JP5595891B2 - 耐熱マグネシウム合金の製造方法、耐熱マグネシウム合金鋳物およびその製造方法 - Google Patents

耐熱マグネシウム合金の製造方法、耐熱マグネシウム合金鋳物およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、耐食性に優れる耐熱マグネシウム合金(鋳物)およびその製造方法等に関する。
マグネシウム(Mg)は、実用金属中で最も軽量で比強度に優れると共に資源も豊富である。軽量化や環境負荷の低減等が強く求められる昨今、マグネシウムは有望な金属材料であり、各種分野の各種製品にマグネシウム合金が使用されつつある。
ところがマグネシウムは、非常に活性な金属であり、実用金属中で最も電位的に卑な金属(つまり、イオン化傾向が大きい金属)であり、酸化皮膜等の不動態皮膜を自ら形成することもない。従って、マグネシウム系部材は腐食し易く、その普及には耐食性の確保が欠かせない。ここで、マグネシウム系部材の表面に耐食性に優れる保護皮膜を設けることも考えられるが、その形成はコスト高である。また、そのような皮膜を設けても、その欠陥部分や損傷部分から腐食は進行し得る。このためマグネシウム合金自体の耐食性の向上が求められていた。
そこで、マグネシウム合金の腐食原因元素である銅(Cu)、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)の混入量が厳しく制限されてきた。例えば、代表的なAZ91D合金(ASTM規格)の場合、Cu:0.03質量%(300ppm)未満、Ni:0.0015%(15ppm)未満およびFe:0.005%(50ppm)未満というように、腐食原因元素量は厳しく規制されている(非特許文献1参照)。
もっとも、このようなマグネシウム合金は、厳格な管理下で新規に製造されることが必要となる。従って腐食原因元素が混入し易くなるマグネシウム合金の再生(リサイクル)は困難と考えられてきた。しかし、昨今要求される資源の有効利用や環境負荷低減の観点から、マグネシウム合金のリサイクル化に対する要望は強い。特に、エンジン周辺部品等へのマグネシウム合金の利用を拡大することが検討されており、高温環境下でも高い機械的特性等を発揮する耐熱マグネシウム合金を再生マグネシウム合金から得ることが期待されている。ここで、腐食原因元素中のFeはマンガン(Mn)を溶湯中に加えることによりほぼ除去できることがわかっている(非特許文献2参照)。Niは、マグネシウム合金中に殆ど固溶せず、使用量も比較的少ないので、混入量自体はあまり多くない。しかしCuは、各種部材に多用されており、マグネシウム合金のリサイクル時に非常に混入し易い。にも拘わらず、これまでCuを無害化する有効策は実質的になく(非特許文献3参照)、この点がマグネシウム合金のリサイクル化を阻害する大きな要因でもあった。
特表2009−501845号公報(WO2007/009435) 特開平3−97824号公報
SAE PAPER 830523(1983) SAE PAPER 860288(1986) SAE PAPER 2006−01−0254(2006)
(1)このような状況の下、上記の特許文献1は、スクラップから再生した耐食性に優れるマグネシウム合金(二次合金)を提案している。具体的には、アルミニウム(Al):10〜20質量%(以下単に「%」で表す。)、亜鉛(Zn):2.5〜10%、マンガン(Mn):0.1〜2%を含有し、0.3〜2%のCuまたは0.001〜2%のNiを許容するマグネシウム合金を提案している。このマグネシウム合金が耐食性に優れる理由は必ずしも定かではないが、その特許文献1の記載からすると、Al量をマグネシウム合金中に多量に含有させ、網目構造のβ相を安定的に形成させることによって、Cuなどの腐食原因元素に起因する局所的な腐食作用を抑制していると考えられる。
(2)またAl:8.3〜9.7%、Zn:1.6〜2.4%、Mn:0.1〜0.35%、Cu<0.35%、Ni<0.01%、Fe<0.02%と規定されたマグネシウム合金(AZ92合金:ASTM規格)が存在する。このマグネシウム合金は現在ほとんど実用化されておらず、その耐食性についてもあまり知られていない。なお、このAZ92合金に関する規格は、当然に新規に合金(一次合金)を製造することを前提にしている。つまり、マグネシウム合金のリサイクル化は念頭になく、その再生に関する報告も本発明者の知る限りでは見あたらない。
(3)上記の特許文献2には、Al、ZnおよびMnの他にCaを含むマグネシウム合金に関する記載がある。しかし、そのマグネシウム合金の再生や耐食性に関する記載は全くない。そもそも特許文献2は、マグネシウム合金粉(アトマイズ粉)に関するものであり、マグネシウム合金鋳物に関するものではない。
