JP2004085349A - 測位衛星受信装置 - Google Patents

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Yosuke Kobayashi
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Abstract

【課題】カウンタ部の時刻に誤差が生じた場合にはこの誤差を検出し、測位演算結果に誤差を生じさせない測位衛星受信装置を提供する。
【解決手段】測位使用衛星選択部104は、測位計算に使用可能な衛星の組み合わせを複数個作成する。測位演算部105は、測位使用衛星選択部104から提供される衛星のそれぞれの組み合わせで測位計算を行って、それぞれの衛星の組み合わせに対する位置情報や速度情報を算出する。時刻有効度判定部110は、複数の衛星組み合わせで測位演算したそれぞれの衛星の組み合わせに対する位置情報や速度情報のばらつきを検出してそのばらつきがGPS受信機の通常の測位演算精度より大きい場合には、カウンタ部107の時刻を用いて算出した現在時刻に誤差が生じていると判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測位衛星受信装置に関し、特に、電源ON後に短時間で測位を開始できる測位衛星受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、全地球的衛星航法システム(GNSS)として、次の2つの世界的な無線測位システムが存在する。すなわち、1つはアメリカ国防総省によって、或いはアメリカ国防総省のために操作される全世界測位システム(GPS)であり、もう1つは、ロシア政府の制御下で同様にサービスを提供する衛星航法システム(GLONASS)である。いずれも、衛星からの信号を受信し、地球上での絶対位置を算出することが可能なシステムである。
【0003】
測位衛星受信装置は、GNSSのほか、今後開発され、実用化されるであろう同種の航法システムにおいて使用される複数の衛星からの信号を受信して地球上での絶対位置や速度を算出するものである。
【0004】
たとえば、全地球測位システム(GPS)の場合、衛星配列は、1周12時間で地球の周囲を回る24個の衛星からなる。これらの衛星は、6つの軌道面にそれぞれが4個の衛星を含むように配置されている。軌道面は互いに60度ずつ離れており、赤道面に対して約55度傾いている。この衛星配列は、地球上のどの地点からでもユーザが常に約5〜8個の衛星を見えるようにするものである。
【0005】
一般に、GPS受信装置が算出する位置情報の精度は、数m〜数10mと高いものである。しかし、GPS受信装置の消費電力は大きく、携帯電話などの移動端末においては、さらにバッテリ寿命を大幅に制限してしまう。そのため、多くの場合、GPS受信装置を搭載する携帯端末では、GPS受信装置を常に動作させるのではなく、位置情報が必要な時だけ動作させたり、一定時間ごとに間欠的に動作させたりして消費電力の削減対策を行っている。
【0006】
従来、測位衛星受信装置としては、特開平10―170626号公報に記載されたものが知られている。図11は、この公報に記載された測位衛星受信装置と実質的に同様な従来の測位衛星受信装置のブロック図であり、以下、この従来の測位衛星受信装置について詳細に説明する。
【0007】
図11において、アンテナ部1は、GPS衛星からの電波を受信し、それを検波部2に供給する。検波部2は、アンテナ部1で受信した電波を入力し、それを復調してGPS衛星から送信されるデータを取得するためのものである。送信時刻算出部3は、GPS衛星の信号、または、現在時刻をもとにしてGPS衛星の送信時刻を求めるものである。
【0008】
測位使用衛星選択部4は、測位計算に使用する衛星の組み合わせを複数選択する手段である。測位演算部5は、求めた送信時刻および衛星軌道情報等を用いて測位演算を行い、位置を算出する手段である。表示部6は、ディスプレイ(図示せず)に測位演算結果などを表示するためのものであり、カウンタ部7は、ハードウェア回路で構成され、GPS受信装置が停止している場合でも外部電源などでカウントアップをくり返し、時間を計測するものである。
【0009】
記憶部8は、測位演算部5で演算された正しい時刻と位置および同時刻のカウンタ部7のカウンタ値をそれぞれ記憶するためのものであり、現在時刻算出部9は、記憶部8に格納されている動作開始直後のカウンタ値と記憶部8に記憶していたカウンタ値との差を、記憶部8に記憶していた時刻に加算して現在時刻を算出するものである。
【0010】
次に、このように構成された従来の測位衛星受信装置について、その動作を説明する。
【0011】
アンテナ部1は、GPS衛星からの電波を受信する。検波部2では、アンテナ部1で受信した電波を復調してGPS衛星から送信されるデータを取得する。送信時刻算出部3では、GPS衛星の信号送信時刻を算出する。
【0012】
送信時刻を算出する場合、その1つの方法として、GPS衛星からの送信データをそのまま用いる方法がある。そして、この衛星からの送信データを用いて衛星の送信時刻を求める場合には、次の4つの要素がある。
【0013】
1つ目は、衛星が送信する航法メッセージに格納されるZカウンタである。衛星が送信する航法メッセージは、サブフレームと呼ばれる300ビットの構成で、それが1つの単位として6秒周期で送信される。そして、このサブフレームに含まれるZカウンタは、格納されたサブフレームの次のサブフレームの先頭の時刻を表す。従って、衛星からの電波を受信してサブフレームを解析すれば6秒単位の時刻を検出することができる。
【0014】
2つ目は、サブフレームの先頭からのビット数である。サブフレームの先頭には、プリアンブルパターンと呼ばれる8ビットの同期検出パターンが格納されている。このプリアンブルパターンを検出することでサブフレームの先頭を検出することができる。ここで、前述したようにサブフレームは、300ビットを6秒周期で送信されてくるため、サブフレームの先頭からの航法メッセージのビット数をカウントすれば、20msec単位での送信時刻を検出することができる。
【0015】
