JP2004084066A - マグネシウム合金多孔質体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のマグネシウム合金多孔質体は、Mgを主成分とし、全体を100質量%としたときに5〜40質量%のAlと15ppm以上のHとを含有したマグネシウム合金溶湯を調製する溶湯調製工程と、このマグネシウム合金溶湯を冷却凝固させる過程で水素ガス(H2)を発泡させて内部に多数の空孔を形成させる凝固工程とを経て得られ、全体を100体積%としたときの空隙率が5〜85体積%の多孔質体からなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金からなる多孔質体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム(Mg)は、実用金属材料中で最も軽量であり比強度に優れると共に、資源が豊富で、リサイクル性にも優れる。このため、軽量化や環境負荷の低減等が強く求められる昨今、Mgは有望な金属材料であり、各種分野の各種製品に、MgまたはMg合金が使用されつつある。
例えば、自動車等の車両分野では、Mg合金製のカバー・ケース類やホイールなどが開発されており、軽量化に伴う省エネルギー化や運動性能の向上等が図られている。また、電気機器の分野でも、ノート型パソコンや携帯電話等の筐体にMg(またはその合金)が使用され、モバイル機器のさらなる軽量化やリサイクル化が図られている。
【0003】
さらに最近では、各種構造部材の一層の軽量化や、高性能な衝撃吸収体、断熱材、消音材等の提供を可能とするMg(合金)の多孔質体が開発されつつある。
多孔質体に関する提案自体は、古くから多数なされており、例えば、下記特許文献等にその開示がある。
しかし、これらは、その実施例を観れば解るように、Alを主成分としたAl合金に関するものが多く、Mg合金に関するものは少ない。上記公報中でも、Mg合金に関する多孔質体は、下記の特許文献5および特許文献6に開示されている程度である。
【0004】
特許文献5には、「金属発泡体の製造方法」として、半溶融状態の合金溶湯中に発泡剤である水素化チタンを比較的多く添加して、その溶湯を鋳型内に注湯した後、さらに所定の温度に加熱して、その発泡剤を発泡させ、金属発泡体を製造する方法が開示されている。但し、Mgを主成分とする金属発泡体は、その公報中の実施例2に唯一示されているに過ぎない。
特許文献6には、「多孔質体の製造方法」として、Mg粉末と比較的多くの発泡剤とを容器に封入して押出し成形し、その塑性変形時に生じる発熱で発泡剤を発泡させて、金属発泡体を製造する方法が開示されている。
【0005】
これらの他、Mg(合金)溶湯中にH2ガスを強制吹き込みして多孔質体を製造する方法や、多孔質の石膏型を用いてMg合金の多孔質体を製造する方法が下記の非特許文献1等で提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特公昭36−20351号公報
【特許文献2】
特公昭39−803号公報
【特許文献3】
特公昭50−31082号公報
【特許文献4】
特開平7−233428号公報
【特許文献5】
特開平9−241780号公報
【特許文献6】
特開2001−342503号公報
【非特許文献1】
Y.Yamada、K.Shimojima、et al.、J.Master.Sci.Lett、18(1999)、1477
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
周知なように、Mgは非常に活性で、酸化、燃焼を生じ易い。このため、Mg合金を加熱溶融したり、得られた溶湯を鋳造する際には、通常、防燃ガスやフラックスを用いて、その溶湯が酸化、燃焼しないようにしている。
このようなMg合金溶湯中へ、前述したように、発泡剤を多量に添加して化学反応を生じさせたり、ガスを強制的に吹き込んだりすると、Mg合金溶湯が燃焼したり爆発したりする可能性が高い。このため、そのような鋳造作業等を、通常の設備で実施することは極めて難しい。また、その鋳造作業も煩雑となり、生産コストの上昇を招く。さらに、発泡剤である水素化チタン等は高価であると共に、その中に含まれるTi等の元素は、Mg合金の腐食原因となるため、発泡剤の多量な使用は好ましくない。
【0008】
また、上記特許文献6に開示された製造方法では、Mg粉末を用いているが、その取扱いが一層難しいこと、また、多量の発泡剤を使用し、複雑な工程を行わなければならないこと等を考慮すると、実用的な方法とはいえない。
さらに、多孔質の石膏型を使用する場合も、石膏型の製造や鋳造後の石膏型の除去等、極めて煩雑で高コストな作業を必要とすることから、同様に、あまり実用的な方法とはいえない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、発泡剤等の添加を必要とせず、比較的簡易に製造できるMg合金からなる多孔質体を提供することを目的とする。また、その製造に適した方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、水素を含有したマグネシウム原料(以下、適宜、「Mg原料」という。)を用いることを思いつき、本発明を完成するに至った。
(マグネシウム合金多孔質体)
本発明のマグネシウム合金多孔質体(以下、適宜、単に「多孔質体」という。
)は、Mgを主成分とし、全体を100質量%としたときに5〜40質量%のAlと15ppm以上のHとを含有したマグネシウム合金溶湯(以下、適宜、「Mg合金溶湯」という。)を調製する溶湯調製工程と、このMg合金溶湯を冷却凝固させる過程で水素ガス(H2)を発泡させて内部に多数の空孔を形成させる凝固工程とを経て得られ、全体を100体積%としたときの空隙率が5〜85体積%の多孔質体からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の多孔質体は、そもそも軽量なMgを主成分としていることに加えて、5〜85体積%もの空孔を内包しているため、見かけ上、一層軽量(低密度)なものとなっている。
