JP2004075003A - 補強部分を含む作動液リザ−バ - Google Patents
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Abstract
【課題】リザ−バ本体の機械的な強度を高める上で有効な補強技術を提供
【解決手段】リザ−バ本体22は、下側半分22dの底部にニップル31,32、上側半分22uの上方端部に注油のための開口26をそれぞれ備える。開口26のある側の一部がシリンダ本体から突き出る。この開口26のあるリザ−バ本体22の部分の外周に、液面表示目盛80がある。液面表示目盛80は、リザ−バ本体22の部分を半周以上にわたり、補強リブとしてリザ−バ本体22の開口26のある側を補強する。
【選択図】 図5
【解決手段】リザ−バ本体22は、下側半分22dの底部にニップル31,32、上側半分22uの上方端部に注油のための開口26をそれぞれ備える。開口26のある側の一部がシリンダ本体から突き出る。この開口26のあるリザ−バ本体22の部分の外周に、液面表示目盛80がある。液面表示目盛80は、リザ−バ本体22の部分を半周以上にわたり、補強リブとしてリザ−バ本体22の開口26のある側を補強する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のマスタシリンダ(ブレ−キ用のものだけでなく、クラッチ用のものをも含む)に作動液を供給するための作動液リザ−バの技術に関し、特に、マスタシリンダの上部に載るリザ−バ本体の長さが大きく、その一部がマスタシリンダの上部から長さ方向に突き出る構成のものにおいて、作動液を貯える内部空間を区画する樹脂製のリザ−バ本体の機械的な強度を補強する上で有効な技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、車両用の作動液リザ−バにおいては、車両に搭載されるものであるため、車両の走行に伴う振動や衝撃などに耐えうるだけの機械的な強度をもつことが求められる。この強度の向上は、作動液を貯えるリザ−バ本体が一般的な円筒型のものよりも、幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいものにおいて、特に留意しなければならない。なぜなら、リザ−バ本体の長さが大きくなると、リザ−バ本体が、外部からの衝撃(作動液の補給作業に伴う衝撃、あるいは車両の走行に伴う衝撃など)による影響をより受けやすくなるからである。
【0003】
たとえば、マスタシリンダの上部に載る作動液リザ−バとして、リザ−バ本体の長さが大きく、その一部がマスタシリンダの上部から長さ方向に突き出る構成のものがある(たとえば、実公平8−2006号、あるいは特開2002−67923号)。設置場所であるエンジンル−ム内のレイアウトの制約から、リザ−バ本体の幅および高さを小さくしつつ、その長さを大きくすることにより、必要とする作動液量を確保するというねらいからである。このような幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体は、長さ方向の一方の側に、マスタシリンダに作動液を供給するための通路であって、マスタシリンダのボス部に連結するためのニップル、また、リザ−バ本体の他方の側に、リザ−バ本体の内部に注油するための開口をそれぞれ備える。開口を含むリザ−バ本体の部分は、マスタシリンダの一端よりも突き出てマスタシリンダの上部から外れている。それにより、注油のための開口は、多数の部品および装置を収容するエンジンル−ムの中で、作動液を注油しやすい配置となっている。
【0004】
【発明の解決すべき課題】
そのような新しい構成の作動液リザ−バにおいて、樹脂製のリザ−バ本体に対し、所要の機械的な強度をもたせるため、一般的には、その肉厚をある程度大きくせざるをえない。しかし、肉厚を大きくすれば、材料である樹脂の使用量も多くなり作動液リザ−バのコスト高を招くし、車両の重量を小さくするという車両設計思想に反することにもなる。そこで、リザ−バ本体の肉厚を大きくすることなく、リザ−バ本体の機械的な強度を有効に高めることができる技術が求められる。
【0005】
そこで、この発明は、そのような求めに応えるものであり、リザ−バ本体の機械的な強度を高める上で有効な補強技術を提供することを目的とする。また、この発明は、長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体を補強するのに特に適した補強技術を提供することを他の目的とする。この発明のさらに具体的な目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
【発明の解決手段】
この発明の第1の考え方では、作動液量を知るための液面表示目盛を利用してリザ−バ本体を積極的に補強する。この第1の考え方は、リザ−バ本体の内部に注油するための開口を含む部分に有効に適用することができる。開口を含むリザ−バ本体の部分は、作動液の補給作業をしやすくするため、リザ−バ本体の他の部分よりも背が高く、それだけ補強の必要性も高い。他方、液面表示目盛は、そうした開口を含むリザ−バ本体の部分に配置すべきものである。開口を含むリザ−バ本体の部分は、内部空間を取り囲む周壁として、径方向の互いに対向する第1の個所と第2の個所とがあって、それら第1および第2の両個所の間をわん曲しつつ連続する壁部を含んでいる。ここでは、前記液面表示目盛を、周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路上、その径路の長さの半分以上を占める線状の補強リブによって構成する。最も好ましい補強リブの形態は、周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路の少なくとも全域にわたり、しかも、周方向に連続している。このように必要以上に長い液面表示目盛は、補強リブとして開口を含むリザ−バ本体の部分を有効に補強し、しかもまた、周方向の広い範囲にわたって作動液量をより容易に知ることができる。
