルホまたはカルボキシ置換基を有する。
【0042】
本発明の実施に有用な代表的な有機補助溶媒には、以下の酸またはそれらの塩:安息香酸、p−トルイル酸、フェニル酢酸、ヘキサン酸、2−ペンタンスルホン酸、オクタン酸、サリチル酸、1−ヘキサンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、4−t−ブチル安息香酸、バレリアン酸、イソバレリアン酸、ベンゼンスルホン酸、ブタンスルホン酸、3−(4−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピバル酸、2−ニトロ安息香酸、2−メチル酪酸、m−アミノ安息香酸、1−プロパンスルホン酸、o−ニトロフェノール、またはこれら酸のいずれかのアルカリ金属もしくはアンモニウム塩が含まれる。p−トルイル酸またはそのアルカリ金属塩が最も好ましい。
【0043】
「写真的に不活性な」とは、本発明に有用な有機補助溶媒が、濃厚液のカラー現像機能に関して何ら実質的な正もしくは負の原因とならず、またそれを与えないことを意味する。
【0044】
本発明に有用な代表的な補助溶媒は、以下の化合物CS−1〜CS−21である。
【化1】
Figure 2004086198
【0045】
当該濃厚液における水および補助溶媒の量は、所望の結果の全てを達成し、かつ単一相の均質な濃厚液を保障するため、注意深く調整される。水が多過ぎると、相分離が起こる惧れがある。有機溶媒が多過ぎると、緩衝剤および他の塩が沈殿することとなる。補助溶媒に対する水の重量比は、7:1〜30:1であり、好ましくは、10:1〜15:1である。p−トルイル酸およびその塩である場合には、補助溶媒に対する水の最も好ましい重量比は、10:1〜12.5:1である。
【0046】
また、本発明のカラー現像濃厚液には、当業者であれば容易に理解できるような、アルカリ金属のハロゲン化物、金属封鎖組成物、補助共現像剤、カブリ防止剤、現像促進剤、光学増白剤、湿潤剤、芳香剤、ステイン減少剤、界面活性剤、消泡剤、および水溶性もしくは水分散性カラーカプラーを含む、カラー現像組成物に普通使われている一種以上の広範囲な他の添化剤が含まれてもよい。
【0047】
以下の表Iには、本発明のカラー現像濃厚液の必須なおよびいくつかの選択的成分についての一般的な量および好ましい量を記載している。
【表1】
Figure 2004086198
【0048】
本発明のカラー現像濃厚液は、実質的に透明な支持体および像様分布の現像可能なハロゲン化銀乳剤粒子を含有する一層以上のハロゲン化銀乳剤層を含む像様露光されたカラー写真ハロゲン化銀要素に、カラー現像を与えるという有用性を有している。種々なタイプの乳剤を有する広範な種類の写真要素(カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、およびカラー動画フィルム)は、本発明を用いて処理することができ、当該要素のタイプは、当該分野において周知である。カラー現像濃厚液は、特に、カラーネガ写真のハロゲン化銀フィルムにカラーネガ画像を与えるのに有効である。その処理されたカラーネガフィルムには、ハロゲン化銀乳剤層の反対側の支持体上に、磁気記録層、またはストライプを有していてもよい。
【0049】
本発明の実施で処理された写真カラーフィルムは、単層または他層のカラーフィルムであってよい。多層のカラーネガフィルムには、典型的に、可視スペクトルの三原色域のそれぞれに感光性の色素画像形成ユニットを含んでいる。
【0050】
像様露光されたカラーネガまたはリバーサル写真のハロゲン化銀フィルムについてのカラー現像は、当該フィルムを、好適な処理装置内で、好適な時間および温度の下に、本発明により調製されたカラー現像組成物と接触させて、所望の現像画像を得ることによって実施される。次いで、更なる処理工程が、当該分野で知られる特定の所望の順序で、一以上の現像の停止、漂白、定着、漂白/定着、洗浄(即ち、水洗)、安定化および乾燥工程を含むがこれに限定されない慣用の手順を用いて実施されてよい。有用な処理工程、そのために有効な条件および材料は、カラーネガフィルムの慣用のプロセスC−41処理を含む種々な処理指針に関して周知である。
【0051】
カラーリバーサルフィルムには、通常、慣用のプロセスE−6処理法において必要とされるような付加的な処理工程が必要である。カラーリバーサルフィルムの処理に一般的に使われる条件および溶液は、周知である。工程の典型的な順序には、最初の現像(黒白現像)、リバーサル処理工程、カラー現像、漂白、定着、および安定化が含まれる。他の工程、並びに予備漂白工程または漂白前のコンディショニング工程の間には種々な洗浄工程があってもよい。更に、安定化が、カラー現像と漂白との間に起こってもよい。かかる処理の多くの詳細は、米国特許第5,552,264号(Cullinan 等)明細書に記載されている。
【0052】
