JP2000104130A - ポ―ラス金属の製造方法 - Google Patents

ポ―ラス金属の製造方法

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JP2000104130A JP11195260A JP19526099A JP2000104130A JP 2000104130 A JP2000104130 A JP 2000104130A JP 11195260 A JP11195260 A JP 11195260A JP 19526099 A JP19526099 A JP 19526099A JP 2000104130 A JP2000104130 A JP 2000104130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の種類に及ぶ金属材料、即ち、金属−ガ
ス系状態図が共晶点を有する金属に限定されない金属材
材をポアの方向、サイズ、ポロシティ及び構造を制御し
て、精確な形態のポアを連続的に、しかも、安全に生成
する手段を有し、機械的加工並びに成形に優れた特性と
方向性をもつポーラス金属の製造方法を提供する。 【解決手段】 圧力制御システムを有する加熱室1、凝
固調整室22及び凝固室2或いは30の内部で水素ガス
或いは窒素ガス及びアルゴンガス或いはヘリウムガスを
用いて、溶融金属中にガスを溶解して、凝固させる時
に、該ガスを固相内に析出させることによって、所定の
方向性ポーラス構造体を作製し、或いは連続鋳造による
所定の板状及び棒状のポーラス構造体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポーラス金属の製
造方法に関するものである。詳しくは、ポーラス金属材
料固有の大きな表面を利用した機能材料及び多数のポア
の内在による金属材料の軽量化などの応用分野を指向し
たポーラス金属の製造方法で、触媒材料、防震材料、衝
撃緩衝材料、電磁波シールド材、瀘過材料、軸受材料、
放熱材料、水素吸蔵合金材料、電極材料、消音材料、自
動車・航空機の各種機械部品材料、生体医療材料及びそ
の他複合材料の母材等に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来のポーラス金属の製造技術において
は、等圧気体零囲気下における金属−ガス系状態図が共
晶点を有する金属材料に限定したものであり、その適用
金属材料の種類に限界があった。又、金属材料が金、銀
以外のものは、酸化現象を起こすために、酸素ガスを使
用することはできない。更に、水素ガスを使用する場合
は、水素ガスが或種の金属材料に及ぼす影響や製造過程
における危険性などから大容量のポーラス金属の作製に
は限界のある製造方法である(特開平10−08825
4号)。
【0003】他のポーラス金属材料に関しては、粉末冶
金焼結法によって作られたポーラス金属材料(特開平0
8−142103号)、発泡樹脂にニツケルメッキを施
した後、発泡樹脂を焼成して、作製したセルメット(特
開平04−002759号)及び水素ガスによる発泡法
を利用したアルポラス等が製造され、音響機器の部材や
結露防止用建材等に使われている。しかしながら、これ
らの製造工程は、複雑で、コスト高になること、ポアの
方向制御やサイズの制御が容易でないこと、そして特定
の金属しかポーラス化することができないので、適用金
属が限定されること、そして更に機械的加工や成型が容
易でないこと等の多くの欠点を有するため、使用上の制
約の多いのが現状である。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、ポーラス化
できる適用金属材料が多数の種類に及ぶこと、水素ガス
の危険性を廻避して、大容量のポーラス金属の作製方法
が可能であること、並びに連続作製の方法が可能であ
る。そして更に、ポアの方向やサイズの制御及びポロシ
ティの制御が可能であること、機械的及び物理的性質が
優れていること、及び機械的加工や成形が容易であるこ
と等の特長を具備して、従来技術の問題点を十分に解決
