JP2004079581A - 抵抗素子及びその製造法並びに当該抵抗素子を歪ゲージとして用いる応力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制し、且つ部品点数を多くしない応力センサを提供する。
【解決手段】本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上に形成した抵抗素子6の抵抗体3に対し、レーザ照射による溝7形成を施して抵抗値を調整する過程を経る抵抗素子6の製造法において、前記溝7形成部分に対応する絶縁基板1面に、レーザ通過阻害部材4が配される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上に形成した抵抗素子6の抵抗体3に対し、レーザ照射による溝7形成を施して抵抗値を調整する過程を経る抵抗素子6の製造法において、前記溝7形成部分に対応する絶縁基板1面に、レーザ通過阻害部材4が配される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抵抗素子及びその製造法並びに当該抵抗素子を歪ゲージとして用いる応力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
応力センサ用歪ゲージには、抵抗素子が用いられてきた。特開2000−267803号公報では、アルミナセラミックからなる絶縁基板面に抵抗素子を形成し、当該抵抗素子を構成する抵抗体に対してレーザトリミングを施す技術が開示されている。また特開2000−163214号公報では、抵抗素子である歪ゲージに加えトリミング用抵抗素子を別に設け、両者の抵抗値の総和を一定の値とするためにトリミング用抵抗素子のみにレーザトリミングを施し、歪ゲージにはトリミングを施さない技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−267803号公報に開示された技術を、樹脂を主成分とする絶縁基板に歪ゲージとなる抵抗素子を形成した応力センサへ適用しようとすると、レーザが抵抗体と共に当該絶縁基板に対しても溝形成することとなる。絶縁基板に形成された溝は、絶縁基板の変形し易さを変える。またかかる溝は抵抗体存在領域に存在している。これらのことから、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませることで当該応力を感知する応力センサにあっては、当該溝の存在は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る。従ってかかる影響が大きい場合には、応力センサの量産時の特性ばらつきが大きくなるばかりでなく、期待した応力センサ特性を得ることができない場合もあり得る問題点を有する。
【0004】
また上記特開2000−163214号公報に開示された技術を実施しようとすると、応力センサを構成する部品点数が大幅に多くなる。すると各部品間の電気配線が複雑になり、緻密な配線を余儀なくされる場合がある。また部品点数が大幅に多くなる分だけ製造工数が増加し、不利である。
【0005】
そこで本発明が解決しようとする課題は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制し、且つ部品点数を多くしない応力センサを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上に形成した抵抗素子6の抵抗体3に対し、レーザ照射による溝7形成を施して抵抗値を調整する過程を経る抵抗素子6の製造法において、前記溝7形成部分に対応する絶縁基板1面に、レーザ通過阻害部材4が配されることを特徴とする。
【0007】
このような製造法の過程を経た結果、図1に示すように、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上の対となる電極2と、当該電極2間に配置されたレーザ通過阻害部材4と、前記対となる電極2双方に跨って存在する抵抗体3と、当該抵抗体3と前記レーザ通過阻害部材4とが重なり合う抵抗体3領域に形成されたレーザトリミング溝7とを有する本発明の抵抗素子6を得ることができる。
【0008】
上記レーザ通過阻害部材4は、例えば石英等の非金属物質や、銅やアルミニウム等の金属からなるものである。当該金属は高い導電性を有しているため、折角形成したトリミング溝7を短絡させるおそれがある。そのため金属をレーザ通過阻害部材4として用いる場合には、抵抗体3との間に絶縁材料5が配されていることが必要となる。
【0009】
レーザ通過阻害部材4は、抵抗体3へのトリミング溝7形成のためのレーザ光を反射、遮蔽、吸収等の作用により、通過させない部材である。従ってレーザ光は、レーザ通過阻害部材4を通過して絶縁基板1に達することなく、溝が形成されるような損傷を受けない。このように上記本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制できることがわかる。また、従来のようにトリミング用抵抗素子を別に設けることを要さないため、部品点数を大幅に多くしない応力センサを提供することができている。以上のことから本発明によって、本発明が解決しようとする課題が解決できたことが明らかとなった。ここで図1におけるレーザ通過阻害部材4及び絶縁材料5は、応力センサの部品点数を多くしていると言えるが、その程度は僅かであり、その程度が「大幅」でないことは明らかである。
