JP2004083955A - セラミック電子部品のめっき方法、及びセラミック電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極上のNi皮膜に不連続箇所が生じるのを回避して回路基板実装時のはんだ付け不良を防止する。
【解決手段】電解バレルめっき法のように不可避不純物としてFeイオンが混入したNiめっき液を使用して外部電極6a表面にNiめっきを施す場合、Niめっき液中のFeイオン含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満に制御されたNiめっき液を使用して電解めっき処理を施す。
【選択図】 図2
【解決手段】電解バレルめっき法のように不可避不純物としてFeイオンが混入したNiめっき液を使用して外部電極6a表面にNiめっきを施す場合、Niめっき液中のFeイオン含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満に制御されたNiめっき液を使用して電解めっき処理を施す。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミック電子部品のめっき方法及びセラミック電子部品に関し、より詳しくは各種電子回路に使用されるチップ型の積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器等のセラミック電子部品のめっき方法、及び該めっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、或いは抵抗器等のセラミック電子部品では、通常、セラミック素体の両端部に電極を形成し、該電極の表面に、Ni、Sn、Sn合金等からなるめっき皮膜を形成したものが知られている(例えば、特開平9−266129号公報)。
【0003】
すなわち、従来のこの種セラミック電子部品では、セラミック素体の両端部にAgやCu等の導電性材料を主成分とする導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を行なって外部電極を形成し、さらに、はんだ付け時の溶蝕を防止して外部電極を保護する観点から該外部電極の表面にNi皮膜を形成し、また該Ni皮膜の酸化によるはんだ濡れ性の低下を防止する観点から前記Ni皮膜の表面にSnやSn合金(以下、これらを単に「Sn」と記す)からなるSn皮膜を形成している。
【0004】
また、上記Ni皮膜及びSn皮膜の形成方法としては、大量の被めっき物を一括して、効率良くめっき処理することのできる電解バレルめっき法で行われるのが一般的であり、また、セラミック自体は導電性に欠けることから、導電性媒体として鉄(Fe)からなる多数の鋼球をセラミック素体と共にバレルに投入し、電解バレルめっきを行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、外部電極が導電性ペーストを焼付処理して形成されているため、図3に示すように、外部電極101の表面が数μm程度の凸凹形状を有して形成される。このため、被めっき物に電解Niめっきを施した場合、外部電極101に通電される電流量が均一とはならずにバラツキが生じ、特に凹部は、通電される電流量が少なくなるため、めっき金属が析出せず、このためx部やy部に示すように、Ni皮膜102は部分的に途切れた不連続箇所を有して形成される。
【0006】
そして、上述した不連続箇所は、その後のSnめっき処理により、仮想線に示すように、Sn皮膜103により被覆され、したがって外観上は不良とは判別されない。
【0007】
しかしながら、このようなセラミック電子部品を回路基板に実装した場合、はんだ付け時に外部電極101の保護が十分になされず、はんだ付け不良の生じる虞がある。すなわち、部分的に途切れている不連続箇所がNi皮膜102に存在すると、該不連続箇所である凹部に水分が留まり、はんだ付け時の加熱によって水分が突沸し、その結果水蒸気爆発が生じてはんだが外部電極101から剥離してしまい、はんだ付け不良の生じる虞がある。
【0008】
特に、近年では環境面への配慮からSn−AgはんだやSn−Ag−Cuはんだ、Sn−Znはんだ等の高融点のPbフリーはんだが使用されてきているが、このような高融点のはんだ材を使用した場合に、はんだ付け不良の発生が顕著になる。
【0009】
すなわち、Pbを含有したSn−Pbはんだの場合は融点が約183℃と比較的低いため、はんだ付け時の加熱温度を低く抑制することができ、したがって水蒸気爆発の発生を回避してはんだ付け不良を抑制することが可能であるが、高融点のPbフリーはんだの場合、例えば、Sn−3.5Ag合金では、融点が221℃であり、このためはんだ付け時の加熱温度を高く設定する必要があり、その結果水蒸気爆発によりはんだが外部電極101から剥離し、はんだ付け不良が生じ易くなって製品歩留まりの低下を招来するという問題点があった。しかも、このようなNi皮膜102の不連続箇所は、Niめっき液を建浴した後、製造ロット数を増やすに連れて顕著に発生する。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、電極上のNi皮膜に不連続箇所が生じるのを回避して回路基板実装時のはんだ付け不良を防止することのできるセラミック電子部品のめっき方法、及び該めっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
電解バレルめっき法でNiめっきを施す場合、通常、安価な鉄球が導電性媒体として被めっき物と共にバレルに投入されるため、製造ロット数が増加してゆくとバレル内の鉄球が溶出し、その結果めっき液中にはFeイオンが不可避的に混入する。また、工業用水や使用薬品中に混入しているFeイオンがめっき液中に混入したり、或いはめっき槽の内壁から鉄分が溶け出した場合もFeイオンがめっき液中に不可避的に混入する。
【0012】
そこで、本発明者は、Niめっき液中のFeイオン含有量とめっき析出との関係について鋭意研究したところ、めっき液中のFeイオンの含有量を3.00×10−2重量%(以下、「wt%」と記す)未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満に管理することにより、電極上のNi皮膜に不連続箇所が生じるのを回避することができ、これにより回路基板実装時のはんだ付け不良を防止することができるという知見を得た。
【0013】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るセラミック電子部品のめっき方法は、Feイオンが混入しためっき液を使用し、セラミック素体の表面に形成された電極にニッケルめっきを施すセラミック電子部品のめっき方法において、前記めっき液中における前記Feイオンの含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは、2.80×10−2wt%未満であることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のめっき方法は、鉄製の第1の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴としている。
【0015】
