JP2004081920A - 厨芥処理機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外側固定容器3の外側面に送風手段15と、加熱手段14と、送風手段15により厨芥ごみ収納容器4内に熱風を送る熱風風路12bと、厨芥ごみ収納容器4から吐き出される熱風を送風手段15に戻す熱風風路12cを配設し、これらの熱風風路12b、12cの夫々の上端に内蓋11を介して厨芥ごみ収納容器4内に熱風を送る熱風吹出口12dと、厨芥ごみ収納容器4から出た熱風を吸込む熱風吸気口12eを設け、かつ、熱風吹出口12dの開口面積を熱風吸気口12eの面積より小さくして両口を通る熱風の風速に差を持たせた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭や食堂、料理屋、ファーストフード店等から出る厨芥ごみ、特に臭いを伴う生ごみ、残飯等を加熱乾燥処理する厨芥処理機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、厨芥ごみを加熱乾燥処理する方式として特許第3006365号公報に示すものがある。
【0003】
このものは、図6に示すように、厨芥ごみを収納する厨芥ごみ収納容器50と、この厨芥ごみ収納容器50を出入り自在に内蔵する外容器51と、この外容器51及び厨芥ごみ収納容器50の上面開口部を塞ぐ外蓋52と、この外蓋52の内側中央部に配置された攪拌ファン53と、この攪拌ファン53の外側に周方向に沿って配置された加熱ヒーター54と、厨芥ごみ収納容器50内の下部に設けられた攪拌羽根55と、厨芥ごみ収納容器50内で発生した臭気成分を外部に排気する排気通路56と、この排気通路56内に配設された脱臭触媒57及び排気ファン58とで構成されている。
【0004】
そして、厨芥ごみ収納容器50内の厨芥ごみを攪拌羽根55によって攪拌しながら攪拌ファン53によって厨芥ごみの表面に加熱ヒーター54からの熱風を吹き付け、厨芥ごみを加熱、乾燥、凝縮するとともに、そのときに発生した臭気成分を排気ファン58によって排気通路56から脱臭触媒57を通して外部に排出するものである。
【0005】
また、別の方式として図7に示すように、加熱ヒーター54を厨芥ごみ収納容器50の外側底部に配置し、厨芥ごみ収納容器50内の厨芥ごみを攪拌羽根55で攪拌しながら加熱、乾燥、凝縮し、そのときに発生した臭気成分を排気ファン58によって排気通路56から脱臭触媒57を通して外部に排出するものも提案されている。(例えば特開平9−310979号公報)
さらに、別の方式として、図8に示すように、厨芥ごみ収納容器50の外側面に脱臭触媒57と加熱ヒーター54及び送風ファン60を並設し、これらを循環通路61で連絡するとともに、この循環通路61の両端開口部59、62を厨芥ごみ収納容器50内の上部側面に開口させ、厨芥ごみ収納容器50内の厨芥ごみを攪拌羽根55によって攪拌しながら送風ファン60によって厨芥ごみの表面に加熱ヒーター54からの熱風を吹き付け、厨芥ごみを加熱、乾燥、凝縮するとともに、循環通路61の中で臭気成分を脱臭触媒57により脱臭するものも提案されている。(例えば特開平5−96271号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の厨芥処理機において、図6に示すものは、外蓋52の内部に熱風を発生させる加熱ヒーター54と、厨芥ごみ収納容器50内の厨芥ごみに熱風を吹き付ける攪拌ファン53と、これらに電気を送る配線を設けているため、外蓋52が大きく、かつ重くなり、その開閉性に問題があった。
【0007】
また、この問題を解決する策として外蓋52を極力小さくし、バネやダンパーを設けて開閉性を良くすることも可能であるが、それによって部品コストの増加や組立性が悪化するという問題が発生する。
【0008】
また、図7に示すものは、加熱ヒーター54により厨芥ごみ収納容器50の外側から該容器50内の厨芥ごみに熱を伝えるものであるため、厨芥ごみが加熱ヒーター54と対向した厨芥ごみ収納容器50の内壁にこびり付きやすくなり、清掃性が悪い欠点がある。
