JP2004079435A - 燃料電池およびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池10は、電解質膜・電極構造体24と、一対の第1および第2セパレータ26、28とを備える。燃料電池10には、積層方向に貫通して、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30d、第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dおよび第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dが形成される。第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dが、酸化剤ガス供給口または酸化剤ガス排出口として連続的に切り替えられることにより、酸化剤ガス流路42で酸化剤ガスが電極面に沿って旋回流動する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極接合体と、セパレータとを積層する燃料電池およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)を、セパレータによって挟持することにより構成されている。この種の燃料電池は、通常、電解質膜・電極構造体およびセパレータを所定数だけ積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
【0003】
この燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路(流体流路)と、カソード側電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(流体流路)とが設けられている。また、セパレータ間には、必要に応じて冷却媒体を流すための冷却媒体流路が前記セパレータの面方向に沿って設けられている。
【0005】
ところで、電解質膜は、所望のイオン導電率を維持するとともに、乾燥による構造的な損傷を減少させるために、適度に保湿されていることが必要である。しかしながら、燃料電池に供給される反応ガスは低加湿状態であるため、反応ガス流路の入口側では電解質膜が乾燥し易いという問題がある。
【0006】
一方、上記の発電(反応)時には生成水が生じており、この生成水は反応ガス流路の出口側に滞留し易くなる。このため、反応ガス流路の出口側では電解質膜が過剰に加湿される、所謂、フラッディングが惹起され、電極面に対して反応ガスの供給量が不十分になるおそれがある。
【0007】
そこで、例えば、米国特許第5,935,726号公報(以下、従来技術1という)には、燃料電池におけるイオン交換膜への水分配方法および装置が開示されている。この従来技術1では、酸化剤ガス流路における酸化剤ガスの流れ方向を周期的に反転させることによって、ガス入口付近の電解質膜の乾き過ぎと、ガス出口付近のフラッディングとを解消し、水分布を均一化することを目的としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術1では、酸化剤ガスの流れ方向を変更するためにスイッチング機構(電磁切り替え弁等)を用いるため、酸化剤ガス流路内で酸化剤ガスの流れが停止する状態が存在してしまう。これにより、酸化剤ガスの供給量が不安定となり、燃料電池の出力を安定して維持することができないという問題が指摘されている。
【0009】
また、特開2002−8682号公報(以下、従来技術2という)に開示されている固体電解質型燃料電池は、図21に示すように、セパレータ1を備えている。このセパレータ1の燃料極側の円盤状表面1aには、その中心位置に1個および該中心位置と同心状の円周上に等間隔に6個、合計7個の燃料ガス用凹部3が形成されている。凹部3は、セパレータ1内に配設された燃料ガス用配管4を介して一体的に連通するとともに、前記燃料ガス用配管4は、燃料ガス供給孔5に連通している。
【0010】
表面1aには、各凹部3を中心にして螺旋状に伸びる複数の燃料ガス用溝部6が形成される。各燃料ガス用溝部6の一端が凹部3内に開口するとともに、他端が前記凹部3と同軸的に配置された燃料ガス用円環状溝部7に連通している。
【0011】
このような構成において、燃料ガスが燃料ガス供給孔5から燃料ガス用配管4に供給されると、この燃料ガスは前記燃料ガス用配管4を介して各凹部3に供給される。各凹部3に供給された燃料ガスは、螺旋状の燃料ガス用溝部6に分配され、それぞれ円環状溝部7に排出される。
【0012】
これにより、セパレータ1に複数の凹部3が設けられ、各凹部3から螺旋状の燃料ガス用溝部6に沿って燃料ガスが供給されるため、発電面全面にわたって均一に燃料ガスを供給することができる、としている。
【0013】
しかしながら、この従来技術2では、セパレータ1の内部に燃料ガス用配管4が配置されるとともに、表面1aに7個の凹部3が形成され、さらに各凹部3を中心にして螺旋状の燃料ガス用溝部6が形成されている。このため、セパレータ1自体の構成が相当に複雑化してしまい、このセパレータ1の製造コストが高騰するという問題が指摘されている。
【0014】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単かつ小型な構成で、電極面内を均一な状態に維持することができ、出力の安定化を図って高出力を得ることが可能な燃料電池およびその運転方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1および10に係る燃料電池およびその運転方法では、電極の外方に位置してセパレータの積層方向に設けられた連通孔の中、所定の連通孔に少なくとも反応ガスまたは冷却媒体の一方の流体が供給および排出されると、前記所定の連通孔に連通する流体流路を介して前記流体が電極の面方向に沿って旋回流動する。このため、簡単な構成で、電極面内での電流密度分布、生成水分布、湿度分布および温度分布等を均一化することが可能になる。これにより、発電特性が向上するとともに、発電分布および電解質・電極接合体の面内負荷分布が均一化し、前記電解質・電極接合体の耐久性が有効に向上する。
【0016】
また、本発明の請求項2および11に係る燃料電池およびその運転方法では、所定の連通孔が流体供給口および流体排出口として固定使用される。従って、流体流路構造が一挙に簡素化され、燃料電池全体の小型化を容易に図ることができる。
【0017】