し、優れたポーラス金属の材料の作製を可能にした斬新
な手法による製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決する手段として、図2の(a)に示すように、金属
材料の液相内でのガスの溶解度が大きく、金属材料中の
固相内でのガスの固溶度が小さい前記金属材料を該ガス
の圧力と溶融温度を制御して、所定のガス零囲気下に溶
融し、凝固温度と、凝固圧力を制御して、所定のガス零
囲気下と温度で凝固し、固相内に過飽和の溶解ガスの分
量を析出して、ポアを形成し、更に、冷却方向の制御が
できる鋳型で所定の構造をもつポーラス金属を作製する
手段を講じたものである。従って、図2の(b)に示す
ように、多数の種類に及ぶ該金属材料を上記の諸パラメ
ータを制御し、C1及びC2に表わすような範囲の多様
な状態を選んで、凝固することによって、多種多様な構
造にポーラス化することが可能である。
【0006】更に、前記金属材料に溶解するガスに溶解
度の大きい水素ガスを用いるのであるが、他の方法とし
て窒素ガス或いは窒素と不活性ガスとの混合ガスを用い
ることによって、大容量のポーラス金属の作製や連続作
製方法にともなう製造装置の機能強化並びに大型化を可
能にし、該金属材料の溶融、冷却及び凝固の工程におい
て設定温度及び圧力を安全に制御して、ポアの幾可学的
形態を容易にしかも精確に変化させる手段を具備してい
る。
【0007】前記混合ガスに用いる不活性ガス並びに冷
却・凝固の圧力調節に用いる不活性ガスは、アルゴン、
ヘリウム等であるが、ヘリウムガスは、アルゴンガスよ
り熱伝導性が良いので、鉄系金属材料のポーラス化に有
効である。
【0008】前記ガスを溶解する圧力の制御について以
下、説明する。設定温度下で該ガスの圧力或いは、混合
ガス中の該ガスの分圧が溶融金属の中に溶解する該ガス
の量を決定し、該ガスの圧力を制御して、増加すると、
溶解金属中のガスの溶解度を大きくすることができ、該
ガスは、その所定の溶解圧力下で飽和濃度に達する。所
定の圧力を得るために、予め設定した分圧の該ガスを供
給して、調整する。所定の圧力に達した後、該溶融金属
は、凝固温度及び凝固圧力の制御手段を有する鋳型に流
し込まれる。
【0009】前記凝固圧力の制御について以下、説明す
る。前記溶融金属を冷却し、凝固時の凝固圧力を制御し
て、所定の溶解圧力下で前記溶解ガスの量と固体の中の
該ガスの固溶度との差に等しいガス量が凝固フロントの
直前のガス気泡に変化(生成)する。このガス気泡は、
固相と同時に発生し、凝固フロントに常に存在して、凝
固時の金属内にセル構造を形成する。
【0010】凝固時に前記溶融金属が析出した前記ガス
の量である過剰体積は、前記溶融温度と前記溶解圧力に
よって決定されるので、前記ポーラス金属中のポア生成
量は、溶融温度、凝固温度、溶解圧力及び凝固圧力のい
わゆるプロセスパラメーターの関数として、記述でき、
これらのパラメーターはプロセスの過程において容易に
しかも正確に制御することができる。この凝固圧力を溶
融時の溶解圧力と同等にするか、増加させるか或いは、
減少させるかという圧力制御によってポアの構造、サイ
ズ、及び量、即ち、ポロシティを決定することができ
る。
【0011】これらのパラメーターに加えて、凝固時の
前記ガス溶解金属からの熱除去の方向がポアの構造を制
御する重要な因子の一つであり、図3に示すように、該
ガス溶解金属は、冷却面に対して直角に凝固を続けて、
ポアの成長に方向性をもち、所定の形態のポーラス金属
に形成される。図3の(a)は、鋳型の冷却面が前記ガ
ス溶解金属の底面を冷却して、一方向性の多芯状ポア
を、(b)は、外周側面を冷却して、放射状ポアを、
(c)は、連続生成による板状の上面を冷却して、不連
続性の弧状をポアを、(d)は、同じく連続生成による
棒状の外周側面を冷却して、不連続性の放射状ポア等の
多様な形態をなすポアを形成することを特徴とするポー
ラス金属の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施形態】本発明は、溶解した金属材料中でガ
