JP2004080967A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機による変速時において、トルク変動により車両に衝撃が発生することを抑制して、滑らかな走行状態を維持する。
【解決手段】ECU20は、変速機15の各シンクロクラッチの係合度合いを指示するクラッチ油圧指令値Pccomに応じて、各シンクロクラッチの油圧アクチュエータの駆動および変速機15の変速動作を制御する。ECU20は、予め設定された各シンクロクラッチの応答特性に基づき、各シンクロクラッチの作動状態の変化に応じて発生する駆動輪Wでのトルク変動を抑制するようにして、バッテリ19の残容量に応じて、フィードフォワード制御によりモータ12の駆動トルクを制御すると共に、回転数センサS1により検出されるモータ12の回転数を、目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行う。ECU20は、モータ12の駆動トルクを制御する際にスロットル開度を制御する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機を備え、内燃機関及びモータを併用して走行駆動するハイブリッド車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平6−319210号公報に開示された電気モータ駆動車両や、例えば特開平10−4606号公報に開示されたハイブリッド車両の駆動制御装置や、例えば特開平9−331603号公報や例えば特開平10−243502号公報に開示された車両用駆動装置の制御装置のように、例えばクラッチの係合または開放により複数の所定変速段を選択可能な有段自動変速機を備え、内燃機関及びモータを併用して走行駆動するハイブリッド車両において、変速時に発生するトルク変動をモータの出力トルクによって抑制する制御装置が知られている。
これらの制御装置においては、例えば、自動変速機の入力軸の回転数を検出する回転数検出器から出力される回転数の検出値の変化や、変速動作の開始時点からの経過時間等に基づいて、変速動作に起因するトルク変動状態の開始タイミングを推定し、この開始タイミングにおいてモータの出力トルクを変更するように設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係る制御装置において、回転数検出器からの出力に基づいてモータの出力トルクを変更する場合には、例えば回転数検出器における検出処理に係る時間遅れや、例えばモータに対するトルク指令値の入力から、このトルク指令値に応じた出力トルクが発生するまでの応答遅れ等によって、変速時における実際のトルク変動を抑制するための適切な出力トルクを、的確なタイミングで発生させることができず、車両走行時に意図しない衝撃が発生してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自動変速機による変速時において、車両に意図しない衝撃が発生することを抑制して、滑らかな走行状態を維持することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、少なくとも内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関11)またはモータ(例えば、実施の形態でのモータ12)の何れか一方を、ロックアップクラッチ(例えば、実施の形態でのロックアップクラッチ13)を具備する伝達手段(例えば、実施の形態でのトルクコンバータ14)と、変速機(例えば、実施の形態での変速機15)とを介して駆動輪(例えば、実施の形態での駆動輪W)に連結し、駆動力を前記駆動輪に伝達するハイブリッド車両の制御装置であって、前記変速機は、前記内燃機関または前記モータに接続された入力軸(例えば、実施の形態での入力軸15A)、および、前記駆動輪に連結された出力軸(例えば、実施の形態での出力軸15B)に設けられた複数の変速ギア(例えば、実施の形態での入力側ギア、出力側ギア)間の噛み合いの状態を変更するクラッチ(例えば、実施の形態でのシンクロクラッチ)を具備し、変速比を段階的に変更可能に前記入力軸および前記出力軸を接続する有段自動変速機であり、前記クラッチの作動状態を指示する制御指令値(例えば、実施の形態でのクラッチ油圧指令値Pccom)に応じて、予め設定された前記クラッチの応答特性(例えば、実施の形態での油圧アクチュエータモデル)に基づき、前記制御指令値による前記クラッチの作動状態の変化に応じて発生する前記駆動輪でのトルク変動を抑制するようにして、前記モータの駆動トルクを制御するモータ駆動トルク制御手段(例えば、実施の形態でのステップS07)を備えることを特徴としている。
【0005】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じて有段変速機による変速動作が実行される際に、この制御指令値の入力から実際にクラッチが作動させられ、駆動輪においてトルク変動が発生する一連の状態変化等に基づき設定されたクラッチの応答特性に応じてモータの駆動トルクが制御される。
これにより、的確なタイミングで適切にモータの駆動トルクが制御され、この駆動トルクによって、変速時におけるトルク変動が確実に抑制され、車両走行時に意図しない衝撃等が発生してしまうことを防止することができる。
【0006】
