JP2004168491A - 物品搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操作パネルを介して物品保持空間の数より少ない搬送個数が指定されると、コントロールユニットは、予め搬送個数ごとに受入パターンを記憶したメモリからその搬送個数に対応した受入パターンを読み出して設定すると共に、この受入パターンで物品保持空間に搬入コンベアから供給される袋X1〜X10を受け入れるように、第1及び第2物品保持部材30,31の間欠移動のパターンを制御する。例えばこの受入パターンは、最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X1,X10が保持された上で、中央側に集中して袋X2〜X9が保持されるパターンである。
【選択図】 図15
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上流側の受入位置で受け入れた所定個数の物品を整列状態で下流側の排出位置へ搬送する物品搬送装置、及び該物品搬送装置を備えた箱詰め装置に関し、物品搬送の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポテトチップスなどの食品は袋詰めされたのち、搬送装置によって搬送されて、梱包ステーションで段ボール箱等に箱詰めされる。
【0003】
近年、このような物品搬送の技術分野においては、高速処理化により生産性を向上させようとする傾向にあり、これを実現する搬送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この搬送装置は、物品の搬送方向と平行に無端状の4つのチェーンが並列に配置され、一対の第1チェーンと一対の第2チェーンとがそれぞれ駆動手段によって独立して駆動されるいわゆるダブルループ構成のものである。そして、一対の第1チェーン間に複数の仕切り部材(保持部材)が立設されて一群の物品を保持する一対の物品保持部材(保持部材群)が設けられる一方、第2チェーン間にも同様に一対の物品保持部材(保持部材群)が設けられている。
【0005】
これによれば、例えば、第1チェーンによって搬送される一方の物品保持部材が受入位置で上流側の搬入コンベアから所定個数の物品を受け入れている間に、排出位置での物品の排出を終了したばかりの他方の物品保持部材が受入位置に向けて搬送され、また、先に所定個数の物品を受け入れた第2チェーン側の一方の物品保持部材が排出位置で停止して保持した物品を箱詰め装置側へ一斉に排出している間に、排出位置での物品の排出を終了している他方の物品保持部材が受入位置に向けて搬送されるように、第1及び第2チェーンを駆動することが可能となる。すなわち、第1及び第2チェーンに設けられた合計4つの物品保持部材が受入位置と排出位置との間を間断なく移動することにより、物品の受け入れ及び排出が効率よく行われ、もって物品の高速処理化が実現されることになる。
【0006】
ところで、搬送する一群当りの物品の個数を変更する場合、前記特許文献1に記載の搬送装置では第1及び第2チェーンに対する仕切り部材の配設個数を増減しなければならないが、仕切り部材が着脱容易に設けられていないから、作業性の点で問題がある。また、チェーン全体を交換する方式も考えられるが、通常この作業は大掛かりなものとなって面倒である。
【0007】
前記問題を解消するものとして、仕切り部材がチェーンに対して着脱自在に設けられた搬送装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
これによれば、搬送する一群当りの物品の個数が変更されても、仕切り部材(フィン)の配設個数を比較的簡便に増減することができるから作業性は向上する。しかしながら、これにしても増減個数が多い場合には依然作業性に問題が残る。
【0009】
一方、前記特許文献1及び特許文献2に記載の搬送装置とは異なり、搬入された各物品間を仕切り部材で仕切らない方式の搬送装置において、搬送する一群の物品の個数の変更に自在に対応可能なものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
この搬送装置は、物品の搬送方向と平行に無端状の2つのチェーンが並列に配置されると共に第1チェーンと第2チェーンとにそれぞれ前後一対の仕切り部材(羽根)が立設されており、第1チェーン側の一方の仕切り部材と第2チェーン側の一方の仕切り部材との間に、一群の物品を保持可能な物品保持部が形成されるように構成されている。
【0011】
これによれば、第1チェーン側の仕切り部材と第2チェーン側の仕切り部材との相対位置を適宜ずらすことで、任意の個数の物品を保持することができる物品保持部が実現される。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−285654号公報(第3〜5頁、図6)
【特許文献2】
特開2000−159319号公報(第10頁、図7)
【特許文献3】
特開平8−183505号公報(第3頁、図2)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献3に記載の搬送装置は、隣接する仕切り部材間に物品を一個ずつ保持する形式の物品保持部ではないから、搬送中或いは排出中に物品の配列の乱れや転倒等の不具合が生じるおそれがあり、特に高速処理化を図る場合には問題がある。また、物品の受け入れに際し、受け入れの都度物品を背後から支持する機構を設ける必要があるため、この点でも高速処理化を阻害し、かつ装置の複雑化と共にコストアップを招くことになる。
【0014】
そこで、本発明は、以上の現状に鑑み、簡素化された構成で一群当りの物品の個数の変更に柔軟に対応可能な物品搬送装置、及び該物品搬送装置を備えた箱詰め装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0016】
まず、請求項1に記載の発明は、搬送面に対して直立する仕切り部材により搬送方向に沿って複数の物品保持空間が画成された物品保持部材と、該物品保持部材を所定の物品受入位置で間欠移動させて、物品搬入手段からほぼ一定時間間隔で搬入される物品を各物品保持空間に順次受け入れさせると共に、所定個数受け入れたのち、該物品保持部材を物品排出位置へ移動させる搬送手段とを有する物品搬送装置に関するもので、いずれの物品保持空間に物品を受け入れるかの受入パターンを設定する受入パターン設定手段と、該受入パターン設定手段によって設定された受入パターンで物品保持空間に物品を受け入れるように、前記搬送手段による物品保持部材の間欠移動のパターンを制御する搬送制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、物品保持空間には設定された受入パターン通りに物品が保持されるようになる。例えば、物品保持部材が搬送する物品の個数が少なくなるように変更された場合、搬送個数に対応した受入パターンで物品保持空間に物品を受け入れるように物品保持部材の移動を制御するから、物品保持部材の交換作業或いは仕切り部材の増減作業等は回避され、簡素化された構成で搬送個数の変更に柔軟に対応可能な物品搬送装置が実現される。しかも、仕切り部材によって複数の物品保持空間を画成することにより、搬入された物品は各物品保持空間に安定して保持されるため、搬送中或いは排出中の配列の乱れや転倒等の不具合は効果的に抑制される。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の物品搬送装置において、予め前記物品保持部材によって搬送する物品の個数ごとに設定された受入パターンを記憶した受入パターン記憶手段と、搬送個数を指定する搬送指定手段とを有し、前記受入パターン設定手段は、該搬送指定手段によって搬送個数が指定されると、前記受入パターン記憶手段からその個数に対応した受入パターンを読み出して設定することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、受入パターンの設定が自動化されるから、都度手動で受入パターンを設定する場合に比較して、作業効率が向上する。
