JP2004075357A - 物品搬送装置及びそれを備えた物品梱包装置 - Google Patents

物品搬送装置及びそれを備えた物品梱包装置 Download PDF

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Abstract

【課題】物品の処理ライン等で用いられる物品搬送装置として、該搬送装置やその下流側の装置の停止時にも上流側装置の停止を不要とする装置を提供することを課題とする。
【解決手段】小袋Xを1個ずつ搬入する搬入コンベア31の搬入方向bと直交する方向cに延びて、搬入された所定個数の小袋X…Xを姿勢を保持した状態で一群として下流側に搬送する搬送部32を設ける。その上流端部の搬入側と反対側の側部に、搬入された小袋Xを受け止めるストッパ部材93を退避可能に設ける。ストッパ部材93より搬入方向bの前方側に、ストッパ部材93が退避したときに搬入コンベア31から搬入されて搬送部32の上流端部を通過した小袋Xを受け入れる貯留部33を設ける。そして、搬入コンベア31の下流端部近傍に、小袋Xを貯留部33側に積極的に送り出すためのエアノズル57を配設する。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複数の物品を袋詰めもしくは箱詰めする梱包装置等に採用される物品搬送装置及び該搬送装置を備えた物品梱包装置に関し、物品搬送技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポテトチップスなどの食品は袋詰めされたのち、搬送装置によって搬送されて、梱包ステーションで大きな包装袋に袋詰めされ或いは段ボール箱などに箱詰めされる。
【0003】
ところで、近年、このような物品搬送技術の分野においては、高速処理化により生産性を向上させようとする傾向にある。このような搬送装置としては、例えば特開2000−6910号公報に開示されているものがある。
【0004】
この搬送装置Aは、図11に示すように、矢印で示す物品X…Xの搬送方向と平行に無端状の4つのチェーンB1,B1,B2,B2を並列に配設し、第1チェーンB1,B1と第2チェーンB2,B2とをそれぞれ図示しない駆動手段によって独立して駆動するように構成すると共に、第1チェーンB1,B1と第2チェーンB2,B2とに、複数の仕切り部材C…Cが所定の間隔を置いて立設されて各仕切り部材C…C間に物品X…Xを保持する物品保持部材Dをそれぞれ一対ずつ設けた構成とされている。
【0005】
そして、例えば、第1チェーンB1,B1によって搬送される一方の物品保持部材D11が、受入位置アで上流側の搬入コンベア(図示せず)から所定個数の物品X…Xを受け入れている間に、他方の物品保持部材D12が、物品X…Xの排出を終了して受入位置アに向かって搬送され、また、先に所定個数の物品X…Xを受け入れた第2チェーンB2,B2側の一方の物品保持部材D21が排出位置イで停止して、プッシャ部材(図示せず)により保持している物品X…Xが梱包装置側へ一斉に排出されている間に、他方の物品保持部材D22が受入位置アに向かって搬送されるようになっており、このようにして、第1、第2チェーンB1,B1,B2,B2に設けられた合計4つの物品保持部材D…Dが受入位置アと排出位置イとの間を移動し、物品X…Xの受け入れ、搬送、及び排出を効率よく行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の搬送装置においては、以下のような問題が生じることがある。
【0007】
すなわち、この搬送装置が、例えば上流側に配置された物品の包装装置や、下流側に配置された複数物品の袋詰め装置等と共に一連の処理ラインを構成する場合において、該搬送装置や袋詰め装置が停止した場合に、上流側の包装装置を停止させなければ、搬送装置上に物品が溢れるようになる。この事態を未然に防ぐためには、上流側の包装装置を停止させればよいが、この場合、ラインの全体が停止することになって、生産性が低下する。
【0008】
そこで、本発明は、前記の処理ライン等で用いられる物品搬送装置として、該搬送装置やその下流側の装置の停止時にも上流側装置の停止を不要とする装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