さらに、請求項2に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、前記クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じて、前記クラッチの応答特性に基づき、前記クラッチを介して伝達されるトルクを算出するクラッチトルク推定手段(例えば、実施の形態でのECU20)と、前記クラッチトルク推定手段により推定したクラッチトルクに応じて前記モータの駆動トルクに対するトルク指令値を算出するトルク指令値設定手段(例えば、実施の形態でのステップS06)とを備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチトルク推定手段はクラッチの接続状態つまり内燃機関と変速機との接続の度合いを指示する制御指令値に応じて、クラッチを介して伝達されるトルクを推定する。ここで、クラッチトルク推定手段は、クラッチの応答特性に基づき、例えば、クラッチを駆動するアクチュエータの作動遅れ等を考慮し、クラッチの作動状態に係る位相を実際にクラッチにて伝達されるトルクの位相と同等になるように設定する。
そして、トルク指令値設定手段は、クラッチトルク推定手段にて推定されたクラッチの実際の作動状態に応じて、変速時のトルク変動を抑制するように、モータの駆動トルクに対するトルク指令値を算出する。
これにより、実際にクラッチにて伝達されるトルクと同等の位相特性によって適切にモータの駆動トルクを制御することができ、車両の走行状態に衝撃等が発生することを確実に抑制し、滑らかな走行状態を維持することができる。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、前記モータの回転数に対する目標回転数(例えば、実施の形態での回転数ωmst)を設定する目標回転数設定手段(例えば、実施の形態でのECU20)と、前記モータの回転数(例えば、実施の形態での回転数ωms)を検出する回転数検出手段(例えば、実施の形態での回転数センサS1)と、前記回転数検出手段により検出される前記回転数を、前記目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行う回転数フィードバック制御手段(例えば、実施の形態でのECU20)とを備え、前記トルク指令値設定手段は、前記回転数検出手段により検出される前記回転数に基づき前記トルク指令値を算出することを特徴としている。
【0009】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じた変速時に、予め設定されたクラッチの応答特性に基づいて算出したトルク指令値によりモータの駆動トルクを制御するフィードフォワード制御に加えて、回転数検出手段により検出されるモータの回転数を、目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行うことにより、例えばクラッチを油圧制御する作動油の温度変化や劣化、クラッチの摩耗等の状態変化が発生した場合であっても、確実に所望の制御を行うことができる。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、前記トルク指令値に応じてスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段(例えば、実施の形態でのECU20)を備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、例えばトルク指令値に応じたモータの駆動により内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させる際には、スロットル開度制御手段によってスロットル開度を増大させることにより、内燃機関の動作損失を低減させ、クランク軸の回転数を増大させ易くすることができる。一方、内燃機関のクランク軸の回転数を低下させる際には、スロットル開度を低下させることにより、クランク軸の回転数を低下させ易くすることができる。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置では、前記伝達手段は、車両の減速時に前記ロックアップクラッチにより前記内燃機関のクランク軸と前記変速機の入力軸とを締結状態に設定することを特徴としている。
【0013】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、例えばトルクコンバータ等からなる伝達手段において、ロックアップクラッチが締結状態に設定されることにより、内燃機関のクランク軸の回転数と、変速機の入力軸の回転数とが同等となり、変速時におけるモータの駆動により内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させる際に、容易かつ確実に所望の制御を行うことができる。
【0014】
さらに、請求項6に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、車両の減速時における変速動作の前後において、前記内燃機関の動作損失および前記モータの回生トルクに応じて発生する減速トルクが不変となるように、前記回生トルクを制御するモータ回生トルク制御手段(例えば、実施の形態でのECU20)を備えることを特徴としている。
【0015】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、変速前後において減速トルクが不変となるように設定されることにより、車両の走行状態に意図しない衝撃等が発生することを抑制し、滑らかな走行状態を維持することができる。
【0016】
さらに、請求項7に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置は、前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部が前記モータにより変換されてなる電気エネルギーを蓄電する蓄電装置(例えば、実施の形態でのバッテリ19)と、前記蓄電装置の蓄電状態に応じて前記モータのトルクを制御するモータトルク制御手段(例えば、実施の形態でのECU20)とを備えることを特徴としている。