この多孔質体を利用すれば、従来になく、各種部材の軽量化を図れ、例えば、軽量で高剛性な部材等も容易に得られる。また、上記軽量化に加えて、多孔質体であることを利用して、従来になく高性能な衝撃吸収体、断熱材、防音材、消音材等をも得ることが可能である。さらに、この多孔質体からなる鋳物は、これまで抑制、制御が難しかった、鋳造時の引け、割れ等の鋳造欠陥の少ないものが得られる。
【0012】
(マグネシウム合金多孔質体の製造方法)
本発明は、上記多孔質体に限らず、その多孔質体を容易かつ効率的に得られる製造方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、Mgを主成分とし、全体を100質量%としたときに5〜40質量%のAlと15ppm以上のHとを含有したMg合金溶湯を調製する溶湯調製工程と、このMg合金溶湯を冷却凝固させる過程で水素ガス(H2)を発泡させて内部に多数の空孔を形成させる凝固工程とからなることを特徴とするマグネシウム合金多孔質体の製造方法としても良い。
【0013】
さらに本発明は、以上のことを踏まえて、Mgを主成分とし、未発泡状態のHを15〜100ppmとAlを5〜40質量%とを少なくとも含有するMg合金溶湯を調製する溶湯調製工程と、このMg合金溶湯を鋳型に注湯して冷却凝固させる凝固工程とを経て得られ、該凝固工程中に該Mg合金溶湯中から水素ガス(H2)が放出されて空孔が形成された、空隙率が5〜85体積%の多孔質体であることを特徴とするマグネシウム合金多孔質体またはその製造方法とすることもできる。
【0014】
ところで、本発明の場合、何故、良好な多孔質体が容易に得られるのか、その詳細は必ずしも明らかではないが、現状、次のように考えられる。
先ず、MgはHを吸収し易い金属であり、Mg中における水素溶解度は大きい。これに対し、AlはMgよりもHを含有し難く、Mg中にAlを加えたMg−Al合金中ではMg中よりも水素溶解度は低下する。
【0015】
Mgの水素溶解度は、その温度が高い程、また、固相より液相で、より大きくなる。特に、固相から液相に相変態する際、その水素溶解度は急増し、逆に、液相から固相に相変態すると水素溶解度は急減する。例えば、H含有量の多いMg原料(固相)を加熱して溶湯(液相)にしても、相変態により水素溶解度が急増する方向に作用するため、この段階ではH2が放出されることはない。同様に、Mg溶湯にAl原料を添加したり、Mg原料とAl原料とを一緒に加熱したりして調製したMg−Al合金溶湯の場合であっても、その溶湯からH2が放出されることはない。
【0016】
次に、Mg−Al合金溶湯を鋳型等に注湯して冷却する。すると、その溶湯中で、Mg量がAl量よりも多いことから、先ず、α−Mg相が晶出する。通常、このα−Mg相の晶出によってH2が放出されることはない。α−Mg相(固相)中におけるH含有量が飽和状態にあったとしても、余剰のHは、その周囲に存在する桁違いに大きな水素溶解度をもつ溶湯中へ溶解し吸収されるからである。
そのα−Mg相の晶出が進行して、溶湯中の液相組成がMgとAlとの共晶点に達すると、MgとAlとの共晶が晶出し出す。これにより余剰なHは、その周囲にある合金溶湯中へさらに追いやられていく。一方で、凝固の進行とともに、残液中での水素溶解度を上回る余剰の水素は、水素ガスとして発泡を開始する。
【0017】
そして、高濃度のHが含有されたMg−Al合金溶湯が最終的に凝固する際、水素溶解度が相変態に基づいて急減するため、固相に対して過飽和状態となる余剰なHは、H2ガスとして一気に放出されると考えられる。本発明者の実験によると、このH2の発泡が最終的に生じる温度は437℃程度であった。
ここで、本発明の場合、HがH2ガスとして放出されるタイミングは、溶湯の凝固終了間際、つまり溶湯中の固相率が高いときである。そのため、溶湯の粘度は相当高くなっており、共晶部分から放出されたH2は、溶湯の外部へ容易には抜け出すことはできない。従って、その放出されたH2が高粘度の溶湯中に内包された状態となったまま、残余の溶湯が凝固することとなる。
【0018】
また、このH2が放出される時点において、Mg−Al合金溶湯は固液共存状態(半溶融状態)にあり、固相の周囲が液相によってほぼ均一に取巻かれた状態(いわゆる粥状)となっている。そして、この合金溶湯が凝固を完了する際、H2は鋳物内にほぼ均一に分布した液相部分から放出される。こうして、略球状の空孔が鋳物全体にほぼ均一に分散した多孔質体が形成されたと考えられる。
【0019】
なお、前述の従来技術のように、発泡剤を使用し、この発泡剤からH2を発泡させる場合、その発泡時期は凝固時期とずれたものとなる。このため、安易に溶湯等の温度を上昇させて発泡剤を発泡させると、発生したH2は、高温で粘度の低い溶湯中から容易に外部へ散逸するおそれがある。そこで、発泡したH2を溶湯内に閉じこめておくために、粘増剤等を使用したり、閉鎖されたキャビティ内で発泡させ、ガスの放出を防止したりする必要が生じる。
これに対し本発明の場合、Mg合金(特に、Mg−Al合金)が液相から固相へ相変態する際に生じる水素溶解度の差を利用して、過飽和なHをH2として発泡させるものであって、発泡時期は、合金溶湯の凝固完了直前がもっとも顕著となるため、略球状の空孔がほぼ均一に分散した多孔質体が簡易に得られる。参考までに、Mg合金中の水素溶解度と温度との関係を示す溶解度曲線(一例)を図7に示した。図7から、Mg−Al合金の水素溶解度が純Mgの水素溶解度よりも低いこと、液相から固相に相変態することにより水素溶解度が急激に低下することが解る。
ちなみに、Al以外の合金元素を含む合金(図7ではAl−Ni合金)は、水素溶解度が純Mgよりも大きく、Mg原料として純MgインゴットよりもMg合金インゴットを使用する方が、Mg合金溶湯中により多くのHを含有させ易いことが明らかである。
【0020】
ところで、このような凝固の最終段階でH2を放出させるには、凝固完了前の溶湯中に、その固相の水素溶解度に対して過飽和なHの存在が前提となる。従って、Mg原料中のH含有量と、添加または配合するAl原料の割合とは、そのような凝固の最終段階で、Hが過飽和状態となるように調整されるのが好ましい。
