JP2004076325A - 作業機の脱着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結合ピンの抜き差し作業が容易にでき、しかもコンパクトで、油洩れを起こさない結合部を有する建設機械の作業機の脱着装置を提供する。
【解決手段】二つの作業機(10,20)の結合端部の一方の作業機(10)に固着された左右一対のボス(1,1)内に、左右一対の固定ピストン(5,5)と、該左右一対の固定ピストン(5,5)に嵌合して前記左右一対のボス(1,1)内を左右方向に摺動可能な左右一対のシリンダピン(7,7)とを内装し、該左右一対のシリンダピン(7,7)を前記結合端部の他方の作業機(20)の左右に固着された左右一対のボス(21,21)に、油圧力により挿入または抜出しする構成とした。
【選択図】 図4
【解決手段】二つの作業機(10,20)の結合端部の一方の作業機(10)に固着された左右一対のボス(1,1)内に、左右一対の固定ピストン(5,5)と、該左右一対の固定ピストン(5,5)に嵌合して前記左右一対のボス(1,1)内を左右方向に摺動可能な左右一対のシリンダピン(7,7)とを内装し、該左右一対のシリンダピン(7,7)を前記結合端部の他方の作業機(20)の左右に固着された左右一対のボス(21,21)に、油圧力により挿入または抜出しする構成とした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等建設機械の作業機の脱着装置に関し、詳しくは作業機間の結合ピンの脱着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルの作業機の先端部に装着した解体装置を用いて解体する際に、例えば図10に示すように、本体に第1ブーム10Aを装着し、更に第1ブーム10Aに第2ブーム20A、第3ブーム30Aをシリーズで連結して車両から離れた位置で解体作業などを行うことがある。このような作業では、解体作業位置が頻繁に変わり、または解体対象物の高さが頻繁に変わるので、ブーム長を変更するために前記ブームの連結本数を変更することがしばしば必要となる。ところが、従来の作業機連結部の構成は、図10のN−N断面図である図11に示すように、例えば第1ブーム10Aと第2ブーム20Aは、第1ブーム10Aのボス1Aと第2ブーム20Aのボス2Aとにピン23を挿入して、互いに連結されるようになっている。従って、上記のブーム連結本数の変更を行う時には、人力でハンマー等を使用してピン23を抜き差ししている。このため、このピン23の抜き差し作業に2〜3人の作業者が必要なので、作業性が良くなく、変更コストも高くなり、作業も苦渋作業で煩雑であるという問題がある。このような問題を解決するために、ピンの抜き差しを油圧力により行うようにした技術が提案されている。
【0003】
例えば、実開平5−87048号公報に記載されたボス一体型ピン伸縮装置が知られている。図12は、同公報に記載された同装置の断面図である。
図12に示すように、同ピン伸縮装置は、結合対象物の一方部材51のボス51a内に左右一対のピストン53,53を内蔵し、それぞれのシリンダのボトム室をボス51a内の左右中央部に互いに向かい合わせに設け、かつシリンダのヘッド室側を左右外方へ向けて設け、このピストン53,53の外側にピン54,54を突設している。また、前記ボス51aの左右両端部には、前記左右のピン54,54がそれぞれ貫通して摺動する左右のブッシュ55,55が内蔵されており、このブッシュ55,55と前記ピン54,54との間にはそれぞれオイルシールからなる摺動部シール56,56を備えている。
【0004】
前記左右一対のピストン53,53の各シリンダ室に連通する配管Cに油圧装置(図示せず)から圧油を供給すると、前記左右のピン54,54が共に外方に伸びて他方部材52のボス52a,52a内に挿入されるので、結合対象物の一方部材51と他方部材52は連結され、また前記ピン54,54側のヘッド室に連通する配管Dに圧油を供給すると、前記左右のピン54,54が共に内方へ引っ込むので、結合対象物の一方部材51と他方部材52は切り離されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実開平5−87048号公報に記載された技術には、次の問題がある。すなわち、ピン54の面圧、曲げ強度等を考慮して該ピン54の外径を決定すると、ピストン53にピン54を突設しているため、ピストン53の外径はピン54の外径よりも大きくなり、それに伴いボス51aの外径も大きくなる。これにより、ボス51aは本来結合部に要する径よりも大型となり、重量が重くなるという問題がある。また、ボス51aの両端部に設けられたブッシュ55,55とピン54,54との間の摺動部シール56,56は、外部の塵埃を巻き込んで損傷や磨耗が起こり易いため、油洩れが発生し易く、寿命が短い。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、結合ピンの抜き差し作業が容易にでき、しかもコンパクトで、油洩れを起こさない結合部を有する建設機械の作業機の脱着装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1発明は、二つの作業機を互いにピンで結合および分離する作業機の脱着装置において、二つの作業機の結合端部の一方の作業機に固着された左右一対のボスと、該左右一対のボスに内装される左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンにそれぞれの内筒部が嵌合し、かつ前記左右一対のボス内にそれぞれの外筒部で左右方向に摺動自在に嵌合し、前記固定ピストンとの間に形成される一方側油室および他方側油室に交互に圧油を供給することにより前記左右一対のボス内を左右方向に摺動する左右一対のシリンダピンと、前記結合端部の他方の作業機の左右に固着され、前記左右一対のシリンダピンが挿入または抜出しされる左右一対のボスとを備えた構成としている。
【0008】