(4)なお、高温特性に優れる耐熱マグネシウム合金に関する研究は種々されているものの、リサイクル性や耐食性を考慮した耐熱マグネシウム合金に関する提案はこれまでなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、マグネシウム合金のリサイクル性と耐食性を両立させつつ、耐熱性にも優れたマグネシウム合金が得られる耐熱マグネシウム合金の製造方法を提供することを目的とする。併せて耐食性および耐熱性に優れる耐熱マグネシウム合金鋳物とその製造方法(鋳造法)を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、耐熱性向上元素(Ca、Si、SrまたはR.E.)およびAlを含むマグネシウム合金溶湯中へZnを加えることにより、再生マグネシウム合金であっても、優れた耐食性と耐熱性を発現することを見出した。具体的には、マグネシウム合金中におけるCuの許容含有量を従来よりも格段に増大させつつ、耐食性に優れた耐熱マグネシウム合金を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる一連の本発明を完成するに至った。
《再生マグネシウム合金の製造方法》
(1)本発明の耐熱マグネシウム合金の製造方法は、回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る溶解工程と、該原溶湯を用いて、全体を100質量%(以下単に「%」という。)としたときに、
Al :5〜11%
Ca :0.2〜5%
Zn:0.8〜5%
Mn :0.1〜1.5%
Cu :0.03〜0.5%
残部:Mgと不可避不純物
となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、
該調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る凝固工程とを備え、その耐熱マグネシウム合金が再生マグネシウム合金からなることを特徴とする。
(2)本発明の製造方法によれば、回収したマグネシウム合金部材を原料として、耐食性に優れるマグネシウム合金が得られ、資源の有効利用、環境負荷の低減等が図られる。しかも、本発明の製造方法によれば、主たる腐食原因元素であるCuの含有許容量が従来よりも桁違いに増大しているので、耐熱マグネシウム合金の原料コストや管理コストなどの製造コストを大幅に低減し得る。
《本発明の経緯とメカニズム》
(1)本発明は、上述したように、マグネシウム合金の腐食原因元素の中でも特にCuに着目している。マグネシウム合金の再生を考えたときに、Cuが非常に混入し易い元素であるにも拘わらず、その有効な除去方法がないためである。ちなみにマグネシウム合金の再生時にCuが混入し易いのは、アルミニウム合金や鉄系焼結体などの部材や導電材などにCuが多用されているためである。
ちなみに、Cu以外の主たる腐食原因元素の一つであるFeは、Mnを用いることによりマグネシウム合金の溶湯中から沈降除去され得るので、Feの含有量の低減化は比較的容易である。また、腐食原因元素の一つであるNiは、そもそもマグネシウム合金中にあまり固溶せず、マグネシウム合金中のNi量が急増することは考えにくい。
(2)本発明のマグネシウム合金が優れた耐食性を発現するメカニズムは必ずしも定かではないが、現状では次のように考えられる。従来、Alを含むマグネシウム合金(Mg−Al系合金)の腐食は、Mg−Al−Cu化合物(正確には「MgAlCu」化合物)とα−Mg相が局部電池を形成する(正確にはMgAlCu化合物がカソードとなる)ことで進行すると考えられてきた。本発明者がそのMg−Al−Cu化合物について、AZ91合金(約0.7%のZnを含有)をベースに鋭意研究したところ、Mg−Al−Cu化合物はZnを微量に含むMgAlCu化合物であることが新たにわかった。
この知見に基づいて本発明者がさらに研究したところ、その腐食原因となっているMgAlCu化合物の組成比を変化させることにより、それに起因する腐食を抑制できるのではないかと考えた。そして本発明者が実際にマグネシウム合金中のZnの含有量を増加させたところ、マグネシウム合金の耐食性が向上することが判明した。具体的にはZnが増加により、Cu量が変化しても、マグネシウム合金の耐食性が維持されることが明らかとなった。つまりZnが存在することにより、Cuが混入しても、腐食起点となるMgAlCu化合物が形成されず、別のMg32(Al、Zn、Cu)49化合物(Mg−Al−Cu−Zn化合物)が形成される。このMgAlCu化合物からMg32(Al、Zn、Cu)49化合物への変化が耐食性の向上となって現れ、Cuに起因する耐食性の低下が抑制されたと考えられる。
さらにZnが増加するほど、Cuの増量に対する腐食速度の変化が緩やかとなることもわかっている。すなわち、Cuの変化量に対する腐食速度の変化量を指標する腐食速度感受性が、Znの増加と共に減少する。これは、マグネシウム合金中のZnが増加することで、Cuの含有量が多少変化しても、腐食速度があまり変化せず、安定した耐食性が得られることを示す。