【0007】
この発明の第2の考え方では、マスタシリンダへの取付け部分となるリザ−バ本体の底部を補強することにより、取付け部分の強度向上を図り、同時に、マスタシリンダに対し作動液リザ−バを逆方向に組み付けることを防止する。注油のための開口がある側との反対側に位置する、リザ−バ本体の底部に、リザ−バ本体の長さ方向に互いに離れた第1および第2のニップルがある。マスタシリンダに対し作動液リザ−バを組み付けるとき、それら2つのニップルをマスタシリンダのボス部にはめこむ。ここでは、2つのニップルの間に位置するリザ−バ本体の底部に、リザ−バ本体と一体の特定の補強リブを設ける。その補強リブは、第1のニップルの部分から第2のニップルの部分まで連続し、しかも、中心間をつなぐ線上から外れた位置にある。2つのニップル間を結ぶ中心線に対し平行に走るよう、いわゆるオフセットするように補強リブを設けることもできるし、必ずしも平行にすることなく、前記線上からずらして補強リブを配置することもできる。作動液リザ−バが載るマスタシリンダの上部形状は、中心線に対して非対称であるため、2つのニップルの中心間をつなぐ線上から外れた補強リブによって、作動液リザ−バの逆組みを確実に防止することができる。
【0008】
この発明の第3の考え方では、リザ−バ本体の内部の隔壁、つまりリザ−バ本体の内部空間を長さ方向に前後に区画する隔壁を利用して、長さが大きいリザ−バ本体を有効に補強する。隔壁は、2つのニップルの間に位置し、各ニップルに連通する内部空間の部分をリザ−バ本体の長さ方向の前後に区画する隔壁である。ここでは、その隔壁を、リザ−バ本体と一体にリザ−バ本体の幅方向の全域にわたるように設け、しかも、リザ−バ本体の上部内壁に面する側に、隔壁の前後の内部空間を連通する連通口を設けている。このようにリザ−バ本体と一体であり、しかも、リザ−バ本体の幅方向の全域にわたる隔壁は、それがあるリザ−バ本体の内壁部分を有効に補強する。また、上部の連通口は、各ニップルに連通する内部空間の部分に必要最小限の作動液を独立に貯えることを保証しつつ、所定量以上の作動液を相互に行き来させることができる。したがって、連通口の最も低い位置を、内部空間に貯えるべき作動液の最小液面高さ位置に対応させるのが好ましい。なお、リザ−バ本体は、成形の都合上、上側半分と下側半分との二つ割り構造であり、隔壁は、それら上側半分と下側半分とがそれぞれもつ上側隔壁および下側隔壁によって構成され、上側隔壁の側に前記の連通口がある。
【0009】
多くの場合、この発明はタンデム型のマスタシリンダ用として適用されるが、その場合、マスタシリンダとリザ−バ本体とを結合するための結合部は、2つのニップルの間に位置する。
【0010】
【実施例】
図面は、この発明をタンデム型のブレ−キマスタシリンダ用の作動液リザ−バに適用した例を示し、図1が、ブレ−キマスタシリンダ10に組み付けた形態の作動液リザ−バ20を示している。タンデム型のマスタシリンダ10は、シリンダ本体12の内部にプライマリ、セカンダリの各系の部品を内蔵した細長い液圧発生装置である。このマスタシリンダ10は、取付けフランジ12fをもつ側を車両のダッシュボ−ドに向け、車両に取り付ける。シリンダ本体12の上部には、プライマリ、セカンダリの各系に対応し軸線方向に互いに離れた個所に、2つのボス部14p,14sがある。また、それらのボス部14p,14sの間には、マスタシリンダ10と作動液リザ−バ20とを結合するための結合部16がある。結合部16の主体は、ピン162である。
【0011】
車両に取り付けた状態において、マスタシリンダ10は、取付けフランジ12fのある側から車両の前方に位置する一端に向かって前上がりに傾斜している。作動液リザ−バ20の主体は、幅方向の大きさに比べて長さが大きい合成樹脂製のリザ−バ本体22である。リザ−バ本体22は、上側半分22uと下側半分22dとの二つ割り構造であり、それらの両半分22u,22dは、互いに熱溶着し一体化され、内部に作動液を貯える空間を区画している。長さが大きいリザ−バ本体22は、一端を含む大部分がマスタシリンダ10のシリンダ本体12の上部に載るが、他方の端を含む一部がシリンダ本体12の端から突き出てマスタシリンダ10の上部からはみ出している。注油のための開口26は、このはみ出した側の上部に位置する。前上がりに傾斜したマスタシリンダ10に載った作動液リザ−バ20も前上がりに傾斜し、開口26の部分が最も高くなっている。したがって、開口26を通して行う注油あるいは補給の作業に際し、周囲の部品がほとんど障害にならない。また、キャップ28が被う開口26は、水平であり、その点からも注油あるいは補給の作業が容易である。
【0012】
リザ−バ本体22の下側半分22dの底部の外側には、マスタシリンダ10側のボス部14p,14sに対応する個所に、作動液の供給通路となるニップル31,32があり(断面構造を示す図2を参照)、それらニップル31,32の中間に結合部16のための一対の結合フランジ164がある。作動液リザ−バ20は、リザ−バ本体22の底部の各ニップル31,32をグロメットシ−ルを介してマスタシリンダ10側のボス部14p,14sに入れ、結合部16のピン162によってその支持形態を保つ。また、リザ−バ本体22の下側半分22dの底部の外側には、下側半分22dと一体の一対のリザ−バ支持部材40がある。それらリザ−バ支持部材40は、リザ−バ本体22の長さ方向に見てニップル31,32のある側とは反対側に近い個所、つまり、注油のための開口26のある側に近い個所に位置する。リザ−バ支持部材40の下端は、マスタシリンダ10のシリンダ本体12の上部面に当たり(左右一対の各リザ−バ支持部材40の先端形状が異なるのは、シリンダ本体12の形状に合わせるためである)、車両が揺動するとき、作動液リザ−バ20がマスタシリンダ10と一体に動くように支持する。また、開口26に圧送ホ−スを通して作動液を注油するとき、リザ−バ支持部材40は、作動液リザ−バ20の倒れを有効に防止する。
