JP2004239958A - 定着装置の加熱ローラ - Google Patents
定着装置の加熱ローラ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004239958A JP2004239958A JP2003026042A JP2003026042A JP2004239958A JP 2004239958 A JP2004239958 A JP 2004239958A JP 2003026042 A JP2003026042 A JP 2003026042A JP 2003026042 A JP2003026042 A JP 2003026042A JP 2004239958 A JP2004239958 A JP 2004239958A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating roller
- heating element
- resistance heating
- cylindrical body
- fixing device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Surface Heating Bodies (AREA)
- Control Of Resistance Heating (AREA)
Abstract
【課題】発熱むらの生じることがない抵抗発熱体を使用した、組み立て容易な定着装置の加熱ローラを提供する。
【解決手段】内側絶縁フイルム12の上に金属(SUS)箔をエッチング処理して抵抗発熱体13を形成し、アルミニウム合金の内側筒体11の外表面に巻き付け、外表面に外側絶縁フイルム14を形成して構成した内側筒体組立体18を構成し、その外側にアルミニウム合金の外側筒体15を被せ、内側筒体11に高圧液体を注入して内側筒体及び外側筒体を半径方向に拡管して、抵抗発熱体13と内側筒体11及び外側筒体15とを強固に固定する。ホルダー21aと21bとは加熱ローラ10の端部付近を半径方向の上下から挟み込み、固定部材21cで固定する。抵抗発熱体13の給電端子22aは取付部材23aを介してホルダー21aに取付けられ、給電用スリップ環24aを介して給電される。
【選択図】 図4
【解決手段】内側絶縁フイルム12の上に金属(SUS)箔をエッチング処理して抵抗発熱体13を形成し、アルミニウム合金の内側筒体11の外表面に巻き付け、外表面に外側絶縁フイルム14を形成して構成した内側筒体組立体18を構成し、その外側にアルミニウム合金の外側筒体15を被せ、内側筒体11に高圧液体を注入して内側筒体及び外側筒体を半径方向に拡管して、抵抗発熱体13と内側筒体11及び外側筒体15とを強固に固定する。ホルダー21aと21bとは加熱ローラ10の端部付近を半径方向の上下から挟み込み、固定部材21cで固定する。抵抗発熱体13の給電端子22aは取付部材23aを介してホルダー21aに取付けられ、給電用スリップ環24aを介して給電される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置では、感光体を均一に帯電させ、その上に画像を露光して画像潜像を形成する。そして形成された画像潜像をトナーで現像して画像のトナー像を形成し、これを記録媒体に転写し或いは中間転写体に転写した上でさらに記録媒体に転写し、転写されたトナー像を定着装置により加熱定着処理して画像形成が行われる。
【0003】
定着装置には、各種の方式の定着装置があるが、一般的には定着ローラ方式の定着装置が広く使用されている。定着ローラ方式の定着装置は、内部に熱源を備えた加熱ローラと加圧ローラとを対向して接触配置し、加熱ローラと加圧ローラとの間の定着ニップ部にトナー像の転写された記録媒体を通過させてトナー像を加熱加圧して定着処理する構成を備えている。
【0004】
定着ローラ方式の定着装置では、加熱ローラの熱源としてハロゲンランプヒータ等の発熱ヒータを加熱ローラの内部に配置するものが広く使用されてきた。しかし、ハロゲンランプヒータを使用するものでは、通電開始から加熱ローラの表面温度が所定の定着温度に達するまでの温度上昇速度が遅く、予熱時間が長くかかるので、画像形成装置の電源スイッチの投入から使用可能になるまで待たされるという欠点が指摘されてきた。
【0005】