本発明による処理は、処理溶液を保有する慣用の深型タンクを用いて行なうことができる。それに代えて、「小容量の薄型タンク」処理方式、即ち、ラックとタンクまたは自動トレー設計のいずれかを有するLVTT、として当該分野で知られているものを用いて実施してもよい。かかる処理法および装置は、例えば、米国特許第5,436,118号(Carli 等)明細書および前記刊行物に記載されている。
【0053】
カラー現像に続いて、一般に、好適な銀漂白剤および定着剤を使用する一以上の漂白および定着工程、または漂白/定着工程を含む脱銀工程が実施される。
【0054】
本発明の各処理工程に用いられる処理時間および温度は、一般に当該分野で慣用的に使用されているもの(例えば、慣用のプロセスC−41、プロセスE−6およびプロセスK−14に関して)である。例えば、カラー現像は、一般に、20〜60℃(好ましくは、35〜55℃)の温度で実施される。その全体のカラー現像時間は、40分迄、好ましくは75〜450秒、そしてより好ましくは195秒未満であってよい。
【0055】
本発明のカラー現像濃厚液は、12倍迄適当に希釈されて、作業濃度の溶液または補充液に配合されてよい。一般に、希釈割合は4〜10倍であり、通常の希釈剤として水を用いる。希釈は、処理時または処理前に行なわれてよい。
【0056】
本発明の一つの実施態様では、カラー現像濃厚液は、写真漂白組成物、写真漂白/定着組成物、写真定着組成物、および写真安定化または水洗組成物に限定されないがこれらを含む一種以上の他の写真処理組成物(ドライまたは液体)が含まれてよい、写真処理薬剤キットにおける一種の薬剤配合物である。かかる追加の組成物は、濃厚な溶液または作業濃度の溶液に配合されてよく、また、乾燥形態(例えば、粉末またはタブレットして)で提供されてもよい。
【0057】
【実施例】
以下の実施例は、本発明の実施を説明するために与えられるが、いずれにしても、本発明をこれによって限定するものではない。他に指示がない限り、パーセントは、重量基準である。
【0058】
実施例で用いる比較の補助溶媒は、以下の化合物、比較−1〜比較−10である。
【化2】
Figure 2004086198
【0059】
以下の実施例で用いる有機酸化防止剤は、以下の化合物である。
【化3】
Figure 2004086198
【0060】
実施例1: 種々の補助溶媒を用いる濃厚液における発色現像主薬の溶解度
以下の表Iに示す補助溶媒を、慣用のカラー現像濃厚液に類似の溶液マトリクス中において、遊離塩基の形態の KODAK 発色現像主薬 CD−4 を溶解させる能力に関して試験した。KODAK 発色現像主薬 CD−4は、KODAK 発色現像主薬 CD−4 の二硫酸塩の飽和溶液を化学量論量の45%水酸化カリウムで中性化することによって、遊離の塩基形態で調製した。得られる混合物を攪拌し、放置して二層に分離させたところ、KODAK 発色現像主薬 CD−4 の遊離塩基の油状物は、その上層にあった。次いで、この上層を取り除き、溶解度試験に供した。
【0061】
233g/Lの炭酸カリウム、84.5g/Lの炭酸水素カリウムおよび67g/Lの亜硫酸カリウムをpH10.4で含有する原液を用いて、約90g/Lの種々補助溶媒の溶液を含む溶液を調製した。試験溶液を調製する前に、遊離酸の補助溶媒を化学量論的量の45%水酸化カリウムで中性化した。次いで、遊離塩基の KODAK 発色現像主薬 CD−4 を、攪拌しながら各試験溶液に添加し、沈殿が起こるまでのその量を、重量基準で監視した。添加した飽和溶液および発色現像主薬の最終容積を用いて、発色現像主薬の溶解度を算出した。以下の表Iは、減少する KODAK 発色現像主薬 CD−4 の溶解度の順に並べた化合物を示す。
【0062】
【表2】
Figure 2004086198
【表3】
Figure 2004086198
【0063】
実施例2: 補助溶媒として安息香酸ナトリウムを用いる種々の発色現像主薬 についての溶解度
KODAK 発色現像主薬 CD−2 および CD−3 についての溶解度を、KODAK 発色現像主薬 CD−4 に関して実施例1に記載したのと同じ方法で試験した。その結果を、以下の表IIに示す。
【0064】
【表4】
Figure 2004086198
CD−2の遊離塩基形態:KODAK 発色現像主薬 CD−2 の塩酸塩の飽和溶液を、化学量論量の45%水酸化カリウムで処理することによって調製した。発色現像主薬の油状物を上層中に分離して、これを使用するため分離した。
CD−3の遊離塩基形態:KODAK 発色現像主薬 CD−3 のセスキ硫酸一水和塩の飽和溶液を、化学量論量の45%水酸化カリウムで処理することによって調製した。得られた混合物を攪拌し、そして遊離塩基形態の発色現像主薬を放置して、上層中に分離し、これを使用のため取り除いた。
【0065】
実施例3: カラーネガフィルム用カラー現像濃厚液
