JP2004084381A - 改修構造及び改修方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】山部17、谷部18が交互に形成される既設屋根1の改修構造において、既設屋根1の山部17に、少なくとも2つ以上の山部17に跨る長さの受け部材2を流れ方向に交わるように複数固着すると共に、該受け部材2,2間に断熱材3,3を左右方向に重合させて配設し、前記受け部材2に新設屋根の外装材保持部材5を固着すると共に、該保持部材5に新設外装材4を保持させることにより新設屋根を敷設した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設屋根の種類にかかわらず簡易な構造で優れた施工性を有する新設屋根を施工することができる改修構造及び改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
折板等の既設屋根を葺き替える場合、既設屋根を構成する屋根材などを剥がさずに新設屋根を重ねる方法が多く採られている。
例えば特許第2661616号公報には、山部と底部とが交互に連続する屋根の山部に取付具を固着し、この取付具に対してたる木に相当する上部構造材を固着し、さらにこの上部構造材に上部支持具を固着して外装材を支持させる構造が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の改修構造では既設屋根の山部形状に応じた取付具を用意する必要があった。
また、上記の従来技術では、既設屋根上に新設屋根を敷設するだけの構造であるため、断熱性能は既設屋根に依存するところが大きく、既設屋根の構造によっては断熱性が十分でない場合もあった。
そのため、発泡材からなる断熱材を谷部に落とし込む断熱構造も提案されているが、折板等の既設屋根は幅、高さ、はぜ部形状等が多種多様であり、既設屋根の谷部形状に応じて成型した断熱材を用意する必要があり、極めて非効率的であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、山部、谷部が交互に形成される既設屋根の改修構造において、既設屋根の山部に、少なくとも2つ以上の山部に跨る長さの受け部材を流れ方向に交わるように複数固着すると共に、該受け部材間に断熱材を左右方向に重合させて配設し、前記受け部材に新設屋根の外装材保持部材を固着すると共に、該保持部材に外装材を保持させることにより新設屋根を敷設したことを特徴とする既設屋根の改修構造、及び改修方法に関するものである。
尚、本発明の改修方法において、受け部材及び断熱材を配設する工程を第1工程とし、保持部材及び外装材を配設する工程を第2工程として説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の改修方法における第1工程においては、既設屋根1の複数の山部17に跨る長さの受け部材2を流れ方向に交わるように複数固着すると共に、該受け部材2,2間に断熱材3,3を左右方向に重合させて配設する。
この工程における受け部材2の配設と断熱材3の配設は、何れかを先に行っても良いし、同時に行っても良い。図1(図2は要部拡大図)に示す第1の実施例では受け部材2を先に配設するか、或いは受け部材2−断熱材3の順で交互に配設する例である。
【0006】
既設屋根1は、山部、谷部が交互に形成される縦平葺、瓦棒、折板等の縦葺き形式の屋根を指し、どのような形状であっても良い。
図示実施例における既設屋根1は、折板屋根であって、梁や母屋、胴縁等の鉄骨躯体からなる下地部分11の上面に固着したタイトフレーム12に外装材13を支持させると共に、タイトフレーム12の山部121の頂部にて隣接する外装材13,13の側縁重合部131,131を、剣先ボルト14、押さえ材15及びナット16にて固着した構造である。したがって、この既設屋根1の山部17は、裏面をタイトフレーム12に支持された外装材13,13の傾斜面132及び側縁重合部131からなり、谷部18は、外装材13の平面部133を指す。
【0007】
