JP2000151050A - 複合絶縁金属基板 - Google Patents

複合絶縁金属基板

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JP2000151050A
JP2000151050A JP10322216A JP32221698A JP2000151050A JP 2000151050 A JP2000151050 A JP 2000151050A JP 10322216 A JP10322216 A JP 10322216A JP 32221698 A JP32221698 A JP 32221698A JP 2000151050 A JP2000151050 A JP 2000151050A
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JP
Japan
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film conductive
thick
insulating layer
layer
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JP10322216A
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English (en)
Inventor
Makoto Kobayashi
誠 小林
Masaaki Sakamoto
正明 坂本
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Nippon Rika Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Nippon Rika Kogyosho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流回路および細密なパターンの小電流回
路を同時に作製することが可能な複合絶縁金属基板を提
供する。 【解決手段】 放熱用の金属板1と、この金属板1上に
形成された第1の絶縁層2と、第1の絶縁層2の上に形
成された0.2mm〜2mmの厚さの大電流回路用の厚
膜導電層3および該厚膜導電層3と近接して設けられた
第2の絶縁層4と、第2の絶縁層4上に該厚膜導電層3
と同一面となるように形成された小電流回路用の薄膜導
電層5とを備え、第1の絶縁層2は1.4W/m・℃以
上の熱伝導率を有し、第2の絶縁層4は5以下の誘電率
と第1の絶縁層の熱伝導率よりも小さい熱伝導率とを有
することを特徴とする複合絶縁金属基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路用金属基板に
関し、特に、大電流回路と小電流回路の両方を要求する
電子機器回路に用いるための回路用金属基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器回路に用いられる回路用
金属基板として、放熱用の金属ベース上に熱伝導性が優
れた充填剤入りの熱硬化性樹脂層を形成し、この樹脂層
の上に配線用の導電層を形成した構成の金属基板が知ら
れている。この金属基板は、これらの金属ベース、熱硬
化性樹脂層、および配線用の導電層を接合して一体化す
ることによって作製される。導電層を加工して、所望の
回路用配線パターンを形成する。
【0003】このような回路用金属基板としては、特開
平6−90071号公報に示されているような複合絶縁
金属基板が知られている。この複合絶縁金属基板は、パ
ワー回路のような大電流回路と信号回路のような小電流
回路とを同一平面上に形成した構成のものであり、電気
機器の小型化に貢献する有用な基板として知られてい
る。
【0004】しかし、特開平6−90071に示されて
いるような複合絶縁金属基板においては、大電流回路と
小電流回路とにおいて同じ厚さの導電層を配線用に共有
していた。
【0005】小電流回路においては細密な配線パターン
を形成するためには、導電層は薄い方が良い。しかし、
大電流回路においては、このような薄い導電層から断面
積の大きい配線を形成しようとすると、配線幅が大きく
なり回路自体が大きくなってしまうという問題があっ
た。
【0006】逆に、大電流回路においては配線の断面積
を大きくするために導電層は厚い方が良い。しかし、小
電流回路においては、導電層が厚くなると配線幅の小さ
い細密な配線パターンを加工することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、配線幅の小さい大電流回路
および細密な配線パターンの小電流回路を同時に作製す
ることが可能な複合絶縁金属基板を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、放熱用
の金属板と、この金属板上に形成された第1の絶縁層
と、第1の絶縁層の上に形成された0.2mm〜2mm