さらに、本発明の請求項3および12に係る燃料電池およびその運転方法では、連通孔が、1または複数の流体供給口と1または複数の流体排出口として、それぞれ連続的に切り替えられることにより、流体流路の旋回流れが連続的に形成される。これにより、連通孔が切り替えられる際に流体の流れが停止することがなく、簡単な工程および構成で、安定した出力を確実に得ることが可能になる。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項4および14に係る燃料電池およびその運転方法では、連通孔が電極面の内方に設けられる内側連通孔を備えており、この内側連通孔が流体供給口または流体排出口として使用される。このため、電極面中央側で流体が滞留することを阻止することができ、電極面内全体を一層均一な状態に維持して性能の向上を図ることが可能になる。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る燃料電池では、流体流路が、セパレータに設けられたエンボス構造により形成されている。従って、流体流路の流れ方向を円滑かつ確実に変更することができる。
【0020】
さらに、本発明の請求項6に係る燃料電池では、エンボス構造がガイド用リブを備えており、流体流路における流体の旋回流れが円滑かつ確実に行われ、電極面全面に流体を均一な条件で良好に分配することが可能になる。
【0021】
さらにまた、本発明の請求項7および18に係る燃料電池およびその運転方法では、流体流路である燃料ガス流路に供給される燃料ガスと、前記流体流路である酸化剤ガス流路に供給される酸化剤ガスとが、略対向流に設定されている。これにより、電解質・電極接合体を挟んで燃料ガス流路と酸化剤ガス流路との間で水の移動が最適化され、低加湿運転または無加湿運転を遂行することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8および19に係る燃料電池およびその運転方法では、流体流路である冷却媒体流路に供給される冷却媒体と、酸化剤ガスとが、略平行流に設定されている。このため、酸化剤ガス流路の供給側では、高加湿となるものの高温度化がなされて相対湿度が低下し、結露を有効に阻止することが可能になる。
【0023】
さらに、本発明の請求項9に係る燃料電池では、電解質・電極接合体およびセパレータの積層方向が、鉛直方向に設定されている。従って、積層方向が水平方向に設定される構造のように結露水が下流側に滞留することがなく、前記結露水が円滑に移動して排水性を有効に向上させることができる。
【0024】
さらにまた、本発明の請求項13に係る燃料電池の運転方法では、それぞれ同時に使用される流体供給口および流体排出口の数は、低出力時に比べて高出力時の方が多数に設定される。このため、連通孔内部での圧損を低減することができ、流体の分配性が良好に向上する。
【0025】
また、本発明の請求項15および16に係る燃料電池の運転方法では、燃料電池の負荷状況に応じて、連通孔に対する流体の供給および排出の切り替え間隔を変更したり、同時に使用される流体供給口および流体排出口の数を変更することにより、電極面内で流れの分配性を好適に維持して出力変化に備えることが可能になる。
【0026】
さらに、本発明の請求項17に係る燃料電池の運転方法では、流体が旋回流動することにより、流れの慣性を利用して流体供給口から前記流体が吸引される。これにより、流体供給用ポンプの能力以上の流量を流体流路に供給することができ、前記ポンプの小型化および省エネルギ化を図ることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10を組み込む燃料電池システム12の概略構成図である。
【0028】
複数の燃料電池10が鉛直方向(矢印A方向)に積層されて燃料電池スタック14が構成されている。この燃料電池スタック14には、酸化剤ガス、例えば、空気等の酸素含有ガスを供給および排出するカソード側制御部16と、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給および排出するアノード側制御部18と、純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体を供給および排出する冷却側制御部20とが装着される。
【0029】
図2に示すように、燃料電池10は、略正方形状の電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)24と、前記電解質膜・電極構造体24を挟持する略正方形状の金属製第1および第2セパレータ26、28とを備える。なお、電解質膜・電極構造体24と第1および第2セパレータ26、28との間には、後述する連通孔の周囲および電極面の外周を覆って、図示しないシールが介装されている。
【0030】
燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを流すための第1酸化剤ガス連通孔30a、冷却媒体を流すための第1冷却媒体連通孔32a、および燃料ガスを流すための第1燃料ガス連通孔34aが、矢印C方向に順次設けられる。
【0031】
燃料電池10の矢印C方向の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、第2燃料ガス連通孔34b、第2冷却媒体連通孔32bおよび第2酸化剤ガス連通孔30bが、矢印B方向に順次設けられる。
【0032】
燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、第3酸化剤ガス連通孔30c、第3冷却媒体連通孔32cおよび第3燃料ガス連通孔34cが、矢印C方向に順次設けられる。燃料電池10の矢印C方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、第4酸化剤ガス連通孔30d、第4冷却媒体連通孔32dおよび第4燃料ガス連通孔34dが、矢印B方向に順次設けられる。
【0033】
図2および図3に示すように、電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸されてなる固体高分子電解質膜(電解質)36と、該固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38およびカソード側電極40とを備える。アノード側電極38およびカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されてなる電極触媒層とをそれぞれ有する。
【0034】
第1セパレータ26のカソード側電極40に対向する面26aには、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a、30b、30cおよび30dに連通可能な酸化剤ガス流路(流体流路)42が設けられる。酸化剤ガス流路42は、複数のエンボス(エンボス構造)44により形成されており、酸化剤ガスが前記酸化剤ガス流路42に沿って旋回流動する。
【0035】
図2および図4に示すように、第2セパレータ28のアノード側電極38に対向する面28aには、第1〜第4燃料ガス連通孔34a、34b、34cおよび34dに連通可能な燃料ガス流路(流体流路)46が設けられる。この燃料ガス流路46は、複数のエンボス(エンボス構造)48により形成されるとともに、燃料ガスが前記燃料ガス流路46に沿って旋回流動する。
【0036】
