JP2004085684A - レンズ制御装置およびこれを備えたカメラ - Google Patents

レンズ制御装置およびこれを備えたカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】環境温度変化等による検出信号の出力変動を原因としたレンズ光軸方向の実位置の誤差を補正して、レンズを所望の位置に正確に移動させるレンズ制御装置およびこれを備えたカメラを提供する。
【解決手段】レンズ光軸方向の絶対位置成分および相対位置成分を有する検出信号を出力する位置検出手段と、前記2つの位置成分に基づいて実位置を演算する実位置演算手段と、相対位置成分値を基準原点位置に対応する相対位置成分値に初期化すると共に、実位置に対応する絶対位置成分値と基準原点位置に対応する絶対位置成分値との差分量を演算する差分量演算手段と、前記差分量を減算または加算して基準原点位置となるレンズ位置を演算し、該レンズ位置に基づいて基準原点位置を基準とする移動目標位置を演算する目標位置演算手段と、該移動目標位置に差分量を加算または減算した位置にレンズを移動させるための駆動信号を出力してレンズ移動を制御する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学系の焦点調節などに適用される、磁気抵抗(MR)素子等の位置センサを用いたレンズ制御装置およびこれを備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
民生用一体型カメラでは、小型化、レンズ前面にできるだけ近い位置での撮影を可能とする、等の要請から、補正レンズと変倍レンズをカムで機械的に連動させるのではなく、補正レンズの移動軌跡をあらかじめマイコン内にレンズカムデータとして記憶させておき、このレンズカムデータにしたがって補正レンズを駆動し、且つこの補正レンズによってフォーカスも合わせる、インナーフォーカスタイプのレンズが主流になってきている。
【0003】
図8は従来のインナーフォーカスタイプレンズシステムの簡単な構成を示すものである。同図において、901は固定されている第1のレンズ群、902は変倍を行なうための第2のレンズ群(以下、ズームレンズと称す)、903は絞り、904は固定されている第3のレンズ群、905は焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正する機能(いわゆるコンペ機能)とを兼ね備えた第4のレンズ群(以下、フォーカスレンズと称す)、906は撮像面(CCD)である。
【0004】
公知のとおり、図8のように構成されたレンズシステムでは、フォーカスレンズ905がコンペ機能と焦点調節機能を兼ね備えているため、焦点距離が等しくても、撮像面906に合焦するためのフォーカスレンズ905の位置は、被写体距離によって異なってしまう。各焦点距離において被写体距離を変化させたとき、撮像面上に合焦させるためのフォーカスレンズ905の位置を連続してプロットすると、図9のようになる。変倍中は、被写体距離に応じて図9に示された軌跡を選択し、この軌跡どおりにフォーカスレンズ905を移動させれば、ボケのないズームが可能になる。
【0005】
前玉フォーカスタイプのレンズシステムでは、ズームレンズに対して独立したフォーカスレンズが設けられており、さらにズームレンズとフォーカスレンズが機械的なカム環で結合されている。従って、例えばこのカム環にマニュアルズーム用のツマミを設け、手動で焦点距離を変えようとした場合、ツマミをいくら速く動かしても、カム環はこれに追従して回転し、ズームレンズとフォーカスレンズはカム環のカム溝に沿って移動するので、フォーカスレンズのピントがあっていれば、上記動作によってボケを生じることはない。
【0006】
これに対し、インナーフォーカスタイプのレンズシステムの制御においては、図9に示される複数の軌跡情報を何らかの形(軌跡そのものでも、レンズ位置を変数とした関数でも良い)で記憶しておき、フォーカスレンズとズームレンズの位置に基づいて軌跡を選択して、この選択した軌跡上をたどりながらズーミングを行なうのが一般的である。
【0007】
図10は、提案されている軌跡追従方法の一例を説明するための図である。図10において、Z,Z,Z,・・・Zはズームレンズ位置を示しており、a,a,a,・・・aおよびb,b,b,・・・bは、マイコンに予め記憶されている代表軌跡である。またp,p,p,・・・pは、上記2つの軌跡を基に算出された軌跡である。この軌跡の算出式を以下に示す。
【0008】
p(n+1)=|p(n)−a(n)|/|b(n)−a(n)|*|b(n+1)−a(n+1)|+a(n+1)  … (1)
上記の(1)式によれば、例えば図10において、フォーカスレンズがpにある場合、pが線分b−aを内分する比を求め、この比に従って線分b−aを内分する点をpとしている。このp−pの位置差と、ズームレンズがZ〜Zまで移動するのに要する時間から、合焦を保つためのフォーカスレンズの移動速度が分かる。
【0009】
次に、ズームレンズの停止位置は記憶された代表軌跡データを有する境界上のみという制限がないとした場合について説明する。図11はズームレンズ位置方向の内挿方法を説明するための図であり、図10の一部を抽出し、ズームレンズの位置を任意としたものである。
【0010】
図11において、縦軸はフォーカスレンズ位置、横軸はズームレンズ位置を示しており、レンズ制御マイコンで記憶している代表軌跡位置(ズームレンズ位置に対するフォーカスレンズ位置)を、ズームレンズ位置Z,Z,・・・Zk−1,Z・・・Zとしたとき、フォーカスレンズ位置を被写体距離別に、