そして、このような事情は、マグネシウム合金中に耐熱性向上元素(Ca、Si、SrまたはR.E.)が含まれる場合でも同様であった。そしてZnは、マグネシウム合金の耐熱性向上に寄与する化合物(AlCa、MgSi、AlSrまたはAlR.E.)の形成にも殆ど影響を与えなかった。
勿論、本発明の場合でも、Zn等に対してCuの全体量が過多になると、Mg−Al−Cu化合物が形成され、それが新たな腐食起点になり得る。そこで本発明の場合でも、Cuの最大含有量は0.5%以下にした。ちなみにAlが過多になると、β相(Mg17Al12化合物)が増加してマグネシウム合金の耐食性は向上するが、マグネシウム合金の伸びが低下し得る。
《耐熱マグネシウム合金鋳物》
上述したように、Znを比較的多く含むマグネシウム合金は耐食性に優れる。そこで本発明は、使用する原料の入手経路や再生の有無に拘わらず、単に耐食性に優れた次のような耐熱マグネシウム合金鋳物としても把握し得る。
(1)Al :5〜11%、Ca :0.2〜5%、Zn:0.8〜5%、Mn :0.1〜1.5%、Cu :0.5%以下、残部 :Mgと不純物および/または改質元素
(2)Al :1〜4%、Si :0.5〜3%、Zn :0.5〜2%、Mn :0.1〜1.5%、Cu :0.5%以下、残部 :Mgと不純物および/または改質元素
(3)Al :4〜8%、Sr :1〜3%、Zn :0.8〜4%、 Mn :0.1〜1.5%、Cu :0.5%以下、残部 :Mgと不純物および/または改質元素
(4)Al :2〜6%、R.E.:1.5〜4%、Zn :0.8〜4%、Mn :0.1〜1.5%、Cu :0.5%以下、残部:Mgと不純物および/または改質元素
《耐熱マグネシウム合金鋳物の製造方法》
さらに本発明は、その耐食性に優れた耐熱マグネシウム合金鋳物の製造方法としても把握できる。つまり本発明は、全体を100%としたときに、Ca、Si、SrまたはR.Eの一種以上である耐熱性向上元素:0.2〜5%、Al:1〜11%、Zn:0.5〜5%およびCu:0.5%以下となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、該調整溶湯を鋳型に注湯し冷却凝固して耐熱マグネシウム合金鋳物を得る凝固工程と、を備えることを特徴とする耐熱マグネシウム合金鋳物の製造方法でもよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「再生」は、その回数を問わない。また「マグネシウム合金」には鋳物、インゴット、バルク材、棒状、管状、板状等をした素材、鍛造品、切削品等が含まれる。「鋳物」は、その鋳造方法を問わず、重力鋳造でも加圧鋳造(ダイカスト鋳造等)でもよく、鋳型は金型でも砂型でもよい。
本明細書でいう「耐食性」は、腐食速度、腐食速度低下率などにより指標される。「腐食速度」とは単位時間(日)あたりの腐食減量であり、本明細書でいう「腐食速度低下率」とは基準となる試料の腐食速度に対する当該試料の腐食速度の割合である。この腐食速度低下率は、例えば、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下さらには10%以下になると好ましい。
(2)特に断らない限り、本明細書でいう「x〜y」は、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した数値自体や数値範囲中から抽出した任意の数値を、適宜組合わせて「a〜b」のような新たな数値範囲を構成し得る。溶湯や合金の成分組成は、カントレット(分光分析)法、XRF法、ICP法などを用いて試料を分析することで特定される。本明細書中でいう各種の溶湯や合金の成分組成は、特に断らない限りカントレット法により特定した。
Znを含むMg−Al−Ca系耐熱マグネシウム合金鋳物の金属組織写真である。 Znを含まないMg−Al−Ca系耐熱マグネシウム合金鋳物の金属組織写真である。
1 Al−Ca化合物
2 Mg−Al−Cu化合物
3 Mg−Al−Cu−Zn化合物
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。本明細書で説明する内容は、製造方法のみならず、耐熱マグネシウム合金または耐熱マグネシウム合金鋳物にも適宜適用される。上述した本発明の構成に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成が付加され得る。この際、製造方法に関する構成は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《耐熱マグネシウム合金(耐熱マグネシウム合金鋳物を含む)》
〈組成〉