受け部材2は、新設屋根を間接的に支持するものであり、具体的には新設屋根を構成する外装材4(以下、既設屋根1を構成する外装材13と区別するために新設外装材という)を保持する保持部材5を固着するものである。この受け部材2は、既設屋根1の山部17に固定可能であって、上述のように新設屋根を間接的に支持できる強度を有するものであれば、その形状構成及び素材構成を限定するものではなく、例えば断面がU型、Z型、ハット型、ユ型等のどのような形状でも良く、金属、木材、プラスチック等のどのような素材でも良く、さらに一部材からなるものでも、複数部材からなるものでも良い。
尚、山部17は流れ方向に沿うように配設され、各図示実施例の受け部材2はこれと直交するように固着したので、受け部材2は左右方向(略水平方向)に配設されるものとなる。
【0008】
図示実施例の受け部材2は、下フランジ21,縦片22,上フランジ23からなる断面Z形状の金属材であり、上フランジ23が断熱材3の軒棟方向の重合部(空間部36)に位置し、縦片22が断熱材3の軒端を係止し、下フランジ21が既設屋根1の山部17の頂部(剣先ボルト14などを避けて)に位置するように配設する。そして、下フランジ21をビスなどで山部17の頂部に防水処理を施して固定し、上フランジ23で後述する新設屋根の保持部材5を固定する固着具53を受けるものである。
【0009】
断熱材3は、流れ方向に隣接する受け部材2,2間に、左右方向に重合させて配設するものであり、面支持機能及び断熱性を有する材料により成形されるものである。尚、左右方向に重合させて配設するには、左右の縁部に被重合部31,重合部32を設けて互いに重合するように配設すれば良い。また、この断熱材3としては、結露水等を吸水したり水分により変質しないものが好ましく、このような素材としては、独立気泡を有する比較的硬質の発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の非透水性の樹脂材料などの成型品でも良いし、樹脂と木毛或いは木片セメント板等の複合板であっても良い。特に非透水性樹脂の成型品は、前記特性を全て備えると共に軽量であるため施工性に優れたものとなる。尚、この断熱材3を載置するだけで、一般的には山部17の一部が断熱材3の裏面で吸収する(食い込む)ため、ずれ動いたり施工面から落下することなく安定に支持されるが、比較的食い込みが少ない硬質の断熱材3では剣先ボルト14などはむしろ滑り止めになって好ましい場合もある。
【0010】
図示実施例の断熱材3は、独立気泡を有する硬質の発泡ポリスチレンにて成形される横長の矩形状であって、左右及び棟軒の縁部に被重合部31,重合部32、棟側被重合部34、軒側重合部35が形成され、それぞれを重合させた状態で空間部33,36が形成され、その表面には配設時に流れ方向に沿うように3本の排水溝37が形成されている。棟軒方向の接続部に位置する左右方向に沿う空間部36は、結露水等を左右端に導き、結露水等は左右方向の接続部に位置する流れ方向に沿う空間部33に導かれる。これら空間部33及び排水溝37は、流れ方向に結露水等を流下させるものであって、テーパ状に形成されて流れ勾配を緩め、水の流れを減速させながら流下させる。
そして、この断熱材3は、左右方向及び流れ方向の何れにも重合させて配設されているので、隙間ない断熱層が形成されるものとなる。さらに、流れ方向においては、断熱材3,3を受け部材2の配設箇所で重合し、受け部材2上に断熱層を形成したので、受け部材2が断熱材3で覆われる(受け部材2の上フランジ23が断熱層内に位置する)ため、熱橋が防がれる構造となる。
【0011】
本発明の改修方法における第2工程では、前記受け部材2に新設屋根の外装材保持部材5を固着すると共に、該保持部材5に新設外装材4を保持させることにより新設屋根を敷設する。この新設屋根は、瓦棒葺き、折版、横葺き等の公知の屋根を適宜に選択して用いることができ、緑化構造でも良いが、流れ方向に長尺な垂木部材を必要とする横葺きよりも縦葺きの方が望ましい。