まず、請求項1に記載の発明は、物品を搬入する搬入手段と、該搬入手段の下流端前方に上流端部が配置され、該搬入手段による物品の搬入方向と直交する方向に延びる搬送手段とを有する物品搬送装置において、前記搬送手段上流端部の物品搬入側と反対側の側部に、搬入手段から搬入された物品を受け止めるストッパ部材を退避可能に備えると共に、該ストッパ部材より物品搬入方向の前方側に、該ストッパ部材が退避したときに、搬入手段から搬入されて搬送手段の上流端部を通過した物品を受け入れる物品貯留部を設け、かつ、前記ストッパ部材を物品受け止め位置と退避位置とに作動させる駆動手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の物品搬送装置において、ストッパ部材が退避している状態で、搬送手段の上流端部に搬入された物品を物品貯留部側へ送り出す物品送り出し手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
これらの発明によれば、通常は、搬入手段によって搬送手段の上流端部に搬入された物品は、ストッパ部材によって受け止められた後、該搬送手段によって搬入方向と直交する方向に搬送され、下流側の例えば袋詰め装置や箱詰め装置等に供給されることになる。
【0013】
一方、この搬送装置や下流側の装置が停止した場合には、駆動手段により前記ストッパ部材を退避位置に移動させれば、搬入手段から搬入された物品が搬送手段の上流端部を通過して反対側の物品貯留部に供給されることになる。その場合に、請求項2に記載の発明によれば、物品送り出し手段が搬送手段の上流端部に搬入された物品を物品貯留部側へ積極的に送り出すことになる。
【0014】
したがって、上流側の装置を停止させなくても、該搬送装置上等で物品が溢れるといった事態は回避されることになる。そして、前記貯留部に貯留された物品は、例えば作業者が別途袋詰め等を行うなどにより、上流側装置も停止させる場合に比較して生産性の低下が軽減されることになる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の物品搬送装置において、物品貯留部を、搬送手段の上流端部に搬入されたときの姿勢を保持して物品を貯留するように構成すると共に、該貯留部に、ストッパ部材が退避している状態で、貯留している物品を前記姿勢を保持して搬送手段の上流端部に戻す物品戻し手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、当該搬送装置や下流側の装置が停止した場合において、ストッパ部材を退避位置に移動させることにより、搬入手段から搬入された物品を物品貯留部に貯留する場合に、該物品の搬入時の姿勢が保持されると共に、当該搬送装置等が作動を開始したときに、物品戻し手段によりその姿勢を保持した状態で、搬送手段の上流端部に戻すことが可能となる。したがって、この貯留部から戻した物品を下流側に搬送し、搬入手段から搬入された物品と同様に処理することが可能となり、例えば上流側の装置の一時的な停止期間等を利用して、物品の処理作業を続行することができ、作業者による作業を要することなく、生産性の低下が回避されることになる。
【0017】
さらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の物品搬送装置において、搬送手段を、上流端部に順次搬入された所定個数の物品を、搬入時の姿勢を保持した状態で、一群として下流側に搬送するように構成したことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、下流側に物品を所定個数ずつ袋詰めし或いは箱詰めする梱包装置が備えられている場合に、前記のようにして、この梱包装置が停止した場合の作業性の低下が回避されることになる。
【0019】
一方、請求項5に記載の発明は、所定個数の物品を袋または箱に詰め込んで梱包する物品梱包装置において、前記請求項4に記載の物品搬送装置と、該物品搬送装置における搬送手段の下流部に設けられて、一群の物品をそれらの姿勢を保持した状態で前記袋または箱に詰め込む物品詰め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記物品搬送装置の作用が梱包装置として実現され、該梱包装置の物品詰め込み手段の停止時等における生産性の低下が回避されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る袋詰め商品生産ラインについて説明する。なお、以下の記載において、「前、後」とあるのは、それぞれ物品の搬送方向の下流側、上流側を、また、「左、右」とあるのは、それぞれ搬送方向の左側、右側を意味する。