【0010】
上記本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法の更なる具体例は、抵抗素子6の主たる構成が、絶縁基板1表面の導体層の一部を除去処理し、その残部として得られるか、若しくはアディティブ法により得られる、対となる導体(電極2)間に抵抗体3が膜形成されるものである。この具体例により得られた抵抗素子6も、図示すると図1のようになる。
【0011】
この具体例における電極2形成には、公知の印刷回路板のパターニング技術を適用できる。その場合、非常に緻密なパターニングが可能となる利点がある。またこの場合において、レーザ通過阻害部材4としての金属が、上記導体(電極2)と同時に形成されることが好ましい。即ち上記パターニングにレーザ通過阻害部材4の形成操作を含ませることにより、製造を容易にできる利点を得ようとするものである。かかる好ましい製造法により図1の電極2とレーザ通過阻害部材4とを同時に形成することができる。
【0012】
上記本発明で好適に使用できる抵抗体3は、熱硬化性樹脂及び炭素材粉末を主たる構成材料とするものである。絶縁基板1が樹脂を主成分とするものであることから、高温焼成により初めて抵抗素子6として機能する抵抗体3材料は本発明には不向きである。その点熱硬化性樹脂は、一般に樹脂を主成分とする絶縁基板1を変質させない程度の温度の加熱により抵抗素子6として機能し得る。好適に使用できる熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ系樹脂等である。これら熱硬化性樹脂は、当初ペースト状であるものが通常用いられる。また炭素材粉末が抵抗体3の導電機能付与材料として優れている点は、銀等の金属粉末に比してペースト状態における分散性が良好と考えられる点である。その理由はペースト状樹脂に比して、金属は比重が非常に高いのに対し炭素は比重がペースト状樹脂と略同等と考えられるためである。ここで前記炭素材料は、導電性を有する黒鉛やアモルファスカーボン等であり、ダイヤモンドのような絶縁物質は含まれない。
【0013】
また上記本発明で好適に使用できる樹脂を主成分とする絶縁基板1材料は、一般に印刷回路基板への適用がなされているガラス繊維混入エポキシ系樹脂等の繊維強化樹脂である。この材料は、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませることで当該応力を感知する応力センサへの適用に特に好適である。その理由は、かかる材料は、ある程度撓むことのできる柔軟性及び多数回の撓みに対して、応力を除いたときにその形状を復元することができる剛性及び弾力性とを併せ持つ機能を必要とするところ、これら材料はいずれもそれらを満足し得るためである。それに対し、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませない応力センサ(例えば抵抗素子への押圧、当該押圧解除により、応力を抵抗値変化に変換する応力センサ等)の構成材料や、チップ抵抗器の構成材料として用いられる絶縁基板材料には、かかる機能が一般に好適とはいえない。従って他の樹脂系の材料、例えばフェノール樹脂等を使用できることは言うまでもない。これら樹脂を主成分とする絶縁基板1は、セラミック製のものに比して成形が容易であること、その成形温度が低く、成形設備や成形コストを安価にすることができること等の利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず抵抗素子6のみに着目して、本発明の抵抗素子の製造法の一例について、その実施の形態を図2を参照しながら以下に述べる。
【0015】
厚み0.5mmのガラス繊維混入エポキシ系樹脂を主成分とする積層板(絶縁基板1)を用意する(図2(a))。絶縁基板1の片面に厚み12μmの銅箔を貼付する(図2(b))。その後、当該銅箔の必要部分を除いて、ドライフィルムレジストによるフォトエッチング法により、エッチング処理を施す。すると絶縁基板1面に銅箔の残部として、電極2及びレーザ通過阻害部材4が形成された状態となる(図2(c))。次にレーザ通過阻害部材4を覆うようにペースト状のエポキシ系樹脂(絶縁部材5)をスクリーン印刷し、加熱硬化させる(図2(d))。その後熱硬化性樹脂及び炭素材粉末を主たる構成材料とする抵抗体3ペーストを、電極2双方及びに跨るよう、且つレーザ通過阻害部材4の一部を覆うようにスクリーン印刷する(図2(e))。3kHzで約700mWの出力のレーザを抵抗体3近傍のレーザ通過阻害部材4存在位置へ照射し始め、そこから照射位置を抵抗体3へ向かって移動する。すると絶縁部材5及び抵抗体3に溝7が形成され、当該抵抗素子6の抵抗値が調整される(図2(f))。かかる調整は、双方の電極2から抵抗値情報を入手・監視しながらレーザ照射することでなされる。ここでレーザ通過阻害部材4である銅箔は、レーザ照射されてもかかるレーザ光を反射するため、銅箔及びその下面にある絶縁基板には溝7は形成されなかった。
【0016】
以上の過程を経ることで本発明の抵抗素子の製造法が完了する。次に以上の過程を本発明の応力センサに適用した場合の一例について図3を参照しながら以下に述べる。