スを溶解させた後、凝固させて、固体に変態させる過程
において過飽和の該ガスが固相内に析出されるという性
質を利用して、ポーラス金属を製造するものである。以
下、図面に示す好ましい実施の形態及び実施例について
説明する。
【0013】図1の(a)に示す本発明は、加熱手段の
誘導加熱コイル7、るつぼ4及びストッパーロッド8を
有する加熱室1とその下部に冷却手段の冷却部6及び鋳
型5を有する凝固室2を取り付けて、竪型に組み立てら
れた構造の好ましい実施形態を示している。全体の構造
は、母材である金属材料3−aを所定の温度で溶融し、
所定の圧力下でガス3−bを溶解して、溶解圧力を保
ち、更に所定の凝固温度と凝固圧力下で冷却して、凝固
させるために、加熱室1及び凝固室2は、各々内部の機
密性を保つようになっている。
【0014】るつぼ4に搬入された金属材料3−aが加
熱器7によって溶融する時、加熱室1の内部はガス排出
パイプ10を用いて、真空状態にある。そして、所定の
ガス溶解温度に達した時、ガス注入パイプ9を用いて、
所定のガス3−bが注入され、所定の溶解圧力と所定の
温度を一定時間保持する状態下でガス3−bが溶融され
た金属材料3−aに溶解して、飽和濃度に到達する。上
記のように、金属材料3−aとガス3−bが飽和濃度に
達した状態下でストッパーロット゛8が上方へ移動し
て、導入ファンネル11を開き、ガス3−bと溶解した
金属材料3−aが下方の凝固室2の内部に位置する鋳型
5に導入される。
【0015】凝固室2の内部は、ガス注入パイプ12及
びガス排出パイプ13を用いて、所定の凝固圧力下に保
たれ、冷却手段である冷却部6は、冷却水流入パイプ1
4及び冷却水流出パイプ15を用いて、鋳型5の底面を
冷却する。したがって溶解した金属材料3−a及びガス
3−bは、鋳型5の底面に接触した面から凝固を始め
て、溶解した過飽和のガス3−bが固相内に気泡として
析出し、同時に上方に向かって、凝固フロントに継続的
に存在しながら多数の一方向性ポアを形成する。上記の
鋳型5は、図3の(a)に示す冷却様式に対応するもの
であり、図4の(a)に示す形態の一方向性の多芯状ポ
アを形成するものであるが、目的によっては、図3の
(b)に示す冷却様式の鋳型を装着して、図4の(b)
に示す形態の放射状ポア及び更には、図4の(e)に示
すランダムな形態の球状ポア図4の(f)ランダムポー
ラス層とノンポーラス層の積層をもつポーラス金属、
(g)多芯状ポーラス層とノンポーラス層の積層構造を
もつポーラス金属(h)ノンポーラスの表皮層をもつポ
ーラス金属等を形成する。一方向凝固中の凝固圧力を徐
々に増加させると、複数個のポアとポアの間を接近さ
せ、逆に、一方向凝固中の凝固圧力を徐々に減少させる
と、複数個のポアとポアの間を広げて、離散させること
ができ、したがって、凝固圧力を時間の経過と共に連続
的に減少させると、ポアサイズの小さな数密度の高いポ
ーラス領域からポアサイズの大きな数密度の低いポーラ
ス領域へとポアの分布に勾配(傾斜化)をつけることが
可能である。以上の製造工程を図7に示し、フローチャ
ートで表わす。
【0016】図1の(b)に示す本発明は、ポーラス金
属を連続的に形成する方法、即ち、連続鋳造の他の実施
形態である。加熱室1の内部にある溶解金属3−a・ガ
ス3−bは、導入ファンネル11から継続的に保温容器
19に導入される。保温容器19は、加熱室1の下方に
組み立てられ、下部装置である凝固調整室22の内部の
好ましい位置に装着されており、凝固調整室22の内部
は、ガス注入パイプ16・不活性ガス注入パイプ17及
びガス排出パイプ18を用いて、加圧並びに減圧操作を
行ない、所定の凝固圧力に保持される。一方、保温容器
19は、加熱器20によって、所定の凝固温度に保た
れ、その溶解金属3−a・ガス3−bは、導入ファンネ
ル11の導入操作並びに不活性ガスの圧力操作によって
所定の量が保持されて、鋳型21の開口部から冷却部2
5の冷却面に対して押し出す圧力が調整される。上述の
押し出す圧力は、溶解金属3−a・ガス3−bの導入さ
れる量と鋳型21から押し出す量とのバランス上に成
り、この押し出す量を制御する手段として冷却部25を