【0021】
Mg合金溶湯中のH含有量は、15ppm以上であることが望ましい。これよりも少ないと、Mg−Al合金溶湯中からH2の発泡が十分になされないからである。そのH含有量は、20ppm以上、25ppm以上、30ppm以上、40ppm以上、50ppm以上さらには60ppm以上であると好ましい。
本発明では、H含有量の上限を特に問題としない。Alの含有量にも依るが、H含有量が多い程、高空隙率の多孔質体が得られるからである。但し、あまりにもMg合金溶湯中のH含有量を多くすると、凝固開始前の冷却過程や凝固開始直後に発泡を生じて、粘度の低い溶湯中から発泡したH2が放出されてしまいかねない。従って、Hの含有量は、前述したように、H2の発泡時期が溶湯の凝固の進行中および凝固完了時期に近くなる程度が好ましい。
【0022】
Mg合金溶湯中のH含有量は、Mg原料中の水素溶解量によっても大きく影響される。例えば、純マグネシウムインゴット(以下、適宜、「純Mgインゴット」という。)をMg原料とする場合、最大で50ppm程度のHを含有している。マグネシウム合金インゴット(以下、適宜、「Mg合金インゴット」という。
)をMg原料とする場合、合金元素の種類および合金量にも依るが、水素溶解度がより大きくなるので、最大で100ppm程度のHを含有している。
【0023】
勿論、Mg合金溶湯中へのHの供給源は、これらのMg原料のみとは限らない。例えば、Hの供給源として、水素化物(例えば、水素化チタン)等をMg合金溶湯に添加等して、H含有量を増加させても良い。また、Hを含有したMg原料と水素化物等との両方をHの供給源として、Mg合金溶湯中のH含有量をより大きくしても良い。この他、Mg合金溶湯の水素溶解度は大きいので、吸着ガスの多いインゴット(例えば、小塊のインゴット)を原料として使用したり、溶湯への水蒸気の吹きつけ、溶湯の撹拌等によっても、Mg合金溶湯中のH含有量を容易に増加させることができる。いずれにしても、このような方法により、本発明の溶湯調製工程で、Mg合金溶湯中の水素溶解量を増加させることができる(水素増量工程)。
【0024】
なお、本発明は、あくまでも相変化に伴う水素溶解度の急減を利用してH2を発泡させるものであって、水素化物等の発泡剤を直接的に発泡させるものではない。このため、水素化物等を利用するとしても、その使用量は僅かで良い。
さらに、MgやMg合金は本来Hを含有し易いので、発泡に十分なHを含有した純MgインゴットやMg合金インゴット等のMg原料を得ることは、本来容易である。しかも、そのようなインゴット等は、通常行われるHの脱ガス処理を省略したり省力化等できる分、安価に入手可能である。このようなインゴット等を原料として使用して、マグネシウム合金の多孔質体を工業的に量産すれば、水素化物等をMg合金溶湯中へ添加する必要もなく、空隙率の大きな多孔質体を一般的な鋳造設備を使用しつつ、より低コストで容易に得られる。ちなみに、こうして得られた純MgインゴットのH含有量は、例えば、15ppm以上であり、Mg合金インゴットのH含有量は、例えば、30ppm以上である。特に、Al以外の合金元素(溶解度向上元素)を含むMg合金は、純Mgに対して水素溶解度が大きくなるため、より多くのHを含有していることが多い。
【0025】
Mg合金溶湯中のH含有量が多いほど、発泡し易く、より低密度の多孔質体が得られるが、H含有量は、所望する多孔質体の密度、添加または配合するAl量、製造工程(例えば、凝固工程における冷却速度)等を考慮して、本来自在に決定されるのが好ましい。
しかし、水素化物等を添加せずに、Mg原料のみでMg合金溶湯中のH含有量を調整することは通常困難である。そこで、Hを含有した安価な純Mgインゴット等を使用しつつ、Al量、凝固工程中の冷却速度等を制御して、H2の発泡量や空孔の形態等を調整することが好ましい。
【0026】
例えば、Mg原料中のH含有量を15ppm以上とした場合、合金溶湯中におけるAl量は、全体を100質量%としたときに5〜40質量%、10〜40質量%、さらには15〜30質量%とするとより好ましい。
Al量が6質量%未満では、Mg原料と溶製したMg−Al合金との水素溶解度の差が小さく、共晶の晶出量も少なくなるため、水素溶解度差を利用してH2を十分に発泡させることが困難となる。一方、Al量が40質量%を超えると、逆に、Hを含有したMg原料が少なくなるため、合金溶湯中のH量も相対的に少なくなり、やはり水素溶解度差を利用してH2を十分に発泡させることが困難となる。これに加えて、Al量が40質量%を超えると、脆弱なMg−Al化合物の晶出量が増えて、多孔質体の機械的特性の低下を招くため好ましくない。
【0027】
本発明の多孔質体は、例えば、一般的な鋳造設備を用いて、通常の鋳造方法により得られる。但し、合金溶湯をあまりにも急速に冷却させると、Hの拡散、H2ガスの核発生が十分になされなくなる。その結果、H2が放出される間もなく凝固工程が終了してしまい、空孔が均一分散した良好な多孔質体が得にくくなる。
【0028】
この観点から、凝固工程における冷却速度は10℃/sec以下、望ましくは5℃/sec以下とするのが好ましい。一方、この冷却速度があまりに遅いと、発泡した水素ガスの結合が進み、粗大な空孔が形成されるために、多孔質体の機械的特性の低下を招いたり、多孔質体の製造に長時間を要して生産性が低下したりする。このような観点から、冷却速度は0.1℃/sec以上、望ましくは0.2℃/sec以上とするのが好ましい。つまり、冷却速度は0.1〜10℃/sec、より望ましくは0.2〜5℃/secが好ましい。
【0029】
なお、本発明に係る多孔質体は、その用途や形態等を問題とはしない。前述したように、構造部材の軽量化のために使用されても良いし、衝撃吸収材、断熱材、防音・消音材等として使用されても良い。また、その形態等も問わず、板状、棒状、塊状等の素材でも、それらを加工した加工物等であっても良い。