【0009】
また、加熱ヒーター54と対向した厨芥ごみ収納容器50の外側面と内側面に夫々熱吸収塗装や輻射熱塗装処理を施さなければならず、コストアップに繋がる欠点もある。
【0010】
さらに、図8に示すものは、厨芥ごみ収納容器50の上部側面に循環通路61の両端開口部59、62を接続しているため、厨芥ごみ収納容器50を外部に取り出すことが出来ず、使い勝手及び清掃性が悪い欠点がある。
【0011】
また、厨芥ごみ収納容器50の上部側面から厨芥ごみに熱風が供給されるため、厨芥ごみ全体に効率よく熱風が当たらない欠点がある。
【0012】
また、脱臭触媒57と加熱ヒーター54及び送風ファン60を並設し、これらを循環通路61で連絡し、この循環通路61の両端開口部59、62を厨芥ごみ収納容器50内の上部側面に開口させ、厨芥ごみ収納容器50内の厨芥ごみを攪拌羽根55によって攪拌しながら送風ファン60によって厨芥ごみの表面に加熱ヒーター54からの熱風を吹き付けているため、厨芥ごみ収納容器50内で発生した粉塵が循環通路61内に吸い込まれ、脱臭触媒57内に溜まってしまうという欠点もある。
【0013】
さらに、脱臭触媒57の加熱と熱風用の熱源を加熱ヒーター54で兼用しているため、厨芥ごみ処理容器50内の厨芥ごみに吹き付ける熱風の温度にバラツキが生じ、厨芥ごみが生乾きや乾燥しすぎる不具合がある。
【0014】
本発明は、上記課題のうち、少なくとも一つ以上を解決するためになされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その具体的手段は、厨芥ごみを乾燥処理する厨芥ごみ収納容器と、この厨芥ごみ収納容器を内蔵する外側固定容器と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみを加熱する加熱手段と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみに加熱手段を通して熱風を送る送風手段と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみを攪拌する回転攪拌刃と厨芥ごみ収納容器の上部に配設した開閉自在の本体蓋と、この本体蓋の下面に位置して厨芥ごみ収納容器の上面開口部を塞ぐ内蓋を備えた厨芥処理機において、前記外側固定容器の外側面に送風手段と、加熱手段と、送風手段により厨芥ごみ収納容器内に熱風を送る熱風風路と、厨芥ごみ収納容器から吐き出される熱風を送風手段に戻す熱風風路を配設し、これらの熱風風路の夫々の上端に内蓋を介して厨芥ごみ収納容器内に熱風を送る熱風吹出口と、厨芥ごみ収納容器から出た熱風を吸込む熱風吸気口を設け、かつ、熱風吹出口の開口面積を熱風吸気口の面積より小さくして両口を通る熱風の風速に差を持たせたものである。
【0016】
また、熱風吹出口と熱風吸気口を一体に成形し、熱風風路の上端に取り外し自在に挿入したものである。
【0017】
これによって本体蓋の軽量化、コンパクト化を図り、本体蓋開閉の操作性を向上させるだけでなく、本体の重量が軽くなり、小型化が可能となり、コストの低減を図ることができるものである。
【0018】
また、熱風風路の熱風吹出口は開口面積が小さいため、風速の早い熱風を厨芥ごみ収納容器の壁面に沿って厨芥ごみに吹き付けるため、熱風は厨芥ごみ全体によく届き、厨芥ごみを効率よく加熱乾燥するものである。
【0019】
また、このとき、厨芥ごみは加熱手段からの輻射熱によって加熱されることがないので、コンポストに適した乾燥ができるものである。
【0020】
さらに、熱風吸気口の開口面積を熱風吹出口の開口面積より大きくしているため、その風速が遅くなり、厨芥ごみの加熱、乾燥が進行し、粉砕されて粉塵や細かい毛状のごみになってもほとんど熱風吸気口から熱風風路に流出して送風手段や加熱手段に侵入することがないものである。
【0021】
また、長時間の使用によって粉塵やごみが熱風吹出口や熱風吸気口に付着してもこれらを取り外して簡単に掃除することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図1から図5により説明する。