本発明に係る耐熱マグネシウム合金(適宜単に「マグネシウム合金」という。)は、基本的にAl、耐熱性向上元素(Ca、Si、SrまたはR.E.の一種以上)、Zn、Mnおよび残部であるMgからなり、除去困難な不純物であるCuを相当量含有していても、優れた耐食性を発現する。以下では、本発明に係るマグネシウム合金の主要な構成元素について説明する。なお、AlやZnのより好適な組成範囲は、当然、耐熱性向上元素の種類やその含有量に応じて変化し得る。
(1)Zn
Znは、腐食原因元素であるCuを無害化して、マグネシウム合金の耐食性を向上させる元素である。より具体的にいうと、Znは、腐食原因となるMg−Al−Cu化合物を無害なMg−Al−Cu−Zn化合物に変化させる。従ってZnが過少ではその効果が乏しく、Znが過多ではマグネシウム合金の耐熱性が低下し得る。そこでZnは、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%として、0.5〜5%であると好ましい。Znの下限値は、適宜、0.8%、1%または2%であると好ましい。またZnの上限値は、適宜、4%、3.5%または1.5%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。
(2)Al
Alは、溶湯の湯流れ性の向上、耐熱性向上元素と化合物を形成してマグネシウム合金の耐熱性の向上、マグネシウム合金の機械的特性(強度等)の向上さらにはZnの存在下でマグネシウム合金の耐食性の向上に寄与する元素である。Alが過少ではそれらの効果が乏しく、Alが過多ではマグネシウム合金の機械的特性(伸び等)が低下し得る。そこでAlは、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%として1〜11%であると好ましい。Alの下限値は、適宜、1.5%、3%、5%または6%であると好ましい。Alの上限値は、適宜、10%、9%、7%、5%または3%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。
(3)Mn
Mnは、マグネシウム合金の溶湯中から腐食原因元素であるFeを除去し、Feに起因した腐食を抑制する元素である。Mnが過少ではそのような効果が得られない。Mnは溶湯中にあまり溶解しないので、Mnが過多になっても効果の向上は望めない。そこでMnは、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%として0.1〜1.5%であると好ましい。Mnの下限値は、適宜、0.2%さらには0.3%であると好ましい。Mnの上限値は、適宜、1%さらには0.5%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。
(4)耐熱性向上元素(Ca、Si、Sr、R.E)
耐熱性向上元素は、AlまたはMgと反応して、AlCa、MgSi、AlSr、Al−R.E.等の化合物を形成し、マグネシウム合金の耐熱性を向上させる元素である。これらの耐熱性向上元素が過少ではその効果が乏しく、それが過多ではマグネシウム合金の機械的特性(伸び等)が低下し得る。そこで耐熱性向上元素は、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%として、0.2〜5%であると好ましい。その下限値は、適宜、0.3%、0.5%、0.8%、1%、1.5%または2%であると好ましい。その上限値は、適宜、4%、3%、2.5%または2%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。
もっとも、耐熱性向上元素の好ましい範囲はその種類により異なり、具体的には次の通りである。なお、以下では、便宜上、マグネシウム合金中の耐熱性向上元素が一種のみである場合について説明するが、本発明に係るマグネシウム合金中には複数種の耐熱性向上元素が混在していてもよい。
耐熱性向上元素がCaである場合、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%としてCaは0.2〜5%であると好ましい。その下限値は、適宜、0.5%、1%さらには2%であると好ましい。その上限値は、適宜、4%さらには3%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。このときAlが5〜11%でZnが0.8〜5%であるとより好ましい。
耐熱性向上元素がSiである場合、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%としてSiは0.5〜3%であると好ましい。その下限値は、適宜、1%さらには1.5%であると好ましい。その上限値は、適宜、2.5%さらには2%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。このときAlが1〜4%でZnが0.5〜2%であるとより好ましい。