の厚さの大電流回路用の厚膜導電層および該厚膜導電層
に近接して設けられた第2の絶縁層と、第2の絶縁層の
上に該厚膜導電層と同一面となるように形成された小電
流回路用の第1の薄膜導電層とを備え、第1の絶縁層は
1.4W/m・℃以上の熱伝導率を有し、第2の絶縁層
は5以下の誘電率と第1の絶縁層の熱伝導率よりも小さ
い熱伝導率とを有することを特徴とする複合絶縁金属基
板が提供される。
【0009】本発明においては、該第1の絶縁層と該第
2の絶縁層との間に、第2の薄膜導電層をさらに備えて
いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
説明する。
【0011】図1は、本発明に係る複合絶縁金属基板の
一例を示す断面図である。
【0012】図1に示すように、本発明に係る複合絶縁
金属基板は、放熱用金属板1、第1の絶縁層2、大電流
回路用の厚膜導電層3、第2の絶縁層4、および小電流
回路用の第1の薄膜導電層5を備える。
【0013】放熱用の金属板1としては、例えばアルミ
板などが挙げられる。金属板の厚さとしては、例えば
0.5〜3mmである。
【0014】第1の絶縁層2は、放熱用金属板1の一表
面の全面に渡って形成されており、その厚さは、例えば
0.08〜0.26mmである。
【0015】第1の絶縁層2は、1.4W/m・℃以上
の熱伝導率を有しており、後述する第2の絶縁層4より
も熱伝導率の大きい層である。
【0016】このような熱伝導率を有する第1の絶縁層
2は、例えば、このような熱伝導率を有する第1の樹脂
系絶縁材料からなるシートを配置したのちに、加熱など
によって硬化させることで形成することができる。
【0017】第1の樹脂系絶縁材料は、例えば、熱硬化
性樹脂50〜15重量部と、3〜10の誘電率および
1.0W/m・℃以上の熱伝導率を有する充填剤50〜
85重量部とを配合することによって調製することがで
きる。
【0018】熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂などが挙げられ
る。エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられ
る。これらの樹脂をそれぞれ単独で、または混合して用
いる。
【0019】充填剤としては、アルミナ、シリカ等の無
機充填剤などが挙げられる。アルミナおよびシリカの熱
伝導率、および誘電率値を下表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】これらの充填剤をそれぞれ単独で、または
混合して熱硬化性樹脂に添加する。
【0022】充填剤の添加量が、上述のように、50〜
85重量部であるのは、次の理由による。すなわち、充
填剤の添加量が50重量部を下回ると調製された第1の
樹脂系絶縁材料の熱伝導率が低すぎるからである。ま
た、充填剤の添加量が85重量部を上回ると調製後の第
1の樹脂系絶縁材料の取り扱いが難しくなるからであ
る。
【0023】熱硬化性樹脂に添加する充填剤の種類およ
び添加量を調整することによって、第1の樹脂系絶縁材
料の熱伝導率および誘電率を容易に所望の値に調製する
ことができる。
【0024】また、必要であるならば、樹脂の硬化を促
進するための硬化促進剤をさらに加えても良い。硬化促
進剤としては、例えば、イミダゾールなどが挙げられ
る。
【0025】厚膜導電層3および第2の絶縁層4は、第
1の絶縁層2の上に形成されている。
【0026】厚膜導電層3は、パワー回路などの大電流
回路で流れる大電流を流すための導電層である。大電流
回路には、例えば20〜100Aのような電流が流れ
る。
【0027】厚膜導電層3は例えば銅などの金属からな
り、形態としては、例えば、板状および箔状などが挙げ
られる。このような形態の厚膜導電層3は、例えば、メ
ッキ法、金属の板を貼り付ける方法、または貼り付けた
金属の板にメッキを施す方法などによって形成すること
ができる。厚膜導電層3をパターニングして、大電流回
路で用いるための回路配線パターンを形成する。
【0028】厚膜導電層3の厚さは、好ましくは0.2
mm〜2mmである。厚膜導電層3の厚さがこの範囲で
あるのは、以下の理由による。すなわち、厚膜導電層3
の厚さが0.2mmを下回ると、厚膜導電層3から形成さ
れる配線の断面積が小さすぎるために、上述のような大
電流を流したときに電流によるジュール熱によって配線
が焼き切れる可能性がある。また、厚さが2mmを上回
ると導電層3が厚すぎるために、後述する打ち抜き加工
などによって厚膜導電層3をパターニングして配線を形
成するときに、所望する加工精度が得られない。
【0029】第2の絶縁層4は、厚膜導電層3に近接し
て、第1の絶縁層2の上に設けられている。第2の絶縁
層4の厚さは、厚膜導電層3と同じ0.2mm〜2mm
の範囲にある。ただし、第2の絶縁層4の上に形成され
る後述する第1の薄膜導電層5の厚さの分だけ厚膜導電
層3よりも薄く形成する。これは、後述するように、第
