JP2004075519A - ワークの整列方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】振り込み治具に形成された凹部に、ワークをスムーズに一つずつ収容し、平板上にワークを均一に整列させることができるワークの整列方法を提供する。
【解決手段】開口部12a側にテーパ部13を有する凹部12が形成された振り込み治具11を準備し、凹部12にワークXを収容し、振り込み治具11の一方主面上に平板19を載置し、振り込み治具11と平板19とを反転させ、平板19上にワークXを整列させる。
【選択図】 図6
【解決手段】開口部12a側にテーパ部13を有する凹部12が形成された振り込み治具11を準備し、凹部12にワークXを収容し、振り込み治具11の一方主面上に平板19を載置し、振り込み治具11と平板19とを反転させ、平板19上にワークXを整列させる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、セラミック成形体などのワークを、平板上に移載し整列させるワークの整列方法に関する。
【0001】
【従来の技術】
セラミック電子部品を製造する際には、所定の形状に成形されたセラミック成形体を平板上に載置して焼成することが行われている。このようにしてセラミック成形体を焼成する場合、セラミック成形体どうしがくっつかないように、複数のセラミック成形体を一定の間隔をあけて整列させる必要がある。
【0002】
上記のように、セラミック成形体などのワークを整列させる方法としては、例えば、図14に示すような方法が用いられている。この方法では、まず、図14(A)に示すように、振り込み治具51を揺動することにより、振り込み治具51の一方主面上に形成された凹部52にワークXを収容する。次に、図14(B)に示すように、振り込み治具51上に平板59を載置する。次に、図14(C)に示すように、振り込み治具51および平板59を反転させることにより、ワークXを平板59上に移載する。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−143368号公報(全頁、全図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように、凹部52の側面が振り込み治具51の主面に対して垂直である場合、図15に示すように、ワークXが凹部52の開口部に引っ掛かって斜めの状態で凹部52に収容されたり、図16に示すように、2つのワークXが凹部52に収容されたりすることがあった。
【0005】
図15の場合、振り込み治具51上に平板59を載置した際に、振り込み治具51と平板59との間に隙間ができる。したがって、振り込み治具51および平板59を反転させる際に、その隙間からワークXが落下するという問題があった。一方、図16の場合では、平板59上にワークXを移載した際に、ワークXどうしがくっついてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、振り込み治具に形成された凹部に、ワークをスムーズに一つずつ収容し、平板上にワークを均一に整列させることができるワークの整列方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワークの整列方法は、平板形状を有する振り込み治具の一方主面上に、ワークを載置する工程と、振り込み治具を揺動することにより、振り込み治具の一方主面に形成された凹部にワークを収容する工程と、振り込み治具から平板上にワークを移載する工程と、を備え、凹部は、凹部の開口部側に位置し、凹部の開口部に向かって次第に径が広くなるように傾斜した側面を有するテーパ部と、テーパ部と凹部の底面との間に位置し、振り込み治具の主面に対して垂直な側面を有するストレート部と、からなることを特徴とする。
【0008】
また、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部のストレート部の長さをL、幅をW(ただし、l≦Lかつw≦W)とし、凹部の深さをDとしたとき、L≧DかつW≧Dであることが好ましい。
【0009】
さらに、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部のストレート部の深さをD1としたとき、l/2>D1かつw/2>D1であることが好ましい。
【0010】
さらに、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部の深さをDとしたとき、t≦Dであり、平板上にワークを移載する工程において、振り込み治具の一方主面上に平板を載置し、振り込み治具と平板とを反転させ、平板上にワークを整列させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は、本発明に係るワークの整列方法において用いられる振り込み治具の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示すように、平板形状を有する振り込み治具11の一方主面上には、ワークを収容するための凹部12が形成されている。凹部12は、凹部の開口部12a側に位置するテーパ部13と、テーパ部13と凹部の底面12bとの間に位置するストレート部14とからなる。テーパ部13は、凹部の開口部12aに向かって次第に径が広くなるように傾斜した側面13aを有する。ストレート部14は、振り込み治具11の主面に対して垂直な側面14aを有する。
