JP2004083829A - 液晶性ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しない液晶性ポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】[1]ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法。
[2]さらに固層重合する[1]記載の製造方法。
[3][1]または[2]の製造方法により得られる液晶性ポリエステル。
【選択図】 なし
【解決手段】[1]ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法。
[2]さらに固層重合する[1]記載の製造方法。
[3][1]または[2]の製造方法により得られる液晶性ポリエステル。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶性ポリエステルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶性ポリエステルは、機械強度や耐熱性に優れていることから、電気、電子分野で広く用いられている。液晶性ポリエステルの製造方法としては、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめて重縮合する方法が知られている。
しかしながら、反応缶から重合缶に反応物を移動させて、これを重縮合して得られる液晶性ポリエステルは、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しない液晶性ポリエステルの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記したような問題がない液晶性ポリエステルの製造方法を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応して得たアセチル化物を重合缶に移動せしめた後、酢酸類を反応缶に仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、アセチル化物を重縮合して得られる液晶性ポリエステルが、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
即ち、本発明は、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶性ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することにより得られる。
本発明においては、ヒドロキシカルボン酸類が下記式(I)で示される芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、ジオール類が下記式(II)で示される芳香族ジオールであり、ジカルボン酸類が下記式(III)で示される芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
HO−R1−COOH (I)
HO−R2−OH (II)
HOOC−R3−COOH (III)
【0007】
式(I)中、R1は、置換されていてもよいアリーレン基を表わす。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0008】
芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2―ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1―ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、2,6−ジクロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2,6−ジフルオロ−パラヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸などが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、パラヒドロキシ安息香酸、2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸が入手が容易であるため好ましく使用される。
【0009】
式(II)中、R2は、置換されていてもよいアリーレン基または下記式(V)
(V)
で示される基を表わす。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられ、これらの基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、フェニル基またはニトロ基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基としては、前記と同じものが挙げられる。
炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピルオキシ基などが挙げられる。
また、式(V)中、Xは、−O―、−S−、―SO2―、−CO−、−C6H10−またはアルキレン基を表わし、R4、R5は、水素原子またはハロゲン原子を表わすか、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、前記と同じものが挙げられる。
【0010】
R2としては、例えば、下記の基などが挙げられる。
【0011】
芳香族ジオール(II)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテルが入手が容易であるため好ましく使用される。
【0012】
式(III)中、R3は、置換されていてもよいアリーレン基を表わす。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基としては、前記と同じものが挙げられる。
【0013】
芳香族ジカルボン酸(III)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸などが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸が入手が容易であるため好ましく使用される。
【0014】
芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、30〜80モル%であることが好ましく、40〜70モル%であることがより好ましく、50〜65モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジオール(II)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、35〜10モル%であることが好ましく、30〜15モル%であることがより好ましく、25〜17.5モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸(III)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、35〜10モル%であることが好ましく、30〜15モル%であることがより好ましく、25〜17.5モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)とのモル比((II)/(III))は、90/100〜100/90であることが好ましい。90/100未満であったり、100/90より大きい場合には耐熱性、流動性が不良となる傾向がある。
