JP2004078292A - 減圧弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮流体のクリーン度を低下させることなく高く維持することができるとともに、弁体に生じるバイブレーションの防止することができ、更には構造が簡単で低コスト化を図ること。
【解決手段】弁本体12には一次側流路13aと二次側流路14aとを互いに連通させる弁孔15が形成されている。その弁孔15の周囲に形成された弁座16には弁体19を接近又は離間可能に設けられ、その弁体19の開度は圧力制御機構45により調節される。このような減圧弁11において、弁体19には、一次側流路13aと二次側流路14aとを区画するとともに、同弁体19に弾性力を付与する筒状ダンパー18が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】弁本体12には一次側流路13aと二次側流路14aとを互いに連通させる弁孔15が形成されている。その弁孔15の周囲に形成された弁座16には弁体19を接近又は離間可能に設けられ、その弁体19の開度は圧力制御機構45により調節される。このような減圧弁11において、弁体19には、一次側流路13aと二次側流路14aとを区画するとともに、同弁体19に弾性力を付与する筒状ダンパー18が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーンな圧縮流体を用いる減圧弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図3に示す減圧弁80は、流体供給源と流体圧機器との間に設けられる。この減圧弁80は、流体供給源から一次側ポート81を介して供給される圧縮流体が、流体圧機器に接続される二次側ポート82から排出される。一次側ポート81と二次側ポート82との間に設けられた弁体83によって一次側流路81aから二次側流路82aへ流れる圧縮流体の圧力が調節される。この弁体83の下側には二次側流路82aに通じる二次側圧力バランス室84が形成されており、その二次側圧力バランス室84には弁棒85に形成した通路85aを介して二次側圧縮流体を導入させることにより、弁体83の両端面は二次側圧縮流体の圧力を受けている。つまり、弁体83は二次側圧縮流体によってバランス状態を得ている。よって、圧縮流体の一次圧が変化しても二次圧への影響が少なくなり、二次側の圧力特性が低下するのを防止している。
【0003】
この種の圧力バランスタイプの減圧弁80においては、一次側ポート81内の圧縮流体が二次側圧力バランス室84内に流れ込むのを防ぐために、弁体83の外周にはOリング86が装着されている。Oリング86は弁体83の開閉動作に伴い摺動する部材であるため、弁体83の開閉動作が低下するのを防ぐ潤滑グリースが塗布されている。ところが、上述した減圧弁80を半導体製造工場や食品工場などにおけるクリーンルームで使用すると、潤滑グリースが要因となって圧縮流体のクリーン度が低下する。又、二次側圧力バランス室84内には、弁体83を閉じる側にセット荷重を付与する圧縮コイルバネ87が用いられているため、弁体83の変位に伴い圧縮コイルバネ87の当接部分から発生する塵埃が二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度が低下する。
【0004】
そこで、潤滑グリースを用いないようにするために、Oリング86を省略した減圧弁90が提案されている。図4に示すように、この減圧弁90は、前記Oリング86がないことから、弁体83の下側に圧縮コイルバネ87が収容されている空間部は、二次側圧力バランス室としての機能を果たさなくなる。そのため、弁体83の上端面が二次側圧縮流体の圧力を受けているのに対し、下端面は一次側圧縮流体の圧力を受けている。つまり、弁体83は二次側圧縮流体と一次側圧縮流体とによって弁体83のバランス状態を得ている。
【0005】
このノンバランスタイプの減圧弁90は、前記図3に示すバランスタイプの減圧弁80に比べ、二次側圧力が一定なる状態で、一次側圧力が変動すると、二次側圧力が設定値からずれてしまい、圧力特性が低下するデメリットがある。
【0006】
又、弁体83にOリングが設けられていないため、弁体83の摺動抵抗は小さくなり、圧縮コイルバネ87が伸縮するのに伴い弁体83に生じるバイブレーションを抑制しにくくなる。
【0007】
更に、潤滑グリースを用いていないことから、図3に示す前記バランスタイプの減圧弁80に比べればクリーンルームに適している。しかし、前記バランスタイプの減圧弁80と同様に、弁体83を閉じる側にセット荷重を付与する圧縮コイルバネ87が依然として用いられている。そのため、圧縮コイルバネ87の両端部の当たり部分で発生する塵埃が二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度が低下する要因となっている。
【0008】
以上述べたように、図3のバランスタイプの減圧弁80は、二次側の圧力特性は優れているものの、圧縮流体のクリーン度が低い。それに対して、図4のノンバランスタイプの減圧弁90は圧縮流体のクリーン度を低下させないが、二次側の圧力特性は低い。
【0009】