【0013】
リザ−バ本体22の断面構造を示す図2から分かるように、長さ方向の長さが大きいリザ−バ本体22は、背の低い一端から開口26のある他端に向けて互いに間隔をおいて第1、第2および第3の3つの隔壁51,52,53を備えている。それらの各隔壁は、いずれも上側半分22uがもつ上側隔壁と下側半分22dがもつ下側隔壁とを溶着ラインHのところで一体に熱溶着している。それにより、各隔壁51,52,53は、リザ−バ本体22の機械的強度を補強し、しかもまた、リザ−バ本体22の内部空間を長さ方向の前後に区画する。といっても、各ニップル31,32に隣り合う個所の第1および第3の隔壁51,53は、上側半分22uを下から見た図4が示すように、溶着部分がL字型であり、各ニップル31,32の連通口を取り囲む構成ではあるが、内部空間を前後に遮断するものではない。それに対し、第2の隔壁52は、プライマリ側とセカンダリ側とを区画するため、リザ−バ本体22の幅方向の全域にわたる。この第2の隔壁52が区画する前後の空間を連通するため、上側半分22uの上部内壁に面する部分に角形の連通口522がある。ここで、この第2の隔壁52の連通口522の最も低い位置は、リザ−バ本体22の内部空間に貯えるべき作動液の最小液面高さ位置(図1の中に、「MIN」を付記した液面表示目盛の高さ位置)に対応する。それにより、第2の隔壁52に隣り合うプライマリ、セカンダリの一方の系統に万が一のフェイルが生じたときでも、他方の系統に必要最小限の作動液を確保することができる。なお、連通口522の最も低い位置を定める隔壁52の一辺部分52tは、連通口522に向かうにしたがって薄くなるテ−パとなっている。それは、上側半分22uの成形時の型抜きを容易にするためからである。
【0014】
作動液リザ−バ20は、リザ−バ本体22の内部の作動液量を検出するための液面検出手段を通常とは異なる個所に備えている。その個所は、リザ−バ本体22の長さ方向上、ニップル32のある部分と開口26のある部分との間であり、リザ−バ支持部材40のあるところである。リザ−バ本体40の下側半分22dの底壁の外側であり、一対のリザ−バ支持部材40の間に、リ−ドスイッチを入れるリ−ドスイッチ収容部56がある。リ−ドスイッチ収容部56は、マスタシリンダ10および作動液リザ−バ20の軸線方向(あるいは、リザ−バ本体22の長さ方向)に沿う形状であり、注油のための開口26を含む側の前面に、リ−ドスイッチを挿入あるいは取り外すための挿入口56iをもつ。そのため、長さ方向に対して直交する方向からリ−ドスイッチを挿入したりする場合に比べて、リ−ドスイッチおよびそこから延びる引出し線の取り扱いを容易に行うことができる。
【0015】
リ−ドスイッチ収容部56のある下側半分22dの内壁上に、円筒形状のフロ−トガイド部材60がある。フロ−トガイド部材60は、その一側面に自らの内外を連通するためのスリット62、また、円筒の内壁の互いに対向する部分に一対のガイド突起64をそれぞれ備えている。このフロ−トガイド部材60は、その内周にフロ−ト(図示しない)を入れ、ガイド突起64によりフロ−トが上下方向に移動することをガイドする。フロ−トは、底部にマグネットを保持しているので、作動液の液量が不足するとき、マグネットの磁力によってリ−ドスイッチ収容部56の中のリ−ドスイッチ(図示しない)を作動し、車両の運転手に警報を発する。
【0016】
作動液リザ−バ20の中の作動液量は、図1の液面表示目盛、すなわち、「MIN」を付記した最小液面高さ位置、「MAX」を付記した最大液面高さ位置から分かるように、フロ−トガイド部材60の高さを越えることになる。そのため、フロ−トがガイド部材60の中から飛び出るのを防止する手立てが必要である。ここでは、フロ−トガイド部材60の直上に位置する上側半分22uの個所に、フロ−ト押さえ部材70を設けるようにしている。フロ−ト押さえ部材70は、上側半分22uと一体の板状体であり、リザ−バ本体22の長さ方向に対してクロスする配置であり、しかも、その少なくとも一側方に、リザ−バ本体22の内部の作動液がリザ−バ本体22の長さ方向に移動するのを許す通路を作っている。フロ−ト押さえ部材70は、リザ−バ本体22の幅あるいは/および長さの方向に1あるいは2〜3個設けることができる。図の例では、フロ−ト押さえ部材70は幅方向に2つ(図4を参照)であり、2つの板状体の真ん中、および左右の合計3か所が液移動のための通路72となっている。フロ−ト押さえ部材70である板状体をリザ−バ本体22の長さ方向に対してクロスさせる理由は、移動する作動液に無用な乱れを生じさせないためである。したがって、板状体については、いたずらに乱れを生じさせない他の形状、たとえば波形やわん曲した形状にすることもできる。
【0017】
フロ−ト押さえ部材70のさらに前方には、注油のための開口26があるので、そこから作動液が漏れるのを防止することが必要である。なぜなら、作動液リザ−バ20の開口26には、キャップ28があるとはいえ、リザ−バ本体22の内部空間を大気圧にするためのスリットがあるので、勢いのある作動液はスリットを通して外部に漏れるおそれがあるからである。このような液漏れを防止するため、フロ−ト押さえ部材70である板状体と開口26との間に、開口26に向かって流れる作動液を遮断する邪魔板74を配置している。この邪魔板74は、特に、ハの字状に配置した2つの板状体の真ん中の通路72からの作動液の流れを確実に遮断するようにしている。なお、邪魔板74も上側半分22uと一体に成形することができる。
