JP2004075805A - 弗素樹脂組成物 - Google Patents

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Mutsuko Ikeda
池田 睦子
Yoshinobu Yada
矢田 義信
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Abstract

【目的】柔軟性に優れると共に、伸長性が優れそのバラツキも小さく、且つ、耐熱性にも優れた弗素樹脂組成物を提供する。
【構成】下記の(A)成分、及び(B)成分を含有してなる弗素樹脂組成物。
(A)温度230℃、荷重5kg(49.03N)で測定したメルトフローレートが5g/10分以上の弗素樹脂;5〜95重量%
(B)エチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートを、ラジカル発生剤の存在下で水性懸濁法によるグラフト反応条件に付して得られた変性エチレン系重合体であって、メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が5〜80重量%である変性エチレン系重合体;95〜5重量%

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性に優れると共に、伸長性が優れそのバラツキも小さく、且つ、耐熱性にも優れた弗素樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂は、その優れた機械的性質、耐薬品性、耐溶剤性、耐油性、耐水性、耐熱性、電気絶縁性、難燃性等を活かして、各種のパイプ、チューブ、パッキング、及び、パイプやタンク等の内面コーティング、並びに、コンピューター、航空機、家電用の電線被覆等の分野に広く用いられている。
【0003】
しかしながら、弗素樹脂は、一般に柔軟性に劣り、その柔軟性を付与すると材料伸びが低下するという問題が生じ、一方、弗素樹脂に、エチレン−酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニルをグラフト反応条件に付して得られた特定の改質エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合することにより、弗素樹脂としての上記欠点を改良する方法が提案されている(例えば、特開平8−241628号公報等参照。)ものの、本発明者等の検討によると、材料伸びの面で更に改良の余地を残すと共に伸びにバラツキがあり、且つ、耐熱性の低下が著しいことが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、柔軟性に優れると共に、伸長性が優れそのバラツキも小さく、且つ、耐熱性にも優れた弗素樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の弗素樹脂と、メチル(メタ)アクリレート〔尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」、又は/及び、「メタクリレート」を意味するものとする。〕による特定の変性エチレン系重合体との弗素樹脂組成物が、前記目的を達成できることを見い出し本発明に到達したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成分、及び(B)成分を含有してなる弗素樹脂組成物、を要旨とする。
【0006】
(A)温度230℃、荷重5kg(49.03N)で測定したメルトフローレートが5g/10分以上の弗素樹脂;5〜95重量%
(B)エチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートを、ラジカル発生剤の存在下で水性懸濁法によるグラフト反応条件に付して得られた変性エチレン系重合体であって、メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が5〜80重量%である変性エチレン系重合体;95〜5重量%
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の弗素樹脂組成物を構成する(A)成分の弗素樹脂としては、例えば、弗化ビニル、弗化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の弗素含有単量体の単独重合体又は共重合体、それらの弗素含有単量体とエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体等、具体的には、例えば、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の単独重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、弗化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、弗化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、弗化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の共重合体が挙げられる。
【0008】
これらの中で、本発明においては、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及び弗化ビニリデン系共重合体等が好ましく、本発明の効果を顕著に発現し得ることから、ポリ弗化ビニリデン、及び弗化ビニリデン系共重合体が特に好ましい。
【0009】
又、本発明において、(A)成分の前記弗素樹脂は、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重5kg(49.03N)で測定したメルトフローレートが5g/10分以上であることが必須であり、メルトフローレートが前記範囲未満では、弗素樹脂組成物として伸長性及びそのバラツキが劣ることとなる。メルトフローレートは、5〜50g/10分であるものが好ましく、10〜20g/10分であるものが特に好ましい。