本発明のカラー現像濃厚液および比較(対照)の濃厚液を、以下の表IIIに示す成分を混合することによって配合した。これらの濃厚液を、7倍の希釈液に係る作業濃度の発色現像主薬となるように水と配合した。45%の水酸化カリウム溶液を用いて、発色現像主薬(硫酸塩)とp−トルイル酸を中性化した。水との最終希釈の前に、溶液を濾過して、発色現像主薬の中性化の結果として沈殿した硫酸カリウムを取り除いた。この濾過は、濃厚液の容積がその最終容積の略70%になったときに行なった。対照の場合には、発色現像主薬は、有意には溶解しなかった。本発明の濃厚液の場合には、均質な溶液が得られ、−17.7℃下で2週間の濃厚液の保管後にも、溶液から全く固体が沈殿しなかった。二つの濃厚液の化学分析により、添加した発色現像主薬の全てが、保管後でさえも溶液中に残留していることを確認した。
【0066】
【表5】
Figure 2004086198
【0067】
実施例4:  N−ジアルキルヒドロキシルアミン酸化防止剤の存在下における補助溶媒のセンシトメトリー効果
12枚の市販のカラーネガ写真ハロゲン化銀フィルムに21ステップのセンシトメトリー露光を与え、3種の異なるプロセス:(1)標準C−41プロセス、(2)カラー現像組成物が酸化防止剤としてのヒドロキシルアミンと共に35〜37g/Lの補助溶媒のジエチレングリコールを含有する場合の標準C−41プロセス、(3)本発明のカラー現像組成物が補助溶媒と有機酸化防止剤を含有する場合のプロセス、で処理した。本発明の組成物(プロセス3)は、実施例3に記載されるものと類似した本発明の濃厚液の7倍希釈液から得た。作業濃度の組成物は、以下の表IVに示すように配合した。
【0068】
【表6】
Figure 2004086198
【0069】
前記した発色現像組成物の使用を含む全ての処理は、慣用のプロセスC−41の指針および満足できるカラー画像が得られる以下の条件に従った。
カラー現像    37.8℃         195秒
漂白       37.8℃         240秒
水洗       36℃           180秒
定着       37.8℃         240秒
水洗       36℃           180秒
安定化      37.8℃         60秒
漂白、定着、および安定化は、各処理工程に適当な市販のKODAK FLEXICOLOR 化学処理溶液を用いて実施した。
【0070】
各露光ステップでの赤色、青色および緑色の光学濃度を、各カラーネガフィルムに関して、上記した三つのプロセスのそれぞれに対して測定した。各フィルムの場合に、各露光工程でかつ各カラー記録に関して、プロセス(1)を用いて得られる濃度を、プロセス(2)またはプロセス(3)のいずれかを用いて得られた濃度から減じた。各フィルムに関して、得られる差の絶対値を、21全てのステップおよび三つの全てのカラー記録(R=赤、G=緑、B=青)にわたって総計した。以下の表Vにおけるセンシトメトリーデータは、ジエチレングリコール(プロセス2)に優る本発明の補助溶媒(プロセス3)についての写真の利点を示している。
【0071】
【表7】
Figure 2004086198
【0072】
実施例5: カラーリバーサルフィルム用カラー現像濃厚液
カラーリバーサル用のカラー現像液に適する、本発明の一液形カラー現像濃厚液を、以下の表VIに示す成分を混合することによって配合した。これらの濃厚液を、7倍の希釈液に係る作業濃度の現像液となるように水と配合した。45%の水酸化カリウム溶液を用いて、現像主薬(硫酸塩)とp−トルイル酸補助溶媒とを中性化した。水との最終希釈の前に、当該溶液を濾過して、現像主薬の中性化の結果として沈殿した硫酸カリウムを取り除いた。この濾過は、濃厚液の容積が最終容積の略70%になったときに行なった。比較濃厚液(対照)の場合には、発色現像主薬は有意には溶解しなかった。本発明の濃厚液の場合には、均質な溶液が得られた。
【0073】
【表8】
Figure 2004086198

Claims (6)

  1. pH9〜13を有し、
    a)少なくとも0.05モル/Lの遊離塩基形態のN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン発色現像主薬、
    b)少なくとも0.1モル/Lの、少なくとも1個の可溶性基を有するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体またはN,N−ジアリールヒドロキシルアミン誘導体を含む前記発色現像主薬用の酸化防止組成物、および
    c)分子量100〜400を有し、有機補助溶媒に対する水の重量比が7:1〜30:1であるような濃度の濃厚液で存在し、かつ以下の構造I:
    Y−Z          (I)
    式中、Yは、pH10〜11の範囲では荷電しない、4〜16個の炭素原子を有するアルキル基、環に5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、シクロアルキル基、炭素環式アリール基もしくは1〜3個のヘテロ原子を含有する複素環式基と付加的に置換する1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、または環に6〜10個の炭素原子を有する炭素環式アリール基であり、Zは、単一の負の電荷を含む一価の基またはpH10以上で単一の負の電荷基にイオン化される酸性基であり、そしてMは、一価のカチオンである、
