JPH10158761A - 方向性気孔を有する発泡体の製造方法 - Google Patents

方向性気孔を有する発泡体の製造方法

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JPH10158761A
JPH10158761A JP32573996A JP32573996A JPH10158761A JP H10158761 A JPH10158761 A JP H10158761A JP 32573996 A JP32573996 A JP 32573996A JP 32573996 A JP32573996 A JP 32573996A JP H10158761 A JPH10158761 A JP H10158761A
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gas
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metal
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Toyoaki Eguchi
豊明 江口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性、通気性および濾過性に優れ、方向性
気孔を有する高融点物質(金属およびセラミックス)の
発泡体を安価に製造する。 【解決手段】 工程(a)〜(e)で製造する。(a)
溶解炉内において金属又はセラミックスを溶解し溶湯を
得る、(b)溶湯に対してH、N及びOガスの内1種以
上のガスのみからなり、当該ガスの全圧力1〜500 気圧
を加えガスを溶解させる、(c)鋳型を金属又はセラミ
ックスの各融点±50℃の範囲に予熱する、(d)溶湯に
加えられたガスの全圧力を保持したまま、上記予熱され
た鋳型に溶湯を鋳込む、(e)溶湯に加えられたガスの
全圧力を保持したまま、鋳型の上面及び側面からの抜熱
を防止し、下面からのみ抜熱をし、溶湯を凝固させ、上
方に延びた短径5 μm〜10mmの方向性気孔を有し、且
つ気孔率50〜98%の発泡体に一方向凝固させる。更に、
溶湯に発泡核となる微細粒子を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発泡金属(合金
を含む)および発泡セラミックスの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】発泡金属および多孔質セラミックスは、
それぞれ、金属中に発泡による無数の気泡を残留させた
金属の一種、およびセラミックス中に無数の気孔を形成
させたセラミックスの一種であり、いずれも軽量で通気
性および濾過機能に優れた材料である。
【0003】このような発泡金属を製造する方法として
次のおよびの方法がある。 電気メッキによる製造方法 この方法では、発泡樹脂としてウレタンフォ−ムを使
い、これに導電処理を施すためにカ−ボンを塗布し、こ
れを電気メッキ槽の中でニッケルメッキを施す。ニッケ
ルメッキ後は600℃でばい焼して、ウレタンフォ−ム
を焼却し、更に、900℃の水素気流中で還元する。発
泡基材にピッチ系炭素繊維のフェルトを用いる場合は、
ピッチ系炭素繊維が導電性であるから導電処理は不要で
あるが、上記例と同様に順次、フェルトの洗浄、電気メ
ッキ、ばい焼次いで還元の工程を経て製造される。
【0004】このようにして得られた発泡金属を、Ni
−Cd、Ni−H電池の電極の基板として用いると、N
i(OH)2 の正極活物質や、Cdや水素吸蔵合金等の
負極活物質を、気孔内に多量に充填することができるた
め、電池の小型化、高容量化を図ることができる。
【0005】鋳造法による製造方法 この方法は、アルミニウムのような融点の低い発泡金属
の製造で採用されている。即ち、金属溶湯へ空気を吹き
込み、カルシウム等を添加して粘度を増加させた後、そ
の融点近傍の温度において発泡剤を添加する。発泡剤と
しては、ガスを発生する水素化物や、水を含む天然鉱物
を用いる。金属溶湯に発泡剤を添加すると直ちにガス気
泡が発生するので、撹拌機で素早く溶湯を撹拌して気泡
を分散させつつ凝固させる。
【0006】一方、セラミックスの多孔質体を製造する