【0015】
本発明では、反応缶において、酢酸類によってヒドロキシカルボン酸類やジオール類のフェノール性水酸基がアセチル化される。
酢酸類としては、例えば、無水酢酸が挙げられる。
酢酸類の使用量は、フェノール性水酸基に対して1.0〜1.2倍当量であることが好ましい。1.0倍当量未満では、重合時に原料が昇華して反応系が閉塞する傾向があり、また1.2倍当量を超えると、得られる液晶性ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
【0016】
上記したアセチル化の際、必要に応じて、触媒を添加してもよい。
該触媒としては、例えば、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、しゅう酸第一スズ、酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド、アルコキシチタンケイ酸類等のチタン化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄等の有機酸の金属塩、トリフッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸類、塩酸、硫酸等の無機酸、N―メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピコリン、3−ピコリン等の複素環塩基化合物などが挙げられる。
これらの中で、4−ピコリン、3−ピコリン、N―メチルイミダゾールなどの複素環塩基化合物が好ましく使用される。
【0017】
アシル化反応は、120℃〜150℃で10分〜3時間行なうことが好ましく、140〜160℃で20分〜1時間行なうことがより好ましい。
【0018】
本発明では、反応缶で反応して得られるアセチル化物を含む反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込んで該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、重縮合(エステル交換)反応を行なう。
【0019】
反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に仕込む酢酸類の量は、反応缶の容量の1〜30体積%であることが好ましく、2〜20体積%であることがより好ましく、3〜10体積%であることがさらに好ましい。
1体積%未満では、特に効果が認められない傾向があり、30体積%を超えると生産性が低下する傾向がある。
【0020】
重合缶においては、脱酢酸を伴う重縮合(エステル交換)反応が進行するが、該反応は、120〜150℃から300〜350℃までを、1〜8時間かけて昇温しながら反応させることが好ましく、130〜330℃の範囲で、0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら反応させることがより好ましい。
副生する酢酸は系外に除去しながら重縮合(エステル交換)させることが好ましい。その際、留出する酢酸の一部を還流させて反応器に戻すことによって、酢酸と同伴して蒸発または昇華する原料を凝縮または逆昇華して反応器に戻すこともできる。
重縮合(エステル交換)反応は、常圧下または減圧下で実施される。
常圧下では、反応系は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
反応時間は、特に限定されないが、0.3〜10時間程度である。
【0021】
重縮合(エステル交換)反応においても、必要に応じて、触媒を添加してもよい。
該触媒としては、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、しゅう酸第一スズ、酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド、アルコキシチタンケイ酸類等のチタン化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄等の有機酸の金属塩、トリフッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸類、塩酸、硫酸等の無機酸、N―メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン等の複素環塩基化合物などが挙げられる。中でもN―メチルイミダゾールが好ましく使用される。
【0022】
本発明に用いる反応缶および重合缶は、特に限定されるものではないが、反応缶は、原料投入口、移液口、攪拌装置およびジャケットを少なくとも具備していることが好ましく、重合缶は、重合体吐出口、攪拌装置およびジャケットを少なくとも具備していることが好ましい。
また、反応缶と重合缶とは通液可能であることが好ましい。反応缶から重合缶へ通液する方法としては、例えば、反応缶に酢酸類などを仕込み、窒素などの不活性な気体で加圧して通液する方法などが挙げられる。
【0023】
重縮合(エステル交換)により得られる液晶性ポリエステルは、固化・粉砕して液晶性ポリエステル粉末とした後、必要に応じて、さらに固層重合してもよい。
固層重合は、常圧下または減圧下に実施される。
固層重合の方法としては、例えば、ジフェニルとジフェニルエーテルとの混合物やジフェニルスルホンなどの高沸点溶媒中で該液晶性ポリエステル粉末を加熱下で攪拌した後、高沸点溶媒を除去する方法、または該液晶性ポリエステル粉末を造粒機によりペレット化するなど形状を変化させた後、不活性気体雰囲気下又は減圧下に熱処理する方法などが挙げられる。
前記の加熱温度および熱処理の温度は、通常、200〜350℃程度であり、処理時間は、通常、1〜20時間程度である。熱処理の装置としては、例えば、既知の乾燥機、反応機、イナートオーブン、混合機、電気炉等が挙げられる。
【0024】
このようにして得られる液晶性ポリエステルは、分子量分布のバラツキが少ないことから、射出成形などにより成形品とした場合、ブリスター(発泡)が起こらず、成形品の色調が低下することもないことから、コネクターなど電子部品用に好適に使用することができる。
【0025】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、以下の実施例により得られた液晶ポリエステル樹脂の耐ハンタ゛フ゛リスター性は、以下の方法により評価した。
耐ハンダブリスター性(ハンダ浸漬時のブリスター発生)
JIS K71131(1/2)号ダンベル×1.2mmtを所定の温度のH60Aハンダ(スズ60%、鉛40%)に300℃で5分浸漬し、成形品10個の中で発泡(ブリスター)が見られる個数により耐ハンダブリスター性を評価した。
【0026】
【実施例】
実施例1