【0017】
上記構成のハイブリッド車両の制御装置によれば、モータトルク制御手段は、例えば、車両の減速時における変速動作の前後において、蓄電装置の残容量が相対的に低下している場合には、モータの駆動により内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させる制御の実行を規制し、モータの回生作動の実行を規制する。これにより、いわば積極的に内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させることはできないものの、回生トルクをゼロに設定することで、内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させ易くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるハイブリッド車両の制御装置10は、例えば図1に示す模式図のように、少なくとも内燃機関11またはモータ12の何れか一方の駆動力を、ロックアップクラッチ13を具備するトルクコンバータ14および変速機15を介して、車両の駆動輪Wに伝達するものであって、直列に直結された内燃機関11およびモータ12と、モータ12の回転軸12Aに接続されたトルクコンバータ14と、変速機15と、トルクコンバータ14および変速機15を駆動制御するための油圧を発生する機械式のオイルポンプ16および電動オイルポンプ17と、パワードライブユニット(PDU)18と、バッテリ19と、ECU(電子演算装置)20とを備えて構成されている。
【0019】
トルクコンバータ14は、流体を介してトルクの伝達を行うものであって、モータ12の回転軸12Aに連結されたフロントカバー14aと一体のポンプインペラ14bと、フロントカバー14aとポンプインペラ14bとの間でポンプインペラ14bに対向配置されたタービンランナ14cと、ポンプインペラ14bとタービンランナ14cとの間に配置されたステータ14dとを備えて構成されている。
さらに、タービンランナ14cとフロントカバー14aとの間には、ECU20からの制御指令に応じてフロントカバー14aの内面に向かい押圧され、フロントカバー14aに係合するロックアップクラッチ13が備えられている。
そして、フロントカバー14aおよびポンプインペラ14bにより形成される容器内に作動油(ATF:Automatic Transmission Fluid)が封入されている。
【0020】
ここで、ECU20からの制御指令に応じてロックアップクラッチ13の係合が解除された状態でポンプインペラ14bがフロントカバー14aと一体に回転すると作動油の螺旋流が発生し、この作動油の螺旋流がタービンランナ14cに作用して回転駆動力を発生させ、作動油を介してトルクが伝達される。
また、ECU20からの制御指令に応じてロックアップクラッチ13が係合状態に設定されると、フロントカバー14aからタービンランナ14cへと、作動油を介さず直接に回転駆動力が伝達される。
なお、ロックアップクラッチ13の係合状態は可変とされ、ロックアップクラッチ13を介してフロントカバー14aからタービンランナ14cへと伝達される回転駆動力は任意に変更可能とされている。
【0021】
変速機15は、例えばECU18からの駆動指令により各複数のシンクロクラッチが駆動されることによって変速動作が制御される自動変速機タイプのものであり、例えば、メインシャフトである入力軸15Aと、カウンタシャフトである出力軸15Bと、互いに異なるギア比に設定されている複数のギア対(例えば、前進1〜5速ギア対および後進ギア対等)とを備えて構成され、入力軸15Aと出力軸15Bとは互いに平行に配置されている。
複数のギア対は、入力軸15Aに取り付けられた各入力側ギアと、出力軸15Bに取り付けられた各出力側ギアとから構成されており、対をなす各ギア同士は、常に噛み合っている。
そして、各入力側ギアまたは各出力側ギアの何れか一方は、各入力軸15Aまたは出力軸15Bに対して回転可能のアイドルギアとされ、各シンクロクラッチによって各入力軸15Aまたは出力軸15Bに対して接続または分離される。
【0022】
なお、以下においては、例えば図1に示すように、複数のギア対のうち、特に各前進ギア対を、相対的に高変速段(例えば、4速等)の高速ギア対21と、相対的に低変速段(例えば、3速等)の低速ギア対22とに分類して説明する。ここで、高速ギア対21の高速出力側ギア21aおよび低速ギア対22の低速出力側ギア22aは出力軸15Bと一体に設けられており、各出力側ギア21a,22aと対をなす各入力側ギア21b,22bは、入力軸15Aに対して回転可能のアイドルギアとされ、各シンクロクラッチ31,32によって入力軸15Aに対して接続または分離される。
また、ファイナルギア対36をなす、変速機15の出力軸15Bと一体に設けられた出力側ファイナルギア36aと、駆動輪Wに接続された駆動軸37と一体に設けられた駆動側ファイナルギア36bとは、常に噛み合うように設定されている。
【0023】
ここで、各シンクロクラッチは、例えば湿式多板クラッチ等とされ、例えば図1に示すように、変速機15の入力軸15Aと一体的に回転可能に配置された各アウタークラッチ板31a,32aと、これらの各アウタークラッチ板31a,32aと交互に重ね合わせるように配置されると共に各アウタークラッチ板31a,32aに当接可能とされ、入力軸15Aに対して回転可能のアイドルギアとされる各入力側ギア21b,22bと一体的に回転可能に配置された各インナークラッチ板31b,32bと、ECU20により制御可能な各油圧アクチュエータ(図示略)とを備えている。