【0020】
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の物品搬送装置において、前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が隣接しない受入パターンを記憶していることを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、同じく前記請求項2に記載の物品搬送装置において、前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が隣接する受入パターンを記憶していることを特徴とする。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は、同じく前記請求項2に記載の物品搬送装置において、前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が搬送方向に沿って中央側に設けられる受入パターンを記憶していることを特徴とする。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、同じく前記請求項2に記載の物品搬送装置において、前記受入パターン記憶手段は、搬送方向に沿って中央側の物品保持空間に優先的に物品が保持される受入パターンを記憶していることを特徴とする。
【0024】
これらの発明のいずれによっても、前記請求項2に記載の発明をさらに具体化することができる。
【0025】
その上で、請求項3に記載の発明によれば、物品排出位置で物品が排出されたとき、隣接する物品間が過大に離間する箇所が形成されていないから、物品の転倒等の不具合が抑制される。
【0026】
そして、物品保持部材が、物品受入位置に臨んで1つの物品保持空間の幅寸法に相当する1ピッチずつ間欠移動しながら搬入される物品を受け入れるように駆動を制御されている場合、空の物品保持空間が連続して設けられないから、ほぼ一定時間間隔で供給される物品を確実に受け入れるためには、物品保持部材は適宜2ピッチ移動して、空となるべき物品保持空間に受入位置を素通りさせればよい。したがって、搬送手段を駆動するモータ等の駆動源の負荷がいたずらに増大したり、或いはその能力を超えるような駆動が求められることにはならない。
【0027】
一方、請求項4に記載の発明は、むしろ積極的に空の物品保持空間が隣接するような受入パターンを採用し、この連続する空の物品保持空間箇所を利用しようとするものである。この発明によれば、例えば物品排出位置が搬送方向に沿った一側方に複数箇所設けられている場合、物品の排出経路上或いはその近傍に、排出位置間を間仕切る部材や各排出位置ごとに付帯する幅寄せ機構等を設置可能なスペースが提供されることになる。したがって、排出位置ごとにそれぞれ搬送手段を備える必要がなくなり、いたずらに投資することなく、複数箇所での物品の排出に対応可能な単一の搬送手段が実現される。なお、空の物品保持空間が連続する場合、これらに該当する物品保持空間が受入位置を素通りするように、物品保持部材は空の物品保持空間が連続する分だけ高速で移動する必要があるため、搬送手段の駆動源の能力面から問題の生じない範囲で、空の物品保持空間を連続して設けることができる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明によれば、搬送する物品の性状に基く要求により中央側に空の物品保持空間を設ける場合等に対応可能となる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明によれば、物品保持空間の数より搬送個数が少ない場合において、搬送方向に沿って中央側に集中するように物品が搬入される一方、比較的両端側に空の物品保持空間が設けられるようになるから、例えば、排出中の幅寄せを円滑に実行することができる。すなわち、排出された一群の物品を段ボール箱に詰め込むため搬送方向に沿って前後方向から幅寄せする場合、通常外側つまり前後端側の物品が順次内側の物品に干渉することにより物品は互いに密着し、最終的に一群の物品は中央側にコンパクトに集積される。したがって、空の物品保持空間が外側に設けられている方が一群の物品は早期に密着するため、幅寄せが円滑に実行されるのである。
【0030】
次に、請求項7に記載の発明は、前記請求項2から請求項6のいずれかに記載の物品搬送装置において、前記受入パターン記憶手段は、搬送方向に沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間には常に物品が保持されるようなパターンを記憶していることを特徴とする。
【0031】
高速処理化のため複数の物品保持部材が移動するような構成において、物品受入位置に臨んで、先行する物品保持部材の後端と後続する別なる物品保持部材の前端とを干渉させることなく、しかも極力近接させ、この状況に限って両物品保持部材を略一体的に移動させることにより、例えば、当該搬送装置の上流側の包装機等からほぼ一定時間間隔で供給される物品を確実に受け入れるように、搬送手段を駆動することがある。そして、近接させたとはいえ両物品保持部材間に1ピッチ程度の間隙が形成されるような場合、後続する物品保持部材の最前方側の物品保持空間に物品が搬入されるような受入パターンにおいては、この物品保持部材を通常の物品の受け入れ時の1ピッチ移動よりも高速の略2ピッチ移動で受入位置へ到達させると共に先行する物品保持部材を同様の高速で受入位置から離脱させるように、搬送手段を駆動することがある。
【0032】
一方、後続する物品保持部材の最前方側の物品保持空間を空とするような受入パターンが採用されると、上流側からほぼ一定時間間隔で供給される物品を確実に受け入れるためには、この物品保持部材を1ピッチだけさらに高速で受入位置へ到達させると共に先行する物品保持部材も1ピッチだけさらに高速で受入位置から離脱させるように搬送手段を駆動しなければならなくなって、搬送手段の駆動源の負荷が増大したり、或いはその能力を超える駆動が求められるという問題が生じることがある。さらに、物品保持部材の最後方側の物品保持空間も空とするような受入パターンが採用されると、前記問題は一層顕在化する。
【0033】