従来、両タイプの減圧弁80,90のデメリットを解消するものが、例えば特開平9−230942号公報に開示されている。すなわち、この公報に記載された減圧弁は、一次側ポートに通じる一次側圧力バランス室と、弁体にセット荷重を付与する圧縮コイルバネの収容室とがダイヤフラムによって区画されている。このダイヤフラムは、弁体に一体化されており、弁体を調芯する役割があるため、弁体と圧縮コイルバネとが当接する部分から発塵するのを防止することができる。しかも、ダイヤフラムは潤滑グリースを用いずに済むことから、圧縮流体のクリーン度が低下するのを防止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術で示した公報の減圧弁は、ダイヤフラムを設けたが圧縮コイルバネの当接部分からの発塵を完全には防止することはできず、二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度を下げる。ダイヤフラムに対する弁体の組み付け精度が悪いと、圧縮コイルバネの発塵による問題は更に大きくなる。従って、圧縮流体のクリーン度を大幅に向上するに至っていない。
【0011】
更に、ダイヤフラムの弾性力により圧縮コイルバネが伸縮するときに弁体に生じるバイブレーションをある程度抑制することはできるが、Oリングを設けた場合ほど大きな抑制効果は得られない。
【0012】
又、ダイヤフラムの中央部は挟持部材により弁体に固定され、外周縁は別の挟持部材により減圧弁の弁本体に固定されているため、構造が複雑になる結果、組付け工数が増え、製造コストが上昇するという不具合もある。
【0013】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、圧縮流体のクリーン度を低下させずに、弁体に生じるバイブレーションの防止することができ、更に構造が簡単で低コストな減圧弁を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
請求項1に記載の発明では、一次側ポートを含む一次側流路と二次側ポートを含む二次側流路とが形成された弁本体に、前記両流路を互いに連通させる弁孔を形成し、その弁孔の周囲に形成された弁座に弁体を接近又は離間可能に設け、前記弁体の開度を調節する圧力制御機構により、二次側流路に流れる圧縮流体の圧力が一定となるように減圧制御する減圧弁において、前記一次側流路と二次側流路とを区画するとともに、前記弁体が閉じられる方向に弾性力を付与する筒状の弾性体を同弁体に設けたことを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、弾性体は、筒状に形成されているため、弁体の開閉する際に摩耗する部分がほとんどなく、グリースなどの潤滑剤を使用せずに済む。そのため、圧縮流体のクリーン度が低下することはない。又、弾性体は筒状に形成されていることから防振性が高いため、弾性体が伸縮する際に生じる弾性反発力が弁体に作用しても、圧力調節はバイブレーションを起さない。これにより、弁体の開閉動作が安定する。更に、弾性体は、弁体が閉じられる方向に弾性力を付与することと、一次側流路と二次側流路とを区画することとを兼ねているため、部品点数が少なくて済む。よって、構造が簡単になり低コスト化を図ることができる。
【0016】
(請求項2の発明)
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の減圧弁において、前記弾性体は、弁体の外周を覆うように同弁体に外挿され、弁体の一端部に突設されたストッパと弁本体に設けられたボトムプラグとの協働で挟持されていることを要旨とする。
【0017】
この構成にすれば、弾性体の組み付けが簡単であるとともに、大がかりな設計変更をすることがなく既存の減圧弁に用いることができる。しかも、ボトムプラグによって弾性体が弁体のストッパに押し付けられることで、弁体に十分な弾性力を付与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、減圧弁11は弁本体12を備えており、その弁本体12には、一次側ポート13と二次側ポート14とが対峙するように形成されている。弁本体12には、一次側ポート13を含む一次側流路13aと二次側ポート14を含む二次側流路14aとを互いに連通させる弁孔15が形成されている。弁孔15の下側における弁本体12には、内端側の面が凹設されたボトムプラグ17が装着されている。ボトムプラグ17の支持凹部17aには、弾性体としての筒状ダンパー18が設けられており、この筒状ダンパー18内には弁体19が嵌入されている。この状態では、弁体19は、外周面が筒状ダンパー18によって覆われている。弁体19は、弁座16から接近又は離間可能となっており、その開度量に応じて、一次側ポート13から二次側ポート14に流れる圧縮流体の流量が調節される。
【0019】
筒状ダンパー18の上端は、ボトムプラグ17を装着することに伴って弁体19の上端部(一端部)に突設されたストッパ19bに押し付けられている。この押し付けにより、一次側ポート13に圧縮流体が供給されていない状態では、筒状ダンパー18が僅かに収縮され、その状態で生じる弾性力により弁体19の上端面は、弁孔15の周囲に形成された弁座16に圧接されている。つまり、筒状ダンパー18の弾性力により弁体19のセット荷重が設定されている。
【0020】