1薄膜導電層5と厚膜導電層3とが同一面となるように
するためである。
【0030】第2の絶縁層4は、5以下の誘電率と前述
の第1の絶縁層2の有する熱伝導率よりも小さい熱伝導
率を有する絶縁層である。
【0031】このような誘電率と熱伝導率とを有する第
2の絶縁層4は、例えば、このような誘電率と熱伝導率
とを有する第2の樹脂系絶縁材料からなるシートを配置
したのちに、加熱などによって硬化させることによって
形成することができる。
【0032】第2の樹脂系絶縁材料は、例えば、前述の
第1の樹脂系絶縁材料を調製する方法と同様の方法によ
って調製することができる。すなわち、第2の樹脂系絶
縁材料は、例えば、熱硬化性樹脂50〜15重量部と、
3〜10の誘電率および1.1W/m・℃以上の熱伝導
率を有する充填剤50〜85重量部とを配合することに
よって調製することができる。ただし、第2の樹脂系絶
縁材料は、第1の樹脂系絶縁材料よりも熱伝導率が小さ
くなるように、熱硬化性樹脂と充填剤とを上述の範囲内
において配合して調製する。
【0033】熱硬化性樹脂および充填剤の種類として
は、例えば、前述した第1の樹脂系絶縁材料を調製する
際に用いるものと同じものを用いる。また、必要に応じ
て、前述した硬化促進剤をさらに加えても良い。
【0034】第1の薄膜導電層5は、第2の絶縁層4の
上に形成されている。
【0035】薄膜導電層5は、信号回路のような小電流
回路で流れる小電流を流すための導電層である。小電流
回路には、例えば20A以下のような小電流が流れる。
【0036】薄膜導電層5を形成する材料としては、例
えば銅などの金属が挙げられる。また、薄膜導電層5の
形態としては、板状、箔状などが挙げられる。薄膜導電
層5の形成は、厚膜導電層3の形成と同様に、例えば、
メッキ法、銅などからなる金属板を貼り付ける方法、ま
たは貼り付けた銅などの金属板にメッキを施す方法によ
って形成することができる。
【0037】第1の薄膜導電層5の厚さは、例えば9μ
m〜35μmである。
【0038】第1の薄膜導電層5は、前述したように、
厚膜導電層3と同一面となるように第2の絶縁層4の上
に形成する。
【0039】第1の薄膜導電層5の形態としては、例え
ば、箔状などが挙げられる。このような形態の薄膜導電
層5をパターニングして、小電流回路で用いるための回
路配線パターンを形成する。
【0040】図2は、本発明に係る複合絶縁金属基板の
別の形態を示す断面図である。
【0041】図2に示したように、本発明に係る複合絶
縁金属基板は、第1の絶縁層2と第2の絶縁層4との間
に、第2の薄膜導電層6をさらに備えていても良い。
【0042】第2の薄膜導電層6を形成する材料、厚さ
および形態は、第1の薄膜導電層5のところで述べた内
容と同様である。
【0043】第2の薄膜導電層6には、小電流回路用の
配線パターンが形成されていても良いし、形成されてい
なくても良い。
【0044】図2に示した第2の薄膜導電層6は、一例
として配線パターンが形成されていない薄膜導電層6で
ある。つまり、図2の薄膜導電層6は、第2の絶縁層4
の下の全面に形成されている。このように全面に形成さ
れた薄膜導電層6は、例えば外部の回路と接続して接地
電位にすることで、小電流回路用のシールド層として用
いることができる。
【0045】図3は、本発明に係る複合絶縁金属基板の
他の形態を示す断面図である。
【0046】図3に示したように、本発明に係る複合絶
縁金属基板は、第1の絶縁層2の上に薄い第3の絶縁層
7をさらに備え、この第3の絶縁層7の上に厚膜導電層
3および第2の絶縁層4を備えていても良い。
【0047】第3の絶縁層7は、例えば100μm以下
の厚さを有する薄い層である。
【0048】第3の絶縁層7は、第1の絶縁層2と同様
に、1.4W/m・℃以上の熱伝導率を有しており、や
はり、第2の絶縁層4よりも熱伝導率の高い層である。
【0049】このような熱伝導率を有する第3の絶縁層
7は、例えば、このような熱伝導率を有する第3の樹脂
系絶縁材料を塗布するか、または第3の樹脂系絶縁材料
からなるシートを配置したのちに、加熱などによって硬
化させることによって形成することができる。
【0050】第3の樹脂系絶縁材料は、例えば、前述の
第1の樹脂系絶縁材料を調製する方法と同様の方法によ
って調製することができる。すなわち、第3の樹脂系絶
縁材料は、例えば、熱硬化性樹脂50〜15重量部と、
3〜10の誘電率および1.1W/m・℃以上の熱伝導
率を有する充填剤50〜85重量部とを配合することに
よって調製することができる。ただし、第3の樹脂系絶
縁材料は、第2の樹脂系絶縁材料4よりも熱伝導率が高
くなるように、熱硬化性樹脂と充填剤とを上述の範囲内
において配合して調製する。
【0051】熱硬化性樹脂および充填剤の種類として
は、例えば、前述した第1の樹脂系絶縁材料を調製する
際に用いるものと同じものを用いる。また、必要に応じ
て、前述した硬化促進剤をさらに加えても良い。
【0052】第3の絶縁層7をさらに備える場合には、