,a,・・・ak−1,a・・・a
,b,・・・bk−1,b・・・b
としている。
【0011】
今、ズームレンズ位置がズーム境界上でないZにあり、フォーカスレンズ位置がPである場合にa,bを求めると、
=a−(Z−Z)*(a−ak−1)/(Z−Zk−1)… (2)
=b−(Z−Z)*(b−bk−1)/(Z−Zk−1)… (3)
となる。つまり現在のズームレンズ位置とそれを挟む2つのズーム境界位置(例えば図11におけるZとZk−1)とから得られる内分比に従い、記憶している4つの代表軌跡データ(図11で、a,ak−1,b,bk−1)のうち同一被写体距離のものを上述の内分比で内分することによりa,bを求めることができる。
【0012】
そしてa,P,bから得られる内分比に従い、予め記憶されている4つの代表データ(図11で、a,ak−1,b,bk−1)の内、同一焦点距離のものを(1)式のように上述の内分比で内分することによりp,pk−1を求めることができる。
【0013】
そして、ワイドからテレへのズーム時には追従先フォーカス位置pと現フォーカス位置pとの位置差と、ズームレンズがZ〜Zまで移動するのに要する時間から、合焦を保つために必要なフォーカスレンズの移動速度が分かる。
【0014】
また、テレからワイドへのズーム時には追従先フォーカス位置pk−1と現フォーカス位置Pとの位置差と、ズームレンズがZ〜Zk−1まで移動するのに要する時間から、合焦を保つためのフォーカスレンズの移動速度が分かる。以上のような軌跡追従方法が考案されている。
【0015】
このとき、マイコン内に予め記憶されている軌跡情報のテーブルデータの例を図12に示す。図12は被写体距離別に、ズームレンズ位置により変化するフォーカスレンズ位置データA(n,v)を示しており、変数nの列方向に被写体距離、変数vの行方向にズームレンズ位置(焦点距離)が変化している。ここでは、n=0が無限遠の被写体距離を表し、nが大きくなるに従って被写体距離は至近距離に変化し、n=mは1cmの被写体距離を示している。一方、v=0はワイド端を、vが大きくなるに従って焦点距離が増し、v=sがテレ端のズームレンズ位置を表している。従って、1列のテーブルデータで1本のカム軌跡が描かれることになる。
【0016】
図12の軌跡情報は、光学設計値に基づき、ズームトラッキングのデータとして作られるが、実際のレンズとしては、各レンズ群の焦点距離の誤差などによって設計値通りの軌跡にはならない。従って、上述してきたようなボケのない軌跡追従動作を実行するには、実際のレンズとテーブルデータの座標軸が一致している必要がある。
【0017】
実際のビデオカメラに於いては記憶されたデータのうち、テレ端とワイド端をどのズームレンズ位置に対応させるかを調整する作業を行っている。
【0018】
このピント調整方法として、テレ端とワイド端のフォーカスレンズの合焦位置の差(バランス)を設計値とするとともに、ミドル(中間の焦点距離)でもっともフォーカスレンズがマップ上、上に行く位置とテレ端のフォーカスレンズ位置からの移動量が設計値となるようなバリエータ位置を求め、テレ端とワイド端のバリエータの位置を決定するピント調整方法が知られている。
【0019】
図13を用いて説明する。図13は横軸にバリエータレンズの位置(すなわち焦点距離)を、縦軸はフォーカスレンズの位置を示しており、所定の被写体距離の軌跡がSaであるとする。ここでの距離(例えば∞)ではテレ端Tとワイド端Wにおけるフォーカスレンズの合焦位置の差は簡単のため零とする。ポイント▲1▼が調整のスタート点とし、ここからテレ〜ミドルのフォーカスバランス差の設計値Aだけ図中で下方向にフォーカスレンズを下げる(位置▲2▼)。この状態からバリエータレンズを移動させ、合焦位置を求めると▲3▼となり、ここをテレ端のバリエータ位置Taとする。テレ端近傍の軌跡の傾斜は一般に急峻なので、位置▲1▼と▲3▼の距離差はほぼ設計値に近い値となる。
【0020】
ここまでの動作で、▲1▼と▲2▼のフォーカス距離差、および▲1▼と▲3▼のバリエータ距離差が共に、設定値にフィットする実際の軌跡上の、フォーカス位置、バリエータ位置が求められる。次に、ワイド側での設計軌跡にフィットするレンズ位置ポイントを決定する。この例では上述したようにワイド端とテレ端のフォーカスレンズ合焦位置の差は零なので、同じくバリエータを移動させ合焦する位置▲4▼がワイド端のバリエータ位置Waとなる。位置▲4▼でのフォーカス、バリエータ位置をマイコン内に記憶している軌跡情報のテーブルデータ(図12)のワイド端値に設定することで、実際のレンズ軌跡と理想軌跡の原点合わせを行い、ボケのないズーミングを実現する。
【0021】
図13のTaはテーブルデータのv=sのバリエータ位置に相当し、Waはv=0のバリエータ位置に相当する。また、軌跡Saが∞軌跡の場合、フォーカス位置▲2▼はテーブルデータのA(0,0)に相当する。この軌跡調整手法では、フォーカス位置を設計値に固定させ、バリエータ位置を可変にして調整するので、調整するレンズ個々によって、バリエータレンズのストロークが異なることになり、図12のデータテーブル上、行方向の変数vについて、変数vが更新されるバリエータの移動量をレンズ個々であわせこむことで、ボケの発生を防止している。
【0022】
図14は、ピント調整をマイコン等を用いて調整ソフトにより行なう場合の動作アルゴリズムである。S1501でスタートする。S1502で光軸上におけるバリエータの位置をフォーカスレンズ群の軌跡が山形になる山の頂上付近に相当するズーム位置(図13における▲1▼の位置)に設定する。