第1発明によれば、二つの作業機の結合端部の一方の作業機に固着された左右一対のボスに、左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンに嵌合して前記左右一対のボス内を左右方向に摺動可能な左右一対のシリンダピンとを内装し、この左右一対のシリンダピンを、前記結合端部の他方の作業機の左右に固着された左右一対のボスに、油圧力により挿入、抜出しするため、従来のように人力でハンマー等を用いて結合ピンを抜き差しする必要がないので、二つの作業機の脱着(結合、分離)が非常に容易である。
また、シリンダピン自体が摺動して二つの作業機の脱着をするので、シリンダピンの外径と同等の内径を有するボスを使用できるから、両作業機に固着されるボスは大型にならないので、これらの結合部をコンパクトに構成できる。さらに、上記シリンダピンの摺動部シールがボスの内部にあるため、該シールが外部の塵埃を巻き込ことがなく、これによりシールの損傷や磨耗が起こり難いので、油洩れが無くなり、シールの寿命を長期化することができる。
【0009】
第2発明は、第1発明において、前記一方の作業機に設けた左右一対のボスと、左右一対の固定ピストンと、左右一対のシリンダピンと、前記他方の作業機に設けた左右一対のボスとを備えた第1の結合部から所定距離離間した、前記二つの作業機の結合端部の位置に第2の結合部を設け、該第2の結合部には、前記一方の作業機に固着された略U字形状のフックと、前記他方の作業機に設けられ、前記フックに係合して、前記二つの作業機を係止するピンとを備えた構成としている。
【0010】
第2発明によれば、第2の結合部は、一方の作業機に固着されたU字形状のフックと他方の作業機に設けられたピンとの係合により係止するため、前記フックとピンとの係合、離脱作業が容易である。また、一方の作業機に他方の作業機を取り付ける場合は、前記フックを前記ピンに係合させた状態で、一方の作業機を揺動させることにより、第1の結合部における一方の作業機のボス穴と他方の作業機のボス穴との位置合わせが容易にできるので、これらのボス穴へのシリンダピン(結合ピン)の嵌入が容易である。
【0011】
第3発明は、第2発明において、前記第2の結合部は、側面視で前記第1の結合部より上方に、かつ前方に離間した位置に設けた構成としている。
【0012】
第3発明によれば、第2の結合部は、側面視で前記第1の結合部より上方に、かつ前方に離間した位置に設けたため、第2の結合部の前記U字形状のフックおよびこのフックに係止する前記ピンを作業機の前方側に位置させることになり、これにより、一方の作業機を他方の作業機に干渉させることなく、フックとピンとの係合、離脱作業を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態について、図1〜図9により詳細に説明する。なお、図中で、前出の図で示した構成要素と同一のものには同一の符号を付して、以下での説明を省く。
図1は、本発明を適用した油圧ショベルの例を示し、第1ブームに第2ブームを連結した油圧ショベルの側面図である。また図2は、第1ブームと第2ブームとの結合部A,Bを示す側面図であり、図3は、図2のL−L断面図である。
【0014】
図1に示すように、油圧ショベル40は、下部走行体42の上部に旋回自在に上部旋回体41を搭載し、上部旋回体41のレボフレーム41aに軸Pによって、第1ブーム10の基端部を上下方向揺動自在に軸支している。第1ブーム10と上部旋回体41との間に取着されたブームシリンダ43の伸縮によって、第1ブーム10は伏仰するようになっている。第1ブーム10の先端部には結合部Aと結合部Bによって第2ブーム20が連結され、第2ブームの先端部には図示しない第3ブーム等の他のブームがシリーズで所定段数連結されている。
なお、各段間の連結構成は同様であるので、以下では第1ブーム10と第2ブーム20間の連結構成について説明する。
【0015】
第1ブーム10と第2ブーム20の結合端部は、側面視で、長手方向ブーム軸線に対して上部が下部よりも前方に位置するように傾斜した形状を成しており、その上部(前側)の結合部Bを連結係合部とし、その下部(後側)の結合部Aを連結固定部としている。
図2,図3に示すように、結合部Aでは、第1ブーム10の結合端部下部のボス1,1とブラケット2,2と第2ブーム20のボス21,21とに、軸芯がPaの左右一対のシリンダピン7,7を挿入して連結を固定している。また、結合部Bでは、第1ブーム10の先端部(結合端部の上部)のフック18と、第2ブーム20の左右のボス22,22に嵌め込んだ、軸芯がPbのピン23とを係合している。以下、結合部A,Bをそれぞれ詳細に説明する。
【0016】
先ず、結合部Aについて、図4〜図7により説明する。図4は結合部Aの断面図であり、図5は、図4のM−M断面図であり、図6は、図5のX視図であり、図7は、結合部Aでの油圧回路図である。なお、図4では、説明の都合によりニップル13,14の位置をずらして示してある。
【0017】
図4に示すように、第1ブーム10の結合端部の下部には左右一対のボス1,1(本例では円筒形であるが、これに限定しない)が固着され、またボス1,1近傍の第1ブーム10の左右側面には、一端部が前記ボス1,1の軸心Pa方向の外方に所定距離離間して位置する左右一対のブラケット2,2の他端部が固着されている。それぞれのボス1には穴1aが穿孔されており、ボス1の軸心Paの線上に位置するそれぞれのブラケット2の部位には穴2aが穿孔されている。左右一対のボス1,1の間にはブラケット4が配設されており、このブラケット4は左右方向にそれぞれ延伸して設けられた左右一対のピストンロッド3,3を有し、該左右一対のピストンロッド3,3を前記ボス1,1の穴1a,1aの内部に挿入している。
【0018】
図5、図6に示すように、前記ブラケット4の外周部には、その接線方向に突設したプレート9aがボルト19aにより固定され、このプレート9aの先端部はプレート9bの穴9cに挿入されており、プレート9bはボルト19b,19bにより左右のボス1,1に固定されている。このプレート9a,9bによって、ブラケット4は回り止めされている。