後述するように、第1の樹脂系絶縁材料を完全に硬化さ
せて第1の絶縁層2を形成したのちに、この第1の絶縁
層2の上に未硬化の第3の樹脂系絶縁材料を配置する。
そして、例えば、この第3の樹脂系絶縁材料が未硬化の
うちに厚膜導電層3、第2の絶縁層4、および第1の薄
膜導電層5を配置し、その後、全体の構造を加圧下で加
熱して第3の樹脂系絶縁材料を硬化させ第3の絶縁層7
を形成する。絶縁層7が形成されるとともに、厚膜導電
層3および第2の絶縁層4が第3の絶縁層7を介して第
1の絶縁層2と接合され、第1の薄膜導電層5が第2の
絶縁層4と接合される。
【0053】第3の絶縁層7を形成する利点は、以下の
通りである。
【0054】第1の樹脂系絶縁材料が未硬化のうちに厚
膜導電層3を形成し、その後、全体を加圧下で加熱して
第1の樹脂系絶縁材料を硬化させようとすると、加圧の
際に第1の樹脂系絶縁材料の厚さが変動することがあ
る。すなわち、加圧によって、第1の樹脂系絶縁材料
が、配線パターンが形成された厚膜導電層3の配線間の
隙間に入り込んでしまい、第1の樹脂系絶縁材料の厚さ
が減少することがある。場合によっては、第1の樹脂系
絶縁材料の厚さがほとんど無くなり、厚膜導電層3と放
熱用の金属板1とが接触することもある。このような事
態を避けるために、最初に第1の絶縁層2を形成して厚
さを確保してから、第3の絶縁層7を介して厚膜導電層
3を接合するのである。
【0055】第3の絶縁層7の厚さは、第1および第3
の絶縁層の全体としての厚さが第1の絶縁層2とほぼ等
しくなるように、第1の絶縁層7の厚さと比較してでき
る限り小さい方が良い。このような第3の絶縁層7の厚
さとしては、上述したように、例えば100μm以下で
ある。
【0056】図4は、本発明に係る複合絶縁金属基板の
別の形態を示す断面図である。
【0057】図4に示したように、本発明に係る複合絶
縁金属基板は、当然のことながら、上述の第3の絶縁層
7を形成した後に、前述の第2の薄膜導電層6を形成し
ても良い。
【0058】図4においては、一例として、厚膜導電層
3には大電流回路用の配線9が形成されており、また、
第1の薄膜導電層5および第2の薄膜導電層6には、小
電流回路用の配線11および配線13がそれぞれ形成さ
れている。
【0059】図5は、本発明に係る複合絶縁金属基板の
他の形態を示す断面図である。
【0060】図5に示したように、本発明に係る複合絶
縁金属基板は、上述の第1の薄膜導電層5および第2の
薄膜導電層6の両方を備えている場合には、両薄膜導電
層5、6を電気的に接続する導電材料を形成するための
スルーホールのような貫通孔14をさらに備えているこ
とが好ましい。
【0061】図5において、貫通孔14は、第1の薄膜
導電層5に形成された配線11、第2の薄膜導電層6に
形成された配線13、および両薄膜導電層5、6の間の
第2の絶縁層4を貫通して形成されている。貫通孔14
は、配線11、13の形状に合わせて、所定の大きさの
孔を有するものが所定の位置に形成される。
【0062】貫通孔14の側面に銅、銀のような金属等
の導電材料15をメッキ法などによって形成するなどし
て、配線11および13を互いに電気的に接続すること
ができる。このようにして配線11、13を接続するこ
とによっていわゆる多層配線が可能となるため、複雑な
配線を有する小電流回路をより高密度に作製することが
できる。
【0063】以上、説明した本発明に係る複合絶縁金属
基板においては、大電流回路用の厚膜導電層3を厚さが
0.2mm〜2mmと非常に厚く形成し、小電流回路用
の薄膜導電層5を例えば厚さが9μm〜35μmと非常
に薄く形成している。
【0064】このように本発明に係る複合絶縁金属基板
においては、厚膜導電層2の厚さと薄膜導電層5の厚さ
とを大きく違えて形成しているために、配線幅の小さい
大電流回路と細密な配線パターンの小電流回路とを同時
に作製することが可能となっている。
【0065】すなわち、大電流回路用の厚膜導電層3は
0.2mm〜2mmと非常に厚いために、配線幅を小さ
くしても配線の断面積を大きく保つことが可能であり、
大電流を十分に許容することができる。回路の配線幅を
小さくできるため、大電流回路自体を小さく抑えること
ができる。
【0066】また、小電流回路用の薄膜導電層5は例え
ば9μm〜35μmと非常に薄いため、小電流回路におい
て配線幅の小さい細密な配線パターンを形成することが
可能である。
【0067】さらに、厚膜導電層3および薄膜導電層5
は同一面となるように形成されており、大電流回路およ
び小電流回路を容易に同時に作製することが可能であ
る。
【0068】以上のように、本発明に係る複合絶縁金属
基板によって、配線幅の小さい大電流回路と細密な配線
パターンの小電流回路とを同時に作製することが可能と
なっている。
【0069】上述した、本発明に係る複合絶縁金属基板
において厚膜導電層3の厚さが大きいことの効果を、従
来の金属基板と比較して説明する。
【0070】下表2は、従来の金属基板の場合と、本発