この対策として、加熱ローラの熱源としてシート状の発熱体を加熱ローラの内部に配置するものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。これは、加熱ローラの芯金の外面或いは内面に直接絶縁層と抵抗発熱体層を形成するものであり、電気・熱変換効率が高く、抵抗発熱体への通電開始後、迅速に加熱ローラの表面温度を所定の定着温度にまで上昇させることができ、定着装置の予熱時間を短縮することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−120223号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−186922号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した加熱ローラの芯金の外面或いは内面に直接絶縁層と抵抗発熱体層を形成するものは、加熱ローラの芯金の外面或いは内面に薄くて均一な絶縁層と抵抗発熱体層とを形成する必要があるが、特に均一な抵抗値の抵抗発熱体層を形成することは困難で、発熱むらが生じるという不都合があった。
【0009】
そこで、予め均一な厚みのステンレススチール(SUS)の箔を抵抗発熱体として使用することで、均一な抵抗値の抵抗発熱体層を形成するという課題は解決されるが、加熱ローラへの密着性を高める手法として、芯金を2本のパイプを重ねた2重構造とし、2本のパイプの間に絶縁層を介在させて抵抗発熱体層を挟む構造を検討したが、この構造の場合は、抵抗発熱体層と芯金とが接着等の手段により固定されていないため、抵抗発熱体層に給電するための端子部を保持したホルダーを芯金端部に装着するとき、絶縁層や抵抗発熱体層がめくれてしまう場合があることが明らかになった。
【0010】
この他、加熱ローラの芯金を2本のパイプを重ねた2重構造とした場合は、2本のパイプ相互の結合力が弱いため、加熱ローラを加圧ローラ圧接して回転させると、内側のパイプと外側のパイプとが互いにずれてしまうという不都合が発生することも明らかになった。この発明は、上記課題を解決することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、抵抗発熱体を絶縁被膜を介在させて内側筒体と外側筒体との間に挟持させた定着装置の加熱ローラであって、前記抵抗発熱体は金属箔から構成され、該金属箔から延長された接続端子が前記内側筒体の軸方向端部の外周面に露出するように配置され、前記外側筒体の軸方向端部には、前記接続端子に接触する給電端子が設けられた保持部材が前記外側筒体の外周面に取り付けられることを特徴とする定着装置の加熱ローラである。
【0012】
そして、前記保持部材は、前記外側筒体の外径に一致する内径を有する筒状体を、その軸方向中心軸を含む平面で2分割された2個の部材から構成される。
【0013】
また、前記2分割された保持部材は、それぞれが前記外側筒体の外周面に当接して取り付けられ、一方の部材から前記内側筒体及び外側筒体、並びに他方の保持部材を径方向に貫通する固定部材により、内側筒体及び外側筒体と共に一体に固定されている。
【0014】
また、前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記内側筒体に捲回された前記抵抗発熱体の合せ目とが一致しない位置に固定するとよい。
【0015】
また、前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記接続端子に接触する給電端子とが一致しない位置に固定するとよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形態の定着装置の加熱ローラ10の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図、図2はそのA−A線に沿った断面図である。
【0017】
加熱ローラ10は、内側筒体11の上に内側絶縁フイルム12が形成され、その上に抵抗発熱体13が配置される。さらにその上に、外側絶縁フイルム14が形成され、その外側に離型層16が形成された外側筒体15が被せられた多層積層体構造を備えている。
【0018】
加熱ローラ10の製作行程を説明する。まず、抵抗発熱体13の素材である厚さ20〜40μmのステンレススチール(SUS)箔の片面に、ポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して焼成し、厚さ20〜40μmの内側絶縁フイルム12の上にステンレススチール(SUS)箔が貼着された積層体を形成する。
【0019】
次に、この積層体のステンレススチール(SUS)箔をエッチング処理して例えば図3に示すようなヒートパターンを形成し、内側絶縁フイルム12の上に抵抗発熱体13を形成する。
【0020】