筒状ダンパー18は、弾性力を持たせるためにブタジエン系ゴム、具体的にはNBR(ブタジエン・アクリロニトリル共重合物)製となっている。このNBRは耐摩耗性が高いことから、筒状ダンパー18の寿命を長くすることが可能になる。それ以外の形成材料としてハロゲン系の合成ゴム、具体的にはフッ素ゴムに変更することが可能である。或いは、圧縮永久歪みの小さいシリコンゴムに変更することも可能である。
【0021】
ボトムプラグ17の支持凹部17aの内底面には、二次側圧力バランス室20が形成されている。この二次側圧力バランス室20は、筒状ダンパー18によって一次側流路13aと区画されている。つまり、二次側圧力バランス室20は二次側流路14a上にあることから、筒状ダンパー18により一次側流路13aと二次側流路14aとが区画されていると言い換えることもできる。以上のように、筒状ダンパー18は、一次側流路13aと二次側流路14aとを区画する区画壁としての役割と、弁体19に対し弾性力を付与する弾性体としての役割との2つを兼ねている。
【0022】
弁体19の中心軸線に沿って形成された連通孔19aには上下方向に沿って延びる弁棒30が嵌入され、その弁棒30に形成された細孔30aと弁体19の連通孔19aとによって、前記二次側圧力バランス室20は二次側ポート14及び二次側流路14aに常時通じている。弁棒30の上端部は弁本体12に固定された合成樹脂製のガイド筒29に摺動可能に貫通されている。
【0023】
前記弁本体12には、ダイヤフラム室31が連通路32を介して二次側ポート14に通じるように凹設されている。弁本体12においてダイヤフラム室31の上部に位置する箇所には、それを塞ぐようにダイヤフラム33が取り付けられている。そして、ダイヤフラム室31内の圧力が所定値よりも大きくなるとダイヤフラム33が図1の上側に反るように変形し、圧力が所定値よりも小さくなるとダイヤフラム33が図1の下側に反るように変形する。
【0024】
弁本体12の上部には、下部が開口されたカバー35がダイヤフラム33の外周縁を挟み込むように設けられている。ダイヤフラム33の中央部には、それを挟持する1組のディスク部材37,38が上下方向に変位自在に設けられている。両ディスク部材37,38の中央部には、ダイヤフラム室31に通じる逃がし通路39が形成されている。ダイヤフラム室31側における逃がし通路39の端部周縁には弁シート36が設けられ、この弁シート36に前記弁棒30の上端部が接離可能に突き付けられている。そして、弁シート36から弁棒30の上端部が離間することにより、ダイヤフラム室31内にある余分な圧縮流体は、カバー35の上部に形成されたリリーフポート41を介して外部に排出されるようになっている。
【0025】
カバー35の上部には圧力調節ノブ43が設けられ、この圧力調節ノブ43に連結されたネジ棒44の上部にはバネ押さえ部材46が進退可能に螺合されている。カバー35内には調圧バネ42が収容され、その下端は上側のディスク部材37に形成された係合凸部37aに外挿され、上端はバネ押さえ部材46に形成された係合凸部46aに外挿されている。そして、圧力調節ノブ43を回動操作することにより、バネ押さえ部材46の上下位置が調節され、調圧バネ42の弾性力を調節できるようになっている。
【0026】
そして、ダイヤフラム室31内の圧力変動によって調圧バネ42の弾性力に抗してダイヤフラム33、両ディスク部材37,38及び弁棒30が上方向に変位することにより、弁体19の開度が小さくなる。これに対して、ダイヤフラム33、両ディスク部材37,38及び弁棒30が下方向に変位することにより、弁体19の開度が大きくなる。このように、弁体19の開度が変えられることにより、二次側ポート14における圧力が予め設定された圧力となるように減圧制御される。本実施形態では、ダイヤフラム室31、弁棒30、弁シート36、調圧バネ42などから圧力制御機構45が構成されている。
【0027】
次に、上記のように構成された減圧弁11の作用について説明する。
圧力調節ノブ43を回動操作し、調圧バネ42の弾性力によって両ディスク部材37,38及び弁棒30を下側に変位させ、弁座16と弁体19との間に隙間を形成する。この状態で、一次側ポート13から圧縮流体が供給されると、その圧縮流体は一次側流路13a、弁孔15、二次側流路14aを介して二次側ポート14から排出される。
【0028】
ここで、二次側ポート14内の圧力が設定圧力に近づくと、それに伴いダイヤフラム室31内の圧力が高められてダイヤフラム33が上側に反るように変形する。そして、調圧バネ42の弾性力に抗して両ディスク部材37,38と弁棒30とが一体的となって上側に変位する。これにより、弁座16と弁体19との隙間は狭められ、つまり弁体19の開度が小さくなり、一次側ポート13から二次側ポート14へ流れる圧縮流体の供給量が少なくなるように調節される。二次側ポート14の圧力が調節された後に、二次側ポート14の圧力が設定圧力以上に上昇すると、ダイヤフラム室31内にある余分な圧縮流体は、弁棒30の上端部と弁シート36との間から逃がし通路39を介してカバー35内に入り、更にリリーフポート41から外部に排出される。
【0029】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)一次側流路13aと、二次側圧力バランス室20を含む二次側流路14aとが筒状ダンパー18によって区画されており、筒状ダンパー18は弁体19とボトムプラグ17とによって挟持されている。そのため、従来技術で示すダイヤフラムのように、それを挟持するために弁体19以外の部材を複数用いる必要がないので、組み付け部品点数を少なくすることができ、その組み付け工数も少なくすることができる。従って、減圧弁11の製造コストを低減することができる。