明に係る複合絶縁金属基板の場合の両方について、導電
層の幅と厚さから算出される導電層の断面積を示したも
のである。本発明に係る金属基板の場合については、厚
膜導電層3について示している。
【0071】
【表2】
【0072】上表2において、導電層の幅が0.5mm
〜6.0mmの場合について算出している。また、導電
層の厚さについては、従来の金属基板については典型的
な値である0.14mmとし、本発明の金属基板につい
ては厚膜導電層3の厚さである0.2mm〜2.0mm
としているた。
【0073】表2において、例えば導電層の断面積とし
て約0.5mm2 (これは、従来の金属基板において、
約70Aの電流を流すために必要な断面積である)が必
要だとすると、従来の金属基板においては導電層の幅は
約3.5mmとなることが分かる。一方、本発明に係る
金属基板においては、厚さ1.0mmの厚膜導電層3を
形成すれば、同じ0.5mm2 の断面積を得るのに導電
層の幅は0.5mmで済むことが分かる。
【0074】このように、本発明においては、従来の金
属基板と比較して、大電流回路における導電層の幅、つ
まり配線幅を大幅に小さくすることができる。
【0075】また、本発明に係る複合絶縁金属基板にお
いては、大電流回路側において熱伝導率が1.4W/m
・℃以上であるような熱伝導性の高い第1の絶縁層2を
厚膜導電層3の下に配置し、小電流回路側において第1
の絶縁層2よりも熱伝導率が小さい第2の絶縁層4を薄
膜導電層5の下に配置している。
【0076】こうすることによって、大電流回路で動作
中に発生する熱を第1の絶縁層2を通して効率良く放熱
用の金属板1へと逃すことができるとともに、発生した
熱が第2の絶縁層4を通って小電流回路側に流れ小電流
回路の温度が増加することを抑えることができる。
【0077】また、本発明に係る複合絶縁金属基板にお
いては、小電流回路側において誘電率が5以下であるよ
うな誘電率の小さい第2の絶縁層4を薄膜導電層5の下
に配置している。
【0078】こうすることによって、小電流回路側での
電気的特性、例えば信号回路の伝達特性などを良好なも
のとすることができる。
【0079】以上、述べたように、本発明によって、高
熱伝導性と低誘電率化の両方を備える複合絶縁金属基板
が実現される。
【0080】また、本発明においては、第1、第2の絶
縁層2、4を、樹脂系絶縁材料から形成している。その
ため、樹脂系絶縁材料に添加する充填剤の種類および添
加量を調製することによって、絶縁層2、4の熱伝導率
および誘電率を容易に所望の値に調製することができ
る。
【0081】小電流回路側における第2の絶縁層2の誘
電率が低いことの利点を、以下の説明によって詳しく示
す。
【0082】高周波領域で用いる機器(例えば、10k
Hz〜数100kHzの周波数で用いるインバータなど
のような通常の電気機器)では、回路が高密度化するこ
とにともない、回路から発生する熱を放散することとと
もに、回路の誘電損失を低減することが大事である。高
周波領域での課電と、課電に伴い発生する誘電損失は、
基板の静電容量および誘電正接に比例する。
【0083】つまり、誘電損失を減らすためには、基板
の静電容量および誘電正接を低くすることが必要であ
る。この誘電正接は静電容量Cに比例する。従って、誘
電損失を減らすためには、結局、基板の静電容量、すな
わち基板に用いる材料の誘電率εを低くすれば良いこと
が分かる。
【0084】また、信号回路においては電気信号の伝搬
速度が大きい方が良い。伝搬速度は、基板の誘電率εが
小さいほど大きくなる。
【0085】さらに、複合絶縁金属基板上に作製される
回路間、または回路と放熱用金属板との間における放電
電荷量Qは、下式に従って、基板の静電容量に比例す
る。
【0086】Q=C・dV ここで、Cは基板の静電容量、dVは放電による電圧降
下である。
【0087】上式より、放電による電荷量を減らすため
には、基板の静電容量、すなわち基板に用いる材料の誘
電率を低くすれば良いことが分かる。
【0088】以上、説明したように、小電流回路側にお
ける第2の絶縁層2の誘電率は低い方が良いことが分か
る。
【0089】以上、説明したように、本発明において
は、大電流回路側に熱伝導性の高い第1の絶縁層2を配
置し、小電流回路側に誘電率の小さい第2の絶縁層4を
配置することによって、高熱伝導性と低誘電率化の両方
を備える複合絶縁金属基板を実現している。
【0090】次に、本発明に係る複合絶縁金属基板の製
造方法の一例について、説明する。なお、以下の説明
は、例として第3の絶縁層7を備えた構造の複合絶縁金
属基板を製造する場合について、図2〜図4を参照しな
がら行う。
【0091】(a)第1の樹脂系絶縁材料からなるシー
トを放熱用金属板1の上に配置する。配置したのち加熱
などによって第1の樹脂系絶縁材料を完全に硬化させ
て、第1の絶縁層2を形成する。
【0092】(b)第3の樹脂系絶縁材料を第1の絶縁
層2上に均一に塗布するか、または、第3の樹脂系絶縁
材料からなるシートを第1の絶縁層2の上に配置する。
