JP2004085973A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材1、第1電気絶縁層2、断熱層3、抵抗発熱体4、第2電気絶縁層5、離型層基体6及び離型層7を順次積層して構成されている。そして、離型層基体6の内周部に凸部14が抵抗発熱体4のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材1、第1電気絶縁層2、断熱層3、抵抗発熱体4、第2電気絶縁層5、離型層基体6及び離型層7を順次積層して構成されている。そして、離型層基体6の内周部に凸部14が抵抗発熱体4のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は定着装置に関し、詳細には複写機等において転写紙等に形成されたトナー像を加熱及び加圧して定着させる熱定着方式の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転写材上に形成されたトナー画像を定着する方法として、一般に熱と圧力による熱定着方式が用いられている。具体的には、記録紙(転写材と同じものを示す)上に形成されたトナー像を記録紙とともに、内部に加熱源を持った定着ローラと相対する加圧ローラの間を通過させ、その間にトナーに熱を与え、溶融を起こさせ、同時に両ローラ間の圧力によってトナー像を記録紙上に定着させるものである。
【0003】
近年、この熱定着方式を用いる装置では、定着ローラ表面の昇温時間、いわゆるウォームアップ゜時間を短縮することが望まれている。その方法として定着ローラを予熱したり、加熱源であるハロゲンヒータの能力を高めるなどの手段があるが、省エネルギーの関係から、できるだけトナー定着時以外での電力消費及び定着時での消費電力を抑えなければならない。
【0004】
すなわち、消費電力が少なく、かつウォームアップ゜時間の短い定着装置が切望されている。そこで、従来のハロゲンヒータ方式では熱効率が低いため、より熱効率を高める手段の一つとして、定着ローラ内面にハロゲンヒータの代わりとなる抵抗発熱体を支持し、通電することにより発生する熱を用いて定着ローラ表層を加熱し熱定着を達成する方式が多く採用されている。この抵抗発熱体での熱を表層に効率良く伝えるためには、定着ローラの表層は出来るだけ薄いことが望まれるが、定着ローラは加圧ローラとの組み合わせにより、熱とともに加圧力が働くため、表層が薄く剛性が不足すると、容易に変形しニップの確保が難しくなり、定着不良をもたらす。
【0005】
ここで、図4は従来の定着装置の構成を示す断面図である。図5は従来の定着装置の長手方向の断面図である。両図において、定着部材である定着ローラの断面中心側から、芯金部材1、第1電気絶縁層2、断熱層3、抵抗発熱体4、第2電気絶縁層5、離型層基体6及び離型層7を順次積層して構成されている。芯金部材1は定着ローラとしての剛性強度を受け持つため、アルミで1mm以上の厚肉であれば問題ないが、適用される定着ローラ径にも関係するため、離型層基体6よりも厚い肉厚であればよい。第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5には、耐熱性絶縁物からなるシート状のものや耐熱性絶縁物をコーティングしたものなどを用いる。抵抗発熱体4にはSUSを用いる。離型層基体6には、アルミ合金や銅合金などを用いる。離型層7には、PTFEやPFAなどが用いられる。また、抵抗発熱体4等を内部に有する定着ローラの両端部では、内部の抵抗発熱体4への電力供給が必要なため、抵抗発熱体4の端子への導通が必要となる。そのため、導通を容易にする手段として、図5に示すように抵抗発熱体4から端子12を伸ばし、その端子12を積層された層の中から突出させ、この部分へ電力供給が行われる。端子12は、キャップ8中央に位置する電極端子13に固定することで定着ローラ外部との導通を確保される。この電極端子15に図示はしないが外部からの給電ブラシを接触させる構造で給電が行われる。
【0006】
このような構成を有する従来の定着装置における上記問題点に対する対策として、表層部(離型層基体)と抵抗発熱体4を支持するための芯金部材1を定着ローラに設ける手段が提案されている。この構成は、芯金部材1が中心にあり、その周辺を抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5で積層し、外周面には離型層基体6(表層部)及び離型層7が形成されている。このような構造とすることで、芯金部材1が定着ローラとしての剛性を確保する働きをし、周辺の抵抗発熱体等が熱の発生をうけもち、離型層基体6と離型層7でトナー像の離型性と耐久性を確保することになる。
【0007】
この定着ローラは上記のように、芯金部材1と離型層基体6との間に、抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5等を挟み込んだ構造となっていることがわかる。そのため、定着装置内での回転駆動時には、定着ローラ外部から与えらた回転力によって離型層基体6に回転力が働く。このとき芯金部材1には直接回転力は働かない。すなわち、回転時には上記構成の定着ローラの離型層基体6や芯金部材1には、個々にねじれの力が働き、その力によって間に挟まっている抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2、第2電気絶縁層5が移動しやすくなる。そして、回転停止等の繰返しにより最悪の場合、移動によって第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5が破れたり抵抗発熱体4が破断したりする恐れがある。