それに対して、本発明によれば、物品保持部材の最後方側及び最前方側には空の物品保持空間を設けないような受入パターンを採用するから、受入位置からの離脱及び受入位置への到達に際して物品保持部材の高速移動が極力抑制される結果、駆動源の負荷がいたずらに増大したり、或いはその能力を超えるような駆動が求められることがなく、もって搬送手段の安定性が向上する。
【0034】
そして、請求項8に記載の発明は、前記請求項1に記載の物品搬送装置において、予め前記物品保持部材によって搬送する物品の個数ごとに設定された受入パターンを記憶した受入パターン記憶手段と、搬送個数ごとの受入種別を指定する搬送指定手段とを有し、前記受入パターン設定手段は、該搬送指定手段によって搬送個数ごとの受入種別が指定されると、前記受入パターン記憶手段からその種別に対応した受入パターンを読み出して設定することを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、前記請求項2に記載の発明と同様の作用効果がもたらされると共に、搬送個数ごとに用意されたバラエティに富む受入パターンを容易に設定することができる。
【0036】
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の物品搬送装置において、前記搬送指定手段は、搬送個数ごとの受入種別として、空の物品保持空間が隣接しないパターン、空の物品保持空間が隣接するパターン、搬送方向に沿って中央側の物品保持空間に優先的に物品が保持されるパターン、空の物品保持空間が搬送方向に沿って中央側に設けられるパターンのいずれかを指定することを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、搬送個数ごとの受入種別の具体的態様が提示される。
【0038】
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項8または請求項9に記載の物品搬送装置において、前記搬送指定手段は、搬送個数ごとの受入種別として、搬送方向に沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間には常に物品が保持されるパターンを指定することを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、前記請求項7に記載の発明と同様に、複数の物品保持部材が移動するような構成において、物品保持部材の高速移動が極力抑制される結果、駆動源の負荷がいたずらに増大したり、或いはその能力を超えるような駆動が求められることがなく、もって搬送手段の安定性が向上する。
【0040】
そして、請求項11に記載の発明は、所定個数の物品を箱詰めする箱詰め装置に関するもので、請求項1から請求項10のいずれかに記載の物品搬送装置と、該物品搬送装置の下流部の物品排出位置近傍に設けられて、一群の物品をそれらの姿勢を保持した状態で箱に詰め込む物品詰め込み手段とが備えられていることを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、前述したような物品搬送装置の作用が箱詰め装置に反映され、汎用性のある箱詰め装置が実現される。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る箱詰めラインについて説明する。なお、以下の記載において、「前、後」とあるのは、それぞれ物品の搬送方向の下流側、上流側を、また、「左、右」とあるのは、それぞれ搬送方向の左側、右側を意味する。
【0043】
図1及び図2に示す箱詰めライン1は、例えばポテトチップス等のスナック菓子を充填した袋X…Xを段ボール箱に詰め込むものであり、主たる構成要素として、受入位置Aで受け入れた袋X…Xを下流側の排出位置Bへ搬送する搬送装置2と、排出位置Bで排出される袋X…Xを箱詰めする箱詰め装置3とを含む。
【0044】
搬送装置2の構成について説明すると、まず搬入コンベア10は平ベルトタイプのもので、例えば上流側の図示しない包装機から排出される袋Xを1個ずつ順に下流側の搬送部20へ供給する。搬入コンベア10は、その搬送方向aが搬送部20の搬送方向bと直交する向きで該搬送部20の上流端部つまり袋Xの受入位置Aに連結するように配置されている。
【0045】
また、搬入コンベア10の搬送面を跨いで立設された前後のフレーム部材11,12に、それぞれ左右一対のガイド部材13,14,15,16が取り付けられており、横姿勢で搬送される袋Xはこれらのガイド部材13〜16によって位置決めされて搬送部20に供給されるようになっている。そして、搬入コンベア10の下流端近傍に、袋Xを検知する光電センサ17が配設されている。
【0046】
搬送部20は、搬送装置2の本体ケース2a内に回転自在に軸支された前後一対のシャフト21,22を備えている。前方のシャフト21の所定位置に4個のスプロケット23a〜23dが、後方のシャフト22の所定位置に同様に4個のスプロケット24a〜24dが組み付けられている。そして、対向配置された前後のスプロケット23a〜23d,24a〜24d間にそれぞれ1条の無端状チェーン25a〜25dが巻き掛けられている。
【0047】
本体フレーム2a内の前方寄りと後方寄りとにサーボモータ26,27が配設されており、これらの駆動力がタイミングベルト28,29を介してそれぞれ前記シャフト21,22に伝達される。この場合、サーボモータ26の駆動力はスプロケット23a,23dに伝達されてチェーン25a,25dが、サーボモータ27の駆動力はスプロケット24b,24cに伝達されてチェーン25b,25cが一斉に走行可能に構成されている。
【0048】
一方の一対のチェーン25b,25c間及び他方の一対のチェーン25a,25d間には、一群の袋X…Xを保持する図例上前方側の第1物品保持部材30と後方側の第2物品保持部材31とがそれぞれ連結されている。各物品保持部材30,31は、それぞれ12個の袋X…Xを所定の姿勢つまりこの場合には縦姿勢で保持可能に構成されている。
【0049】
第1及び第2物品保持部材30,31は同様な構成とされているので、便宜上一例として第1物品保持部材30について詳しく説明すると、図1〜図4に示すように、この第1物品保持部材30は13個の側面視L字状の仕切り部材32…32を有し、隣接する仕切り部材32,32によって袋Xを保持する物品保持空間が画成されている。この場合、第1物品保持部材30には12の物品保持空間が設けられることになる。また、各物品保持空間の幅寸法は、袋Xの厚みより若干大きくなるように構成されている(図4参照)。
【0050】
各仕切り部材32は仕切り面32aと底面32bとを有し、該底面32bと一対のチェーン25b,25cにそれぞれ固定された取付部材33,33及び左右に配置されたスペーサ34,34とのねじ止めにより、チェーン25b,25cに着脱可能に支持されている。この場合、仕切り面32aの直立時の高さは搬送時の袋Xの高さより低い構成とされている。なお、図3において図示しない第2物品保持部材31の各仕切り部材32は、鎖線で示すチェーン25a,25dに着脱可能に支持されている。
【0051】
そして、各チェーン25a〜25dの上側走行部と下側走行部とを安定的に案内する搬送方向bに長いガイド部材(下側走行部側は図示せず)35…35が設けられている(図3及び図4参照)。なお、図1及び図2では、これらのガイド部材35…35の図示を省略している。