【0022】
図1に示す袋詰め商品生産ライン1は大袋Yの中に複数の小袋X…Xを詰めた商品Zを生産する。小袋Xは例えばポテトチップス等のスナック菓子を充填したものである。本実施の形態では、最終製品Zは6個×2列に整列した計12個の小袋X…Xが大袋Yに袋詰めされたものである。そして、生産ライン1は主たる構成要素として包装機10、シールチェッカ20、搬送装置30及び袋詰め装置40を含む。
【0023】
包装機10は周知の縦ピロー包装機であって、図外の計量装置で所定重量に計量された被包装物を小袋Xに充填して該小袋Xをコンベア11上に縦シール部を上に向けた姿勢で排出する。排出された小袋Xはコンベア11で矢印a方向に搬送されながらシールチェッカ20を通過する間にシールの良否が検査される。シールチェッカ20を通過した小袋Xは矢印bで示すように搬入コンベア31を経由して搬送装置30に1個づつ順に供給される。搬送装置30は供給された横姿勢の小袋Xを搬送部32で縦姿勢に起こし、12個1組で袋詰め装置40の正面まで矢印cで示すように搬送する。搬送装置30には、該搬送装置30や下流側の袋詰め装置40の突然の稼働停止等の理由により、小袋Xを搬送部32に与えずに矢印dで示すように機外に一時的に貯留させるための貯留部33が設けられている。
【0024】
袋詰め装置40の正面に搬送された小袋群X…Xは、6個ずつ2回に分けて矢印eで示すように導入部41に押し出され、集合部42で列方向に寄せられ、次の1組と共に2列に整列される。空の大袋Yがストック部44から袋詰部43に運びこまれ、大袋Yの口が開けられて、6個2列に整列した小袋X…Xが矢印fで示すように大袋Yの中に挿入される。その後、大袋Yは口がシールされ、最終製品Zとなって口を上に向けた立姿勢で排出コンベア45,46により矢印g,hで示すように搬送されて次行程に運び出される。
【0025】
搬送装置30の構成について説明すると、図2〜図4に示すように、まず搬入コンベア31は平ベルトタイプのもので、その搬送方向bが搬送部32の搬送方向cと直交する向きで該搬送部32の上流端部つまり小袋Xの受入位置アに連結するように配置されている。また、搬送面を跨いで立設された前後のフレーム部材51,52に、それぞれ左右一対のガイド部材53,54,55,56が取り付けられており、横姿勢で搬送される小袋Xはこれらのガイド部材53〜56によって位置決めされて搬送部32に供給されるようになっている。そして、前方右方のガイド部材54の外側面には、噴射口が扁平な形状とされたエアノズル57が配置されている。このエアノズル57は図示しないエア源に接続されており、前方やや左方に向けてエアを噴射するようになっている。
【0026】
また、搬入コンベア31の上流端及び下流端近傍に、小袋Xを検知する第1及び第2光電センサ58a,58bがそれぞれ配設されている。
【0027】
搬送部32は、搬送装置30の本体ケース30a内に回転自在に軸支された前後一対のシャフト61,62を備えている。前方のシャフト61の所定位置に4個のスプロケット63a〜63dが、後方のシャフト62の所定位置に同様に4個のスプロケット64a〜64dが組み付けられている。そして、対向配置された前後のスプロケット63a〜63d,64a〜64d間にそれぞれ1条の無端状チェーン65a〜65dが巻き掛けられている。
【0028】
本体フレーム30a内の前方寄りと後方寄りとにモータ66,67が配設されており、これらの駆動力がタイミングベルト68,69を介してそれぞれ前記シャフト61,62に伝達される。この場合、モータ66の駆動力はスプロケット63a,63dに伝達されてチェーン65a,65dが、モータ67の駆動力はスプロケット64b,64cに伝達されてチェーン65b,65cが一斉に走行可能に構成されている。
【0029】
一方の一対のチェーン65b,65c間及び他方の一対のチェーン65a,65d間には、一群の小袋X…Xを保持する図例上前方側の第1物品保持部材70と後方側の第2物品保持部材71とがそれぞれ連結されている。各物品保持部材70,71は、それぞれ12個の小袋X…Xを所定の姿勢つまりこの場合には縦姿勢で保持可能に構成されている。
【0030】