【0017】
図3(a)は本発明の応力センサの側面図、図3(b)は本発明の応力センサの下面図を示したものである。応力センサ用基板11は、上記絶縁基板1と同材質且つ厚みも同じであるガラス繊維混入エポキシ系樹脂からなる。当該基板11に対して、図2(b)〜(f)に描画し、且つそれについてした上記説明と略同内容の工程を経ることで、図3(b)に示すように4つの抵抗素子16を得る。ここで図2(c)に相当する工程、即ち銅箔のエッチング工程では、電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を銅箔残部として基板11の片面のみに形成する。配線17は、一部図示を省略しているが、電極12から基板端子部18までを電気接続するものである。かかる電気接続は、図5に示す端子(Vcc、Xout、Yout、GND)の各々を基板端子部18の4つの端子各々が担うようにされている。
【0018】
図3(b)に示した応力センサの抵抗素子13の形成位置は、応力が直接付与され、その応力を抵抗素子13に伝達する役割を担うポスト20底面輪郭に基板11を介して対応する位置とする。この理由は、図4(a)、(b)に示すように、ポスト20への応力付与により、基板11が最も撓む位置が基板11底面輪郭の位置する箇所であることによる。従ってポスト20は、ある程度の位置精度をもって基板11に固着される必要がある。かかる固着にはエポキシ系接着剤等の使用が好適である。またポスト20の材質はセラミック等の基板11よりも剛性の高いものを選択するのが、応力の伝達を確実ならしめる点で好ましい。
【0019】
図3(b)における基板穴21は、基板11の撓みを容易とするために設けられる。かかる穴開け加工は、遅くとも抵抗体13をスクリーン印刷形成する前までになされることが好ましい。スクリーン印刷後やトリミング溝の形成後に基板11に対し穴開け加工のような強い衝撃を与えると、スクリーン印刷した厚膜の剥離や、トリミング溝の損傷に伴う調整後の抵抗値のずれを発生させるおそれがあるためである。
【0020】
本例の応力センサは、図3(b)に示す基板固定穴19を介して電子機器の筐体等にボルトやナット、ネジ等にて応力センサを固定させて使用する。すると固定状態では基板穴21の外側の基板11周縁部は、ポスト20に応力を付与した場合でも殆ど変形しない非変形部となり、基板穴21の内側はポスト20に応力を付与すと変形し、抵抗素子6を伸張、収縮させる変形部となる。このような固定状態でポスト20に対して任意のX、Y軸方向の応力を付与することで前記変形部が図4(a)に示す変形状態となる。またこのような固定状態でポスト20に対してZ軸方向の応力を付与することで前記変形部が図4(b)に示す変形状態となる。本発明における前記固定の手段は、ボルトやナット、ネジに限られないことは言うまでもない。
【0021】
図4(b)に示す変形状態を可能とするためには、筐体に応力センサが固定された状態で、基板11下面に極僅かでも空隙が存在することを要する。下向きに応力付与することにより、4つの抵抗素子16全てを伸張させ、各々の抵抗値を略同程度にまで大きくする。このような電気特性は、任意の横方向(X方向、Y方向)に応力を付与した場合と異なる電気的特性であり、それらとは区別できる。
【0022】
応力センサにおいて、下向き(Z方向)への応力付与に何らかの機能を付与することにより、多機能化が図れる。例えばコンピュータのポインティングディバイスとして本発明の応力センサを使用した場合、いわゆるマウスをクリックする機能を前記下向きへの応力付与に対応させることができる。また、例えばいわゆる携帯電話等の小型携帯機器用の多機能・多方向スイッチとして本発明の応力センサを使用した場合には、所定時間下向きへの応力付与をしたときに当該携帯機器の電源のオン・オフの命令に対応させる等が可能となる。
【0023】
図5には本発明の応力センサにおける、電気信号入出力の状態の概要を示している。基板11当たり四つの抵抗体13がブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路の電圧印加端子(Vcc)−(GND)間には所定の電圧が印加されている。また同図左側の抵抗素子16及びY端子(Yout)によりY軸方向の応力センサが構成され、更に同図右側の抵抗素子16及びX端子(Xout)によりX軸方向の応力センサが構成される。
【0024】
本例における銅箔のエッチング工程では、電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を銅箔残部として基板11の片面のみに形成している。基板11は、スルーホール形成することで両面に亘り配線を形成することも可能であり、時としてそのような配線が必要な場合がある。例えば従来技術のように、トリミング用抵抗素子を別に設ける場合である。特に当該トリミング用抵抗素子がトリマブルチップ抵抗器であるような場合は、その厚みから、上記Z軸方向への応力付与に対応する機能を阻害しないために基板11上面に配置させることが好ましい場合である。基板11の両面に配線17を形成するには工数の大幅な増加をもたらすこととなるため、本例のように基板11片面への配線のみとできることの製造の簡易化効果は非常に大きい。
【0025】