また、多孔質体の空孔形成元素(ガス)として水素を利用しているのは、水素が、酸素や窒素等と異なり、Mgと反応し難く、Mg中への溶解度が大きい唯一のものだからである。ちなみに本明細書中では、統一的に「Hが溶解している」といったような表現を用いているが、これには、液相中のみならず、固相中にHが含有されているとき(いわば固溶状態にあるとき)も、適宜含まれる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。なお、以下に述べる内容は、本発明に係る多孔質体のみならず、その製造方法についても適宜該当するものである。
(1)Mg原料とAl原料
Mg−Al合金溶湯の調製に使用するMg原料やAl原料は特に問わない。凝固工程で発泡を生じるMg合金溶湯が得られれば十分である。勿論、15ppm以上のHを含有した純MgインゴットやMg合金インゴットであれば、別途、Mg合金溶湯中へのHの供給を省略できるので好ましい。しかし、そうでなくても、水素化物を添加等してMg合金溶湯中に所望のH含有量を確保しても良い。
【0031】
勿論、入手可能な市販のMgインゴット等に当初からHが含有されていると、原料費の低減となり好ましい。また、Hを含有するMg原料を使用することで、合金溶湯中にHを吹込む等の危険を伴う作業を行う必要もなく、特殊で高価な装置等も必要としないで済み、発泡剤等を多量に使用する必要もない。
【0032】
このMg原料は、上記インゴットに限らず、それを粗粉砕した粒状物や粉末等でも良い。但し、Mg原料の添加元素等にもよるが、基本的にMg原料は非常に活性であるため、表面積の大きな粉末等では取扱性が悪い。どのような形態であれ、加熱溶融することを考えれば、Mg原料は、取扱性に優れ入手容易なMgまたはMg合金のインゴットが好ましい。
Mg原料やAl原料は、上記純Mgや純Al等に限らず、適宜、マグネシウム合金の特性を向上させる元素を適宜含有していても良い。このような元素は、Al以外に、Mn、Zn、Sn、Sr、Sb、Zr、Ca、Si、希土類元素(RE)等がある。
【0033】
特に、Mg原料の場合、純マグネシウムに対して水素溶解度を大きくする溶解度向上元素を含有したマグネシウム合金からなるMg合金インゴットであると好ましい。このような溶解度向上元素は、基本的にAl以外の元素である。具体的にいえば、Ni、Mn、Ca、Sr、Zn、Sn、Cu、SbまたはZrなどがある。溶解度向上元素は、これの1種以上からなると好ましい。
【0034】
これら元素の内、例えば、Mnは、腐蝕原因となるFe等の不純物除去に有効な元素であり、多孔質体の耐蝕性を向上させ得る元素である。合金溶湯中にMnが0.1〜2質量%含有していると好ましい。Mnが0.1質量%未満では、その効果がほとんどない。一方、Mnは水素溶解度が大きな元素であるため、H2を効果的に放出させるために、Mnが2質量%以下が良い。
ZnもMnと同様の効果を発揮すると共に多孔質体の室温強度等を向上させる元素である。Mnと同様理由により、Znも0〜10質量%であると好ましい。
【0035】
Zrは、晶出するα−Mg結晶粒を微細化し、同時に空孔の均一分散に有効であり、多孔質体の機械的特性を向上させる元素である。Zrは0〜1質量%であると好ましい。少ないとその効果がなく、多過ぎると合金溶湯の融点を上昇させ鋳造性が悪くなる。
CaやSiは、多孔質体の高温強度やクリープ特性等の耐熱性を向上させる元素である。この観点からすると、Caは0〜5質量%、Siは0〜2質量%であると好ましい。
REは、多孔質体の耐蝕性、耐熱性を向上させる元素である。この観点からすると、REは0〜5質量%であると好ましい。
【0036】
ところで、Ca、SiおよびRE等は、合金溶湯の粘度を上昇させる元素でもある。従って、Mg合金溶湯がこれらの元素を増粘剤として、例えば、全体を100質量%としたときに合計で0.1〜10質量%、さらには0.5〜5質量%含有すると好適である。それらの元素が、0.1質量%未満ではその効果がなく、10質量%を超えると合金溶湯が高粘度となり過ぎて鋳造性が低下する。
【0037】
本発明の多孔質体もMg合金からなることに変わりないから、その実用性を考えると、耐蝕性も重要となる。この観点から、本発明の多孔質体が、腐食原因となる元素を含有しないことが好ましい。例えば、Ti、Cr、Fe、NiおよびCu等を実質的に含まないようにするか、それぞれの元素が1質量%以下となるようにするのが好ましい。なお、「実質的に含まない」とは、不可避不純物としてそれらの元素を含有する場合までは除かない趣旨である。
【0038】
ここで、NiやMn等は、Mg原料中の水素溶解度を大きくする元素である。
このため、それらの元素を含むMg合金からなるMg原料を使用すれば、Mg合金溶湯中へHをより多く供給することが可能となる。一方、NiやMn等は、Mg合金(固相)の水素溶解量を大きくすることから、一見、凝固工程中のH2の発泡を妨げるようにも思える。しかし、本発明では、Mg合金溶湯中に比較的多くのAlを含有させているので、このような事態は回避される。何故なら、Mg合金溶湯中で、AlはNiやMn等と化合物を形成して坩堝等の下部へ沈降して、Mg合金溶湯中のNiやMn等の濃度は低くなる。加えて、そのMg合金溶湯中のAl濃度が高いために、水素溶解度は著しく低下し、凝固工程中に十分な発泡を生じるからである。また、Ni等の腐蝕元素は、このようにAlと化合物を形成して沈降し、その濃度が低下するため、Ni等を含有するMg原料を使用したとしても、多孔質体の耐蝕性の低下が抑制される。
【0039】
(2)空隙率
空隙率とは、多孔質体中に占める空孔の体積割合であるが、具体的には次のようにして求められる。
所定サイズの鋳型にMg−Al合金溶湯を鋳造して多孔質体を作製する。得られた鋳物の重量および体積を測定してその多孔質体の密度(ρ)を求める。同様に、健全な(多孔質体でない)Mg−Al合金鋳物を作製してその密度(真密度:ρ0)を求める。そして、それら両密度(ρ、ρ0)から、1−(ρ/ρ0)により空隙率を求められる。
【0040】
本発明の多孔質体の場合、その空隙率は、例えば、5〜85体積%である。5体積%未満では、構造部材の軽量化、衝撃吸収性、断熱性または吸音性等を十分に図ることができない。一方、空隙率が85体積%を超えると、前述した本発明の製造方法によって多孔質体を安価で製造することが難しくなる。生産性、強度、軽量性等を考慮して、空隙率が10〜70体積%であるとより好ましい。