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた200Lの反応器(図1a)に、窒素雰囲気下で無水酢酸 38.3kg(0.375kmol)を仕込んだ後、p―ヒドロキシ安息香酸 28.6kg(0.207kmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 12.4kg(0.066kmo)、テレフタル酸 8.6kg(0.052kmol)、イソフタル酸2.9kg(0.017kmol)を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で140℃まで昇温し、温度を保持して3時間、還流させた。
その後、200Lの反応器(図1a)から、100Lの反応器(図1b)に窒素で1kg/cm2に加圧して、内容液を100Lの重合缶(図1b)に移した。移液後、酢酸5kgを200Lの反応器(図1a)に仕込み、再度窒素で1kg/cm2に加圧して、酢酸を移液した。その後、酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら3時間かけて300℃まで昇温し、300℃到達後22分で内容物を取り出した。得られた固形分(樹脂)は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から290℃まで5時間かけて昇温し、290℃で3時間保持し、固層で重合反応を行った。
得られた樹脂について、偏光顕微鏡により液晶性を測定したところ、光学的異方性を有する溶融相を形成する液晶性ポリエステルであることが分かった。
また、得られた樹脂に対し、セントラルガラス製ミルドガラス(EFH−7501)を全体の40重量%になるよう配合して混合した後、2軸押出機(池貝鉄工(株)PCM−30)を用いて、340℃で造粒してペレットを得た。得られたペレットを日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、シリンダー温度350℃、金型温度130℃で射出成形を行い、成形品を得た。耐ハンダブリスター性を評価したところ、成形品10個中に発泡(ブリスター)が見られる成形品はなかった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しない液晶性ポリエステルの製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応缶と重合缶とを含む反応装置の概略図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶性ポリエステルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶性ポリエステルは、機械強度や耐熱性に優れていることから、電気、電子分野で広く用いられている。液晶性ポリエステルの製造方法としては、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめて重縮合する方法が知られている。
しかしながら、反応缶から重合缶に反応物を移動させて、これを重縮合して得られる液晶性ポリエステルは、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しない液晶性ポリエステルの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記したような問題がない液晶性ポリエステルの製造方法を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応して得たアセチル化物を重合缶に移動せしめた後、酢酸類を反応缶に仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、アセチル化物を重縮合して得られる液晶性ポリエステルが、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
即ち、本発明は、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶性ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することにより得られる。
本発明においては、ヒドロキシカルボン酸類が下記式(I)で示される芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、ジオール類が下記式(II)で示される芳香族ジオールであり、ジカルボン酸類が下記式(III)で示される芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
HO−R1−COOH (I)
HO−R2−OH (II)
HOOC−R3−COOH (III)
【0007】
式(I)中、R1は、置換されていてもよいアリーレン基を表わす。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0008】
芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2―ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1―ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、2,6−ジクロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2,6−ジフルオロ−パラヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸などが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、パラヒドロキシ安息香酸、2―ヒドロキシ−6−ナフトエ酸が入手が容易であるため好ましく使用される。
【0009】
式(II)中、R2は、置換されていてもよいアリーレン基または下記式(V)
(V)
で示される基を表わす。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられ、これらの基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、フェニル基またはニトロ基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基としては、前記と同じものが挙げられる。
炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピルオキシ基などが挙げられる。
また、式(V)中、Xは、−O―、−S−、―SO2―、−CO−、−C6H10−またはアルキレン基を表わし、R4、R5は、水素原子またはハロゲン原子を表わすか、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、前記と同じものが挙げられる。
【0010】
R2としては、例えば、下記の基などが挙げられる。
【0011】
芳香族ジオール(II)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2―ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテルが入手が容易であるため好ましく使用される。
【0012】