【0023】
次にS1503でフォーカスモータによりフォーカスレンズを移動させピント合わせを行なう。なお、ここで被写体距離は調整距離に設定されているものであり(ここでは∞とする)、何らかの調整のためのチャートなどの被写体を配置している。S1504でピントがあったか否かをチェックしピントが合うまでフォーカスレンズを移動する。実際のピント合わせではオートフォーカス(AF)機能を使って、AF評価値が最大になるフォーカスレンズ位置を検出することでピントの位置を探している。
【0024】
S1504でピントがあったことが確認されると、S1505にてフォーカスレンズを、このレンズの設計値に基づきAだけ下げる(ここで、下げるという表現は図13に照らし合わせて図の中で下方に移動させることを意味するもので、実際にはズームレンズのズームタイプによって、被写体側に繰り出す場合もあるし、像面側に繰り込む場合もある。)。S1506にてこの状態からバリエータレンズをテレ側Tへ向けて駆動する。同時にS1507でピントがあった状態か否かを判断していく。バリエータレンズの移動が完了し、その位置でピントが合うとそのバリエータ位置がテレ端のバリエータ位置に相当する。そしてS1508でその状態のズームエンコーダの位置をテレ端の位置を規定する値としてVtaに格納する。S1509にてテレ端とワイド端の調整距離でフォーカスレンズの合焦位置の差に相当するバランス分だけフォーカスレンズを光軸方向に移動する。
【0025】
但し、図13のようにこのバランスが0の場合には移動する必要はない。S1510,S1511でテレ端を決めたのと同じようにバリエータレンズを移動することでワイド側基準のバリエータ位置を決める。S1512でこのバリエータ位置のズームエンコーダの位置をワイド端のバリエータ位置としてVwaに格納し、S1513でワイド端で合焦状態にいる現在のフォーカス位置、およびズーム位置をそれぞれ図12のテーブルデータの原点として所定値に書き換え、S1514で原点位置からリセットセンサ位置やメカ端等の基準位置までの距離を測定し、基準位置におけるフォーカス位置、およびズーム位置を調整値として記憶し、S1515で調整終了する。
【0026】
カメラの電源投入時には、初めにフォーカスレンズ、ズームレンズ共に上述のような処理を経て基準位置を探し、基準位置で現在のレンズ位置を記憶した調整値と書き換える初期化動作を実行する。この初期化動作により、実際のレンズカム軌跡とマイコン等に予め記憶したテーブルデータとの原点位置が一致するので、ズームレンズ移動中、テーブルデータを順次読み出しながら、図10で説明した追従方法を行なうことで、ボケのないズーミング動作を実現することが可能となる。
【0027】
近年、CCD等の撮像素子の小型化、多画素化に伴い、フォーカスレンズの位置精度の要求が高まっており、より高精度なアクチュエータとして、ボイスコイルモータ等のリニアモータをフォーカスレンズ駆動用のアクチュエータとして用いたカメラが製品化されている。リニアモータを用いたシステムでは、フォーカス用の位置センサとして、MR素子と所定ピッチで着磁したマグネットを用い、複数相の出力信号を内挿等の切り出し処理を行なうことで、高精度な位置検出を行なうのが一般的となっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
従来、MR素子を用いた位置検出装置では、複数相のMR素子からの正弦波状の信号成分のうち直線性に優れた信号成分を持つ相を選択して、その信号成分を内挿する演算を行い位置を検出している。
【0029】
このようなMR素子等を用いた位置検出方法では、検出信号は内挿処理による正弦波の位相成分と、正弦波の波数成分とを組み合わせた信号となっている。すなわち、波数に相当する成分はインクリメンタル成分なので、何らかのリセット処理により、原点位置を確定する必要がある一方、位相成分は、正弦波1周期間で確定する絶対位置成分となっている。
【0030】
上述のように、絶対位置成分と相対位置成分とが組み合わされた位置検出系で、上述したような、電源投入時のレンズを基準位置に移動させ、レンズ現在位置を調整位置に書き換える初期化動作を行なう場合、波数成分に相当する相対成分はリセットされるべきであるが、位相成分に相当する絶対位置成分は一義的に決まるので、リセットできない。
【0031】
従って、MR素子信号出力の電気的ばらつき、環境温度変化による出力変動などによって、調整されるべきMR素子出力のゲイン・オフセットが変化すると、結果として、検出信号から内挿処理されて得られるレンズ位置情報は、メカ的には同じレンズ位置にあるにもかかわらず、初期化動作の度に変動してしまっていた。
【0032】
この変動量は、そのまま、予めマイコン等に記憶されたカム軌跡のデータテーブルとの原点ズレとなってしまい、ズーミング時に実際の軌跡追従動作に誤差を生じ、ピントが合わずにボケを発生してしまっていた。