【0019】
また、左右一対のピストンロッド3,3の先端には、それぞれピストン5,5がロックナット6,6により締着されている。さらに、それぞれのボス1の穴1aの外側には、前記ピストン5に嵌合する内筒部7bを有するシリンダピン7がその外筒部7aで摺動自在に嵌挿されている。左右一対のシリンダピン7,7は、摺動してボス1,1の外方へ突出すると、それぞれ前記ブラケット2,2の穴2a,2aに嵌合可能となっている。それぞれのシリンダピン7の内端にはヘッドカバー8が取着されており、このヘッドカバー8とピストン5との間でヘッド側油室7cを形成している。また、シリンダピン7の外端は閉じていて、ピストン5との間でボトム側油室7dを形成している。さらにピストン5にはシリンダピン7との間にオイルシール等からなる摺動部シール11が設けられ、また、ヘッドカバー8にはピストンロッド3との間にオイルシール等からなる摺動部シール12が設けられている。
【0020】
左右一対のピストンロッド3,3の内部には、それぞれ2本の油路4a,4bが形成されており、一方の油路4aは左右一対のシリンダピン7,7のヘッド側油室7c,7cに、他方の油路4bはボトム側油室7d,7dに、それぞれ連通している。この油路4a,4bは前記ブラケット4の外周面に装着された2つのニップル13,14を介して、図7に示す油圧装置30の切換弁31のポート31a,31bにそれぞれ接続されている。
【0021】
また、第2ブ−ム20の結合端部下側の左右には、左右一対のボス21,21が固着されており、それぞれのボス21の内部には穴21aが穿孔されている。左右一対のボス21,21は、それぞれ第1ブーム10の左右のボス1とブラケット2の間に挿入され、それぞれのボス21の穴21aは前記左右一対のシリンダピン7,7に嵌合するようになっている。
左右一対のシリンダピン7,7が外方に移動した図4の状態では、シリンダピン7,7は左、右において、ボス1の穴1a、ボス21の穴21a、およびブラケット2の穴2aにそれぞれ貫入し、その外端面7eに係止プレート15がボルト16により固定されている。
【0022】
次に、結合部Bについて、図2,3により説明する。
図2,3に示すように、第2ブーム20の結合端部の上側には、前記左右一対のボス21,21より上方に所定距離aだけ離間し、かつ前方に所定距離bだけ離間した位置に、左右一対のボス22,22が固着されており、左右一対のボス22,22の穴22a,22aにはピン23(外径d)が嵌め込まれている。
一方、第1ブーム10の結合端部の上側には、前記第2ブーム20のピン23に対応する位置に、ずなわち左右一対のボス1,1より上方に所定距離aだけ離間し、かつ前方に所定距離bだけ離間した位置に、係合部18aの中心Oを有するフック18が固着されている。すなわち、フック18の係合部18aの中心Oは、第2ブーム20のボス22の穴22aの中心Pbと一致している。また係合部18aの側面視の曲率半径rは、ピン23の外径dの1/2となっている。
【0023】
次に、本実施形態の作用について、図1〜図9を参照して説明する。図8は、左右一対のシリンダピン7,7が内方に移動した状態を示す図であり、図9は、結合部Bにおけるフック18とピン23との係合、離脱状態の説明図である。
【0024】
図1における第2ブーム20を第1ブーム10から取り外すときには、先ず、結合部Aで次の操作を行う。図4において、ボルト16を緩めて左右の係止プレート15,15を取り外す。次いで、図7の切換弁31を操作してN位置からR位置にすると、油圧ポンプ32から吐出された圧油がニップル13に送給され、図8に示すように油路4a,4aを通って左右一対のシリンダピン7,7のヘッド側油室7c,7cに流入し、ボトム側油室7d,7dの油は油路4b、ニップル14を通ってタンク33へ戻るので、左右のシリンダピン7,7はそれぞれ内方へ移動し、その端面7e,7eがボス1,1の外端面よりも外方に突出しない状態になる。
【0025】
次に、結合部Bで次の操作を行う。ブームシリンダ43(図1参照)を操作して、図9に示すように、第1ブーム10の先端部を下方に揺動させながら油圧ショベル40を後退させて、第1ブーム10のフック18の係合部18aを第2ブーム20のピン23から外して離脱位置にする。これにより、第2ブーム20を第1ブーム10から取り外すことができる。
【0026】
取り外されている第2ブーム20を第1ブーム10に連結するときには、上記の取り外し操作を逆の要領で行えばよい。すなわち、先ず、図7の切換弁31を操作してN位置からR位置にして、図8に示すように、左、右のシリンダピン7,7の端面7e,7eがボス1,1の外端面より外方へ突出してない状態にしておく。次いで、図1のブームシリンダ43を操作して、図9に示すように、第1ブーム10の先端部を離脱位置から上方に揺動させつつ、油圧ショベル40を前進させて、第1ブーム10のフック18の係合部18aを第2ブーム20のピン23に嵌め込む。この状態で第1ブーム10を揺動させることにより、第1ブーム10のボス1,1の穴1a,1aと第2ブームのボス21,21の穴21a,21aとの芯を合わせる。
【0027】
次いで、図7の切換弁31を操作してN位置からF位置にすると、図4に示すように、油圧ポンプ32からの圧油がニップル14、油路4bを通って左右のシリンダピン7,7のボトム側油室7d,7dに流入し、ヘッド側油室7c,7cの油は油路4a、ニップル13を通ってタンク33へ戻る。従って、左右のシリンダピン7,7はそれぞれ外方に移動し、ボス1の穴1a、ボス21の穴21a、およびブラケット2の穴2aに貫入して、その端面7eがブラケット2の外端面より突出するようになる。続いて、該端面7eに係止プレート15をボルト16により取り付ける。これにより、第2ブーム20を第1ブーム10に連結することができる。
【0028】
次に、本実施形態の効果について、図1〜図9を参照して説明する。