先端に装着したリード・スピンドル27が用いられ、リ
ード・スピンドル27は、所定の速度で移動して、継続
的に前記の押し出す圧力を所定の圧力に保持し、又、押
し出す量を制御するようになっている。
【0017】上記の押し出す量は、冷却部25の冷却面
によって冷却されて、凝固を始めながら、凝固室30の
内部にリードされ、鋳型21で形成された形状の外周或
いは側面が補助冷却部26によって冷却されて、凝固す
る。凝固室30の内部は、不活性ガス注入パイプ23及
びガス排出パイプ24並びに搬出口気密用具29を用い
て、凝固圧力を調節されるようになっている。
【0018】図4の(c)、(d)は、上述の連続鋳造
の方法によって形成されたもので、(c)は不連続性の
弧状ポアの断面構造を示し、(d)は、不連続性の放射
弧状ポアの断面構造を示す。連続鋳造されたこれらのポ
ーラス金属は、ローラ・コンベヤー28の上をリード・
スピンドル27によってリードされ、搬出口気密用具2
9から凝固室30の外へ搬出されるようになっている。
【0019】本発明は、以上述べた実施例によって限定
されるものではなく、製造方法の細部において様々な態
様が可能である。
【実施例】以下図5、図6に示す本発明の実施例につい
て説明する。ポーラス金属中のポアの育成量及び形態即
ち、ポアの方向、サイズ、ポロシティ等の形成は、溶融
温度、溶解ガス圧力、凝固ガス圧力、冷却温度、凝固冷
却速度、不活性ガスとの混合体積比・圧力等のパラメー
ターを自由に正確に制御して、決定することができる。
【0020】図5の(a)は、約1,250゜Cに溶融
した銅に水素ガスをそれぞれ所定の水素とアルゴンの混
合ガスの圧力下で溶解させ、それぞれ所定の水素とアル
ゴンとの混合ガスの圧力下で凝固させて、一方向性の多
芯状ポアを作製したポーラス銅のポロシティの分布
(%)を水素ガスの圧力とアルゴンガスの圧力との関係
で表わしている。例えば、図5の(b)に示す上記の銅
−水素・アルゴン混合ガス系のポロシティは、が約1
9%、:約27%、:約28%及び:約33%
で、溶解水素ガスの圧力と不活性ガスのアルゴンガスの
圧力との混合対比の変化に伴って、ポロシティが変化
し、水素ガスの圧力がアルゴンガスの圧力に対して、相
対的に増大すると、ポロシティ率が増大することを表わ
している。ポアのサイズは、の場合が直径50μm〜
200μmで、200μm程度のポアがまばらであり、
は、50μm〜100μmで、ほぼ平均して、密集し
ており、は、50μm〜120μmで、と同じよう
であるが、大きなサイズのポアの方が多く見受けられ、
は、100μm〜230μmで、120μmのサイズ
のポアが平均的に多く見受けられる。以上のように、ポ
ロシティが増大すると、ポアのサイズ、即ち、直径が大
きくなり、又、極端にポロシティが減少すると、直径が
大きくなることがわかる。
【0021】図6の(a)は、約1,650℃に溶融し
た鉄に窒素ガスをそれぞれ所定の窒素とヘリウムの混合
ガスの圧力下で溶解させ、それぞれ所定の窒素とヘリウ
ムとの混合ガスの圧力下で凝固させて、一方向性の多芯
状ポアを作製したポーラス鉄のポロシティの分布(%)を
窒素ガスの圧力とヘリウムガスの圧力との関係で表わし
ている。図6の(b)の光学顕微鏡写真は、上記の鉄−
窒素・ヘリウム混合ガス系のそれぞれのポロシティを示
し、が約0.1%、:約18%、:約43%及び
:約53%で、溶解窒素ガスの圧力とヘリウムガスの
圧力との混合対比の変化に伴って、ポロシティが変化
し、窒素ガスの圧力がヘリウムガスの圧力に対して、相
対的に増大すると、ポロシティ率が増大することを表わ
している。このことは銅−水素・アルゴン混合ガス系と
同じ傾向を示している。
【0022】本発明は、以上に述べた実施の形態及び実
施例によって限定されるものではなく、製造方法及び生
成の形態の細部において様々な態様が可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、前記ポアの質を保ちつつ、し
かも製造プロセスが簡単で、高い生産性を有する前記ポ
ーラス金属の作製法であり、この製造方法は、十分な大