3つ目は、航法メッセージビットエッジからのPRN符号のくり返し数である。PRN符号は、各衛星固有の1msec周期のランダムノイズであり、このPRN符号にあわせて同じPRN符号を逆拡散することにより、衛星を受信することができる。
【0016】
このPRN符号は、航法メッセージ1ビットに20回くり返されていることから、航法メッセージのビットエッジからのPRN符号のくり返し数をカウントすることにより、1msec単位の時刻を検出することができる。
【0017】
4つ目は、PRN符号の先頭からの符号数である。PRN符号は、1.023MHzで送られおり、逆拡散したPRN符号の先頭からの符号数を時間に変換することで、1/1023msec単位の時間を求めることができる。
【0018】
ところで、送信時刻を取得するための各要素の取得所要時間には、まず要素の3番目と4番目は20msecに1回のビットエッジを検出することで取得することが可能なため、最短20msecで取得することができる。要素の1番目と2番目は、サブフレームの先頭のプリアンブルパターンを検出する必要があり、さらにプリアンブルパターンは6秒毎に送信されるため、取得には通常でも数秒程度から数十秒程度の時間を要する。
【0019】
そのため、もう1つの方法として、送信時刻の算出時間を短縮するために、衛星送信時刻を決定する4つの要素のうちの幾つかを現在時刻から推測する方法がある。
【0020】
図11に示す従来の測位衛星受信装置では、送信時刻を算出する場合、測位衛星からの送信データをそのまま用いる方法と、衛星送信時刻を決定する4つの要素のうちの幾つかを現在時刻から推測する方法の両方を採用している。
【0021】
具体的には、測位衛星からの送信データをそのまま受信する手段と、受信装置が動作を停止している間にも時刻をカウントするカウンタ部7とを設けておき、受信装置の動作開始時には、受信装置が一番最近に正確な現在時刻を取得した時刻(すなわち測位計算を完了した時刻)にカウンタ部7の経過時間を加算して現在時刻を算出するようにし、その後、継続して動作している場合には、測位衛星からの送信データをそのまま受信し測位衛星の信号送信時刻を得るようにしている
そして、衛星送信時刻を決定する4つの要素のうちの幾つかを現在時刻から推測する場合には、通常、送信時刻を決定する要素のうち、取得に長い時間を要する20msec単位の時刻と6秒単位の時刻を現在時刻から推測し算出するようにしている。
【0022】
このようにして、送信時刻算出部3で衛星の信号送信時刻を算出し、それを用いて受信機の位置、速度、時刻情報等を測位演算部5で測位演算する。すなわち、測位使用衛星選択部4で測位計算に使用する衛星を選択し、その選択された衛星からの衛星軌道情報や送信時刻算出部3で算出した信号送信時刻を用いて測位演算部5で測位演算を行い、受信機の位置、速度、時刻情報などを算出し、表示部6に表示する。
【0023】
なお、カウンタ部7は、受信機が動作停止中も動作して時間を計測しており、記憶部8は、受信機が測位計算した時点でのカウンタ部7のカウント値や、測位演算部5で測位された位置、速度、時刻などの情報を記憶する。そして、現在時刻算出部9は、記憶部8に記憶された時刻にカウンタ部7のカウント値を加算することにより現在時刻を算出する。
【0024】
このように、従来の測位衛星受信装置でも、衛星からの信号送信時刻を現在時刻から推測し、その推測された送信時刻をもとに測位演算部5でそれぞれ位置、速度、時刻等を演算しており、装置動作後素早く、位置、速度、時刻等を表示部6に表示することができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の測位衛星受信装置では、カウンタの時刻から算出する現在時刻を、過去のカウンタの誤差を用いて補正した場合でも、温度が急激に変動した場合には、温度の急激な変動による誤差が生じて、不正確な現在時刻を算出してしまうことになり、現在時刻から算出する衛星送信時刻にも誤差が生じ、その結果、測位演算結果にも誤差が生じてしまうという問題があった。
【0026】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、温度が急激に変動しカウンタ部の時刻に誤差が生じた場合に、測位演算結果に誤差を生じてしまうことのない測位衛星受信装置を提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の測位衛星受信装置は、受信装置の動作が停止している場合も時刻をカウントするカウント手段と、測位衛星が送信した信号または第1の現在時刻を用いて測位衛星の送信時刻を算出する送信時刻算出手段と、送信時刻を用いて測位演算を行って受信装置の位置データと第1の速度データと第2の現在時刻のうちの少なくとも一つを含む測位データを算出する測位演算手段と、測位データとカウント手段の時刻とをそれぞれ記録する記憶手段と、過去に測位演算を行ったときに記憶手段に記録された過去の現在時刻データに、カウント手段の現在の時刻と記憶手段に記録されたカウント手段の時刻との差を加算して第1の現在時刻を算出する現在時刻算出手段と、第1の現在時刻が正確な時刻であるかどうかを判定する時刻有効度判定手段とを備え、第1の現在時刻が正確でないと判定されたとき、第1の現在時刻を使用しない構成を有している。
【0028】
この構成により、第1の現在時刻から算出する衛星送信時刻に誤差が生じ、その結果、測位演算結果にも誤差が生じてしまうことを防ぐことができる。
【0029】
また、本発明の測位衛星受信装置は、測位データの算出に使用する測位衛星の組み合わせを複数選択する測位使用衛星選択手段を備え、測位使用衛星選択手段で選択された複数の組み合わせのそれぞれで、測位演算手段が算出した測位データのばらつきにより、時刻有効度判定手段が第1の現在時刻が正確であるかどうかを判定する構成を有している。この構成により、突然の環境変化などでカウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じたかどうかを判定することができる。
【0030】
また、本発明の測位衛星受信装置は、測位使用衛星選択手段が、測位衛星の衛星軌道情報に基づいて、測位データのばらつきが大きくなるように、測位衛星の組み合わせを選択する構成を有している。この構成により、測位演算を行う回数を削減して、カウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になるため、カウント手段の誤差の影響を受けずに精度良く測位演算を行うことが出来る。