【0008】
現状では、これらの抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5を離型層基体6と芯金部材1との間で挟み込んだ状態で保持している。製造方法としては、離型層基体6を塑性変形させて、芯金部材1との間にはさんでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製法上、強固に固定すること、抵抗発熱体の設置された範囲を均一に保持することは難しい。より強固に固定する手段として、接着手段も用いられるが、定着ローラの使用環境は加熱冷却の繰り返しになるため、これに耐えられる材料が必要となり、コスト的に高いものになる。
【0010】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成されている。そして、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【0012】
また、離型層基体の内周部の凸部を複数箇所設けたことにより、確実に移動不可の状態に保持でき、使用時には芯金部材と離型層基体とがずれることなく、かつ抵抗発熱体を破損することなく回転でき、ずれやねじれによる破損を防止できる。
【0013】
更に、離型層基体の内周部の凸部の形状を、当該凸部頂点が平らとなる矩形としたことにより、接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散でき、絶縁層等の破断の発生を抑えることができる。また、凸1つでの抵抗発熱体等の移動を抑える効果を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成され、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る定着装置の離型層基体に設けられた凸部を示す平面図である。同図に示す抵抗発熱体4は、ローラ全域において発熱されるようにパターンを構成しているが、発熱量を稼ぐため、パターン長を細長くしており、発熱体の間には必ず隙間が形成される。図1に示すように、この隙間の部分に凸部14をレイアウトすることで、抵抗発熱体4を傷つけることがなくなる。また、凸部14が形成されると、図2のような積層状態で、各層が変形するため、結果として移動不可の状態で保持される。定着ローラの変形強度があれば、凸部14は1箇所でも十分に機能を果たすが、強度的にたわみ等発生しやすい場合には、2ヶ所以上設けることでより確実に移動不可の状態で保持できる。
【0016】
この凸部の形成方法を説明する。芯金部材1の周辺に抵抗発熱体4や絶縁層2,5を組み合わせた状態で、離型層基体内部に挿入される。その状態で、離型層基体外周部より、部分的な塑性変形を起こさせ、内面に凸部14を作る。その後、離型層基体6の外周面を切削加工し、所定の寸法に仕上げ、離型層を形成し完成させる。
【0017】
次に、凸部14の形状に注目すると、図3の(a)に示すような頂上が平らな円錐形の形状が好ましい。平らな頂点でないと凸部形成時に絶縁層等を破壊する可能性が高くなる。また、図3の(b)に示すように凸部14の断面を矩形にすることで、平らな頂上の面積が大きくなるため、凸形成時の接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散できる。
【0018】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成されている。そして、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【0020】
また、離型層基体の内周部の凸部を複数箇所設けたことにより、確実に移動不可の状態に保持でき、使用時には芯金部材と離型層基体とがずれることなく、かつ抵抗発熱体を破損することなく回転でき、ずれやねじれによる破損を防止できる。
【0021】
更に、離型層基体の内周部の凸部の形状を、当該凸部頂点が平らとなる矩形としたことにより、接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散でき、絶縁層等の破断の発生を抑えることができる。また、凸1つでの抵抗発熱体等の移動を抑える効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る定着装置の離型層基体に設けられた凸部を示す平面図である。
【図2】本実施例の定着装置の構成を示す部分断面図である。
【図3】凸部の形状を示す斜視図である。
【図4】従来の定着装置の構成を示す断面図である。
【図5】従来の定着装置の長手方向の断面図である。
【符号の説明】
1;芯金部材、2;第1電気絶縁層、3;断熱層、4;抵抗発熱体、
5;第2電気絶縁層、6;離型層基体、7;離型層、8;キャップ部材、
9;駆動用ギヤ、10;軸受け部材、11;リング状部材、
12;抵抗発熱体の端子、13;電極端子、14;凸部。
【発明の属する技術分野】
本発明は定着装置に関し、詳細には複写機等において転写紙等に形成されたトナー像を加熱及び加圧して定着させる熱定着方式の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転写材上に形成されたトナー画像を定着する方法として、一般に熱と圧力による熱定着方式が用いられている。具体的には、記録紙(転写材と同じものを示す)上に形成されたトナー像を記録紙とともに、内部に加熱源を持った定着ローラと相対する加圧ローラの間を通過させ、その間にトナーに熱を与え、溶融を起こさせ、同時に両ローラ間の圧力によってトナー像を記録紙上に定着させるものである。