【0033】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、レンズの光軸方向移動に応じて出力される検出信号の絶対位置成分および相対位置成分を組み合わせてレンズの位置検出を行なう構成であって、環境温度変化等による検出信号の出力変動を原因として検出される実位置に誤差がある場合でも、レンズを所望の位置に正確に移動させることのできるレンズ制御装置およびこれを備えたカメラを提供することを目的とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願発明に係るレンズ制御装置では、レンズを駆動する駆動手段に対してレンズを目標位置に移動させるための駆動信号を出力するレンズ制御装置であって、レンズの光軸方向移動に応じて絶対位置成分および相対位置成分を有する検出信号を出力する位置検出手段と、検出信号の絶対位置成分値および相対位置成分値に基づいてレンズの光軸方向における実位置を演算する実位置演算手段と、レンズを基準位置に移動させたときの検出信号のうち相対位置成分値を基準原点位置に対応する相対位置成分値に初期化すると共に、実位置に対応する絶対位置成分値と基準原点位置に対応する絶対位置成分値との差分量を演算する差分量演算手段と、相対位置成分値を初期化した実位置(相対位置成分値が初期化された検出信号に基づく実位置)に差分量を減算または加算することにより、基準原点位置を基準とするレンズ位置を演算し、このレンズ位置に基づいて基準原点位置を基準とする移動目標位置を演算する目標位置演算手段と、この移動目標位置に差分量を加算または減算した位置にレンズを移動させるための駆動信号を出力する制御手段とを有する構成としている。
【0035】
このような構成としたことで、レンズの光軸方向移動に応じて出力される検出信号の絶対位置成分および相対位置成分を組み合わせてレンズの位置検出を行なうレンズ制御装置において、環境温度変化等による検出信号の出力変動を原因として、検出される実位置に誤差がある場合でも、レンズを所望の位置に正確に移動させることができる、すなわち、高精度なレンズの位置決めを行なうことができ、光学系全体としての光学特性の安定性および信頼性の向上に寄与することができる。
【0036】
なお、上述の位置検出手段は、周期的に変化する互いに位相の異なる複数相の検出信号を出力する磁気式のセンサであって、絶対位置成分は各相の検出信号間の位相差であり、相対位置成分は基準位置から実位置までの検出信号の波数のカウント値である構成であることが望ましい。このとき、磁気式のセンサの代わりに光学式のセンサを使用する構成であってもよい。
【0037】
さらに、上述のようなレンズ制御装置を備え、このレンズ制御装置によりレンズの移動制御を行なうカメラを構成することもできる。特に、上述のようなレンズ制御装置をインナーフォーカスタイプのカメラに内蔵した場合、予めマイコン等に記憶されたカム軌跡のデータテーブルとの原点位置のずれを防ぎ、ズーミング時に実際の軌跡追従をピントボケを生じることなく正確にトレースすることが可能なカメラを実現することができる。
【0038】
また、上述の周期的に変化する検出信号は、レンズの光軸方向への移動に応じて正弦波状もしくは余弦波状に変化する信号であることが望ましい。
【0039】
なお、上述の所定の基準原点位置は、個々のレンズの配置位置のばらつき等を調整する調整工程において決定される値であることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるレンズ制御装置について説明する。図1は、本実施形態によるレンズ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。同図では、ズームレンズ駆動用のアクチュエータ(駆動手段)に位置センサが不要なステッピングモータを、フォーカスレンズ駆動用のアクチュエータにリニアモータを用いており、ここではフォーカスレンズの位置検出にMRセンサを用いている例を示している。このレンズ制御装置は、フォーカスレンズを目標位置に移動させるための駆動信号を出力するものである。このMRセンサは、フォーカスレンズの光軸方向移動に応じて絶対位置成分および相対位置成分を有する検出信号を出力する位置検出手段としての役割を有している。
【0041】
被写体からの光は、固定されている第1のレンズ群101、光軸方向に移動可能に配置され変倍(ズーミング)を行なう第2のレンズ群102(以下ズームレンズと称す)、絞り103、固定されている第3のレンズ群104、光軸方向に移動可能に配置され焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正するコンペ機能とを兼ね備えた第4のレンズ群105(以下フォーカスレンズと称す)を通って、CCD等の撮像素子107上に結像される。上述のレンズ群を通過して撮像素子107に結像された像は光電変換され、増幅器110で最適なレベルに増幅されカメラ信号処理回路112へと入力され標準テレビ信号に変換される。この標準テレビ信号は増幅器132で最適なレベルに増幅され、磁気記録再生装置133に送られるとともに、LCD表示回路134にも送られ、撮影画像をLCD135に表示する。
【0042】
なお、LCD135には撮影モードや撮影状態、警告等を撮影者に知らせるための表示がなされるが、カメラマイコン116がキャラクタジェネレータ136を制御し、キャラクタジェネレータ136からの出力信号と撮影画像の信号とをLCD表示回路134でミックスすることで、撮影画像に重畳させる。また、カメラ信号処理回路112に入力される撮像信号は、同時にAF信号処理回路113へと入力される。AF信号処理回路113で生成されたAF評価値は、カメラマイコン116との通信によりデータ読み出しされる。
【0043】