きさの圧力容器、温度制御システム、雰囲気の組成と圧
力を調整できるシステム及び凝固システムがあれば、比
較的容易に工業生産レベルで実用化することができ、特
に、鉄系金属材料においては、窒素ガスとヘリウムの不
活性ガスを用いることによって、容易に連続鋳造法の実
用化ができる。この製造方法に従って作られたポアの構
造は、優れた機械的性質を示し、特徴として、ポロシテ
ィが35%未満で、ポアサイズが100μm以下のポア
をもつ金属は表面処理することによって、ノンポーラス
の母体金属よりも大きな比強度を持つことが見出され
た。このポーラス金属の特徴は、高強度と靱性があり、
透過性或いは不透過性であって、該ポアの方向制御が可
能で、該ポアを形成する直径が広範囲に及び、そして更
に、切削性、加工性及び溶接性等に富んでいることであ
る。更に、ポーラス化された金属は、内部摩擦がより巨
大化して、その弾性率が減少し、金属の有する減衰能が
大きいという特性が確認される。前記ポーラス金属は、
多数のポアを有するため、莫大な表面積をもつ材料であ
る。ところで、鉄鋼材料では、浸炭、窒化或いは焼入れ
等の手法を用いて、表面付近だけを硬化させ、内部は、
強靱性を維持するという表面硬化法がよく使われる。前
記ポーラス鉄鋼材料にこの表面硬化法を応用して、表面
を硬化することによって或いは、ポア表面に合金層を形
成させることによってポーラス鉄鋼材料を強化させるこ
とができる。
【0024】これらの製造品の一次形状としては、棒
状、板状、パイプ状及び円錐状等であり、それらの材料
には、鉄、銅、ニッケル、マグネシウム、アルミニウ
ム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、コバル
ト、モリブデン及びベリリウム並びにそれらの合金を用
いることができる。更に、該ポアにこの溶媒金属とは異
質の金属合金或いは、金属間化合物等その他の材料を充
填化して、複合材料を新しく作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の方法のための装置として加
熱室1及び凝固室2の内部に装着された各手段を例示し
た概略図である。(b)は、本発明の連続鋳造の装置と
して連続加熱室1、凝固調整室22及び連続凝固室30
の内部に装着された各手段を例示した概略図である。
【図2】(a)は、溶融金属中に溶解したガスが凝固時
に固相内に過飽和の分量を析出して、ポアを形成した量
を例示した概略図である。(b)は、Fe−N(鉄−窒
素)系、の状態図を例示して、凝固を表わした関係図で
ある。
【図3】(a)は、冷却部が底面に装着された鋳型、
(b)は冷却部が円筒側面に装着された鋳型、(c)は
連続鋳造において加熱された鋳型から継続的に押し出さ
れる板状金属の上面を冷却するように装着された冷却
部、(d)は連続鋳造において加熱された鋳型から継続
的に押し出される棒状金属の外周面を冷却するように装
着された冷却部で、それらを例示した概略図である。
【図4】(a)は一方向性多芯状の母線に平行な長いポ
アをもつポーラス金属、(b)は放射状ポアを形成する
ポーラス金属、(c)は連続鋳造の方法によって形成さ
れたもので、不連続性の弧状ポアを形成する板状ポーラ
ス金属、(d)は連続鋳造の方法によって形成されたも
ので、不連続性の放射弧状ポアを形成する棒状ポーラス
金属、(e)は方向性が欠如したランダムな球状ポア、
(f)はランダムポーラス層とノンポーラス層の積層構
造、(g)は多芯状ポーラス層とノンポーラス層の積層
構造、(h)ノンポーラス層の表皮層をもつ構造等のそ
れぞれの形態を例示した概念図である。
【図5】(a)は、溶融温度約1,250゜Cで水素ガ
スを溶解したポーラス銅で、水素ガスの圧力或いは水素
ガスの圧力とアルゴンガスの圧力との対比及びポロシテ
ィとの関係を表わす概略図である。(b)は、が(水
素 0.2MPa−アルゴン 0.6MPa)、:(水
素0.4MPa−アルゴン 0.4MPa)、:(水
素 0.6MPa−アルゴン 0.2MPa)及び:
(水素 0.8MPa)の圧力下でポーラス銅の横断面
