JP2004074858A - 鉄道火災事故の避難支援方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トンネル1内で火災が発生した場合に、決められた手順に従って避難支援処理をするための避難支援用のモデルパターンを記憶しているデータ記憶手段14と、データ記憶手段14に記憶されたモデルパターンに従う指示を表示するモニター装置15と、トンネル内の火災発生を予兆し、データ記憶手段14内のモデルパターンをモニター装置15の表示面上に呼び出し、乗務員等に決められた手順に従って避難支援処理をする情報を表示させるためのデータ処理装置13とを設けた。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道火災事故の避難支援方法及びシステム、例えば、鉄道車両がトンネル内を走行しているときに、このトンネル内で発生した火災に対して乗客を災害から避難させるのを支援するための鉄道火災事故の避難支援方法及びシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、種々の高速鉄道(通称「リニアモーターカー」)が開発研究されており、
実用化が近い。また、高速鉄道では、できるだけ直線軌道をとる必要性から、長距離にわたってシェルター内またはトンネル内を走行する必要がある。このシェルターまたはトンネル内の走行方式で問題となるのが、トンネル内で突発的に火災が発生した時に、その乗客の安全な避難誘導と火災の延焼の抑制である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなシェルター内またはトンネル内走行方式での防災システムの研究は、始まったばかりで、未だ十分とは言えないのが現状である。特に、トンネル内で突発的に火災が発生したような場合、乗務員、車両管理者等(以下、単に「乗務員等」という)の冷静な判断が必要とされる。また、火災発生のような場合は、時間の経過と共に変化する状況に対応した判断をしなければならないが、これを乗務員等の勝手な判断に任せておくと、間違った判断をした場合、思わぬ大惨事になることも心配される。したがって、乗務員等が予め決められた手順に従って的確な対応処理が行えるようにモデル化しておき、そのモデルに従って避難支援処理が行える避難支援システムが重要と思われる。また、長いトンネルの全線にわたり火災消火装置を備えるのは困難である。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、鉄道車両がトンネル内を走行中などの状況下で、鉄道火災事故の避難支援方法及びシステムを提供し、また、避難拠点とその近くに設けた消火設備を用いて、突発的に火災事故が発生したとき、乗客の安全な避難誘導と火災の延焼の抑制を的確に支援することができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の鉄道火災事故の避難支援方法は、鉄道車両の火災、または走行路の火災における、前記鉄道車両の火災の位置、前記走行路の火災の位置、前記走行路に備えられた避難拠点の位置、及び前記鉄道車両の位置から避難支援の手順を予めモデルパターンとして設定し、前記鉄道車両の火災の位置、または前記走行路の火災の位置と鉄道車両との相対位置を検出し、前記鉄道車両の火災の位置、または前記走行路の火災の位置、前記避難拠点の位置、前記鉄道車両の位置の少なくとも1つを検出し、当該検出の結果から前記モデルパターンを選び出し、当該モデルパターンにしたがって避難支援処理を行なうようにしたものである。この方法によれば、鉄道火災事故が突発的に発生して冷静な判断の低下が生じても、そのモデルパターンに従って、鉄道車両の火災の位置、または前記走行路の火災の位置、前記避難拠点の位置、前記鉄道車両の位置を検出し、避難支援処理させることにより、適正な避難支援処理が可能になり、安全性の向上が図れることになる。
【0006】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、
鉄道火災事故が発生した場合に、決められた手順に従って避難支援処理をするための避難支援用モデルパターンを記憶しているデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶された前記モデルパターンの指示を表示する前記鉄道車両に設けたモニター装置と、前記鉄道火災事故を検知し、前記データ記憶手段内のモデルパターンを呼び出し、予め決められた手順に従って避難支援処理をするための情報を前記モニター装置に表示させるためのデータ処理装置とを備えたものである。この構成によれば、鉄道火災事故が突発的に発生して冷静な判断の低下が生じても、モニター装置に表示される指示に従って処理することにより、ここの判断が迅速に行なえ、且つ適切な避難支援処理が可能になり、安全性の向上が図れることになる。
【0007】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、前記モニター装置に表示する情報を、前記鉄道車両以外に設けた装置に表示する構成としたものである。この構成によれば、鉄道車両内で乗務員が避難支援処理した判断を、例えば運行管理センター等に置かれた外部の表示装置で見て、適切な避難支援処理か否かを第三者的に判断して、アドバイスを送ることができる。
【0008】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、トンネル内における火災事故に対するものであり、かかる火災事故に対して適切且つ確実に乗客、乗務員の避難を図ることができる。