また、カメラマイコン116は、ズームスイッチ130およびAFスイッチ131を読み込み、AFスイッチ131がオフで、ズームスイッチ130が押されているときは、コンピュータズームプログラム119がズームスイッチ130の押されている方向に応じて、テレまたはワイド方向に駆動すべく、カメラマイコン内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120に基づいて、ズームモータドライバ122に信号を送ることで、ズームモータ121を介してズームレンズ102を駆動すると同時に、フォーカス駆動回路126に信号を送り、フォーカスモータ125を介してフォーカスレンズ105を動かすことで変倍動作を行なう。
【0044】
一方、AFスイッチ131がオンで、ズームスイッチ130が押されているときは、合焦状態を保ちつづける必要があるので、コンピュータズームプログラム119は、カメラマイコン内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120のみならず、カメラマイコンに送られるAF評価値信号も参照して、AF評価値が最大になる位置を保ちつつ変倍動作を行なう。
【0045】
また、AFスイッチ131がオンでズームスイッチ130が押されていないときは、AFプログラム117が本体マイコンから送られたAF評価値信号が最大になるようにフォーカス駆動回路126に信号を送り、フォーカスモータ125を介してフォーカスレンズ105を動かすことで自動焦点調節動作を行なう。
【0046】
フォーカスレンズ105の位置はMRセンサ142によって検出される。MRセンサ142の出力はアナログアンプ143a,143bにより増幅され、サンプルホールド回路144a,144bを経てA/Dコンバータ145によりデジタル変換される。このようにして取り込まれたMRセンサ出力は、ゲイン・オフセット調整部146にてゲイン・オフセットが調整された後、位置演算部(実位置演算手段)147にてレンズ位置が演算される。すなわち、MRセンサにより出力される検出信号の絶対位置成分値および相対位置成分値に基づいてレンズの光軸方向における現在のレンズ位置(実位置)を演算する。
【0047】
得られたレンズ位置情報はカメラマイコン116に送られ、フォーカスレンズ105の位置制御(サーボ制御)に用いられる。カメラマイコン116はフォーカス駆動回路126に駆動信号を与えることで、フォーカスモータ125を制御することができる。波数演算部148は、ある時点でのフォーカスレンズ105の位置が、基準位置から数えてMRセンサ142の出力の何波数目かを演算する。
【0048】
図5に、フォーカスレンズ105が3番目の波数の位置にある状態を示す。調整値記憶部149には、MRセンサ出力のゲイン・オフセット調整用データを、個々の波ごとに記憶しておく。
【0049】
MRセンサから出力される複数相の検出信号は、図2に示すように、個々の製品におけるセンサの組み付け誤差や回路の電気的特性の誤差、通常使用時におけるセンサの温度変化やレンズ移動速度の変化などにより一般にその振幅、および振幅中心のレベルが異なっている。レンズの位置検出精度を高く保つためには、図3に示すように振幅および振幅中心がそろうようにゲインおよびオフセットを適切に調整する必要がある。
【0050】
すなわち、測定対象物であるレンズをMRセンサの正弦波出力の1周期以上動かし、そのときA/Dコンバータ等で取り込んだセンサ出力の最大値と最小値よりゲイン・オフセット調整値を求める。そしてこのデータを用いて、振幅および振幅中心がそろうようにA/Dコンバータから取り込まれたセンサ出力データを加工することでゲイン・オフセットが調整される。
【0051】
具体的には、MRセンサの最大値をMAX、最小値をMINとすると、調整値であるゲインGAIN、オフセットOFFSETは数1、数2で計算される。ただしRANGEは調整後のデータのダイナミックレンジである。
【0052】
【数1】
Figure 2004085684
【0053】
【数2】
Figure 2004085684
【0054】
ゲイン・オフセット調整部146は、波数演算部148によって得られたフォーカスレンズ105の現在位置における波数から、その波数に対応する調整用データを調整値記憶部149から取り出し、それを用いて数3によりゲインおよびオフセットが調整されたMRセンサ出力OUTPUTを得る。
【0055】
【数3】
Figure 2004085684
【0056】
以下でまず、全ストローク分のセンサ出力の個々の波に対応する調整値を求める処理について、図6に示すフローチャートに従って説明する。この処理は本レンズ制御装置の電源投入時等にレンズ初期化動作で、レンズ位置を所定位置に移動させる前に、先だって実行される。本実施形態では、この所定位置がフォーカスレンズのメカ端である場合について説明する。なお、以下の処理はMRセンサの複数相の検出信号それぞれについて行われる。
【0057】
はじめに、フォーカスレンズのサーボ制御のための概略の調整値を取得するために、ステップS602において、フォーカス駆動回路より駆動回路に対してフォーカスレンズをプラス方向に駆動する信号を送る。そしてステップS603〜S604にて、フォーカスレンズが移動している間にMRセンサ出力の最大値・最小値を検出する。
【0058】
さらにステップS605にてフォーカスレンズがストローク端に達したかどうかを判定し、達していた場合には、検出された最大値・最小値からステップS606にてゲイン・オフセット値を演算し記憶する。ここで、レンズがストローク端に達したかどうかは、光学センサなどで検出してもよいし、駆動開始から所定時間経過したかどうかで判定してもよい。
【0059】