    によって表わされる水混和性または水溶性有機補助溶媒、
    を含む水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液。
  2. 前記有機補助溶媒が1個のカルボキシもしくはスルホ置換基、または1個のカルボキシもしくはスルホ置換基を有する4〜8個の炭素原子のアルキル鎖を含む脂肪族化合物のいずれかである、請求項1に記載のカラー現像濃厚液。
  3. 前記発色現像主薬が0.1〜0.2モル/Lの量で存在し、前記N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体またはN,N−ジアリールヒドロキシルアミン誘導体が0.2〜0.4モル/Lの量で存在し、そして前記有機補助溶媒に対する水の重量比が10:1〜15:1である、請求項1に記載のカラー現像濃厚液。
  4. 前記有機補助溶媒が、安息香酸、p−ロルイル酸、フェニル酢酸、ヘキサン酸、2−ペンタンスルホン酸、オクタン酸、サリチル酸、1−ヘキサンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、4−t−ブチル安息香酸、バレリアン酸、イソバレリアン酸、ベンゼンスルホン酸、ブタンスルホン酸、3−(4−モルホリノ)プロパンスルホン酸、ピバル酸、2−ニトロ安息香酸、2−メチル酪酸、m−アミノ安息香酸、1−プロパンスルホン酸、o−ニトロフェノール、またはこれらの酸のいずれかのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩である、請求項1に記載のカラー現像濃厚液。
  5. pH10〜11を有し、
    a)0.05〜0.2モル/Lの、それぞれが遊離塩基形態の、4−(N,N−ジエチル)−2−メチルアニリン塩酸塩(KODAK 発色現像主薬 CD−2)、4−(N−エチル−N−メタンスルホンアミドエチル)−2−メチルアニリンセスキスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−3)、または4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル)−2−メチルアニリンスルフェート(KODAK 発色現像主薬 CD−4)、
    b)0.1〜0.4モル/Lの、実質的にN,N−ビス(エチレンスルホナト)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ヒドロキシルアミン、またはN−イソプロピル−N−エチルスルホナトヒドロキシルアミンからなる発色現像主薬用の酸化防止組成物、
    c)分子量120〜220を有し、有機補助溶媒に対する水の重量比が7:1〜30:1であるような濃度の濃厚液で存在する、水混和性または水溶性の安息香酸塩またはそのアルカリ金属塩、
    d)炭酸塩緩衝剤、および
    e)0.1〜0.50モル/Lの亜硫酸イオン、
    を含む、水性で、均質の、一液形カラー現像濃厚液。
  6. pH9〜13を有し、
    a)少なくとも0.05モル/Lの遊離塩基形態のN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン発色現像主薬、
    b)少なくとも0.1モル/Lの、少なくとも1個の可溶性基を有するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体またはN,N−ジアリールヒドロキシルアミン誘導体を含む前記発色現像主薬用の酸化防止組成物、および
    c)分子量100〜400を有し、有機補助溶媒に対する水の重量比が7:1〜30:1であるような濃度の濃厚液で存在し、かつ以下の構造I:
    Y−Z         (I)
    式中、Yは、pH10〜11の範囲では荷電しない、4〜16個の炭素原子を有するアルキル基、環に5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、シクロアルキル基、炭素環式アリール基もしくは1〜3個のヘテロ原子を含有する複素環式基と付加的に置換する1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、または環に6〜10個の炭素原子を有する炭素環式アリール基であり、Zは、単一の負の電荷を含む一価の基またはpH10以上で単一の負の電荷基にイオン化される酸性基であり、そしてMは、一価のカチオンである、
    によって表わされる水混和性または水溶性有機補助溶媒、
    を含む、水性で、均質な、一液形カラー現像濃厚液を少なくとも2.5倍に希釈して、これとカラーネガ写真またはカラーリバーサル写真のハロゲン化銀フィルムを接触させることを含む、カラー写真画像を形成する方法。
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