作業機の複数ブームを順次連結可能とした建設機械(油圧ショベル40等)において、切換弁31の操作により、油圧力によってブームに内蔵した左右の結合ピン(シリンダピン7,7)を抜き差しするため、ピンの抜き差しに人力を必要としないので、ブーム脱着作業が容易である。ここで、前記シリンダピン7は、その内筒部7bにピストン5が固定的に配置され、その外筒部7a(すなわちシリンダチューブに相当する)が摺動してボス1の穴1aに嵌合する構造のため、ボス1の内径はシリンダピン7の外径と等しくすればよいので、ボス1が大きくならず、結合部Aをコンパクトに構成できる。
また、ピストンロッド3とヘッドカバー8の間の摺動部シール12はボス1の穴1a内に配設されるので、外部の塵埃を巻き込むことがなく、このため塵埃等による損傷や磨耗を受けないので、油洩れが起こり難く、寿命を長くできる。
【0029】
結合部Bは、第1ブーム10の傾斜した結合端部の先端部(上部)に固着されたU字形のフック18と、このフック18に対応して第2ブーム20に設けられたピン23とにより係止しているので、フック18とピン23の係合、離脱作業が容易である。しかも、図9に示すように、第1ブーム10と第2ブーム20の対向面17、27は共に、上部が下部よりも前方に位置するような前方上がりの斜面となっており、さらに前記結合部Bは、前記結合部Aより上方に長さaだけ離間し、かつ前方に長さbだけ離間した位置にあり、第1ブーム10の先端部にフック18があるため、第1ブーム10を第2ブーム20に干渉させることなく、フック18とピン23との係合、離脱作業を行うことができる。
【0030】
また、第2ブーム20を第1ブーム10に取り付ける場合は、結合部Bのフック18とピン23を係合させた状態で第1ブーム10を適宜揺動させることにより、結合部Aにおける第1ブーム10のボス1の穴1aと第2ブーム20のボス21の穴21aとの芯合わせが容易にできるので、シリンダピン7の嵌入が容易である。
【0031】
なお、以上の説明では油圧ショベルのブーム間の連結の脱着装置を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば油圧ショベルのアーム間の連結、およびその他の作業機間の連結にも適用可能である。
【0032】
以上説明したように、本発明による作業機の脱着装置によれば、以下の効果が得られる。
(1)二つの作業機の結合部Aの、一方の作業機に固着された左右一対のボスに、左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンに嵌合して前記左右一対のボス内をそれぞれ左右方向に摺動自在とされた左右一対のシリンダピンとを内装し、該左右一対のシリンダピンを、前記結合部Aの他方の作業機の左右に固着された左右一対のボスに油圧力により挿入または抜き出しする構成としたため、従来のように人力でハンマー等を用いて結合ピンを抜き差しする必要がないので、二つの作業機の脱着が非常に容易にでき、作業性を向上できる。また、前記固定ピストンが結合ピンであるシリンダピンの内部にあり、このシリンダピンで二つの作業機を結合するので、前記両作業機に固着されるボスの径は大きくならならず、結合部Aをコンパクトに構成できる。さらに、シリンダピンの摺動部シールが前記一方の作業機に固着されるボスの内部にあるため、該シールが外部の塵埃を巻き込むことがなく、損傷や磨耗がないので、油洩れが無く、耐久寿命を向上できる。
【0033】
(2)前記結合する二つの作業機は、前記結合部Aから離間した位置に他の結合部Bを有し、該結合部Bは前記一方の作業機に固着されたU字形フックと前記他方の作業機に設けられたピンとにより係止するため、このフックとピンとの係合、離脱作業が容易である。また、前記他方の作業機を取り付ける場合は、前記フックを前記ピンに係合させた状態で、前記一方の作業機を揺動させることにより、前記結合部Aにおける一方の作業機のボス穴と他方の作業機のボス穴との芯合わせが容易にできるので、結合ピン(シリンダピン)の嵌入が容易である。
【0034】
(3)前記結合部Bは、側面視で前記結合部Aの上方に所定距離a、かつ前方に所定距離bだけそれぞれ離間した位置にあるため、前記U字形フックを前記一方の作業機の先端に位置させることにより、前記一方の作業機を前記他方の作業機に干渉させることなく、前記フックと前記ピンとの係合、離脱作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルの側面図である。
【図2】第1ブームと第2ブームとの結合部を示す側面図である。
【図3】図2のL−L断面図である。
【図4】結合部(連結固定部)を示す断面図である。
【図5】図4のM−M断面図である。
【図6】図5のX視図である。
【図7】結合部(連結固定部)の油圧回路図である。
【図8】シリンダピンの作動の説明図である。
【図9】結合部(連結係合部)の作用の説明図である。
【図10】従来技術に係るブーム結合部を有する油圧ショベルの側面図である。
【図11】図10のN−N断面図である。
【図12】従来の脱着装置の断面図である。
【符号の説明】
1…ボス、1a…穴、2…ブラケット、2a…穴、3…ピストンロッド、4…ブラケット、4a,4b…油路、5…ピストン、6…ロックナット、7…シリンダピン、7a…外筒部、7b…内筒部、7c…ヘッド側油室、7d…ボトム側油室、8…ヘッドカバー、9a,9b…プレート、10…第1ブーム、11,12…シール、13,14…ニップル、15…係止プレート、16,19a,19b…ボルト、17…斜面、18…フック、18a…係合部、20…第2ブーム、21,22…ボス、21a,22a…穴、23…ピン、27…斜面、30…油圧装置、31…切換弁、32…油圧ポンプ、33…タンク、40…油圧ショベル、41…上部旋回体、41a…レボフレーム、42…下部走行体、43…ブームシリンダ。