【0093】(c)第3の樹脂系絶縁材料が未硬化のう
ちに、第3の樹脂系絶縁材料の上に例えば、金属の板の
形態の厚膜導電層3を貼り付ける。そして、この厚膜導
電層3に近接するように第2の樹脂系絶縁材料からなる
シートを配置して、このシートの上に、例えば金属の板
の形態の第1の薄膜導電層5を配置する。または、厚膜
導電層3に近接するように、例えば金属の板の形態の第
1の薄膜導電層3、第2の樹脂系絶縁材料からなるシー
ト、および金属の板の形態の第2の薄膜導電層6を積層
して配置する。なお、第2の薄膜導電層6には図4に示
すような配線パターン13が形成されていても良い。
【0094】(d)以上のように配置したのち、全体を
加圧した状態で加熱することによって、未硬化の第2、
第3の樹脂系絶縁材料を硬化させて全体を接合し一体化
する。
【0095】(e)(d)のようにして接合したのち、
後述する配線パターンを形成する方法によって、図4に
示すように厚膜導電層、第1の薄膜導電層上に配線9、
11を形成する。
【0096】以上の(a)〜(d)の工程によって、本
発明に係る複合絶縁金属基板が製造される。
【0097】次に、本発明に係る複合絶縁金属基板の製
造方法の他の例について、説明する。なお、以下の説明
は、例として第3の樹脂系絶縁材料を備えた構造の複合
絶縁金属基板を製造する場合について、図2〜図4を参
照しながら行う。
【0098】(a’)第1の樹脂系絶縁材料からなるシ
ートを放熱用金属板1の上に配置したのち、加熱などに
よって第1の樹脂系絶縁材料を完全に硬化させて、第1
の絶縁層2を形成する。
【0099】(b’)第3の樹脂系絶縁材料を、第1の
絶縁層2の上に例えば均一に塗布して形成する。第3の
樹脂系絶縁材料が未硬化のうちに、例えば金属の板の形
態の厚膜導電層を配置する。
【0100】(c’)第2の樹脂系絶縁材料からなるシ
ートの一方または両方の面に第1または第2の薄膜導電
層5、6が形成された構造物を、別に作製しておく。
【0101】作製の仕方としては、例えば、第2の樹脂
系絶縁材料のシートの一方または両方の面に、金属の板
の形態の第1または第2の薄膜導電層5、6を貼り付け
るか、または、金属の板の形態の第1の薄膜導電層5の
表面に第2の樹脂系絶縁材料を塗布したのちに金属の板
の第2の薄膜導電層6を貼り付けるなどが挙げられる。
【0102】以上のようにして作製した構造物は、その
全体の厚さが厚膜導電層3の厚さと同じになるように作
製する。作製ののち、後述する配線パターンを形成する
方法によって、第1および第2の薄膜導電層5、6の一
方または両方に図4に示すような配線11または13を
形成する。両方の薄膜導電層に配線11、13を形成し
たときには、レーザー加工などによって前述の貫通孔1
4をさらに形成したのちに、メッキ法によって図4に示
すように貫通孔14の側面に導電材料15を形成しても
良い。
【0103】(d’)第3の樹脂系絶縁材料が未硬化の
うちに、(c’)で作製した構造物を、厚膜導電層3と
近接するように、第3の樹脂系絶縁材料の上に配置す
る。配置は、構造物の第1の薄膜導電層が形成されてい
ない面が第3の樹脂系絶縁材料と接触するようにして行
う。
【0104】(e’)(d’)のようにして配置したの
ち全体を加圧した状態で加熱することによって、未硬化
の第3の樹脂系絶縁材料を硬化させて全体を接合し一体
化する。
【0105】(f’)(e’)のようにして接合したの
ち、後述する配線パターンを形成する方法によって、図
4に示すように厚膜導電層3上に配線9を形成する。
【0106】以上の(a’)〜(f’)の工程によっ
て、本発明に係る複合絶縁金属基板が製造される。
【0107】次に、厚膜導電層3、ならびに薄膜導電層
5および6を加工して配線パターンを形成する方法につ
いて説明する。
【0108】厚膜導電層3を大電流回路に用いる配線に
加工する方法としては、通常の印刷回路製造方法で用い
られているエッチング加工、リードフレームを持つ打ち
抜き加工、および半打ち抜き状態にした後のエッチング
加工などが挙げられる。
【0109】エッチング加工は、厚膜導電層3を0.5
mm以下の幅の配線に加工するときに用いることができ
る。また、打ち抜き加工および半打ち抜き状態のあとに
行うエッチング加工は、厚膜導電層3を0.5mmを上
回る幅の配線に加工するときに用いることもできる。
【0110】薄膜導電層を小電流回路に用いる配線に加
工する方法としては、上述の通常の印刷回路製造方法で
用いられているエッチング加工などが挙げられる。
【0111】
【実施例】本発明に係る複合絶縁金属基板の全体として
の熱伝導性を、シミュレーションによって評価した。シ
ミュレーションによる評価は、以下のようにして行っ
た。
【0112】(1)まず、下表3に示すような組成を有
する第1、第2、および第3の樹脂系絶縁材料をそれぞ
れ作製した。各樹脂系絶縁材料について測定した熱伝導
率および誘電率の値も、表3に示す。
【0113】
【表3】
【0114】(2)上述のようにして作製した第1〜第