【0052】
また、搬送部20の上流端部の袋Xの搬入側と反対側の側部に、搬入コンベア10から矢印aで示すように図例上第2物品保持部材31の仕切り部材32上に供給された袋Xを受け止める平板状のストッパ部材36が設けられている(図2参照)。
【0053】
図1及び図2に示すように、搬送装置2の下流側の排出位置B近傍には、一群の袋X…Xをそれらの姿勢を保持した状態で矢印cで示すように該搬送装置2から箱詰め装置3側へ排出する排出部40が設けられている。この排出部40は本体フレーム2a上に立設されたフレーム部材41に支持されており、シリンダ等を有する周知の水平移動機構42及び垂直移動機構43、並びに垂直移動機構43の下端部に取り付けられた櫛歯状のプッシャ部材44等で構成されている。この場合、プッシャ部材44の1回の排出動作によって、各物品保持部材30,31からそれぞれ12個の袋X…Xが排出可能とされている。
【0054】
箱詰め装置3は、排出部40によって排出された一群の袋X…Xを搬送部20の搬送方向bに沿って前後方向から幅寄せしてトータル幅を所定寸法とするための幅寄せ機構50を有しており、この幅寄せ機構50と図示しない押し込み機構とによって、一群の袋X…Xは段ボール箱に箱詰めされる。
【0055】
搬送装置2の制御システムを図5に示す。この制御システムには、搬送装置2を総括的に制御するコントロールユニット60が備えられている。コントロールユニット60は、光電センサ17からの検知信号を入力し、この入力信号に基いてサーボモータ26,27の駆動、すなわちチェーン25a,25b,25c,25dの走行、ひいては第1、第2物品保持部材30,31の移動を制御する。
【0056】
そして、コントロールユニット60は、搬送装置2を操作するための操作パネル61(図2参照)からの操作信号を入力すると、メモリ60aに記憶されている複数の受入パターンから、入力信号に対応する受入パターンを読み出して設定し、この受入パターンに基いて前記サーボモータ26,27に制御信号を出力してこれらの駆動を制御する。なお、前記受入パターンは、各物品保持部材30,31に設けられたいずれの物品保持空間に袋X…Xを受け入れるかというパターンのことである。
【0057】
次に、図1及び図2に基いて、箱詰めライン1の基本動作について説明すると、まず、袋Xが搬入コンベア10から搬送部20に1個ずつ順に横姿勢で搬入される。
【0058】
そして、例えば受入位置Aを移動する第2物品保持部材31に袋Xが搬入される場合、この第2物品保持部材31は、該保持部材31に備えられた各仕切り部材32…32の仕切り面32a…32aが順次一旦水平状態となるように、該保持部材31を支持する一対のチェーン25a,25dの間欠走行によって1ピッチずつ、つまり隣接する仕切り部材32,32間の間隔(すなわち物品保持空間の幅寸法)ずつ移動する。そして、各仕切り面32a…32aが水平状態となったときに搬入コンベア10から袋Xが当該仕切り面32a上に搬入されるように、光電センサ17による袋Xの検知信号に基いてチェーン25a,25dの走行は制御される。また、搬入された袋Xはストッパ部材36によって仕切り面32a上で確実に受け止められ、隣接する仕切り部材32,32間の物品保持空間に良好に保持される。
【0059】
こうして12個の袋X…Xが第2物品保持部材31に受け入れられるまで、前記動作が繰り返される。なお、搬入された袋Xはチェーン25a,25dの走行に伴って横姿勢から縦姿勢とされ、排出位置Bに到達するまで縦姿勢は保持される。
【0060】
また、先に12個の袋X…Xを受け入れた図例上前方側の第1物品保持部材30は、排出位置Bにおける停止中に、排出部40の1回の排出動作で保持した袋X…Xが全て箱詰め装置3側に排出されると、受入位置Aに向けて高速で移動する。一方、12個の袋X…Xが搬入された前記第2物品保持部材31は、これらの袋X…Xを縦姿勢に保持した状態で排出位置Bに向けて高速で移動する。そして、受入位置Aに到達した第1物品保持部材30には搬入コンベア10から袋X…Xが順次搬入される一方、排出位置Bに停止した第2物品保持部材31からは全ての袋X…Xが排出部40によって箱詰め装置3側へ排出される。第1及び第2物品保持部材30,31にこのような動作を間断なく実行させることにより、袋X…Xの高速処理化が実現されることになる。
【0061】
排出された12個の袋X…Xにおいては、図4に示した構成によって隣接する袋X,X間に隙間が形成されているので、この一群の袋X…Xは箱詰めに際して幅寄せ機構50によって所定のトータル幅とされた上で、段ボール箱にコンパクトに詰め込まれる。
【0062】
また、仕切り部材32…32で各物品保持部材30,31当り12個の物品保持空間を画成することにより、搬入された12個の袋X…Xは各物品保持空間に安定して保持されるため、搬送中或いは排出中の配列の乱れや転倒等の不具合は効果的に抑制される。
【0063】
ここで、受入位置Aにおける搬送部20の袋Xの受け入れ動作につき、図6〜図8に基いてさらに詳しく説明する。なお、説明をより具体的なものとするため、各物品保持部材30,31の仕切り部材32…32及び搬入コンベア10で搬入される袋X…Xに、前後関係を明確にする添え字を適宜付している。
【0064】
まず、図6に示すように、図例上右方の受入位置Aにおける12個の袋X1〜X12の受け入れ期間中、第1物品保持部材30の各仕切り部材32A1〜32A12が、矢印b′で示すように下方から上方へ旋回する途中で符号Eで示す水平状態となって一旦停止し、そのとき搬入コンベア10から袋X1〜X12が1個ずつ搬入されるように、第1物品保持部材30は一対のチェーン25b,25cに連結されて1ピッチずつ間欠移動する。なお、第1物品保持部材30は、全体としては矢印bで示す方向へ向けて移動する。
【0065】
そして、図例では、第1物品保持部材30の物品保持空間にはすでに11個の袋X1〜X11が保持されており、今、水平状態となった最後尾の仕切り部材32A12上に、第1物品保持部材30に保持されるべき最後の袋X12が搬入されている。
【0066】
一方、第1物品保持部材30の背後には、各仕切り部材32B0〜32B12が一対のチェーン25a,25dに連結されて全ての物品保持空間が空の第2物品保持部材31が取り付くように配置されていると共に、第1物品保持部材30の移動に合わせて1ピッチずつ間欠移動している。この場合、第2物品保持部材31の先頭の仕切り部材32B0が、第1物品保持部材30の最後尾の仕切り部材32A12に対して略1ピッチ離間して移動するように、前記チェーン25a,25dの走行は制御される。なお、仕切り部材32A12と仕切り部材32B0とが隣接するとはいえ、この場合、両仕切り部材32A12,32B0は物品保持空間を画成しない。
【0067】
次に、図7に示すように、第1物品保持部材30の仕切り部材32A12に12個の袋X1〜X12のうちの最後の袋X12が搬入されると、この第1物品保持部材30は2ピッチを若干上回って高速で矢印b方向に移動する。
【0068】