【0010】
又、本発明の弗素樹脂組成物を構成する(B)成分の変性エチレン系重合体は、エチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートを、ラジカル発生剤の存在下で水性懸濁法によるグラフト反応条件に付して得られたものであって、そのエチレン系重合体としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18程度の他のα−オレフィンとの共重合体、及び、エチレンと、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリル酸、又は、アルキル(炭素数が1〜8程度)(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸又はそのアルキルエステル等の他単量体との共重合体等が挙げられる。
【0011】
それらのエチレン系重合体として、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びそのアイオノマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−メチル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらの中で、本発明においては、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体が好ましく、そのメチル(メタ)アクリレート単位の含有量は1〜30重量%であるのが好ましい。
【0012】
尚、(B)成分における前記エチレン系重合体としては、JIS K7210に準拠して温度190℃、荷重2.16kg(21.18N)で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であるものが好ましい。
【0013】
本発明の弗素樹脂組成物を構成する(B)成分の変性エチレン系重合体は、前記エチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートを、ラジカル発生剤の存在下で水性懸濁法によるグラフト反応条件に付して得られたものである。メチル(メタ)アクリレート以外の、例えばエチル(メタ)アクリレート等では、弗素樹脂組成物としての伸長性が不十分となるばかりか、耐熱性が劣ることとなる。
【0014】
本発明において、ラジカル発生剤としては、分解温度が50℃以上であって、油溶性であるものが好ましい。分解温度が50℃未満のものでは、メチル(メタ)アクリレートの重合が異常に進行して均質な変性重合体が得られにくい傾向となる。尚、ここで、分解温度とは、ベンゼン1リットル中にラジカル発生剤0.1モルを添加して10時間放置したときにラジカル発生剤の50%が分解するときの温度、所謂、10時間半減期温度である。
【0015】
そのラジカル発生剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられ、これらのラジカル発生剤は2種以上が併用されてもよい。
【0016】
尚、メチル(メタ)アクリレートの使用量は、前記エチレン系重合体100重量部に対して10〜100重量部程度とするのが好ましく、又、前記ラジカル発生剤の使用量は、メチル(メタ)アクリレートの使用量による変わるが、メチル(メタ)アクリレート100重量部に対して0.01〜10重量部程度とするのが好ましい。
【0017】
本発明において、(B)成分の変性エチレン系重合体の好適な水性懸濁グラフト反応条件としては、前記エチレン系重合体、メチル(メタ)アクリレート、及び前記ラジカル発生剤の所定量を含む水性懸濁液を、ラジカル発生剤の分解が実質的に起こらない温度に昇温してメチル(メタ)アクリレートをエチレン系重合体に含浸させた後、更に昇温してグラフト反応を完結させる方法である。
【0018】
ここで、水性懸濁液は、エチレン系重合体の水性懸濁液に、ラジカル発生剤を溶存させたメチル(メタ)アクリレートを加えて攪拌するか、ラジカル発生剤を溶存させたメチル(メタ)アクリレートの水性懸濁液に、エチレン系重合体を加えて攪拌する等、いずれかの方法によって作製するのが好ましい。
【0019】
又、その水性懸濁液中のエチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートの濃度は、水100重量部に対して5〜100重量部程度であり、安定な分散状態を保つために、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース等の水溶性高分子、アルキルベンゼンスルホネート等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、或いは、酸化マグネシウム、燐酸カルシウム等の水不溶性の無機塩等の懸濁安定剤を、単独で又は併用して、水に対して0.001〜10重量%程度用いることが好ましい。
【0020】
又、エチレン系重合体へのメチル(メタ)アクリレートの含浸は、攪拌下、一般的には室温〜100℃、好ましくは20〜70℃程度の温度で、遊離のメチル(メタ)アクリレートがその全量の80重量%以下となる程度まで、通常は0.1〜8時間程度でなされる。エチレン系重合体はメチル(メタ)アクリレートと比較的相溶性があるので、反応開始前にこの程度のメチル(メタ)アクリレートが遊離していても、反応中にこれらのメチル(メタ)アクリレートはエチレン系重合体に含浸し、均質な変性重合体が得られることとなる。
【0021】
又、グラフト反応は、一般的には、攪拌下、50〜150℃程度の温度、常圧〜10kg/cm2 程度の圧力で、0.1〜10時間程度でなされるが、その間の温度及び圧力は、一定である必要はない。尚、反応に用いられるエチレン系重合体は、粉粒状で用いられるが、平均粒径が1〜8mm、特には1〜5mmの粒子状であるのが好ましい。