【0023】
図1において、1は金属製又は樹脂からなる厨芥処理機の本体ケース、2はこの本体ケース1の上部に開閉自在に配設された本体蓋で、後部を蓋ヒンジ2aにより枢支され、前部にフック2bを設けている。また、この本体蓋2はバネやダンパー等の公知の機構により急開閉しないように保持されている。
【0024】
3は本体ケース1内に取り付けられた外側固定容器で、アルミや表面に防錆処理を施した鋼板により成形されている。4は厨芥ごみ収納容器で、外側固定容器3の内部に取り出し自在に配設されている。また、この厨芥ごみ収納容器4は表面に厨芥ごみがこびり付きにくいように剥離処理を施した鋼板や耐熱性、難燃性、さらには加水分解性に優れた分子配合を有した樹脂を混合したもので成形されている。
【0025】
5は厨芥ごみ収納容器4の側面および底面より内向きに形成した凸部である。この凸部5は、別部品により設けることも可能であるが、本実施例では、厨芥ごみ収納容器4に直接成形している。
【0026】
6は回転攪拌刃で、厨芥ごみ収納容器4内の下部に設置されており、厨芥ごみ収納容器4内の厨芥ごみを攪拌するほかに、凸部5と連携して厨芥ごみを破砕するものである。
【0027】
7は被駆動回転軸で、厨芥ごみ収納容器4の底部に設けられ、その先端が連結機構を介して回転攪拌刃6と連結しており、厨芥ごみ収納容器4の取り外しの際には容器4ごと取り外されるものである。
【0028】
8は回転駆動軸で、外側固定容器3の底部に取り付けられており、被駆動回転軸7と着脱自在に連結して被駆動回転軸7に回転力を伝えるものである。9は電動モーターで、回転駆動軸8を回転させるための回転力を発生するものである。10は減速機構で、電動モーター9の回転力を減速して回転駆動軸8に伝達するもので、ギヤやベルトにより構成されている。
【0029】
11は本体蓋2内の下面に固定された内蓋で、ステンレスや表面に防錆処理を施した鋼板又は耐熱性、難燃性、加水分解性に優れた樹脂製若しくは樹脂と金属の組み合わせにより構成されており、上面の周縁部に本体蓋2の後部側、即ち、本体蓋2の蓋ヒンジ2a側が高く、前面に向けて下向きに傾斜する周側壁11aを有している。
【0030】
また、この内蓋11は、該内蓋11と本体蓋2とに夫々嵌合部を設けて取り外し自在な構造とすることもでき、さらに、本体蓋2と一体に成形することもできる。
【0031】
また、この内蓋11は、厨芥ごみ収納容器4の上部開口部を覆うように設けられており、厨芥ごみ収納容器4との接触部にゴムや軟質の樹脂によるパッキン11iを設けることで、厨芥ごみ収納容器4とパッキン11iを介して密閉構造としている。
【0032】
また、内蓋11は、周側壁11aの後部側に熱風吹出部11bとそれより開口面積の大きい熱風吸気部11cを周方向に沿って並べて開口するとともに、熱風吹出部11b直下の平面部に厨芥ごみ収納容器4内と連なる熱風吹出穴11eを設け、両者をカバーガイド11dで連結している。なお、熱風吹出穴11eは穴部の周縁部につばを形成した鎧穴でもよい。
【0033】
また、前記平面部の略中央部付近には複数の丸穴又は格子形状の小穴よりなる熱風吸込穴11fが設けられ、その下面側は厨芥ごみ収納容器4内と連なり、上面側は熱風吸気部11cに連なっている。
【0034】
また、熱風吸込穴11fと熱風吸気部11cとの間にはその通風路を遮らない範囲で突壁11gが設けられている。
【0035】
さらに、内蓋11の下面で熱風吹出穴11eと熱風吸込穴11fとの間には両穴を通る熱風が交じり合わないように仕切り壁11hを設けている。
【0036】
12は耐熱樹脂よりなる略逆L状の熱風循環風路ケースで、外側固定容器3の外側で本体ケース1の中に納められており、その内部を仕切り壁12aによって左右二つの熱風風路12b、12cに仕切っており、その上端略水平部に内蓋11の熱風吹出部11bと連なる熱風吹出口12d及び熱風吸気部11cと連なる熱風吸気口12eを設けている。
【0037】