【0018】
さて、作動液リザ−バ20をマスタシリンダ10に組み付けた形態を示す図1、および作動液リザ−バ20だけを斜視図で示す図5から分かるように、作動液リザ−バ20における液面表示目盛80(すでに述べたように、最大液面表示目盛80MAXと、最小液面表示目盛80MINとがある)は、たとえば1〜2cmにわたる通常の場合と異なり、開口26を含む部分の周方向に沿って半周を越えている。高い位置の最大液面表示目盛80MAXは、リザ−バ本体22の上部半分22uにのみ配置されているが、低い位置の最小液面表示目盛80MINは、下部半分22dから一部は上部半分22uにまで至っている。これらの液面表示目盛80は、高さ位置を示す目盛としての機能だけでなく、リザ−バ本体22の開口26を含む部分を補強する補強リブとして機能する。広範囲にわたる表示であるため、左右前方の広い範囲から見ることができ、作動液の液面高さを容易に把握することができる。また、背が高く、補給作業の際に外力を受ける開口26を含むリザ−バ本体22の部分の機械的な強度を有効に補強することができる。なお、液面表示目盛80については、その一方(たとえば、最小液面表示目盛80MIN)を二重の線状にするなど、他方に比べて補強の度合を高めることができる。
【0019】
次に、斜視図である図5中、リザ−バ本体22の下部半分22dの底部に注目されたい。第1および第2の2つのニップル31,32の間に、別の補強リブ90が下部半分22dに一体化している。図6が補強リブ90の詳細を示している。補強リブ90は、結合部16のための一対の結合フランジ164の間に位置し、2つのニップル31,32の間を連絡している。補強リブ90はおおむね長方形状であり、ニップル本体310,320の外周を取り囲むリング壁315,325の高さと同様であり、補強リブ90は、第1のニップル31側のリング壁315から第2のニップル32側のリング壁325にまで連続している。特徴的には、補強リブ90は、2つのニップル31,32間を結ぶ中心線に沿わずに、中心線とは平行であるが、そこから外れてオフセットしている。オフセットした補強リブ90は、補強という基本的な機能に加えて、マスタシリンダ10に対し作動液リザ−バ20を組み付けるに際し、作業者が作動液リザ−バ20の方向を間違えて組み付けるようとするとき、補強リブ90がマスタシリンダ10の上部と干渉することにより、いわゆる逆組みを防止する機能をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すもので、マスタシリンダに組み付けた形態を示す側面図である。
【図2】図1の作動液リザ−バの長さ方向に沿う断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】リザ−バ本体の上側半分を下から見た図である。
【図5】図1の作動液リザ−バを示す斜視図である。
【図6】2つのニップル間の補強リブを示す部分図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ
16 結合部
20 作動液リザ−バ
22 リザ−バ本体
22u 上側半分
22d 下側半分
26 注油のための開口
31,32 ニップル
40 リザ−バ支持部材
51,52,53 隔壁
522 連通口
80 液面表示目盛
90 補強リブ
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のマスタシリンダ(ブレ−キ用のものだけでなく、クラッチ用のものをも含む)に作動液を供給するための作動液リザ−バの技術に関し、特に、マスタシリンダの上部に載るリザ−バ本体の長さが大きく、その一部がマスタシリンダの上部から長さ方向に突き出る構成のものにおいて、作動液を貯える内部空間を区画する樹脂製のリザ−バ本体の機械的な強度を補強する上で有効な技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、車両用の作動液リザ−バにおいては、車両に搭載されるものであるため、車両の走行に伴う振動や衝撃などに耐えうるだけの機械的な強度をもつことが求められる。この強度の向上は、作動液を貯えるリザ−バ本体が一般的な円筒型のものよりも、幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいものにおいて、特に留意しなければならない。なぜなら、リザ−バ本体の長さが大きくなると、リザ−バ本体が、外部からの衝撃(作動液の補給作業に伴う衝撃、あるいは車両の走行に伴う衝撃など)による影響をより受けやすくなるからである。
【0003】
たとえば、マスタシリンダの上部に載る作動液リザ−バとして、リザ−バ本体の長さが大きく、その一部がマスタシリンダの上部から長さ方向に突き出る構成のものがある(たとえば、実公平8−2006号、あるいは特開2002−67923号)。設置場所であるエンジンル−ム内のレイアウトの制約から、リザ−バ本体の幅および高さを小さくしつつ、その長さを大きくすることにより、必要とする作動液量を確保するというねらいからである。このような幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体は、長さ方向の一方の側に、マスタシリンダに作動液を供給するための通路であって、マスタシリンダのボス部に連結するためのニップル、また、リザ−バ本体の他方の側に、リザ−バ本体の内部に注油するための開口をそれぞれ備える。開口を含むリザ−バ本体の部分は、マスタシリンダの一端よりも突き出てマスタシリンダの上部から外れている。それにより、注油のための開口は、多数の部品および装置を収容するエンジンル−ムの中で、作動液を注油しやすい配置となっている。