耐熱性向上元素がSrである場合、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%としてSrは1〜3%さらには1.5〜2.5%であると好ましい。このときAlが4〜8%でZnが0.8〜4%であるとより好ましい。
耐熱性向上元素がR.E.ある場合、マグネシウム合金(またはその調整溶湯)全体を100%としてR.E.は1.5〜4%であると好ましい。その下限値は、適宜、2%さらには2.5%であると好ましい。その上限値は、適宜、3.5%さらには3%であると好ましい。これら上限値および下限値は任意に組み合わせ得る。このときAlが2〜6%でZnが0.8〜4%であるとより好ましい。
ちなみにR.E.は、マグネシウム合金の耐熱性向上に寄与するのみならず、Znと協働してマグネシウム合金の耐食性を向上させると共にNiに起因する腐食をも抑制し得る。このR.E.には多数の元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの17種)が包含されるが、R.E.はそれらのいずれの元素でもよい。もっともR.E.は、通常、原料コストや入手性などを考慮して、複数種の希土類元素が混在したミッシュメタル(Mm)として供給される。この場合、Mmの含有量をR.E.の含有量として考えれば足る。ちなみにMmの組成の一例を挙げれば、Mm全体を100質量%としたとき、Ce:52%、La:25%、Nd:16%、Pr:5%である。
(5)改質元素
本明細書でいう「改質元素」は、Mg、Al、Mn、Zn、Ca、Si、Sr、R.E、Cu、Ni、Fe以外の元素であって、マグネシウム合金の特性改善に有効な元素である。改善される特性の種類は問わないが、耐食性、耐熱性、強度、伸び、靱性、難燃性などがある。改質元素として、例えば、ベリリウム(Be)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)またはジルコニウム(Zr)などの一種以上がある。各元素の組合せは任意であり、その含有量は微量である。
(6)不純物
本明細書でいう不純物には、マグネシウム合金の特性を劣化させる元素は勿論、劣化させない元素も含む。代表的な不純物は、腐食原因元素であるCu、NiおよびFeであるが、その他、コスト的または技術的に除去困難な「不可避不純物」が広く含まれる。
当然ながら、腐食原因元素であるCu、NiおよびFeのマグネシウム合金中への混入量は少ない程好ましい。前述したように、本発明ではCuの含有許容量を0.5%にまで拡大できるが、Cuの含有量が0.4%以下、0.3%以下さらには0.2%以下であるほど好ましい。同様にNiの含有量も0.05%以下、0.01%以下、0.005%以下さらには0.002%以下となるほど好ましい。
《耐熱マグネシウム合金の製造方法》
本発明の耐熱マグネシウム合金(鋳物)の製造方法は、基本的に調製工程と凝固工程とからなる。耐熱マグネシウム合金を再生マグネシウム合金から得る場合、さらに溶解工程が加わる。
(1)溶解工程
溶解工程は、回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る工程である。
「マグネシウム合金部材」は、マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる部材という意味であり、その形状、形態、履歴などは問わない。例えば、マグネシウム合金部材は、製品でもインゴットでも端切れでもよい。また、マグネシウム合金部材は、使用済み品でも未使用品でもよい。「回収原料」は、マグネシウム合金部材からなる場合のみならず、他種金属部材が混入する場合でもよい。勿論、再生マグネシウム合金の所望組成に近いマグネシウム合金部材のみからなるほど好ましい。
(2)調製工程
調製工程は、溶湯を特定の組成範囲に調整した調整溶湯を得る工程である。再生マグネシウム合金から耐熱マグネシウム合金を得る場合、前述した原溶湯へ、耐熱性向上元素、Al、Zn、Mn等を適宜添加して、その組成を前述したマグネシウム合金組成に調整する。
(3)凝固工程
凝固工程は、調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る工程または調整溶湯を鋳型に注湯し冷却凝固して耐熱マグネシウム合金鋳物を得る工程である。なお、冷却凝固は自然冷却して凝固させても強制冷却して凝固させてもよい。
もっとも組成的な偏析部分や結晶粒の粗大な部分が多くなると、そこを起点に腐食が進行し、マグネシウム合金の耐食性が低下し得る。そこで凝固工程は、冷却速度の大きなダイカスト鋳造工程であると好ましい。なお、マグネシウム合金鋳物の組織や組成の均一化を図る熱処理を適宜行ってもよい。
《マグネシウム合金の用途》