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等建設機械の作業機の脱着装置に関し、詳しくは作業機間の結合ピンの脱着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルの作業機の先端部に装着した解体装置を用いて解体する際に、例えば図10に示すように、本体に第1ブーム10Aを装着し、更に第1ブーム10Aに第2ブーム20A、第3ブーム30Aをシリーズで連結して車両から離れた位置で解体作業などを行うことがある。このような作業では、解体作業位置が頻繁に変わり、または解体対象物の高さが頻繁に変わるので、ブーム長を変更するために前記ブームの連結本数を変更することがしばしば必要となる。ところが、従来の作業機連結部の構成は、図10のN−N断面図である図11に示すように、例えば第1ブーム10Aと第2ブーム20Aは、第1ブーム10Aのボス1Aと第2ブーム20Aのボス2Aとにピン23を挿入して、互いに連結されるようになっている。従って、上記のブーム連結本数の変更を行う時には、人力でハンマー等を使用してピン23を抜き差ししている。このため、このピン23の抜き差し作業に2〜3人の作業者が必要なので、作業性が良くなく、変更コストも高くなり、作業も苦渋作業で煩雑であるという問題がある。このような問題を解決するために、ピンの抜き差しを油圧力により行うようにした技術が提案されている。
【0003】
例えば、実開平5−87048号公報に記載されたボス一体型ピン伸縮装置が知られている。図12は、同公報に記載された同装置の断面図である。
図12に示すように、同ピン伸縮装置は、結合対象物の一方部材51のボス51a内に左右一対のピストン53,53を内蔵し、それぞれのシリンダのボトム室をボス51a内の左右中央部に互いに向かい合わせに設け、かつシリンダのヘッド室側を左右外方へ向けて設け、このピストン53,53の外側にピン54,54を突設している。また、前記ボス51aの左右両端部には、前記左右のピン54,54がそれぞれ貫通して摺動する左右のブッシュ55,55が内蔵されており、このブッシュ55,55と前記ピン54,54との間にはそれぞれオイルシールからなる摺動部シール56,56を備えている。
【0004】
前記左右一対のピストン53,53の各シリンダ室に連通する配管Cに油圧装置(図示せず)から圧油を供給すると、前記左右のピン54,54が共に外方に伸びて他方部材52のボス52a,52a内に挿入されるので、結合対象物の一方部材51と他方部材52は連結され、また前記ピン54,54側のヘッド室に連通する配管Dに圧油を供給すると、前記左右のピン54,54が共に内方へ引っ込むので、結合対象物の一方部材51と他方部材52は切り離されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実開平5−87048号公報に記載された技術には、次の問題がある。すなわち、ピン54の面圧、曲げ強度等を考慮して該ピン54の外径を決定すると、ピストン53にピン54を突設しているため、ピストン53の外径はピン54の外径よりも大きくなり、それに伴いボス51aの外径も大きくなる。これにより、ボス51aは本来結合部に要する径よりも大型となり、重量が重くなるという問題がある。また、ボス51aの両端部に設けられたブッシュ55,55とピン54,54との間の摺動部シール56,56は、外部の塵埃を巻き込んで損傷や磨耗が起こり易いため、油洩れが発生し易く、寿命が短い。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、結合ピンの抜き差し作業が容易にでき、しかもコンパクトで、油洩れを起こさない結合部を有する建設機械の作業機の脱着装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1発明は、二つの作業機を互いにピンで結合および分離する作業機の脱着装置において、二つの作業機の結合端部の一方の作業機に固着された左右一対のボスと、該左右一対のボスに内装される左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンにそれぞれの内筒部が嵌合し、かつ前記左右一対のボス内にそれぞれの外筒部で左右方向に摺動自在に嵌合し、前記固定ピストンとの間に形成される一方側油室および他方側油室に交互に圧油を供給することにより前記左右一対のボス内を左右方向に摺動する左右一対のシリンダピンと、前記結合端部の他方の作業機の左右に固着され、前記左右一対のシリンダピンが挿入または抜出しされる左右一対のボスとを備えた構成としている。
【0008】
第1発明によれば、二つの作業機の結合端部の一方の作業機に固着された左右一対のボスに、左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンに嵌合して前記左右一対のボス内を左右方向に摺動可能な左右一対のシリンダピンとを内装し、この左右一対のシリンダピンを、前記結合端部の他方の作業機の左右に固着された左右一対のボスに、油圧力により挿入、抜出しするため、従来のように人力でハンマー等を用いて結合ピンを抜き差しする必要がないので、二つの作業機の脱着(結合、分離)が非常に容易である。
また、シリンダピン自体が摺動して二つの作業機の脱着をするので、シリンダピンの外径と同等の内径を有するボスを使用できるから、両作業機に固着されるボスは大型にならないので、これらの結合部をコンパクトに構成できる。さらに、上記シリンダピンの摺動部シールがボスの内部にあるため、該シールが外部の塵埃を巻き込ことがなく、これによりシールの損傷や磨耗が起こり難いので、油洩れが無くなり、シールの寿命を長期化することができる。
【0009】
第2発明は、第1発明において、前記一方の作業機に設けた左右一対のボスと、左右一対の固定ピストンと、左右一対のシリンダピンと、前記他方の作業機に設けた左右一対のボスとを備えた第1の結合部から所定距離離間した、前記二つの作業機の結合端部の位置に第2の結合部を設け、該第2の結合部には、前記一方の作業機に固着された略U字形状のフックと、前記他方の作業機に設けられ、前記フックに係合して、前記二つの作業機を係止するピンとを備えた構成としている。
【0010】