【0031】
また、本発明の測位衛星受信装置は、測位使用衛星選択手段が、測位衛星のドップラ周波数に基づいて、測位データのばらつきが大きくなるように、測位衛星の組み合わせを選択する構成を有している。この構成により、衛星軌道情報の解析に要する時間を短縮して、カウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0032】
また、本発明の測位衛星受信装置は、地図情報を格納する地図情報格納手段を備え、第1の現在時刻によって測位計算を行なった結果得られた受信装置の位置データを地図情報の道路位置と比較して、あるべき場所からのずれの大きさによって、時刻有効度判定手段が第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定する構成を有している。この構成により、測位演算を複数回行わずに、カウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0033】
また、本発明の測位衛星受信装置は、受信装置の概略位置を受信する概略位置受信手段を備え、第1の現在時刻によって測位計算を行なった結果得られた受信装置の位置データを、概略位置と比較して、時刻有効度判定手段が第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定する構成を有している。
【0034】
この構成により、測位演算手段の測位演算結果と概略位置とを比較し、両位置の差分の大きさから、カウント手段の時刻から算出する第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することにより、測位演算を複数回数行うことなく、さらに受信装置周辺の道路状況などの影響をうけずに、カウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0035】
また、本発明の測位衛星受信装置は、受信装置の第2の速度データを取得する速度情報取得手段を備え、測位演算手段は第1の速度データを算出し、時刻有効度判定手段が、第1の速度データと第2の速度情報とを比較し、比較した結果に基づいて第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定する構成を有している。
【0036】
この構成により、測位衛星受信装置の測位演算結果と外部センサで取得した速度情報とを比較し、両速度の差分の大きさから、カウント手段の時刻から算出する第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0037】
また、本発明の測位衛星受信装置は、時刻有効度判定手段が、第1の現在時刻を利用せずに測位計算を行った時刻を記憶しておき、この時刻からの経過時間に基づいて第1の現在時刻が正確な時刻であったかどうかを判定する構成を有している。
【0038】
この構成により、最後に衛星信号だけを利用して測位演算を行なった時刻からの経過時間に基づいて、短時間でカウント手段の時刻から算出した第1の現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0039】
さらに、本発明の測位衛星受信装置は、時刻有効度判定手段が、カウント手段のカウント誤差が一定値以上となったことを検出するための経過時間しきい値を設定する手段を備えた構成を有している。この構成により、高精度の測位演算結果が必要な場合や、比較的低精度の測位演算結果で良い場合など、用途に応じて経過時間しきい値を設定することが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置(以下、GPS受信機あるいは、単に受信機とも記す)を示す機能ブロック図である。図1において、アンテナ部101は、GPS衛星(図示せず)(以下、単に衛星とも記す)からの電波を受信する手段である。検波部102は、アンテナ部101で受信した電波を復調してGPS衛星から送信されるデータを取得する手段である。
【0042】
送信時刻算出部103は、衛星の信号または、現在時刻をもとにして衛星の送信時刻を求める手段である。測位使用衛星選択部104は、測位計算に使用する衛星の組み合わせを複数個選択する手段である。測位演算部105は、送信時刻算出部103で求めた送信時刻および衛星軌道情報等を用いて測位演算を行って位置を算出する手段である。
【0043】
表示部106は、ディスプレイに測位演算結果などを表示する手段である。カウンタ部107は、ハードウェア回路で構成されるカウンタであり、受信機が停止している場合でもカウントアップをくり返し、一定値でゼロクリアされるものである。記憶部108は、測位演算部105で求めた時刻と位置および測位演算部105で求めた時刻と同時刻のカウンタ部107のカウンタ値を記憶する手段である。
【0044】
現在時刻算出部109は、記憶部108に格納されている動作開始直後のカウンタ値と記憶部108に記憶していたカウンタ値との差を、記憶部108に記憶していた時刻に加算して現在時刻を算出する手段である。時刻有効度判定部110は、複数個の衛星の複数の組み合わせでそれぞれ測位演算を行ってその結果のばらつきから、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻が不正確な時刻であったかどうかを判定する手段である。
【0045】
次に、上記実施の形態の動作について図1〜3を用いて説明する。なお、図1において、アンテナ部101、検波部102、送信時刻算出部103、表示部106、カウンタ部107、記憶部108、現在時刻算出部109は、それぞれ図12を用いて説明した従来のGPS受信機のアンテナ部1、検波部2、送信時刻算出部3、表示部6、カウンタ部7、記憶部8、現在時刻算出部9と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0046】