次に、フォーカスレンズをメカ端等の基準位置に戻すために、ステップS607にてフォーカス駆動回路より駆動回路に対してフォーカスレンズをマイナス方向に駆動する信号を送る。このときフォーカスレンズが移動している間においてもステップS608〜S609にてMRセンサ出力の最大値・最小値を検出し、ステップS610にてフォーカスレンズがストローク端に達したら、ステップS611にて検出された最大値・最小値からゲイン・オフセット値を演算し記憶する。フォーカスレンズが基準位置に達したかどうかは、光学センサなどで検出してもよいし、駆動開始から所定時間経過したかどうかで判定してもよい。
【0060】
続いて、波ごとの調整データの取得を行なう。まずステップS612にて波数カウンタnを0に初期化する。そしてステップS613でフォーカスレンズをプラス方向に駆動し、フォーカスレンズ移動中にステップS614〜S615にてMRセンサ出力の最大値・最小値を検出する。移動中にレンズストローク端に達したかどうかをステップS616で判定し、ストローク端に達した場合はデータ取得を終了して通常の制御モードに移行する。そうでない場合は、ステップS617にてMRセンサ出力の状態から1波数分以上移動したかどうかを判別する。この判別は、例えばMRセンサの出力が負から正に変化したかどうかをチェックすることにより行なうことができる。
【0061】
1波数分移動していない場合にはステップS613に戻り、最大値・最小値検出を継続する。一方、1波数分以上移動したと判別された場合には、ステップS618にてその時点で検出されているセンサ出力の最大値・最小値からゲイン・オフセット値を演算し、ステップS619で調整値記憶部のn番目の記憶領域にデータを記憶する。記憶するデータはGAIN、OFFSETの値そのものでも良いし、最大値・最小値を記憶しても良い。後者の場合は通常モードでのゲイン・オフセット調整処理にて数1および数2を用いてGAIN、OFFSETの値に変換する。
【0062】
以上の処理により、1波分の調整データが得られるので、ステップS620で波数カウンタnに1を加え、ステップS621で最大値、最小値をリセットした後、ステップS613に戻り次の波に対して上記の処理を繰り返す。この処理はフォーカスレンズがストローク端に達するまで反復される。
【0063】
なお、この処理は本レンズ制御装置の電源投入時、またはリセット時に毎回実行され、その都度調整値が得られることから、調整値記憶部はDRAMなどの揮発性媒体を用いることが可能であり、コスト的にも有利となる。
【0064】
図6に示す処理を行い、全ストロークにおける波数についてGAIN,OFFSETが決定されると、続いて、メカ端の基準位置に戻り、図4の処理が行われる。S400で処理を開始し、S401を実行する。先に説明した図6の処理は図4のS401に相当している。
【0065】
次に、S402でフォーカスレンズをメカ端等の基準位置に移動させる。この基準位置は、図13および図14において説明した、カム軌跡調整の調整完了時に移動する基準位置に相当し、基準位置に移動後、位置データが調整値として記憶されている値(S1514)に、MR波形の波数カウンタ値(すなわち、相対位置成分値)のみ更新(初期化)される。内挿で演算される位相成分については、絶対位置成分値であるために更新はなされない。
【0066】
次にS403で、波数成分のみリセットされた、基準位置でのフォーカス現在位置データを読込み、S1514で決定された調整値との差分量Aとして、位相成分のずれ量がメモリされる。すなわち、実位置に対応する絶対位置成分値と基準原点位置に対応する絶対位置成分値との差分量を演算する差分演算手段としての処理を行なう。
【0067】
次に、S404からS410に渡る通常処理ルーチンへ進むが、図4の処理とは独立に、図7のフォーカス位置演算処理がなされ、フォーカス現在値を図6で決定したMRセンサのGAIN、OFFSETを基に算出されている。
【0068】
ここで、図4のS404からS410に渡る通常処理ルーチンについての説明は後述することとし、図7に示す処理についての説明を先に行なうことにする。
【0069】
図7に示すフローチャートは、通常制御モードでのMRセンサのゲイン・オフセット調整処理についての動作フローを示している。以下の処理は、MRセンサの複数相のそれぞれについて行われる。
【0070】
まず、ステップS702にてMRセンサの出力をサンプリングし、次にステップS703で波数演算部にて現在のフォーカスレンズ位置における波数を求める。波数の基準は、図4のS402で行われたフォーカスレンズが基準位置にある状態で波数を図14のS1514で決定された調整波数値に書き換えることで、決定される。その後フォーカスレンズがMRセンサ出力の1波長分移動するたびに、フォーカスレンズの移動方向に応じて波数をカウントアップ・カウントダウンしておくことにより現在位置での波数を得ることができる。
【0071】
ここで得られた現在位置での波数が前回サンプリング時と同じかどうかをステップS704で判定する。前回サンプリング時と同じであればゲイン・オフセット値を更新する必要はないため、ステップS707のゲイン・オフセット調整処理に飛ぶ。一方、波数が異なる場合にはステップS705に進む。ステップS705では、現在の波数におけるゲイン・オフセット調整データを調整値記憶部から取得し、ステップS706で取得した調整データをゲイン・オフセット調整部にセットする。セットされた調整データを用いて、ステップS707にて数3によりゲイン・オフセット調整を行なう。調整後のセンサ出力を用いてステップS708でレンズ位置演算処理を行い、ステップS702に戻る。なお、レンズ位置演算処理によって得られたレンズ位置データはカメラマイコン116に送られ、フォーカスレンズの位置制御に用いられる。