図2に示すように、第2セパレータ28の面28aとは反対の面28bには、冷却媒体流路(流体流路)50が設けられる。冷却媒体流路50は、複数のエンボス(エンボス構造)52により形成されるとともに、前記エンボス52はエンボス48よりも小径に設定される。冷却媒体は、冷却媒体流路50に沿って旋回流動する。
【0037】
図1に示すように、カソード側制御部16は、酸化剤ガスとして、例えば、空気を供給するためのコンプレッサ(図示せず)を備え、このコンプレッサが供給管62を介して第1スイッチング機構64に連結される。この第1スイッチング機構64は、例えば、ロータリ式であり、燃料電池スタック14の供給側に装着されるとともに、供給管62を第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dに選択的に連通させる。
【0038】
具体的には、第1酸化剤ガス連通孔30aのみに連通する位置と、第1および第2酸化剤ガス連通孔30a、30bに同時に連通する位置と、第2酸化剤ガス連通孔30bのみに連通する位置と、第2および第3酸化剤ガス連通孔30b、30cに同時に連通する位置と、第3酸化剤ガス連通孔30cのみに連通する位置と、第3および第4酸化剤ガス連通孔30c、30dに同時に連通する位置と、第4酸化剤ガス連通孔30dのみに連通する位置とに切り替えられる。
【0039】
なお、第1スイッチング機構64をロータリ式に代替して、例えば、電磁切り替え弁(図示せず)を用い、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dを上記のように供給管62に選択的に連通させるように構成してもよい。
【0040】
燃料電池スタック14の排出側には、第2スイッチング機構68が切り替え可能に装着される。第2スイッチング機構68は、上記の第1スイッチング機構64と同様に、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dを排出管72に選択的に連通可能である。
【0041】
第1および第2スイッチング機構64、68の駆動により第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dを、酸化剤ガス供給口(流体供給口)および/または酸化剤ガス排出口(流体排出口)として切り替える操作が行われる。具体的には、図5に示すように、8つの連通位置P1〜P8に、順次、切り替え操作される。このダイヤグラムが、図6に示されている。
【0042】
第1連通位置P1では、第1酸化剤ガス連通孔30aのみを酸化剤ガス供給口とする一方、第3酸化剤ガス連通孔30cのみを酸化剤ガス排出口とする。第2連通位置P2では、第1および第2酸化剤ガス連通孔30a、30bを一体的に酸化剤ガス供給口とするとともに、第3および第4酸化剤ガス連通孔30c、30dを一体的に酸化剤ガス排出口とする。
【0043】
第3連通位置P3では、第2酸化剤ガス連通孔30bのみを酸化剤ガス供給口とし、第4酸化剤ガス連通孔30dのみを酸化剤ガス排出口とする。第4連通位置P4では、第2および第3酸化剤ガス連通孔30b、30cを一体的に酸化剤ガス供給口とし、第4および第1酸化剤ガス連通孔30d、30aを一体的に酸化剤ガス排出口とする。
【0044】
第5連通位置P5では、第3酸化剤ガス連通孔30cのみを酸化剤ガス供給口とし、第1酸化剤ガス連通孔30aのみを酸化剤ガス排出口とする。第6連通位置P6では、第3および第4酸化剤ガス連通孔30c、30dを一体的に酸化剤ガス供給口とし、第1および第2酸化剤ガス連通孔30a、30bを一体的に酸化剤ガス排出口とする。
【0045】
第7連通位置P7では、第4酸化剤ガス連通孔30dのみを酸化剤ガス供給口とし、第2酸化剤ガス連通孔30bのみを酸化剤ガス排出口とする。第8連通位置P8では、第4および第1酸化剤ガス連通孔30d、30aを一体的に酸化剤ガス供給口とし、第2および第3酸化剤ガス連通孔30b、30cを一体的に酸化剤ガス排出口とする。
【0046】
図1に示すように、アノード側制御部18は、上記のカソード側制御部16と同様に構成されており、図示しない燃料ガスタンクに連結されて燃料電池スタック14の供給側に装着される第1スイッチング機構80と、前記燃料電池スタック14の排出側に連結される第2スイッチング機構82とを備えている。第1および第2スイッチング機構80、82を介して、第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dは、図7に示すように、第1連通位置P11〜第8連通位置P18に、順次、切り替え制御される。
【0047】
第1連通位置P11では、第3燃料ガス連通孔34cのみが燃料ガス供給口(流体供給口)に設定される一方、第1燃料ガス連通孔34aのみが燃料ガス排出口(流体排出口)に設定される。第2連通位置P12では、第3および第4燃料ガス連通孔34c、34dが一体的に燃料ガス供給口に設定されるとともに、第1および第2燃料ガス連通孔34a、34bが一体的に燃料ガス排出口に設定される。
【0048】
第3連通位置P13では、第4燃料ガス連通孔34dのみが燃料ガス供給口に設定される一方、第2燃料ガス連通孔34bのみが燃料ガス排出口に設定される。第4連通位置P14では、第4および第1燃料ガス連通孔34d、34aが一体的に燃料ガス供給口に設定されるとともに、第2および第3燃料ガス連通孔34b、34cが一体的に燃料ガス排出口に設定される。
【0049】
第5連通位置P15では、第1燃料ガス連通孔34aのみが燃料ガス供給口に設定される一方、第3燃料ガス連通孔34cのみが燃料ガス排出口に設定される。第6連通位置P16では、第1および第2燃料ガス連通孔34a、34bが一体的に燃料ガス供給口に設定されるとともに、第3および第4燃料ガス連通孔34c、34dが一体的に燃料ガス排出口に設定される。
【0050】
第7連通位置P17では、第2燃料ガス連通孔34bのみが燃料ガス供給口に設定される一方、第4燃料ガス連通孔34dのみが燃料ガス排出口に設定される。第8連通位置P18では、第2および第3燃料ガス連通孔34b、34cが一体的に燃料ガス供給口に設定されるとともに、第4および第1燃料ガス連通孔34d、34aが一体的に燃料ガス排出口に設定される。
【0051】
図1に示すように、冷却側制御部20は、上記のカソード側制御部16およびアノード側制御部18と同様に構成されており、図示しない冷却媒体タンクに連結されて燃料電池スタック14の供給側に装着される第1スイッチング機構84と、前記燃料電池スタック14の排出側に連結される第2スイッチング機構86とを備える。第1および第2スイッチング機構84、86を介して、第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dは、図8に示すように、第1連通位置P21〜第8連通位置P28に、順次、切り替え制御される。
【0052】
第1連通位置P21では、第1冷却媒体連通孔32aのみが冷却媒体供給口(流体供給口)に設定される一方、第3冷却媒体連通孔32cのみが冷却媒体排出口(流体排出口)に設定される。第2連通位置P22では、第1および第2冷却媒体連通孔32a、32bが一体的に冷却媒体供給口に設定されるとともに、第3および第4冷却媒体連通孔32c、32dが一体的に冷却媒体排出口に設定される。