一方、前記第1物品保持部材30が受入位置Aを離脱すると共に、第2物品保持部材31はそれまでの1ピッチ移動でなく2ピッチ移動し、その結果、該第2物品保持部材31の先頭から2番目の仕切り部材32B1は符号Eで示す水平状態となって一旦停止することとなり、この仕切り部材32B1上に12個の袋X1〜X12のうちの最初の袋X1が搬入される。なお、前記2ピッチ移動により、先頭の仕切り部材32B0は水平状態を素通りするので、元来物品保持空間を画成するものではないこの仕切り部材32B0に袋Xが搬入されることはなく、図例の位置へ移動する。
【0069】
このような第1及び第2物品保持部材30,31の動作を図8を参照しながら改めて説明すると、符号Fで示す動作期間中に12個の袋X1〜X12を受け入れた第1物品保持部材30は、符号Gで示すように2ピッチを若干上回る所定の高速で下流側へ移動して、符号Hで示すように排出位置Bで停止する。この停止期間中に、物品保持空間に保持された12個の袋X1〜X12が排出部40によって箱詰め装置3側へ排出されると、第1物品保持部材30は、符号Iで示すように所定の高速で受入位置Aへ移動する。
【0070】
一方、受入位置A近傍で第1物品保持部材30に取り付いていた第2物品保持部材31は、符号Jで示すように前述した第1物品保持部材30の移動に合わせて1ピッチずつ移動し、第1物品保持部材30が最後の袋X12を受け入れて受入位置Aを離脱すると、第2物品保持部材31は符号Kで示すように2ピッチ移動して、先頭から2番目の仕切り部材32B1がまず水平状態となって一旦停止して最初の袋X1を受け入れたのち、符号Lで示すように前記符号Fで示した第1物品保持部材30の動作と同様に動作し、受入位置Aで順次水平状態となった仕切り部材32B2〜32B12上に搬入コンベア10からの袋X2〜X12を受け入れる。
【0071】
その場合、光電センサ17によって搬送コンベア10上を概ね一定時間間隔で搬送される袋X1〜X12が検知されると、所定時間Tの経過を待って第1及び第2物品保持部材30,31は1ピッチずつ間欠移動するように制御される。つまり、袋X1〜X12の検知後、該袋X1〜X12が所定の仕切り部材32A1〜32A12,32B1〜32B12上へ確実に搬入されてから、第1及び第2物品保持部材30,31が1ピッチずつ移動することにより、各仕切り部材32A1〜32A12,32B1〜32B12が次回の袋X1〜X12の受け入れに順次待機するようになっている。
【0072】
こうすることにより、袋X1〜X12の受け入れに際して第1及び第2物品保持部材30,31が互いに干渉することはなく、第1物品保持部材30は12個の袋X1〜X12の受け入れが完了すると速やかに受入位置Aを離脱する一方、第2物品保持部材31は速やかに受入位置Aに到達し、つまり第2物品保持部材31の仕切り部材32B1は速やかに符号Eで示す水平状態となり、搬入コンベア10によって搬入される最初の袋X1を確実に受け入れることができるようになる(図7参照)。
【0073】
そして、この搬送装置2の搬送部20においては、前述した動作のほかに以下のような特徴的な動作が可能である。すなわち、前述した動作例では、各物品保持部材30,31の全ての物品保持空間に袋X…Xが搬入されたが、例えば操作パネル61を介して各物品保持部材30,31の物品保持空間の数より少ない搬送個数が指定されると、この指定信号を入力したコントロールユニット60は、メモリ60aに記憶されている複数の受入パターンから、入力信号に対応する受入パターンを読み出し、この受入パターンに基いてサーボモータ26,27の駆動つまり第1、第2物品保持部材30,31の移動を制御する。
【0074】
こうすることにより、受入パターンの設定が自動化されるから、例えば都度手動で受入パターンを設定する場合に比較して、作業効率が向上する。
【0075】
まず、前述した構成であってそれぞれ12個の袋X…Xの搬送が可能な第1及び第2物品保持部材30,31によってそれぞれ10個の袋X…Xを搬送する場合、第1の受入パターンが設定されたときの搬送部20の動作例を説明する。
【0076】
図9に示すように、この第1の受入パターンは、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X1,X10が保持され、かつ空の物品保持空間が隣接しないパターンである。つまり、2個の仕切り部材32A4,32A9には袋X,Xが搬入されない。
【0077】
このような受入パターンに基く受入位置Aにおける第1及び第2物品保持部材30,31の動作を図9及び図10を用いて説明すると、符号F1で示す動作期間中に仕切り部材32A3上に袋X3を受け入れた第1物品保持部材30は、符号F1′で示すように2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A4に符号Eで示す水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A5を水平状態とさせ、この仕切り部材32A5上に次回の袋X4を受け入れるようにする。その後、仕切り部材32A8上に袋X7を受け入れると、第1物品保持部材30は符号F1″で示すように2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A9に水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A10を水平状態とさせ、この仕切り部材32A10上に次回の袋X8を受け入れるようにする。なお、以降の符号G,H,Iで示す動作は図8に基いて前述した通りであるので、説明を省略する。
【0078】
一方、前記第1物品保持部材30に取り付いていた第2物品保持部材31は、符号J1で示すように前述した第1物品保持部材30の移動に合わせて移動し、第1物品保持部材30が最後の袋X10を受け入れて符号Gで示すように受入位置Aを離脱すると、第2物品保持部材31は符号K1で示すように2ピッチ移動して仕切り部材32B1上に最初の袋X1を受け入れたのち、符号L1で示すように前記符号F1で示した第1物品保持部材30の動作と同様に動作する。これにより、この第2物品保持部材31においても、図9に示す第1物品保持部材30におけると同様の袋X1〜X10の保持配列が実現される。
【0079】
このような受入パターンを採用すれば、排出位置Bで袋X1〜X10が排出されたとき、隣接する袋X1〜X10間が過大に離間する箇所が形成されないから、袋X1〜X10の転倒等の不具合が抑制される。
【0080】
そして、空の物品保持空間が連続して設けられないから、ほぼ一定時間間隔で供給される袋X1〜X10を確実に受け入れるためには、第1及び第2物品保持部材30,31を通常の1ピッチ移動の代わりに2ピッチ移動させて、空となるべき物品保持空間、つまりこの場合該当する仕切り部材32A4,32A9,32B4,32B9に符号Eで示す水平状態を素通りさせればよい。したがって、搬送部20に設けられたサーボモータ26,27の負荷がいたずらに増大したり、或いはサーボモータ26,27の能力を超えるような駆動が求められることにはならない。
【0081】
次いで、第2の受入パターンが設定されたときの搬送部20の動作例を説明する。
【0082】
図11に示すように、この第2の受入パターンは、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X1,X10が保持され、かつ空の物品保持空間が隣接するようなパターンである。つまり、隣接する2個の仕切り部材32A6,32A7には袋X,Xが搬入されない。