図1において、測位使用衛星選択部104は、測位計算に使用可能な衛星の組み合わせを複数個作成する。ここで、一般にGPS受信機が測位演算を行うためには4個以上の衛星が必要であるため、仮に測位演算に利用可能な衛星が5個存在する場合には、測位使用衛星選択部104が提供する衛星の組み合わせは、以下のような6種類を測位演算部105に提供する。
【0047】
・5衛星すべての組み合わせ ×1
・1衛星を測位演算の対象から外した4衛星からなる組み合わせ ×5
なお、測位演算に利用可能な衛星が多い場合には、測位演算に利用可能な衛星組み合わせ数は膨大な数に増えるが、その全てを測位演算部105に提供する必要はなく、最低でも2つの組み合わせを測位演算部105へ提供すればよい。例えば、それぞれの衛星組み合わせに対して、衛星の数や衛星配置から算出される幾何学的精度指標(DOP)を算出し、もっとも精度の高い組み合わせ2つを測位演算部105へ提供してもよい。
【0048】
次に、測位演算部105は、測位使用衛星選択部104から提供される衛星のそれぞれの組み合わせで測位計算を行って、それぞれの衛星の組み合わせに対する位置情報や速度情報を算出する。ここで、一般にGPS受信機が一種類の衛星の組み合わせで測位演算を行うのに要する時間は数十ミリ秒から数百ミリ秒程度である。
【0049】
しかし、この短時間の間にもGPS受信機が移動してしまう事などが考えられるため、複数の組み合わせで測位演算を行う前に衛星送信時刻や衛星位置座標を受信機内部に保持しておき、同条件のもとでそれぞれの測位演算を行うことが望ましい。
【0050】
時刻有効度判定部110は、複数の衛星組み合わせで測位演算したそれぞれの衛星の組み合わせに対する位置情報や速度情報のばらつきを検出する。ここで、カウンタ部107のカウント値から現在時刻算出部109が算出した現在時刻に誤差が含まれていた場合を想定すると、この現在時刻から算出する衛星送信時刻にも誤差が含まれることになる。
【0051】
そのため、衛星軌道情報(エフェメリ)を用いて算出した衛星の位置情報にも誤差を含むことになり、さらには誤差を含んだ衛星位置情報で測位演算を行った場合、測位演算結果にも誤差が生じてしまうことになる。
【0052】
図2は、本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置の誤った衛星送信時刻を予測した場合の見かけ上の衛星位置を示す模式図である。
【0053】
図2において、黒丸で描かれた衛星SVは、測位演算を行う時刻(T)での、衛星の真の位置である。白丸で描かれた衛星SV1は、誤差Δtを含んだ衛星送信時刻(T+Δt)での衛星位置である。
【0054】
誤った衛星位置を利用することで、測位演算結果は当然測位誤差が生じることになる。ところで、一般にGPS受信機の測位精度を評価する対象は、水平方向の精度である。誤差を持った衛星送信時刻で算出した衛星位置が水平方向の測位精度に与える影響は、各衛星の軌道が異なることにより一定ではない。
【0055】
そのため、測位演算に利用する衛星の組み合わせが違う測位演算結果には、各衛星の軌道が異なることによるばらつきが生じてくる。そのため、時刻有効度判定部110では、各組み合わせの測位演算結果を比較してばらつきを算出し、GPS受信機の通常の測位演算精度よりもばらつきの幅が大きい場合には、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたと判定する。そしてその誤差が予め定めた値以上である場合、すなわち、測位演算結果のばらつきが予め定めた値以上であった場合には、その際の測位演算結果を放棄し、使用しないようにしている。したがって、最終的に測位され、表示部106に表示される測位結果は、誤差の非常に少ないものとなる。
【0056】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、複数の衛星の組み合わせを作成して測位演算を行い、各測位演算結果のばらつきによって、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたことを検出し、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じている場合は、カウンタ部107のカウント値を使用しないようにしているため、カウンタ部の誤差の影響を受けずに精度良く測位演算を行うことが可能になる。
【0057】
次に、測位使用衛星選択部104が衛星を選択する過程を説明する。
【0058】
図3は、本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置の測位使用衛星選択部104が衛星を選択する過程を説明するための、誤った衛星送信時刻を予測した場合の擬似距離誤差を示す模式図である。
【0059】
図3において、黒丸で描かれた衛星SVは、測位演算を行う時刻(T)での、衛星の真の位置である。白丸で描かれた衛星SV1は、誤差Δtを含んだ衛星送信時刻(T+Δt)での衛星位置である。ΔPR(擬似距離誤差)と書かれた距離は、測位演算の誤差となる擬似距離の誤差である。
【0060】
先に説明したように、衛星送信時刻の誤差が測位演算に誤差を与える原因は、衛星の軌道が各衛星で異なるためであり、さらに測位演算への誤差は、擬似距離誤差ΔPRとして表される。この擬似距離誤差ΔPRは、衛星送信時刻が誤差を持った場合に、GPS受信機から見て衛星が遠ざかる方向へ移動するか、近づく方向へ移動するかによって、符号が決定されることになる。
【0061】
したがって、カウンタ部107の時刻を用いて算出した現在時刻より衛星送信時刻をさらに算出し、衛星送信時刻に適量な時刻誤差(例えば1秒)を与えた時の衛星位置を、衛星軌道情報を用いて算出する。そして、この両衛星位置と、GPS受信機のおおまかな位置とを比較し、衛星送信時刻に誤差が生じた場合の擬似距離誤差ΔPRを算出し、これを水平方向に測位誤差として投影する。
【0062】
そして、この測位誤差の算出、投影を測位演算に利用可能な全衛星について行い、各衛星の測位誤差のベクトルの差が最も大きい2つの衛星を選択することで、衛星送信時刻に誤差が生じた場合に測位演算結果のばらつきが大きくなる組み合わせを選択することができるようになる。
【0063】