また、この熱風循環風路ケース12は、耐熱性、加水分解性などに優れたPPSや結晶性のPSや耐熱性PPによって二つ以上のケース部品12f、12gを組み合わせて形成されているものであり、各ケース部品12f、12gの合わせ部12hはSUS等の金属線を介して加熱溶着によるシール又はシール材さらにはパッキンにより循環風が後記触媒脱臭装置17に導かれる以外に外部に漏れないようにシールされている。
【0038】
また、熱風吹出口12d及び熱風吸気口12eは熱風を整流するために複数の縦型ルーバーにより形成されており、かつ、熱風吹出口12dの開口面積を熱風吸気口12eの面積より小さくして両口を通る熱風の風速に差を持たせるようにしている。
【0039】
また、この熱風吹出口12dと熱風吸気口12eは、図4に示すように、耐熱性、加水分解性などに優れたPPSや結晶性のPSや耐熱性PPによって一体に成形し、図3に示す熱風風路12b、12cの上端に取り外し自在に挿入して清掃性を向上させるようにしてもよい。
【0040】
13は熱風循環風路ケース12内の下部に設けた連絡口で、円形のベルマウス状の穴により形成されており、仕切り壁12aによって仕切られた二つの熱風風路12b、12cを連絡するとともに、後記送風手段15の循環ファン15aを駆動するファンモーター15bのシャフト15cを貫通させている。
【0041】
14は電熱ヒーターよりなる加熱手段で、熱風風路12bの中に配置され、その周囲を熱風風路12bの内壁面に近接して配置された遮熱用の金属ケース14aによって囲まれている。尚、この加熱手段14は電磁誘導加熱やマイクロ波加熱であってもよい。
【0042】
15は送風手段で、片面が開放状のターボファン又はラジアルファンよりなる循環ファン15aと、この循環ファン15aを駆動するファンモーター15bと、そのシャフト15cとで構成され、循環ファン15aの吸い込み側は連絡口13を介して熱風風路12cに対応し、吹き出し側は加熱手段14の配置された熱風風路12b側に対応している。
【0043】
16は送風手段15近傍の熱風風路12bから分岐した熱風分岐口で、その出口に分岐パイプ16aが接続され、その途中に触媒脱臭装置17が接続され、その終端は排気吸引ファン18の吸入口19に接続されている。
【0044】
前記触媒脱臭装置17の内部には、図示しないが複数の小穴よりなる酸化触媒と触媒加熱ヒーターが設けられ、図5に示すように循環ファン15aから吹き出された循環熱風の一部を熱風吹出口12dの入り口付近から金属ケース14aとケース部品12gとの隙間及び熱風分岐口16、分岐パイプ16aを通して酸化触媒に流入させ、排気吸引ファン18で吸引して本体ケース1の外部に排気する。
【0045】
また、排気吸引ファン18は循環ファン15aより直径が小さく、ターボファン又はラジアルファンによって構成され、送風手段15のファンモーター15bによって駆動されるようになっており、その収納ケース20は図3に示すように熱風循環風路ケース12のケース部品12gの外側面にこれと一体に成形されている。
【0046】
また、収納ケース20の側壁の中心部にはファンモーター15bのシャフト15cを貫通させるとともに、収納ケース20内の排気吸引ファン18と分岐パイプ16aを連絡する円形のベルマウス状の連絡穴19が設けられている。
【0047】
なお、21は送風手段15と対向したケース部品12fを切欠し、そこに取り外し自在に配置したサービス点検用の蓋体である。
【0048】
また、図示していないが、送風手段15の吹出口付近には送風温度を検知する温度センサーと異常温度上昇を防止する安全装置が設けてある。
【0049】
また、連絡口13付近にも温度センサーが設けてあり、加熱手段14からの送風温度と厨芥ごみの加熱温度を熱風循環風路ケース12内で検知する。
【0050】
次に、上記厨芥処理機の動作について説明する。
【0051】
本体蓋2のフック2bを外すと、本体蓋2はヒンジ2aを支点にバネの力で開く。このとき、内蓋11も一緒に上方に持ち上げられ、厨芥ごみ収納容器4の上面開口部が外部に露出する。
【0052】
そこで、厨芥ごみ収納容器4内に厨芥ごみを収納し、そののち、本体蓋2を閉める。本体蓋2は本体ケース1とフック2bにより固定される。
【0053】