第2発明によれば、第2の結合部は、一方の作業機に固着されたU字形状のフックと他方の作業機に設けられたピンとの係合により係止するため、前記フックとピンとの係合、離脱作業が容易である。また、一方の作業機に他方の作業機を取り付ける場合は、前記フックを前記ピンに係合させた状態で、一方の作業機を揺動させることにより、第1の結合部における一方の作業機のボス穴と他方の作業機のボス穴との位置合わせが容易にできるので、これらのボス穴へのシリンダピン(結合ピン)の嵌入が容易である。
【0011】
第3発明は、第2発明において、前記第2の結合部は、側面視で前記第1の結合部より上方に、かつ前方に離間した位置に設けた構成としている。
【0012】
第3発明によれば、第2の結合部は、側面視で前記第1の結合部より上方に、かつ前方に離間した位置に設けたため、第2の結合部の前記U字形状のフックおよびこのフックに係止する前記ピンを作業機の前方側に位置させることになり、これにより、一方の作業機を他方の作業機に干渉させることなく、フックとピンとの係合、離脱作業を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態について、図1〜図9により詳細に説明する。なお、図中で、前出の図で示した構成要素と同一のものには同一の符号を付して、以下での説明を省く。
図1は、本発明を適用した油圧ショベルの例を示し、第1ブームに第2ブームを連結した油圧ショベルの側面図である。また図2は、第1ブームと第2ブームとの結合部A,Bを示す側面図であり、図3は、図2のL−L断面図である。
【0014】
図1に示すように、油圧ショベル40は、下部走行体42の上部に旋回自在に上部旋回体41を搭載し、上部旋回体41のレボフレーム41aに軸Pによって、第1ブーム10の基端部を上下方向揺動自在に軸支している。第1ブーム10と上部旋回体41との間に取着されたブームシリンダ43の伸縮によって、第1ブーム10は伏仰するようになっている。第1ブーム10の先端部には結合部Aと結合部Bによって第2ブーム20が連結され、第2ブームの先端部には図示しない第3ブーム等の他のブームがシリーズで所定段数連結されている。
なお、各段間の連結構成は同様であるので、以下では第1ブーム10と第2ブーム20間の連結構成について説明する。
【0015】
第1ブーム10と第2ブーム20の結合端部は、側面視で、長手方向ブーム軸線に対して上部が下部よりも前方に位置するように傾斜した形状を成しており、その上部(前側)の結合部Bを連結係合部とし、その下部(後側)の結合部Aを連結固定部としている。
図2,図3に示すように、結合部Aでは、第1ブーム10の結合端部下部のボス1,1とブラケット2,2と第2ブーム20のボス21,21とに、軸芯がPaの左右一対のシリンダピン7,7を挿入して連結を固定している。また、結合部Bでは、第1ブーム10の先端部(結合端部の上部)のフック18と、第2ブーム20の左右のボス22,22に嵌め込んだ、軸芯がPbのピン23とを係合している。以下、結合部A,Bをそれぞれ詳細に説明する。
【0016】
先ず、結合部Aについて、図4〜図7により説明する。図4は結合部Aの断面図であり、図5は、図4のM−M断面図であり、図6は、図5のX視図であり、図7は、結合部Aでの油圧回路図である。なお、図4では、説明の都合によりニップル13,14の位置をずらして示してある。
【0017】
図4に示すように、第1ブーム10の結合端部の下部には左右一対のボス1,1(本例では円筒形であるが、これに限定しない)が固着され、またボス1,1近傍の第1ブーム10の左右側面には、一端部が前記ボス1,1の軸心Pa方向の外方に所定距離離間して位置する左右一対のブラケット2,2の他端部が固着されている。それぞれのボス1には穴1aが穿孔されており、ボス1の軸心Paの線上に位置するそれぞれのブラケット2の部位には穴2aが穿孔されている。左右一対のボス1,1の間にはブラケット4が配設されており、このブラケット4は左右方向にそれぞれ延伸して設けられた左右一対のピストンロッド3,3を有し、該左右一対のピストンロッド3,3を前記ボス1,1の穴1a,1aの内部に挿入している。
【0018】
図5、図6に示すように、前記ブラケット4の外周部には、その接線方向に突設したプレート9aがボルト19aにより固定され、このプレート9aの先端部はプレート9bの穴9cに挿入されており、プレート9bはボルト19b,19bにより左右のボス1,1に固定されている。このプレート9a,9bによって、ブラケット4は回り止めされている。
【0019】
また、左右一対のピストンロッド3,3の先端には、それぞれピストン5,5がロックナット6,6により締着されている。さらに、それぞれのボス1の穴1aの外側には、前記ピストン5に嵌合する内筒部7bを有するシリンダピン7がその外筒部7aで摺動自在に嵌挿されている。左右一対のシリンダピン7,7は、摺動してボス1,1の外方へ突出すると、それぞれ前記ブラケット2,2の穴2a,2aに嵌合可能となっている。それぞれのシリンダピン7の内端にはヘッドカバー8が取着されており、このヘッドカバー8とピストン5との間でヘッド側油室7cを形成している。また、シリンダピン7の外端は閉じていて、ピストン5との間でボトム側油室7dを形成している。さらにピストン5にはシリンダピン7との間にオイルシール等からなる摺動部シール11が設けられ、また、ヘッドカバー8にはピストンロッド3との間にオイルシール等からなる摺動部シール12が設けられている。
【0020】
左右一対のピストンロッド3,3の内部には、それぞれ2本の油路4a,4bが形成されており、一方の油路4aは左右一対のシリンダピン7,7のヘッド側油室7c,7cに、他方の油路4bはボトム側油室7d,7dに、それぞれ連通している。この油路4a,4bは前記ブラケット4の外周面に装着された2つのニップル13,14を介して、図7に示す油圧装置30の切換弁31のポート31a,31bにそれぞれ接続されている。
【0021】