【0041】
(3)溶湯調製工程
本発明の溶湯調製工程で調製するMg合金溶湯は、所定量以上のHを含有したMg−Al合金溶湯であれば、使用する原料、Hの供給源等は問わない。もっともこの溶湯調製工程が、前述したように、Mgを主成分としHを15ppm以上含有したMg原料とAlを主成分とするアルミニウム原料(Al原料)とを少なくとも溶解してMg合金溶湯を得る工程であると、本発明の多孔質体を簡易に低コストで製造できるので好ましい。
【0042】
また、具体的な溶製方法等も問わない。例えば、Mg原料とAl原料とを最初から加熱溶融しても良いし、最初にMg原料を加熱溶融した後、そこにAl原料を添加しても良い。その他の元素を、配合または添加する場合も同様である。
加熱方法も特に問わず、電気炉で加熱しても良いし、高周波加熱炉等を利用しても良い。但し、Mg合金溶湯は活性であるため、SF6ガスや不活性ガス等の防燃ガスを吹付けたりフラックスを用いて、酸化・燃焼防止雰囲気で溶湯調製工程を行うのが好ましい。
【0043】
(4)凝固工程
凝固工程は、通常、Mg合金溶湯を鋳型に注湯、射出等することで行われる。
この鋳型は、砂型でも金型でも良い。金型も鋼鉄製、銅製等種々のものを使用できる。そして、鋳型の材質を変更して、Mg合金溶湯の冷却速度を調整し、形成される空孔の形態を制御することも可能である。例えば、砂型を用いて冷却速度を遅くすると、Mg−Al共晶から放出された微細な気泡が結合して大きな気泡が形成されるため、大きな空孔をもつ多孔質体が得られる。逆に、放熱性に優れた銅製鋳型を用いて冷却速度を高くすると、微細な気泡が均一に放出された状態でMg合金溶湯が凝固するため、細かな空孔が均一に分散した多孔質体が得られる。なお、このような空孔の制御は、鋳造時の加圧力によっても行うことができる。例えば、ダイキャストのような加圧鋳造を行うと、大気圧中で鋳造した場合に比べ、気泡の発生が抑制されて、細かな空孔が均一に分散した多孔質体が得られ易い。逆に、減圧下で鋳造すれば、大きな空孔をもつ多孔質体が得られ易い。
【0044】
さらに、この凝固工程中で、Mg合金溶湯の冷却速度を部分的に変化させることで、例えば、外表面近傍に前記空孔が実質的に存在しない緻密層を有する多孔質体が得られる。マグネシウム合金多孔質体は、超軽量で種々の優れた特性を発揮し得るが、その外表面に空孔が出現すると、外観が悪くなり、また、その部分が疲労破壊の起点となったりして好ましくない。そこで、多孔質体の外表面近傍(全面である必要性はない。)に空孔が実質的に存在しない緻密層が形成されると好ましい。
【0045】
このような緻密層は、例えば、次のようにして得られる。すなわち、凝固工程で、Mg合金溶湯が注湯された鋳型のキャビティ壁面近傍のみを急冷することによって空孔の生成を抑制して、空孔が外表面近傍に実質的に存在しないようにすれば良い。
【0046】
本発明のMg合金溶湯を冷却していく際に、先ず、α−Mgの初晶が晶出することはMg−Alの状態図等からも明らかである。しかし、鋳型として熱伝達が早く熱容量の大きい大型の金型を使用したり強制冷却等を施して冷却速度を大きくし過ぎると、H2の発泡する間もなく全体が凝固してしまう。一方、あまりにも熱伝達が遅く熱容量の小さい鋳型等を使用すれば、キャビティ壁面付近でも、発泡が生じ、ガスの鋳物外部への放出が生じるとともに多孔質体(鋳物)の外表面に空孔が出現してしまう。そこで、キャビティ壁面付近のみの冷却速度を早くすることで、緻密層の形成が可能となり、外部へのガスの放出を防止できる。逆に、その部分よりも内部の冷却速度は遅いため、内部では、H2が発泡する。このような冷却速度の制御は、例えば、熱伝達の早い金型を用いて、その肉厚を適当に薄くし熱容量を小さくすることで達成できる。また、その熱容量の大きさ等を変更してキャビティ壁面付近の冷却速度を調整することで、緻密層の厚さの制御も可能となる。
【0047】
(5)用途
本発明の多孔質体は、前述したように、軽量構造部材、衝撃吸収部材、防音・消音部材、断熱材等に利用される。より具体的には、自動車のバンパー、防音断熱壁、クラッシュボックス、エネルギー吸収ポット、人工骨等に利用される。また、本発明の多孔質体は多数の空孔を有しているため、鋳造時の引け、鋳造割れ等の鋳造欠陥の抑制も容易である。さらに、多孔質体の外表面に緻密層を形成することで、外観性にも優れ、強度の向上等も図れる。
【0048】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
本発明に係る多孔質体(実施例1)を次のようにして製造した。
先ず、原料として、南京宇部マグネシウム有限会社(宇部興産)製の純Mg(純度99.9%、水素含有量25ppm:Mg原料)と福岡アルミニウム工業社製の純Al(純度99.99%:Al原料)とを用意した。
【0049】
これらの原料をステンレス(SUS430)製るつぼ内に入れて、シリコニット電気炉で加熱し、Al量を5〜40%(単位:質量%、以下同様)の範囲で5%毎に調整したMg合金溶湯を溶製した(溶湯調製工程)。この溶解時、Mg合金溶湯の酸化燃焼を防止するために、微量の六フッ化硫黄(SF6)ガスを表面に吹付けた状態とした。そして、750℃に加熱した合金溶湯を鉄製のパドルで十分に撹拌した。なお、このとき脱ガス処理を行わなかった。
【0050】
得られたMg合金溶湯を10分間沈静保持した後、前記るつぼを炉外へ取出し、溶湯温度700℃のMg合金溶湯を直径30mmx高さ50mmのシェル砂型に注湯し、湯面に微量のSF6ガスを吹付けた状態で冷却させて凝固させた(凝固工程)。このときの冷却速度は0.8℃/secであった。
なお、冷却速度は、シェル砂型に取付けた熱電対により冷却曲線を測定して、600℃から400℃までの時間を求めて平均の冷却速度として算出した(他の鋳型の場合も同様)。
得られた鋳物(多孔質体)を砂型から取出し、Al量の異なる各試料について、それぞれの断面を観察した。そして、前述した方法で各試料について空隙率を求めた。こうして得られた空隙率と合金溶湯中のAl含有量との関係を図1に示す。また、Mg−20%Al合金からなる多孔質体の縦断面組織写真を図2に示す。