本例では基板11表面銅箔の一部を除去処理するために、ドライフィルムレジストによるフォトエッチング法を採用したが、それに代えてフォトレジストを電気泳動法により着ける、いわゆるED(Electro Deposition)法を採用可能である。また電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を形成する手段として、基板11表面の導体層の一部を除去処理するのではなく、絶縁板表面(スルーホール内壁面を含む)に無電解めっきで銅を成長させてパターニングする、いわゆるアディティブ法を採用できることは言うまでもない。
【0026】
本例では、レーザ通過阻害部材(4、14)を銅箔としているが、他の金属とすることもできる。例えばアルミニウムを所望の箇所に蒸着する等の手法で形成することで銅箔と同等のレーザ通過阻害効果をえることができる。また金属に代えて、例えば石英等を使用することもできる。
【0027】
本例では、本発明の抵抗素子6を応力センサの歪ゲージとして用いる例を示しているが、その他の抵抗素子が用いられる用途への適用拡大ができることは言うまでもない。例えばチップ抵抗器である。チップ抵抗器は従来から絶縁基板としてアルミナを用いているが、高価である上に割れが発生し易い。特に細長い外形の多連チップ抵抗器や、チップネットワーク抵抗器は取扱いに当たり、僅かな曲げ方向の力を受けることにより割れが発生し得る程割れが発生しやすい。その点、樹脂を主成分とする絶縁基板はその柔軟性から割れが発生することは殆ど考えられない上に、アルミナに比して安価である利点を有している。
【0028】
また本発明において、絶縁基板1や基板11は、当初それらが縦横に連なった大型の板であり、その板の面に縦横に多数の分割線や溝を有しており、分割後に個々の絶縁基板1や基板11となるものであることが好ましい。本例におけるエッチング処理やスクリーン印刷工程、また応力センサを構成するポスト20の固着等の作業を分割前に実施すると、分割後に実施する場合に比して作業効率の向上を図ることができる利点がある。
【0029】
また本例におけるレーザ通過阻害部材(4、14)の形状及び存在領域について図1、図2に示すものには限定されない。例えば電極(2、12)や配線17と接触しない限り、極力広い範囲に存在させることもできる。
【0030】
また本発明における絶縁部材(5、15)の材質、形状も本例に限定されない。但し、少なくともレーザ通過阻害部材(4、14)を覆うことのできる大きさであることが好ましい。僅かにレーザ通過阻害部材(4、14)が直接抵抗体(3、13)に接触することがあっても、それが抵抗素子(6、16)の抵抗値特性に影響を与えない場合も考えられる。しかし、レーザ通過阻害部材(4、14)が導体である場合等には、僅かな前記接触が抵抗素子(6、16)の抵抗値特性にとって無視できない影響を与えることも考えられるためである。
【0031】
また本例における抵抗素子(6、16)の上にオーバーコート用の絶縁性樹脂を配すると、抵抗素子(6、16)の耐衝撃特性等を良好にすることが考えられるため好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制し、且つ部品点数を多くしない応力センサを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子の製造法により得ることができる、本発明の抵抗素子の構成の一例を示しており、(b)は抵抗素子の上面図、(a)は、(b)におけるA−A’断面図である。
【図2】本発明の抵抗素子の製造法の各工程を説明する図である。
【図3】本発明の応力センサを示す図であり、(a)は側面図、(b)は下面図を示している。
【図4】本発明の応力センサの動作状態を示す図であり、(a)は、任意の横方向からの応力の付与、(b)は、上から下への応力の付与についてのものである。
【図5】本発明の応力センサの歪みゲージを形成する抵抗素子の電気接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1.絶縁基板
2.電極
3.抵抗体
4.レーザ通過阻害部材
5.絶縁部材
6.抵抗素子
7.溝
11.基板
12.電極
13.抵抗体
14.レーザ通過阻害部材
15.絶縁部材
16.抵抗素子
17.配線
18.基板端子部
19.基板固定穴
20.ポスト
21.基板穴
22.溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、抵抗素子及びその製造法並びに当該抵抗素子を歪ゲージとして用いる応力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