また、第2ブ−ム20の結合端部下側の左右には、左右一対のボス21,21が固着されており、それぞれのボス21の内部には穴21aが穿孔されている。左右一対のボス21,21は、それぞれ第1ブーム10の左右のボス1とブラケット2の間に挿入され、それぞれのボス21の穴21aは前記左右一対のシリンダピン7,7に嵌合するようになっている。
左右一対のシリンダピン7,7が外方に移動した図4の状態では、シリンダピン7,7は左、右において、ボス1の穴1a、ボス21の穴21a、およびブラケット2の穴2aにそれぞれ貫入し、その外端面7eに係止プレート15がボルト16により固定されている。
【0022】
次に、結合部Bについて、図2,3により説明する。
図2,3に示すように、第2ブーム20の結合端部の上側には、前記左右一対のボス21,21より上方に所定距離aだけ離間し、かつ前方に所定距離bだけ離間した位置に、左右一対のボス22,22が固着されており、左右一対のボス22,22の穴22a,22aにはピン23(外径d)が嵌め込まれている。
一方、第1ブーム10の結合端部の上側には、前記第2ブーム20のピン23に対応する位置に、ずなわち左右一対のボス1,1より上方に所定距離aだけ離間し、かつ前方に所定距離bだけ離間した位置に、係合部18aの中心Oを有するフック18が固着されている。すなわち、フック18の係合部18aの中心Oは、第2ブーム20のボス22の穴22aの中心Pbと一致している。また係合部18aの側面視の曲率半径rは、ピン23の外径dの1/2となっている。
【0023】
次に、本実施形態の作用について、図1〜図9を参照して説明する。図8は、左右一対のシリンダピン7,7が内方に移動した状態を示す図であり、図9は、結合部Bにおけるフック18とピン23との係合、離脱状態の説明図である。
【0024】
図1における第2ブーム20を第1ブーム10から取り外すときには、先ず、結合部Aで次の操作を行う。図4において、ボルト16を緩めて左右の係止プレート15,15を取り外す。次いで、図7の切換弁31を操作してN位置からR位置にすると、油圧ポンプ32から吐出された圧油がニップル13に送給され、図8に示すように油路4a,4aを通って左右一対のシリンダピン7,7のヘッド側油室7c,7cに流入し、ボトム側油室7d,7dの油は油路4b、ニップル14を通ってタンク33へ戻るので、左右のシリンダピン7,7はそれぞれ内方へ移動し、その端面7e,7eがボス1,1の外端面よりも外方に突出しない状態になる。
【0025】
次に、結合部Bで次の操作を行う。ブームシリンダ43(図1参照)を操作して、図9に示すように、第1ブーム10の先端部を下方に揺動させながら油圧ショベル40を後退させて、第1ブーム10のフック18の係合部18aを第2ブーム20のピン23から外して離脱位置にする。これにより、第2ブーム20を第1ブーム10から取り外すことができる。
【0026】
取り外されている第2ブーム20を第1ブーム10に連結するときには、上記の取り外し操作を逆の要領で行えばよい。すなわち、先ず、図7の切換弁31を操作してN位置からR位置にして、図8に示すように、左、右のシリンダピン7,7の端面7e,7eがボス1,1の外端面より外方へ突出してない状態にしておく。次いで、図1のブームシリンダ43を操作して、図9に示すように、第1ブーム10の先端部を離脱位置から上方に揺動させつつ、油圧ショベル40を前進させて、第1ブーム10のフック18の係合部18aを第2ブーム20のピン23に嵌め込む。この状態で第1ブーム10を揺動させることにより、第1ブーム10のボス1,1の穴1a,1aと第2ブームのボス21,21の穴21a,21aとの芯を合わせる。
【0027】
次いで、図7の切換弁31を操作してN位置からF位置にすると、図4に示すように、油圧ポンプ32からの圧油がニップル14、油路4bを通って左右のシリンダピン7,7のボトム側油室7d,7dに流入し、ヘッド側油室7c,7cの油は油路4a、ニップル13を通ってタンク33へ戻る。従って、左右のシリンダピン7,7はそれぞれ外方に移動し、ボス1の穴1a、ボス21の穴21a、およびブラケット2の穴2aに貫入して、その端面7eがブラケット2の外端面より突出するようになる。続いて、該端面7eに係止プレート15をボルト16により取り付ける。これにより、第2ブーム20を第1ブーム10に連結することができる。
【0028】
次に、本実施形態の効果について、図1〜図9を参照して説明する。
作業機の複数ブームを順次連結可能とした建設機械(油圧ショベル40等)において、切換弁31の操作により、油圧力によってブームに内蔵した左右の結合ピン(シリンダピン7,7)を抜き差しするため、ピンの抜き差しに人力を必要としないので、ブーム脱着作業が容易である。ここで、前記シリンダピン7は、その内筒部7bにピストン5が固定的に配置され、その外筒部7a(すなわちシリンダチューブに相当する)が摺動してボス1の穴1aに嵌合する構造のため、ボス1の内径はシリンダピン7の外径と等しくすればよいので、ボス1が大きくならず、結合部Aをコンパクトに構成できる。
また、ピストンロッド3とヘッドカバー8の間の摺動部シール12はボス1の穴1a内に配設されるので、外部の塵埃を巻き込むことがなく、このため塵埃等による損傷や磨耗を受けないので、油洩れが起こり難く、寿命を長くできる。
【0029】
結合部Bは、第1ブーム10の傾斜した結合端部の先端部(上部)に固着されたU字形のフック18と、このフック18に対応して第2ブーム20に設けられたピン23とにより係止しているので、フック18とピン23の係合、離脱作業が容易である。しかも、図9に示すように、第1ブーム10と第2ブーム20の対向面17、27は共に、上部が下部よりも前方に位置するような前方上がりの斜面となっており、さらに前記結合部Bは、前記結合部Aより上方に長さaだけ離間し、かつ前方に長さbだけ離間した位置にあり、第1ブーム10の先端部にフック18があるため、第1ブーム10を第2ブーム20に干渉させることなく、フック18とピン23との係合、離脱作業を行うことができる。
【0030】
また、第2ブーム20を第1ブーム10に取り付ける場合は、結合部Bのフック18とピン23を係合させた状態で第1ブーム10を適宜揺動させることにより、結合部Aにおける第1ブーム10のボス1の穴1aと第2ブーム20のボス21の穴21aとの芯合わせが容易にできるので、シリンダピン7の嵌入が容易である。