アルミニウム合金の円筒体からなる内側筒体11の外表面に前記した内側絶縁フイルム12が接触するように、内側絶縁フイルム12と抵抗発熱体13との積層体を巻き付け、さらにその外表面にポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して外側絶縁フイルム14を形成し、内側筒体組立体18が完成する。
【0021】
外側筒体15はアルミニウム合金からなり、外側に離型層16が形成されている。その内径は、前記した内側筒体11の外表面に内側絶縁フイルム12と抵抗発熱体13、及び外側絶縁フイルム14が形成された内側筒体組立体18の外径よりも若干大きな内径を有する。
【0022】
内側筒体組立体18に外側筒体15を被せ、図示しない金型にセットして内側筒体11に高圧液体を注入して内側筒体組立体18及び外側筒体15を半径方向に拡管することにより、抵抗発熱体13と内側筒体11及び外側筒体15とを強固に固定して、加熱ローラ10が完成する。
【0023】
以上説明したように、加熱ローラ10は、内側筒体組立体18と外側筒体15とを半径方向に拡管することにより製作するため、図1に示すように、内側筒体11の軸方向長さが最も長く、順次、絶縁フイルム12、抵抗発熱体13、外側絶縁フイルム14、外側筒体15の順に短く形成され、それぞれの端部が内側にずれている。
【0024】
図3は、抵抗発熱体13の正面図で、先に説明したとおり、抵抗発熱体13の素材である厚さ20〜40μmのステンレススチール(SUS)箔の片面にポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して焼成し、ステンレススチール(SUS)箔をエッチング処理して構成したものである。
【0025】
厚さ20〜40μmのポリイミド(PI)合成樹脂の内側絶縁フイルム12の上に、折返し線からなるヒートパターンからなる抵抗発熱体13が形成されており、両端部に接続端子13a、13bが形成されている。
【0026】
図4は、加熱ローラ10への給電構造と保持部材を構成するホルダー部分の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図、図5はその縦断面図である。図4及び図5において、保持部材を構成するホルダーは、外側筒体15の外径に一致する内径を有する筒状体を、その軸方向中心軸を含む平面で2分割された2個の部材から構成される。この2個の部材をホルダー21a及びホルダー21bとする。ホルダー21a及びホルダー21bは、加熱ローラ10の抵抗発熱体13へ給電する給電端子22を保持すると共に、後述するように、内側筒体組立体18と外側筒体15とのずれを二重に防止する機能を有する。また、25は加熱ローラ10を回転自在に支承する軸受で、その外側レースは図示しない定着装置のフレームに固定される。
【0027】
ホルダー21aとホルダー21bとは、加熱ローラ10の端部付近を半径方向の上下又は左右から挟み込み、加熱ローラ10を貫通する固定部材21cと固定ねじ21dで加熱ローラ10に固定される。先に説明したとおり、内側筒体組立体18と外側筒体15とは半径方向に拡管処理されているが、さらに、内側筒体組立体18と外側筒体15とを貫通する固定部材21cと固定ねじ21dにより固定され、両者のずれを二重に防止することができる。
【0028】
抵抗発熱体13の接続端子13aに接続された給電端子22aは、取付部材23aを介してホルダー21aに取付けられ、給電端子22aは取付部材23aに取付けられている給電用スリップ環24aと電気的に接続されている。給電用スリップ環24aは、図示しない定着装置のフレームに固定されている給電ブラシに接触して給電される。
【0029】
図4では、加熱ローラ10の一方の端部(左端部)の構成のみを示しているから、給電端子22a、取付部材23a、及び給電用スリップ環24aなども1つしか示されていないが、加熱ローラ10の他方の端部(右端部)にも、これと同様の構成が設けられており、抵抗発熱体13の接続端子13bが取付部材23bに取付けられている給電端子22bに接続され、さらに給電用スリップ環24bと電気的に接続され、給電回路が構成されている。これらの給電用スリップ環と給電ブラシからなる給電手段や構成材料等は、慣用されている手段、材料等を使用することができる。
【0030】
給電端子22aと22bを2分割したホルダー21a又は21bのいずれか一方、又は給電端子22aをホルダー21aに、給電端子22bをホルダー21bに取り付け、2分割したホルダー21aと21bとで加熱ローラを上下から挟み込み、加熱ローラ端部の抵抗発熱体の接続端子に給電端子を接続する構成であるから、抵抗発熱体の接続端子に給電端子を接続するとき、抵抗発熱体や絶縁層がめくれるおそれはない。
【0031】