第1及び第2物品保持部材70,71は同様な構成とされているので、便宜上一例として第1物品保持部材70について詳しく説明すると、図2、図5、及び図6に示すように、この第1物品保持部材70は13個の側面視L字状の仕切り部材72…72を有し、隣接する仕切り部材72,72間当たり1個の小袋Xを保持する物品保持空間が画成されている。各仕切り部材72は仕切り面72aと底面72bとを有し、底面72bと一対のチェーン65b,65cにそれぞれ固定された取付部材73,73及び左右に配置されたスペーサ74,74とのねじ止めにより、チェーン65b,65cに着脱可能に支持されている。なお、図5において図示しない第2物品保持部材71の各仕切り部材72は、鎖線で示すようにチェーン65a,65dに着脱自在に支持されている。
【0031】
そして、各チェーン65a〜65dの上側走行部と下側走行部とを安定的に案内する搬送方向cに長いガイド部材(下側走行部側は図示せず)75…75が設けられている(図5及び図6参照)。なお、前出の図3及び図4では、これらのガイド部材75…75の図示を省略している。
【0032】
さらに、受入位置ア近傍の搬送部32の上方は、開閉自在なカバー76で覆われている(図2参照)。
【0033】
図2及び図3に示すように、搬送装置30の下流の排出位置イ近傍には、一群の小袋X…Xをそれらの姿勢を保持した状態で矢印eで示すように該搬送装置30から袋詰め装置40に排出する排出部81が設けられている。この排出部81は本体フレーム30a上に立設されたフレーム部材82に支持されており、シリンダ等でなる周知の水平移動機構83及び垂直移動機構84、並びに垂直移動機構84の下端部に取り付けられた櫛歯状のプッシャ部材85等で構成されている。本実施の形態では、前述のように1回当たり6個の小袋X…Xがプッシャ部材85によって排出され、各物品保持部材70,71によって搬送された一群つまり12個の小袋X…Xは2回の排出動作によって排出が完了するようになっている。
【0034】
そして、図3、図4、及び図7に示すように、搬送部32の上流端部を挟んで搬入コンベア31の反対側に、本発明の特徴部分である貯留部33が設けられている。この貯留部33は平ベルトコンベアタイプのもので、その搬送方向iが搬送部32の搬送方向cと平行する向きで配置されており、図例のものは搬送面上に最大4個の小袋X…Xが横姿勢で貯留可能とされている。そして、この貯留部33には、搬送部32を通過した小袋Xを受け止めると共に、シリンダ91で矢印d方向に進退駆動されて貯留された小袋X…Xを横姿勢を保持したまま1個ずつ搬送部32の受入位置アに戻すプッシャ部材92が設けられている。
【0035】
また、搬送部32の上流端部の小袋Xの搬入側と反対側の側部すなわち搬送部32と貯留部33との間に、搬入コンベア31から矢印bで示すように図例上第2物品保持部材71の仕切り部材72上に供給された小袋Xを受け止めるストッパ部材93が、実線で示す受け止め位置と鎖線で示す退避位置とに移動可能に設けられている。すなわち、本体フレーム30aに取り付けられたブラケット94に支持されたシリンダ95の概ね上下方向に進退するロッド95aの先端に、該ロッド95aの進退に伴って支軸96を中心に矢印j方向に回動する前記ストッパ部材93が固定されている。
【0036】
さらに、第2光電センサ58bの若干前方の位置に、図示しない駆動手段によって実線で示す位置と太い鎖線で示す位置との間を上下動し、上動したときには貯留部33から搬送部32に戻される小袋Xを受け止める一方、下動したときには矢印b方向から小袋Xを搬送部32へ搬入させるシャッタ部材97が設けられている(図7参照)。
【0037】
この袋詰め商品生産ライン1の制御システムを図8に示す。該制御システムには、生産ライン1を総括的に制御すると共に小袋Xの種類ごとの初期設定や各種の制御パラメータ等を記憶しているコントロールユニット100が備えられている。そして、このコントロールユニット100は、包装機10、シールチェッカ20、搬入コンベア31、搬送部32、貯留部33、排出部81、袋詰め装置40、プッシャ部材92、ストッパ部材93、シャッタ部材97等に制御信号を出力してこれらの駆動を制御すると共に、第1及び第2光電センサ58a,58bからの検知信号を入力する。
【0038】
次に、袋詰め商品生産ライン1の動作について説明する。
【0039】
まず、基本動作から説明すると、包装機10からシールチェッカ20を経由した小袋Xが搬送装置30の搬入コンベア31から搬送部32に1個ずつ横姿勢で搬入される。
【0040】