各油圧アクチュエータは、摺動可能に配設されると共にピストン室を形成するピストンを備えている。すなわち、油圧アクチュエータは、ピストン室内に供給される作動油の油圧に応じてスラスト力を発生させ、例えば各アウタークラッチ板31a,32aと各インナークラッチ板31b,32bとを相互に当接(つまり、係合)させることによって、変速機15の出力軸15Bと各入力側ギア21b,22bの何れかとを一体に締結する。
なお、後述するように、ピストン室内に供給される作動油の油圧は、ECU20によってクラッチ油圧指令値Pccomに基づいて制御され、これに伴い各シンクロクラッチの係合度合い(係合状態)が調整可能とされている。
【0024】
ECU20は、例えば各シンクロクラッチの係合度合い(係合状態)を指示するクラッチ油圧指令値Pccomに応じて、各シンクロクラッチの油圧アクチュエータの駆動および変速機15の変速動作を制御する。このとき、後述するように、予め設定された各シンクロクラッチの応答特性に基づき、各シンクロクラッチの作動状態の変化に応じて発生する駆動輪Wでのトルク変動を抑制するようにして、モータ12の駆動トルクを制御する。また、車両の減速時における変速動作の前後において、内燃機関11の動作損失およびモータ12の回生トルクに応じて発生する減速トルクが不変となるように回生トルクを制御する。
ここで、モータ12の駆動および回生作動は、ECU20からの制御指令を受けてPDU18により行われ、PDU18にはモータ12と電気エネルギーの授受を行う高圧系のニッケル−水素(Ni−MH)バッテリ等のバッテリ19が接続されている。
【0025】
また、ECU20は、クラッチ油圧指令値Pccomに応じた変速時に、予め設定されたクラッチの応答特性に基づいて算出したトルク指令値によりモータ12の駆動トルクを制御するフィードフォワード制御に加えて、回転数センサS1により検出されるモータ12の回転数を、目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行う。
さらに、ECU20は、例えば電流センサS2により検出されるバッテリ19の充電電流及び放電電流を所定期間毎に積算して積算充電量及び積算放電量を算出し、これらの積算充電量及び積算放電量を初期状態或いは充放電開始直前の残容量に加算又は減算する電流積算法等により算出したバッテリ19の残容量に応じてモータ12の駆動制御を行う。
また、ECU20は、クラッチ油圧指令値Pccomに応じてモータ12の駆動トルクを制御する際に、スロットル開度を制御する。例えばモータ12の駆動により内燃機関11のクランク軸11Aの回転数を上昇させる際には、スロットル開度を増大させることにより、内燃機関11の動作損失を低減させ、クランク軸11Aの回転数を増大させ易くする。
【0026】
このため、ECU20には、例えば図1に示すように、モータ12の回転数を検出する回転数センサS1から出力される検出信号と、バッテリ19の充電電流及び放電電流を検出する電流センサS2から出力される検出信号と、変速機15の各シンクロクラッチの内燃機関11側と駆動輪W側との回転数差、つまり入力軸15Aの回転数と出力軸15Bの回転数との差である差回転Ndを検出する差回転検出器S3から出力される検出信号とが入力されている。
なお、図1において、各慣性モーメントI,IMOT,IMS,ICS,Itr,Iは、順次、各軸11A,12A,15A,15Bと、トルクコンバータ14と、駆動輪Wとの慣性モーメントである。
【0027】
本実施形態によるハイブリッド車両の制御装置10は上記構成を備えており、次に、このハイブリッド車両の制御装置10の動作、特に、変速時におけるモータ12の駆動制御について添付図面を参照しながら説明する。
【0028】
以下に、例えば、高変速段(例えば、4速等)から低変速段(例えば、3速等)への減速動作が実行される場合について説明する。
先ず、図2および図8(a)〜(f)の時刻t1から時刻t2に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31が締結された4速固定時の状態では、例えば下記数式(1)に示すように、駆動輪Wのトルク(車輪トルク)Tは、内燃機関11の駆動トルク(エンジントルク)Tとモータ12の駆動トルク(モータトルク)TMOTとが加算されてなるクランク軸11Aの端部でのトルク(クランク軸端トルク)Tに、高速ギア対21の変速比R4thと、ファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値として設定される。
ここで、ロックアップクラッチ13が締結されていると、車体には、内燃機関11の動作損失およびモータ12の回生トルクに応じて発生する減速トルクが付与されることとなる。
【0029】
【数1】
Figure 2004080967
【0030】
次に、図3および図8(a)〜(f)の時刻t2から時刻t3に示すように、低変速段のシンクロクラッチ32の容量(伝達可能なトルク)がゼロの状態で、高変速段のシンクロクラッチ31の容量(高変速段クラッチ容量)T4cが減少傾向に変化させられ、クランク軸端トルクTよりも小さくなる4速滑り時(第1イナーシャ相)の状態では、例えば下記数式(2)に示すように、車輪トルクTは、高変速段クラッチ容量T4cに、高速ギア対21の変速比R4thと、ファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値として設定される。
ここでは、図8(a)に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31に対するクラッチ油圧指令(図8(a)での、現変速段クラッチ油圧指令)の値が減少させられ、これに伴い、作動油の実際の油圧(図8(a)での、現変速段クラッチ実油圧)が減少傾向に変化し、図8(b)に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31にて伝達されるクラッチトルクが減少傾向に変化する。