【0053】
第3連通位置P23では、第2冷却媒体連通孔32bのみが冷却媒体供給口に設定される一方、第4冷却媒体連通孔32dのみが冷却媒体排出口に設定される。第4連通位置P24では、第2および第3冷却媒体連通孔32b、32cが一体的に冷却媒体供給口に設定されるとともに、第4および第1冷却媒体連通孔32d、32aが一体的に冷却媒体排出口に設定される。
【0054】
第5連通位置P25では、第3冷却媒体連通孔32cのみが冷却媒体供給口に設定されるとともに、第1冷却媒体連通孔32aのみが冷却媒体排出口に設定される。第6連通位置P26では、第3および第4冷却媒体連通孔32c、32dが一体的に冷却媒体供給口に設定される一方、第1および第2冷却媒体連通孔32a、32bが一体的に冷却媒体排出口に設定される。
【0055】
第7連通位置P27では、第4冷却媒体連通孔32dのみが冷却媒体供給口に設定されるとともに、第2冷却媒体連通孔32bのみが冷却媒体排出口に設定される。第8連通位置P28では、第4および第1冷却媒体連通孔32d、32aが一体的に冷却媒体供給口に設定される一方、第2および第3冷却媒体連通孔32b、32cが一体的に冷却媒体排出口に設定される。
【0056】
このように構成される燃料電池システム12の動作について、第1の実施形態に係る燃料電池の運転方法との関連で以下に説明する。
【0057】
図2に示すように、まず、燃料電池10では、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dが第1連通位置P1に設定され、第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dが第1連通位置P11に設定され、さらに第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dが第1連通位置P21に設定されている。
【0058】
ここで、燃料電池10内には、水素含有ガス等の燃料ガスと、酸素含有ガスである空気等の酸化剤ガスと、純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体とが供給される。矢印A方向に連通している第1酸化剤ガス連通孔30aに供給された酸化剤ガスは、第1セパレータ26の酸化剤ガス流路42に導入される。
【0059】
この酸化剤ガス流路42では、酸化剤ガスがエンボス44を介して旋回流動し、電解質膜・電極構造体24を構成するカソード側電極40に沿って移動する。酸化剤ガスは、旋回しながら一部を第3酸化剤ガス連通孔30dに排出している。なお、燃料電池10の運転開始直後では、酸化剤ガス流路42において、酸化剤ガスが第1酸化剤ガス連通孔30aから第3酸化剤ガス連通孔30dに向かって略直線状に移動し易い。
【0060】
一方、燃料ガスは、図2および図4に示すように、矢印A方向に連通している第4燃料ガス連通孔34dから第2セパレータ28の燃料ガス流路46に導入される。燃料ガス流路46では、燃料ガスがエンボス48を介して旋回流動し、電解質膜・電極構造体24を構成するアノード側電極38に沿って移動する。燃料ガスは、旋回しながら一部を第2燃料ガス連通孔34bに排出している。なお、燃料電池10の運転開始直後では、燃料ガス流路46において、燃料ガスが第4燃料ガス連通孔34dから第2燃料ガス連通孔34bに向かって略直線状に移動し易い。
【0061】
従って、電解質膜・電極構造体24では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる(図3参照)。
【0062】
次いで、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、第3酸化剤ガス連通孔30cに排出される(図2および図5参照)。同様に、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、第2燃料ガス連通孔34bに排出される(図2および図7参照)。
【0063】
また、第1冷却媒体連通孔32aに供給された冷却媒体は、第2セパレータ28の冷却媒体流路50に導入される。この冷却媒体は、エンボス52に沿って旋回流動し、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、第3冷却媒体連通孔32cに排出される(図2および図8参照)。
【0064】
この場合、第1の実施形態では、カソード側制御部16、アノード側制御部18および冷却側制御部20が同期して駆動制御され、第1スイッチング機構64、80および84と、第2スイッチング機構68、82および86とを介して、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30d、第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dおよび第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dが切り替えられる。
【0065】
具体的には、カソード側制御部16では、図6に示すダイヤグラムに沿って第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dが、第1連通位置P1から第8連通位置P8に、順次、連続的に切り替わっている(図5参照)。このため、酸化剤ガス流路42では、酸化剤ガス供給口および酸化剤ガス排出口が、順次、切り替わることにより、酸化剤ガスがカソード側電極40の面方向に沿って円滑に旋回流動する。
【0066】
従って、カソード側電極40の電極面内において、電流密度分布、生成水分布、湿度分布および温度分布等を均一化することが可能になり、簡単な構成で、発電特性が有効に向上するという効果が得られる。しかも、燃料電池10の発電分布および電解質膜・電極構造体24の面内負荷分布が均一化し、前記電解質膜・電極構造体24の耐久性が有効に向上するという利点がある。
【0067】
一方、アノード側制御部18および冷却側制御部20においても同様に、第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dおよび第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dが、第1連通位置P11、P21から第8連通位置P18、P28に、順次、連続的に切り替わっている(図7および図8参照)。これにより、燃料ガス流路46および冷却媒体流路50において、燃料ガスおよび冷却媒体は、電極面方向に沿って円滑に旋回流動することができる。このため、電極面内の種々の条件を均一に維持することが可能になり、発電特性を良好に向上させることができる。
【0068】
また、例えば、酸化剤ガス流路42では、図5および図6に示すように、第1連通位置P1で第1酸化剤ガス連通孔30aのみが酸化剤ガス供給口となるとともに、第3酸化剤ガス連通孔30cのみが酸化剤ガス排出口となっている。そして、酸化剤ガス流路42の流れ方向を変更する際には、第2連通位置P2を介して第3連通位置P3に移行している。