方法としては、 焼結法による方法がある。この方法は、セラミックス
を所定の粒度範囲に調製し、得られたセラミックス粉末
を焼結して製造するのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の製造方法には、それぞれ次の問題がある。即ち、 電気メッキによる製造方法は、上述したように多数の
工程からなっている。従って、この方法で製造される発
泡金属を薄くスライスして作られる発泡金属板は高価な
ものとなってしまうので、発泡金属の普及を妨げる一因
になっていた。
【0008】鋳造法による場合には、発泡剤が比較的
低い温度でガスを発生してしまうので、アルミニウムの
ような融点の低い金属しか製造することができず、ニッ
ケルや鉄などのように1000℃を超える高い融点を有
する金属の発泡体製造は、これまで困難であった。また
融点の高い金属の発泡体を製造する場合には、発泡剤と
してチタン水素化物等のようにガス発生高温の高い物質
を用いなければならない。ところがこのような発泡剤は
高価であり、製造コストが高くなる。
【0009】焼結法による発泡セラミックスでは、気
孔率が50%程度のものしか製造することができず、軽
量性および通気性に問題があった。従って、この発明の
目的は、上述した問題を解決し、適切な製造工程により
従来よりも安価に製造し、また従来は製造が困難であっ
たり、発泡体が高価なため製造コストの高かった高融点
の金属の発泡体を簡易な方法で製造し、より安価に製造
する。そして、従来得られなかった、軽量で通気性に優
れた高性能な発泡セラミックスを簡便に製造することが
できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、全く新しい方法で、気孔の大きさおよび方向
性、並びに気孔率を制御することができる発泡金属およ
び発泡セラミックスを簡便に製造する方法を開発すべく
鋭意研究を重ね、次の知見を得た。即ち、当該物質を溶
融し、得られた溶湯に適切な高圧下でガスを溶解させ、
ガスを溶解させたままの状態で溶湯を撹拌しながら冷却
を制御しつつ凝固させることにより、希望する性状の発
泡金属および発泡セラミックスを製造することができる
ことを見出した。
【0011】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あって、請求項1記載の発泡体の製造方法は、下記
(a)〜(e)の工程よりなることに特徴を有するもの
である。 (a)溶解炉内において金属またはセラミックスを溶解
して溶湯を得る工程、(b)次いで、溶湯に対して水
素、窒素および酸素ガスの内少なくとも1種のガスのみ
からなり、当該ガスの全圧力を1〜500気圧の範囲内
で加えることにより、溶湯にガスを溶解させる工程、
(c)鋳型を、金属またはセラミックスのそれぞれの融
点−50℃以上、融点+50℃以下の範囲内の温度に予
熱する工程、(d)次いで、溶湯に加えられた全圧力を
保持したまま、上記温度に予熱された鋳型に、溶湯を鋳
込む工程、および、(e)溶湯に加えられたガスの全圧
力を保持したまま、鋳型の上面および側面からの抜熱を
防止し、鋳型の下面からのみ抜熱をし、溶湯を凝固させ
ることにより、上方に長く延びた短径5μm〜10mm
の方向性気孔を有し、且つ気孔率50〜98%の発泡体
に一方向凝固させる工程。
【0012】請求項2記載の発泡体の製造方法は、請求
項1に記載の発明に、更に、溶湯に発泡核となる微細粒
子を添加する工程を付加することに特徴を有するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明の製造方法を上述
した通り限定した理由を説明する。 (イ)溶湯に対するガスの全圧力=1〜500気圧の範
囲内に保持し、且つその圧力を保持したまま、所定の鋳
型に鋳造し冷却し凝固させること:まず金属またはセラ
ミックスを所定の方法で溶解し、次いで得られた溶湯に
窒素、酸素および水素ガスの内少なくとも一種のガスを
含み、その他のガスは実質的に含まないガス雰囲気を作
る。このガス雰囲気の全圧力が1〜500気圧の範囲内
で、当該ガスを溶解させる。ガスの全圧力が1気圧未満
ではガスの溶解量が少なく、高い気孔率の発泡体を得る
ことが困難である。一方、500気圧までの全圧力で所
望の気孔率をもつ発泡体を得ることができる。それ以上