上記めっき方法によれば、鉄製の導電性媒体を使用した場合であっても、Niめっき液中のFeイオン含有量を監視し、適宜Niめっき液を交換することにより、Feイオン含有量を3.00×10−2wt%未満に抑制することができ、不連続箇所が生じることなく層状に連続的なNi皮膜を形成することが可能となる。
【0016】
また、本発明のめっき方法は、鉄製以外の第2の導電性媒体(Ni、Sn、Pb、又はこれらの合金)と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴としている。
【0017】
上記めっき方法によれば、鉄製以外の第2の導電性媒体を使用して電解バレルめっきを施しているので、Feイオンの含有量が増加するのを抑制することができ、同一のNiめっき液を長時間使用しても不連続箇所の生じることなくNi皮膜を形成することが可能となる。
【0018】
また、本発明のめっき方法は、前記第2の導電性媒体に加え、鉄製の第1の導電性媒体を前記バレルに投入して前記ニッケルめっきを施すのも好ましい。
【0019】
上記めっき方法によれば、鉄製の導電性媒体(第1の導電性媒体)と鉄製以外の導電性媒体(第2の導電性媒体)とを併用して電解バレルめっきを施しているので、鉄製の導電性媒体のみを使用して電解バレルめっきを施した場合に比べ、Niめっき液中のFeイオン含有量の増加率が抑制される。
【0020】
また、本発明のめっき方法は、錯化剤を含有しないめっき液、特に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸の混合液を主成分とした所謂ワット浴に対して効果的である。
【0021】
すなわち、本発明のめっき方法は、前記めっき液は、錯化剤を含まないことを特徴とし、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸からなる混合液を主成分とすることを特徴としている。
【0022】
また、本発明のめっき方法は、前記電極が、前記セラミック素体に導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を施して形成することを特徴としている。
【0023】
上記めっき方法によれば、前記焼付処理により電極表面が凹凸形状を有して形成されている場合であっても、Feイオンの含有量を3.00×10−2wt%未満とすることにより、不連続箇所が生じることのないNi皮膜を形成することができる。
【0024】
また、本発明に係るセラミック電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されていることを特徴としている。
【0025】
上記セラミック電子部品によれば、Ni皮膜は連続した層状に形成され、高融点のPbフリーはんだ材を使用して回路基板に実装してもはんだ付け不良が生じない積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器その他のセラミック電子部品を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
【0027】
図1は本発明に係るめっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す断面図である。
【0028】
該積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の誘電体材料で形成されたセラミック素体1に内部電極2〜5が埋設されると共に、前記セラミック素体1の両端部には外部電極6a、6bが形成され、さらに外部電極6a、6bの表面にはNi皮膜7a、7b及びSn皮膜8a、8bが順次形成されている。
【0029】
そして、内部電極2、4の引出部2a、4aは一方の外部電極6aと電気的に接続されると共に、内部電極3、5の引出部3a、5aは他方の外部電極6bと電気的に接続され、内部電極2、4と内部電極3、5との間に静電容量が形成されている。
【0030】
上記積層セラミックコンデンサは、図2(図1のA部拡大図)に示すように、外部電極6aの表面が凹凸形状を有していても、Ni皮膜7aには不連続箇所が生じず、連続的に層状に形成されており、この層状のNi皮膜7aの表面にSn皮膜8aが形成されている。
【0031】
次に、上記積層セラミックコンデンサの製造方法を説明する。
【0032】
まず、BaCO3、TiO2、ZrO2等の所定の誘電体セラミック材料を混合し、粉砕、乾燥、仮焼等の工程を経、ドクターブレード法によりセラミックグリーンシート(以下、「セラミックシート」という)を作製する。
【0033】
次いで、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子やワニス等の有機成分が含有された内部電極用導電性ペーストを作製する。そして、該導電性ペーストを使用してセラミックシートの表面にスクリーン印刷を施し、導電パターンを形成し、この後、前記導電パターンの形成されたセラミックシートを積層した後、導電パターンの形成されていないセラミックシートで挟持・圧着して積層体を形成する。その後、所定温度(例えば、900〜1300℃)で前記積層体に焼成処理を施し、バレル研磨を行って表面を平滑化し、これによりセラミック素体1が作製される。
【0034】
次に、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子、ワニス等の有機成分が含有された外部電極用導電性ペーストを作製する。次いで、該導電性ぺーストをディップ方式によりセラミック素体の両端部に塗布した後、温度600〜800℃で焼付処理を行なう。これによりワニス等の有機成分が燃焼して焼失し、導電性材料とガラス粒子との混合体からなる外部電極6a、6bが前記両端部に形成される。そしてこの後、外部電極6a、6bの形成されたセラミック素体1を被めっき物とし、電解バレルめっき法によりNiめっきを行なってNi皮膜7a、7bを形成する。
【0035】
本実施の形態では、取り扱いの容易性から、めっき液として硫酸ニッケルと塩化ニッケルとホウ酸を主成分とするワット浴を使用し、これら各成分の濃度や水素イオン指数pHを定期的に測定、補正しながら、これら各成分が所定濃度範囲となるように管理されている。
【0036】
すなわち、まず、硫酸ニッケル、塩化ニッケル及びホウ酸を所定量ずつ混合し、所定水素イオン指数pH(例えば、4.0〜5.0)を有するNiめっき液を調製し、該Niめっき液でめっき槽を満たす。
【0037】
そして、Ni製のアノード板と、カソード板、被めっき物、及び導電性媒体が内有されたバレルとをめっき槽に浸漬し、バレルを回転、揺動等させながらアノード、カソード間に電位を印加して電流を流し、Niめっき液中のFeイオンの含有量が3.0×10−2wt%未満となるように管理しながら電解めっきを施し、外部電極6a、6bの表面にNi皮膜7a、7bを形成する。
【0038】
ここで、Niめっき液中のFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満となるようにしたのは以下の理由による。
【0039】
Niめっき液中のFeイオンの含有量が増加して3.0×10−2wt%を超えると低電圧を印加した場合であっても外部電極6a、6bの表面にはNi皮膜7a、7bが析出する。
【0040】