【0069】
従って、酸化剤ガス供給口は、第1酸化剤ガス連通孔30aから第2酸化剤ガス連通孔30bに直接切り替えられるのではなく、一旦、第2連通位置P2において前記第1および第2酸化剤ガス連通孔30a、30bが同時に前記酸化剤ガス供給口として設定されている。
【0070】
同様に、第1連通位置P1で酸化剤ガス排出口に設定されていた第3酸化剤ガス連通孔30cから第4酸化剤ガス連通孔30dに切り替える際には、一旦、前記第3および第4酸化剤ガス連通孔30c、30dが同時に(オーバーラップして)前記酸化剤ガス排出口に設定されている(第2連通位置P2参照)。
【0071】
これにより、酸化剤ガス供給口および酸化剤ガス排出口が変更される際に、酸化剤ガスの流れが停止する状態が惹起されることがなく、前記酸化剤ガスを、常時、電極面に供給することができる。一方、燃料ガス流路46においても同様に、燃料ガス供給口および燃料ガス排出口が変更される際に、燃料ガスの流れが停止することがない。従って、燃料電池10における安定した出力を確実に得ることが可能になるという効果がある。
【0072】
さらにまた、酸化剤ガス流路42、燃料ガス流路46および冷却媒体流路50は、それぞれ複数のエンボス44、48および52により形成されている。従って、酸化剤ガス流路42、燃料ガス流路46および冷却媒体流路50における旋回流動が、円滑かつ確実に遂行可能になる。
【0073】
また、第1の実施形態では、第1〜第4酸化剤ガス連通孔30a〜30dが第1連通位置P1から第8連通位置P8に、順次、切り替えられるのに同期して、第1〜第4燃料ガス連通孔34a〜34dおよび第1〜第4冷却媒体連通孔32a〜32dが、第1連通位置P11、P21から第8連通位置P18、P28に、順次、切り替え制御されている。
【0074】
その際、酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスと、燃料ガス流路46に供給される燃料ガスとは、常に、略対向流に設定されている。例えば、図2に示す第1連通位置P1、P11、図9に示す第2連通位置P2、P12、図10に示す第3連通位置P3、P13および図11に示す第4連通位置P4、P14では、それぞれ酸化剤ガスの流れ方向と燃料ガスの流れ方向とが、略対向流に設定されている。
【0075】
これにより、生成水の発生により高湿度となり易い酸化剤ガス流路42の酸化剤ガス排出口側は、比較的低加湿の燃料ガスが導入される燃料ガス流路46の燃料ガス供給口側に対向している。このため、電解質膜・電極構造体24を挟んで酸化剤ガス出口側から燃料ガス入口側に水分が移動し、酸化剤ガス流路42においての結露水の除去と、燃料ガス流路46側においての低加湿運転または無加湿運転とを容易に遂行することが可能になる。
【0076】
一方、冷却媒体流路50では、酸化剤ガス流路42が第1連通位置P1から第8連通位置P8に、順次、移行する際に、この酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスと、前記冷却媒体流路50に供給される冷却媒体とが、略平行流に設定されている(図5および図8参照)。この関係は、例えば、第1連通位置P1、P21から第4連通位置P4、P24では、図2、図9、図10および図11に明確に示されている。
【0077】
ここで、酸化剤ガス流路42の酸化剤ガス出口側は、電解質膜・電極構造体24の冷却を行って高温となった冷却媒体を介して昇温されている。従って、酸化剤ガス出口側は、生成水によって高湿度となるものの、冷却媒体の昇温作用下に相対湿度が低下し、結露を有効に阻止することが可能になる。
【0078】
さらに、第1の実施形態では、燃料電池10が、図1に示すように、鉛直方向に積層されて燃料電池スタック14を構成している。このため、燃料電池10の積層方向が、例えば、略水平方向に設定される構造のように、結露水が立位姿勢の前記燃料電池10の下流側に滞留することがなく、結露水が円滑に移動して排水性を有効に向上させることができるという効果が得られる。
【0079】
さらにまた、反応による生成水を有効に利用することができ、燃料ガスや酸化剤ガスのストイキを減少させることも可能である。その上、加湿器や複雑な水回収装置を不要にすることもでき、コストを大幅に削減して経済的であるという利点がある。
【0080】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池100の要部分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第4の実施形態においても、同様に省略する。
【0081】
燃料電池100は、電解質膜・電極構造体102と、前記電解質膜・電極構造体102を挟持する金属製第1および第2セパレータ104、106とを備えている。燃料電池100の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、第1酸化剤ガス連通孔30a、第1冷却媒体連通孔32a、および第1燃料ガス連通孔34aが、矢印C方向に順次設けられる。燃料電池100の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、第2燃料ガス連通孔34b、第2冷却媒体連通孔32bおよび第2酸化剤ガス連通孔30bが、矢印C方向に順次設けられる。
【0082】
第1セパレータ104には、酸化剤ガス流路(流体流路)110が設けられており、この酸化剤ガス流路110は、複数のエンボス44と、所定のエンボス44同士を一体的に連結した複数のガイド用リブ112とにより形成される。リブ112は、第1酸化剤ガス連通孔30aから酸化剤ガス流路110に供給される酸化剤ガスが、電極面に沿って円滑に旋回流動し得るとともに、使用後の酸化剤ガスを第2酸化剤ガス連通孔30bから排出可能なように、それぞれの形状や設置位置が設定されている。
【0083】
第2セパレータ106には、アノード側電極38に対向して燃料ガス流路(流体流路)114が設けられている。この燃料ガス流路114は、図13Aに示すように、複数のエンボス48と、所定のエンボス48同士を一体的に連結したガイド用リブ116とにより形成される。リブ116は、第1燃料ガス連通孔34aから燃料ガス流路114に供給される燃料ガスが、電極面に沿って円滑に旋回流動し得るとともに、使用後の燃料ガスを第2燃料ガス連通孔34bから排出可能なように、それぞれの形状や設置位置が設定されている。
【0084】
第2セパレータ106は、燃料ガス流路114とは反対側に冷却媒体流路(流体流路)118を設ける。この冷却媒体流路118は、複数のエンボス52と、所定のエンボス52同士を一体的に連結したガイド用リブ120とにより形成される。リブ120は、第1冷却媒体連通孔32aから冷却媒体流路118に供給される冷却媒体が、電極面に沿って円滑に旋回流動し得るとともに、使用後の冷却媒体を第2冷却媒体連通孔32bから排出可能なように、それぞれの形状や設置位置が設定されている。