これにより、駆動輪W側へ伝達される減速トルクが低下し、図8(e)に示すように、車輪トルクTが増大傾向に変化する。
【0031】
【数2】
Figure 2004080967
【0032】
なお、この第1イナーシャ相においては、例えば図8(a)に示すように、適宜のタイミングで、低変速段のシンクロクラッチ32に対するクラッチ油圧指令(図8(a)での、次変速段クラッチ油圧指令)が所定の値まで増大させられ、これに伴い、作動油の実際の油圧(図8(a)での、次変速段クラッチ実油圧)が所定の値まで増大させられる。ここでは、低変速段のシンクロクラッチ32に対して油圧アクチュエータのピストン室内に作動油が充満させられ、低変速段のシンクロクラッチ32の各クラッチ板32a,32bが係合直前の状態、いわゆる無効ストローク詰めの状態に設定される(つまり、係合直前の位置までピストンが移動させられる)。従って、この無効ストローク詰めの状態においては、図8(b)に示すように、低変速段のシンクロクラッチ32にて伝達されるクラッチトルクはゼロとされる。
【0033】
次に、図4および図8(a)〜(f)の時刻t3から時刻t4に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31の容量(高変速段クラッチ容量)T4cが減少傾向に変化させられる状態で、低変速段のシンクロクラッチ32の容量(低変速段クラッチ容量)T3cが増大傾向に変化させられる4速、3速滑り時(第2イナーシャ相)の状態では、例えば下記数式(3)に示すように、車輪トルクTは、高変速段クラッチ容量T4cに高速ギア対21の変速比R4thとファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値から、低変速段クラッチ容量T3cに低速ギア対22の変速比R3thとファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値を減算して得た値として設定される。すなわち、変速機15の出力軸15Bの回転数が入力軸15Aの回転数よりも大きい状態では、低変速段のシンクロクラッチ32において、出力軸15Bから入力軸15Aへと向かう方向、つまり高変速段のシンクロクラッチ31でのトルク伝達方向とは逆方向にトルクが伝達される。
【0034】
【数3】
Figure 2004080967
【0035】
この第2イナーシャ相では、図8(a)に示すように、低変速段のシンクロクラッチ32に対するクラッチ油圧指令(図8(a)での、次変速段クラッチ油圧指令)の値が増大させられ、これに伴い、作動油の実際の油圧(図8(a)での、次変速段クラッチ実油圧)が増加傾向に変化し、図8(b)に示すように、低変速段のシンクロクラッチ33にて伝達されるクラッチトルクがゼロから増大傾向に変化する。
これにより、図8(c)に示すように、低変速段のシンクロクラッチ33に対する低変速段クラッチ容量T3cの増大分だけ、内燃機関11の回転数(エンジン回転数)が増大し、図8(e)に示すように、車輪トルクTが減少傾向に変化する。
【0036】
ここで、例えば図5および図8(d)に示すように、高変速段クラッチ容量T4cおよび低変速段クラッチ容量T3cと差回転Ndとに基づき設定したタイミングで、各慣性モーメントI,IMOT,IMS,Itrおよびバッテリ19の残容量等に基づき算出したモータ12のトルク(モータトルク)TMOTを付与するようにして、モータ12を駆動させる。これにより、図8(c)に示すように、モータトルクTMOTの増大分だけ、エンジン回転数が増大し、回転同期に要する時間つまり変速時間が低減されると共に、図8(e)に示すように、車輪トルクTの減少分が低減され、変速前後におけるトルク変動が低減される。なお、ここで、例えば、バッテリ19の残容量が相対的に小さく、モータ12の駆動が禁止される条件下においては、モータ12の回生作動の実行を規制し、回生トルクをゼロに設定することで、エンジン回転数を増大させ易くする。
【0037】
次に、図6および図8(a)〜(f)の時刻t4から時刻t5に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31の容量(高変速段クラッチ容量)T4cが減少傾向に変化させられる状態で、低変速段のシンクロクラッチ32の容量が増大傾向に変化させられ、低速ギア対22の回転数が入力軸15Aの回転数(入力軸回転数)に同期する3速滑り時(トルク相)の状態では、例えば下記数式(4)に示すように、車輪トルクTは、高変速段クラッチ容量T4cに高速ギア対21の変速比R4thとファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値から、低変速段クラッチ容量T3cからクランク軸端トルクTが減算された値に低速ギア対22の変速比R3thとファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値を減算して得た値として設定される。
この場合、低変速段のシンクロクラッチ32において、入力軸15Aから出力軸15Bへと向かう方向にトルクが伝達される。
【0038】
【数4】
Figure 2004080967
【0039】
次に、図7および図8(a)〜(f)の時刻t5以降に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31の容量(高変速段クラッチ容量)T4cがゼロとなる3速固定時の状態では、例えば下記数式(5)に示すように、車輪トルクTは、低変速段クラッチ容量T3cに低速ギア対22の変速比R3thとファイナルギア対36の変速比Rとが乗算された値として設定される。
【0040】
【数5】
Figure 2004080967
【0041】