3の樹脂系絶縁材料を用いて図3に示す構造の複合絶縁
金属基板を作製した場合における、厚膜導電層3側およ
び薄膜導電層5側での熱伝導率をシミュレーションし
た。
【0115】シミュレーションの際、第1〜第3の絶縁
層2、4、7の厚さ、および厚膜導電層3、薄膜導電層
5、放熱用の金属板1の厚さは、下表4に示すような値
であるとした。
【0116】
【表4】
【0117】(3)シミュレーションは、以下のように
して行った。
【0118】(i)まず、厚膜導電層3側および薄膜導
電層5側の両方について、熱伝導についての等価回路図
を作成した。
【0119】図7(a)は、厚膜導電層3側の構造を示
す模式図であり、図7(b)は、図7(a)に基いて作
成された厚膜導電層3側の熱伝導についての等価回路図
である。
【0120】図7(a)、(b)において、Ta は厚膜
導電層3、T1 は第1の絶縁層2、T3は第3の絶縁層
7、Tb は放熱用金属板1を示す。kは熱伝導率を示
し、kの添え数字によって、厚膜導電層3、第1および
第3の絶縁層2および7、放熱用金属板1の各部位の熱
伝導率であることを示す。また、dxは各部位の厚さを
示し、dxの添え数字によって各部位の厚さであること
を示す。dx/kは各部位の熱抵抗を示し、添え数字に
よって各部位での熱抵抗であること示す。また、Vは各
部位の体積分率(今の場合は、全体の厚さに対する各部
位の厚さの割合)を示し、添え数字によって各部位の体
積分率であることを示す。dTは全体に渡る温度差を示
す。
【0121】図8(a)は、薄膜導電層5側の構造を示
す模式図であり、図8(b)は、図8(a)に基いて作
成された薄膜導電層5側の熱伝導についての等価回路図
である。
【0122】図8(a)、(b)において、Tc は薄膜
導電層5、T1 は第1の絶縁層2、T2 は第2の絶縁層
4、T3 は第3の絶縁層7、Tb は放熱用金属板1を示
す。kは熱伝導率を示し、kの添え数字によって薄膜導
電層5、第1〜第3の絶縁層2〜7、および放熱用金属
板1の各部位の熱伝導率であることを示す。また、d
x、dx/k、V、dTについては、図7(a)、
(b)の厚膜導電層3の場合について述べたことと同様
である。
【0123】(ii)次に、図7(b)の等価回路に基
いて、厚膜導電層3側の全体の熱伝導率(kthick )を
以下のようにして求めた。
【0124】まず、厚膜導電層3側の全体の熱流速(1
/kthick )は以下のようにして求められる。
【0125】 (1/kthick ) ={(dxa /ka )+(dx1 /k1 )+(dx3 /k3 )+(dxb /k b )}/(dxa +dx1 +dx3 +dxb ) =(Va /ka )+(V1 /k1 )+(V3 /k3 )+(Vb /kb ) ここで、各部位の体積分率Va 、V1 、V3 、Vb は、
表3に示した値を参照して、以下のように求められる。
【0126】Va =1/(1+0.05+0.15+
2)=1/3.2、V1 =0.15/3.2、V3
0.05/3.2、Vb =2/3.2、である。
【0127】以上の体積分率の値を用いて、厚膜導電層
3側の全体の熱流速(1/kthick)を求める。
【0128】 (1/kthick ) ={1/(416×3.2)}+{0.05/(1.5×3.2)}+{0.15 /(1.8×3.2)}+{2/(238×3.2)} =0.1389 すなわち、厚膜導電層3側の全体の熱伝導率k
thick は、kthick =1/0.1389=7.2W/m
・℃、となる。
【0129】なお、この熱伝導率は、熱流束が各部位を
上下に垂直に通過する場合の値である。実際には、厚膜
導電層3および放熱用金属板1から熱が拡散および放熱
するので、厚膜導電層3および放熱用金属板1での熱伝
導率は無視できる。
【0130】従って、 (1/kthick ) ={0.05/(1.5×0.2)}+{0.15/(1.8×0.2)} =0.587 すなわち、実際には、厚膜導電層3側の全体の導電率k
thick は、kthick =1/0.587=1.7W/m・
℃となる。
【0131】(iii)次に、図8(b)の等価回路に
基いて、薄膜導電層5側の全体の熱伝導率(kthin)を
以下のようにして求めた。
【0132】まず、薄膜導電層5側の全体の熱流速(1
/ kthin)は以下のようにして求められる。
【0133】 (1/kthin ) ={(dxc /kc )+(dx1 /k1 )+(dx3 /k3 )+(dx2 /k 2 )+(dxb /kb )}/(dxc +dx2 +dx3 +dxc +dxb ) =(Vc /kc )+(V1 /k1 )+(V3 /k3 )+(V2 /k2 )+(V b /kb ) ここで、各部位の体積分率Vc 、V1 、V3 、V2 、V
b は、表3に示した値を参照して、以下のように求めら
れる。
【0134】Vc =0.035/(0.035+1+
0.05+0.15+2)=0.035/3.235、
1 =1/3.235、V3 =0.05/3.235、