【0022】
そして、本発明において、弗素樹脂組成物を構成する(B)成分の変性エチレン系重合体は、メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が5〜80重量%であることを必須とし、メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が10〜75重量%であるのが好ましく、20〜70重量%であるのが更に好ましい。メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が前記範囲未満では、弗素樹脂組成物としての伸長性、及び耐熱性が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では、成形加工性が不良となる。
【0023】
尚、本発明において、(B)成分の変性エチレン系重合体におけるメチル(メタ)アクリレート単位の前記含有量は、変性エチレン系重合体の製造時に生じる、エチレン系重合体にグラフトされたメチル(メタ)アクリレート単位、及び単独重合されたメチル(メタ)アクリレート単位の外、グラフト変性に供したエチレン系重合体に共重合されていたメチル(メタ)アクリレート単位をも包含するものとし、従って、グラフト変性に供するエチレン系重合体としてエチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体が、変性エチレン系重合体中のメチル(メタ)アクリレート単位の含有量を増加せしめ得ることから好ましい。尚、本発明において、変性エチレン系重合体におけるメチル(メタ)アクリレート単位の含有量は、赤外分光法により測定したものである。
【0024】
本発明の弗素樹脂組成物における(A)成分と(B)成分の組成割合は、(A)成分の前記弗素樹脂が5〜95重量%、(B)成分の前記変性エチレン系重合体が95〜5重量%であることが必須であり、(A)成分が20〜90重量%、(B)成分が80〜10重量%であるのが好ましく、(A)成分が50〜90重量%、(B)成分が50〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0025】
(A)成分が前記範囲未満で(B)成分が前記範囲超過では、弗素樹脂組成物として弗素樹脂の有する諸特性を発現し得なくなり、一方、(A)成分が前記範囲超過で(B)成分が前記範囲未満では、柔軟性が劣ることとなる。
【0026】
本発明の弗素樹脂組成物には、(A)成分の前記弗素樹脂、(B)成分の前記変性エチレン系重合体の外に、本発明の効果を損なわない範囲で、これら以外の熱可塑性樹脂やゴム、及び、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、ハロゲン捕捉剤、銅害防止剤、着色剤、充填材等が添加されていてもよい。これらの添加は、(A)成分の弗素樹脂や(B)成分において変性に供するエチレン系重合体に予め加えておくとか、組成物の製造時に加えるとかの外、(B)成分の変性エチレン系重合体の製造時に、例えば、メチル(メタ)アクリレートにラジカル発生剤と共に加える等の方法によってもよい。
【0027】
本発明の弗素樹脂組成物は、(A)成分の前記弗素樹脂、(B)成分の前記変性エチレン系重合体、及び、必要に応じて用いられるその他材料、添加剤等を、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合した後、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより調製される。
【0028】
本発明の弗素樹脂組成物は、従来公知の方法により、溶融成形して所望形状の成形体とされるが、基材上にアンカーコート剤を介して又は介さずして、逐次押出ラミネート、サンドイッチ押出ラミネート、共押出ラミネートする方法、或いは、基材と弗素樹脂組成物、及び、更に異種樹脂や同種樹脂とを共押出する方法、並びに、予めフィルム状とし基材に熱融着する方法等により積層体として用いるのにも適する。具体的には、例えば、押出成形等によりフィラメント、パイプ、チューブ、シート、フィルム等に成形され、釣り糸、及び、超純水、半導体、医薬等製造用のパイプ、タンクのオーバーレイ用フィルム等として好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、各実施例及び比較例において用いた(A)成分の弗素樹脂、及び(B)成分の変性エチレン系重合体を、それぞれ以下に示す。
【0030】
<(A)弗素樹脂>
▲1▼ポリ弗化ビニリデン(230℃、5kg荷重でのメルトフローレート17g/10分、アトケム社製「Kynar720」)
▲2▼ポリ弗化ビニリデン(230℃、5kg荷重でのメルトフローレート7g/10分、呉羽化学社製「KF1000」)
▲3▼(比較例用)ポリ弗化ビニリデン(230℃、5kg荷重でのメルトフローレート4g/10分、呉羽化学社製「KF1100」)
▲4▼(比較例用)ポリ弗化ビニリデン(230℃、5kg荷重でのメルトフローレート1g/10分、呉羽化学社製「KF1300」)
【0031】
<(B)変性エチレン系重合体>
▲1▼下記製造例で得られたメチルアクリレート変性エチレン−メチルアクリレート共重合体。