本発明のマグネシウム合金は、優れた耐食性および耐熱性を有するため、例えば、高温下で使用される構造部材、ケース部材、自動車部品等に用いられる。しかも本発明の耐熱マグネシウム合金鋳物は耐食性が高いため、防食処理を省略でき、各部材の製造コストを減し得る。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
〈試料の製造〉
市販されている各種の純金属からなる原料を用いて、表1A〜4Bに示す合金組成からなる試料を次のようにして製造した。なお、R.E.には市販のMm(Ce:52%、La:25%、Nd:16%、Pr:5%)を用いた。
先ず、各原料を高クロム合金鋼(JIS SUS430)製の坩堝(内径80mmx高さ230mm)に投入し、電気炉で溶解して溶湯(原溶湯)を得た(溶解工程)。この溶湯を表1A〜4Bに示す各マグネシウム合金組成に調整し、750℃に保持した(調製工程)。こうして得た各溶湯(調整溶湯)を、鋼製舟金型(キャビティ:20×40×200mm)へ注湯した。この際の注湯温度は650℃とした。これを大気中で自然冷却して金型重力鋳造した各種のマグネシウム合金鋳物(試料)を得た(凝固工程)。
〈腐食試験〉
各試料から削りだした板状の試験片(25mmx25mmx2mm)を用いて、JIS H 0541に準じた腐食試験を行った。具体的には、各試験片を5%のNaCl水溶液中へ100時間浸漬し、そこから発生した気泡(水素ガス)を捕捉して、その気泡発生量から試験片の腐食減量を算出した。こうして得た各試験片の腐食減量から、各試料の腐食速度を求めた。なお本明細書では、腐食速度(MCD)を1日あたりの腐食減量(mg・cm−2・day−1)で表記した。
また、Cu:0.5%、Zn:0%の試料(試料No.A0、B0、C0、D0)の腐食速度(V1)を基準として、その腐食速度に対する他の各試料の腐食速度(Vn)の割合((Vn/V1)×100)を求めた。この割合を「腐食速度低下率」として、各表に示した。各表中の評価欄に示した「○」は、腐食速度低下率が30%以下であることを示す。なお、腐食速度(MCD)または腐食速度低下率による評価は、製品の耐食性が一定期間内の腐食減量により評価される実情に適合している。
〈評価〉
(1)Mg−Al−Ca系マグネシウム合金(試料No.A1〜A34およびA0)
Al、Ca、MnおよびZnの組成を種々変更した各種のMg−Al−Ca系耐熱マグネシウム合金の腐食速度および腐食速度低下率を表1Aおよび表1Bに示した。Znを0.8〜5%含む試料No.A1〜A33はいずれも、腐食原因元素であるCuを多量(0.5%:5000ppm)に含むにも拘わらず、腐食速度が非常に小さい。これらの腐食速度は、Cuを含まない試料No.A34と同レベルである。そしてZnを含まない試料No.A0と比較した試料No.A1〜A33の腐食速度低下率は、殆どが10%以下、比較的高い試料でも20%未満となっており、耐食性が著しく向上している。
また試料No.A30〜A34から明らかなように、Znが増加するほどマグネシウム合金の耐食性は向上する傾向を示す。この傾向は、Znが1%以上で顕著である一方、Znが4%を超えるとほぼ飽和状態となる。従ってMg−Al−Ca系マグネシウム合金の場合、Znの含有量は0.8〜5%さらには1〜4%であると好ましい。
さらに試料No.A1〜A25から明らかなように、耐熱性向上元素であるCa量が増加するほど耐食性が低下する傾向が観られる。しかし、Al量が増加すると、耐食性が顕著に向上し、Ca量の増加による耐食性の低下傾向は小さくなる。これはAlがCaと反応して耐熱性を向上させるAl−Ca化合物を形成すると共に、余剰のAlが耐食性を向上させるMg−Al−Cu−Zn化合物を形成するためと考えられる。このような観点から、Mg−Al−Ca系マグネシウム合金は、Alを5〜11%さらには8〜11%含むと好ましい。またCaは、耐食性の観点から5%以下が好ましいが、耐熱性の観点から0.2%以上が好ましく、1〜4%であるとより好ましい。
なお、試料No.A26〜A29から明らかなように、Mnが増加するほどマグネシウム合金の耐食性が向上する傾向が観られるが、その変化は僅かである。従ってマグネシウム合金鋳物中のMnは0.1〜1.5%程度に調整されれば十分であり、これにより腐食原因元素であるFeは0.005%(50ppm)未満に抑制され得る。
試料No.A13および試料No.A0に係るマグネシウム合金鋳物の金属組織写真を、それぞれ図1Aおよび図1Bに示した。これらの写真中、灰色部分は初晶(α−Mg)であり、白色部分はAl−Ca化合物1、Mg−Al−Cu化合物2またはMg−Al−Cu−Zn化合物3である。これらの写真から明らかなように、マグネシウム合金鋳物がZnを含有すると、腐食原因となるMg−Al−Cu化合物はMg−Al−Cu−Zn化合物に変化し、腐食原因元素であるCuは無害化されることがわかる。この際、Znは、耐熱性を向上させるAl−Ca化合物の形成に悪影響を及ぼしていないこともわかる。つまりZnは、マグネシウム合金鋳物の耐熱性を阻害することなく、その耐食性を向上させる。