この新設屋根を構成する新設外装材4としては、素材を特に限定するものではないが、代表的には概ね0.4乃至1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形その他の手段で所定の形状に成形する。尚、硬質樹脂板や炭素繊維積層板等によっても同様の形状に成形することができ、全てをそれらで施工することもできるし、前記金属素材のものと組み合わせて施工することもできる。また、この新設外装材4は、その形状や接続、固定方式についても特に限定するものでなく、従来公知の嵌合式、重合式、係合式等のいずれの方式のものでも良い。さらに、新設外装材4の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても良い。一方、保持部材5としても、どのような形状、構成を採用しても良く、従来公知の吊子やタイトフレームと称される部材を用いても良く、複数部材の組合せ品も含まれ、長尺材でもピース材でも良い。下地である受け部材2への取付も、ビス、ボルト・ナットなど公知の取付手段を用いて行えば良い。また、この保持部材5の素材(材質)構成としては、主にアルミの押出し材が使用されるが、保持強度を保てばその他の公知の材料、例えば前記新設外装材4の大きさ、所要強度により通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成型しても良い。
【0012】
図示実施例では、面板部41の両側縁に略左右対称な側縁成形部42を有する縦葺屋根板である新設外装材4を敷設してなり、新設外装材4の側縁成形部42は、面板部41側の高さの途中のみに、保持部材5の被嵌合部52に保持される嵌合部421を備え、該嵌合部421の外方に、隣り合う縦葺屋根板と互いに重合する重合部422を備え、敷設状態において上側に位置させた重合部422(上側重合部422A)の端部が下側に位置させた重合部422(下側重合部422B)に弾性的に当接する縦葺屋根構造を採用した。
【0013】
図示実施例に用いられた新設外装材4では、面板部41は略平坦状であり、その両側縁に略左右対称に形成された側縁成形部42は、面板部41の側縁を外方へ略傾斜状に立ち上げ、その上端を外方へ傾斜状に折り下げられた形状である。面板部41側の立ち上がり片の高さの途中には、断面略く字状に面板部41側へ窪んだ形状の嵌合部421が形成され、この嵌合部421より上方の折り上げ片とその上端から折り下げられた折り下げ片とで断面逆V字状の重合部422が形成されている。折り下げ片は、下端内側にあざ折りが形成されている。その施工(接続)状態においては隣り合う側面成形部42,42で桟状の山部が形成される構成である。
【0014】
図示実施例に用いられた保持部材5は、略左右対称の通し部材であって、下面が断熱層上に接する断面略矩形状の下枠部とその上の連結首部とその上の断面略三角形状の上枠部とからなる。上枠部の側端が前記新設外装材4の嵌合部421と弾性嵌合する被嵌合部51であり、前記受け部材2への固定部52は、下枠部の左右底面に位置する水平片としたが、適宜間隔で連結首部を切断して下枠部の上面から断熱層を介して受け部材2(の上フランジ23)へ固着具53を打ち込むようにしても良い。さらに、上枠部の略傘状の上面は重合部422を裏面側から受支する受支部54である。
【0015】
前記新設外装材4及び保持部材5を用いて新設屋根を施工するには、一般の嵌合式の屋根板と同様に施工するものであり、前記保持部材2を断熱層上に沿わせ、受け部材2へ固着具53を打ち込んで取り付け、これに前記新設外装材4を弾性嵌合により施工するものである。
但し、新設外装材4を敷設するに際し、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて(より)水上側に敷設する新設外装材4の重合部422(上側重合部422A)を、(より)水下側に敷設する新設外装材4の重合部422(下側重合部422B)の上に重合させる。
【0016】
この図示実施例の新設屋根では、上側重合部422Aの端部が下側重合部422Bに弾性的に当接して隙間を生じないので、風雨によるまくれ上がりや、塵・埃等の堆積を防ぐことができる。そのため、風雨に対して信頼性の高いものとなる。
また、新設外装材4は、屋根面の傾斜や風向き等の諸条件に応じて上側重合部422A及び下側重合部422Bを設定するが、略左右対称な側縁成形部42,42の面板部41側のみに嵌合部421を設けているので、左右どちら側からでも施工することができ、施工作業を容易に行えて工期の短縮およびコストの削減を図ることができる。さらに、物品として製造成形性の点でも優れている。
【0017】
さらに、本発明の改修方法における第2工程の後に、新設屋根の上に空間部9を介して太陽エネルギー集積装置8を取り付けるようにしても良い。