2=0.15/3.235、Vb =2/3.235、
である。
【0135】以上の体積分率の値を用いて、薄膜導電層
5側の全体の熱流速(1/kthin)を求める。
【0136】 (1/kthin) ={0.035/(416×3.235)}+{1/(1.1×3.235)}+ {0.05/(1.5×3.235)}+{0.15/(1.8×3.235)}+ {2/(238×3.235)} =0.3197 すなわち、薄膜導電層5側の全体の導電率kthinは、k
thin=1/0.320=3.13W/m・℃となる。
【0137】なお、厚膜導電層3の場合と同様に、この
熱伝導率は熱流束が各部位を上下に垂直に通過する場合
の値である。実際には、薄膜導電層5および放熱用金属
板1から熱が拡散および放熱するので、薄膜導電層5お
よび放熱用金属板1での熱伝導率は無視できる。
【0138】従って、 (1/kthin) ={1/(1.1×1.2)}+{0.05/(1.5×1.2)}+{0.15 /(1.8×1.2)} =0.855 すなわち、実際には、薄膜導電層5側の全体の導電率k
thinは、kthin=1/0.855=1.17W/m・℃
となる。
【0139】以上のシミュレーション結果をまとめる
と、厚膜導電層3側の全体の熱伝導率kthick は1.7
W/m・℃、薄膜導電層5側の全体の熱伝導率k
thinは、1.17W/m・℃となることが得られた。
【0140】厚膜導電層側における熱伝導率の値は、実
際に複合絶縁金属基板を使用する上で十分高い値であ
り、満足のできるものである。
【0141】すなわち、厚膜導電層3側の大電流回路で
発生した熱の大部分は、厚膜導電層3の下の熱伝導率の
高い絶縁層7、2を通って放熱用金属板1から放熱され
ることが予想される。
【0142】また、薄膜導電層5側の全体の熱伝導率は
厚膜導電層3側のそれよりも低いために、大電流回路で
発生した熱が薄膜導電層3側つまり小電流回路へと移動
することが抑えられ、小電流回路側での温度の増加が少
ないことが十分に期待できる。このように小電流回路で
の温度の増加が少ないことによって、小電流回路での安
定した動作、および高い信頼性が期待できる。
【0143】以上、説明したように、シミュレーション
によって本発明に係る複合絶縁金属基板の良好な熱伝導
性が確認された。
【0144】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によっ
て、細密なパターンの大電流回路および小電流回路を同
時に作製することが可能な複合絶縁金属基板が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合絶縁金属基板の一例を示す
図。
【図2】本発明に係る複合絶縁金属基板の他の例を示す
図。
【図3】本発明に係る複合絶縁金属基板の他の例を示す
図。
【図4】本発明に係る複合絶縁金属基板の他の例を示す
図。
【図5】本発明に係る複合絶縁金属基板の他の例を示す
図。
【図6】本発明に係る複合絶縁金属基板の熱伝導率をシ
ミュレーションするための等価回路を示すための図。
【図7】本発明に係る複合絶縁金属基板の熱伝導率をシ
ミュレーションするための等価回路を示すための図。
【符号の説明】
1…放熱用金属板 2…第1の絶縁層 3…厚膜導電層3 4…第2の絶縁層 5…薄膜導電層 6…第2の薄膜層 7…第3の絶縁層 9、11、13…配線 14…貫通孔 15…導電材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E315 AA03 AA10 AA13 BB01 BB03 BB10 BB15 BB16 BB18 CC14 DD13 DD15 DD17 GG20 5E338 AA01 AA16 AA18 BB63 BB71 BB75 CC01 CC04 CD02 EE02 EE32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放熱用の金属板と、この金属板上に形成
    された第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に形成された
    0.2mm〜2mmの厚さの大電流回路用の厚膜導電層
    および該厚膜導電層に近接して設けられた第2の絶縁層
    と、第2の絶縁層の上に該厚膜導電層と同一面となるよ
    うに形成された小電流回路用の第1の薄膜導電層とを備
    え、 第1の絶縁層は1.4W/m・℃以上の熱伝導率を有
    し、 第2の絶縁層は5以下の誘電率と第1の絶縁層の熱伝導
    率よりも小さい熱伝導率とを有することを特徴とする複
    合絶縁金属基板。
  2. 【請求項2】 該第1の絶縁層と該第2の絶縁層との間
    に、第2の薄膜導電層をさらに備えていることを特徴と
    する請求項1記載の複合絶縁金属基板。
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