【0030】
(2)筒状ダンパー18は筒状に形成されているため、筒状ダンパー18が伸縮する際に生じる弾性反発力が弁体19に作用しても、弁体19にバイブレーションが生じることがない。従って、弁体19の開閉動作が安定することとなる。
【0031】
(3)弁棒30の上下変動に伴い筒状ダンパー18が伸縮しても、筒状ダンパー18と弁体19とが当接する部分、或いは筒状ダンパー18とボトムプラグ17とが当接する部分から発塵が生じない。よって、圧縮流体のクリーン度が低下するのを防止することができる。従って、本実施形態の減圧弁11は、食品工場や半導体製造工場などのようにクリーンルームで使用することに適している。
【0032】
(別の実施形態)
本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
例えば、前記圧力制御機構45を電気的に制御する電空式減圧弁50に具体化してもよい。図2に示すように、弁本体12の上部には、2つのブロック51,52に挟持されたダイヤフラム53が設けられ、このダイヤフラム53により上側のパイロット室54と下側のダイヤフラム室55とに仕切られている。ダイヤフラム53の中央部を挟持する2枚の挟持板からなる可動体56の中央部には、下方へ延びる弁棒57が固定されている。弁棒57はダイヤフラム33の変位とともに上下動する。
【0033】
弁本体12には、図示しない排気ポート及び二次側流路14aを連通させる排気弁孔61と、一次側流路13a及び二次側ポート14を連通させる給気弁孔62とが形成されている。各弁孔61,62は間隔をおいて形成され、それらの周囲にある排気弁座63と給気弁座64には、弁棒57に間隔をおいて固定された弁体としての排気弁65及び給気弁66とがそれぞれ接近又は離間可能に設けられている。排気弁65と給気弁66は弁棒57の変位に伴い可動する。すなわち、排気弁65が排気弁座63に接触した後、給気弁66は給気弁座64から離間する。又、給気弁66が給気弁座64に接触した後、排気弁65は排気弁座63から離間する。
【0034】
排気弁65及び給気弁66にはそれぞれ筒状ダンパー67,68がそれぞれ外挿され、これらの筒状ダンパー67,68により、各弁65,66は対応する弁座63,64に接近するように弾性力が付与されている。筒状ダンパー67は、弁棒57の内部に形成された連通路57aを介して二次側流路14aに通じていることから、筒状ダンパー67の内側空間が二次側圧力バランス室となっている。又、他方の筒状ダンパー68は、給気弁66に形成された連通孔66aを介して二次側流路14aに通じていることから、筒状ダンパー68の内側空間も二次側圧力バランス室となっている。
【0035】
弁本体12の上部には、図示しない給気バルブ、図示しない排気バルブ、二次側流路14a内の圧力を検出する圧力センサ73が設けられている。そして、圧力センサ73により検出される圧力に基づいて、二次側流路14aの圧力が低下すれば、給気バルブが開くことで、弁棒57は下側に変位する。すると、排気弁65が閉じるとともに給気弁66が開くため、二次側流路14a内の圧力が上昇することとなる。反対に、二次側流路14aの圧力が上昇すれば、排気バルブが開くことで、弁棒57は上側に変位する。すると、給気弁66が閉じるとともに排気弁65が開くため、二次側流路14a内の圧力が低下することとなる。この電空式減圧弁50においても本実施形態に示す減圧弁11とほぼ同様に、圧縮流体のクリーン度を高く維持できるとともに、排気弁65及び給気弁66にバイブレーションが生じることがなく、更には構造の簡素化によって製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
(1) 請求項1又は2、前記(1)のいずれかにおいて、前記弾性体は、ブタジエン系ゴムから形成されていることを特徴とする減圧弁。この構成にすれば、汎用性の高い材料で成形することができるのでコスト的にも安いばかりか、耐久性にも優れる。
【0037】
(2) 請求項1又は2において、前記弾性体は、ハロゲン系の合成ゴムから形成されていることを特徴とする減圧弁。この構成にすれば、汎用性の高い材料で成形することができるのでコスト的にも安いばかりか、耐久性にも優れる。
【0038】
(3) 請求項1又は2、前記(1)のいずれかにおいて、前記二次側流路上において弁体が弁座に接する端部とは反対側に二次側圧力バランス室が形成されていることを特徴とする減圧弁。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮流体のクリーン度を低下させることなく高く維持することができるとともに、弁体に生じるバイブレーションの防止することができ、更には構造が簡単で低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における減圧弁の断面図。
【図2】別の実施形態における減圧弁の断面図。
【図3】従来技術における減圧弁の断面図。
【図4】図3とは異なる従来技術における減圧弁の断面図。
【符号の説明】