【0072】
次に、図4に示すS404からS410に渡る通常処理ルーチンについて詳細に説明する。この通常処理ルーチンが本発明の特徴を良く表している部分であり、調整時と電源投入等の初期化時とでの、基準位置ズレ量を補正しながらの動作を実行する処理ルーチンである。
【0073】
カム追従等の演算時には、差分量Aをフォーカス現在位置Fnowから常に減算することで、調整時の座標軸基準のフォーカス内部参照位置Fadjを算出し、このフォーカス内部参照位置Fadjと図12に示すようなカム軌跡テーブルデータを用いながらカム軌跡演算処理することで、常に調整原点基準の内部移動目標Fadjtrgtを演算しつつレンズメカ(レンズ機構)の位置精度のばらつきの影響を解消するように目標値演算を実現する。一方、実際のフォーカス駆動命令出力時には、調整原点基準で算出された内部移動目標値Fadjtrgtに差分量Aを加算して、現在のMRセンサの出力波形状態、位置演算処理状態に一致した座標軸換算の移動目標Ftrgtを出力することで、環境条件等によるMRセンサ出力変動を補正したGAIN・OFFSET値に一致したレンズ制御を行っている。
【0074】
S404でフォーカス現在位置Fnowを読込、内部参照現在位置Fadjとして、このフォーカス現在位置Fnowから所定値Aを減算して算出する。
【0075】
具体的には、フォーカス現在位置Fnow(実位置)に差分量Aを減算することにより、所望のカム軌跡における基準原点位置を基準とするレンズ位置を演算し、このレンズ位置に基づいて基準原点位置を基準とする移動目標位置を演算する目標位置演算手段としての処理を行なう。
【0076】
S405では、フォーカスズームスイッチ130の状態を読込、ズーム中であれば、S406で内部参照フォーカス位置Fadjを基にして、カム軌跡の追従演算が行われる。この演算処理は、上述してきたように、図12のテーブルデータとズーム現在位置、内部参照フォーカス位置Fadjを用いて、従来の技術として説明した方法によってカム軌跡の内挿演算を行い、軌跡トレース目標を算出する。S405でズーム中でないと判別された場合には、S407でAF処理演算を内部参照フォーカス位置Fadjを用いて移動目標を演算する。
【0077】
AF処理動作については詳細な説明を省くが、AF信号処理部113より送られるAF評価値を基に、評価値が最大になるよう常に制御される。ここでAF評価値は、映像信号を所定の画面範囲でゲートし、ゲート枠内の映像信号をバンドパスフィルタ等で所定の帯域成分のみを抽出することで生成される。具体的にはゲート枠内の2MHz近傍の映像信号の帯域成分を抽出し、各水平走査線単位でピークホールドし、各々のピークホールド値を加算して積分信号として評価信号を生成している。
【0078】
AFスイッチ131がオフのときは、AF評価値を参照せずに、不図示のマニュアルフォーカス操作部材の操作情報に従って、フォーカス位置を制御している。
【0079】
次にS408で、S406,S407において算出された移動目標値を基に、内部移動目標位置Fadjtrgtを決定し、フォーカスレンズの移動速度を決定する。
【0080】
このようにして決定された内部移動目標位置Fadjtrgtに所定値Aを加算して、最終移動目標位置Ftrgtを決定し、フォーカス現在位置Fnowと同一の座標系に変換し(S409)、S410で移動目標位置Ftrgtまで決定された移動速度で移動するようフォーカスレンズ駆動命令が出力される。
【0081】
このようにして、内部移動目標位置Fadjtrgt(移動目標位置)に差分量Aを加算した位置にフォーカスレンズを移動させるための駆動信号を出力する制御手段としての処理を行なう。
【0082】
なお、図4に示すフローチャートではズームレンズの動作についての詳細な説明を省略したが、ズームレンズの移動はS405のズームキー130の状態に応じた駆動方向に、所定の一定速度で移動するよう制御されている。
【0083】
なお本実施形態では、MRセンサの出力(位置検出信号)をサイン波とコサイン波の2相としているが、本発明の適用範囲はこの態様に限定されるものではなく、MRセンサの出力が3相以上のものにも適用可能である。ここで、少なくとも2相以上の位置検出信号を必要とするのは、位相差を有する2つの正弦波状の信号相互の位相の進み若しくは遅れから移動方向の判別を行い、カウンタにより波数の加算あるいは減算を行なうことによって変位量を検出するためである。
【0084】
なお、本実施形態ではフォーカスレンズ用のアクチュエータとしてリニアモータを、フォーカス位置の検出を行なうセンサとしてMRセンサを使用した例を示しているが、これに限られるものではなく、ズームレンズの駆動制御に適用することも可能である。
【0085】
また本実施形態では、磁気型のMRセンサを使用した例としているが、信号強度が正弦波状のもの等、周期的に変化する検出信号を出力するセンサであれば同様な内挿処理を行なうことが可能であり、磁気型(MR)センサに限定されるものではない。例えば、本発明を光学式センサを用いた構成に適用することも可能である。この光学式センサとしては、例えば発光素子からの光を所定ピッチで鋸状に成型された反射部材(ガラスやモールド材)で反射・集光させ、受光素子で電気信号に変換するようなタイプの光学センサが挙げられる。
【0086】