【0085】
このように構成される第2の実施形態では、第1酸化剤ガス連通孔30aから第1セパレータ104の酸化剤ガス流路110に酸化剤ガスが供給されると、この酸化剤ガス流路110を構成するエンボスおよびリブ112の案内作用下に、前記酸化剤ガスがカソード側電極40の面方向に沿って旋回流動するとともに、該酸化剤ガスの一部が第2酸化剤ガス連通孔30bから排出される。
【0086】
これにより、第1酸化剤ガス連通孔30aを酸化剤ガス供給口に設定するだけで、酸化剤ガス流路110において酸化剤ガスの旋回流動が行われ、カソード側電極40の電極面内の種々の状態を容易に均一化することができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
なお、図13Aに示すように、燃料ガス流路114においても同様に、第1燃料ガス連通孔34aから導入される燃料ガスが、エンボス48およびリブ116の案内作用下にこの燃料ガス流路114で旋回流動し、その一部が第2燃料ガス連通孔34bから排出される。
【0088】
また、冷却媒体流路118においても同様に、第1冷却媒体連通孔32aを冷却媒体供給口とし、第2冷却媒体連通孔32bを冷却媒体排出口とするだけで、冷却媒体は、エンボス52とリブ120との案内作用下に前記冷却媒体流路118で旋回流動する。
【0089】
特に、第2の実施形態では、第1酸化剤ガス連通孔30aを酸化剤ガス供給口とし、第2酸化剤ガス連通孔30bを酸化剤ガス排出口として固定使用することにより、この酸化剤ガス供給口およびこの酸化剤ガス排出口の切り替えが不要である。このため、酸化剤ガスの流路切り替えが不要になって、設備を一層簡素化かつ小型化することが可能になる。
【0090】
なお、第2の実施形態では、例えば、酸化剤ガス供給口および酸化剤ガス排出口を、それぞれ1つの連通孔である第1酸化剤ガス連通孔30aおよび第2酸化剤ガス連通孔30bに設定しているが、2以上の複数の連通孔に設定してもよい。また、図13Aに示すリブ116に代替えして、図13B〜図13Dに示すリブ116a、116bおよび116cを使用しても、燃料ガスの旋回流動が行われる。これは、リブ112に代替えすることにより、酸化剤ガスでも同様に旋回流動が可能である。
【0091】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池160の要部分解斜視図である。
【0092】
燃料電池160は、略円盤状の電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)162と、前記電解質膜・電極構造体162を挟持する略円盤状の金属製第1および第2セパレータ164、166とを備える。燃料電池160の外周縁部には、アノード側電極38およびカソード側電極40の外方に位置して第1酸化剤ガス連通孔168a、第2酸化剤ガス連通孔168b、第3酸化剤ガス連通孔168c、第4酸化剤ガス連通孔168dおよび第5酸化剤ガス連通孔168eが所定角度間隔ずつ離間して矢印A方向に貫通形成される。
【0093】
第1および第2酸化剤ガス連通孔168a、168b間には、第1燃料ガス連通孔170aと第1冷却媒体連通孔172aとが形成される。第2および第3酸化剤ガス連通孔168b、168c間には、第2燃料ガス連通孔170bと第2冷却媒体連通孔172bとが設けられ、第3および第4酸化剤ガス連通孔168c、168d間には、第3燃料ガス連通孔170cと第3冷却媒体連通孔172cとが形成される。
【0094】
第4酸化剤ガス連通孔168dと第5酸化剤ガス連通孔168eとの間には、第4燃料ガス連通孔170dおよび第4冷却媒体連通孔172dが設けられる。第5および第1酸化剤ガス連通孔168e、168a間には、第5燃料ガス連通孔170eおよび第5冷却媒体連通孔172eが形成される。
【0095】
図15に示すように、酸化剤ガス流路42では、第1〜第5酸化剤ガス連通孔168a〜168eの中、1つを酸化剤ガス供給口とし、他の1つを酸化剤ガス排出口として選択するとともに、第1連通位置P31、第2連通位置P32、第3連通位置P33、第4連通位置P34および第5連通位置P35に、順次、切り替えられる。
【0096】
図16に示すように、燃料ガス流路46では、同様に、第1〜第5燃料ガス連通孔170a〜170eの中、1つを燃料ガス供給口とし、他の1つを燃料ガス排出口として選択するとともに、第1連通位置P41、第2連通位置P42、第3連通位置P43、第4連通位置P44および第5連通位置P45に、順次、切り替えられる。
【0097】
図17に示すように、冷却媒体流路50では、第1〜第5冷却媒体連通孔172a〜172eの中、1つを冷却媒体供給口とし、他の1つを冷却媒体排出口として選択するとともに、第1連通位置P51、第2連通位置P52、第3連通位置P53、第4連通位置P54および第5連通位置P55に、順次、切り替えられる。
【0098】
このように構成される第3の実施形態では、酸化剤ガス流路42、燃料ガス流路46および冷却媒体流路50が、第1連通位置P31、P41およびP51から第5連通位置P35、P45およびP55に同期して、順次、切り替えられており、1つの入口から酸化剤ガス、燃料ガスおよび冷却媒体が導入されてそれぞれ1つの出口から排出されている。このため、酸化剤ガス流路42、燃料ガス流路46および冷却媒体流路50において、酸化剤ガス、燃料ガスおよび冷却媒体が良好に旋回流動することができる。
【0099】
さらに、例えば、酸化剤ガス流路42において、第1酸化剤ガス連通孔168aが酸化剤ガス供給口に設定される一方、第3酸化剤ガス連通孔168cが酸化剤ガス排出口に設定されている(第1連通位置P31参照)。そして、第1連通位置P31から第2連通位置P32に切り替えられる際には、一旦、第1および第2酸化剤ガス連通孔168a、168bが酸化剤ガス供給口を一体的に構成した後、前記第2酸化剤ガス連通孔168bのみに切り替えられる。一方、第3および第4酸化剤ガス連通孔168c、168dが酸化剤ガス排出口を一体的に構成した後、前記第4酸化剤ガス連通孔168dのみに切り替えられる。
【0100】
このため、第3の実施形態では、第1連通位置P31から第2連通位置P32に切り替えられる際に、酸化剤ガスの流れが停止されることがなく、安定した出力を得ることができる等、第1および第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0101】
さらにまた、第3の実施形態では、酸化剤ガス流路42および燃料ガス流路46において、酸化剤ガスおよび燃料ガスの流れ方向が互いに同期して変更されるとともに、酸化剤ガスと燃料ガスとが、常に略対向流に設定されている。しかも、酸化剤ガス流路42を流れる酸化剤ガスと、冷却媒体流路50を流れる冷却媒体とは、常に略平行流に設定されている。これにより、反応生成水を有効に利用するとともに、発電性能の向上を図ることができる等、第1および第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0102】