応力センサ用歪ゲージには、抵抗素子が用いられてきた。特開2000−267803号公報では、アルミナセラミックからなる絶縁基板面に抵抗素子を形成し、当該抵抗素子を構成する抵抗体に対してレーザトリミングを施す技術が開示されている。また特開2000−163214号公報では、抵抗素子である歪ゲージに加えトリミング用抵抗素子を別に設け、両者の抵抗値の総和を一定の値とするためにトリミング用抵抗素子のみにレーザトリミングを施し、歪ゲージにはトリミングを施さない技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−267803号公報に開示された技術を、樹脂を主成分とする絶縁基板に歪ゲージとなる抵抗素子を形成した応力センサへ適用しようとすると、レーザが抵抗体と共に当該絶縁基板に対しても溝形成することとなる。絶縁基板に形成された溝は、絶縁基板の変形し易さを変える。またかかる溝は抵抗体存在領域に存在している。これらのことから、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませることで当該応力を感知する応力センサにあっては、当該溝の存在は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る。従ってかかる影響が大きい場合には、応力センサの量産時の特性ばらつきが大きくなるばかりでなく、期待した応力センサ特性を得ることができない場合もあり得る問題点を有する。
【0004】
また上記特開2000−163214号公報に開示された技術を実施しようとすると、応力センサを構成する部品点数が大幅に多くなる。すると各部品間の電気配線が複雑になり、緻密な配線を余儀なくされる場合がある。また部品点数が大幅に多くなる分だけ製造工数が増加し、不利である。
【0005】
そこで本発明が解決しようとする課題は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制し、且つ部品点数を多くしない応力センサを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上に形成した抵抗素子6の抵抗体3に対し、レーザ照射による溝7形成を施して抵抗値を調整する過程を経る抵抗素子6の製造法において、前記溝7形成部分に対応する絶縁基板1面に、レーザ通過阻害部材4が配されることを特徴とする。
【0007】
このような製造法の過程を経た結果、図1に示すように、樹脂を主成分とする絶縁基板1面上の対となる電極2と、当該電極2間に配置されたレーザ通過阻害部材4と、前記対となる電極2双方に跨って存在する抵抗体3と、当該抵抗体3と前記レーザ通過阻害部材4とが重なり合う抵抗体3領域に形成されたレーザトリミング溝7とを有する本発明の抵抗素子6を得ることができる。
【0008】
上記レーザ通過阻害部材4は、例えば石英等の非金属物質や、銅やアルミニウム等の金属からなるものである。当該金属は高い導電性を有しているため、折角形成したトリミング溝7を短絡させるおそれがある。そのため金属をレーザ通過阻害部材4として用いる場合には、抵抗体3との間に絶縁材料5が配されていることが必要となる。
【0009】
レーザ通過阻害部材4は、抵抗体3へのトリミング溝7形成のためのレーザ光を反射、遮蔽、吸収等の作用により、通過させない部材である。従ってレーザ光は、レーザ通過阻害部材4を通過して絶縁基板1に達することなく、溝が形成されるような損傷を受けない。このように上記本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法は、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制できることがわかる。また、従来のようにトリミング用抵抗素子を別に設けることを要さないため、部品点数を大幅に多くしない応力センサを提供することができている。以上のことから本発明によって、本発明が解決しようとする課題が解決できたことが明らかとなった。ここで図1におけるレーザ通過阻害部材4及び絶縁材料5は、応力センサの部品点数を多くしていると言えるが、その程度は僅かであり、その程度が「大幅」でないことは明らかである。
【0010】
上記本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子6の製造法の更なる具体例は、抵抗素子6の主たる構成が、絶縁基板1表面の導体層の一部を除去処理し、その残部として得られるか、若しくはアディティブ法により得られる、対となる導体(電極2)間に抵抗体3が膜形成されるものである。この具体例により得られた抵抗素子6も、図示すると図1のようになる。
【0011】
この具体例における電極2形成には、公知の印刷回路板のパターニング技術を適用できる。その場合、非常に緻密なパターニングが可能となる利点がある。またこの場合において、レーザ通過阻害部材4としての金属が、上記導体(電極2)と同時に形成されることが好ましい。即ち上記パターニングにレーザ通過阻害部材4の形成操作を含ませることにより、製造を容易にできる利点を得ようとするものである。かかる好ましい製造法により図1の電極2とレーザ通過阻害部材4とを同時に形成することができる。
【0012】
上記本発明で好適に使用できる抵抗体3は、熱硬化性樹脂及び炭素材粉末を主たる構成材料とするものである。絶縁基板1が樹脂を主成分とするものであることから、高温焼成により初めて抵抗素子6として機能する抵抗体3材料は本発明には不向きである。その点熱硬化性樹脂は、一般に樹脂を主成分とする絶縁基板1を変質させない程度の温度の加熱により抵抗素子6として機能し得る。好適に使用できる熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ系樹脂等である。これら熱硬化性樹脂は、当初ペースト状であるものが通常用いられる。また炭素材粉末が抵抗体3の導電機能付与材料として優れている点は、銀等の金属粉末に比してペースト状態における分散性が良好と考えられる点である。その理由はペースト状樹脂に比して、金属は比重が非常に高いのに対し炭素は比重がペースト状樹脂と略同等と考えられるためである。ここで前記炭素材料は、導電性を有する黒鉛やアモルファスカーボン等であり、ダイヤモンドのような絶縁物質は含まれない。