【0004】
【発明の解決すべき課題】
そのような新しい構成の作動液リザ−バにおいて、樹脂製のリザ−バ本体に対し、所要の機械的な強度をもたせるため、一般的には、その肉厚をある程度大きくせざるをえない。しかし、肉厚を大きくすれば、材料である樹脂の使用量も多くなり作動液リザ−バのコスト高を招くし、車両の重量を小さくするという車両設計思想に反することにもなる。そこで、リザ−バ本体の肉厚を大きくすることなく、リザ−バ本体の機械的な強度を有効に高めることができる技術が求められる。
【0005】
そこで、この発明は、そのような求めに応えるものであり、リザ−バ本体の機械的な強度を高める上で有効な補強技術を提供することを目的とする。また、この発明は、長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体を補強するのに特に適した補強技術を提供することを他の目的とする。この発明のさらに具体的な目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
【発明の解決手段】
この発明の第1の考え方では、作動液量を知るための液面表示目盛を利用してリザ−バ本体を積極的に補強する。この第1の考え方は、リザ−バ本体の内部に注油するための開口を含む部分に有効に適用することができる。開口を含むリザ−バ本体の部分は、作動液の補給作業をしやすくするため、リザ−バ本体の他の部分よりも背が高く、それだけ補強の必要性も高い。他方、液面表示目盛は、そうした開口を含むリザ−バ本体の部分に配置すべきものである。開口を含むリザ−バ本体の部分は、内部空間を取り囲む周壁として、径方向の互いに対向する第1の個所と第2の個所とがあって、それら第1および第2の両個所の間をわん曲しつつ連続する壁部を含んでいる。ここでは、前記液面表示目盛を、周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路上、その径路の長さの半分以上を占める線状の補強リブによって構成する。最も好ましい補強リブの形態は、周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路の少なくとも全域にわたり、しかも、周方向に連続している。このように必要以上に長い液面表示目盛は、補強リブとして開口を含むリザ−バ本体の部分を有効に補強し、しかもまた、周方向の広い範囲にわたって作動液量をより容易に知ることができる。
【0007】
この発明の第2の考え方では、マスタシリンダへの取付け部分となるリザ−バ本体の底部を補強することにより、取付け部分の強度向上を図り、同時に、マスタシリンダに対し作動液リザ−バを逆方向に組み付けることを防止する。注油のための開口がある側との反対側に位置する、リザ−バ本体の底部に、リザ−バ本体の長さ方向に互いに離れた第1および第2のニップルがある。マスタシリンダに対し作動液リザ−バを組み付けるとき、それら2つのニップルをマスタシリンダのボス部にはめこむ。ここでは、2つのニップルの間に位置するリザ−バ本体の底部に、リザ−バ本体と一体の特定の補強リブを設ける。その補強リブは、第1のニップルの部分から第2のニップルの部分まで連続し、しかも、中心間をつなぐ線上から外れた位置にある。2つのニップル間を結ぶ中心線に対し平行に走るよう、いわゆるオフセットするように補強リブを設けることもできるし、必ずしも平行にすることなく、前記線上からずらして補強リブを配置することもできる。作動液リザ−バが載るマスタシリンダの上部形状は、中心線に対して非対称であるため、2つのニップルの中心間をつなぐ線上から外れた補強リブによって、作動液リザ−バの逆組みを確実に防止することができる。
【0008】
この発明の第3の考え方では、リザ−バ本体の内部の隔壁、つまりリザ−バ本体の内部空間を長さ方向に前後に区画する隔壁を利用して、長さが大きいリザ−バ本体を有効に補強する。隔壁は、2つのニップルの間に位置し、各ニップルに連通する内部空間の部分をリザ−バ本体の長さ方向の前後に区画する隔壁である。ここでは、その隔壁を、リザ−バ本体と一体にリザ−バ本体の幅方向の全域にわたるように設け、しかも、リザ−バ本体の上部内壁に面する側に、隔壁の前後の内部空間を連通する連通口を設けている。このようにリザ−バ本体と一体であり、しかも、リザ−バ本体の幅方向の全域にわたる隔壁は、それがあるリザ−バ本体の内壁部分を有効に補強する。また、上部の連通口は、各ニップルに連通する内部空間の部分に必要最小限の作動液を独立に貯えることを保証しつつ、所定量以上の作動液を相互に行き来させることができる。したがって、連通口の最も低い位置を、内部空間に貯えるべき作動液の最小液面高さ位置に対応させるのが好ましい。なお、リザ−バ本体は、成形の都合上、上側半分と下側半分との二つ割り構造であり、隔壁は、それら上側半分と下側半分とがそれぞれもつ上側隔壁および下側隔壁によって構成され、上側隔壁の側に前記の連通口がある。
【0009】
多くの場合、この発明はタンデム型のマスタシリンダ用として適用されるが、その場合、マスタシリンダとリザ−バ本体とを結合するための結合部は、2つのニップルの間に位置する。
【0010】
【実施例】