また、第3の実施形態では、燃料電池160の出力の大小や出力低下の状況や電極面内の水分布や電流密度分布等に応じて、入口および出口の個数を変化させることにより、電極面内を均一な状態に維持することができる。
【0103】
例えば、燃料電池160が低出力時の際には、酸化剤ガス流量が少ないため、第1〜第5酸化剤ガス連通孔168a〜168eの中、2つを酸化剤ガス供給口に設定し、1つを酸化剤ガス排出口に設定する。一方、燃料電池160が高出力時の際には、酸化剤ガス流量が多いため、第1〜第5酸化剤ガス連通孔168a〜168eの中、3つを酸化剤ガス供給口に設定し、2つを酸化剤ガス排出口に設定する。このため、酸化剤ガス供給口および酸化剤ガス排出口内部での圧損を低減することができ、酸化剤ガスの分配性が良好に向上する。
【0104】
図18は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池180の要部分解斜視図である。
【0105】
この燃料電池180では、電極面の内方に内側酸化剤ガス連通孔182と内側燃料ガス連通孔184とが、積層方向である矢印A方向に貫通して形成される。内側酸化剤ガス連通孔182は、酸化剤ガス供給口と酸化剤ガス排出口とに選択的に切り替え自在であり、内側燃料ガス連通孔184は、燃料ガス供給口と燃料ガス排出口とに選択的に切り替え可能である。
【0106】
このような構成において、例えば、内側酸化剤ガス連通孔182を酸化剤ガス排出口として使用する際には、図19に示すように、第1連通位置P1aから第8連通位置P8aに、順次、切り替え操作される。
【0107】
一方、内側酸化剤ガス連通孔182を酸化剤ガス供給口として使用する場合、図20に示すように、第1連通位置P1bから第8連通位置P8bに、順次、切り替え操作が行われる。
【0108】
これにより、第4の実施形態では、電極面の略中央部に内側酸化剤ガス連通孔182が設けられ、この内側酸化剤ガス連通孔182を酸化剤ガス供給口または酸化剤ガス排出口として使用している。従って、電極面の略中央部で酸化剤ガスが滞留する(淀む)ことを有効に阻止することができ、前記電極面内の状態をより均一に維持して発電性能を良好に向上させることが可能になるという効果が得られる。
【0109】
さらに、燃料電池180が低出力の際には、内側酸化剤ガス連通孔182および内側燃料ガス連通孔184を使用しない一方、高出力の際には、前記内側酸化剤ガス連通孔182および前記内側燃料ガス連通孔184を使用する。すなわち、出力の大小と反応ガス消費の大小との直接的な関係を利用し、燃料電池180が低出力時には反応ガスの出入りを抑える一方、高出力時には反応ガスの出入りを多くすることにより、所望の出力を確実に得ることが可能になる。
【0110】
また、内側酸化剤ガス連通孔182および内側燃料ガス連通孔184をそれぞれ複数個設けておき、燃料電池180の負荷状況に応じて、使用される個数を切り替え制御することもできる。この場合も、上記の関係を用い、燃料電池180が低出力時には反応ガスの出入りを少なくする一方、高出力時には反応ガスの出入りを多くすることにより、所望の出力を確実に得ることができる。
【0111】
加えて、酸化剤ガス供給口および酸化剤ガス排出口の切り替え間隔を、低出力時に比べて高出力時の方を短く設定してもよい。この場合、燃料電池180が高出力時には、反応ガスの消費が多いことから切り替え間隔を相対的に短くし、電極面内でのガス分布状態をより均一化しておくことにより、ガス供給を電極面全面で安定化させて一層安定的に出力を確保することができる。
【0112】
さらに、燃料電池180に対する負荷の状況に応じて、上述した反応ガスの供給および排出の切り替え間隔を変更したり、同時に使用されるガス供給口およびガス排出口の数を変更してもよい。すなわち、燃料電池180内の負荷の程度に対応してこれらを変更すれば、予め出力の変化に応じて好適な電極面内のガス分布状態を維持することができ、前記燃料電池180の出力変化の直後からより安定した出力を得ることが可能になる。
【0113】
なお、第1および第2セパレータ26、28等のセパレータは、金属で構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、カーボン部材で構成してもよい。
【0114】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池およびその運転方法では、流体流路を介して電極の面方向に沿って流体が旋回流動するため、簡単な構成で、電極面内での電流密度分布、生成水分布、湿度分布および温度分布等を均一化することが可能になる。これにより、発電特性が向上するとともに、発電分布および電解質・電極接合体の面内負荷分布が均一化し、前記電解質・電極接合体の耐久性が有効に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を組み込む燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】前記燃料電池の要部分解斜視図である。
【図3】前記燃料電池の要部断面説明図である。
【図4】前記燃料電池を構成する第2セパレータの正面説明図である。
【図5】酸化剤ガス流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図6】酸化剤ガスの供給および排出のダイヤグラムである。
【図7】燃料ガス流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図8】冷却媒体流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図9】前記燃料電池の第2連通位置での分解斜視図である。
【図10】前記燃料電池の第3連通位置での分解斜視図である。
【図11】前記燃料電池の第4連通位置での分解斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【図13】図13Aは、前記燃料電池を構成する第2セパレータの正面説明図であり、図13B〜図13Dは、他のリブ形状の正面説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【図15】前記燃料電池において、酸化剤ガス流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図16】前記燃料電池において、燃料ガス流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図17】前記燃料電池において、冷却媒体流路の流れ方向を変更する際の操作説明図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【図19】前記燃料電池において、内側酸化剤ガス連通孔を酸化剤ガス排出口として使用する際の操作説明図である。
【図20】前記燃料電池において、前記内側酸化剤ガス連通孔を酸化剤ガス供給口として使用する際の操作説明図である。
【図21】従来技術に係る燃料電池を構成するセパレータの説明図である。