【0012】
図1に示すように、複数の凹部12は、各開口部12aを隣接させて形成されていることが好ましい。凹部12にはテーパ部13が形成されているため、このように開口部12aを隣接させても、ワークを平板上に移載する際にワークどうしがくっつくことがない。したがって、たくさんのワークを振り込み治具11に効率よく収容することができる。
【0013】
図2(A)は、図1に示す凹部12を開口部12a側から見た上面図である。図2(A)においては、凹部12は方形形状をしているが、凹部12の形状はワークの形状に応じて適宜変更されるものである。例えば、ワークとしてセラミック成形体を用いる場合、製造過程でセラミック成形体にクラックやひび割れが生じないように、セラミック成形体の角部に丸みをつけることがある。この場合、図2(B)に示すように、凹部12は、角部に丸みのついた形状にすることが好ましい。
【0014】
図3は、本発明において用いられる振り込み治具を備えた振り込み装置の一実施形態を示す概略斜視図である。振り込み装置15は、一方主面上に凹部12が形成された振り込み治具11と、振り込み治具11の両側に配置されたストック部16と、第1の揺動モータ17と、第2の揺動モータ18とからなる。振り込み治具11は、着脱可能な状態で振り込み装置15に備えられている。ストック部16には、振り込み治具11の凹部12に収容されるワークがストックされる。
【0015】
振り込み装置15においては、第1の揺動モータ17で振り込み治具11を図中Aで示す平面方向に揺動させ、第2の揺動モータ18で振り込み治具11を図中Bで示す回転方向に揺動させる。
【0016】
図3において、振り込み治具11に形成された凹部12は、第2の揺動モータ18の軸心C方向に対して、平行な辺と垂直な辺とで構成される方形形状である。この場合、ワークの高さが凹部12の深さより大きいと、図4に示すように、振り込み治具11の凹部12に収容されたワークX1,X2間に、ワークX3が挟まって抜けなくなることがある。この問題を解決するためには、図5に示すように、第2の揺動モータ18の軸心C方向に対して両辺が斜めになるように、振り込み治具11に凹部12を形成してやればよい。これにより、ワーク間に別のワークが挟まっても、そのワークを解放することができる。
【0017】
図6は、本発明に係るワークの整列方法を示す概略工程図である。
まず、振り込み治具11の一方主面上に、セラミック成形体などのワークXを載置し、振り込み治具11を揺動することにより、図6(A)に示すように、凹部12にワークXを収容する。次に、図6(B)に示すように、振り込み治具11の一方主面上に平板19を載置する。次に、図6(C)に示すように、振り込み治具11と平板19とを反転させ、平板19上にワークXを整列させる。なお、振り込み治具11と平板19とを反転させる際には、平板19を振り込み治具11に固定する必要がある。この手段としては、例えば、クランプにより平板19を振り込み治具11に押し付けて固定するといった手段が挙げられる。また、振り込み治具11を反転させる手段としては、例えば、図3で示した振り込み装置15において、第2の揺動モータ18を180°回転させるといった手段が挙げられる。
【0018】
このように、凹部12の開口部12a側をテーパ部13で構成することにより、ワークXはスムーズに凹部12に収容される。また、傾斜した側面13aに沿ってワークXが傾きやすくなっているため、仮に凹部12に2つのワークXが入り込んだとしても、揺動により容易に一方のワークXを排出することができる。
【0019】
以下、本発明に係るワークの整列方法について、さらに好ましい実施形態を説明する。図7は、以下の説明において用いられるワークを示す斜視図である。図7に示すように、ワークXは、長さl、幅w、高さt(l>w=t)の直方体形状をしている。
【0020】
(実施形態2)
図8は、請求項2に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図8に示すように、振り込み治具21に形成された凹部22の深さはD、ストレート部24の長さはLであり、L≧Dである。また、ワークXの寸法と、ストレート部24の寸法との関係は、l<Lとなっている。なお、図8には図示されていないが、W≧D,w<Wとなっている。また、ここではl<L,w<Wとしているが、これは、ワークXとストレート部24の側面24aとの間に一定のクリアランスを設け、ワークXをスムーズに凹部22に収容するためである。したがって、l=Lまたはw=Wの場合でも、凹部22にワークXを収容することは可能である。
【0021】
この場合、ワークXはl×wの平面を底面として凹部22に収容される。このように、安定した状態でワークXを凹部22に収容することにより、安定した状態でワークXを平板上に整列させることができる。
【0022】
(実施形態3)