このように、衛星の組み合わせを、衛星軌道情報を用いて、カウンタ部107に誤差がある場合に測位演算結果の誤差のばらつきが大きくなる組み合わせを選択することが可能になる。
【0064】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態における測位衛星受信装置の測位使用衛星選択部104が衛星を選択する過程を説明するための、衛星のドップラー周波数を示す模式図である。
【0065】
図4において、黒丸で描かれた衛星SVは、測位演算を行う時刻(T)での、衛星の真の位置である。白丸で描かれた衛星SV1は、誤差Δtを含んだ衛星送信時刻(T+Δt)での衛星位置である。VSVと書かれた線は、衛星の速度方向と速度をベクトル表示したものである。VSV・sinθと書かれた線は、衛星の速度成分を、GPS受信機と衛星間の直線上の速度成分のみを表示したものである。すなわち、VSV・sinθが衛星のドップラ周波数となる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施の形態の測位衛星受信装置の動作について説明する。
【0067】
測位演算部105は測位演算を行い、GPS受信機の位置情報を算出する。従来の技術で説明したように、GPS受信機の速度情報を算出するには衛星毎のドップラ周波数を、衛星周波数と受信機内部の発振周波数の差分としてそれぞれ取得し、測位演算を行うことで受信機の速度情報を算出する。
【0068】
ここで、カウンタ部107の時刻から現在時刻算出部109で算出する現在時刻に誤差が生じて測位演算に誤差が生じた場合でも、各衛星のドップラ周波数の絶対値自体には影響がないため、測位使用衛星選択部104は、測位演算可能な衛星の組み合わせから、本発明の第1の実施の形態と同様にしてドップラ周波数のベクトルの差分が最も大きいものをそれぞれ除いた2種類の衛星の組み合わせを測位演算部105へ提供することで、現在時刻に誤差が生じた場合に測位演算結果のばらつきが大きくなる組み合わせを選択できる。
【0069】
このように、本発明の第2の実施の形態では、測位使用衛星選択部104が衛星のドップラ周波数を利用して、カウンタ部107に誤差がある場合に測位演算部105での測位演算結果の誤差のばらつきが大きくなる組み合わせを、衛星軌道情報を解析する必要なく簡単に選択することが可能になる。
【0070】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるGPS受信機を示す機能ブロック図である。図5において、地図情報格納部111は、道路情報などの情報からなる地図情報を、CD―ROMやフラッシュメモリなどに格納する手段である。時刻有効度判定部112は、GPS受信機の測位演算結果を、地図情報を利用してマップマッチング処理を行い、その補正量の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定する手段である。
【0071】
次に、本発明の第3の実施の形態におけるGPS受信機の動作を説明する。なお、アンテナ部101、検波部102、送信時刻算出部103、測位使用衛星選択部104、測位演算部105、表示部106、カウンタ部107、記憶部108、現在時刻算出部109は、それぞれ第1の実施の形態と同様の動作を行うので、ここでは、その詳細な動作の説明を省略する。
【0072】
地図情報格納部111は、道路情報などの情報からなる地図情報を、CD−ROMやフラッシュメモリなどに格納する。時刻有効度判定部112は、まずGPS受信機の測位演算結果を地図情報を利用してマップマッチング処理を行い、その補正量の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定する。
【0073】
図6は、本発明の第3の実施の形態における測位衛星受信装置のマップマッチング処理の内容を説明する模式図である。図6において、GPS測位結果と書かれた白丸は、GPS受信機の測位演算結果を地図上に表示したものである。マップマッチング後と書かれた白丸は、GPS受信機の測位演算結果を、地図情報を利用して道路と一致するように補正を行い、このマップマッチング後の位置情報を地図上に表示したものである。GPS受信機と書かれた白丸は、測位演算を行った時点でのGPS受信機の真の位置を示すものである。
【0074】
マップマッチングとは、現在ではカーナビゲーションシステム等に広く利用される手法である。一般にGPS受信機の測位演算結果の精度は、通常数十メートル程度であるため、GPS受信機を車内に設置しているにも関わらず、道路から外れた位置情報を出すことがある。そのため、道路から外れた位置情報をそのまま表示部に表示するのではなく、GPSの測位結果を道路に一致するように補正を行うことが広く行われている。
【0075】
この道路に一致する個所を探す方法には多種の手法があるが、例えばGPS受信機の測位結果に最も近い道路上に補正する手法や、または過去に通っていた道路の延長線上に存在する道路上に補正する手法などがある。
【0076】
ところで、GPS受信機の測位結果をマップマッチング処理によって補正を行った場合、GPS受信機の測位精度が通常10メートル程度であるため、測位結果と補正後の位置の間の距離は、この測位精度以下となるはずである。従って、GPS受信機の測位結果と補正後の位置の間の距離が大きい場合には、測位演算に誤差が生じていると判断することが出来る。
【0077】
そのため、測位演算にカウンタ部107の時刻から算出した現在時刻を利用している場合には、カウンタ部107の時刻に誤差が生じていたと判断することができる。
【0078】
なお、カウンタ部107の時刻に誤差が生じていたかを判定する際に、測位計算の精度を判定する目安となるDOP値(幾何学的精度劣化指数)が一定値以下の場合に限定することや、マルチパスを受けやすい地域を地図情報に格納しておき、この地域以外の場所でのみ判定を行うように限定することも当然可能である。
【0079】