【0051】
図1からも解るように、Alが5質量%以下では、空隙率が低く、鋳物中にH2に起因した球状の空孔もほとんど観られなかった。しかし、Alが6質量%から順に増加するに従って、空隙率も上昇した。そして、Al量が25〜30質量%のとき、空隙率が50〜60%となり最大値を示した。Al量をさらに増すと、空隙率はやや低下する傾向を示した。
このことから、Al量を5〜40質量%の範囲、より好ましくは15〜30質量%の範囲で調整すれば、空隙率が5〜60%程度の所望の多孔質体が得られることが明らかとなった。
【0052】
(実施例2)
実施例1と同様にして、Mg−25%Alの合金溶湯を溶製した。この合金溶湯(溶湯温度:700℃)を複数の鋳型中に注湯し凝固させた。用意した鋳型は、材質および大きさの異なる、銅製金型(2x50x150xmm:20x30x150mm)と、鋳鉄製船金型(φ20x100mm:30x40x190mm)と、シェル砂型(φ30x50mm:φ50x100mm)である。各寸法はキャビティ形状である。各鋳型を用いた場合の冷却速度は、順に、70℃/sec、28℃/sec、8.2℃/sec、2.4℃/sec、0.8℃/secおよび0.15℃/secであった。
【0053】
そして、得られた鋳物を鋳型から取出し、実施例1と同様にしてそれぞれの空隙率を求めた。こうして得られた冷却速度と空隙率との関係を図3に示す。
冷却速度が10℃/secを超えて大きくなると、空隙率が非常に小さくなり、形成された空孔も微細なものであった。しかし、冷却速度が順に小さくなるに従って、空隙率も上昇し形成された空孔も大きくなった。
このことから、冷却速度を0.1〜10℃/secの範囲で調整すると、空隙率が5〜70%の範囲にある所望の多孔質体が得られることが解った。なお、形成される空隙率が比較的大きな多孔質体を得るには、冷却速度を0.3〜5℃/secの範囲で調整すれば良い。
【0054】
(実施例3)
実施例1と同様にして、Mg−20%Alの合金溶湯を溶製した。そして、この合金溶湯(溶湯温度750℃)中に0.5質量%のCaを添加し、実施例1と同様に攪拌した。この合金溶湯(溶湯温度:700℃)を実施例1のシェル砂型に注湯して凝固させた。冷却速度は実施例1と同じ0.8℃/secであった。
得られた鋳物を鋳型から取出し、実施例1と同様にして空隙率を求めたところ、約50%であった。本実施例の試料とAl含有量が同じ実施例1の試料との空隙率を比較すると、本実施例の試料の空隙率が3%程度大きいことが解った。これは、Caの合金溶湯への添加により、合金溶湯の粘度が上昇し、凝固時に発生したガスが外部へ排出されることが抑制されたためと考えられる。
【0055】
(実施例4)
実施例1と同様にして合金溶湯を溶製し、この合金溶湯(溶湯温度750℃)中にMnを添加、攪拌することにより、Mg−12%Al−0.5%Mnの合金溶湯を調製した。この合金溶湯(溶湯温度:700℃)を、図4に示すようなリブをもつ金型に注湯して凝固させた。この金型の板厚は5mmで、リブ部の厚さは3mmである。このリブのある部位での板厚中心部の冷却速度は約8℃/secであった。
Hを含有しない上記組成と同じ合金溶湯をその鋳型に注湯して凝固させると、得られた鋳物は、図4(a)に示すように、リブの付け根付近で鋳造割れを生じ易い。しかし、本実施例の場合、図4(b)に示すように、いずれの箇所にも、鋳造割れ等を生じることはなかった。
【0056】
図4(a)に示すような鋳造割れが発生する原因は、凝固収縮と面引けによる応力集中がリブの付根部(L部)で発生するためであると考えられている。本実施例の場合、図4(b)に示すように、合金溶湯の最終凝固部でH2が発生して鋳物が膨張するため、図4(a)のような面引けが起らず、リブ部で応力集中が著しく軽減される。このため、従来は鋳造割れが多発し易いような鋳物形状であっても、本発明のMg合金溶湯を使用すると、内部に球状の気泡を含む鋳造割れの少ない鋳物が得られる。
なお、本実施例の場合、鋳物内部に微細な球状の空孔を生じることになるが、機械的性質への影響は小さかった。具体的にいうと、気孔率(空隙率)が5〜8%程度と小さく、気泡の形状も球状かつ微細であり、応力集中が生じにくいためである。
【0057】
(実施例5)
実施例1で用いた市販の純Mgインゴットを溶解した後、溶湯温度700℃で粉末状の水素化チタン(TiH2)を0.05質量%を添加して、撹拌を行った(水素増量工程)。使用した水素化チタンは、高純度化学社製の市販品である(以下同様)。
この溶湯中へさらに、実施例1で用いた市販の純Alを15質量%添加して、撹拌を行った。この溶解、撹拌時には、酸化、燃焼を防止するために溶湯表面へ微量のSF6ガスを吹き付けた状態とした。こうしてMg合金溶湯を得た。
この溶湯を、溶湯温度700℃で、10分間沈静保持した後、坩堝を炉外に取り出し、直ちにシェル砂型(φ30x50mm)に注湯した。このときの冷却速度は0.8℃/secであった。これにより、空隙率約40%の多孔質体が得られた。ちなみに、この多孔質体中に残存したTiは0.01%と微量であった。
【0058】
実施例1の場合と比べると明らかなように、Alが同じ15質量%程度であっても、本実施例の空隙率が、約2倍程度に大きくなっている。これは、水素化チタンの微量添加によってMg合金溶湯中のH含有量を積極的に増加させたためである。なお、上記水素化チタンに替えて、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化マグネシウム等の水素化物や、溶湯中で分解して水素を放出する他の化合物等を使用しても良い。さらには、湿潤ガスをMg合金溶湯へ吹き付けたり、その溶湯中へ吹き込んだり、Mg原料等に吸着ガスの多いインゴットを使用したりしても良い。このように水素含有量を増加させる方法は種々ある。しかも、予め水素含有量の多いMgインゴットを用いれば、少量の水素添加等によって水素溶解量が飽和したMg合金溶湯が得られる。具体的には、上記湿潤ガスの吹き付け、吸着ガスの多い小塊インゴットの使用等によっても、十分な効果が得られる。