【0083】
このような受入パターンに基く受入位置Aにおける第1及び第2物品保持部材30,31の動作を図11及び図12を用いて説明すると、符号F2で示す動作期間中に仕切り部材32A5上に袋X5を受け入れた第1物品保持部材30は、符号F2′で示すように3ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A6,32A7に符号Eで示す水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A8を水平状態とさせ、この仕切り部材32A8上に次回の袋X6を受け入れるようにする。そして、仕切り部材32A8上に袋X6を受け入れると、第1物品保持部材30は1ピッチずつ移動することにより、残る仕切り部材32A9〜32A12上に袋X7〜X10を受け入れるようにする。なお、以降の符号G,H,Iで示す動作は図8に基いて前述した通りであるので、説明を省略する。
【0084】
一方、前記第1物品保持部材30に取り付いていた第2物品保持部材31は、符号J2で示すように前述した第1物品保持部材30の移動に合わせて移動し、第1物品保持部材30が最後の袋X10を受け入れて符号Gで示すように受入位置Aを離脱すると、第2物品保持部材31は符号K2で示すように2ピッチ移動して仕切り部材32B1上に最初の袋X1を受け入れたのち、符号L2で示すように前記符号F2で示した第1物品保持部材30の動作と同様に動作する。これにより、この第2物品保持部材31においても、図11に示す第1物品保持部材30におけると同様の袋X1〜X10の保持配列が実現される。
【0085】
このような受入パターンを採用すれば、空の物品保持空間が連続することから、例えば排出位置が搬送方向bに沿った一側方に複数箇所設けられている場合、袋X1〜X10の排出経路上或いはその近傍に、排出位置間を間仕切る部材や各排出位置ごとに付帯する幅寄せ機構等を設置可能なスペースが提供されることになる。図11の例示によると、袋X1〜X10を前方側の袋X1〜X5と後方側の袋X6〜X10との2グループに分割することができるから、この場合には2箇所の排出位置に対応可能となる。したがって、排出位置ごとにそれぞれ搬送部を備える必要がなくなり、いたずらに投資することなく、複数箇所での袋X1〜X10の排出に対応可能な単一の搬送部20が実現される。
【0086】
なお、搬送部20に設けられたサーボモータ26,27の能力面から問題の生じない範囲で、空の物品保持空間を連続して設けることができる。図11に示すような空の物品保持空間が2つ連続する受入パターンの場合、図12において符号F2′で示したように、物品保持部材30,31の最高移動速度は3ピッチ移動で済むから、これはサーボモータ26,27に過大な負荷を強いることにはならない。
【0087】
次いで、第3の受入パターンが設定されたときの搬送部20の動作例を説明する。
【0088】
図13に示すように、この第3の受入パターンは、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X1,X10が保持され、かつ空の物品保持空間が搬送方向bに沿って中央側に設けられるようなパターンである。つまり、2個の仕切り部材32A6,32A8には袋X,Xが搬入されない。
【0089】
このような受入パターンに基く受入位置Aにおける第1及び第2物品保持部材30,31の動作を図13及び図14を用いて説明すると、符号F3で示す動作期間中に仕切り部材32A5上に袋X5を受け入れた第1物品保持部材30は、符号F3′で示すように2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A6に符号Eで示す水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A7を水平状態とさせ、この仕切り部材32A7上に次回の袋X6を受け入れるようにする。そして、仕切り部材32A7上に袋X6を受け入れると、第1物品保持部材30は符号F3″で示すように再び2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A8に水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A9を水平状態とさせ、この仕切り部材32A9上に次回の袋X7を受け入れるようにする。なお、以降の符号G,H,Iで示す動作は図8に基いて前述した通りであるので、説明を省略する。
【0090】
一方、前記第1物品保持部材30に取り付いていた第2物品保持部材31は、符号J3で示すように前述した第1物品保持部材30の移動に合わせて移動し、第1物品保持部材30が最後の袋X10を受け入れて符号Gで示すように受入位置Aを離脱すると、第2物品保持部材31は符号K3で示すように2ピッチ移動して仕切り部材32B1上に最初の袋X1を受け入れたのち、符号L3で示すように前記符号F3で示した第1物品保持部材30の動作3と同様に動作する。これにより、この第2物品保持部材31においても、図13に示す第1物品保持部材30におけると同様の袋X1〜X10の保持配列が実現される。
【0091】
このような受入パターンを採用すれば、搬送する袋X1〜X10の性状に基く要求により中央側に空の物品保持空間を設ける場合等に対応可能となる。
【0092】
そして、第4の受入パターンが設定されたときの搬送部20の動作例を説明する。
【0093】
図15に示すように、この第4の受入パターンは、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X1,X10が保持され、かつ搬送方向bに沿って中央側の物品保持空間に優先的に袋X2〜X9が保持されるようなパターンである。つまり、2個の仕切り部材32A2,32A11には袋X,Xが搬入されない。
【0094】
このような受入パターンに基く受入位置Aにおける第1及び第2物品保持部材30,31の動作を図15及び図16を用いて説明すると、符号F4で示す動作期間中に仕切り部材32A1上に袋X1を受け入れた第1物品保持部材30は、符号F4′で示すように2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A2に符号Eで示す水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A3を水平状態とさせ、この仕切り部材32A3上に次回の袋X2を受け入れるようにする。その後、仕切り部材32A10上に袋X9を受け入れると、第1物品保持部材30は符号F4″で示すように2ピッチ移動することにより、直後方の仕切り部材32A11に水平状態を素通りさせると共に次の仕切り部材32A12を水平状態とさせ、この仕切り部材32A12上に最後の袋X10を受け入れるようにする。なお、以降の符号G,H,Iで示す動作は図8に基いて前述した通りであるので、説明を省略する。
【0095】