本体ケース1に電源が投入されると、熱風循環風路ケース12内の加熱手段14及び触媒脱臭装置17内の触媒加熱ヒーターが加熱されるとともに、送風手段15のファンモーター15bが駆動し、循環ファン15a及び排気吸引ファン18が回転する。循環ファン15aで発生した風は熱風風路12bを矢印のように上昇して加熱手段14の周囲を通る間に熱風となり、さらに上昇して熱風吹出口12dから本体蓋2の内蓋11の周側壁11aに開口した熱風吹出部11bを通り、カバーガイド11dに誘導されて内蓋11の熱風吹出穴11eから厨芥ごみ収納容器4内に流入する。厨芥ごみ収納容器4内の厨芥ごみはこの熱風によって加熱乾燥するとともに、回転攪拌刃6によって攪拌され、さらに、凸部5と連携して破砕され、減縮する。
【0054】
その後、臭気を含んだ熱風は厨芥ごみ収納容器4内を上昇して内蓋11の熱風吸込穴11fから内蓋11の上面に吸い込まれ、さらに、突壁11gを乗り越えて熱風吸気部11cに達し、熱風循環風路ケース12の熱風吸気口12eから矢印のように熱風風路12c内に流入し、連絡口13から再び循環ファン15aによって熱風風路12bに流出する。 以後、この熱風循環サイクルを繰り返し、厨芥ごみ収納容器4内の厨芥ごみを加熱、乾燥し、減縮する。
【0055】
一方、送風手段15の循環ファン15aにより吹き出された熱風の一部は熱風吹出口12dの入り口付近から金属ケース14aとケース部品12gとの隙間及び熱風分岐口16、分岐パイプ16aを通して触媒脱臭装置17に流入し、ここで脱臭されて排気吸引ファン18により本体ケース1の外部に排出される。
【0056】
上記本実施例において、本体蓋2はフック2bを外すと、ヒンジ2aを支点にバネの力で開くが、バネの荷重が本体蓋2の荷重より弱いと本体蓋2は急激に閉まり、バネの荷重が本体蓋2の荷重より強いと本体蓋2は急激に開くことになる。従って、バネの荷重はその中間をねらって、バランスを保てるように設定する。しかし、本体蓋2の荷重が重ければ重いほど、本体蓋2のバランスを保つバネの設定は難しくなり、ヒンジ2aにゴム製やバネ、空気や油分によるダンパー機構を設け、バランスのよい本体蓋2の開閉ができるように設定する必要がある。
【0057】
本実施例では、本体蓋2には内蓋11を設けてあるだけで、送風手段や加熱手段がないため本体蓋2の荷重は軽く、ヒンジ2aのバネ設定もしやすく、複雑なダンパー機構が簡素化される。
【0058】
また、本体蓋2に加熱手段や送風手段がないため、電気的に送風手段15や加熱手段14を停止させれば、構造的に使用者がそれらの送風手段15、加熱手段14に触れることがなく、安全である。
【0059】
次に、厨芥ごみの加熱動作中に熱風循環風路ケース12の熱風吹出口12dから内蓋11の熱風吹出部11b及び内蓋11の熱風吹出穴11eを通して厨芥ごみ収納容器4内に吹き出される熱風は、熱風吹出口12dの開口面積を熱風吸気口12eの開口面積より小さくして風速に差を持たせていること、及びその風速の早い熱風を内蓋11のカバーガイド11dにより誘導して厨芥ごみ収納容器4の壁面に沿って点線矢印のように厨芥ごみに吹き付けるため、熱風は厨芥ごみ全体によく届き、厨芥ごみを効率よく加熱乾燥するものである。また、このとき、厨芥ごみは加熱手段14からの輻射熱によって加熱されることがないので、コンポストに適した乾燥ができる。
【0060】
そして、加熱後、厨芥ごみから発生する熱気や水蒸気は内蓋11の下面で熱風吹出穴11eと熱風吸込穴11fとの間に設けられている仕切り壁11hにより厨芥ごみ収納容器4内に供給される熱風と交じり合わないように熱風吸込穴11fから内蓋11の上面に吸い込まれ、熱風吸気部11cを通して熱風吸気口12eから熱風循環風路ケース12内に流出するものであり、これによって、熱風吹出穴11eから吹き出される熱風が熱風吸込穴11fから内蓋11の上面に吸い込まれる熱気や水蒸気に邪魔をされることがない。
【0061】