【0059】
ここで、Mgは燃焼、爆発の危険があるので、安全な方法を選択するのが望ましい。もっとも、本実施例では、Mg合金溶湯中のH溶解量を増加させれば十分であり、溶湯調製工程段階で発泡等させる必要がないので、従来の方法に比べて格段に安全性が高く、鋳造設備も一般的なもので足る。
【0060】
(実施例6)
実施例1で用いた市販の純Mgインゴットと市販の純Ni(溶解度向上元素)とを用いてMg−3%Ni合金溶湯を溶製した。ここへ、溶湯温度700℃で、粉末状の水素化チタン(TiH2)を0.1質量%を添加して、撹拌を行った。
この溶湯を溶湯温度700℃で10分間沈静保持した後、坩堝を炉外にり出して直ちに、インゴット成形金型に注湯した。こうして、Mg−3%Ni合金インゴット(Mg合金インゴット)が得られた。このMg合金インゴット中の水素溶解量は60ppmであった。
【0061】
このMg合金インゴットをMg原料とした。そしてこれを溶解した溶湯中へ実施例1で用いた市販の純Al塊(Al原料)を添加した。これを溶湯温度700℃に加熱後、鉄製のパドルを用いて溶湯の撹拌を行ない、Mg−15%Al−2.5%NiのMg合金溶湯を得た。このときの溶解、撹拌時には、酸化、燃焼を防止するために溶湯表面へ微量のSF6ガスを吹き付けた状態とした。こうしてMg合金溶湯を得た。
この溶湯を溶湯温度700℃で10分間沈静保持した後、坩堝を炉外に取り出し、直ちにシェル砂型(φ30x50mm)に注湯した。このときの冷却速度は0.8℃/secであった。これにより、空隙率約60%の多孔質体が得られた。この多孔質体の組成は、Mg−12%Al−0.5%Niであった。ちなみに、溶解坩堝の下部には、多くのAl−Ni化合物が沈降していた。
【0062】
本実施例では、先ず、Niの添加によって水素溶解度を向上させた後、次に、水素化チタンの微量添加によって水素溶解量を増量させたMg合金インゴットをMg原料として使用した。従って、Mg原料の水素溶解量は、現実に、実施例1や実施例5等の場合と比較しても大幅に増大していた。こうして、本実施例では、実施例5と比較すれば明らかなように、Mg合金溶湯中のAl量や鋳造条件をほぼ同じとしながら、得られた多孔質体の空隙率が大幅に向上する結果となった。
【0063】
(実施例7)
上記実施例6では、Hを含有したMg合金インゴットをMg原料として多孔質体を製造する場合について説明したが、Mg合金インゴットの鋳造を省略しても、実施例6と同様の多孔質体が得られる。
すなわち、実施例1で用いた市販の純Mgインゴットと市販の純Ni(溶解度向上元素)とを用いてMg−3%Ni合金溶湯を溶製し、ここへ、溶湯温度700℃で、粉末状の水素化チタン(TiH2)を0.1質量%を添加し、撹拌する。ここでインゴットに成形すること無くそのまま、上記Mg−Ni合金溶湯中へ、実施例1で用いた市販の純Al塊(Al原料)を添加してAlが15質量%となるようにした。この溶湯の温度を700℃としつつ、鉄製のパドルを用いて溶湯を撹拌し、Mg−15%Al−2.5%NiのMg合金溶湯を得た。溶解、撹拌時には、酸化、燃焼を防止するために溶湯表面へ微量のSF6ガスを吹き付けた状態とした。
【0064】
この溶湯を溶湯温度680℃で10分間沈静保持した後、坩堝を炉外に取り出し、直ちにシェル砂型(φ30x50mm)に注湯した。このときの冷却速度は0.8℃/secであった。これにより、実施例6と同様の空隙率約60%の多孔質体が得られた。この多孔質体の組成も、Mg−12%Al−0.5%Niであった。この場合も同様に、溶解坩堝の下部には、多くのAl−Ni化合物が沈降していた。
実施例6のように、H含有量の多いMg合金インゴットがMg原料として容易に安価で入手できるときは、そのMg原料を用いてMg合金多孔質体を製造するのが良い。しかし、そうでなくても、本実施例のようにしても、容易に同様の多孔質体を得ることができる。
【0065】
(実施例8)
実施例1で用いた市販の純Mgインゴットを溶解した後、溶湯温度700℃で粉末状の水素化チタン(TiH2)を0.05質量%を添加して、撹拌を行った(水素増量工程)。
この溶湯中へさらに、実施例1で用いた市販の純Alを15質量%添加して、撹拌を行った。この溶解、撹拌時には、酸化、燃焼を防止するために溶湯表面へ微量のSF6ガスを吹き付けた状態とした。こうしてMg合金溶湯を得た。
このMg合金溶湯を、溶湯温度700℃で、10分間沈静保持した後、坩堝を炉外へ取り出し、直ちに外径20mm、内径19mm、高さが100mmのステンレス製パイプに注湯した。このときの全体的な冷却速度は、2.0℃/secであった。これにより空隙率40%の多孔質体が得られた。この多孔質体の縦断面写真を図5に示す。この図5から明らかなように、軸中央から外周に向けて多数の空孔が分布している。一方、外周表面付近には空孔がなく、滑らかな表面となった。つまり、その外周表面付近には本発明でいう緻密層が形成されていた。
【0066】
このような緻密層が形成されたのは、パイプ状の金型へ注湯したMg合金溶湯が、その金型のキャビティ壁面(金型内周壁面)に接触した際に、その部分での冷却が急速に進行し、表面に発泡のない表面層をもつ鋳物が形成されたためと考えられる。一方、使用した上記パイプ状の金型は、肉厚が0.5mmと非常に薄いため熱容量が小さい。このため、それよりも内部の冷却速度は遅く、内部では十分な発泡、膨張が生じたと考えられる。
本実施例の場合の冷却速度は、上述したように2.0℃/secであるが、金型のキャビティ壁面近傍での局部的な冷却速度は10℃/sec程度、それより内部の冷却速度は1.0℃/sec程度と考えられる。
【0067】
もっとも、このような多孔質体を製造する際に好ましい冷却速度を各部分毎に一概に特定することは困難である。何故なら、H含有量、Mg合金溶湯の組成(溶解度向上元素の組成、Alの含有量)等によって好ましい範囲が異なるからである。