このように、本発明の第3の実施の形態では、地図情報を利用してGPS受信機の測位演算結果の精度を判定することにより、測位計算を複数回行うことなくカウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0080】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態における測位衛星受信装置を示す機能ブロック図である。図7において、概略位置受信部113は、車速パルスやジャイロセンサなどのセンサを利用してGPS受信機の相対位置を算出しつづけることによって得られたGPS受信機の概略位置を受信する手段である。時刻有効度判定部114は、GPS受信機の測位演算結果と概略位置を比較し、両位置の差分の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定する手段である。
【0081】
次に、本発明の第4の実施の形態におけるGPS受信機の動作を説明する。なお、アンテナ部101、検波部102、送信時刻算出部103、測位使用衛星選択部104、測位演算部105、表示部106、カウンタ部107、記憶部108、現在時刻算出部109、地図情報格納部111は、それぞれ第3の実施の形態と同様の動作を行うので、ここでは、その詳細な動作の説明を省略する。
【0082】
概略位置受信部113は、車速パルスやジャイロセンサなどのセンサを利用してGPS受信機の相対位置を算出しつづけて得られたGPS受信機の概略位置を受信する。この概略位置の計算は、一般にカーナビゲーションシステムなどで広く利用される技術であり、車輪の回転数などから車の速度を検出する車速パルスや、角速度を検出するジャイロセンサなどのセンサ情報を累積加算していき、受信機の位置を相対的に記録していく手段である。なお、このセンサには当然誤差が含まれ、誤差が蓄積されていくため前述のマップマッチング処理を行うなどの対策が行われている。
【0083】
時刻有効度判定部114は、GPS受信機の測位演算結果とセンサを利用して算出された受信機の概略位置を比較し、両位置の差分の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定する。
【0084】
図8は、本発明の第4の実施の形態における測位衛星受信装置の概略位置とGPS受信機の測位結果との比較を説明する模式図である。図8において、白丸で描かれたGPS測位結果は、GPS受信機の測位演算結果を示す。概略位置と書かれた白丸は、車速パルスやジャイロセンサなどを利用して算出された概略位置を示す。GPS受信機と書かれた白丸は、測位演算を行った時点でのGPS受信機の真の位置を示す。
【0085】
なお、図8において、GPS測位演算結果と、概略位置の間の距離は、通常のGPS受信機の測位精度(通常10メートル程度)以上離れているとし、さらに、GPS測位結果の付近には通常のGPS受信機の測位精度の範囲内に道路が存在し、かつこの道路は、現在GPS受信機が設置されている道路とは違うところにあるものとすると、このような場合、マップマッチングでは、車速パルスやジャイロセンサを利用して算出する概略位置には誤差が時間と共に蓄積されていくため、概略位置とGPS測位位置の両位置の重み付けを行ってマップマッチング処理を行う。
【0086】
一般に、ジャイロセンサでは、Y字分岐などの分岐や交差点をどの方向に曲がったかを判別する時に誤差が生じてしまう可能性があるため、GPS受信機の測位位置の重みを高く設定することが多い。なお、GPS受信機はマルチパスの影響により測位位置に誤差を持つ場合が存在するが、例えばマルチパスを受けやすい地点を地図情報として記憶しておき、この地図情報に応じて、先ほどの重み付けを行うよう対策することなどが行われている。
【0087】
したがって、図8の場合のように、概略位置とGPS測位位置が離れており、かつマルチパスを受けやすい場所で無い場合、GPS測位位置の重みを大きくしてマップマッチング処理を行ってしまうため、GPS測位位置付近の道路上の位置を表示してしまうことになる。
【0088】
そのため、本実施の形態における時刻有効度判定部114は、GPS受信機が現在時刻をカウンタ部107の時刻を用いて算出している場合には、測位位置と概略距離を比較し、両位置の差分が通常のGPS受信機の測位精度よりも大きい場合には、カウント部107のカウンタから算出する現在時刻に誤差が生じていたと判断することができる。
【0089】
このように、本発明の第4の実施の形態の測位衛星受信装置では、GPS受信機の測位演算結果と概略位置を比較し、両位置の差分の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することにより、測位演算を複数回数行うことなく、さらに受信機周辺の道路状況などの影響をうけずに、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0090】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態における測位衛星受信装置を示す機能ブロック図である。図9において、速度情報受信部115は、車速パルスなどの速度センサからGPS受信機の移動速度を受信する手段である。時刻有効度判定部116は、測位演算をすることで算出するGPS受信機の速度情報と、速度情報受信部で受信したGPS受信機の速度情報を比較し、両速度値の差分の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定する手段である。
【0091】
次に、本発明の第5の実施の形態における測位衛星受信装置の動作を説明する。なお、アンテナ部101、検波部102、送信時刻算出部103、測位使用衛星選択部104、測位演算部105、表示部106、カウンタ部107、記憶部108、現在時刻算出部109、地図情報格納部111、概略位置受信部113は、それぞれ第4の実施の形態と同様の動作を行うので、ここでは、その詳細な動作の説明は省略する。
【0092】
速度情報受信部115は、車速パルスなどの速度センサから提供される速度情報を受信する。時刻有効度判定部116は、GPS受信機の測位演算結果の速度情報と、速度情報受信部115で受信した速度情報を比較する。なお、一般に車速パルスは車輪の回転数に応じた値を出力するために、タイヤの磨耗具合や道路状況などの外部環境変化によって誤差が生じてしまう。
【0093】