11…減圧弁、12…弁本体、13…一次側ポート、13a…一次側流路、14…二次側ポート、14a…二次側流路、15,61,62…弁孔、16,63,64…弁座、17…ボトムプラグ、18…筒状ダンパー(弾性体)、19,65,66…弁体、19b…ストッパ、45…圧力制御機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーンな圧縮流体を用いる減圧弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図3に示す減圧弁80は、流体供給源と流体圧機器との間に設けられる。この減圧弁80は、流体供給源から一次側ポート81を介して供給される圧縮流体が、流体圧機器に接続される二次側ポート82から排出される。一次側ポート81と二次側ポート82との間に設けられた弁体83によって一次側流路81aから二次側流路82aへ流れる圧縮流体の圧力が調節される。この弁体83の下側には二次側流路82aに通じる二次側圧力バランス室84が形成されており、その二次側圧力バランス室84には弁棒85に形成した通路85aを介して二次側圧縮流体を導入させることにより、弁体83の両端面は二次側圧縮流体の圧力を受けている。つまり、弁体83は二次側圧縮流体によってバランス状態を得ている。よって、圧縮流体の一次圧が変化しても二次圧への影響が少なくなり、二次側の圧力特性が低下するのを防止している。
【0003】
この種の圧力バランスタイプの減圧弁80においては、一次側ポート81内の圧縮流体が二次側圧力バランス室84内に流れ込むのを防ぐために、弁体83の外周にはOリング86が装着されている。Oリング86は弁体83の開閉動作に伴い摺動する部材であるため、弁体83の開閉動作が低下するのを防ぐ潤滑グリースが塗布されている。ところが、上述した減圧弁80を半導体製造工場や食品工場などにおけるクリーンルームで使用すると、潤滑グリースが要因となって圧縮流体のクリーン度が低下する。又、二次側圧力バランス室84内には、弁体83を閉じる側にセット荷重を付与する圧縮コイルバネ87が用いられているため、弁体83の変位に伴い圧縮コイルバネ87の当接部分から発生する塵埃が二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度が低下する。
【0004】
そこで、潤滑グリースを用いないようにするために、Oリング86を省略した減圧弁90が提案されている。図4に示すように、この減圧弁90は、前記Oリング86がないことから、弁体83の下側に圧縮コイルバネ87が収容されている空間部は、二次側圧力バランス室としての機能を果たさなくなる。そのため、弁体83の上端面が二次側圧縮流体の圧力を受けているのに対し、下端面は一次側圧縮流体の圧力を受けている。つまり、弁体83は二次側圧縮流体と一次側圧縮流体とによって弁体83のバランス状態を得ている。
【0005】
このノンバランスタイプの減圧弁90は、前記図3に示すバランスタイプの減圧弁80に比べ、二次側圧力が一定なる状態で、一次側圧力が変動すると、二次側圧力が設定値からずれてしまい、圧力特性が低下するデメリットがある。
【0006】
又、弁体83にOリングが設けられていないため、弁体83の摺動抵抗は小さくなり、圧縮コイルバネ87が伸縮するのに伴い弁体83に生じるバイブレーションを抑制しにくくなる。
【0007】
更に、潤滑グリースを用いていないことから、図3に示す前記バランスタイプの減圧弁80に比べればクリーンルームに適している。しかし、前記バランスタイプの減圧弁80と同様に、弁体83を閉じる側にセット荷重を付与する圧縮コイルバネ87が依然として用いられている。そのため、圧縮コイルバネ87の両端部の当たり部分で発生する塵埃が二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度が低下する要因となっている。
【0008】
以上述べたように、図3のバランスタイプの減圧弁80は、二次側の圧力特性は優れているものの、圧縮流体のクリーン度が低い。それに対して、図4のノンバランスタイプの減圧弁90は圧縮流体のクリーン度を低下させないが、二次側の圧力特性は低い。
【0009】
従来、両タイプの減圧弁80,90のデメリットを解消するものが、例えば特開平9−230942号公報に開示されている。すなわち、この公報に記載された減圧弁は、一次側ポートに通じる一次側圧力バランス室と、弁体にセット荷重を付与する圧縮コイルバネの収容室とがダイヤフラムによって区画されている。このダイヤフラムは、弁体に一体化されており、弁体を調芯する役割があるため、弁体と圧縮コイルバネとが当接する部分から発塵するのを防止することができる。しかも、ダイヤフラムは潤滑グリースを用いずに済むことから、圧縮流体のクリーン度が低下するのを防止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術で示した公報の減圧弁は、ダイヤフラムを設けたが圧縮コイルバネの当接部分からの発塵を完全には防止することはできず、二次側圧縮流体に混入し、圧縮流体のクリーン度を下げる。ダイヤフラムに対する弁体の組み付け精度が悪いと、圧縮コイルバネの発塵による問題は更に大きくなる。従って、圧縮流体のクリーン度を大幅に向上するに至っていない。
【0011】
更に、ダイヤフラムの弾性力により圧縮コイルバネが伸縮するときに弁体に生じるバイブレーションをある程度抑制することはできるが、Oリングを設けた場合ほど大きな抑制効果は得られない。