【0031】
なお、以上の説明では油圧ショベルのブーム間の連結の脱着装置を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば油圧ショベルのアーム間の連結、およびその他の作業機間の連結にも適用可能である。
【0032】
以上説明したように、本発明による作業機の脱着装置によれば、以下の効果が得られる。
(1)二つの作業機の結合部Aの、一方の作業機に固着された左右一対のボスに、左右一対の固定ピストンと、該左右一対の固定ピストンに嵌合して前記左右一対のボス内をそれぞれ左右方向に摺動自在とされた左右一対のシリンダピンとを内装し、該左右一対のシリンダピンを、前記結合部Aの他方の作業機の左右に固着された左右一対のボスに油圧力により挿入または抜き出しする構成としたため、従来のように人力でハンマー等を用いて結合ピンを抜き差しする必要がないので、二つの作業機の脱着が非常に容易にでき、作業性を向上できる。また、前記固定ピストンが結合ピンであるシリンダピンの内部にあり、このシリンダピンで二つの作業機を結合するので、前記両作業機に固着されるボスの径は大きくならならず、結合部Aをコンパクトに構成できる。さらに、シリンダピンの摺動部シールが前記一方の作業機に固着されるボスの内部にあるため、該シールが外部の塵埃を巻き込むことがなく、損傷や磨耗がないので、油洩れが無く、耐久寿命を向上できる。
【0033】
(2)前記結合する二つの作業機は、前記結合部Aから離間した位置に他の結合部Bを有し、該結合部Bは前記一方の作業機に固着されたU字形フックと前記他方の作業機に設けられたピンとにより係止するため、このフックとピンとの係合、離脱作業が容易である。また、前記他方の作業機を取り付ける場合は、前記フックを前記ピンに係合させた状態で、前記一方の作業機を揺動させることにより、前記結合部Aにおける一方の作業機のボス穴と他方の作業機のボス穴との芯合わせが容易にできるので、結合ピン(シリンダピン)の嵌入が容易である。
【0034】
(3)前記結合部Bは、側面視で前記結合部Aの上方に所定距離a、かつ前方に所定距離bだけそれぞれ離間した位置にあるため、前記U字形フックを前記一方の作業機の先端に位置させることにより、前記一方の作業機を前記他方の作業機に干渉させることなく、前記フックと前記ピンとの係合、離脱作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルの側面図である。
【図2】第1ブームと第2ブームとの結合部を示す側面図である。
【図3】図2のL−L断面図である。
【図4】結合部(連結固定部)を示す断面図である。
【図5】図4のM−M断面図である。
【図6】図5のX視図である。
【図7】結合部(連結固定部)の油圧回路図である。
【図8】シリンダピンの作動の説明図である。
【図9】結合部(連結係合部)の作用の説明図である。
【図10】従来技術に係るブーム結合部を有する油圧ショベルの側面図である。
【図11】図10のN−N断面図である。
【図12】従来の脱着装置の断面図である。
【符号の説明】
1…ボス、1a…穴、2…ブラケット、2a…穴、3…ピストンロッド、4…ブラケット、4a,4b…油路、5…ピストン、6…ロックナット、7…シリンダピン、7a…外筒部、7b…内筒部、7c…ヘッド側油室、7d…ボトム側油室、8…ヘッドカバー、9a,9b…プレート、10…第1ブーム、11,12…シール、13,14…ニップル、15…係止プレート、16,19a,19b…ボルト、17…斜面、18…フック、18a…係合部、20…第2ブーム、21,22…ボス、21a,22a…穴、23…ピン、27…斜面、30…油圧装置、31…切換弁、32…油圧ポンプ、33…タンク、40…油圧ショベル、41…上部旋回体、41a…レボフレーム、42…下部走行体、43…ブームシリンダ。
Claims (3)
- 二つの作業機(10,20) を互いにピンで結合および分離する作業機の脱着装置において、
二つの作業機(10,20)の結合端部の一方の作業機(10)に固着された左右一対のボス(1,1) と、
該左右一対のボス(1,1) に内装される左右一対の固定ピストン(5,5) と、
該左右一対の固定ピストン(5,5) にそれぞれの内筒部(7b,7b)が嵌合し、かつ前記左右一対のボス(1,1) 内にそれぞれの外筒部(7a,7a)で左右方向に摺動自在に嵌合し、前記固定ピストン(5,5) との間に形成される一方側油室(7c,7c) および他方側油室(7d,7d) に交互に圧油を供給することにより前記左右一対のボス(1,1) 内を左右方向に摺動する左右一対のシリンダピン(7,7) と、
前記結合端部の他方の作業機(20)の左右に固着され、前記左右一対のシリンダピン(7,7) が挿入または抜出しされる左右一対のボス(21,21) とを備えたことを特徴とする作業機の脱着装置。 - 請求項1記載の作業機の脱着装置において、
前記一方の作業機(10)に設けた左右一対のボス(1,1) と、左右一対の固定ピストン(5,5) と、左右一対のシリンダピン(7,7) と、前記他方の作業機(20)に設けた左右一対のボス(21,21) とを備えた第1の結合部(A) から所定距離離間した、前記二つの作業機(10,20) の結合端部の位置に第2の結合部(B) を設け、
該第2の結合部(B) には、前記一方の作業機(10)に固着された略U字形状のフック(18)と、前記他方の作業機(20)に設けられ、前記フック(18)に係合して、前記二つの作業機(10,20) を係止するピン(23)とを備えたことを特徴とする作業機の脱着装置。 - 請求項2記載の作業機の脱着装置において、
前記第2の結合部(B) は、側面視で前記第1の結合部(A) より上方に、かつ前方に離間した位置に設けたことを特徴とする作業機の脱着装置。
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