【0003】
近年、この熱定着方式を用いる装置では、定着ローラ表面の昇温時間、いわゆるウォームアップ゜時間を短縮することが望まれている。その方法として定着ローラを予熱したり、加熱源であるハロゲンヒータの能力を高めるなどの手段があるが、省エネルギーの関係から、できるだけトナー定着時以外での電力消費及び定着時での消費電力を抑えなければならない。
【0004】
すなわち、消費電力が少なく、かつウォームアップ゜時間の短い定着装置が切望されている。そこで、従来のハロゲンヒータ方式では熱効率が低いため、より熱効率を高める手段の一つとして、定着ローラ内面にハロゲンヒータの代わりとなる抵抗発熱体を支持し、通電することにより発生する熱を用いて定着ローラ表層を加熱し熱定着を達成する方式が多く採用されている。この抵抗発熱体での熱を表層に効率良く伝えるためには、定着ローラの表層は出来るだけ薄いことが望まれるが、定着ローラは加圧ローラとの組み合わせにより、熱とともに加圧力が働くため、表層が薄く剛性が不足すると、容易に変形しニップの確保が難しくなり、定着不良をもたらす。
【0005】
ここで、図4は従来の定着装置の構成を示す断面図である。図5は従来の定着装置の長手方向の断面図である。両図において、定着部材である定着ローラの断面中心側から、芯金部材1、第1電気絶縁層2、断熱層3、抵抗発熱体4、第2電気絶縁層5、離型層基体6及び離型層7を順次積層して構成されている。芯金部材1は定着ローラとしての剛性強度を受け持つため、アルミで1mm以上の厚肉であれば問題ないが、適用される定着ローラ径にも関係するため、離型層基体6よりも厚い肉厚であればよい。第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5には、耐熱性絶縁物からなるシート状のものや耐熱性絶縁物をコーティングしたものなどを用いる。抵抗発熱体4にはSUSを用いる。離型層基体6には、アルミ合金や銅合金などを用いる。離型層7には、PTFEやPFAなどが用いられる。また、抵抗発熱体4等を内部に有する定着ローラの両端部では、内部の抵抗発熱体4への電力供給が必要なため、抵抗発熱体4の端子への導通が必要となる。そのため、導通を容易にする手段として、図5に示すように抵抗発熱体4から端子12を伸ばし、その端子12を積層された層の中から突出させ、この部分へ電力供給が行われる。端子12は、キャップ8中央に位置する電極端子13に固定することで定着ローラ外部との導通を確保される。この電極端子15に図示はしないが外部からの給電ブラシを接触させる構造で給電が行われる。
【0006】
このような構成を有する従来の定着装置における上記問題点に対する対策として、表層部(離型層基体)と抵抗発熱体4を支持するための芯金部材1を定着ローラに設ける手段が提案されている。この構成は、芯金部材1が中心にあり、その周辺を抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5で積層し、外周面には離型層基体6(表層部)及び離型層7が形成されている。このような構造とすることで、芯金部材1が定着ローラとしての剛性を確保する働きをし、周辺の抵抗発熱体等が熱の発生をうけもち、離型層基体6と離型層7でトナー像の離型性と耐久性を確保することになる。
【0007】
この定着ローラは上記のように、芯金部材1と離型層基体6との間に、抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5等を挟み込んだ構造となっていることがわかる。そのため、定着装置内での回転駆動時には、定着ローラ外部から与えらた回転力によって離型層基体6に回転力が働く。このとき芯金部材1には直接回転力は働かない。すなわち、回転時には上記構成の定着ローラの離型層基体6や芯金部材1には、個々にねじれの力が働き、その力によって間に挟まっている抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2、第2電気絶縁層5が移動しやすくなる。そして、回転停止等の繰返しにより最悪の場合、移動によって第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5が破れたり抵抗発熱体4が破断したりする恐れがある。
【0008】
現状では、これらの抵抗発熱体4や第1電気絶縁層2,第2電気絶縁層5を離型層基体6と芯金部材1との間で挟み込んだ状態で保持している。製造方法としては、離型層基体6を塑性変形させて、芯金部材1との間にはさんでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製法上、強固に固定すること、抵抗発熱体の設置された範囲を均一に保持することは難しい。より強固に固定する手段として、接着手段も用いられるが、定着ローラの使用環境は加熱冷却の繰り返しになるため、これに耐えられる材料が必要となり、コスト的に高いものになる。
【0010】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成されている。そして、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【0012】
また、離型層基体の内周部の凸部を複数箇所設けたことにより、確実に移動不可の状態に保持でき、使用時には芯金部材と離型層基体とがずれることなく、かつ抵抗発熱体を破損することなく回転でき、ずれやねじれによる破損を防止できる。
【0013】