図9は、請求項3に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図9に示すように、振り込み治具31に形成された凹部32のストレート部34は、長さL、幅W(図示せず)、深さD1の空間を形成している。ワークXの寸法と、ストレート部34の寸法との関係は、l≦L、l/2>D1となっている。なお、図9には図示されていないが、w≦W、w/2>D1となっている。
【0023】
例えば、図10に示すように、振り込み治具31を揺動させているときに、一時的に、凹部32にワークXが立った状態で収容されたとする。ここで、図中E方向に振り込み治具31を揺動させると、ワークXは、テーパ部33の側面33aとストレート部34の側面34aとが交わる辺を支点Sとして、側面33aに沿って傾く。(図中の点線の四角形は、傾いた状態のワークXを表している。)ワークXを側面33aに沿って傾きやすくするためには、ワークXの重心が支点Sよりも上側に位置していればよい。ワークXの重心Gは、ワークXの端面からl/2の距離に位置する。一方、凹部32の底面32bから支点Sにかけての距離は、ストレート部34の深さに相当し、D1と表すことができる。すなわち、l/2>D1であれば、ワークXを傾きやすくすることができる。
【0024】
なお、図10においてさらにE方向に振動を加えれば、図11に示すように、ワークXは凹部32から排出される。一方、図10においてE方向とは逆のF方向に振動を加えれば、図12に示すように、ワークXは安定した状態(寝た状態)で凹部32に収容される。このように、ワークXは、安定した状態で凹部32に収容されるまで、凹部32への進入と凹部32からの排出とを繰り返す。
【0025】
(実施形態4)
図13は、請求項4に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図13に示すように、振り込み治具41に形成された凹部42の深さはDであり、ワークXの寸法と凹部42の寸法との関係は、t≦Dとなっている。
【0026】
この場合、凹部42に安定した状態で収容されたワークXは、凹部42から振り込み治具41の一方主面上にはみ出すことがない。したがって、振り込み治具41に平板を密着させて被せることができるため、振り込み治具41と平板とを反転させる際に、ワークXが落下するのを防止することができる。
【0027】
なお、実施形態2〜4では、ワークXとして寸法l>w=tのものを用いて説明したが、その他の寸法のものを用いた場合でも同様の効果が期待できる。
【0028】
また、実施形態1〜3においては、振り込み治具の一方主面上に平板を反転させて平板上にワークを移載する方法を説明したが、振り込み治具から平板上にワークを移載する方法は上記の方法に限られることはない。例えば、振り込み治具の一方主面を覆うように吸引装置を配置し、吸引装置によりワークを吸引してワークを平板上に移動させ、吸引装置の吸引を切り平板上にワークを移載する方法などを用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係るワークの整列方法においては、振り込み治具の一方主面上に形成された凹部の開口側をテーパ部で構成することにより、ワークをスムーズに凹部に収容することができる。したがって、2つのワークが凹部に収容されるのを防止することができるため、平板上にワークを移載した際にワークどうしがくっつくのを防止することができる。また、振り込み治具上に平板を載置して反転させることによりワークを平板上に移載する場合、ワークが斜めの状態のまま凹部に収容されるのを防止することができるため、平板を反転させた際にワークが落下するのを防止することができる。
【0030】
さらに、ワークの長さをl、幅をw、高さをtとし、凹部のストレート部の長さをL、幅をWとし、凹部の深さをDとしたとき、L≧DかつW≧Dとすることにより、安定した状態でワークを凹部に収容することができる。
【0031】
さらに、凹部のストレート部の深さをD1としたとき、l/2>D1かつw/2>D1とすることにより、ワークが立った状態で凹部に収容されても、ワークを安定した姿勢に修正してから凹部に収容することができる。
【0032】
また、t≦Dとすることにより、ワークが振り込み治具の一方主面上にはみ出すことを防止することができるため、振り込み治具に平板を密着させて被せることができる。したがって、振り込み治具と平板とを反転させる際に、ワークが落下するのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる振り込み治具の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1の凹部12を開口部12a側から見た上面図である。
【図3】本発明において用いられる振り込み装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】振り込み治具11にワークXが収容された状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明において用いられる振り込み装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るワークの整列方法を示す概略工程図である。