また、内蓋11の熱風吸込穴11fが小さい複数の格子や丸穴により構成されているとともに、熱風吸気部11cの手前に突壁11gがあること、熱風吸気口12eの開口面積を熱風吹出口12dの開口面積より大きくしてその風速を遅くしていることにより、厨芥ごみの加熱、乾燥が進行し、さらには粉砕されて粉塵や細かい毛状のごみになってもほとんど突壁11gの手前に溜り、熱風吸気部11c及び熱風吸気口12eより熱風循環風路ケース12内に流出して送風手段15や加熱手段14に侵入したり、また、触媒脱臭装置17内に入り込むことがないものである。
【0062】
また、長時間の使用によって粉塵やごみが熱風吹出口12dや熱風吸気口12eに付着しても図4に示すようにこれらを取り外し自在にしておけば、取り外して簡単に掃除することができる。
【0063】
また、送風手段15により熱風循環風路ケース12内に吸込まれた熱気や水蒸気は、循環ファン15aによって加熱手段14を経由して加熱された熱風として吹き出されるが、循環ファン15aは金属製又は樹脂製の片側が開放状態のラジアルファン若しくはターボファンであり、そのシャフト15cを貫通させるベルマウス状の連絡口13から風を吸込み、送風するため、循環ファン15aの先端ほど速度が速く回転し、先端ほど開放状態が大きくなっているため、万一、粉塵が循環ファン15aに侵入してもその先端部にごみが付着してファンのバランスを崩すことがない。
【0064】
また、送風手段15と加熱手段14が配設される熱風循環風路ケース12は耐熱性、加水分解性などに優れたPPSや結晶性のPSや耐熱性PPによって二つ以上のケース部品12f、12gを組み合わせて形成され、各ケース部品12f、12gの合わせ部12hをSUS等の金属線を介して加熱溶着によるシール又はシール材さらにはパッキンにより循環風が外部に漏れないようにシールされているため、熱の膨張、収縮やシールの塗布時の作業バラツキから起こる隙間発生という問題がなくなり、また、加工にかかる時間や部品コストも大幅に削減できる。
【0065】
さらに、熱風循環風路ケース12の中に配置される加熱手段14は、熱風風路12bの内周面に近接して配置された遮熱用の金属ケース14aによって囲まれているので、熱風循環風路ケース12は耐熱的にも問題がない。
【0066】
さらに、本実施例では、熱風循環風路ケース12の熱風風路12bに対応した送風手段15及びその前方の熱風風路12b内に配置した加熱手段14に連なるように触媒脱臭装置17へ連結する風路を形成したことにより、より高い温度の排気を触媒脱臭装置17へ導くことができ、触媒脱臭装置17の脱臭性能を上げることができるだけでなく、触媒を加熱するヒーターの電力も押さえることが可能である。
【0067】
さらに、熱風循環風路ケース12の熱風吹出口12d近傍から送風手段15の送風方向とは反対方向に触媒脱臭装置17への風路を形成し、かつ、熱風分岐口16を送風手段15の近傍に設けたので、送風手段15の熱風風路12b内に侵入した粉塵が触媒脱臭装置17への風路に侵入することが少ないものである。
【0068】
さらに、触媒脱臭装置17への排気吸引ファン18は、送風手段15の循環ファン15aよりサイズが小さく、送風量の少ないファンを選定し、かつ、送風手段15の循環ファン15aと同一のシャフト15cに設けてあるため、二つのファン15a、18を駆動するモーターは一つで兼用でき、コストを低減できるものである。
【0069】
さらに、厨芥ごみ収納容器4内で発生した熱気や水蒸気は、本体蓋2の内蓋11と厨芥ごみ収納容器4の外周部でパッキンにより、本体蓋2を閉じた状態で密閉されているため外部に漏れることがないものである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、厨芥ごみを乾燥処理する厨芥ごみ収納容器と、この厨芥ごみ収納容器を内蔵する外側固定容器と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみを加熱する加熱手段と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみに加熱手段を通して熱風を送る送風手段と、厨芥ごみ収納容器内の厨芥ごみを攪拌する回転攪拌刃と厨芥ごみ収納容器の上部に配設した開閉自在の本体蓋と、この本体蓋の下面に位置して厨芥ごみ収納容器の上面開口部を塞ぐ内蓋を備えた厨芥処理機において、前記外側固定容器の外側面に送風手段と、加熱手段と、送風手段により厨芥ごみ収納容器内に熱風を送る熱風風路と、厨芥ごみ収納容器から吐き出される熱風を送風手段に戻す熱風風路を配設し、これらの熱風風路の夫々の上端に内蓋を介して厨芥ごみ収納容器内に熱風を送る熱風吹出口と、厨芥ごみ収納容器から出た熱風を吸込む熱風吸気口を設け、かつ、熱風吹出口の開口面積を熱風吸気口の面積より小さくして両口を通る熱風の風速に差を持たせたものである。