【0018】
図示実施例では、新設屋根の桟状の山部に1つおきに架台受金具6が取り付けられ、取り付けられた複数の架台受金具6に跨って左右方向に架台7を固定し、該架台7上に太陽エネルギー集積装置8を取り付けた構造が採用されている。
架台受金具6は、対向する左右一対のピース材6A,6Aと、それぞれの上端に溶接等により固定された断面U字状のピース材6Bと、左右のピース材6A,6Aを連結するための連結具(ボルト・ナット)6Cからなる。左右のピース材6A,6Aは、桟状の山部の形状に沿うように成形され、左右から挟み込むように山部にビス61で固定され、断面U字状のピース材6Bは、その内部に断面逆U字状の架台7を受けてビス62にて固定している。太陽エネルギー集積装置8については、架台7に固定されるものであれば公知のどのような装置等を採用しても良く、光エネルギーを電力へ変換して集積する太陽電池(結晶タイプ、非結晶タイプ、アモルファス)と外装材を一体化したものでも、太陽電池をフレーム等で枠組みしたパネルでも良いし、或いは輻射熱などの熱エネルギーを空気や水等を媒体として集熱する装置であっても良い。
【0019】
このような構成を有する本発明の改修構造は、既設屋根1の上に隙間なく断熱層が形成されるので、既設屋根に依存することなく断熱性能を確保することができるものである。しかも、従来の構造のように既設屋根の谷部形状に応じて成型した断熱材を用意する必要ないので、極めて効率的である。
【0020】
特に図示実施例の改修構造では、前述のように流れ方向に隣接する断熱材3,3を受け部材2の配設箇所で重合し、受け部材2が断熱層内に位置するようにしたので、受け部材2を断熱材3で覆って熱橋を防ぐことができる。
【0021】
また、図示実施例では、受け部材2の上フランジ23が断熱材3の軒棟方向の重合部(空間部36)に位置し、縦片22が断熱材3の軒端を係止するように配し、さらに保持部材5の固着具53を断熱材3を通して上フランジ23に打ち込んだので、断熱材3は、これら受け部材2及び固着具53により流れ方向にずれ動くことがなく、隙間の形成を防止することができる。
【0022】
さらに、図示実施例では、新設屋根の上に太陽エネルギー集積装置8を取り付けるようにしたので、既設屋根1の老朽化に伴う改修に加えて付加機能化が果たされる。
また、新設屋根としての縦葺き屋根の接続部から架台受金具6などにより架台7を持ち出すことで太陽エネルギー集積装置8と新設屋根間に空間部9を形成するようにしたため、さらに優れた断熱構造となり、またこの空間部9によって太陽電池等の温度上昇による発電効果の低下を防ぐことができる。
【0023】
図3(図4は要部拡大図)に示す第2の実施例では、既設屋根1、新設屋根、及び太陽エネルギー集積装置8については前記第1の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例は、改修方法の第1工程において、受け部材2の配設と断熱材3の配設を断熱材3を先に配設するか、或いは予め受け部材2を断熱材3に組み合わせて同時に配設する例である。
【0024】
図示実施例の断熱材3は、独立気泡を有する硬質の発泡ポリスチレンにて成形される横長の矩形状であって、表面側に左右方向に沿う2本の凹状受部38が形成され、この凹状受部38は、断熱材3の配設時には流れ方向に直交するものとなる。この凹状受部38は、底面中央が隆起する形状としたが、受け部材2の形状に応じて適宜形状とすればよい。また、1本の受け部材2を配するにもかかわらず2本の凹状受部38を設けているが、それは2本の凹状受部38のうち、軒側の凹状受部38に対して左右方向に隣接する断熱材3の棟側の凹状受部38が連続するように配設したからであり、この左右方向の接続を恰も長尺な一枚の断熱材3のようにテープ状に行うようにしても良い。
【0025】
図示実施例の受け部材2は、下側に位置する断面U型材21と上側に位置する断面W型材22とをビス24にて組み合わせた構成であり、前記断熱材3の凹状受部38に嵌入させて配設する。前記第1の実施例と同様の熱橋防止効果を得るためには、上記型材21,22のうち何れか一方、例えば断面U型材21を金属素材で形成し、断面W型材22を樹脂成型材などの断熱作用を有する素材で形成しても良いし、両方を断熱作用を有する素材で形成しても良い。或いは下側の断面U型材21から既設屋根1の山部17の頂部へ固定する固定具23や、上側の断面W型材22に保持部材5を固定する固定具53を断熱作用をする素材(断熱ボルト等)で形成しても良い。