更に、離型層基体の内周部の凸部の形状を、当該凸部頂点が平らとなる矩形としたことにより、接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散でき、絶縁層等の破断の発生を抑えることができる。また、凸1つでの抵抗発熱体等の移動を抑える効果を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成され、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る定着装置の離型層基体に設けられた凸部を示す平面図である。同図に示す抵抗発熱体4は、ローラ全域において発熱されるようにパターンを構成しているが、発熱量を稼ぐため、パターン長を細長くしており、発熱体の間には必ず隙間が形成される。図1に示すように、この隙間の部分に凸部14をレイアウトすることで、抵抗発熱体4を傷つけることがなくなる。また、凸部14が形成されると、図2のような積層状態で、各層が変形するため、結果として移動不可の状態で保持される。定着ローラの変形強度があれば、凸部14は1箇所でも十分に機能を果たすが、強度的にたわみ等発生しやすい場合には、2ヶ所以上設けることでより確実に移動不可の状態で保持できる。
【0016】
この凸部の形成方法を説明する。芯金部材1の周辺に抵抗発熱体4や絶縁層2,5を組み合わせた状態で、離型層基体内部に挿入される。その状態で、離型層基体外周部より、部分的な塑性変形を起こさせ、内面に凸部14を作る。その後、離型層基体6の外周面を切削加工し、所定の寸法に仕上げ、離型層を形成し完成させる。
【0017】
次に、凸部14の形状に注目すると、図3の(a)に示すような頂上が平らな円錐形の形状が好ましい。平らな頂点でないと凸部形成時に絶縁層等を破壊する可能性が高くなる。また、図3の(b)に示すように凸部14の断面を矩形にすることで、平らな頂上の面積が大きくなるため、凸形成時の接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散できる。
【0018】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置は、電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成されている。そして、離型層基体の内周部に凸部が抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けられている。よって、接着剤等を用いることなく、使用時の発熱抵抗体等のズレを防止し、抵抗発熱体の破断やリークなどを生じる恐れのない定着装置を提供できる。
【0020】
また、離型層基体の内周部の凸部を複数箇所設けたことにより、確実に移動不可の状態に保持でき、使用時には芯金部材と離型層基体とがずれることなく、かつ抵抗発熱体を破損することなく回転でき、ずれやねじれによる破損を防止できる。
【0021】
更に、離型層基体の内周部の凸部の形状を、当該凸部頂点が平らとなる矩形としたことにより、接触面積を増やせるので、成形時に凸部1ヵ所に働く圧力を分散でき、絶縁層等の破断の発生を抑えることができる。また、凸1つでの抵抗発熱体等の移動を抑える効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る定着装置の離型層基体に設けられた凸部を示す平面図である。
【図2】本実施例の定着装置の構成を示す部分断面図である。
【図3】凸部の形状を示す斜視図である。
【図4】従来の定着装置の構成を示す断面図である。
【図5】従来の定着装置の長手方向の断面図である。
【符号の説明】
1;芯金部材、2;第1電気絶縁層、3;断熱層、4;抵抗発熱体、
5;第2電気絶縁層、6;離型層基体、7;離型層、8;キャップ部材、
9;駆動用ギヤ、10;軸受け部材、11;リング状部材、
12;抵抗発熱体の端子、13;電極端子、14;凸部。
Claims (3)
- 電子写真装置で用いられる定着装置に使われる定着部材で、定着部材断面中心側から、芯金部材、第1電気絶縁層、断熱層、抵抗発熱体、第2電気絶縁層、離型層基体及び離型層を順次積層して構成されている定着装置において、
前記離型層基体の内周部に凸部を、前記抵抗発熱体のパターンの隙間と相対する位置に設けたことを特徴とする定着装置。 - 前記離型層基体の内周部の凸部を複数箇所設けた請求項1記載の定着装置。
- 前記離型層基体の内周部の凸部の形状を、該凸部頂点が平らとなる矩形とした請求項1又は2に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248195A JP2004085973A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248195A JP2004085973A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004085973A true JP2004085973A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32055633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002248195A Pending JP2004085973A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004085973A (ja) |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002248195A patent/JP2004085973A/ja active Pending
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