しかしながら、前記低電圧が印加された場合、外部電極6a、6bが凹凸形状を有していたり、或いは外部電極7a、7bに異物が固着していると、めっき析出箇所に通電される電流が均一とはならず、凹部や異物固着部の通電量が少なくなる。すなわち、外部電極6a、6b上で電流分布のバラツキが生じ、このため、Ni皮膜7a、7bには不連続箇所が生じ、〔発明が解決しようとする課題〕の項でも述べたように回路基板への実装時にはんだ付け不良が生じる虞がある。
【0041】
そこで、本実施の形態では、Niめっき液中におけるFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満となるようにNiめっき液を管理しながらNiめっきを行っている。
【0042】
そして、Niめっき液中へのFeイオンの混入は、導電性媒体としての鉄製鋼球がめっき液中に溶出した場合、又は、めっき液に添加される薬品中に鉄分が不純物として混入している場合、或いはめっき槽の内壁から鉄分が溶出してしまった場合等に生じる。
【0043】
したがって、導電性媒体として安価な鉄製鋼球のみを使用する場合は、Niめっき液中のFeイオン含有量を常時監視し、Feイオン含有量が3.0×10−2wt%、好ましくは2.80×10−2wt%近傍まで増加した場合にNiめっき液を交換することにより、Niめっき液中のFeイオン含有量を管理することができる。
【0044】
また、Niめっき液中のFeイオンは、主として鉄製の導電製媒体がNiめっき液中に溶出することにより増大すると考えられることから、鉄製以外の導電性媒体、例えばNi、Sn、Pb、又はこれらの合金の中から選択された少なくとも1種以上を使用することにより、Niめっき液中でのFeイオンの含有量が増加するのを抑制することができ、同一のNiめっき液で長時間、所望のNi皮膜が形成されたセラミック電子部品を得ることが可能となる。
【0045】
さらに、コスト面を考慮し鉄製の導電性媒体(第1の導電性媒体)と鉄製以外の導電性媒体(第2の導電性媒体)とを併用することによっても、鉄製の導電性媒体のみを使用した場合に比べてNiめっき液中のFeイオン含有量の増加率を抑制することができる。
【0046】
そして、このようにして連続的に層状のNi皮膜7a、7bを形成した後、スズめっき液を使用し、上述と同様の電解バレルめっきを行ってNi皮膜7a、7b上にSn皮膜8a、8bを形成し、これにより積層セラミックコンデンサが製造される。
【0047】
このように本実施の形態では、Niめっき液中のFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満としているので、外部電極6a、6bの表面に凹凸があってもNi皮膜7a、7bに不連続箇所が形成されることはなく、外部電極6a、6bの表面全域に亙って均一な層状のNi皮膜7a、7bが形成され、回路基板への実装時にはんだ付け不良が生じるのを回避することができ、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0048】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態ではめっき液としてワット浴を使用しているが、ワット浴以外であっても錯化剤を含有していないめっき液、例えば全塩化物浴や全硫酸塩浴に対しても同様に適用することができる。
【0049】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0050】
(実施例1)
縦10mm、横5mm、厚み5mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0051】
また、NiSO4・6H2O(硫酸ニッケル6水和物):400kg/m3、NiCl2・6H2O(硫酸ニッケル6水和物):70kg/m3、H3BO3(ホウ酸):40kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.2となるようにNiめっき液(ワット浴)を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を1.00×10−2wt%に設定した。
【0052】
次いで、10000個の被めっき物と直径0.7mmの鉄球80gをカソード板が内有されたバレルに投入し、アノード板とカソード板との間に電圧を印加し、浴温60℃下、電流密度20A/m2でもって60分間、電解バレルめっきを施し、外部電極の表面にNi皮膜を形成した。
【0053】
そしてこの後、硫酸第1スズをスズ源とするスズめっき液を使用して上述と同様、アノード板とカソード板との間に電圧を印加し、浴温25℃下、電流密度20A/m2でもって60分間電解バレルめっきを施し、Ni皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0054】
(実施例2)
縦16mm、横8mm、厚み8mmのセラミック素体の両端面にCuを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0055】
また、NiSO4・6H2O:330kg/m3、NiCl2・6H2O:45kg/m3、H3BO3:30kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.0となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.00×10−2wt%に設定した。
【0056】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0057】
(実施例3)
縦6mm、横3mm、厚み3mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0058】
また、NiSO4・6H2O:420kg/m3、NiCl2・6H2O:60kg/m3、H3BO3:30kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.5となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を5.0×10−3wt%に設定した。
【0059】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0060】
(実施例4)
縦1.0mm、横0.5mm、厚み0.5mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0061】
また、NiSO4・6H2O:330kg/m3、NiCl2・6H2O:60kg/m3、H3BO3:45kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.2となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.60×10−2wt%に設定した。
【0062】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0063】
(実施例5)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.80×10−2wt%に設定した。