以下に、モータトルクTMOTおよびモータトルクTMOTを付与するタイミングを設定する処理について添付図面を参照しながら説明する。
図9(a)に示すように、高変速段のシンクロクラッチ31にて伝達されるクラッチトルク(高変速段クラッチトルク)が減少傾向に変化させられ、低変速段のシンクロクラッチ32にて伝達されるクラッチトルク(低変速段クラッチトルク)が増大傾向に変化させられる第2イナーシャ相の状態において、例えば高変速段クラッチトルクが所定トルクよりも小さくなる等の時刻t11において、図9(c)に示すように、高変速段クラッチトルク抜け判断フラグのフラグ値に「1」が設定される。そして、図9(a)に示すように、低変速段クラッチトルクがゼロから増大させられる時刻t12において、図9(d)に示すように、低変速段クラッチトルク立ちあがり判断フラグのフラグ値に「1」が設定され、図9(f)に示すように、モータトルク付与フラグのフラグ値に「1」が設定される。
すなわち、モータトルクTMOTの付与を開始するタイミングは、高変速段クラッチトルク抜け判断フラグのフラグ値が「1」であって、低変速段クラッチトルク立ちあがり判断フラグのフラグ値が「1」となるタイミングとなる。
さらに、モータトルクTMOTの付与を停止するタイミングは、図9(e)に示すように、次変速段クラッチつまり低変速段のシンクロクラッチ32に対する差回転Ndが所定回転数よりも小さくなる等によって、差回転判断フラグのフラグ値に「0」が設定される時刻t13とされる。これにより、図9(b)に示すように、時刻t13近傍において低速ギア対22の回転数(低速ギア対回転数)が入力軸15Aの回転数(入力軸回転数)に同期するようになる。
【0042】
以下に、モータトルクTMOTを発生させるモータトルク指令を設定する処理について説明する。
先ず、図10に示すステップS01においては、例えば上述した各イナーシャ相またはトルク相からなる変速動作の実行中であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進み、モータトルク指令にゼロを設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
ステップS03においては、前段クラッチトルクつまり変速以前における高変速段クラッチトルクが第1所定値以下か否かを判定する。
ステップS03の判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
一方、ステップS03の判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
【0043】
ステップS04においては、次段クラッチトルクつまり変速以後における低変速段クラッチトルクが第2所定値以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
ステップS05においては、次段クラッチトルク差回転つまり変速以後における低変速段のシンクロクラッチ32に対する差回転Ndが所定回転数以上か否かを判定する。
ステップS05の判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
一方、ステップS05の判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
【0044】
ステップS06においては、例えば下記数式(6)に示すように、回転数センサS1により検出されるモータ12の回転数つまり入力軸15Aの回転数ωmsを目標回転数つまり次変速段のギア対の回転数ωmstに追従させるようにフィードバック制御を行い、各慣性モーメントI,IMOT,IMS,Itrと、次変速段クラッチの差回転(ωmst−ωms)と、エンジントルクTと、制御周期dtとに基づき、モータトルクTMOTを算出する。
なお、各慣性モーメントI,IMOT,IMS,Itrは、例えば下記数式(7)に示すように、各シンクロクラッチのクラッチ容量、例えば高変速段クラッチ容量T4cおよび低変速段クラッチ容量T3cに基づき算出される。
そして、ステップS07においては、算出したモータトルクTMOTをモータトルク指令として出力し、一連の処理を終了する。
【0045】
【数6】
Figure 2004080967
【0046】
【数7】
Figure 2004080967
【0047】
上述したように、本実施形態によるハイブリッド車両の制御装置10によれば、クラッチ油圧指令値Pccomに応じて、予め設定された各シンクロクラッチの応答特性に基づき各シンクロクラッチを介して伝達される推定クラッチトルクTcliを推定し、この推定クラッチトルクTcliに基づいてモータトルク指令値を設定し、モータ12の駆動制御を行うことで、変速時のトルク変動分に起因する衝撃の発生を抑制した滑らかな走行状態を維持させることができる。
しかも、推定クラッチトルクTcliに基づいて算出されるモータトルク指令値は、例えばシンクロクラッチの油圧アクチュエータやモータ12の作動遅れ等が考慮されて推定されたものであり、実際にシンクロクラッチにて伝達されるトルクと同等の位相を有するように設定されている。これにより、的確なタイミングで適切なトルク制御を行うことができる。すなわち、例えば適宜のセンサーによる油圧等の検出値に基づいて各シンクロクラッチにて伝達されるトルクを推定し、このトルクに応じてモータ12の出力を制御する場合に比べて、フィードフォワード制御により、例えばセンサーやECU20での処理時間に起因する時間遅れや、例えば油圧アクチュエータやモータ12の応答遅れ等の影響無しに変速時のトルク変動を抑制することができ、実際に各シンクロクラッチにて伝達されるトルクと同等の位相を有する推定クラッチトルクTcliによって、適切な位相特性を有するモータトルク指令を設定することができる。
【0048】