図面は、この発明をタンデム型のブレ−キマスタシリンダ用の作動液リザ−バに適用した例を示し、図1が、ブレ−キマスタシリンダ10に組み付けた形態の作動液リザ−バ20を示している。タンデム型のマスタシリンダ10は、シリンダ本体12の内部にプライマリ、セカンダリの各系の部品を内蔵した細長い液圧発生装置である。このマスタシリンダ10は、取付けフランジ12fをもつ側を車両のダッシュボ−ドに向け、車両に取り付ける。シリンダ本体12の上部には、プライマリ、セカンダリの各系に対応し軸線方向に互いに離れた個所に、2つのボス部14p,14sがある。また、それらのボス部14p,14sの間には、マスタシリンダ10と作動液リザ−バ20とを結合するための結合部16がある。結合部16の主体は、ピン162である。
【0011】
車両に取り付けた状態において、マスタシリンダ10は、取付けフランジ12fのある側から車両の前方に位置する一端に向かって前上がりに傾斜している。作動液リザ−バ20の主体は、幅方向の大きさに比べて長さが大きい合成樹脂製のリザ−バ本体22である。リザ−バ本体22は、上側半分22uと下側半分22dとの二つ割り構造であり、それらの両半分22u,22dは、互いに熱溶着し一体化され、内部に作動液を貯える空間を区画している。長さが大きいリザ−バ本体22は、一端を含む大部分がマスタシリンダ10のシリンダ本体12の上部に載るが、他方の端を含む一部がシリンダ本体12の端から突き出てマスタシリンダ10の上部からはみ出している。注油のための開口26は、このはみ出した側の上部に位置する。前上がりに傾斜したマスタシリンダ10に載った作動液リザ−バ20も前上がりに傾斜し、開口26の部分が最も高くなっている。したがって、開口26を通して行う注油あるいは補給の作業に際し、周囲の部品がほとんど障害にならない。また、キャップ28が被う開口26は、水平であり、その点からも注油あるいは補給の作業が容易である。
【0012】
リザ−バ本体22の下側半分22dの底部の外側には、マスタシリンダ10側のボス部14p,14sに対応する個所に、作動液の供給通路となるニップル31,32があり(断面構造を示す図2を参照)、それらニップル31,32の中間に結合部16のための一対の結合フランジ164がある。作動液リザ−バ20は、リザ−バ本体22の底部の各ニップル31,32をグロメットシ−ルを介してマスタシリンダ10側のボス部14p,14sに入れ、結合部16のピン162によってその支持形態を保つ。また、リザ−バ本体22の下側半分22dの底部の外側には、下側半分22dと一体の一対のリザ−バ支持部材40がある。それらリザ−バ支持部材40は、リザ−バ本体22の長さ方向に見てニップル31,32のある側とは反対側に近い個所、つまり、注油のための開口26のある側に近い個所に位置する。リザ−バ支持部材40の下端は、マスタシリンダ10のシリンダ本体12の上部面に当たり(左右一対の各リザ−バ支持部材40の先端形状が異なるのは、シリンダ本体12の形状に合わせるためである)、車両が揺動するとき、作動液リザ−バ20がマスタシリンダ10と一体に動くように支持する。また、開口26に圧送ホ−スを通して作動液を注油するとき、リザ−バ支持部材40は、作動液リザ−バ20の倒れを有効に防止する。
【0013】
リザ−バ本体22の断面構造を示す図2から分かるように、長さ方向の長さが大きいリザ−バ本体22は、背の低い一端から開口26のある他端に向けて互いに間隔をおいて第1、第2および第3の3つの隔壁51,52,53を備えている。それらの各隔壁は、いずれも上側半分22uがもつ上側隔壁と下側半分22dがもつ下側隔壁とを溶着ラインHのところで一体に熱溶着している。それにより、各隔壁51,52,53は、リザ−バ本体22の機械的強度を補強し、しかもまた、リザ−バ本体22の内部空間を長さ方向の前後に区画する。といっても、各ニップル31,32に隣り合う個所の第1および第3の隔壁51,53は、上側半分22uを下から見た図4が示すように、溶着部分がL字型であり、各ニップル31,32の連通口を取り囲む構成ではあるが、内部空間を前後に遮断するものではない。それに対し、第2の隔壁52は、プライマリ側とセカンダリ側とを区画するため、リザ−バ本体22の幅方向の全域にわたる。この第2の隔壁52が区画する前後の空間を連通するため、上側半分22uの上部内壁に面する部分に角形の連通口522がある。ここで、この第2の隔壁52の連通口522の最も低い位置は、リザ−バ本体22の内部空間に貯えるべき作動液の最小液面高さ位置(図1の中に、「MIN」を付記した液面表示目盛の高さ位置)に対応する。それにより、第2の隔壁52に隣り合うプライマリ、セカンダリの一方の系統に万が一のフェイルが生じたときでも、他方の系統に必要最小限の作動液を確保することができる。なお、連通口522の最も低い位置を定める隔壁52の一辺部分52tは、連通口522に向かうにしたがって薄くなるテ−パとなっている。それは、上側半分22uの成形時の型抜きを容易にするためからである。
【0014】
作動液リザ−バ20は、リザ−バ本体22の内部の作動液量を検出するための液面検出手段を通常とは異なる個所に備えている。その個所は、リザ−バ本体22の長さ方向上、ニップル32のある部分と開口26のある部分との間であり、リザ−バ支持部材40のあるところである。リザ−バ本体40の下側半分22dの底壁の外側であり、一対のリザ−バ支持部材40の間に、リ−ドスイッチを入れるリ−ドスイッチ収容部56がある。リ−ドスイッチ収容部56は、マスタシリンダ10および作動液リザ−バ20の軸線方向(あるいは、リザ−バ本体22の長さ方向)に沿う形状であり、注油のための開口26を含む側の前面に、リ−ドスイッチを挿入あるいは取り外すための挿入口56iをもつ。そのため、長さ方向に対して直交する方向からリ−ドスイッチを挿入したりする場合に比べて、リ−ドスイッチおよびそこから延びる引出し線の取り扱いを容易に行うことができる。
【0015】