【0064】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0065】
(比較例1)
実施例1と同様、水素イオン指数pHが4.2となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.10×10−2wt%とした。
【0066】
次いで、実施例1と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0067】
(比較例2)
実施例2と同様、水素イオン指数pHが4.0となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.50×10−2wt%とした。
【0068】
次いで、実施例2と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0069】
(比較例3)
実施例3と同様、水素イオン指数pHが4.5となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を4.00×10−2wt%とした。
【0070】
次いで、実施例3と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0071】
(比較例4)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.90×10−2wt%に設定した。
【0072】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0073】
(比較例5)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を5.90×10−2wt%に設定した。
【0074】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0075】
次に、本発明者は、各実施例及び比較例の試験片を使用し、回路基板にリフロー処理を行なって実装し、はんだ付け不良発生率を測定した。
【0076】
すなわち、はんだ付け不良の場合、はんだ付け箇所で突沸等が起こり、はんだに所謂「つの」が形成されたり、はんだの一部が吹き飛ぶ。したがって、はんだ付け状態の良否を目視で判断し、不良発生個数を各実施例及び比較例の試験片個数10000個で除算してはんだ付け不良発生率を算出した。
【0077】
表1は各実施例及び比較例のNiめっき液組成とはんだ付け不良発生率を示している。
【0078】
【表1】
この表1から明らかなように比較例1〜5は、Niめっき液中のFeイオン含有量が3.00×10−2wt%を超えているため、はんだ付け不良発生率が10%を超えており、製品歩留まりが低下することが分かった。特に、Feイオン含有量が増加するに伴い、はんだ付け不良発生率が増大することが確認された。
【0079】
これに対して実施例1〜5は、Niめっき液中のFeイオン含有量が3.00×10−2wt%未満であるため、はんだ付け不良が発生しないことが確認され、特に、Niめっき液中のFeイオン含有量を2.80×10−2wt%未満とすることによりはんだ付け不良の発生を確実に防止することのできることが分かった。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るセラミック電子部品のめっき方法は、鉄イオンが混入しためっき液を使用し、セラミック素体の表面に形成された電極にニッケルめっきを施すセラミック電子部品のめっき方法において、前記めっき液中における前記鉄イオンの含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満であるので、電極表面が凹凸形状を有していても、不連続箇所を有することなく所望の層状のNiめっき皮膜を形成することができる。
【0081】
また、本発明は、鉄製の第1の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施した場合は、Niめっき液中のFeイオン含有量を常時監視し、Feイオン含有量が3.00×10−2wt%近傍に到達した時点でNiめっき液を交換することにより、Feイオン含有量を容易に3.00×10−2wt%未満に抑制することができ、電極表面が凹凸形状を有していても、不連続箇所を有することなく所望の層状のNiめっき皮膜を形成することができる。
【0082】
また、本発明は、鉄製以外の第2の導電性媒体(Ni、Sn、Pb、又はこれらの合金)のみ、又は前記第1の導電性媒体及び前記第2の導電性媒体を併用した場合は、鉄製の導電性媒体のみを前記セラミック素体と共にバレルに投入して前記ニッケルめっきを施した場合に比べ、Feイオン含有量の増加率を抑制することができ、したがってNiめっき液の耐久性が向上し、Niめっき液の交換回数を低減させつつ、所望のNi皮膜を電極上に形成することができる。
【0083】
また、本発明は、前記めっき液が、錯化剤を含まないめっき液、特に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸からなる混合液を主成分とするめっき液に効果的である。
【0084】
また、本発明は、前記電極が、前記セラミック素体に導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を施して形成することにより、電極表面は一般に凹凸形状を有することとなるが、その場合であっても、Feイオン含有量を3.00×10−2wt%未満に抑制することにより、層状で不連続箇所の生じることのないNiめっき皮膜を形成することができる。
【0085】
本発明に係るセラミック電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されているので、Ni皮膜は連続した層状に形成され、高融点のPbフリーはんだ材を使用して回路基板に実装しても、はんだ付け不良が生じない積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器その他のセラミック電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るめっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】従来における外部電極の表面に形成されたNi皮膜を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック素体
6a、6b 外部電極(電極)
7a、7b Ni皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミック電子部品のめっき方法及びセラミック電子部品に関し、より詳しくは各種電子回路に使用されるチップ型の積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器等のセラミック電子部品のめっき方法、及び該めっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、或いは抵抗器等のセラミック電子部品では、通常、セラミック素体の両端部に電極を形成し、該電極の表面に、Ni、Sn、Sn合金等からなるめっき皮膜を形成したものが知られている(例えば、特開平9−266129号公報)。