の圧力を得るためには設備コストが高くなり、不経済で
ある。従って、ガスの全圧力は1〜500気圧の範囲内
とする。
【0014】図1にFe中の水素の溶解度を、種々の水
素圧力の場合について例示する。Feの融点は1539
℃程度であり、水素溶解度は固体Feでは水素圧力の大
小に依らず小さいが、液体Feになると急激に大きくな
る。しかも、液体Fe中の水素溶解度は水素圧力が大き
くなるほど大きくなることがわかる。従って、固体Fe
中に多量の水素ガスを残留させるためには、液体状態の
Feに加えていた水素圧力をそのまま保持して凝固させ
なければならない。
【0015】溶湯中へのガスの溶解度は、ガス−溶湯物
質の組み合わせに応じて、温度およびガスの圧力により
定まる。そして固体内に残留するガス量は主に上記組み
合わせとガス圧力により決まるので、これにより気孔率
を調整することができる。
【0016】溶湯種がFeでガス種が水素の場合に限ら
ず、溶湯が金属またはセラミックスでガスが水素、窒素
および酸素の場合には上記と同じ傾向の挙動をする。従
って、(イ)の条件が必要である。
【0017】(ロ)ガス種を水素、窒素および酸素の内
から少なくとも一種を選び、且つ溶湯を撹拌しながら冷
却・凝固させること:溶湯に溶解させるガス種は、当該
ガスを含有した溶湯(金属溶湯またはセラミックス溶
湯)が凝固するときに、共晶反応を起こすことが必要で
ある。溶湯が凝固するときに共晶反応を起こす場合に
は、当該溶湯物質の固相と当該ガス相とがミクロ的に層
状に析出する、所謂共晶組織を形成する。共晶組織を形
成する場合には、凝固時、即ち、当該溶湯が純金属等純
物質または全率固溶体を形成する多元系合金等多元系物
質(以下、「純物質等」という)の場合は融点におい
て、全率固溶体を形成しない多元系合金等多元系物質
(以下、「多元系物質等」という)の場合には固液が共
存層する液相線温度以下、固相線温度以上の温度域にお
いて、溶湯を上方および側面から冷却することなく、下
方からのみ冷却することにより気孔が下から上に延びた
一方向凝固体を得ることができる。
【0018】水素、窒素および酸素は、Fe、Ni、C
u、AlおよびMo等の金属やアルミナおよびマグネシ
アと共晶反応を起こすガスである。図2に、Cu−H系
の二元系平衡状態図の模式図を示す。同図において、M
はCuを表わす。本発明の方法をCu−H系に適用し、
溶湯内の小領域に注目すると、同図中、直線mに沿って
溶湯温度をゆっくり下げていき、共晶温度P点になると
温度低下が停滞し、球状気泡が固液界面に形成されて凝
固の進行につれて上方に長く成長し、凝固が完了し、再
度温度が低下していき、Cuの発泡金属が得られる。
【0019】図3に、本発明による溶湯の凝固過程にお
けるミクロ状態模式図を示す。融点または凝固温度にお
いて共晶反応を起こし、且つ一方向凝固をさせるので、
液相Lの中に多数の柱状のガス相Gと固相Sとが析出し
それぞれが上方に成長する。ガス相Gの形態は表面張力
の影響で円筒状に延び、周囲が固相で埋めつくされる。
【0020】しかしながら、共晶反応以外の凝固組織を
形成するガス種の場合には、凝固時に固相とガス相とが
ミクロ的に共存せずマクロ的に二相に分離する。従っ
て、凝固体内部に気泡を形成させることが困難である。
【0021】(ハ)鋳型の温度を、当該金属またはセラ
ミックスのそれぞれの融点−50℃以上、融点+50℃
以下の範囲内に予熱すること:鋳型としては熱伝導性を
確保することができる材質のものを使用し、必要に応じ
て冷却する。鋳型の温度は溶湯が純物質等の場合には融
点−50℃未満、多元系物質等の場合には液相線温度−
50℃未満の温度では、凝固核が鋳型壁で多数発生し、
一方向凝固組織が得られない。一方、鋳型の温度がそれ
ぞれ、融点または液相線温度+50℃超えの温度では、
凝固開始までに時間を要し、生産効率が低下したり鋳型
寿命が短くなったりする。従って、鋳型を溶湯の融点ま
たは液相線温度−50℃以上、融点または液相線温度+
50℃以下に予熱することが必要である。
【0022】(ニ)金属またはセラミックス中に均一に
方向性気孔を形成させ、気孔の直径=5μm〜10m
m、気孔率=50〜98%であること:気孔の形態が円
柱状的に方向性を持つと、軽量構造部材や通気材にとっ
て好都合であり、高強度なシャフトやフィルター担体と