【0012】
又、ダイヤフラムの中央部は挟持部材により弁体に固定され、外周縁は別の挟持部材により減圧弁の弁本体に固定されているため、構造が複雑になる結果、組付け工数が増え、製造コストが上昇するという不具合もある。
【0013】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、圧縮流体のクリーン度を低下させずに、弁体に生じるバイブレーションの防止することができ、更に構造が簡単で低コストな減圧弁を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
請求項1に記載の発明では、一次側ポートを含む一次側流路と二次側ポートを含む二次側流路とが形成された弁本体に、前記両流路を互いに連通させる弁孔を形成し、その弁孔の周囲に形成された弁座に弁体を接近又は離間可能に設け、前記弁体の開度を調節する圧力制御機構により、二次側流路に流れる圧縮流体の圧力が一定となるように減圧制御する減圧弁において、前記一次側流路と二次側流路とを区画するとともに、前記弁体が閉じられる方向に弾性力を付与する筒状の弾性体を同弁体に設けたことを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、弾性体は、筒状に形成されているため、弁体の開閉する際に摩耗する部分がほとんどなく、グリースなどの潤滑剤を使用せずに済む。そのため、圧縮流体のクリーン度が低下することはない。又、弾性体は筒状に形成されていることから防振性が高いため、弾性体が伸縮する際に生じる弾性反発力が弁体に作用しても、圧力調節はバイブレーションを起さない。これにより、弁体の開閉動作が安定する。更に、弾性体は、弁体が閉じられる方向に弾性力を付与することと、一次側流路と二次側流路とを区画することとを兼ねているため、部品点数が少なくて済む。よって、構造が簡単になり低コスト化を図ることができる。
【0016】
(請求項2の発明)
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の減圧弁において、前記弾性体は、弁体の外周を覆うように同弁体に外挿され、弁体の一端部に突設されたストッパと弁本体に設けられたボトムプラグとの協働で挟持されていることを要旨とする。
【0017】
この構成にすれば、弾性体の組み付けが簡単であるとともに、大がかりな設計変更をすることがなく既存の減圧弁に用いることができる。しかも、ボトムプラグによって弾性体が弁体のストッパに押し付けられることで、弁体に十分な弾性力を付与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、減圧弁11は弁本体12を備えており、その弁本体12には、一次側ポート13と二次側ポート14とが対峙するように形成されている。弁本体12には、一次側ポート13を含む一次側流路13aと二次側ポート14を含む二次側流路14aとを互いに連通させる弁孔15が形成されている。弁孔15の下側における弁本体12には、内端側の面が凹設されたボトムプラグ17が装着されている。ボトムプラグ17の支持凹部17aには、弾性体としての筒状ダンパー18が設けられており、この筒状ダンパー18内には弁体19が嵌入されている。この状態では、弁体19は、外周面が筒状ダンパー18によって覆われている。弁体19は、弁座16から接近又は離間可能となっており、その開度量に応じて、一次側ポート13から二次側ポート14に流れる圧縮流体の流量が調節される。
【0019】
筒状ダンパー18の上端は、ボトムプラグ17を装着することに伴って弁体19の上端部(一端部)に突設されたストッパ19bに押し付けられている。この押し付けにより、一次側ポート13に圧縮流体が供給されていない状態では、筒状ダンパー18が僅かに収縮され、その状態で生じる弾性力により弁体19の上端面は、弁孔15の周囲に形成された弁座16に圧接されている。つまり、筒状ダンパー18の弾性力により弁体19のセット荷重が設定されている。
【0020】
筒状ダンパー18は、弾性力を持たせるためにブタジエン系ゴム、具体的にはNBR(ブタジエン・アクリロニトリル共重合物)製となっている。このNBRは耐摩耗性が高いことから、筒状ダンパー18の寿命を長くすることが可能になる。それ以外の形成材料としてハロゲン系の合成ゴム、具体的にはフッ素ゴムに変更することが可能である。或いは、圧縮永久歪みの小さいシリコンゴムに変更することも可能である。
【0021】
ボトムプラグ17の支持凹部17aの内底面には、二次側圧力バランス室20が形成されている。この二次側圧力バランス室20は、筒状ダンパー18によって一次側流路13aと区画されている。つまり、二次側圧力バランス室20は二次側流路14a上にあることから、筒状ダンパー18により一次側流路13aと二次側流路14aとが区画されていると言い換えることもできる。以上のように、筒状ダンパー18は、一次側流路13aと二次側流路14aとを区画する区画壁としての役割と、弁体19に対し弾性力を付与する弾性体としての役割との2つを兼ねている。
【0022】
弁体19の中心軸線に沿って形成された連通孔19aには上下方向に沿って延びる弁棒30が嵌入され、その弁棒30に形成された細孔30aと弁体19の連通孔19aとによって、前記二次側圧力バランス室20は二次側ポート14及び二次側流路14aに常時通じている。弁棒30の上端部は弁本体12に固定された合成樹脂製のガイド筒29に摺動可能に貫通されている。