を示した図面に代わる光学顕微鏡写真である。
【図6】(a)は、溶融温度約1,650゜Cで窒素ガ
スを溶解したポーラス鉄で、窒素ガスの圧力或いは窒素
ガスの圧力とヘリウムガスの圧力との対比及びポロシテ
ィとの関係を表わす概念図である。(b)は、が(窒
素 0.3MPa−ヘリウム 1.2MPa)、:(窒
素1MPa−ヘリウム 1MPa)、:(窒素 1MP
a−ヘリウム 0.5MPa)及び:(窒素 1.5M
Pa−ヘリウム 0.5MPa)の圧力下でポーラス鉄
の横断面を示した図面に代わる光学顕微鏡写真である。
【図7】本発明に係るポーラス金属の製造工程を示すフ
ロチャートである。
【符号の説明】
1 加熱室 2 凝固室 3−a 金属 3−b ガス 4 るつぼ 5 鋳型 6 冷却部 7 インダクション コイル 8 ストッパーロッド 9 ガス注入パイプ 10 ガス排出パイプ 11 導入ファンネル 12 ガス注入パイプ 13 ガス排出パイプ 14 冷却水流入パイプ 15 冷却水流出パイプ 16 ガス注入パイプ 17 不活性ガス注入パイプ 18 ガス排出パイプ 19 保温容器 20 調整加熱室 21 連続鋳造鋳型 22 凝固調整室 23 不活性ガス注入パイプ 24 ガス排出パイプ 25 直接冷却部 26 間接冷却部 27 リード・スピンドル 28 ローラ・コンベヤー 29 排出口機密装置 30 凝固室

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体金属材料中でのガス原子の溶解度が
    大きく、固体金属材料中でのガス原子の固溶度が小さい
    材料を溶解し、凝固させることを特徴とするポーラス金
    属の製造方法。
  2. 【請求項2】 母体材料が金属である請求項1に記載の
    ポーラス金属の製造方法。
  3. 【請求項3】 ガスが水素或いは水素混合ガス又は、酸
    素或いは、酸素混合ガスである請求項1に記載のポーラ
    ス金属の製造方法。
  4. 【請求項4】 冷却・凝固中に設定圧力を変化させるこ
    とによってポアの幾何学的形態を変える請求項1に記載
    のポーラス金属の製造方法。
  5. 【請求項5】 冷却・凝固中に設定圧力を変化させるこ
    とによって前記ポアのない凝固領域と該ポアの生成され
    たポーラス凝固領域を形成させることができる請求項1
    に記載のポーラス金属の製造方法。
  6. 【請求項6】 凝固/液体界面の成長方向を制御して、
    前記ポアの成長方向を制御することができる請求項1に
    記載のポーラス金属の製造方法。
  7. 【請求項7】 円筒状の鋳型の側面を冷却することによ
    って放射状の前記ポアを生成することができる請求項1
    又は請求項6に記載のポーラス金属の製造方法。
  8. 【請求項8】 鋳型の底面を冷却することによって多芯
    構造の前記ポアを生成することができる請求項1又は請
    求項6に記載のポーラス金属の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ガスが窒素、不活性ガス、又は窒素
    と不活性ガスとの混合ガスである請求項1ないし請求項
    2又は、請求項4ないし請求項8のいずれかの請求項に
    記載のポーラス金属の製造方法。
  10. 【請求項10】 鋳造法において、溶融温度及び前記ガ
    スの圧力を制御して、前記金属材料中に該ガスを溶解さ
    せ、凝固させる時に、冷却温度及び該ガスの圧力を制御
    し、固相内に該ガスを析出させて、ポアを生成する請求
    項1ないし請求項9のいずれかの請求項に記載のポーラ
    ス金属の製造方法。
  11. 【請求項11】 連続鋳造法において、前記ガスを溶融
    した前記金属材料を鋳型から連続的に押し出す速度と、
    冷却速度とを制御して、凝固させる請求項1ないし請求
    項10のいずれかの請求項に記載のポーラス金属の製造
    方法。
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