さらに、クラッチ油圧指令値Pccomに応じた変速時に、回転数センサS1により検出されるモータ12の回転数を目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行うことにより、例えば環境変動や経年劣化等が発生した場合であっても、モータ12に対する所望の駆動制御を確実に行うことができる。
また、変速時にモータトルクを付与することで、回転同期に要する時間つまり変速時間を短縮させることができる。
【0049】
なお、上述した本実施形態においては、車両の減速時について説明したが、これに限定されず、例えば車両の加速時においては、変速時にモータ12による回生量を増大させることによって、変速時に車体に生じるトルク変動を抑制することができる。
【0050】
なお、上述した本実施形態においては、各シンクロクラッチの油圧アクチュエータの動特性を線形の伝達関数により近似するとしたが、これに限定されず、例えば2次よりも高次の伝達関数や、例えば非線形の伝達関数等により近似してもよい。
【0051】
また、上述した本実施の形態において、摩擦係数算出部43は、各シンクロクラッチの係合時における各クラッチ板の滑り速度と、油圧アクチュエータの油圧と、摩擦係数μとの関係を示す所定のマップを予め備えるとしたが、これに限定されず、所定のマップにおける変数として、例えば作動油の油温や、経年劣化に係るパラメータ等を含めてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じて、予め設定されたクラッチの応答特性に基づいてモータの駆動トルクを制御することで、変速時におけるトルク変動を確実に抑制するようにして、的確なタイミングで適切にモータを駆動制御することができる。
さらに、請求項2に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、実際にクラッチにて伝達されるトルクと同等の位相特性によって適切にモータの駆動トルクを制御することができ、車両の走行状態に意図しない衝撃等が発生することを確実に抑制し、滑らかな走行状態を維持することができる。
さらに、請求項3に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、予め設定されたクラッチの応答特性に基づいて算出したトルク指令値によりモータの駆動トルクを制御するフィードフォワード制御に加えて、回転数検出手段により検出されるモータの回転数を、目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行うことにより、例えばクラッチを油圧制御する作動油の温度変化や劣化、クラッチの摩耗等の状態変化が発生した場合であっても、確実に所望の制御を行うことができる。
【0053】
さらに、請求項4に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、トルク指令値に応じてスロットル開度を制御することにより、モータによる内燃機関の駆動を補助することができ、モータの駆動トルクの制御を効率良く行うことができる。
さらに、請求項5に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、内燃機関のクランク軸の回転数と変速機の入力軸の回転数とを同等に設定することができ、変速時におけるモータの駆動により内燃機関のクランク軸の回転数を上昇させる際に、容易かつ確実に所望の制御を行うことができる。
さらに、請求項6に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、変速前後において減速トルクが不変となるように設定することにより、車両の走行状態に意図しない衝撃等が発生することを抑制し、滑らかな走行状態を維持することができる。
さらに、請求項7に記載の発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、蓄電装置の蓄電状態に応じてモータのトルクを制御することにより、例えば過剰な頻度で蓄電装置が過放電状態となり、蓄電装置の寿命が短命化してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成図である。
【図2】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特に4速固定時の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図3】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特に第1イナーシャ相の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図4】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特に第2イナーシャ相の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図5】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特に第2イナーシャ相の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図6】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特にトルク相の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図7】ハイブリッド車両の制御装置の動作、特に3速固定時の状態で伝達されるトルクを示す模式図である。