【0003】
すなわち、従来のこの種セラミック電子部品では、セラミック素体の両端部にAgやCu等の導電性材料を主成分とする導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を行なって外部電極を形成し、さらに、はんだ付け時の溶蝕を防止して外部電極を保護する観点から該外部電極の表面にNi皮膜を形成し、また該Ni皮膜の酸化によるはんだ濡れ性の低下を防止する観点から前記Ni皮膜の表面にSnやSn合金(以下、これらを単に「Sn」と記す)からなるSn皮膜を形成している。
【0004】
また、上記Ni皮膜及びSn皮膜の形成方法としては、大量の被めっき物を一括して、効率良くめっき処理することのできる電解バレルめっき法で行われるのが一般的であり、また、セラミック自体は導電性に欠けることから、導電性媒体として鉄(Fe)からなる多数の鋼球をセラミック素体と共にバレルに投入し、電解バレルめっきを行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、外部電極が導電性ペーストを焼付処理して形成されているため、図3に示すように、外部電極101の表面が数μm程度の凸凹形状を有して形成される。このため、被めっき物に電解Niめっきを施した場合、外部電極101に通電される電流量が均一とはならずにバラツキが生じ、特に凹部は、通電される電流量が少なくなるため、めっき金属が析出せず、このためx部やy部に示すように、Ni皮膜102は部分的に途切れた不連続箇所を有して形成される。
【0006】
そして、上述した不連続箇所は、その後のSnめっき処理により、仮想線に示すように、Sn皮膜103により被覆され、したがって外観上は不良とは判別されない。
【0007】
しかしながら、このようなセラミック電子部品を回路基板に実装した場合、はんだ付け時に外部電極101の保護が十分になされず、はんだ付け不良の生じる虞がある。すなわち、部分的に途切れている不連続箇所がNi皮膜102に存在すると、該不連続箇所である凹部に水分が留まり、はんだ付け時の加熱によって水分が突沸し、その結果水蒸気爆発が生じてはんだが外部電極101から剥離してしまい、はんだ付け不良の生じる虞がある。
【0008】
特に、近年では環境面への配慮からSn−AgはんだやSn−Ag−Cuはんだ、Sn−Znはんだ等の高融点のPbフリーはんだが使用されてきているが、このような高融点のはんだ材を使用した場合に、はんだ付け不良の発生が顕著になる。
【0009】
すなわち、Pbを含有したSn−Pbはんだの場合は融点が約183℃と比較的低いため、はんだ付け時の加熱温度を低く抑制することができ、したがって水蒸気爆発の発生を回避してはんだ付け不良を抑制することが可能であるが、高融点のPbフリーはんだの場合、例えば、Sn−3.5Ag合金では、融点が221℃であり、このためはんだ付け時の加熱温度を高く設定する必要があり、その結果水蒸気爆発によりはんだが外部電極101から剥離し、はんだ付け不良が生じ易くなって製品歩留まりの低下を招来するという問題点があった。しかも、このようなNi皮膜102の不連続箇所は、Niめっき液を建浴した後、製造ロット数を増やすに連れて顕著に発生する。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、電極上のNi皮膜に不連続箇所が生じるのを回避して回路基板実装時のはんだ付け不良を防止することのできるセラミック電子部品のめっき方法、及び該めっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
電解バレルめっき法でNiめっきを施す場合、通常、安価な鉄球が導電性媒体として被めっき物と共にバレルに投入されるため、製造ロット数が増加してゆくとバレル内の鉄球が溶出し、その結果めっき液中にはFeイオンが不可避的に混入する。また、工業用水や使用薬品中に混入しているFeイオンがめっき液中に混入したり、或いはめっき槽の内壁から鉄分が溶け出した場合もFeイオンがめっき液中に不可避的に混入する。
【0012】
そこで、本発明者は、Niめっき液中のFeイオン含有量とめっき析出との関係について鋭意研究したところ、めっき液中のFeイオンの含有量を3.00×10−2重量%(以下、「wt%」と記す)未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満に管理することにより、電極上のNi皮膜に不連続箇所が生じるのを回避することができ、これにより回路基板実装時のはんだ付け不良を防止することができるという知見を得た。
【0013】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るセラミック電子部品のめっき方法は、Feイオンが混入しためっき液を使用し、セラミック素体の表面に形成された電極にニッケルめっきを施すセラミック電子部品のめっき方法において、前記めっき液中における前記Feイオンの含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは、2.80×10−2wt%未満であることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のめっき方法は、鉄製の第1の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴としている。
【0015】
上記めっき方法によれば、鉄製の導電性媒体を使用した場合であっても、Niめっき液中のFeイオン含有量を監視し、適宜Niめっき液を交換することにより、Feイオン含有量を3.00×10−2wt%未満に抑制することができ、不連続箇所が生じることなく層状に連続的なNi皮膜を形成することが可能となる。
【0016】
また、本発明のめっき方法は、鉄製以外の第2の導電性媒体(Ni、Sn、Pb、又はこれらの合金)と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴としている。
【0017】
上記めっき方法によれば、鉄製以外の第2の導電性媒体を使用して電解バレルめっきを施しているので、Feイオンの含有量が増加するのを抑制することができ、同一のNiめっき液を長時間使用しても不連続箇所の生じることなくNi皮膜を形成することが可能となる。
【0018】
また、本発明のめっき方法は、前記第2の導電性媒体に加え、鉄製の第1の導電性媒体を前記バレルに投入して前記ニッケルめっきを施すのも好ましい。
【0019】
上記めっき方法によれば、鉄製の導電性媒体(第1の導電性媒体)と鉄製以外の導電性媒体(第2の導電性媒体)とを併用して電解バレルめっきを施しているので、鉄製の導電性媒体のみを使用して電解バレルめっきを施した場合に比べ、Niめっき液中のFeイオン含有量の増加率が抑制される。
【0020】
また、本発明のめっき方法は、錯化剤を含有しないめっき液、特に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸の混合液を主成分とした所謂ワット浴に対して効果的である。
【0021】
すなわち、本発明のめっき方法は、前記めっき液は、錯化剤を含まないことを特徴とし、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸からなる混合液を主成分とすることを特徴としている。