このとき、保持部材であるホルダーの2個の部材の合せ目と、内側筒体組立体18に捲回された抵抗発熱体の合せ目とが一致しない位置に固定すると、抵抗発熱体や絶縁層のめくれを完全に抑えることができる。
【0032】
また、保持部材であるホルダーの2個の部材の合せ目と、抵抗発熱体の接続端子に接触する給電端子とが一致しない位置に固定すると、抵抗発熱体の接続端子が剥がれたりめくれるおそれを完全に抑えることができる。
【0033】
以上説明したこの発明の実施の形態には、以下に記載する発明も含まれる。
【0034】
請求項1において、前記加熱ローラは、内側筒体の外表面に絶縁被膜を介在させて抵抗発熱体を捲回し、その外表面に絶縁被膜を介在させた内側筒体組立体の外側に外側筒体を嵌合させ、内側筒体に高圧液体を注入して内側筒体及び外側筒体を半径方向に拡管して構成されていること
を特徴とする定着装置の加熱ローラ。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、この発明の定着装置の加熱ローラは、内側筒体と外側筒体との間に絶縁被膜を介して抵抗発熱体を挟み、内側筒体と外側筒体とを拡管することにより強固に固定した多層積層体構造を備えたものであるから、抵抗発熱体の抵抗値が均一となり、発熱むらが発生することがなく、また加熱ローラと加圧ローラを圧接して回転させても、内側筒体と外側筒体とがずれることがない。
【0036】
また、抵抗発熱体に給電するための端子部を保持した保持部材を芯金端部に装着するとき、保持部材を芯金端部の半径方向の上下又は左右から挟み込むように取り付けるので絶縁層や抵抗発熱体層がめくれるおそれがないばかりでなく、組み立てが容易となる。
【0037】
さらに、保持部材を芯金端部の半径方向の上下又は左右から挟み込むように取り付けるとき、保持部材と内側筒体及び外側筒体とを貫通する固定部材を使用して固定するから、内側筒体と外側筒体とのずれを二重に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の定着装置の加熱ローラの構成を説明する軸方向に沿った部分断面図。
【図2】図1に示す加熱ローラのA−A線に沿った断面図。
【図3】抵抗発熱体の正面図。
【図4】抵抗発熱体への給電構造とホルダー部分の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図。
【図5】
図4に示す抵抗発熱体への給電構造とホルダー部分の縦断面図。
【符号の説明】
10 加熱ローラ
11 内側筒体
12 絶縁フイルム
13 抵抗発熱体
13a、13b 接続端子
14 外側絶縁フイルム
15 外側筒体
16 離型層
18 内側筒体組立体
21a、21b ホルダー
21c 固定部材
21d 固定ねじ
22a(22b) 給電端子
23a(23b) 取付部材
24a(24b) 給電用スリップ環
25 軸受
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置では、感光体を均一に帯電させ、その上に画像を露光して画像潜像を形成する。そして形成された画像潜像をトナーで現像して画像のトナー像を形成し、これを記録媒体に転写し或いは中間転写体に転写した上でさらに記録媒体に転写し、転写されたトナー像を定着装置により加熱定着処理して画像形成が行われる。
【0003】
定着装置には、各種の方式の定着装置があるが、一般的には定着ローラ方式の定着装置が広く使用されている。定着ローラ方式の定着装置は、内部に熱源を備えた加熱ローラと加圧ローラとを対向して接触配置し、加熱ローラと加圧ローラとの間の定着ニップ部にトナー像の転写された記録媒体を通過させてトナー像を加熱加圧して定着処理する構成を備えている。
【0004】
定着ローラ方式の定着装置では、加熱ローラの熱源としてハロゲンランプヒータ等の発熱ヒータを加熱ローラの内部に配置するものが広く使用されてきた。しかし、ハロゲンランプヒータを使用するものでは、通電開始から加熱ローラの表面温度が所定の定着温度に達するまでの温度上昇速度が遅く、予熱時間が長くかかるので、画像形成装置の電源スイッチの投入から使用可能になるまで待たされるという欠点が指摘されてきた。
【0005】