【0013】
また上記本発明で好適に使用できる樹脂を主成分とする絶縁基板1材料は、一般に印刷回路基板への適用がなされているガラス繊維混入エポキシ系樹脂等の繊維強化樹脂である。この材料は、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませることで当該応力を感知する応力センサへの適用に特に好適である。その理由は、かかる材料は、ある程度撓むことのできる柔軟性及び多数回の撓みに対して、応力を除いたときにその形状を復元することができる剛性及び弾力性とを併せ持つ機能を必要とするところ、これら材料はいずれもそれらを満足し得るためである。それに対し、応力付与に伴い絶縁基板を撓ませない応力センサ(例えば抵抗素子への押圧、当該押圧解除により、応力を抵抗値変化に変換する応力センサ等)の構成材料や、チップ抵抗器の構成材料として用いられる絶縁基板材料には、かかる機能が一般に好適とはいえない。従って他の樹脂系の材料、例えばフェノール樹脂等を使用できることは言うまでもない。これら樹脂を主成分とする絶縁基板1は、セラミック製のものに比して成形が容易であること、その成形温度が低く、成形設備や成形コストを安価にすることができること等の利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず抵抗素子6のみに着目して、本発明の抵抗素子の製造法の一例について、その実施の形態を図2を参照しながら以下に述べる。
【0015】
厚み0.5mmのガラス繊維混入エポキシ系樹脂を主成分とする積層板(絶縁基板1)を用意する(図2(a))。絶縁基板1の片面に厚み12μmの銅箔を貼付する(図2(b))。その後、当該銅箔の必要部分を除いて、ドライフィルムレジストによるフォトエッチング法により、エッチング処理を施す。すると絶縁基板1面に銅箔の残部として、電極2及びレーザ通過阻害部材4が形成された状態となる(図2(c))。次にレーザ通過阻害部材4を覆うようにペースト状のエポキシ系樹脂(絶縁部材5)をスクリーン印刷し、加熱硬化させる(図2(d))。その後熱硬化性樹脂及び炭素材粉末を主たる構成材料とする抵抗体3ペーストを、電極2双方及びに跨るよう、且つレーザ通過阻害部材4の一部を覆うようにスクリーン印刷する(図2(e))。3kHzで約700mWの出力のレーザを抵抗体3近傍のレーザ通過阻害部材4存在位置へ照射し始め、そこから照射位置を抵抗体3へ向かって移動する。すると絶縁部材5及び抵抗体3に溝7が形成され、当該抵抗素子6の抵抗値が調整される(図2(f))。かかる調整は、双方の電極2から抵抗値情報を入手・監視しながらレーザ照射することでなされる。ここでレーザ通過阻害部材4である銅箔は、レーザ照射されてもかかるレーザ光を反射するため、銅箔及びその下面にある絶縁基板には溝7は形成されなかった。
【0016】
以上の過程を経ることで本発明の抵抗素子の製造法が完了する。次に以上の過程を本発明の応力センサに適用した場合の一例について図3を参照しながら以下に述べる。
【0017】
図3(a)は本発明の応力センサの側面図、図3(b)は本発明の応力センサの下面図を示したものである。応力センサ用基板11は、上記絶縁基板1と同材質且つ厚みも同じであるガラス繊維混入エポキシ系樹脂からなる。当該基板11に対して、図2(b)〜(f)に描画し、且つそれについてした上記説明と略同内容の工程を経ることで、図3(b)に示すように4つの抵抗素子16を得る。ここで図2(c)に相当する工程、即ち銅箔のエッチング工程では、電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を銅箔残部として基板11の片面のみに形成する。配線17は、一部図示を省略しているが、電極12から基板端子部18までを電気接続するものである。かかる電気接続は、図5に示す端子(Vcc、Xout、Yout、GND)の各々を基板端子部18の4つの端子各々が担うようにされている。
【0018】
図3(b)に示した応力センサの抵抗素子13の形成位置は、応力が直接付与され、その応力を抵抗素子13に伝達する役割を担うポスト20底面輪郭に基板11を介して対応する位置とする。この理由は、図4(a)、(b)に示すように、ポスト20への応力付与により、基板11が最も撓む位置が基板11底面輪郭の位置する箇所であることによる。従ってポスト20は、ある程度の位置精度をもって基板11に固着される必要がある。かかる固着にはエポキシ系接着剤等の使用が好適である。またポスト20の材質はセラミック等の基板11よりも剛性の高いものを選択するのが、応力の伝達を確実ならしめる点で好ましい。
【0019】
図3(b)における基板穴21は、基板11の撓みを容易とするために設けられる。かかる穴開け加工は、遅くとも抵抗体13をスクリーン印刷形成する前までになされることが好ましい。スクリーン印刷後やトリミング溝の形成後に基板11に対し穴開け加工のような強い衝撃を与えると、スクリーン印刷した厚膜の剥離や、トリミング溝の損傷に伴う調整後の抵抗値のずれを発生させるおそれがあるためである。
【0020】