(2)Mg−Al−Si系マグネシウム合金(試料No.B1〜B34およびB0)
Al、Si、MnおよびZnの組成を種々変更した各種のMg−Al−Si系耐熱マグネシウム合金の腐食速度および腐食速度低下率を表2Aおよび表2Bに示した。Znを0.5〜2%含む試料No.B1〜B33はいずれも、腐食原因元素であるCuを多量(0.5%:5000ppm)に含むにも拘わらず、腐食速度が非常に小さい。これらの腐食速度は、Cuを含まない試料No.B34と同レベルである。そしてZnを含まない試料No.B0と比較した試料No.B1〜B33の腐食速度低下率は、殆どが12〜13.5%内で安定しており、比較的高い試料でも14.5%未満であって、耐食性が著しく向上している。
試料No.B30〜B34から明らかなように、Znが増加するほどマグネシウム合金の耐食性は向上するが、この傾向はZnが0.8%以上で顕著であり、Znが1.5%を超えるとほぼ飽和状態となる。従ってMg−Al−Si系マグネシウム合金の場合、Znの含有量は0.5〜2%さらには0.8〜1.5%が好ましい。
一方、このMg−Al−Si系マグネシウム合金は、上述したMg−Al−Ca系マグネシウム合金と比較して、Al量、Si量またはMn量の変化に対する耐食性の変化が小さい。従って、Znが上記範囲内であることを前提に、Al:1〜4%、Si :0.5〜3%、Mn :0.1〜1.5%とすれば、マグネシウム合金鋳物の耐熱性が阻害されることなく、耐食性に優れたマグネシウム合金鋳物が得られる。
(3)Mg−Al−Sr系マグネシウム合金(試料No.C1〜C34およびC0)
Al、Sr、MnおよびZnの組成を種々変更した各種のMg−Al−Sr系耐熱マグネシウム合金の腐食速度および腐食速度低下率を表3Aおよび表3Bに示した。Znを0.8〜4%含む試料No.C1〜C33はいずれも、腐食原因元素であるCuを多量(0.5%:5000ppm)に含むにも拘わらず、腐食速度が非常に小さい。これらの腐食速度は、Cuを含まない試料No.C34と同レベルである。そしてZnを含まない試料No.C0と比較した試料No.C1〜C33の腐食速度低下率は、殆どが8.5〜10.5%内で安定しており、比較的高い試料でも14%であって、耐食性が著しく向上していることが明らかである。
試料No.C30〜C34から明らかなように、Znが増加するほどマグネシウム合金の耐食性は向上するが、この傾向はZnが2%以上で顕著であり、Znが3.5%を超えるとほぼ飽和状態となる。従ってMg−Al−Si系マグネシウム合金の場合、Znの含有量は0.8〜4%、1〜3.5%さらには2〜3%が好ましい。
一方、このMg−Al−Sr系マグネシウム合金は、上述したMg−Si−Ca系マグネシウム合金と同様に、Al量、Sr量またはMn量の変化に対する耐食性の変化が小さい。従って、Znが上記範囲内であることを前提に、Al:4〜8%、Sr:1〜3%、Mn :0.1〜1.5%とすれば、マグネシウム合金鋳物の耐熱性が阻害されることなく、耐食性に優れたマグネシウム合金鋳物が得られる。
(4)Mg−Al−R.E.系マグネシウム合金(試料No.D1〜D34およびD0)
Al、R.E.、MnおよびZnの組成を種々変更した各種のMg−Al−R.E.系耐熱マグネシウム合金の腐食速度および腐食速度低下率を表4Aおよび表4Bに示した。Znを0.8〜4%含む試料No.D1〜D33はいずれも、腐食原因元素であるCuを多量(0.5%:5000ppm)に含むにも拘わらず、腐食速度が非常に小さい。これらの腐食速度は、Cuを含まない試料No.D34と同レベルである。そしてZnを含まない試料No.D0と比較した試料No.D1〜D33の腐食速度低下率は、殆どが23〜27.5%内で安定しており、比較的高い試料でも30%未満であって、耐食性が著しく向上していることが明らかである。
試料No.D30〜D34から明らかなように、Znが増加するほどマグネシウム合金の耐食性は向上するが、この傾向はZnが2%以上で顕著であり、Znが3.5%を超えるとほぼ飽和状態となる。従ってMg−Al−R.E.系マグネシウム合金の場合、Znの含有量は0.8〜4%さらには2〜3.5%が好ましい。
一方、このMg−Al−R.E.系マグネシウム合金は、上述したMg−Sr−Ca系マグネシウム合金等と同様に、Al量、Sr量またはMn量の変化に対する耐食性の変化が小さい。従って、Znが上記範囲内であることを前提に、Al:2〜6%、R.E.:1.5〜4%、Mn :0.1〜1.5%とすれば、マグネシウム合金鋳物の耐熱性が阻害されることなく、耐食性に優れたマグネシウム合金鋳物が得られる。

Claims (10)

  1. 回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る溶解工程と、
    該原溶湯を用いて、全体を100質量%(以下単に「%」という。)としたときに、