【図8】図8(a)はクラッチ油圧の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(b)はクラッチトルクの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(c)は回転数の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(d)はモータトルクTMOTの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(e)は車輪トルクTの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(f)は変速機の作動状態の時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図9】図9(a)はクラッチトルクの時間変化の一例を示すグラフ図であり、図9(b)は回転数の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図9(c)は高変速段クラッチトルク抜け判断フラグのフラグ値の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図9(d)は低変速段クラッチトルク立ちあがり判断フラグのフラグ値の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図9(e)は差回転判断フラグのフラグ値の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図9(f)はモータトルク付与フラグのフラグ値の時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図10】モータトルク指令を設定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ハイブリッド車両の制御装置
11 内燃機関
12 モータ
13 ロックアップクラッチ
14 トルクコンバータ(伝達手段)
15 変速機
15A 入力軸
15B 出力軸
19 バッテリ(蓄電装置)
20 ECU(クラッチトルク推定手段、目標回転数設定手段、回転数フィードバック制御手段、スロットル開度制御手段、モータ回生トルク制御手段、モータトルク制御手段)
ステップS06 トルク指令値設定手段
ステップS07 モータ駆動トルク制御手段

Claims (7)

  1. 少なくとも内燃機関またはモータの何れか一方を、ロックアップクラッチを具備する伝達手段と、変速機とを介して駆動輪に連結し、駆動力を前記駆動輪に伝達するハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記変速機は、前記内燃機関または前記モータに接続された入力軸、および、前記駆動輪に連結された出力軸に設けられた複数の変速ギア間の噛み合いの状態を変更するクラッチを具備し、変速比を段階的に変更可能に前記入力軸および前記出力軸を接続する有段自動変速機であり、
    前記クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じて、予め設定された前記クラッチの応答特性に基づき、前記制御指令値による前記クラッチの作動状態の変化に応じて発生する前記駆動輪でのトルク変動を抑制するようにして、前記モータの駆動トルクを制御するモータ駆動トルク制御手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記クラッチの作動状態を指示する制御指令値に応じて、前記クラッチの応答特性に基づき、前記クラッチを介して伝達されるトルクを算出するクラッチトルク推定手段と、
    前記クラッチトルク推定手段により推定したクラッチトルクに応じて前記モータの駆動トルクに対するトルク指令値を算出するトルク指令値設定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記モータの回転数に対する目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記回転数検出手段により検出される前記回転数を、前記目標回転数に追従させるようにフィードバック制御を行う回転数フィードバック制御手段とを備え、
    前記トルク指令値設定手段は、前記回転数検出手段により検出される前記回転数に基づき前記トルク指令値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記トルク指令値に応じてスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記伝達手段は、車両の減速時に前記ロックアップクラッチにより前記内燃機関のクランク軸と前記変速機の入力軸とを締結状態に設定することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 車両の減速時における変速動作の前後において、前記内燃機関の動作損失および前記モータの回生トルクに応じて発生する減速トルクが不変となるように、前記回生トルクを制御するモータ回生トルク制御手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記内燃機関の出力または車両の運動エネルギーの一部が前記モータにより変換されてなる電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、
    前記蓄電装置の蓄電状態に応じて前記モータのトルクを制御するモータトルク制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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