以上説明してきたように、絶対位置成分と相対位置成分との組み合わせで高精度な位置検出を行なうレンズシステムであっても、基準位置での調整時と現在との位置ずれ量を記憶し、そのずれ量を補正して調整位置基準での座標系と現在位置基準での座標系とを使い分けることにより、予めマイコン等に記憶されたカム軌跡のデータテーブルとの原点位置のずれを防ぎ、ズーミング時に実際の軌跡追従をボケることなく正確にトレースすることが可能になる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本願各発明によれば、レンズの光軸方向移動に応じて出力される検出信号の絶対位置成分および相対位置成分を組み合わせてレンズの位置検出を行なう構成であって、環境温度変化等による検出信号の出力変動を原因として検出される実位置に誤差がある場合でも、レンズを所望の位置に正確に移動させることのできるレンズ制御装置およびこれを備えたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレンズ制御装置の構成を示す機能ブロック図。
【図2】MRセンサから出力される検出信号のゲインおよびオフセットの調整について説明するための図。
【図3】MRセンサから出力される検出信号のゲインおよびオフセットの調整について説明するための図。
【図4】レンズの位置検出における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図5】MRセンサから出力される検出信号のゲインおよびオフセットの調整について説明するための図。
【図6】レンズの位置検出における処理の流れを説明するための図。
【図7】レンズの位置検出における処理の流れを説明するための図。
【図8】従来のインナーフォーカスタイプレンズシステムの簡単な構成を示すための図。
【図9】フォーカスレンズ位置とズームレンズ位置との関係を表す図。
【図10】提案されている軌跡追従方法の一例を説明するための図。
【図11】ズームレンズ位置方向の内挿方法を説明するための図。
【図12】被写体距離別に、ズームレンズ位置により変化するフォーカスレンズ位置データを示す図。
【図13】バリエータレンズの位置とフォーカスレンズの位置との関係を表す図。
【図14】ピント調整をマイコン等を用いて調整ソフトにより行なう場合の動作アルゴリズムを説明するための図。
【符号の説明】
101 第1のレンズ群
102 第2のレンズ群
103 絞り
104 第3のレンズ群
105 第4のレンズ群
107 撮像素子
110 増幅器
112 カメラ信号処理回路
113 AF信号処理回路
116 カメラマイコン
117 AFプログラム
119 コンピュータズームプログラム
120 レンズカムデータ
121 ズームモータ
122 ズームモータドライバ
125 フォーカスモータ
126 フォーカス駆動回路
130 ズームスイッチ
131 AFスイッチ
132 増幅器
133 磁気記録再生装置
134 LCD表示回路
135 LCD
136 キャラクタジェネレータ
142 MRセンサ
143a アナログアンプ
143b アナログアンプ
144a サンプルホールド回路
144b サンプルホールド回路
145 A/Dコンバータ
146 ゲイン・オフセット調整部
147 位置演算部
148 波数演算部
149 調整値記憶部

Claims (4)

  1. レンズを駆動する駆動手段に対して前記レンズを目標位置に移動させるための駆動信号を出力するレンズ制御装置であって、
    前記レンズの光軸方向移動に応じて絶対位置成分および相対位置成分を有する検出信号を出力する位置検出手段と、
    前記検出信号の絶対位置成分値および相対位置成分値に基づいて前記レンズの光軸方向における実位置を演算する実位置演算手段と、
    前記レンズを基準位置に移動させたときの検出信号のうち相対位置成分値を基準原点位置に対応する相対位置成分値に初期化すると共に、前記実位置に対応する絶対位置成分値と基準原点位置に対応する絶対位置成分値との差分量を演算する差分量演算手段と、
    前記相対位置成分値を初期化した実位置に前記差分量を減算または加算することにより、基準原点位置を基準とするレンズ位置を演算し、このレンズ位置に基づいて基準原点位置を基準とする移動目標位置を演算する目標位置演算手段と、
    この移動目標位置に前記差分量を加算または減算した位置にレンズを移動させるための駆動信号を出力する制御手段とを有することを特徴とするレンズ制御装置。
  2. 前記位置検出手段は、周期的に変化する互いに位相の異なる複数相の検出信号を出力する磁気式のセンサであって、
    前記絶対位置成分は各相の検出信号間の位相差であり、前記相対位置成分は基準位置から実位置までの検出信号の波数のカウント値であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ制御装置。
  3. 前記位置検出手段は、周期的に変化する互いに位相の異なる複数相の検出信号を出力する光学式のセンサであって、
    前記絶対位置成分は各相の検出信号間の位相差であり、前記相対位置成分は基準位置から実位置までの検出信号の波数のカウント値であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のレンズ制御装置を備え、
    このレンズ制御装置によりレンズの移動制御を行なうことを特徴とするカメラ。
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