【0022】
また、本発明のめっき方法は、前記電極が、前記セラミック素体に導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を施して形成することを特徴としている。
【0023】
上記めっき方法によれば、前記焼付処理により電極表面が凹凸形状を有して形成されている場合であっても、Feイオンの含有量を3.00×10−2wt%未満とすることにより、不連続箇所が生じることのないNi皮膜を形成することができる。
【0024】
また、本発明に係るセラミック電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されていることを特徴としている。
【0025】
上記セラミック電子部品によれば、Ni皮膜は連続した層状に形成され、高融点のPbフリーはんだ材を使用して回路基板に実装してもはんだ付け不良が生じない積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器その他のセラミック電子部品を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
【0027】
図1は本発明に係るめっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す断面図である。
【0028】
該積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の誘電体材料で形成されたセラミック素体1に内部電極2〜5が埋設されると共に、前記セラミック素体1の両端部には外部電極6a、6bが形成され、さらに外部電極6a、6bの表面にはNi皮膜7a、7b及びSn皮膜8a、8bが順次形成されている。
【0029】
そして、内部電極2、4の引出部2a、4aは一方の外部電極6aと電気的に接続されると共に、内部電極3、5の引出部3a、5aは他方の外部電極6bと電気的に接続され、内部電極2、4と内部電極3、5との間に静電容量が形成されている。
【0030】
上記積層セラミックコンデンサは、図2(図1のA部拡大図)に示すように、外部電極6aの表面が凹凸形状を有していても、Ni皮膜7aには不連続箇所が生じず、連続的に層状に形成されており、この層状のNi皮膜7aの表面にSn皮膜8aが形成されている。
【0031】
次に、上記積層セラミックコンデンサの製造方法を説明する。
【0032】
まず、BaCO3、TiO2、ZrO2等の所定の誘電体セラミック材料を混合し、粉砕、乾燥、仮焼等の工程を経、ドクターブレード法によりセラミックグリーンシート(以下、「セラミックシート」という)を作製する。
【0033】
次いで、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子やワニス等の有機成分が含有された内部電極用導電性ペーストを作製する。そして、該導電性ペーストを使用してセラミックシートの表面にスクリーン印刷を施し、導電パターンを形成し、この後、前記導電パターンの形成されたセラミックシートを積層した後、導電パターンの形成されていないセラミックシートで挟持・圧着して積層体を形成する。その後、所定温度(例えば、900〜1300℃)で前記積層体に焼成処理を施し、バレル研磨を行って表面を平滑化し、これによりセラミック素体1が作製される。
【0034】
次に、AgやCu等の導電性材料にガラス粒子、ワニス等の有機成分が含有された外部電極用導電性ペーストを作製する。次いで、該導電性ぺーストをディップ方式によりセラミック素体の両端部に塗布した後、温度600〜800℃で焼付処理を行なう。これによりワニス等の有機成分が燃焼して焼失し、導電性材料とガラス粒子との混合体からなる外部電極6a、6bが前記両端部に形成される。そしてこの後、外部電極6a、6bの形成されたセラミック素体1を被めっき物とし、電解バレルめっき法によりNiめっきを行なってNi皮膜7a、7bを形成する。
【0035】
本実施の形態では、取り扱いの容易性から、めっき液として硫酸ニッケルと塩化ニッケルとホウ酸を主成分とするワット浴を使用し、これら各成分の濃度や水素イオン指数pHを定期的に測定、補正しながら、これら各成分が所定濃度範囲となるように管理されている。
【0036】
すなわち、まず、硫酸ニッケル、塩化ニッケル及びホウ酸を所定量ずつ混合し、所定水素イオン指数pH(例えば、4.0〜5.0)を有するNiめっき液を調製し、該Niめっき液でめっき槽を満たす。
【0037】
そして、Ni製のアノード板と、カソード板、被めっき物、及び導電性媒体が内有されたバレルとをめっき槽に浸漬し、バレルを回転、揺動等させながらアノード、カソード間に電位を印加して電流を流し、Niめっき液中のFeイオンの含有量が3.0×10−2wt%未満となるように管理しながら電解めっきを施し、外部電極6a、6bの表面にNi皮膜7a、7bを形成する。
【0038】
ここで、Niめっき液中のFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満となるようにしたのは以下の理由による。
【0039】
Niめっき液中のFeイオンの含有量が増加して3.0×10−2wt%を超えると低電圧を印加した場合であっても外部電極6a、6bの表面にはNi皮膜7a、7bが析出する。
【0040】
しかしながら、前記低電圧が印加された場合、外部電極6a、6bが凹凸形状を有していたり、或いは外部電極7a、7bに異物が固着していると、めっき析出箇所に通電される電流が均一とはならず、凹部や異物固着部の通電量が少なくなる。すなわち、外部電極6a、6b上で電流分布のバラツキが生じ、このため、Ni皮膜7a、7bには不連続箇所が生じ、〔発明が解決しようとする課題〕の項でも述べたように回路基板への実装時にはんだ付け不良が生じる虞がある。
【0041】
そこで、本実施の形態では、Niめっき液中におけるFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満となるようにNiめっき液を管理しながらNiめっきを行っている。
【0042】
そして、Niめっき液中へのFeイオンの混入は、導電性媒体としての鉄製鋼球がめっき液中に溶出した場合、又は、めっき液に添加される薬品中に鉄分が不純物として混入している場合、或いはめっき槽の内壁から鉄分が溶出してしまった場合等に生じる。
【0043】
したがって、導電性媒体として安価な鉄製鋼球のみを使用する場合は、Niめっき液中のFeイオン含有量を常時監視し、Feイオン含有量が3.0×10−2wt%、好ましくは2.80×10−2wt%近傍まで増加した場合にNiめっき液を交換することにより、Niめっき液中のFeイオン含有量を管理することができる。
【0044】
また、Niめっき液中のFeイオンは、主として鉄製の導電製媒体がNiめっき液中に溶出することにより増大すると考えられることから、鉄製以外の導電性媒体、例えばNi、Sn、Pb、又はこれらの合金の中から選択された少なくとも1種以上を使用することにより、Niめっき液中でのFeイオンの含有量が増加するのを抑制することができ、同一のNiめっき液で長時間、所望のNi皮膜が形成されたセラミック電子部品を得ることが可能となる。
【0045】