この対策として、加熱ローラの熱源としてシート状の発熱体を加熱ローラの内部に配置するものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。これは、加熱ローラの芯金の外面或いは内面に直接絶縁層と抵抗発熱体層を形成するものであり、電気・熱変換効率が高く、抵抗発熱体への通電開始後、迅速に加熱ローラの表面温度を所定の定着温度にまで上昇させることができ、定着装置の予熱時間を短縮することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−120223号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−186922号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した加熱ローラの芯金の外面或いは内面に直接絶縁層と抵抗発熱体層を形成するものは、加熱ローラの芯金の外面或いは内面に薄くて均一な絶縁層と抵抗発熱体層とを形成する必要があるが、特に均一な抵抗値の抵抗発熱体層を形成することは困難で、発熱むらが生じるという不都合があった。
【0009】
そこで、予め均一な厚みのステンレススチール(SUS)の箔を抵抗発熱体として使用することで、均一な抵抗値の抵抗発熱体層を形成するという課題は解決されるが、加熱ローラへの密着性を高める手法として、芯金を2本のパイプを重ねた2重構造とし、2本のパイプの間に絶縁層を介在させて抵抗発熱体層を挟む構造を検討したが、この構造の場合は、抵抗発熱体層と芯金とが接着等の手段により固定されていないため、抵抗発熱体層に給電するための端子部を保持したホルダーを芯金端部に装着するとき、絶縁層や抵抗発熱体層がめくれてしまう場合があることが明らかになった。
【0010】
この他、加熱ローラの芯金を2本のパイプを重ねた2重構造とした場合は、2本のパイプ相互の結合力が弱いため、加熱ローラを加圧ローラ圧接して回転させると、内側のパイプと外側のパイプとが互いにずれてしまうという不都合が発生することも明らかになった。この発明は、上記課題を解決することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、抵抗発熱体を絶縁被膜を介在させて内側筒体と外側筒体との間に挟持させた定着装置の加熱ローラであって、前記抵抗発熱体は金属箔から構成され、該金属箔から延長された接続端子が前記内側筒体の軸方向端部の外周面に露出するように配置され、前記外側筒体の軸方向端部には、前記接続端子に接触する給電端子が設けられた保持部材が前記外側筒体の外周面に取り付けられることを特徴とする定着装置の加熱ローラである。
【0012】
そして、前記保持部材は、前記外側筒体の外径に一致する内径を有する筒状体を、その軸方向中心軸を含む平面で2分割された2個の部材から構成される。
【0013】
また、前記2分割された保持部材は、それぞれが前記外側筒体の外周面に当接して取り付けられ、一方の部材から前記内側筒体及び外側筒体、並びに他方の保持部材を径方向に貫通する固定部材により、内側筒体及び外側筒体と共に一体に固定されている。
【0014】
また、前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記内側筒体に捲回された前記抵抗発熱体の合せ目とが一致しない位置に固定するとよい。
【0015】
また、前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記接続端子に接触する給電端子とが一致しない位置に固定するとよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形態の定着装置の加熱ローラ10の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図、図2はそのA−A線に沿った断面図である。
【0017】
加熱ローラ10は、内側筒体11の上に内側絶縁フイルム12が形成され、その上に抵抗発熱体13が配置される。さらにその上に、外側絶縁フイルム14が形成され、その外側に離型層16が形成された外側筒体15が被せられた多層積層体構造を備えている。
【0018】
加熱ローラ10の製作行程を説明する。まず、抵抗発熱体13の素材である厚さ20〜40μmのステンレススチール(SUS)箔の片面に、ポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して焼成し、厚さ20〜40μmの内側絶縁フイルム12の上にステンレススチール(SUS)箔が貼着された積層体を形成する。
【0019】
次に、この積層体のステンレススチール(SUS)箔をエッチング処理して例えば図3に示すようなヒートパターンを形成し、内側絶縁フイルム12の上に抵抗発熱体13を形成する。
【0020】
アルミニウム合金の円筒体からなる内側筒体11の外表面に前記した内側絶縁フイルム12が接触するように、内側絶縁フイルム12と抵抗発熱体13との積層体を巻き付け、さらにその外表面にポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して外側絶縁フイルム14を形成し、内側筒体組立体18が完成する。