【図7】実施形態2〜4において用いられるワークを示す斜視図である。
【図8】実施形態2において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図9】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図10】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図11】実施形態3において、ワークが凹部から排出された状態を示す概略断面図である。
【図12】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図13】実施形態4おいて、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図14】従来のワークの整列方法を示す概略工程図である。
【図15】従来のワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略斜視図である。
【図16】従来のワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
11 振り込み治具
12 凹部
12a 凹部の開口部
12b 凹部の底面
13 テーパ部
13a テーパ部の側面
14 ストレート部
14a ストレート部の側面
19 平板
X ワーク
D 凹部の深さ
D1 ストレート部の深さ
l ワークの長さ
L ストレート部の長さ
w ワークの幅
t ワークの高さ
【0001】
【従来の技術】
セラミック電子部品を製造する際には、所定の形状に成形されたセラミック成形体を平板上に載置して焼成することが行われている。このようにしてセラミック成形体を焼成する場合、セラミック成形体どうしがくっつかないように、複数のセラミック成形体を一定の間隔をあけて整列させる必要がある。
【0002】
上記のように、セラミック成形体などのワークを整列させる方法としては、例えば、図14に示すような方法が用いられている。この方法では、まず、図14(A)に示すように、振り込み治具51を揺動することにより、振り込み治具51の一方主面上に形成された凹部52にワークXを収容する。次に、図14(B)に示すように、振り込み治具51上に平板59を載置する。次に、図14(C)に示すように、振り込み治具51および平板59を反転させることにより、ワークXを平板59上に移載する。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−143368号公報(全頁、全図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように、凹部52の側面が振り込み治具51の主面に対して垂直である場合、図15に示すように、ワークXが凹部52の開口部に引っ掛かって斜めの状態で凹部52に収容されたり、図16に示すように、2つのワークXが凹部52に収容されたりすることがあった。
【0005】
図15の場合、振り込み治具51上に平板59を載置した際に、振り込み治具51と平板59との間に隙間ができる。したがって、振り込み治具51および平板59を反転させる際に、その隙間からワークXが落下するという問題があった。一方、図16の場合では、平板59上にワークXを移載した際に、ワークXどうしがくっついてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、振り込み治具に形成された凹部に、ワークをスムーズに一つずつ収容し、平板上にワークを均一に整列させることができるワークの整列方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワークの整列方法は、平板形状を有する振り込み治具の一方主面上に、ワークを載置する工程と、振り込み治具を揺動することにより、振り込み治具の一方主面に形成された凹部にワークを収容する工程と、振り込み治具から平板上にワークを移載する工程と、を備え、凹部は、凹部の開口部側に位置し、凹部の開口部に向かって次第に径が広くなるように傾斜した側面を有するテーパ部と、テーパ部と凹部の底面との間に位置し、振り込み治具の主面に対して垂直な側面を有するストレート部と、からなることを特徴とする。
【0008】
また、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部のストレート部の長さをL、幅をW(ただし、l≦Lかつw≦W)とし、凹部の深さをDとしたとき、L≧DかつW≧Dであることが好ましい。
【0009】
さらに、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部のストレート部の深さをD1としたとき、l/2>D1かつw/2>D1であることが好ましい。
【0010】