一方、前記第1物品保持部材30に取り付いていた第2物品保持部材31は、符号J4で示すように前述した第1物品保持部材30の移動に合わせて移動し、第1物品保持部材30が最後の袋X10を受け入れて符号Gで示すように受入位置Aを離脱すると、第2物品保持部材31は符号K4で示すように2ピッチ移動して仕切り部材32B1上に最初の袋X1を受け入れたのち、符号L4で示すように前記符号F4で示した第1物品保持部材30の動作と同様に動作する。これにより、この第2物品保持部材31においても、図15に示す第1物品保持部材30におけると同様の袋X1〜X10の保持配列が実現される。
【0096】
このような受入パターンを採用すれば、搬送方向bに沿って中央側に集中するように袋X1〜X10が搬入される一方、比較的両端側に空の物品保持空間が設けられるようになるから、例えば、排出中の幅寄せをさらに円滑に実行することができる。すなわち、幅寄せ機構50によって前後方向から幅寄せする場合、通常外側つまり前後端側の袋X1,X10が順次内側の袋X2〜X9に干渉することにより袋X1〜X10は互いに密着し、最終的に一群の袋X1〜X10が中央側に集積される。したがって、空の物品保持空間が外側に設けられている方が一群の袋X1〜X10が早期に密着するため、幅寄せ行程がさらに円滑に実行されるのである。
【0097】
そして、前記第1〜第4の受入パターンを採用した場合に共通する特徴として、第1及び第2物品保持部材30,31の最後方側及び最前方側には空の物品保持空間が設けられないから、受入位置Aからの離脱及び受入位置Aへの到達に際して両物品保持部材30,31の高速移動が極力抑制される結果、サーボモータ26,27の負荷がいたずらに増大したり、或いはその能力を超えるような駆動が求められることがなく、もって搬送部20の安定性が向上する。
【0098】
前述した各例示のように、各物品保持部材30,31の物品保持空間の数より少ない搬送個数が指定されると、搬送部20はこの搬送個数に対応した各受入パターンで物品保持空間に袋X…Xを受け入れるように制御されるから、物品保持部材30,31の交換作業或いは仕切り部材32…32の増減作業等は回避され、簡素化された構成で搬送個数の変更に柔軟に対応可能な搬送装置2が実現される。そして、この搬送装置2を備えた箱詰め装置3にもこの作用効果が反映されることになる。
【0099】
なお、本発明に係る受入パターンは前記第1〜第4のパターンに限定されるものではなく、例えば物品保持部材30,31の個数、仕切り部材32…32の個数つまり物品保持空間の数、物品保持部材30,31当りの搬送個数、袋Xないし内容物の性状、排出位置Bの設置数、搬入コンベア10による袋Xの搬入速度、サーボモータ26,27の能力等に基いて適宜設定される。
【0100】
そして、搬送個数を指定する方式に代わり、搬送個数ごとの受入種別を指定する方式により、対応した受入パターンを設定することができる。この受入種別として、空の物品保持空間が隣接しないパターン、空の物品保持空間が隣接するパターン、搬送方向bに沿って中央側の物品保持空間に優先的に物品が保持されるパターン、空の物品保持空間が搬送方向bに沿って中央側に設けられるパターンが例示される。その上でさらに、受入種別として、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間には常に袋X,Xが保持されるパターンを設定することができる。この方式の場合にも、前者の方式におけると同様の作用効果がもたらされると共に、搬送個数ごとにバラエティに富む受入パターンを容易に設定することができる。
【0101】
また、前記実施の形態では、12個の袋X…Xを保持可能な第1及び第2物品保持部材30,31によってそれぞれ10個の袋X…Xを受け入れて搬送するパターンについて説明したが、本発明はさらに搬送個数の少ない場合にももちろん適用可能である。第1及び第2物品保持部材30,31に設けられた物品保持空間の数の概ね半分程度が、搬送効率面での下限として例示される。
【0102】
また、前記実施の形態では、搬送方向bに沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間に袋X,Xが保持されるパターンについて説明したが、例えば上流側から供給される袋Xの搬入速度が比較的低速の場合、前記物品保持空間を空にしてもよい。すなわち、前記搬入速度に連動して物品保持部材30,31の間欠移動も比較的低速で行うことが可能となるから、前記物品保持空間を空にしたとしても、そのことによって物品保持部材30,31の移動速度が過度に大きくなることがないためである。
【0103】
また、前記実施の形態では、第1物品保持部材30の最後尾の仕切り部材32A12と第2物品保持部材31の先頭の仕切り部材32B0とは、受入位置A付近では略1ピッチ離間して移動するようになっていたが、後者の仕切り部材32B0を前者の仕切り部材32A12に極力隣接するように、さらには重なり合うように配置してもよい。つまり、仕切り部材32B0が仕切り部材32A12を追い越したり或いは仕切り部材32A12と接触しない限り、この仕切り部材32B0を前記仕切り部材32A12に近接して配置することができる。こうすることにより、先頭から2番目の仕切り部材32B1を一旦水平状態とするのに、第1及び第2物品保持部材30,31は前述のように2ピッチ移動する必要がなく、例えば1ピッチ移動すればよくなって、さらなる高速処理化が図られる。
【0104】
また、前記実施の形態では、各物品保持部材30,31の先頭の仕切り部材32A0,32B0の形状は他の仕切り部材32A1〜32A12,32B1〜32B12の形状と同様に側面視L字状とされていたが、これに限定される必要はなく、それぞれ直後方に配置された仕切り部材32A1,32B1との間に物品保持空間を安定して画成するものであればよく、例えば平板状であってもよい。
【0105】
また、前記実施の形態では、搬送部20は2つの物品保持部材30,31を有していたが、さらに高速処理化を図る場合には、物品保持部材を例えば4つに増加することができる。
【0106】
また、前記実施の形態では、箱詰め装置3において幅寄せ機構50を設けていたが、幅寄せ行程中に押圧によって袋X…Xの持ち上がり現象が生じる場合には、袋X…Xの持ち上がりを防止するための抑え部材等を排出経路の上方に備えることができる。箱状の物品と異なり、袋状の物品では前記持ち上がり現象が生じることがあるため、前記措置はこの不具合の防止に効果的となる。
【0107】
そして、前記実施の形態では、搬送個数が指定されると、その個数に対応した受入パターンが設定されるように構成されていたが、さらに、幅寄せ機構50の幅寄せストロークも連動して設定されるようにしてもよい。つまり、この幅寄せ機構50の駆動源としてのサーボモータ等の駆動パターンも設定可能とすることにより、当該箱詰めライン1の自動化がさらに発展し、一層の効率向上が図られるようになる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上流側の受入位置で受け入れた所定個数の物品を整列状態で下流側の排出位置へ搬送する場合に、簡素化された構成で一群当りの物品の個数の変更に柔軟に対応可能な物品搬送装置、及び該物品搬送装置を備えた箱詰め装置が提供される。本発明は、箱詰めラインなどの物品搬送の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰めラインの概略側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】図1のC−C線による要部拡大矢視図である。