【0021】
外側筒体15はアルミニウム合金からなり、外側に離型層16が形成されている。その内径は、前記した内側筒体11の外表面に内側絶縁フイルム12と抵抗発熱体13、及び外側絶縁フイルム14が形成された内側筒体組立体18の外径よりも若干大きな内径を有する。
【0022】
内側筒体組立体18に外側筒体15を被せ、図示しない金型にセットして内側筒体11に高圧液体を注入して内側筒体組立体18及び外側筒体15を半径方向に拡管することにより、抵抗発熱体13と内側筒体11及び外側筒体15とを強固に固定して、加熱ローラ10が完成する。
【0023】
以上説明したように、加熱ローラ10は、内側筒体組立体18と外側筒体15とを半径方向に拡管することにより製作するため、図1に示すように、内側筒体11の軸方向長さが最も長く、順次、絶縁フイルム12、抵抗発熱体13、外側絶縁フイルム14、外側筒体15の順に短く形成され、それぞれの端部が内側にずれている。
【0024】
図3は、抵抗発熱体13の正面図で、先に説明したとおり、抵抗発熱体13の素材である厚さ20〜40μmのステンレススチール(SUS)箔の片面にポリイミド(PI)合成樹脂を均一に塗布して焼成し、ステンレススチール(SUS)箔をエッチング処理して構成したものである。
【0025】
厚さ20〜40μmのポリイミド(PI)合成樹脂の内側絶縁フイルム12の上に、折返し線からなるヒートパターンからなる抵抗発熱体13が形成されており、両端部に接続端子13a、13bが形成されている。
【0026】
図4は、加熱ローラ10への給電構造と保持部材を構成するホルダー部分の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図、図5はその縦断面図である。図4及び図5において、保持部材を構成するホルダーは、外側筒体15の外径に一致する内径を有する筒状体を、その軸方向中心軸を含む平面で2分割された2個の部材から構成される。この2個の部材をホルダー21a及びホルダー21bとする。ホルダー21a及びホルダー21bは、加熱ローラ10の抵抗発熱体13へ給電する給電端子22を保持すると共に、後述するように、内側筒体組立体18と外側筒体15とのずれを二重に防止する機能を有する。また、25は加熱ローラ10を回転自在に支承する軸受で、その外側レースは図示しない定着装置のフレームに固定される。
【0027】
ホルダー21aとホルダー21bとは、加熱ローラ10の端部付近を半径方向の上下又は左右から挟み込み、加熱ローラ10を貫通する固定部材21cと固定ねじ21dで加熱ローラ10に固定される。先に説明したとおり、内側筒体組立体18と外側筒体15とは半径方向に拡管処理されているが、さらに、内側筒体組立体18と外側筒体15とを貫通する固定部材21cと固定ねじ21dにより固定され、両者のずれを二重に防止することができる。
【0028】
抵抗発熱体13の接続端子13aに接続された給電端子22aは、取付部材23aを介してホルダー21aに取付けられ、給電端子22aは取付部材23aに取付けられている給電用スリップ環24aと電気的に接続されている。給電用スリップ環24aは、図示しない定着装置のフレームに固定されている給電ブラシに接触して給電される。
【0029】
図4では、加熱ローラ10の一方の端部(左端部)の構成のみを示しているから、給電端子22a、取付部材23a、及び給電用スリップ環24aなども1つしか示されていないが、加熱ローラ10の他方の端部(右端部)にも、これと同様の構成が設けられており、抵抗発熱体13の接続端子13bが取付部材23bに取付けられている給電端子22bに接続され、さらに給電用スリップ環24bと電気的に接続され、給電回路が構成されている。これらの給電用スリップ環と給電ブラシからなる給電手段や構成材料等は、慣用されている手段、材料等を使用することができる。
【0030】
給電端子22aと22bを2分割したホルダー21a又は21bのいずれか一方、又は給電端子22aをホルダー21aに、給電端子22bをホルダー21bに取り付け、2分割したホルダー21aと21bとで加熱ローラを上下から挟み込み、加熱ローラ端部の抵抗発熱体の接続端子に給電端子を接続する構成であるから、抵抗発熱体の接続端子に給電端子を接続するとき、抵抗発熱体や絶縁層がめくれるおそれはない。
【0031】
このとき、保持部材であるホルダーの2個の部材の合せ目と、内側筒体組立体18に捲回された抵抗発熱体の合せ目とが一致しない位置に固定すると、抵抗発熱体や絶縁層のめくれを完全に抑えることができる。
【0032】