そして、例えば受入位置アを移動する第2物品保持部材71に小袋Xが搬入されるとすると、その場合、この第2物品保持部材71は、該保持部材71に備えられた各仕切り部材72…72の仕切り面72a…72aが順次一旦ほぼ水平状態となるように、該保持部材71を支持する一対のチェーン65a,65dの間欠走行によって1ピッチずつつまり隣接する仕切り部材72,72間の間隔ずつ移動する。そして、各仕切り面72a…72aがほぼ水平状態となったときに搬入コンベア31から小袋Xが当該仕切り面72a上に搬入されるように、例えば第2光電センサ58bによる小袋Xの検知信号に基いてチェーン65a,65dの走行は制御される。また、通常であればシャッタ部材97は下動位置にあると共にストッパ部材93は受け止め位置にあるから、搬入された小袋Xはストッパ部材93によって仕切り面72a上で確実に受け止められ、隣接する仕切り部材72,72間の保持空間に良好に保持される。
【0041】
次いでチェーン65a,65dは1ピッチ走行したのち停止し、そのときほぼ水平状態となった仕切り面72a上に次の小袋Xが搬入される。こうして12個の小袋X…Xが第2物品保持部材71に保持されるまで、前記動作が繰り返される。なお、搬入された小袋Xはチェーン65a,65dの走行に伴って横姿勢から縦姿勢とされ、排出位置イに到達するまで縦姿勢は保持される。
【0042】
また、12個の小袋X…Xを保持した図例上前方側の第1物品保持部材70が排出位置イに停止している。排出部81の2回の排出動作で保持した小袋X…Xが全て袋詰め装置40側に排出された第1物品保持部材70は受入位置アに向かって高速で移動する一方、所定の12個の小袋X…Xが搬入された第2物品保持部材71はこれらの小袋X…Xを縦姿勢に保持した状態で排出位置イに向かって高速で移動する。そして、受入位置アに到達した第1物品保持部材70には搬入コンベア31から小袋X…Xが搬入される一方、排出位置イに停止した第2物品保持部材71からは全ての小袋X…Xが排出部81によって袋詰め装置40に排出される。このような動作を間断なく実行させることにより、小袋X…Xの高速処理化が実現されることになる。
【0043】
加えて、本実施の形態に係る搬送装置30によれば、以下の特徴を示すようになる。ついては、何らかの理由によって搬送部32や下流側の袋詰め装置40の稼働が停止した場合にコントロールユニット100が行う制御につき、図9を用いて説明する。なお一例として、受入位置アにおいて、第2物品保持部材71に対する小袋X…Xの搬入が行われる場合について説明する。
【0044】
まず、コントロールユニット100は、ステップS1でストッパ部材93に対する退避要求信号を入力したか否かを判定する。この退避要求は、例えば搬送部32や袋詰め装置40等の稼働停止信号を入力した場合、当該生産ライン1の作業者による意図的な小袋X…Xの機外への貯留要求信号を入力した場合、或いは第1及び第2物品保持部材70、71同士の衝突が生じた場合等に成立する。
【0045】
ステップS1でNOと判定すれば、ステップS2で第2光電センサ58bで小袋Xを検知したか否かを判定し、NOと判定すればステップS1へ戻る一方、YESと判定すれば、ステップS3で所定時間の経過を待って、つまり搬入コンベア31から小袋Xを確実に受け入れた上で、ステップS4で第2物品保持部材71を1ピッチ移動させて次の小袋Xの搬入に待機させる。
【0046】
次いで、ステップS5でこの第2物品保持部材71における12個の小袋X…Xの受け入れが完了するのを待ってステップS6に進み、該第2物品保持部材71を排出位置イへ移動させる。そして、ステップS7で小袋X…Xの排出が完了した他方の第1物品保持部材70を受入位置アへ移動させたのち、ステップS1へ戻る。
【0047】
一方、前記ステップS1でYESと判定すれば、ステップS8でストッパ部材93を受け止め位置から退避位置に移動させると共にエアノズル57からエアを噴射させることによって、第2物品保持部材71の仕切り部材72上に供給された小袋Xをさらに前方の貯留部33へ送り出す。
【0048】
次いで、ステップS9で貯留部33を1ピッチ前進させて、該貯留部33への次回の小袋Xの貯留に待機させたのち、ステップS10でストッパ部材93に対する退避要求解除信号を入力したか否かを判定し、NOと判定すればステップS8へ戻る一方、YESと判定すればステップS11へ進む。
【0049】