さらに、上記のワークの整列方法においては、ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、凹部の深さをDとしたとき、t≦Dであり、平板上にワークを移載する工程において、振り込み治具の一方主面上に平板を載置し、振り込み治具と平板とを反転させ、平板上にワークを整列させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は、本発明に係るワークの整列方法において用いられる振り込み治具の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示すように、平板形状を有する振り込み治具11の一方主面上には、ワークを収容するための凹部12が形成されている。凹部12は、凹部の開口部12a側に位置するテーパ部13と、テーパ部13と凹部の底面12bとの間に位置するストレート部14とからなる。テーパ部13は、凹部の開口部12aに向かって次第に径が広くなるように傾斜した側面13aを有する。ストレート部14は、振り込み治具11の主面に対して垂直な側面14aを有する。
【0012】
図1に示すように、複数の凹部12は、各開口部12aを隣接させて形成されていることが好ましい。凹部12にはテーパ部13が形成されているため、このように開口部12aを隣接させても、ワークを平板上に移載する際にワークどうしがくっつくことがない。したがって、たくさんのワークを振り込み治具11に効率よく収容することができる。
【0013】
図2(A)は、図1に示す凹部12を開口部12a側から見た上面図である。図2(A)においては、凹部12は方形形状をしているが、凹部12の形状はワークの形状に応じて適宜変更されるものである。例えば、ワークとしてセラミック成形体を用いる場合、製造過程でセラミック成形体にクラックやひび割れが生じないように、セラミック成形体の角部に丸みをつけることがある。この場合、図2(B)に示すように、凹部12は、角部に丸みのついた形状にすることが好ましい。
【0014】
図3は、本発明において用いられる振り込み治具を備えた振り込み装置の一実施形態を示す概略斜視図である。振り込み装置15は、一方主面上に凹部12が形成された振り込み治具11と、振り込み治具11の両側に配置されたストック部16と、第1の揺動モータ17と、第2の揺動モータ18とからなる。振り込み治具11は、着脱可能な状態で振り込み装置15に備えられている。ストック部16には、振り込み治具11の凹部12に収容されるワークがストックされる。
【0015】
振り込み装置15においては、第1の揺動モータ17で振り込み治具11を図中Aで示す平面方向に揺動させ、第2の揺動モータ18で振り込み治具11を図中Bで示す回転方向に揺動させる。
【0016】
図3において、振り込み治具11に形成された凹部12は、第2の揺動モータ18の軸心C方向に対して、平行な辺と垂直な辺とで構成される方形形状である。この場合、ワークの高さが凹部12の深さより大きいと、図4に示すように、振り込み治具11の凹部12に収容されたワークX1,X2間に、ワークX3が挟まって抜けなくなることがある。この問題を解決するためには、図5に示すように、第2の揺動モータ18の軸心C方向に対して両辺が斜めになるように、振り込み治具11に凹部12を形成してやればよい。これにより、ワーク間に別のワークが挟まっても、そのワークを解放することができる。
【0017】
図6は、本発明に係るワークの整列方法を示す概略工程図である。
まず、振り込み治具11の一方主面上に、セラミック成形体などのワークXを載置し、振り込み治具11を揺動することにより、図6(A)に示すように、凹部12にワークXを収容する。次に、図6(B)に示すように、振り込み治具11の一方主面上に平板19を載置する。次に、図6(C)に示すように、振り込み治具11と平板19とを反転させ、平板19上にワークXを整列させる。なお、振り込み治具11と平板19とを反転させる際には、平板19を振り込み治具11に固定する必要がある。この手段としては、例えば、クランプにより平板19を振り込み治具11に押し付けて固定するといった手段が挙げられる。また、振り込み治具11を反転させる手段としては、例えば、図3で示した振り込み装置15において、第2の揺動モータ18を180°回転させるといった手段が挙げられる。
【0018】
このように、凹部12の開口部12a側をテーパ部13で構成することにより、ワークXはスムーズに凹部12に収容される。また、傾斜した側面13aに沿ってワークXが傾きやすくなっているため、仮に凹部12に2つのワークXが入り込んだとしても、揺動により容易に一方のワークXを排出することができる。
【0019】
以下、本発明に係るワークの整列方法について、さらに好ましい実施形態を説明する。図7は、以下の説明において用いられるワークを示す斜視図である。図7に示すように、ワークXは、長さl、幅w、高さt(l>w=t)の直方体形状をしている。
【0020】
(実施形態2)
図8は、請求項2に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図8に示すように、振り込み治具21に形成された凹部22の深さはD、ストレート部24の長さはLであり、L≧Dである。また、ワークXの寸法と、ストレート部24の寸法との関係は、l<Lとなっている。なお、図8には図示されていないが、W≧D,w<Wとなっている。また、ここではl<L,w<Wとしているが、これは、ワークXとストレート部24の側面24aとの間に一定のクリアランスを設け、ワークXをスムーズに凹部22に収容するためである。したがって、l=Lまたはw=Wの場合でも、凹部22にワークXを収容することは可能である。