【0026】
図5に示す第3の実施例では、既設屋根1、及び太陽エネルギー集積装置8については前記第1の実施例と同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この例は、改修方法の第1工程において、受け部材2の配設と断熱材(下側断熱材3A)の配設を受け部材2を先に配設するものである。
【0027】
図示実施例の受け部材2は、断面ハット形状の金属材であり、既設屋根1の山部17の頂部(剣先ボルト14などを避けて)に位置するように配設して固定するものである。
【0028】
図示実施例の断熱材は、前記断面ハット形状の受け部材2の高さと略同一の厚みを有する下側断熱材3Aと、受け材2上に連続状の断熱層を形成する上側断熱材3Bの2層からなり、それぞれ独立気泡を有する硬質の発泡ポリスチレンにて成形される。
上側断熱材3Bは、略中央に山部、左右側縁に平坦部を備える形状であって、前記図1の実施例における断熱材3と同様に、その表面側には流れ方向に沿う複数の排水溝37が形成され、左右の端部には隣接する上側断熱材3Bと重合可能な被重合部31及び重合部32が設けられ、これらを重合させた重合部分内に排水用の空間部33が形成されるようにした。
そして、施工後の構造では、上側断熱材3Bの山部上には隣接する新設外装材4,4の側縁が、上側断熱材3B,3Bの接続部分上には新設外装材4の谷部(平面部43)が位置するように敷設する。
【0029】
また、図示実施例の保持部材5は、下方に位置するタイトフレーム5Aと、その中段に位置する断熱金具5Bと、上方に位置する受金具5Cをボルトの締着により組み合わせる構成である。タイトフレーム5Aは、前記断面ハット形状の受け部材2に固定され、上側断熱材3Bの下面を支持する。断熱金具5Bは、上側断熱材3B内に埋設状に配設される。受金具5Cは、上側断熱材5B上に突出して配設される。
断熱金具5Bは、樹脂製の筒体であり、上方の受金具5C側と下方のタイトフレーム5A側とを断熱するものである。また、その上端には受金具5Cと連結するためのボルト55が一体に取り付けられている。
受金具5Cは、新設外装材4が取り付けられる受け部分56を備える構成であり、後述する新設外装材4の寸法、所要強度等に応じて通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成形され、それぞれ前後に左右対称形状に形成された受け部分56が起立する断面U字状に成形されたピース材である。施工に際しては、上側断熱材3B及び断熱金具5Bを敷設、固定した後、底面部分を前記断熱金具5Bと接合(ボルトナットによる締着)する。受け部分56の上端及び左右側縁には、外装材5と弾性係合(嵌合)する第2被係合部562及び第1被係合部561が設けられている。
【0030】
図示実施例の新設外装材4は、1つの谷部(平面部43)と、左右側縁に取付手段を有する成形部44とを備える縦葺き折板であって、新設外装材4の左右側縁の成形部44に設けられる取付手段は、前記第1被係合部561及び第2被係合部562にそれぞれ弾性係合する断面略く字状の第1係合部441及び断面U字状の第2係合部442である。この新設外装材4を前記保持部材5,5の配設間隔に配設することにより、各係合部441,442が各被係合部561,562に係合し、弾性的に保持される。
図示実施例のカバー材40は、隣り合う新設外装材4,4間を覆い、新設外装材4を介して保持部材5に保持される構成であり、前記新設外装材4と同様の素材からなる。このカバー材40の左右側縁には新設外装材4に弾性嵌合するための取付手段が設けられている。
【0031】
そして、これら新設外装材4と上側断熱材3Bとを配設した状態において、上側断熱材3Bの山部上に隣接する新設外装材4,4の側縁が、新設外装材4の谷部(平面部43)裏面に隣接する上側断熱材3B,3Bの側縁(接続部分)がそれぞれ位置するように敷設する。
【0032】