そして、ステップS11で搬入コンベア31上の小袋X,X間の間隔が所定間隔以上であると判定されたときは、ステップS12で受入位置アに至近の小袋Xが受入位置アに到達するのを待って、ステップS13でシャッタ部材97を上動させた上で、ステップS14で貯留部33を1ピッチ後退させると共にプッシャ部材92を進出させて貯留部33の小袋Xを搬送部32の第2物品保持部材71に戻す。その後、ステップS15でシャッタ部材97を下動させたのち、ステップS11へ戻る。なお、小袋X,X間の間隔は第1及び第2光電センサ58a,58bの検知信号に基いて決定され、前記動作はこの間隔が所定間隔以上開いている機会を利用して貯留部33から搬送部32へ小袋Xを戻そうというものである。
【0050】
また、前記ステップS11でNOと判定すれば、これは貯留部33の小袋Xを搬送部32へ戻すには時間が不足していることを意味するから、その場合にはステップS16へ進んで第2光電センサ58bによる検知から所定時間が経過すると、ステップS17でストッパ部材93を受け止め位置に移動させると共にエアノズル57からのエアの噴射を停止させ、搬入コンベア31から第2物品保持部材71に小袋Xを搬入するようにする。なお、前記所定時間とは、例えば小袋Xがその長さの約半分の距離を移動するに要する時間である。
【0051】
そして、ステップS18で袋詰め商品生産ライン1における処理を終了させる終了ボタンがON操作されたか否かを判定し、NOと判定すればステップS1へ戻る一方、YESと判定すれば全ての処理を終了する。
【0052】
こうすることにより、通常は搬入コンベア31によって搬送部32の上流端部に搬入された小袋Xは、ストッパ部材93によって受け止められた後、該搬送部32によって搬送され、下流側の袋詰め装置40に供給されることになる。
【0053】
一方、この搬送装置30つまり搬送部32や下流側の袋詰め装置40の稼働が停止した場合には、シリンダ95の駆動によりストッパ部材93を退避位置に移動させれば、搬入コンベア31から搬入された小袋Xが搬送部32の上流端部を通過して、搬入時の姿勢を保持したまま貯留部33に供給されることになる。その場合に、エアノズル57から噴射されるエアが第2物品保持部材71に搬入された小袋Xを貯留部33へ積極的に送り出すことになる。具体的に表現すると、噴射されたエアの助けによって小袋Xは第2物品保持部材71の仕切り部材72のほぼ水平状態となった仕切り面72a上を滑走するように通過して確実に貯留部33に達する。したがって、上流側の包装機10等を停止させなくても、該搬送装置30上等で小袋X…Xが溢れるといった事態は回避されることになる。
【0054】
また、当該搬送装置30等が作動を開始したときに、小袋Xをプッシャ部材92によってその姿勢を保持した状態で、貯留部33から搬送部32に戻すことが可能である。したがって、この貯留部33から戻した小袋Xを下流側に搬送し、搬入コンベア31から搬入された小袋Xと同様に処理することが可能となり、例えば上流側の包装機10の一時的な停止期間や供給される前後の小袋X,X間の間隔の一時的な拡大時期等を利用して、小袋Xの処理作業を続行することができ、作業者による作業を要することなく、生産性の低下が回避されることになる。
【0055】
さらに、搬送部32は、上流端部に順次搬入された所定個数の小袋X…Xを、搬入時の姿勢を保持した状態で、一群として下流側に搬送するから、下流側に小袋X…Xを所定個数ずつ袋詰めする袋詰め装置40をはじめ箱詰め装置等の梱包装置が備えられている場合に、前記のようにして、この梱包装置が停止した場合の作業性の低下が回避されることになる。
【0056】
なお、他の実施の形態に係る貯留部として、図7に示す貯留部33に代えて図10に示す貯留部33′を用いることができる。この場合、混乱を招かない限り、前記実施の形態と共通する構成要素には同じ符号を用いることにする。
【0057】
この貯留部33′は垂直貯留式の棚様のもので、例えば図示しないモータに連結されたピニオンと該ピニオンに噛合すると共に該貯留部33′に固設されたラックとによって、矢印で示すように垂直移動可能に構成されている。そして、この貯留部33′には複数の保持区画S…Sが設けられ、それぞれの保持区画Sに小袋Xが貯留されるようになっている。また、プッシャ部材92によって搬送部32と退避位置とされたストッパ部材93の箇所とを通過した小袋Xを受け止めると共に、このプッシャ部材92を進出させて貯留された小袋X…Xを1個ずつ搬送部32に戻すことができる。こうすることにより、複数の小袋X…Xの貯留が可能となる。さらに、前記貯留部33′を水平移動も可能とすることにより、各保持区画S当たりの保持可能な小袋X…Xの個数を増加させることができ、一層効率的に小袋X…Xを貯留することが可能となる。