    Al :5〜11%
    Ca :0.2〜5%
    Zn:0.8〜5%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
    となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、
    該調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る凝固工程と、
    を備えることを特徴とする該再生マグネシウム合金からなる耐熱マグネシウム合金の製造方法。
  2. 回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る溶解工程と、
    該原溶湯を用いて、全体を100%としたときに、
    Al :1〜4%
    Si :0.5〜3%
    Zn :0.5〜2%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
    となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、
    該調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る凝固工程と、
    を備えることを特徴とする該再生マグネシウム合金からなる耐熱マグネシウム合金の製造方法。
  3. 回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る溶解工程と、
    該原溶湯を用いて、全体を100%としたときに、
    Al :4〜8%
    Sr :1〜3%
    Zn :0.8〜4%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
    となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、
    該調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る凝固工程と、
    を備えることを特徴とする該再生マグネシウム合金からなる耐熱マグネシウム合金の製造方法。
  4. 回収したマグネシウム合金部材からなる回収原料を加熱溶融してなる原溶湯を得る溶解工程と、
    該原溶湯を用いて、全体を100%としたときに、
    Al :2〜6%
    R.E.:1.5%超〜4%
    Zn :0.8〜4%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03%以上0.5%未満
    残部:Mgと不可避不純物
    となるマグネシウム合金組成の調整溶湯を得る調製工程と、
    該調整溶湯を冷却凝固して再生マグネシウム合金を得る凝固工程と、
    を備えることを特徴とする該再生マグネシウム合金からなる耐熱マグネシウム合金の製造方法。
  5. 前記調製工程は、Znを1%以上とする工程である請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱マグネシウム合金の製造方法。
  6. 全体を100%としたときの合金組成が下記の範囲内であることを特徴とする耐熱マグネシウム合金鋳物。
    Al :5〜11%
    Ca :0.2〜5%
    Zn:0.8〜5%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
  7. 全体を100%としたときの合金組成が下記の範囲内であることを特徴とする耐熱マグネシウム合金鋳物。
    Al :1〜4%
    Si :0.5〜3%
    Zn :0.5〜2%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
  8. 全体を100%としたときの合金組成が下記の範囲内であることを特徴とする耐熱マグネシウム合金鋳物。
    Al :4〜8%
    Sr :1〜3%
    Zn :0.8〜4%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03〜0.5%
    残部:Mgと不可避不純物
  9. 全体を100%としたときの合金組成が下記の範囲内であることを特徴とする耐熱マグネシウム合金鋳物。
    Al :2〜6%
    R.E.:1.5%超〜4%
    Zn :0.8〜4%
    Mn :0.1〜1.5%
    Cu :0.03%以上0.5%未満
    残部:Mgと不可避不純物
  10. Znが1%以上である請求項6〜9のいずれかに記載の耐熱マグネシウム合金鋳物。
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