式(III)中、R3は、置換されていてもよいアリーレン基を表わす。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基としては、前記と同じものが挙げられる。
【0013】
芳香族ジカルボン酸(III)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸などが挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸が入手が容易であるため好ましく使用される。
【0014】
芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、30〜80モル%であることが好ましく、40〜70モル%であることがより好ましく、50〜65モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジオール(II)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、35〜10モル%であることが好ましく、30〜15モル%であることがより好ましく、25〜17.5モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸(III)の使用量は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計量に対して、35〜10モル%であることが好ましく、30〜15モル%であることがより好ましく、25〜17.5モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)とのモル比((II)/(III))は、90/100〜100/90であることが好ましい。90/100未満であったり、100/90より大きい場合には耐熱性、流動性が不良となる傾向がある。
【0015】
本発明では、反応缶において、酢酸類によってヒドロキシカルボン酸類やジオール類のフェノール性水酸基がアセチル化される。
酢酸類としては、例えば、無水酢酸が挙げられる。
酢酸類の使用量は、フェノール性水酸基に対して1.0〜1.2倍当量であることが好ましい。1.0倍当量未満では、重合時に原料が昇華して反応系が閉塞する傾向があり、また1.2倍当量を超えると、得られる液晶性ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
【0016】
上記したアセチル化の際、必要に応じて、触媒を添加してもよい。
該触媒としては、例えば、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、しゅう酸第一スズ、酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド、アルコキシチタンケイ酸類等のチタン化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄等の有機酸の金属塩、トリフッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸類、塩酸、硫酸等の無機酸、N―メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピコリン、3−ピコリン等の複素環塩基化合物などが挙げられる。
これらの中で、4−ピコリン、3−ピコリン、N―メチルイミダゾールなどの複素環塩基化合物が好ましく使用される。
【0017】
アシル化反応は、120℃〜150℃で10分〜3時間行なうことが好ましく、140〜160℃で20分〜1時間行なうことがより好ましい。
【0018】
本発明では、反応缶で反応して得られるアセチル化物を含む反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込んで該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、重縮合(エステル交換)反応を行なう。
【0019】
反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に仕込む酢酸類の量は、反応缶の容量の1〜30体積%であることが好ましく、2〜20体積%であることがより好ましく、3〜10体積%であることがさらに好ましい。
1体積%未満では、特に効果が認められない傾向があり、30体積%を超えると生産性が低下する傾向がある。
【0020】
重合缶においては、脱酢酸を伴う重縮合(エステル交換)反応が進行するが、該反応は、120〜150℃から300〜350℃までを、1〜8時間かけて昇温しながら反応させることが好ましく、130〜330℃の範囲で、0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら反応させることがより好ましい。
副生する酢酸は系外に除去しながら重縮合(エステル交換)させることが好ましい。その際、留出する酢酸の一部を還流させて反応器に戻すことによって、酢酸と同伴して蒸発または昇華する原料を凝縮または逆昇華して反応器に戻すこともできる。
重縮合(エステル交換)反応は、常圧下または減圧下で実施される。
常圧下では、反応系は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
反応時間は、特に限定されないが、0.3〜10時間程度である。
【0021】
重縮合(エステル交換)反応においても、必要に応じて、触媒を添加してもよい。
該触媒としては、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、しゅう酸第一スズ、酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド、アルコキシチタンケイ酸類等のチタン化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄等の有機酸の金属塩、トリフッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸類、塩酸、硫酸等の無機酸、N―メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノピリジン等の複素環塩基化合物などが挙げられる。中でもN―メチルイミダゾールが好ましく使用される。
【0022】
本発明に用いる反応缶および重合缶は、特に限定されるものではないが、反応缶は、原料投入口、移液口、攪拌装置およびジャケットを少なくとも具備していることが好ましく、重合缶は、重合体吐出口、攪拌装置およびジャケットを少なくとも具備していることが好ましい。
また、反応缶と重合缶とは通液可能であることが好ましい。反応缶から重合缶へ通液する方法としては、例えば、反応缶に酢酸類などを仕込み、窒素などの不活性な気体で加圧して通液する方法などが挙げられる。
【0023】
重縮合(エステル交換)により得られる液晶性ポリエステルは、固化・粉砕して液晶性ポリエステル粉末とした後、必要に応じて、さらに固層重合してもよい。
固層重合は、常圧下または減圧下に実施される。
固層重合の方法としては、例えば、ジフェニルとジフェニルエーテルとの混合物やジフェニルスルホンなどの高沸点溶媒中で該液晶性ポリエステル粉末を加熱下で攪拌した後、高沸点溶媒を除去する方法、または該液晶性ポリエステル粉末を造粒機によりペレット化するなど形状を変化させた後、不活性気体雰囲気下又は減圧下に熱処理する方法などが挙げられる。