リ−ドスイッチ収容部56のある下側半分22dの内壁上に、円筒形状のフロ−トガイド部材60がある。フロ−トガイド部材60は、その一側面に自らの内外を連通するためのスリット62、また、円筒の内壁の互いに対向する部分に一対のガイド突起64をそれぞれ備えている。このフロ−トガイド部材60は、その内周にフロ−ト(図示しない)を入れ、ガイド突起64によりフロ−トが上下方向に移動することをガイドする。フロ−トは、底部にマグネットを保持しているので、作動液の液量が不足するとき、マグネットの磁力によってリ−ドスイッチ収容部56の中のリ−ドスイッチ(図示しない)を作動し、車両の運転手に警報を発する。
【0016】
作動液リザ−バ20の中の作動液量は、図1の液面表示目盛、すなわち、「MIN」を付記した最小液面高さ位置、「MAX」を付記した最大液面高さ位置から分かるように、フロ−トガイド部材60の高さを越えることになる。そのため、フロ−トがガイド部材60の中から飛び出るのを防止する手立てが必要である。ここでは、フロ−トガイド部材60の直上に位置する上側半分22uの個所に、フロ−ト押さえ部材70を設けるようにしている。フロ−ト押さえ部材70は、上側半分22uと一体の板状体であり、リザ−バ本体22の長さ方向に対してクロスする配置であり、しかも、その少なくとも一側方に、リザ−バ本体22の内部の作動液がリザ−バ本体22の長さ方向に移動するのを許す通路を作っている。フロ−ト押さえ部材70は、リザ−バ本体22の幅あるいは/および長さの方向に1あるいは2〜3個設けることができる。図の例では、フロ−ト押さえ部材70は幅方向に2つ(図4を参照)であり、2つの板状体の真ん中、および左右の合計3か所が液移動のための通路72となっている。フロ−ト押さえ部材70である板状体をリザ−バ本体22の長さ方向に対してクロスさせる理由は、移動する作動液に無用な乱れを生じさせないためである。したがって、板状体については、いたずらに乱れを生じさせない他の形状、たとえば波形やわん曲した形状にすることもできる。
【0017】
フロ−ト押さえ部材70のさらに前方には、注油のための開口26があるので、そこから作動液が漏れるのを防止することが必要である。なぜなら、作動液リザ−バ20の開口26には、キャップ28があるとはいえ、リザ−バ本体22の内部空間を大気圧にするためのスリットがあるので、勢いのある作動液はスリットを通して外部に漏れるおそれがあるからである。このような液漏れを防止するため、フロ−ト押さえ部材70である板状体と開口26との間に、開口26に向かって流れる作動液を遮断する邪魔板74を配置している。この邪魔板74は、特に、ハの字状に配置した2つの板状体の真ん中の通路72からの作動液の流れを確実に遮断するようにしている。なお、邪魔板74も上側半分22uと一体に成形することができる。
【0018】
さて、作動液リザ−バ20をマスタシリンダ10に組み付けた形態を示す図1、および作動液リザ−バ20だけを斜視図で示す図5から分かるように、作動液リザ−バ20における液面表示目盛80(すでに述べたように、最大液面表示目盛80MAXと、最小液面表示目盛80MINとがある)は、たとえば1〜2cmにわたる通常の場合と異なり、開口26を含む部分の周方向に沿って半周を越えている。高い位置の最大液面表示目盛80MAXは、リザ−バ本体22の上部半分22uにのみ配置されているが、低い位置の最小液面表示目盛80MINは、下部半分22dから一部は上部半分22uにまで至っている。これらの液面表示目盛80は、高さ位置を示す目盛としての機能だけでなく、リザ−バ本体22の開口26を含む部分を補強する補強リブとして機能する。広範囲にわたる表示であるため、左右前方の広い範囲から見ることができ、作動液の液面高さを容易に把握することができる。また、背が高く、補給作業の際に外力を受ける開口26を含むリザ−バ本体22の部分の機械的な強度を有効に補強することができる。なお、液面表示目盛80については、その一方(たとえば、最小液面表示目盛80MIN)を二重の線状にするなど、他方に比べて補強の度合を高めることができる。
【0019】
次に、斜視図である図5中、リザ−バ本体22の下部半分22dの底部に注目されたい。第1および第2の2つのニップル31,32の間に、別の補強リブ90が下部半分22dに一体化している。図6が補強リブ90の詳細を示している。補強リブ90は、結合部16のための一対の結合フランジ164の間に位置し、2つのニップル31,32の間を連絡している。補強リブ90はおおむね長方形状であり、ニップル本体310,320の外周を取り囲むリング壁315,325の高さと同様であり、補強リブ90は、第1のニップル31側のリング壁315から第2のニップル32側のリング壁325にまで連続している。特徴的には、補強リブ90は、2つのニップル31,32間を結ぶ中心線に沿わずに、中心線とは平行であるが、そこから外れてオフセットしている。オフセットした補強リブ90は、補強という基本的な機能に加えて、マスタシリンダ10に対し作動液リザ−バ20を組み付けるに際し、作業者が作動液リザ−バ20の方向を間違えて組み付けるようとするとき、補強リブ90がマスタシリンダ10の上部と干渉することにより、いわゆる逆組みを防止する機能をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すもので、マスタシリンダに組み付けた形態を示す側面図である。
【図2】図1の作動液リザ−バの長さ方向に沿う断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】リザ−バ本体の上側半分を下から見た図である。
【図5】図1の作動液リザ−バを示す斜視図である。
【図6】2つのニップル間の補強リブを示す部分図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ
16 結合部
20 作動液リザ−バ
22 リザ−バ本体
22u 上側半分
22d 下側半分
26 注油のための開口
31,32 ニップル
40 リザ−バ支持部材
51,52,53 隔壁
522 連通口
80 液面表示目盛
90 補強リブ
Claims (8)
- 自らの内部に貯えた作動液をマスタシリンダに供給するための作動液リザ−バであって、幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きく、作動液を貯える内部空間を区画する樹脂製のリザ−バ本体と、そのリザ−バ本体の長さ方向の一方の側に位置し、マスタシリンダに作動液を供給する通路となり、しかも、マスタシリンダのボス部に連結するためのニップルと、前記リザ−バ本体の長さ方向の他方の側に位置し、リザ−バ本体の内部に注油するための開口と、前記リザ−バ本体の周壁に、リザ−バ本体と一体に設けた液面表示目盛とを備えるものにおいて、前記開口を含むリザ−バ本体の部分は、前記内部空間を取り囲む周壁として、径方向の互いに対向する第1の個所と第2の個所とがあって、それら第1および第2の両個所の間をわん曲しつつ連続する壁部を含み、前記液面表示目盛が、前記周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路上、その径路の長さの半分以上を占める線状の補強リブからなることを特徴とする、補強部分を含む作動液リザ−バ。
- 前記補強リブは、前記周壁の外側壁面を周方向に沿って、前記第1の個所から前記第2の個所まで至る径路の少なくとも全域にわたり、しかも、周方向に連続している、請求項1の作動液リザ−バ。
- 前記ニップルを含むリザ−バ本体の部分が、マスタシリンダの上部に載るのに対し、前記開口を含むリザ−バ本体の部分は、マスタシリンダの一端よりも突き出てマスタシリンダの上部から外れる、請求項1あるいは2の作動液リザ−バ。
- 自らの内部に貯えた作動液をマスタシリンダに供給するための作動液リザ−バであって、幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体と、そのリザ−バ本体の底部に位置し、前記長さ方向に互いに離れた第1および第2の2つのニップルとを備え、それら2つのニップルをマスタシリンダのボス部にはめこむことによって、前記リザ−バ本体がマスタシリンダの上部に載る作動液リザ−バにおいて、前記リザ−バ本体の底部であり、前記2つのニップルの間に位置する部分に、前記リザ−バ本体と一体の補強リブがあり、その補強リブは、前記第1のニップルの部分から前記第2のニップルの部分まで連続し、しかも、中心間をつなぐ線上から外れた位置にあり、それにより、マスタシリンダに対し作動液リザ−バを逆方向に組み付けることを防止するようにした、作動液リザ−バ。
- 前記第1および第2のニップルの間に、前記マスタシリンダと前記リザ−バ本体とを結合するための結合部がある、請求項4の作動液リザ−バ。
- 自らの内部に貯えた作動液をマスタシリンダに供給するための作動液リザ−バであって、幅方向の大きさに比べて長さ方向の大きさが大きいリザ−バ本体と、そのリザ−バ本体の底部に位置し、前記長さ方向に互いに離れた第1および第2の2つのニップルとを備え、それら2つのニップルをマスタシリンダのボス部にはめこむことによって、前記リザ−バ本体がマスタシリンダの上部に載る作動液リザ−バにおいて、前記2つのニップルの間に位置する部分に、前記リザ−バ本体と一体であり、リザ−バ本体の内部空間を長さ方向の前後に区画する隔壁があり、その隔壁は、リザ−バ本体の幅方向の全域にわたる構成であり、しかもまた、前記リザ−バ本体の上部内壁に面する側に、隔壁の前後の内部空間を連通する連通口をもつ、作動液リザ−バ。
- 前記リザ−バ本体は、上側半分と下側半分との二つ割り構造であり、前記隔壁は、それら上側半分と下側半分とがそれぞれもつ上側隔壁および下側隔壁によって構成され、前記上側隔壁が前記連通口をもつ、請求項6の作動液リザ−バ。
- 前記連通口の最も低い位置が、前記内部空間に貯えるべき作動液の最小液面高さ位置に対応する、請求項6あるいは7の作動液リザ−バ。
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JP2002241403A Pending JP2004075003A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 補強部分を含む作動液リザ−バ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008512292A (ja) * | 2004-09-06 | 2008-04-24 | ルノー・エス・アー・エス | 自動車用のブレーキ液タンク |
JP2011143736A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Bosch Corp | リザーバタンクおよびこれを用いたブレーキ装置 |
US11136014B2 (en) | 2017-08-04 | 2021-10-05 | Robert Bosch Gmbh | Brake fluid container system assigned to the block of the actuator of the braking system |
-
2002
- 2002-08-22 JP JP2002241403A patent/JP2004075003A/ja active Pending
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