いった用途に適する。
【0023】溶湯の温度およびガス圧力を、金属−ガス
系またはセラミックス−ガス系の種類に合わせて適宜選
択することによりガスの溶解量を制御することができる
(例えば、図1参照)。従って、発泡金属および発泡セ
ラミックスの気孔の大きさおよび気孔率を制御すること
ができる。気孔径は5μm未満では、通気性が悪くな
り、一方、10mmより大きくなると材料強度を確保す
るのが困難になる。従って、気孔径は5μm〜10mm
の範囲内とする。溶湯の冷却速度が大きいほど小さい径
の気孔が得られ、冷却速度が小さいほど気孔は成長する
ので大きい径の気孔が生成する。
【0024】また気孔率が50%未満では軽量性、通気
性に劣り、一方、98%を超えると材料強度を確保する
のが困難である。従って、気孔率は50〜98%の範囲
内とする。溶湯内の気泡率が高くなると、溶湯の表面張
力により気泡の膜が破裂して、気孔同士が連通したいわ
ゆるオ−プンセルができる。オ−プンセルの形成は溶湯
の粘度に依存するので、連通しない独立孔を形成させる
ときは、CaやMg等を添加して増粘してやる。
【0025】(ホ)鋳型の上面および側面からの抜熱を
防止し、鋳型の下面からのみ抜熱をし、溶湯を凝固させ
ること:方向性気孔を形成させるためには、一方向凝固
組織を形成させることが必要であることは上述したとお
りである。下方から冷却するのは、溶湯(液体)中に生
成する結晶核(固体)は溶湯より密度が大きいので沈降
する。従って、下方から凝固を進行させないと、気泡を
均一に上方に延ばすことができない。従って、鋳型の冷
却は下方向からに限定しなければならない。なお、冷却
は窒素やアルゴン等のガス、または、ミストや水等を鋳
型に吹き付けて行なう。
【0026】(ヘ)溶湯に発泡核となる微細粒子を添加
すること:気孔の分布を調整するために、溶湯の融点ま
たは液相線温度よりも融点が高い炭火物、窒化物あるい
は酸化物等の微細粒子を適宜添加することが望ましい。
これらの微細粒子は気孔の発生核となり、気孔の分布を
均一にするからである。
【0027】
【実施例】次に、この発明の発泡体の製造方法を、実施
例によって更に詳細に説明する。図4に、実施例および
比較例の方法を試験するために用いた溶解・鋳造装置の
概略縦断面図を示す。装置全体が高圧容器1の中に入っ
ている。溶解炉2により各種金属またはセラミックスを
溶解する。得られた溶湯4にガス添加管5よりポーラス
レンガ6を通って水素、窒素または酸素ガスを適宜吹き
込みながら高圧容器1内の圧力を所定圧力まで高めて当
該ガスを添加する。このようにして所定濃度のガスを溶
解させた溶湯4を収容した溶解炉2を傾動し、タンディ
ッシュ7を経由して鋳型8に注入する。注入後は上部か
らの抜熱を防ぐために断熱レンガ15で鋳型8上部を覆
う。鋳型8はヒ−タ−3’により予め適温に加熱してお
く。一方、鋳型3の下部に冷却媒体11を吹きつけ、鋳
型下部から上方に向かって一方向に冷却すると、凝固金
属相またはセラミックス相とガス相が上方に成長する。
冷却媒体11によって鋳型8に振動を与えると、凝固核
が溶湯面に発生しやすいので、鋳型はしっかりと固定す
るのが望ましい。高圧容器1内のガス圧力は凝固完了ま
で上記所定圧力に保持し、溶湯の冷却・凝固時に溶湯か
らガスが抜け出すのを抑制する。
【0028】上記試験装置を用い上記方法により発泡金
属および発泡セラミックスを製造した。表1に、本発明
の範囲内である実施例No.1〜10および本発明の範囲
外である比較例No.1〜2の各発泡体の製造条件、およ
び得られた発泡体の性状(気孔形態、気孔径および気孔
率)を示す。なお、各溶湯の融点(または液相線)+5
0℃から融点(または液相線)−250℃までの温度区
間を、0.01〜100℃/secの平均冷却速度で冷
却した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例No.1においては、1800℃のN
i溶湯に50気圧で水素を添加し、これを1400℃に
均一に予熱した鋳型に鋳込んだ。鋳込み後鋳型上部を断
熱カバ−で覆い、鋳型の底面に水を微細な粒子としたミ
ストを吹付けて一方向から冷却し完全凝固させた。これ
によって直径(短径)0.5mmの柱状に成長した気泡
を有し、気孔率90%の発泡ニッケルを得ることができ