50リットル容量のオートクレーブに、水20kgと、懸濁剤として第三燐酸カルシウム0.6kgとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gとを入れて水性媒体とし、これに平均粒径1〜3mmのエチレン−メチルアクリレート共重合体(メチルアクリレート単位含有量15重量%、190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート2g/10分)粒子4.8kgを加え、攪拌して水性懸濁液とした。この水性懸濁液に、ラジカル発生剤としてアゾビスイソブチロニトリル18gを溶解したメチルアクリレート3.2kgを加え、オートクレーブ内に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2 Gに加圧した後、オートクレーブ内を45℃に昇温し、この温度で5時間攪拌して、ラジカル発生剤を含むメチルアクリレートの全量をエチレン−メチルアクリレート共重合体粒子中に含浸させた。引き続いて、オートクレーブ内を75℃に昇温し、この温度で5時間攪拌してグラフト反応を行い、更に90℃に昇温し、この温度で3時間攪拌して反応を完結させた。冷却後、反応固形物を取り出して水洗し、粒子状のメチルアクリレート変性エチレン−メチルアクリレート共重合体7.9kgを得た。得られた変性重合体は、メチルアクリレート単位の合計含有量が49.0重量%のものであった。
【0032】
▲2▼エチレン−エチルアクリレート共重合体(エチルアクリレート単位含有量15重量%、190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート0.5g/10分)を前記製造例と同様にしてメチルアクリレートで変性することにより得られたものであって、メチルアクリレート単位の含有量が40.0重量%(エチルアクリレート単位の含有量は9.0重量%)であるメチルアクリレート変性エチレン−エチルアクリレート共重合体。
【0033】
▲3▼(比較例用)エチレン−エチルアクリレート共重合体(エチルアクリレート単位含有量15重量%、190℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート0.5g/10分)を前記製造例と同様にしてエチルアクリレートで変性することにより得られたものであって、エチルアクリレート単位の合計含有量が49.0重量%であるエチルアクリレート変性エチレン−エチルアクリレート共重合体。
【0034】
実施例1〜3、比較例1〜6
(A)弗素樹脂、及び(B)変性エチレン系重合体として、各々表1に示すものを表1に示す割合で用い、その合計量100重量部に対して、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャルティケミカルズ社製「Irganox 1010」)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出機にて210℃で溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化して弗素樹脂組成物を製造した。
【0035】
得られた各弗素樹脂組成物について、Tダイを備えたシート成形機より210℃でシート状に溶融押出して、厚み1mmのシートを成形し、得られた各シートについて、以下に示す方法で、柔軟性、伸長性、及び耐熱性を評価し、結果を表1に示した。
【0036】
<柔軟性>
JIS K7106に準拠して、荷重2kg又は0.5kgでオルゼン曲げ試験を実施し、オルゼン曲げこわさを測定した。
【0037】
<伸長性>
JIS K7113に準拠し、各シートから2号形試験片を打ち抜き、23℃雰囲気下で2日間放置した後、オートグラフにより引張速度50mm/分で引張試験を実施し、その際の引張破壊伸びを測定した。尚、引張試験は、各シートから試験片6点を打ち抜き、それらの引張破壊伸びの最小値及び最大値、及び単純平均値を算出すると共に、標準偏差を算出した。
【0038】
<耐熱性>
各シートから直径4cmの円形試験片を打ち抜き、190℃に設定されたオーブン中に300時間、及び600時間放置した後、オーブンから取り出して冷却させ、往復5回、180度に折り曲げ試験を実施したときの亀裂の発生状況を目視観察し、以下の基準で評価した。
○ ;亀裂発生せず。
× ;亀裂発生。
××;オーブン中で溶融変形して試験できず。
【0039】
【表1】
Figure 2004075805
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟性に優れると共に、伸長性が優れそのバラツキも小さく、且つ、耐熱性にも優れた弗素樹脂組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 下記の(A)成分、及び(B)成分を含有してなることを特徴とする弗素樹脂組成物。
    (A)温度230℃、荷重5kg(49.03N)で測定したメルトフローレートが5g/10分以上の弗素樹脂;5〜95重量%
    (B)エチレン系重合体とメチル(メタ)アクリレートを、ラジカル発生剤の存在下で水性懸濁法によるグラフト反応条件に付して得られた変性エチレン系重合体であって、メチル(メタ)アクリレート単位の含有量が5〜80重量%である変性エチレン系重合体;95〜5重量%
  2. (A)成分の弗素樹脂が、ポリ弗化ビニリデン又は弗化ビニリデン系共重合体である請求項1に記載の弗素樹脂組成物。
  3. (B)成分におけるエチレン系重合体が、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体である請求項1又は2に記載の弗素樹脂組成物。
  4. (B)成分の変性エチレン系重合体のグラフト反応条件が、エチレン系重合体、メチル(メタ)アクリレート、及びラジカル発生剤を含む水性懸濁液を、ラジカル発生剤の分解が実質的に起こらない温度に昇温してメチル(メタ)アクリレートをエチレン系重合体に含浸させた後、更に昇温してグラフト反応を完結させてなるものである請求項1乃至3のいずれかに記載の弗素樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009533515A (ja) * 2006-04-14 2009-09-17 アルケマ フランス Pvdfベースの導電性組成物

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