本例の応力センサは、図3(b)に示す基板固定穴19を介して電子機器の筐体等にボルトやナット、ネジ等にて応力センサを固定させて使用する。すると固定状態では基板穴21の外側の基板11周縁部は、ポスト20に応力を付与した場合でも殆ど変形しない非変形部となり、基板穴21の内側はポスト20に応力を付与すと変形し、抵抗素子6を伸張、収縮させる変形部となる。このような固定状態でポスト20に対して任意のX、Y軸方向の応力を付与することで前記変形部が図4(a)に示す変形状態となる。またこのような固定状態でポスト20に対してZ軸方向の応力を付与することで前記変形部が図4(b)に示す変形状態となる。本発明における前記固定の手段は、ボルトやナット、ネジに限られないことは言うまでもない。
【0021】
図4(b)に示す変形状態を可能とするためには、筐体に応力センサが固定された状態で、基板11下面に極僅かでも空隙が存在することを要する。下向きに応力付与することにより、4つの抵抗素子16全てを伸張させ、各々の抵抗値を略同程度にまで大きくする。このような電気特性は、任意の横方向(X方向、Y方向)に応力を付与した場合と異なる電気的特性であり、それらとは区別できる。
【0022】
応力センサにおいて、下向き(Z方向)への応力付与に何らかの機能を付与することにより、多機能化が図れる。例えばコンピュータのポインティングディバイスとして本発明の応力センサを使用した場合、いわゆるマウスをクリックする機能を前記下向きへの応力付与に対応させることができる。また、例えばいわゆる携帯電話等の小型携帯機器用の多機能・多方向スイッチとして本発明の応力センサを使用した場合には、所定時間下向きへの応力付与をしたときに当該携帯機器の電源のオン・オフの命令に対応させる等が可能となる。
【0023】
図5には本発明の応力センサにおける、電気信号入出力の状態の概要を示している。基板11当たり四つの抵抗体13がブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路の電圧印加端子(Vcc)−(GND)間には所定の電圧が印加されている。また同図左側の抵抗素子16及びY端子(Yout)によりY軸方向の応力センサが構成され、更に同図右側の抵抗素子16及びX端子(Xout)によりX軸方向の応力センサが構成される。
【0024】
本例における銅箔のエッチング工程では、電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を銅箔残部として基板11の片面のみに形成している。基板11は、スルーホール形成することで両面に亘り配線を形成することも可能であり、時としてそのような配線が必要な場合がある。例えば従来技術のように、トリミング用抵抗素子を別に設ける場合である。特に当該トリミング用抵抗素子がトリマブルチップ抵抗器であるような場合は、その厚みから、上記Z軸方向への応力付与に対応する機能を阻害しないために基板11上面に配置させることが好ましい場合である。基板11の両面に配線17を形成するには工数の大幅な増加をもたらすこととなるため、本例のように基板11片面への配線のみとできることの製造の簡易化効果は非常に大きい。
【0025】
本例では基板11表面銅箔の一部を除去処理するために、ドライフィルムレジストによるフォトエッチング法を採用したが、それに代えてフォトレジストを電気泳動法により着ける、いわゆるED(Electro Deposition)法を採用可能である。また電極12、レーザ通過阻害部材14、配線17、及び基板端子部18を形成する手段として、基板11表面の導体層の一部を除去処理するのではなく、絶縁板表面(スルーホール内壁面を含む)に無電解めっきで銅を成長させてパターニングする、いわゆるアディティブ法を採用できることは言うまでもない。
【0026】
本例では、レーザ通過阻害部材(4、14)を銅箔としているが、他の金属とすることもできる。例えばアルミニウムを所望の箇所に蒸着する等の手法で形成することで銅箔と同等のレーザ通過阻害効果をえることができる。また金属に代えて、例えば石英等を使用することもできる。
【0027】
本例では、本発明の抵抗素子6を応力センサの歪ゲージとして用いる例を示しているが、その他の抵抗素子が用いられる用途への適用拡大ができることは言うまでもない。例えばチップ抵抗器である。チップ抵抗器は従来から絶縁基板としてアルミナを用いているが、高価である上に割れが発生し易い。特に細長い外形の多連チップ抵抗器や、チップネットワーク抵抗器は取扱いに当たり、僅かな曲げ方向の力を受けることにより割れが発生し得る程割れが発生しやすい。その点、樹脂を主成分とする絶縁基板はその柔軟性から割れが発生することは殆ど考えられない上に、アルミナに比して安価である利点を有している。
【0028】
また本発明において、絶縁基板1や基板11は、当初それらが縦横に連なった大型の板であり、その板の面に縦横に多数の分割線や溝を有しており、分割後に個々の絶縁基板1や基板11となるものであることが好ましい。本例におけるエッチング処理やスクリーン印刷工程、また応力センサを構成するポスト20の固着等の作業を分割前に実施すると、分割後に実施する場合に比して作業効率の向上を図ることができる利点がある。
【0029】
また本例におけるレーザ通過阻害部材(4、14)の形状及び存在領域について図1、図2に示すものには限定されない。例えば電極(2、12)や配線17と接触しない限り、極力広い範囲に存在させることもできる。