そのため、現在時刻の算出にカウンタの時刻を利用していない場合などの、GPS受信機が精度のよい測位演算を行えていると判断される場合には、測位演算結果をもとに車速パルスに含まれる誤差のオフセットを検出しておき、その後車速パルスの補正に利用すること等も可能である。
【0094】
そのため、現在時刻をカウンタ部107のカウンタから算出した時刻から算出し、カウンタの時刻に誤差が生じていた場合には、測位演算結果の速度情報にも誤差が生じるため、車速パルスから算出した速度情報と比較することにより、カウンタの時刻に誤差が生じていたかどうかを検出することが可能である。
【0095】
このように、本実施の形態では、GPS受信機の測位演算結果と外部センサの速度情報を比較し、両速度の差分の大きさから、カウンタ部107の時刻から算出する現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することにより、地図情報を利用したマップマッチング処理などを行わずに、カウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0096】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態と同様に構成されている。但し、時刻有効度判定部110は、図10に示す動作をする。以下、この動作について説明する。図10は、本発明の第6の実施の形態における測位衛星受信装置の時刻有効度判定の概略処理フロー図である。
【0097】
図10において、時刻有効度判定部110は、まず、記憶部108に格納されているバックアップ最終時刻(測位衛星からの時刻4要素を取得して最も近い過去に測位演算に用い記憶部108に記憶した時刻)とバックアップ前回時刻(カウンタ部を用いて最も近い過去に推測し測位演算に用い記憶部108に記憶した時刻)をそれぞれ復元し、それらをそれぞれカウンタ最終測位利用時刻、カウンタ前回測位利用時刻の変数に格納する(ステップ(以下Sと記す)101)。
【0098】
GPS受信機が最後に測位演算を行ってからその経過時間をカウンタ107によってカウントするのに、カウンタ誤差が時間とともに蓄積されるため、現在時刻算出部109で、最後に測位演算を行ってからの経過時間を、カウンタ部107がカウントしている現在時刻とカウンタ前回測位利用時刻の差として算出し、経過時間が一定時間(T1)以上経過した場合(S102のN)には、カウンタ部107の時刻を測位演算に利用しないようにする。
【0099】
また、現在時刻算出部109は、カウンタ部107の誤差が時間とともに蓄積されるため、カウンタ誤差を推測するために、GPS受信機が従来の技術で説明した衛星送信データを利用して衛星送信時刻を決定する4つの要素(6秒単位、20ミリ秒単位、1ミリ秒単位、1/1024ミリ秒単位の時刻)を最後に取得してからの経過時間を、カウンタ部107がカウントしている現在時刻とカウンタ最終測位利用時刻の差として検出し、経過時間が一定時間(T2)以上経過していた場合(S103のN)には、カウンタの時刻を測位演算に利用しないようにする。
【0100】
そして、経過時間がそれぞれ一定時間(T1)(T2)未満であった場合(S102のY,S103のY)にのみ、カウンタの時刻(カウンタ前回測位利用時刻)を用いて、現在時刻を算出部109で算出し、その値に基づいて送信時刻算出部103で衛星の送信時刻を算出する(S104)。
【0101】
次に、測位演算部105は、測位演算が完了したかどうかを判定し(S105)、測位演算が完了していない場合(S105のN)には、本手法を終了する。そして、測位演算が完了した場合(S105のY)には、送信時刻算出部103で衛星送信時刻を衛星の信号から決定する4つの要素を取得することができたかどうかを判定する(S106)。送信時刻算出部103が衛星送信時刻を決定する4つの要素を取得していない場合(S106のN)には、記憶部108に、測位演算をすることによって算出した現在時刻を、バックアップ前回時刻として格納する(S107)。
【0102】
送信時刻算出部103が衛星送信時刻を決定する4つの要素を取得している場合(S106のY)には、測位演算をすることによって算出した現在時刻を、記憶部108に、バックアップ前回時刻、バックアップ最終時刻としてそれぞれ格納する(S108)。そして、時刻有効度判定部で、衛星信号から取得した衛星送信時刻を決定する4つの要素から算出した衛星送信時刻と、バックアップ前回時刻をもとに算出した衛星送信時刻が一致しているかどうかを判定する(S109)。
【0103】
衛星信号から取得した衛星送信時刻を決定する4つの要素から算出した衛星送信時刻と、バックアップ前回時刻をもとに算出する衛星送信時刻が一致していないと判定された場合(S109のN)には、カウンタ部107に誤差が生じていたと判断し、記憶部108に格納しているカウンタ最終測位利用時刻、カウンタ前回測位利用時刻をそれぞれ消去する(S110)。
【0104】
なお、図10に示す時刻有効度判定部110の概略処理フロー図では、カウンタ部107のカウンタの時間と共に蓄積される誤差が、測位演算に誤差を生じるまでの経過時間を判定するしきい値(T1およびT2)を設定する手段を記述していないが、このしきい値を外部手段(図示せず)から任意に設定することができるようにすることも可能である。
【0105】
このように、本発明の第6の実施の形態では、カウンタ部107の誤差が時間と共に蓄積されるため、最後に測位演算を行った時刻でカウンタ部107を補正してからの経過時間と、最後に衛星信号だけを利用して測位演算を行った時刻でカウンタ部107を補正してからの経過時間をもとに、カウンタ部107の時刻で現在時刻を算出するかどうかを判断するため、測位演算を複数回数行うことなく、さらに地図情報や外部速度情報などの外部センサを利用することなく、短時間でカウンタ部107の時刻から算出した現在時刻に誤差が生じていたかどうかを判定することが可能になる。
【0106】