また、保持部材であるホルダーの2個の部材の合せ目と、抵抗発熱体の接続端子に接触する給電端子とが一致しない位置に固定すると、抵抗発熱体の接続端子が剥がれたりめくれるおそれを完全に抑えることができる。
【0033】
以上説明したこの発明の実施の形態には、以下に記載する発明も含まれる。
【0034】
請求項1において、前記加熱ローラは、内側筒体の外表面に絶縁被膜を介在させて抵抗発熱体を捲回し、その外表面に絶縁被膜を介在させた内側筒体組立体の外側に外側筒体を嵌合させ、内側筒体に高圧液体を注入して内側筒体及び外側筒体を半径方向に拡管して構成されていること
を特徴とする定着装置の加熱ローラ。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、この発明の定着装置の加熱ローラは、内側筒体と外側筒体との間に絶縁被膜を介して抵抗発熱体を挟み、内側筒体と外側筒体とを拡管することにより強固に固定した多層積層体構造を備えたものであるから、抵抗発熱体の抵抗値が均一となり、発熱むらが発生することがなく、また加熱ローラと加圧ローラを圧接して回転させても、内側筒体と外側筒体とがずれることがない。
【0036】
また、抵抗発熱体に給電するための端子部を保持した保持部材を芯金端部に装着するとき、保持部材を芯金端部の半径方向の上下又は左右から挟み込むように取り付けるので絶縁層や抵抗発熱体層がめくれるおそれがないばかりでなく、組み立てが容易となる。
【0037】
さらに、保持部材を芯金端部の半径方向の上下又は左右から挟み込むように取り付けるとき、保持部材と内側筒体及び外側筒体とを貫通する固定部材を使用して固定するから、内側筒体と外側筒体とのずれを二重に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の定着装置の加熱ローラの構成を説明する軸方向に沿った部分断面図。
【図2】図1に示す加熱ローラのA−A線に沿った断面図。
【図3】抵抗発熱体の正面図。
【図4】抵抗発熱体への給電構造とホルダー部分の構成を説明する軸方向に沿った部分断面図。
【図5】
図4に示す抵抗発熱体への給電構造とホルダー部分の縦断面図。
【符号の説明】
10 加熱ローラ
11 内側筒体
12 絶縁フイルム
13 抵抗発熱体
13a、13b 接続端子
14 外側絶縁フイルム
15 外側筒体
16 離型層
18 内側筒体組立体
21a、21b ホルダー
21c 固定部材
21d 固定ねじ
22a(22b) 給電端子
23a(23b) 取付部材
24a(24b) 給電用スリップ環
25 軸受
Claims (5)
- 抵抗発熱体を絶縁被膜を介在させて内側筒体と外側筒体との間に挟持させた定着装置の加熱ローラであって、
前記抵抗発熱体は金属箔から構成され、該金属箔から延長された接続端子が前記内側筒体の軸方向端部の外周面に露出するように配置され、
前記外側筒体の軸方向端部には、前記接続端子に接触する給電端子が設けられた保持部材が前記外側筒体の外周面に取り付けられること
を特徴とする定着装置の加熱ローラ。 - 前記保持部材は、前記外側筒体の外径に一致する内径を有する筒状体を、その軸方向中心軸を含む平面で2分割された2個の部材から構成されること
を特徴とする請求項1記載の定着装置の加熱ローラ。 - 前記2分割された保持部材は、それぞれが前記外側筒体の外周面に当接して取り付けられ、一方の部材から前記内側筒体及び外側筒体、並びに他方の保持部材を径方向に貫通する固定部材により、内側筒体及び外側筒体と共に一体に固定されていること
を特徴とする請求項2記載の定着装置の加熱ローラ。 - 前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記内側筒体に捲回された前記抵抗発熱体の合せ目とが一致しない位置に固定されること
を特徴とする請求項2記載の定着装置の加熱ローラ。 - 前記保持部材は、その2個の部材の合せ目と前記接続端子に接触する給電端子とが一致しない位置に固定されること