【0023】
前記弁本体12には、ダイヤフラム室31が連通路32を介して二次側ポート14に通じるように凹設されている。弁本体12においてダイヤフラム室31の上部に位置する箇所には、それを塞ぐようにダイヤフラム33が取り付けられている。そして、ダイヤフラム室31内の圧力が所定値よりも大きくなるとダイヤフラム33が図1の上側に反るように変形し、圧力が所定値よりも小さくなるとダイヤフラム33が図1の下側に反るように変形する。
【0024】
弁本体12の上部には、下部が開口されたカバー35がダイヤフラム33の外周縁を挟み込むように設けられている。ダイヤフラム33の中央部には、それを挟持する1組のディスク部材37,38が上下方向に変位自在に設けられている。両ディスク部材37,38の中央部には、ダイヤフラム室31に通じる逃がし通路39が形成されている。ダイヤフラム室31側における逃がし通路39の端部周縁には弁シート36が設けられ、この弁シート36に前記弁棒30の上端部が接離可能に突き付けられている。そして、弁シート36から弁棒30の上端部が離間することにより、ダイヤフラム室31内にある余分な圧縮流体は、カバー35の上部に形成されたリリーフポート41を介して外部に排出されるようになっている。
【0025】
カバー35の上部には圧力調節ノブ43が設けられ、この圧力調節ノブ43に連結されたネジ棒44の上部にはバネ押さえ部材46が進退可能に螺合されている。カバー35内には調圧バネ42が収容され、その下端は上側のディスク部材37に形成された係合凸部37aに外挿され、上端はバネ押さえ部材46に形成された係合凸部46aに外挿されている。そして、圧力調節ノブ43を回動操作することにより、バネ押さえ部材46の上下位置が調節され、調圧バネ42の弾性力を調節できるようになっている。
【0026】
そして、ダイヤフラム室31内の圧力変動によって調圧バネ42の弾性力に抗してダイヤフラム33、両ディスク部材37,38及び弁棒30が上方向に変位することにより、弁体19の開度が小さくなる。これに対して、ダイヤフラム33、両ディスク部材37,38及び弁棒30が下方向に変位することにより、弁体19の開度が大きくなる。このように、弁体19の開度が変えられることにより、二次側ポート14における圧力が予め設定された圧力となるように減圧制御される。本実施形態では、ダイヤフラム室31、弁棒30、弁シート36、調圧バネ42などから圧力制御機構45が構成されている。
【0027】
次に、上記のように構成された減圧弁11の作用について説明する。
圧力調節ノブ43を回動操作し、調圧バネ42の弾性力によって両ディスク部材37,38及び弁棒30を下側に変位させ、弁座16と弁体19との間に隙間を形成する。この状態で、一次側ポート13から圧縮流体が供給されると、その圧縮流体は一次側流路13a、弁孔15、二次側流路14aを介して二次側ポート14から排出される。
【0028】
ここで、二次側ポート14内の圧力が設定圧力に近づくと、それに伴いダイヤフラム室31内の圧力が高められてダイヤフラム33が上側に反るように変形する。そして、調圧バネ42の弾性力に抗して両ディスク部材37,38と弁棒30とが一体的となって上側に変位する。これにより、弁座16と弁体19との隙間は狭められ、つまり弁体19の開度が小さくなり、一次側ポート13から二次側ポート14へ流れる圧縮流体の供給量が少なくなるように調節される。二次側ポート14の圧力が調節された後に、二次側ポート14の圧力が設定圧力以上に上昇すると、ダイヤフラム室31内にある余分な圧縮流体は、弁棒30の上端部と弁シート36との間から逃がし通路39を介してカバー35内に入り、更にリリーフポート41から外部に排出される。
【0029】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)一次側流路13aと、二次側圧力バランス室20を含む二次側流路14aとが筒状ダンパー18によって区画されており、筒状ダンパー18は弁体19とボトムプラグ17とによって挟持されている。そのため、従来技術で示すダイヤフラムのように、それを挟持するために弁体19以外の部材を複数用いる必要がないので、組み付け部品点数を少なくすることができ、その組み付け工数も少なくすることができる。従って、減圧弁11の製造コストを低減することができる。
【0030】
(2)筒状ダンパー18は筒状に形成されているため、筒状ダンパー18が伸縮する際に生じる弾性反発力が弁体19に作用しても、弁体19にバイブレーションが生じることがない。従って、弁体19の開閉動作が安定することとなる。
【0031】
(3)弁棒30の上下変動に伴い筒状ダンパー18が伸縮しても、筒状ダンパー18と弁体19とが当接する部分、或いは筒状ダンパー18とボトムプラグ17とが当接する部分から発塵が生じない。よって、圧縮流体のクリーン度が低下するのを防止することができる。従って、本実施形態の減圧弁11は、食品工場や半導体製造工場などのようにクリーンルームで使用することに適している。
【0032】
(別の実施形態)
本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