【符号の説明】
10、100、160、180…燃料電池
12…燃料電池システム 14…燃料電池スタック
16…カソード側制御部 18…アノード側制御部
20…冷却側制御部
24、102、162…電解質膜・電極構造体
26、28、104、106、164、166…セパレータ
30a〜30d、168a〜168e…酸化剤ガス連通孔
32a〜32d、172a〜172e…冷却媒体連通孔
34a〜34d、170a〜170e…燃料ガス連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 42、110…酸化剤ガス流路
44、48、52…エンボス 46、114…燃料ガス流路
50、118…冷却媒体流路
64、68、80、82、84、86…スイッチング機構
112、116、116a〜116c、120…リブ
182…内側酸化剤ガス連通孔 184…内側燃料ガス連通孔
Claims (19)
- 電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極接合体と、セパレータとを積層する燃料電池であって、
前記電極の外方に位置して前記セパレータの積層方向に貫通形成されるとともに、少なくとも反応ガスまたは冷却媒体の一方の流体を積層方向に流すための複数の連通孔と、
流体供給口に設定される連通孔と流体排出口に設定される連通孔とに連通し、前記流体を前記電極の面方向に沿って旋回流動させる流体流路と、
を備えることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池において、所定の連通孔が前記流体供給口および前記流体排出口として固定使用されることにより、前記流体の旋回流れを形成することを特徴とする燃料電池。
- 請求項1記載の燃料電池において、前記連通孔は、1または複数の流体供給口と1または複数の流体排出口として、それぞれ連続的に切り替えられることにより、前記流体の旋回流れを連続的に形成することを特徴とする燃料電池。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記連通孔は、電極面の内方に設けられる1以上の内側連通孔を備えることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記流体流路は、前記セパレータに設けられたエンボス構造により形成されることを特徴とする燃料電池。
- 請求項5記載の燃料電池において、前記エンボス構造は、ガイド用リブを備えることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記流体流路は、燃料ガス流路および酸化剤ガス流路を備え、
前記燃料ガス流路に供給される燃料ガスと、前記酸化剤ガス流路に供給される酸化剤ガスとは、略対向流に設定されることを特徴とする燃料電池。 - 請求項7記載の燃料電池において、前記流体流路は、冷却媒体流路を備え、
前記冷却媒体流路に供給される冷却媒体と、前記酸化剤ガスとは、略平行流に設定されることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記電解質・電極接合体と前記セパレータとの積層方向は、鉛直方向に設定されることを特徴とする燃料電池。
- 電解質の両側にそれぞれ電極を設けた電解質・電極接合体と、セパレータとを積層する燃料電池の運転方法であって、
前記電極の外方に位置して前記セパレータの積層方向に設けられた連通孔の中、所定の連通孔に少なくとも反応ガスまたは冷却媒体の一方の流体を供給および排出することにより、流体供給口に設定される連通孔と流体排出口に設定される連通孔とに連通する流体流路を介し、前記流体を前記電極の面方向に沿って旋回流動させることを特徴とする燃料電池の運転方法。 - 請求項10記載の燃料電池の運転方法において、所定の連通孔が前記流体供給口および前記流体排出口として固定使用されることにより、前記流体流路で前記流体を旋回流動させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10記載の燃料電池の運転方法において、前記連通孔は、1または複数の流体供給口と1または複数の流体排出口として、それぞれ連続的に切り替えられることにより、前記流体流路で前記流体を連続的に旋回流動させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至12のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、それぞれ同時に使用される前記流体供給口および前記流体排出口の数は、低出力時に比べて高出力時の方が多数に設定されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至13のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記連通孔は、電極面の内方に設けられる内側連通孔を備え、この内側連通孔を前記流体供給口または前記流体排出口として使用することを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至14のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記燃料電池の負荷状況に応じて、前記連通孔に対する前記流体の供給および排出の切り替え間隔を変更することを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至14のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記燃料電池の負荷状況に応じて、同時に使用される前記流体供給口および前記流体排出口の数を変更することを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至16のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記流体が旋回流動することにより、前記流体供給口から前記流体を吸引することを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項10乃至17のいずれか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記流体流路である燃料ガス流路に供給される燃料ガスと、前記流体流路である酸化剤ガス流路に供給される酸化剤ガスとは、略対向流に設定されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
- 請求項18記載の燃料電池の運転方法において、前記流体流路である冷却媒体流路に供給される冷却媒体と、前記酸化剤ガスとは、略平行流に設定されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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