を特徴とする請求項2記載の定着装置の加熱ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026042A JP2004239958A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 定着装置の加熱ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026042A JP2004239958A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 定着装置の加熱ローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004239958A true JP2004239958A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32954168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003026042A Pending JP2004239958A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 定着装置の加熱ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004239958A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7283760B2 (en) * | 2005-09-28 | 2007-10-16 | Xerox Corporation | Variable nip pressure fusing system |
JP2009098220A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Murata Mach Ltd | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003026042A patent/JP2004239958A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7283760B2 (en) * | 2005-09-28 | 2007-10-16 | Xerox Corporation | Variable nip pressure fusing system |
JP2009098220A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Murata Mach Ltd | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
JP4748137B2 (ja) * | 2007-10-12 | 2011-08-17 | 村田機械株式会社 | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102193455B (zh) | 定影装置及图像形成装置 | |
JP5532977B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2004219534A (ja) | 定着部材、定着装置及び画像形成装置 | |
CN102193449A (zh) | 定影装置及图像形成装置 | |
JPH09197863A (ja) | 定着装置 | |
JP2007233405A (ja) | ヒートローラ及びこれを使用した定着装置 | |
JP2004239958A (ja) | 定着装置の加熱ローラ | |
JP2004246138A (ja) | 定着ローラ及びその製造方法 | |
JP3816189B2 (ja) | 定着装置 | |
JP4459554B2 (ja) | 定着用ローラ | |
JP3896133B2 (ja) | 誘導加熱装置およびそれを備える画像形成装置 | |
JP2001188427A (ja) | 誘導加熱装置 | |
JP2004279547A (ja) | 定着装置 | |
JPH1074001A (ja) | 定着装置 | |
JP2001235955A (ja) | 定着装置の加熱ローラ | |
JP2001134124A (ja) | 発熱型定着ローラ | |
JP2000259023A (ja) | 加熱定着ローラ | |
JP2007334195A (ja) | トナー定着用回転体とその製造方法及び定着装置 | |
JPH10319751A (ja) | 誘導加熱定着装置 | |
JPH0922208A (ja) | 定着装置 | |
JP2002049261A (ja) | 定着ローラ及び定着装置及び画像形成装置 | |
JP2000075713A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3503418B2 (ja) | 誘導加熱定着装置 | |
JPH0380279A (ja) | 定着装置 | |
JPH1124474A (ja) | 加熱定着ローラ及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20050614 |