【0021】
この場合、ワークXはl×wの平面を底面として凹部22に収容される。このように、安定した状態でワークXを凹部22に収容することにより、安定した状態でワークXを平板上に整列させることができる。
【0022】
(実施形態3)
図9は、請求項3に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図9に示すように、振り込み治具31に形成された凹部32のストレート部34は、長さL、幅W(図示せず)、深さD1の空間を形成している。ワークXの寸法と、ストレート部34の寸法との関係は、l≦L、l/2>D1となっている。なお、図9には図示されていないが、w≦W、w/2>D1となっている。
【0023】
例えば、図10に示すように、振り込み治具31を揺動させているときに、一時的に、凹部32にワークXが立った状態で収容されたとする。ここで、図中E方向に振り込み治具31を揺動させると、ワークXは、テーパ部33の側面33aとストレート部34の側面34aとが交わる辺を支点Sとして、側面33aに沿って傾く。(図中の点線の四角形は、傾いた状態のワークXを表している。)ワークXを側面33aに沿って傾きやすくするためには、ワークXの重心が支点Sよりも上側に位置していればよい。ワークXの重心Gは、ワークXの端面からl/2の距離に位置する。一方、凹部32の底面32bから支点Sにかけての距離は、ストレート部34の深さに相当し、D1と表すことができる。すなわち、l/2>D1であれば、ワークXを傾きやすくすることができる。
【0024】
なお、図10においてさらにE方向に振動を加えれば、図11に示すように、ワークXは凹部32から排出される。一方、図10においてE方向とは逆のF方向に振動を加えれば、図12に示すように、ワークXは安定した状態(寝た状態)で凹部32に収容される。このように、ワークXは、安定した状態で凹部32に収容されるまで、凹部32への進入と凹部32からの排出とを繰り返す。
【0025】
(実施形態4)
図13は、請求項4に係るワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。図13に示すように、振り込み治具41に形成された凹部42の深さはDであり、ワークXの寸法と凹部42の寸法との関係は、t≦Dとなっている。
【0026】
この場合、凹部42に安定した状態で収容されたワークXは、凹部42から振り込み治具41の一方主面上にはみ出すことがない。したがって、振り込み治具41に平板を密着させて被せることができるため、振り込み治具41と平板とを反転させる際に、ワークXが落下するのを防止することができる。
【0027】
なお、実施形態2〜4では、ワークXとして寸法l>w=tのものを用いて説明したが、その他の寸法のものを用いた場合でも同様の効果が期待できる。
【0028】
また、実施形態1〜3においては、振り込み治具の一方主面上に平板を反転させて平板上にワークを移載する方法を説明したが、振り込み治具から平板上にワークを移載する方法は上記の方法に限られることはない。例えば、振り込み治具の一方主面を覆うように吸引装置を配置し、吸引装置によりワークを吸引してワークを平板上に移動させ、吸引装置の吸引を切り平板上にワークを移載する方法などを用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係るワークの整列方法においては、振り込み治具の一方主面上に形成された凹部の開口側をテーパ部で構成することにより、ワークをスムーズに凹部に収容することができる。したがって、2つのワークが凹部に収容されるのを防止することができるため、平板上にワークを移載した際にワークどうしがくっつくのを防止することができる。また、振り込み治具上に平板を載置して反転させることによりワークを平板上に移載する場合、ワークが斜めの状態のまま凹部に収容されるのを防止することができるため、平板を反転させた際にワークが落下するのを防止することができる。
【0030】
さらに、ワークの長さをl、幅をw、高さをtとし、凹部のストレート部の長さをL、幅をWとし、凹部の深さをDとしたとき、L≧DかつW≧Dとすることにより、安定した状態でワークを凹部に収容することができる。
【0031】
さらに、凹部のストレート部の深さをD1としたとき、l/2>D1かつw/2>D1とすることにより、ワークが立った状態で凹部に収容されても、ワークを安定した姿勢に修正してから凹部に収容することができる。
【0032】
また、t≦Dとすることにより、ワークが振り込み治具の一方主面上にはみ出すことを防止することができるため、振り込み治具に平板を密着させて被せることができる。したがって、振り込み治具と平板とを反転させる際に、ワークが落下するのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる振り込み治具の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1の凹部12を開口部12a側から見た上面図である。