さらに、コスト面を考慮し鉄製の導電性媒体(第1の導電性媒体)と鉄製以外の導電性媒体(第2の導電性媒体)とを併用することによっても、鉄製の導電性媒体のみを使用した場合に比べてNiめっき液中のFeイオン含有量の増加率を抑制することができる。
【0046】
そして、このようにして連続的に層状のNi皮膜7a、7bを形成した後、スズめっき液を使用し、上述と同様の電解バレルめっきを行ってNi皮膜7a、7b上にSn皮膜8a、8bを形成し、これにより積層セラミックコンデンサが製造される。
【0047】
このように本実施の形態では、Niめっき液中のFeイオンの含有量を3.0×10−2wt%未満としているので、外部電極6a、6bの表面に凹凸があってもNi皮膜7a、7bに不連続箇所が形成されることはなく、外部電極6a、6bの表面全域に亙って均一な層状のNi皮膜7a、7bが形成され、回路基板への実装時にはんだ付け不良が生じるのを回避することができ、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0048】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態ではめっき液としてワット浴を使用しているが、ワット浴以外であっても錯化剤を含有していないめっき液、例えば全塩化物浴や全硫酸塩浴に対しても同様に適用することができる。
【0049】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0050】
(実施例1)
縦10mm、横5mm、厚み5mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0051】
また、NiSO4・6H2O(硫酸ニッケル6水和物):400kg/m3、NiCl2・6H2O(硫酸ニッケル6水和物):70kg/m3、H3BO3(ホウ酸):40kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.2となるようにNiめっき液(ワット浴)を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を1.00×10−2wt%に設定した。
【0052】
次いで、10000個の被めっき物と直径0.7mmの鉄球80gをカソード板が内有されたバレルに投入し、アノード板とカソード板との間に電圧を印加し、浴温60℃下、電流密度20A/m2でもって60分間、電解バレルめっきを施し、外部電極の表面にNi皮膜を形成した。
【0053】
そしてこの後、硫酸第1スズをスズ源とするスズめっき液を使用して上述と同様、アノード板とカソード板との間に電圧を印加し、浴温25℃下、電流密度20A/m2でもって60分間電解バレルめっきを施し、Ni皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0054】
(実施例2)
縦16mm、横8mm、厚み8mmのセラミック素体の両端面にCuを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0055】
また、NiSO4・6H2O:330kg/m3、NiCl2・6H2O:45kg/m3、H3BO3:30kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.0となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.00×10−2wt%に設定した。
【0056】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0057】
(実施例3)
縦6mm、横3mm、厚み3mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0058】
また、NiSO4・6H2O:420kg/m3、NiCl2・6H2O:60kg/m3、H3BO3:30kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.5となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を5.0×10−3wt%に設定した。
【0059】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0060】
(実施例4)
縦1.0mm、横0.5mm、厚み0.5mmのセラミック素体の両端面にAgを主成分とする導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行って外部電極を形成し、被めっき物を作製した。
【0061】
また、NiSO4・6H2O:330kg/m3、NiCl2・6H2O:60kg/m3、H3BO3:45kg/m3を混合して水素イオン指数pHが4.2となるようにNiめっき液を調製し、さらに該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.60×10−2wt%に設定した。
【0062】
次いで、実施例1と同様、10000個の被めっき物に対し電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0063】
(実施例5)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を2.80×10−2wt%に設定した。
【0064】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0065】
(比較例1)
実施例1と同様、水素イオン指数pHが4.2となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.10×10−2wt%とした。
【0066】
次いで、実施例1と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0067】
(比較例2)
実施例2と同様、水素イオン指数pHが4.0となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.50×10−2wt%とした。
【0068】
次いで、実施例2と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0069】
(比較例3)
実施例3と同様、水素イオン指数pHが4.5となるように調製したNiめっき液に対し、FeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を4.00×10−2wt%とした。
【0070】
次いで、実施例3と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0071】
(比較例4)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を3.90×10−2wt%に設定した。
【0072】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0073】
(比較例5)
ワット浴組成が実施例4と同一のNiめっき液を使用すると共に、該Niめっき液に対しFeSO4を添加し、Niめっき液のFeイオン含有量を5.90×10−2wt%に設定した。