【0071】
また、熱風吹出口と熱風吸気口を一体に成形し、熱風風路の上端に取り外し自在に挿入したものである。
【0072】
これによって本体蓋の軽量化、コンパクト化を図り、本体蓋開閉の操作性を向上させるだけでなく、本体の重量が軽くなり、小型化が可能となり、コストの低減を図ることができるものである。
【0073】
また、熱風風路の熱風吹出口は開口面積が小さいため、風速の早い熱風を厨芥ごみ収納容器の壁面に沿って厨芥ごみに吹き付けるため、熱風は厨芥ごみ全体によく届き、厨芥ごみを効率よく加熱乾燥するものである。
【0074】
また、このとき、厨芥ごみは加熱手段からの輻射熱によって加熱されることがないので、コンポストに適した乾燥ができるものである。
【0075】
さらに、熱風吸気口の開口面積を熱風吹出口の開口面積より大きくしているため、その風速が遅くなり、厨芥ごみの加熱、乾燥が進行し、粉砕されて粉塵や細かい毛状のごみになってもほとんど熱風吸気口から熱風風路に流出して送風手段や加熱手段に侵入することがないものである。
【0076】
また、長時間の使用によって粉塵やごみが熱風吹出口や熱風吸気口に付着してもこれらを取り外して簡単に掃除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦断面図である。
【図2】本発明の要部構造概略斜視図である。
【図3】本発明の他の要部構造概略斜視図である。
【図4】本発明の部品の斜視説明図である。
【図5】本発明の他の部品の内部説明図である。
【図6】従来の縦断面図である。
【図7】従来の他の例の縦断面図である。
【図8】従来のさらに他の例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 本体ケース
2 本体蓋
4 厨芥ごみ収納容器
11 内蓋
11d カバーガイド
11e 熱風吹出穴
11f 熱風吸込穴
12 熱風循環風路ケース
12b 熱風風路
12c 熱風風路
12d 熱風吹出口
12e 熱風吸気口
13 連絡口
14 加熱手段
15 送風手段
17 触媒脱臭装置
Claims (2)
- 厨芥ごみを乾燥処理する厨芥ごみ収納容器(4)と、この厨芥ごみ収納容器(4)を内蔵する外側固定容器(3)と、厨芥ごみ収納容器(4)内の厨芥ごみを加熱する加熱手段(14)と、厨芥ごみ収納容器(4)内の厨芥ごみに加熱手段(14)を通して熱風を送る送風手段(15)と、厨芥ごみ収納容器(4)内の厨芥ごみを攪拌する回転攪拌刃(6)と厨芥ごみ収納容器(4)の上部に配設した開閉自在の本体蓋(2)と、この本体蓋(2)の下面に位置して厨芥ごみ収納容器(4)の上面開口部を塞ぐ内蓋(11)を備えた厨芥処理機において、前記外側固定容器(3)の外側面に送風手段(15)と、加熱手段(14)と、送風手段(15)により厨芥ごみ収納容器(4)内に熱風を送る熱風風路(12b)と、厨芥ごみ収納容器(4)から吐き出される熱風を送風手段(15)に戻す熱風風路(12c)を配設し、これらの熱風風路(12b)(12c)の夫々の上端に内蓋(11)を介して厨芥ごみ収納容器(4)内に熱風を送る熱風吹出口(12d)と、厨芥ごみ収納容器(4)から出た熱風を吸込む熱風吸気口(12e)を設け、かつ、熱風吹出口(12d)の開口面積を熱風吸気口(12e)の面積より小さくして両口を通る熱風の風速に差を持たせたことを特徴とする厨芥処理機。
- 熱風吹出口(12d)と熱風吸気口(12e)を一体に成形し、熱風風路(12b)、(12c)の上端に取り外し自在に挿入してなる請求項1記載の厨芥処理機。
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