【0030】
また本発明における絶縁部材(5、15)の材質、形状も本例に限定されない。但し、少なくともレーザ通過阻害部材(4、14)を覆うことのできる大きさであることが好ましい。僅かにレーザ通過阻害部材(4、14)が直接抵抗体(3、13)に接触することがあっても、それが抵抗素子(6、16)の抵抗値特性に影響を与えない場合も考えられる。しかし、レーザ通過阻害部材(4、14)が導体である場合等には、僅かな前記接触が抵抗素子(6、16)の抵抗値特性にとって無視できない影響を与えることも考えられるためである。
【0031】
また本例における抵抗素子(6、16)の上にオーバーコート用の絶縁性樹脂を配すると、抵抗素子(6、16)の耐衝撃特性等を良好にすることが考えられるため好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、応力センサ精度・感度に多大な影響を与え得る、樹脂を主成分とする絶縁基板の損傷を抑制し、且つ部品点数を多くしない応力センサを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の応力センサを構成し得る抵抗素子の製造法により得ることができる、本発明の抵抗素子の構成の一例を示しており、(b)は抵抗素子の上面図、(a)は、(b)におけるA−A’断面図である。
【図2】本発明の抵抗素子の製造法の各工程を説明する図である。
【図3】本発明の応力センサを示す図であり、(a)は側面図、(b)は下面図を示している。
【図4】本発明の応力センサの動作状態を示す図であり、(a)は、任意の横方向からの応力の付与、(b)は、上から下への応力の付与についてのものである。
【図5】本発明の応力センサの歪みゲージを形成する抵抗素子の電気接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1.絶縁基板
2.電極
3.抵抗体
4.レーザ通過阻害部材
5.絶縁部材
6.抵抗素子
7.溝
11.基板
12.電極
13.抵抗体
14.レーザ通過阻害部材
15.絶縁部材
16.抵抗素子
17.配線
18.基板端子部
19.基板固定穴
20.ポスト
21.基板穴
22.溝
Claims (10)
- 樹脂を主成分とする絶縁基板面上の対となる電極と、当該電極間に配置されたレーザ通過阻害部材と、前記対となる電極双方に跨って存在する抵抗体と、当該抵抗体と前記レーザ通過阻害部材とが重なり合う抵抗体領域に形成されたレーザトリミング溝とを有することを特徴とする抵抗素子。
- レーザ通過阻害部材が金属からなり、当該金属と抵抗体との間に絶縁材料が配されていることを特徴とする請求項1記載の抵抗素子。
- 樹脂を主成分とする絶縁基板面上に形成した抵抗素子の抵抗体に対し、レーザ照射による溝形成を施して抵抗値を調整する過程を経る抵抗素子の製造法において、
前記溝形成部分に対応する絶縁基板面に、レーザ通過阻害部材が配されることを特徴とする抵抗素子の製造法。 - レーザ通過阻害部材が金属からなり、当該金属と抵抗体との間に絶縁材料が配されていることを特徴とする請求項3記載の抵抗素子の製造法。
- 抵抗素子の主たる構成が、絶縁基板表面の導体層の一部を除去処理し、その残部として得られるか、若しくはアディティブ法により得られる、対となる導体間に抵抗体が膜形成されるものであることを特徴とする請求項3又は4記載の抵抗素子の製造法。
- レーザ通過阻害部材としての金属が、上記導体と同時に形成されることを特徴とする、請求項5記載の抵抗素子の製造法。
- 抵抗体が熱硬化性樹脂及び炭素材粉末を主たる構成材料とすることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の抵抗素子の製造法。
- 請求項1又は2記載の抵抗素子を、歪ゲージとして用いることを特徴とする応力センサ。
- 請求項3〜7のいずれかに記載の抵抗素子の製造法により製造された抵抗素子を、歪ゲージとして用いることを特徴とする応力センサ。
- 絶縁基板への導体及び歪ゲージの形成が、当該絶縁基板の片面のみに施されることを特徴とする請求項8又は9記載の応力センサ。
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JP2002233899A JP2004079581A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 抵抗素子及びその製造法並びに当該抵抗素子を歪ゲージとして用いる応力センサ |
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JP2008082890A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-04-10 | Honda Motor Co Ltd | 車両のばね下部材用歪検出装置 |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233899A patent/JP2004079581A/ja active Pending
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