た。この発泡ニッケルの気孔の形態および分布状態の模
式図を図5に示す。この発泡ニッケルを厚さ0.8mm
の板にスライス切断してNi−H電池の正極に使用し
た。これは従来品より安価であり、且つ気孔が表裏に貫
通しているためNi(OH)2 の充填もスムーズであ
り、電圧低下の小さい優れた電極性能を示した。
【0031】実施例No.2〜10においては、冷却媒体
を一部変更し、実施例No.1に準じた方法で発泡体を製
造した。但し、実施例No.3、7および8では、溶湯に
それぞれTiC、Al2 3 およびTiNの微粒子を添
加した。また、溶湯の種類および添加ガスの種類を一部
変更した。その他の製造条件は表1に示した通りであ
る。いずれも柱状の気孔を有し、所望の性状の発泡体を
得ることができた。
【0032】これに対して比較例No.1では、鋳型温度
が溶湯金属、鉄の融点−50℃より低かったため、鋳型
壁から結晶粒が成長し、発泡鉄の一部に粒状の気孔が混
入して形成された。
【0033】比較例2では、水素ガス添加圧力が低く本
発明の範囲外であったため、発泡ニッケルの気孔率が5
0%未満であった。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
従来製造が困難であったり、コストが高かったりした高
融点の金属の発泡体、軽量性および通気性において十分
満足することができなかったセラミックスの発泡体、並
びに、多種類の金属、合金およびセラミックスの発泡体
であって方向性気孔を有するものを、高圧下における溶
解、鋳造および凝固という簡単な工程により簡便に製造
する方法を提供することができ、工業上有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の水素圧力の場合の、Feの温度と水素の
溶解度との関係を示すグラフである。
【図2】Cu−H系の二元系平衡状態図の模式図であ
る。
【図3】本発明による溶湯の凝固過程における内部のミ
クロ的模式図である。
【図4】実施例および比較例の方法を試験するために用
いた溶解・鋳造装置の概略縦断面図である。
【図5】本発明の方法により得られた発泡ニッケルの気
孔の形態および分布状態を模式的に示す一部断面切欠き
図である。
【符号の説明】
1 高圧容器 2 溶解炉 3、3’ ヒーター 4、4’、4” 溶湯 5 ガス添加管 6 ポーラスレンガ 7 タンディッシュ 8 鋳型 9 一方向凝固金属 10 気孔 11 冷却媒体 12 冷却媒体供給管 13 冷却媒体排出管 14 ガス排気管 15 断熱レンガ 16 柱状気孔 17 ニッケル金属 L 液体 S 固体 G 気体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)〜(e)の工程よりなること
    を特徴とする方向性気孔を有する発泡体の製造方法。 (a)溶解炉内において金属またはセラミックスを溶解
    して溶湯を得る工程、 (b)次いで、前記溶湯に対して水素、窒素および酸素
    ガスの内少なくとも1種のガスのみからなり、当該ガス
    の全圧力を1〜500気圧の範囲内で加えることによ
    り、前記溶湯に前記ガスを溶解させる工程、 (c)鋳型を、前記金属または前記セラミックスのそれ
    ぞれの融点−50℃以上、融点+50℃以下の範囲内の
    温度に予熱する工程、 (d)次いで、前記溶湯に加えられた前記ガスの全圧力
    を保持したまま、前記温度に予熱された前記鋳型に、前
    記溶湯を鋳込む工程、および、 (e)前記溶湯に加えられた前記ガスの全圧力を保持し
    たまま、前記鋳型の上面および側面からの抜熱を防止
    し、前記鋳型の下面からのみ抜熱をし、溶湯を凝固させ
    ることにより、上方に長く延びた短径5μm〜10mm
    の方向性気孔を有し、且つ気孔率50〜98%の発泡体
    に一方向凝固させる工程。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明の工程に、更に、溶
    湯に発泡核となる微細粒子を添加する工程を付加するこ
    とを特徴とする方向性気孔を有する発泡体の製造方法。
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