【0074】
次いで、実施例4と同一の被めっき物10000個に対し、電解バレルめっきを施して外部電極の表面にNi皮膜を形成し、さらにNi皮膜の表面にSn皮膜を形成した。
【0075】
次に、本発明者は、各実施例及び比較例の試験片を使用し、回路基板にリフロー処理を行なって実装し、はんだ付け不良発生率を測定した。
【0076】
すなわち、はんだ付け不良の場合、はんだ付け箇所で突沸等が起こり、はんだに所謂「つの」が形成されたり、はんだの一部が吹き飛ぶ。したがって、はんだ付け状態の良否を目視で判断し、不良発生個数を各実施例及び比較例の試験片個数10000個で除算してはんだ付け不良発生率を算出した。
【0077】
表1は各実施例及び比較例のNiめっき液組成とはんだ付け不良発生率を示している。
【0078】
【表1】
この表1から明らかなように比較例1〜5は、Niめっき液中のFeイオン含有量が3.00×10−2wt%を超えているため、はんだ付け不良発生率が10%を超えており、製品歩留まりが低下することが分かった。特に、Feイオン含有量が増加するに伴い、はんだ付け不良発生率が増大することが確認された。
【0079】
これに対して実施例1〜5は、Niめっき液中のFeイオン含有量が3.00×10−2wt%未満であるため、はんだ付け不良が発生しないことが確認され、特に、Niめっき液中のFeイオン含有量を2.80×10−2wt%未満とすることによりはんだ付け不良の発生を確実に防止することのできることが分かった。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るセラミック電子部品のめっき方法は、鉄イオンが混入しためっき液を使用し、セラミック素体の表面に形成された電極にニッケルめっきを施すセラミック電子部品のめっき方法において、前記めっき液中における前記鉄イオンの含有量が、3.00×10−2wt%未満、好ましくは2.80×10−2wt%未満であるので、電極表面が凹凸形状を有していても、不連続箇所を有することなく所望の層状のNiめっき皮膜を形成することができる。
【0081】
また、本発明は、鉄製の第1の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施した場合は、Niめっき液中のFeイオン含有量を常時監視し、Feイオン含有量が3.00×10−2wt%近傍に到達した時点でNiめっき液を交換することにより、Feイオン含有量を容易に3.00×10−2wt%未満に抑制することができ、電極表面が凹凸形状を有していても、不連続箇所を有することなく所望の層状のNiめっき皮膜を形成することができる。
【0082】
また、本発明は、鉄製以外の第2の導電性媒体(Ni、Sn、Pb、又はこれらの合金)のみ、又は前記第1の導電性媒体及び前記第2の導電性媒体を併用した場合は、鉄製の導電性媒体のみを前記セラミック素体と共にバレルに投入して前記ニッケルめっきを施した場合に比べ、Feイオン含有量の増加率を抑制することができ、したがってNiめっき液の耐久性が向上し、Niめっき液の交換回数を低減させつつ、所望のNi皮膜を電極上に形成することができる。
【0083】
また、本発明は、前記めっき液が、錯化剤を含まないめっき液、特に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸からなる混合液を主成分とするめっき液に効果的である。
【0084】
また、本発明は、前記電極が、前記セラミック素体に導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を施して形成することにより、電極表面は一般に凹凸形状を有することとなるが、その場合であっても、Feイオン含有量を3.00×10−2wt%未満に抑制することにより、層状で不連続箇所の生じることのないNiめっき皮膜を形成することができる。
【0085】
本発明に係るセラミック電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されているので、Ni皮膜は連続した層状に形成され、高融点のPbフリーはんだ材を使用して回路基板に実装しても、はんだ付け不良が生じない積層セラミックコンデンサや積層インダクタ、抵抗器その他のセラミック電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るめっき方法を使用して製造されたセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】従来における外部電極の表面に形成されたNi皮膜を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック素体
6a、6b 外部電極(電極)
7a、7b Ni皮膜
Claims (10)
- 鉄イオンが混入しためっき液を使用し、セラミック素体の表面に形成された電極にニッケルめっきを施すセラミック電子部品のめっき方法において、
前記めっき液中における前記鉄イオンの含有量が、重量%で3.00×10−2%未満であることを特徴とするセラミック電子部品のめっき方法。 - 前記鉄イオンの含有量が、重量%で2.80×10−2%未満であることを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 鉄製の第1の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 鉄製以外の第2の導電性媒体と前記セラミック素体とをバレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 前記第2の導電性媒体は、ニッケル、スズ、鉛、又はこれらの合金の中から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 前記第2の導電性媒体に加え、鉄製の第1の導電性媒体を前記バレルに投入して前記ニッケルめっきを施すことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 前記めっき液は、錯化剤を含まないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 前記めっき液は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、及びホウ酸からなる混合溶液を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 前記電極は、前記セラミック素体に導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を施して形成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のセラミック電子部品のめっき方法。
- 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のめっき方法を使用して製造されていることを特徴とするセラミック電子部品。
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-
2002
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