この図示実施例では、受け部材2の上面と下側断熱材3Aの上面を略同一レベルにすると共に、該受け部材2と下側断熱材3A上に上側断熱材3Bからなる連続状の断熱層を介在して新設屋根を敷設した構造であるため、断熱層が2層形成されることとなり、断熱材の不連続箇所を無くすことができる。
また、図示実施例の新設屋根は、新設外装材4の側縁と上側断熱材3Bの側縁を鉛直方向のずれた位置に配置したため、新設外装材4の側縁からの侵入水は上側断熱材3Bの側縁に至ることがなく、その裏側へ回り込むことがない。
【0033】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の屋根の改修構造は、既設屋根の山部形状に応じて取付具(金具)を用意する必要がなく、谷部形状に応じて断熱材を用意する必要がないので、多種の既設屋根に対して適用することができ、極めて実用的価値が高いものである。また、施工された改修構造は、既設屋根の上に断熱材を介して新設屋根が施工されているため、新設屋根に作用する外気温の影響を断熱材が遮断するため、室内は快適な環境に維持される。
【0035】
また、断熱材を、受け部材の配設箇所で流れ方向に重合すると共に、受け部材上に断熱層を形成すると、受け部材を断熱層で覆って熱橋を防ぐことができる。
【0036】
さらに、受け部材上面と断熱材上面を略同一レベルにすると共に、該受け部材と断熱材上に異なる断熱層を介在して新設屋根を敷設すると、断熱層が2層形成されることとなり、断熱層の不連続箇所を無くすことができる。
【0037】
また、新設屋根上に空間部を介して太陽エネルギー集積装置を取り付けると、既設屋根の老朽化に伴う改修に加えて付加機能化が果たされるものとなる。しかもこの空間部は、太陽エネルギー集積装置と新設屋根間を熱的に隔てる断熱空間として作用するため、太陽電池等の温度上昇による発電効果の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の改修構造の第1の実施例を示す側断面図、(b)その正面図である。
【図2】(a)図1の改修構造の要部を示す拡大側断面図、(b)拡大正面図である。
【図3】(a)本発明の改修構造の第2の実施例を示す側断面図、(b)その正面図である。
【図4】(a)図3の改修構造の要部を示す拡大側断面図、(b)拡大正面図である。
【図5】(a)本発明の改修構造の第3の実施例を示す側断面図、(b)その正面図である。
【符号の説明】
1 既設屋根
17 山部
18 谷部
2 受け部材
3 断熱材
4 外装材
5 保持部材
8 太陽エネルギー集積装置
Claims (5)
- 山部、谷部が交互に形成される既設屋根の改修構造において、
既設屋根の山部に、少なくとも2つ以上の山部に跨る長さの受け部材を流れ方向に交わるように複数固着すると共に、該受け部材間に断熱材を左右方向に重合させて配設し、
前記受け部材に新設屋根の外装材保持部材を固着すると共に、該保持部材に外装材を保持させることにより新設屋根を敷設したことを特徴とする改修構造。 - 断熱材は、受け部材の配設箇所で流れ方向に重合すると共に、受け部材が断熱層内に位置することを特徴とする請求項1に記載の改修構造。
- 受け部材上面と断熱材上面を略同一レベルにすると共に、該受け部材と断熱材上に異なる断熱層を介在して新設屋根を敷設することを特徴とする請求項1又は2に記載の改修構造。
- 新設屋根上に空間部を介して太陽エネルギー集積装置を取り付けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の改修構造。
- 山部、谷部が交互に形成される既設屋根の改修方法において、
既設屋根の山部に、少なくとも2つ以上の山部に跨る長さの受け部材を流れ方向に交わるように複数固着すると共に、該受け部材間に断熱材を左右方向に重合させて配設し、
前記受け部材に新設屋根の外装材保持部材を固着すると共に、該保持部材に外装材を保持させることにより新設屋根を敷設することを特徴とする改修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002248998A JP3747191B2 (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 改修構造及び改修方法 |
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