また、本実施例では、薄肉金型を用いたが、厚肉金型や砂型等であっても同様の多孔質体を成形することも可能である。例えば、厚肉金型を使用する場合なら、内部での冷却速度が遅くなるように、予め適当な温度まで加熱しておけば良い(予熱工程)。鋳型の熱容量、熱伝達性、放熱性等を工夫することで、単に緻密層を形成するのみならず、その緻密層の厚さ管理や、内部空孔の大きさや空隙率等の調整も可能となる。
そこで、緻密層が薄く空隙率のより大きな別の多孔質体を製造したので、その横断面写真を図6に示す。この多孔質体はφ50x50mmで60体積%であった。
【0068】
以上のように本発明によれば、空孔がほぼ均一に分散したマグネシウム合金多孔質体が簡易かつ安価に得られる。ここで、多孔質体中の空隙率の制御は、Mg合金溶湯中のH含有量やAl量およびその冷却速度等の調整によって可能である。例えば、空隙率を高めるには、NiやMn等を含有して水素溶解度が高く、多くのHを含有したMg合金インゴット等のMg原料を使用すれば良い。また、水素化チタン等をMg合金溶湯中へ添加してMg合金溶湯中のH含有量を増加させても良い。そして、Mg合金(固相)の水素溶解度を低下させるために、十分なAlをそのMg合金溶湯中に含有させる。また、H2の発泡に適切な冷却速度でMg合金溶湯を冷却する。なお、Ni等は、Mg合金の腐蝕元素であるが、Mg合金溶湯中でAlと化合物を形成して沈降するため、多孔質体中のNi量は相当少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Mg合金溶湯中におけるAl含有量と、その凝固後にできた多孔質体の空隙率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例に係る多孔質体の縦断面組織写真である。
【図3】Mg合金溶湯の冷却速度と、その凝固後にできた多孔質体の空隙率との関係を示すグラフである。
【図4】鋳造割れの発生メカニズムの説明図であり、同図(a)は従来の一般的なMg合金溶湯を用いた場合であり、同図(b)は本発明の実施例に係るMg合金溶湯を用いた場合である。
【図5】本発明の実施例に係る多孔質体の縦断面組織写真である。
【図6】本発明の実施例に係る多孔質体の横断面組織写真である。
【図7】本発明のマグネシウム合金中の水素溶解度と温度の関係を示すグラフである。
Claims (14)
- マグネシウム(Mg)を主成分とし、全体を100質量%としたときに5〜40質量%のアルミニウム(Al)と15ppm(質量百万分率)以上の水素(H)とを含有したマグネシウム合金溶湯を調製する溶湯調製工程と、該マグネシウム合金溶湯を冷却凝固させる過程で水素ガス(H2)を発泡させて内部に多数の空孔を形成させる凝固工程とを経て得られ、
全体を100体積%としたときの空隙率が5〜85体積%の多孔質体からなることを特徴とするマグネシウム合金多孔質体。 - 前記多孔質体は、外表面近傍に前記空孔が実質的に存在しない緻密層を有する請求項1に記載のマグネシウム合金多孔質体。
- さらに、0.1〜2質量%のマンガン(Mn)を含有する請求項1に記載のマグネシウム合金多孔質体。
- さらに、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)がそれぞれ1質量%以下である請求項1に記載のマグネシウム合金多孔質体。
- Mgを主成分とし、全体を100質量%としたときに5〜40質量%のAlと15ppm以上のHとを含有したマグネシウム合金溶湯を調製する溶湯調製工程と、
該マグネシウム合金溶湯を冷却凝固させる過程で水素ガス(H2)を発泡させて内部に多数の空孔を形成させる凝固工程と、
からなることを特徴とするマグネシウム合金多孔質体の製造方法。 - 前記溶湯調製工程は、Mgを主成分としHを15ppm以上含有したマグネシウム原料とAlを主成分とするアルミニウム原料とを少なくとも溶解してマグネシウム合金溶湯を得る工程である請求項5に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記マグネシウム原料は、純マグネシウムからなる純マグネシウムインゴットである請求項6に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記マグネシウム原料は、純マグネシウムに対して水素溶解度を大きくする溶解度向上元素を含有したマグネシウム合金からなるマグネシウム合金インゴットである請求項6に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記溶解度向上元素は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)またはジルコニウム(Zr)の1種以上からなる請求項8に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記マグネシウム合金インゴットは、30ppm以上のHを含有している請求項8に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法
- 前記溶湯調製工程は、前記マグネシウム合金溶湯中の水素溶解量を増加させる水素増量工程を含む請求項5〜8のいずれかに記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記凝固工程は、冷却速度を0.1〜10℃/secとする工程である請求項5に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記凝固工程は、前記マグネシウム合金溶湯が注湯された鋳型のキャビティ壁面近傍のみの冷却速度を大きくすることによって、前記空孔が外表面近傍に実質的に存在しない緻密層を有する多孔質体が形成される工程である請求項6または12に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
- 前記マグネシウム合金溶湯は、全体を100質量%としたときに、カルシウム(Ca)、ケイ素(Si)、希土類元素(RE)からなる元素群中の1種以上の元素を合計で0.1〜10質量%含有する請求項5に記載のマグネシウム合金多孔質体の製造方法。
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