また、カウンタ部107の時間と共に蓄積される誤差が、測位演算に誤差を生じるまでの経過時間を判定するしきい値(T1およびT2)を外部から設定する手段を設けることにより、高精度の測位演算結果が必要な場合や、比較的低精度の測位演算結果で良い場合に応じて設定することが可能となる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、装置の動作が停止している場合も時刻を計測するカウント手段と、測位衛星の送信時刻を算出する送信時刻算出手段と、測位データを算出する測位演算手段と、測位データとカウント手段のカウント値とを少なくとも記録する記憶手段と、装置の動作開始直後のカウント値と記憶手段に記録していたカウント値との差を求め、これを記録していた時刻データに加えて現在時刻を算出する現在時刻算出手段と、現在時刻が正確な時刻であったかどうかを判定する時刻有効度判定手段とを備えることにより、現在時刻から算出する衛星送信時刻に誤差が生じ、その結果、測位演算結果にも誤差が生じてしまうことを防ぐことができるというすぐれた効果を有する測位衛星受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置の機能ブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置の誤った衛星送信時刻を予測した場合の見かけ上の衛星位置を示す模式図
【図3】本発明の第1の実施の形態における測位衛星受信装置の誤った衛星送信時刻を予測した場合の疑似距離誤差を示す模式図
【図4】本発明の第2の実施の形態における測位衛星受信装置の衛星を選択する過程での衛星のドップラー周波数を示す模式図
【図5】本発明の第3の実施の形態における測位衛星受信装置の機能ブロック図
【図6】本発明の第3の実施の形態における測位衛星受信機のマップマッチング処理の内容を説明する模式図
【図7】本発明の第4の実施の形態における測位衛星受信装置を示す機能ブロック図
【図8】本発明の第4の実施の形態における測位衛星受信装置の概略位置とGPS受信機の測位結果との比較を説明する模式図
【図9】本発明の第5の実施の形態における測位衛星受信装置を示す機能ブロック図
【図10】本発明の第6の実施の形態における測位衛星受信装置の時刻有効度判定の概略処理フロー図
【図11】従来の測位衛星受信装置の機能ブロック図
【符号の説明】
101 アンテナ部
102 検波部
103 送信時刻算出部
104 測位使用衛星選択部
105 測位演算部
106 表示部
107 カウンタ部
108 記憶部
109 現在時刻算出部
110、112、114、116 時刻有効度判定部
111 地図情報格納部
113 概略位置受信部
115 速度情報受信部

Claims (9)

  1. 受信装置の動作が停止している場合も時刻をカウントするカウント手段と、測位衛星が送信した信号または第1の現在時刻を用いて前記測位衛星の送信時刻を算出する送信時刻算出手段と、前記送信時刻を用いて測位演算を行って前記受信装置の位置データと第1の速度データと第2の現在時刻のうちの少なくとも一つを含む測位データを算出する測位演算手段と、前記測位データと前記カウント手段の時刻とをそれぞれ記録する記憶手段と、過去に測位演算を行ったときに前記記憶手段に記録された過去の現在時刻データに、前記カウント手段の現在の時刻と前記記憶手段に記録された前記カウント手段の時刻との差を加算して前記第1の現在時刻を算出する現在時刻算出手段と、前記第1の現在時刻が正確な時刻であるかどうかを判定する時刻有効度判定手段とを備え、前記第1の現在時刻が正確でないと判定されたとき、前記第1の現在時刻を使用しないように構成したことを特徴とする測位衛星受信装置。
  2. 前記測位データの算出に使用する測位衛星の組み合わせを複数選択する測位使用衛星選択手段を備え、前記測位使用衛星選択手段で選択された複数の組み合わせのそれぞれで、前記測位演算手段が算出した前記測位データのばらつきにより、前記時刻有効度判定手段が前記第1の現在時刻が正確であるかどうかを判定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の測位衛星受信装置。
  3. 前記測位使用衛星選択手段が、前記測位衛星の衛星軌道情報に基づいて、前記測位データのばらつきが大きくなるように、前記測位衛星の組み合わせを選択することを特徴とする請求項2記載の測位衛星受信装置。
  4. 前記測位使用衛星選択手段が、前記測位衛星のドップラ周波数に基づいて、前記測位データのばらつきが大きくなるように、前記測位衛星の組み合わせを選択することを特徴とする請求項2記載の測位衛星受信装置。
  5. 地図情報を格納する地図情報格納手段を備え、前記第1の現在時刻によって測位計算を行なった結果得られた前記受信装置の位置データを前記地図情報の道路位置と比較して、あるべき場所からのずれの大きさによって、前記時刻有効度判定手段が前記第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の測位衛星受信装置。
  6. 前記受信装置の概略位置を受信する概略位置受信手段を備え、前記第1の現在時刻によって測位計算を行なった結果得られた前記受信装置の位置データを、前記概略位置と比較して、前記時刻有効度判定手段が前記第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の測位衛星受信装置。
  7. 前記受信装置の第2の速度データを取得する速度情報取得手段を備え、前記測位演算手段は第1の速度データを算出し、前記時刻有効度判定手段が、前記第1の速度データと前記第2の速度情報とを比較し、比較した結果に基づいて前記第1の現在時刻が正確な時刻かどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の測位衛星受信装置。
  8. 前記時刻有効度判定手段が、前記第1の現在時刻を利用せずに測位計算を行った時刻を記憶しておき、この時刻からの経過時間に基づいて前記第1の現在時刻が正確な時刻であるかどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の測位衛星受信装置。
  9. 前記時刻有効度判定手段が、前記カウント手段のカウント誤差が一定値以上になったことを検出するための経過時間しきい値を設定する手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の測位衛星受信装置。
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