【図3】本発明において用いられる振り込み装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】振り込み治具11にワークXが収容された状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明において用いられる振り込み装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るワークの整列方法を示す概略工程図である。
【図7】実施形態2〜4において用いられるワークを示す斜視図である。
【図8】実施形態2において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図9】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図10】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図11】実施形態3において、ワークが凹部から排出された状態を示す概略断面図である。
【図12】実施形態3において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図13】実施形態4おいて、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略断面図である。
【図14】従来のワークの整列方法を示す概略工程図である。
【図15】従来のワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略斜視図である。
【図16】従来のワークの整列方法において、振り込み治具にワークを収容した状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
11 振り込み治具
12 凹部
12a 凹部の開口部
12b 凹部の底面
13 テーパ部
13a テーパ部の側面
14 ストレート部
14a ストレート部の側面
19 平板
X ワーク
D 凹部の深さ
D1 ストレート部の深さ
l ワークの長さ
L ストレート部の長さ
w ワークの幅
t ワークの高さ
Claims (4)
- 平板形状を有する振り込み治具の一方主面上に、ワークを載置する工程と、
前記振り込み治具を揺動することにより、前記振り込み治具の一方主面に形成された凹部に前記ワークを収容する工程と、
前記振り込み治具から平板上に前記ワークを移載する工程と、
を備え、
前記凹部は、
前記凹部の開口部側に位置し、前記凹部の開口部に向かって次第に径が広くなるように傾斜した側面を有するテーパ部と、
前記テーパ部と前記凹部の底面との間に位置し、前記振り込み治具の主面に対して垂直な側面を有するストレート部と、
からなることを特徴とするワークの整列方法。 - 前記ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、前記凹部のストレート部の長さをL、幅をW(ただし、l≦Lかつw≦W)とし、前記凹部の深さをDとしたとき、
L≧DかつW≧Dであることを特徴とする、請求項1に記載のワークの整列方法。 - 前記ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、前記凹部のストレート部の深さをD1としたとき、
l/2>D1かつw/2>D1であることを特徴とする、請求項2に記載のワークの整列方法。 - 前記ワークの長さをl、幅をw、高さをt(ただし、t≦w≦l)とし、前記凹部の深さをDとしたとき、t≦Dであり、
前記平板上に前記ワークを移載する工程において、前記振り込み治具の一方主面上に平板を載置し、前記振り込み治具と前記平板とを反転させ、前記平板上に前記ワークを整列させることを特徴とする、請求項2に記載のワークの整列方法。
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Cited By (3)
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JP2008075917A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Jrc Tokki Co Ltd | 打ち殻薬莢収納トレー及び打ち殻薬莢収納箱 |
JP2013077687A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Shindengen Electric Mfg Co Ltd | 半導体装置 |
KR20240008348A (ko) | 2021-06-17 | 2024-01-18 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 정렬 장치 및 외부전극의 형성 방법 |
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- 2003-05-06 JP JP2003128042A patent/JP2004075519A/ja active Pending
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