例えば、前記圧力制御機構45を電気的に制御する電空式減圧弁50に具体化してもよい。図2に示すように、弁本体12の上部には、2つのブロック51,52に挟持されたダイヤフラム53が設けられ、このダイヤフラム53により上側のパイロット室54と下側のダイヤフラム室55とに仕切られている。ダイヤフラム53の中央部を挟持する2枚の挟持板からなる可動体56の中央部には、下方へ延びる弁棒57が固定されている。弁棒57はダイヤフラム33の変位とともに上下動する。
【0033】
弁本体12には、図示しない排気ポート及び二次側流路14aを連通させる排気弁孔61と、一次側流路13a及び二次側ポート14を連通させる給気弁孔62とが形成されている。各弁孔61,62は間隔をおいて形成され、それらの周囲にある排気弁座63と給気弁座64には、弁棒57に間隔をおいて固定された弁体としての排気弁65及び給気弁66とがそれぞれ接近又は離間可能に設けられている。排気弁65と給気弁66は弁棒57の変位に伴い可動する。すなわち、排気弁65が排気弁座63に接触した後、給気弁66は給気弁座64から離間する。又、給気弁66が給気弁座64に接触した後、排気弁65は排気弁座63から離間する。
【0034】
排気弁65及び給気弁66にはそれぞれ筒状ダンパー67,68がそれぞれ外挿され、これらの筒状ダンパー67,68により、各弁65,66は対応する弁座63,64に接近するように弾性力が付与されている。筒状ダンパー67は、弁棒57の内部に形成された連通路57aを介して二次側流路14aに通じていることから、筒状ダンパー67の内側空間が二次側圧力バランス室となっている。又、他方の筒状ダンパー68は、給気弁66に形成された連通孔66aを介して二次側流路14aに通じていることから、筒状ダンパー68の内側空間も二次側圧力バランス室となっている。
【0035】
弁本体12の上部には、図示しない給気バルブ、図示しない排気バルブ、二次側流路14a内の圧力を検出する圧力センサ73が設けられている。そして、圧力センサ73により検出される圧力に基づいて、二次側流路14aの圧力が低下すれば、給気バルブが開くことで、弁棒57は下側に変位する。すると、排気弁65が閉じるとともに給気弁66が開くため、二次側流路14a内の圧力が上昇することとなる。反対に、二次側流路14aの圧力が上昇すれば、排気バルブが開くことで、弁棒57は上側に変位する。すると、給気弁66が閉じるとともに排気弁65が開くため、二次側流路14a内の圧力が低下することとなる。この電空式減圧弁50においても本実施形態に示す減圧弁11とほぼ同様に、圧縮流体のクリーン度を高く維持できるとともに、排気弁65及び給気弁66にバイブレーションが生じることがなく、更には構造の簡素化によって製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
(1) 請求項1又は2、前記(1)のいずれかにおいて、前記弾性体は、ブタジエン系ゴムから形成されていることを特徴とする減圧弁。この構成にすれば、汎用性の高い材料で成形することができるのでコスト的にも安いばかりか、耐久性にも優れる。
【0037】
(2) 請求項1又は2において、前記弾性体は、ハロゲン系の合成ゴムから形成されていることを特徴とする減圧弁。この構成にすれば、汎用性の高い材料で成形することができるのでコスト的にも安いばかりか、耐久性にも優れる。
【0038】
(3) 請求項1又は2、前記(1)のいずれかにおいて、前記二次側流路上において弁体が弁座に接する端部とは反対側に二次側圧力バランス室が形成されていることを特徴とする減圧弁。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮流体のクリーン度を低下させることなく高く維持することができるとともに、弁体に生じるバイブレーションの防止することができ、更には構造が簡単で低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における減圧弁の断面図。
【図2】別の実施形態における減圧弁の断面図。
【図3】従来技術における減圧弁の断面図。
【図4】図3とは異なる従来技術における減圧弁の断面図。
【符号の説明】
11…減圧弁、12…弁本体、13…一次側ポート、13a…一次側流路、14…二次側ポート、14a…二次側流路、15,61,62…弁孔、16,63,64…弁座、17…ボトムプラグ、18…筒状ダンパー(弾性体)、19,65,66…弁体、19b…ストッパ、45…圧力制御機構。
Claims (2)
- 一次側ポートを含む一次側流路と二次側ポートを含む二次側流路とが形成された弁本体に、前記両流路を互いに連通させる弁孔を形成し、その弁孔の周囲に形成された弁座に弁体を接近又は離間可能に設け、前記弁体の開度を調節する圧力制御機構により、二次側流路に流れる圧縮流体の圧力が一定となるように減圧制御する減圧弁において、
前記一次側流路と二次側流路とを区画するとともに、前記弁体が閉じられる方向に弾性力を付与する筒状の弾性体を同弁体に設けたことを特徴とする減圧弁。 - 前記弾性体は、弁体の外周を覆うように同弁体に外挿され、弁体の一端部に突設されたストッパと弁本体に設けられたボトムプラグとの協働で挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の減圧弁。
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