前記の加熱温度および熱処理の温度は、通常、200〜350℃程度であり、処理時間は、通常、1〜20時間程度である。熱処理の装置としては、例えば、既知の乾燥機、反応機、イナートオーブン、混合機、電気炉等が挙げられる。
【0024】
このようにして得られる液晶性ポリエステルは、分子量分布のバラツキが少ないことから、射出成形などにより成形品とした場合、ブリスター(発泡)が起こらず、成形品の色調が低下することもないことから、コネクターなど電子部品用に好適に使用することができる。
【0025】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、以下の実施例により得られた液晶ポリエステル樹脂の耐ハンタ゛フ゛リスター性は、以下の方法により評価した。
耐ハンダブリスター性(ハンダ浸漬時のブリスター発生)
JIS K71131(1/2)号ダンベル×1.2mmtを所定の温度のH60Aハンダ(スズ60%、鉛40%)に300℃で5分浸漬し、成形品10個の中で発泡(ブリスター)が見られる個数により耐ハンダブリスター性を評価した。
【0026】
【実施例】
実施例1
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた200Lの反応器(図1a)に、窒素雰囲気下で無水酢酸 38.3kg(0.375kmol)を仕込んだ後、p―ヒドロキシ安息香酸 28.6kg(0.207kmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 12.4kg(0.066kmo)、テレフタル酸 8.6kg(0.052kmol)、イソフタル酸2.9kg(0.017kmol)を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で140℃まで昇温し、温度を保持して3時間、還流させた。
その後、200Lの反応器(図1a)から、100Lの反応器(図1b)に窒素で1kg/cm2に加圧して、内容液を100Lの重合缶(図1b)に移した。移液後、酢酸5kgを200Lの反応器(図1a)に仕込み、再度窒素で1kg/cm2に加圧して、酢酸を移液した。その後、酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら3時間かけて300℃まで昇温し、300℃到達後22分で内容物を取り出した。得られた固形分(樹脂)は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から290℃まで5時間かけて昇温し、290℃で3時間保持し、固層で重合反応を行った。
得られた樹脂について、偏光顕微鏡により液晶性を測定したところ、光学的異方性を有する溶融相を形成する液晶性ポリエステルであることが分かった。
また、得られた樹脂に対し、セントラルガラス製ミルドガラス(EFH−7501)を全体の40重量%になるよう配合して混合した後、2軸押出機(池貝鉄工(株)PCM−30)を用いて、340℃で造粒してペレットを得た。得られたペレットを日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、シリンダー温度350℃、金型温度130℃で射出成形を行い、成形品を得た。耐ハンダブリスター性を評価したところ、成形品10個中に発泡(ブリスター)が見られる成形品はなかった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、成形品とした場合、ブリスター(発泡)が発生しない液晶性ポリエステルの製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応缶と重合缶とを含む反応装置の概略図である。
Claims (5)
- ヒドロキシカルボン酸類、ジオール類、ジカルボン酸類および酢酸類を反応缶で反応してアセチル化物を含む反応物を得、該反応物を重合缶に移動せしめた後、反応缶に酢酸類を仕込み、該酢酸類を重合缶に移動せしめた後、該反応物を重縮合することを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法。
- ヒドロキシカルボン酸類が下記式(I)で示される芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、ジオール類が下記式(II)で示される芳香族ジオールであり、ジカルボン酸類が下記式(III)で示される芳香族ジカルボン酸である請求項1記載の製造方法。
HO−R1−COOH (I)
HO−R2−OH (II)
HOOC−R3−COOH (III)
(式中、R1、R3は、置換されていてもよいアリーレン基を表わし、R2は、置換されていてもよいアリーレン基または下記式(IV)
(IV)
で示される基を表わし、Xは、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−C6H10−またはアルキレン基を表わし、R4、R5は、水素原子またはハロゲン原子を表わすか、炭素数1〜6のアシルオキシ基、または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。) - 芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)が、芳香族ヒドロキシカルボン酸(I)と芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)の合計の30〜80モル%であり、芳香族ジオール(II)と芳香族ジカルボン酸(III)とのモル比((II)/(III))が90/100〜100/90である請求項1または2記載の製造方法。
- さらに固層重合する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる液晶性ポリエステル。
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JP2002250354A JP2004083829A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 液晶性ポリエステルおよびその製造方法 |
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JP2009180332A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 高温液状物の移送装置 |
JP2012530793A (ja) * | 2009-06-17 | 2012-12-06 | 三星精密化学株式会社 | 溶融粘度が一定である全芳香族液晶ポリエステル樹脂の製造方法、及び全芳香族液晶ポリエステル樹脂コンパウンドの製造方法 |
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002250354A patent/JP2004083829A/ja active Pending
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