【0058】
また、貯留された小袋X…Xを搬送部32に戻さない場合には、貯留部として例えば箱状のものを用いてもよい。貯留された小袋X…Xは、例えば作業者が別途袋詰め等を行うなどにより、包装機10も停止させる場合に比較して生産性の低下が軽減されることになる。
【0059】
そして、前記実施の形態では、搬送部32は2つの物品保持部材70,71を有していたが、さらに高速処理化を図る場合には、物品保持部材を例えば4つに増加することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一群の物品を所定の姿勢で下流側の排出位置へ搬送する物品搬送装置において、該搬送装置や下流側の装置が停止した場合にも、上流側から順次物品を受け入れることが可能な搬送装置及びそれを備えた袋詰め或いは箱詰め等の梱包装置が提供される。その結果、上流側装置も停止させる場合に比較して生産性の低下が軽減され、本発明は、梱包商品生産ラインなどの物品搬送技術の分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る袋詰め商品生産ラインの概略平面図である。
【図2】搬送装置の側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】同じく受入位置近傍の要部拡大平面図である。
【図5】図2のE−E線による要部拡大矢視図である。
【図6】図5のF−F線による矢視図である。
【図7】図4のG−G線による拡大矢視図である。
【図8】袋詰め商品生産ラインの制御システム図である。
【図9】搬送装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施の形態に係る貯留部を示す図7に対応した図である。
【図11】従来の搬送装置の概略側面図である。
【符号の説明】
30  搬送装置(物品搬送装置)
31  搬入コンベア(搬入手段)
32  搬送部(搬送手段)
33,33′  貯留部(物品貯留部)
40  袋詰め装置(物品梱包装置)
57  エアノズル(物品送り出し手段)
81  排出部(物品詰め込み手段)
92  プッシャ部材(物品戻し手段)
93  ストッパ部材
95  シリンダ(駆動手段)
X   小袋(物品)

Claims (5)

  1. 物品を搬入する搬入手段と、該搬入手段の下流端前方に上流端部が配置され、該搬入手段による物品の搬入方向と直交する方向に延びる搬送手段とを有する物品搬送装置であって、前記搬送手段上流端部の物品搬入側と反対側の側部に、搬入手段から搬入された物品を受け止めるストッパ部材が退避可能に備えられていると共に、該ストッパ部材より物品搬入方向の前方側に、該ストッパ部材が退避したときに、搬入手段から搬入されて搬送手段の上流端部を通過した物品を受け入れる物品貯留部が設けられており、かつ、前記ストッパ部材を物品受け止め位置と退避位置とに作動させる駆動手段が備えられていることを特徴とする物品搬送装置。
  2. ストッパ部材が退避している状態で、搬送手段の上流端部に搬入された物品を物品貯留部側へ送り出す物品送り出し手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
  3. 物品貯留部は、搬送手段の上流端部に搬入されたときの姿勢を保持して物品を貯留するように構成されていると共に、ストッパ部材が退避している状態で、貯留している物品を前記姿勢を保持して搬送手段の上流端部に戻す物品戻し手段が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品搬送装置。
  4. 搬送手段は、上流端部に順次搬入された所定個数の物品を、搬入時の姿勢を保持した状態で、一群として下流側に搬送するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の物品搬送装置。
  5. 所定個数の物品を袋または箱に詰め込んで梱包する物品梱包装置であって、請求項4に記載の物品搬送装置と、該物品搬送装置における搬送手段の下流部に設けられて、一群の物品をそれらの姿勢を保持した状態で前記袋または箱に詰め込む物品詰め込み手段とが備えられていることを特徴とする物品梱包装置。
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