【図4】図3のD−D線による矢視図である。
【図5】搬送装置に係る制御システムを示すブロック図である。
【図6】受入位置における第1及び第2物品保持部材の動作を説明するための概略側面図である。
【図7】同じく概略側面図である。
【図8】第1及び第2物品保持部材の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】第1の受入パターンに基く受け入れを実行する場合の、図6に相当する概略側面図である。
【図10】同じく、図8に相当するタイムチャートである。
【図11】第2の受入パターンに基く受け入れを実行する場合の、図6に相当する概略側面図である。
【図12】同じく、図8に相当するタイムチャートである。
【図13】第3の受入パターンに基く受け入れを実行する場合の、図6に相当する概略側面図である。
【図14】同じく、図8に相当するタイムチャートである。
【図15】第4の受入パターンに基く受け入れを実行する場合の、図6に相当する概略側面図である。
【図16】同じく、図8に相当するタイムチャートである。
【符号の説明】
2 搬送装置(物品搬送装置)
3 箱詰め装置
10 搬入コンベア(物品搬入手段)
20 搬送部(搬送手段)
30,31 物品保持部材
32 仕切り部材
40 排出部(物品詰め込み手段)
60 コントロールユニット(受入パターン設定手段、搬送制御手段)
60a メモリ(受入パターン記憶手段)
61 操作パネル(搬送指定手段)
X 袋(物品)
Claims (11)
- 搬送面に対して直立する仕切り部材により搬送方向に沿って複数の物品保持空間が画成された物品保持部材と、該物品保持部材を所定の物品受入位置で間欠移動させて、物品搬入手段からほぼ一定時間間隔で搬入される物品を各物品保持空間に順次受け入れさせると共に、所定個数受け入れたのち、該物品保持部材を物品排出位置へ移動させる搬送手段とを有する物品搬送装置であって、いずれの物品保持空間に物品を受け入れるかの受入パターンを設定する受入パターン設定手段と、該受入パターン設定手段によって設定された受入パターンで物品保持空間に物品を受け入れるように、前記搬送手段による物品保持部材の間欠移動のパターンを制御する搬送制御手段とを有することを特徴とする物品搬送装置。
- 予め前記物品保持部材によって搬送する物品の個数ごとに設定された受入パターンを記憶した受入パターン記憶手段と、搬送個数を指定する搬送指定手段とを有し、前記受入パターン設定手段は、該搬送指定手段によって搬送個数が指定されると、前記受入パターン記憶手段からその個数に対応した受入パターンを読み出して設定することを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
- 前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が隣接しない受入パターンを記憶していることを特徴とする請求項2に記載の物品搬送装置。
- 前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が隣接する受入パターンを記憶していることを特徴とする請求項2に記載の物品搬送装置。
- 前記受入パターン記憶手段は、空の物品保持空間が搬送方向に沿って中央側に設けられる受入パターンを記憶していることを特徴とする請求項2に記載の物品搬送装置。
- 前記受入パターン記憶手段は、搬送方向に沿って中央側の物品保持空間に優先的に物品が保持される受入パターンを記憶していることを特徴とする請求項2に記載の物品搬送装置。
- 前記受入パターン記憶手段は、搬送方向に沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間には常に物品が保持される受入パターンを記憶していることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の物品搬送装置。
- 予め前記物品保持部材によって搬送する物品の個数ごとに設定された受入パターンを記憶した受入パターン記憶手段と、搬送個数ごとの受入種別を指定する搬送指定手段とを有し、前記受入パターン設定手段は、該搬送指定手段によって搬送個数ごとの受入種別が指定されると、前記受入パターン記憶手段からその種別に対応した受入パターンを読み出して設定することを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
- 前記搬送指定手段は、搬送個数ごとの受入種別として、空の物品保持空間が隣接しないパターン、空の物品保持空間が隣接するパターン、搬送方向に沿って中央側の物品保持空間に優先的に物品が保持されるパターン、空の物品保持空間が搬送方向に沿って中央側に設けられるパターンのいずれかを指定することを特徴とする請求項8に記載の物品搬送装置。
- 前記搬送指定手段は、搬送個数ごとの受入種別として、搬送方向に沿って最前方側及び最後方側の物品保持空間には常に物品が保持されるパターンを指定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の物品搬送装置。
- 所定個数の物品を箱詰めする箱詰め装置であって、請求項1から請求項10のいずれかに記載の物品搬送装置と、該物品搬送装置の下流部の物品排出位置近傍に設けられて、一群の物品をそれらの姿勢を保持した状態で箱に詰め込む物品詰め込み手段とが備えられていることを特徴とする箱詰め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002336101A JP2004168491A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 物品搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009012818A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Interpack Co Ltd | チューブ状軟体商品の自動集合箱詰方法及び装置 |
JP2011225243A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Kawashima Packaging Mach Ltd | 製品集合装置 |
CN102975881A (zh) * | 2012-12-13 | 2013-03-20 | 连云港千樱医疗设备有限公司 | 液体软包装袋装箱机 |
CN110182542A (zh) * | 2019-05-22 | 2019-08-30 | 浙江展邦电子科技有限公司 | 一种多层铝基加芯印制电路板真空合程式的检测装置 |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336101A patent/JP2004168491A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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