【0009】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、トンネル内には、鉄道車両が通る軌道を敷設した軌道路と、前記軌道路よりも下部に配置され、乗客が避難するのに使用する避難路とを平行して設けており、所定の間隔をおいてトンネル内と地上とを連通させる立坑を配置して避難拠点とし、且つ前記立坑には避難設備が設置されるとともに、前記立坑の前後部分には消火設備が設置されている構成としたものである。この構成によれば、立坑から成る避難拠点を設けているから、トンネル火災が発生しても、火災車両に対しては消火活動を行うことができ、避難中の乗客等を迅速に避難させることが可能になる。
【0010】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、データ処理装置は、鉄道車両内の車両で火災が発生したことを検知した場合に、前記鉄道車両が前記立坑の位置まで運行できるか否かを判断し、その判断結果に基づいたモデルパターンにしたがって避難支援を実行処理する構成としたものである。この構成によれば、
火災の規模の大小により、それぞれに適応した避難支援措置をとることが可能になる。
【0011】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、データ処理装置は、前記鉄道車両が前記立坑の位置まで運行できると判断された場合、その判断結果に基づいたモデルパターンにしたがって前記鉄道車両を前進または後退させて前記立坑に到達させ、前記鉄道車両の車両を前記立坑内に入れるか、または前記鉄道車両を前記立坑の前後いずれか一方の位置に停止させる構成としたものである。この構成によれば、火災事故列車を立坑まで運行させて乗客等の避難支援を行うため、より安全で確実に避難させることが可能になる。
【0012】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、前記データ処理装置が避難のため、前記鉄道車両を前記避難拠点に停止させる際、火災の発生している前記鉄道車両を前記避難拠点に停止させ、或いは前記火災の発生した車両以外の車両を前記避難拠点に停止する構成としたものである。この構成によれば、火災車両を避難拠点に停止させる場合はその火災車両または火災車両に近い車両の乗客等を緊急避難させることができ、また、火災車両以外の車両を避難拠点に停止させる場合は列車の乗客等全員を短時間で避難させることが可能になる。
【0013】
また、本発明の鉄道火災事故の避難支援システムは、データ処理装置は、トンネル設備で火災が発生したことを検知した場合に、前記鉄道車両を一旦停止させ、その後前進または後退により避難拠点まで運行させさせる構成としたものである。この構成によれば、トンネル設備で火災が発生した場合には鉄道車両を停止させ、乗客等を避難させることにより、安全且つ確実に避難させることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1及び図2は本発明による鉄道火災事故の避難支援システムの一実施の形態として示すトンネル内火災における避難支援システムの構成を示す図である。図1及び図2は、高速鉄道のトンネル1の内部に軌道路2及び避難路3を設けて避難支援を行う状況を示す構成図で、図1は側面より見た配置図、図2はその断面図である。図1及び図2において、トンネル1内は上側に軌道路2を設け、下側に避難路3を平行に設けた二階建ての構造をなしている。軌道路2には軌道4を敷設し、その上を列車長約400メートルの列車5が走行される場合を一例としている。
【0015】
この実施の形態において、トンネル1内には、約5キロ毎に立坑6(6a,6b,6c,・・・・)を設けているとともに、立坑6の前方約400メートルおよび後方約400メートルの各水噴霧放水範囲7に消火設備である消火用のスプリンクラー(図示していない)を設置している。立坑6は、所定の間隔をおいてトンネル内と地上とを連通させる構造を持ち、避難拠点を構成する。また、立坑6は、いわゆるトンネル内と地上とを連通する避難通路としての機能を有しており、例えば直径が約23.4メートルである。この寸法は、列車5の1車両(約24.3メートル)すなわち、鉄道車両を中に収容できる大きさを確保している。
また、立坑6内には、列車5内の乗客が避難をするときに降車をし易くするためのプラットホームを設けている。水噴霧放水範囲7内にあるスプリンクラーは、火災を起こした鉄道車両に対して水を噴霧状、ジェット水状、或いはシャワー状などの各種態様で放水して、火災が発生している列車5に対して消火活動を行うことができるようになっている。
【0016】
避難路3は、トンネル1内で列車5内から緊急避難して軌道路2上に降車した乗客が避難するための通路であって、軌道路2からの退避口が複数設けられ、また各立坑6に通じている。したがって、退避した乗客は避難路3を通って立坑6に向かい、その立坑6から外部に脱出することができる。
【0017】
また、トンネル1には排煙ダクト装置及び給気ダクト装置が設けられている。排煙ダクト装置は、稼働されると軌道路2内に充満している煙を立坑6内を通る排煙ダクトを通して外部に排出する。図1中、符号Sで示す矢印は、その排煙の流れを示している。給気ダクト装置は、トンネル1内に新鮮な空気を送り込むための装置で、立坑6内を通る給気ダクトを通して避難路3内に新鮮な空気を常時送っており、その避難路3内に送り込まれた新鮮な空気は軌道路2内にも循環供給される。この場合、避難路3内の気圧を軌道路2内の気圧よりも高めるようにして、トンネル1内に空気を送り込むようにしており、その気圧差で避難路内に煙が流れ込むのを防ぎ、避難中の乗客等を煙から保護することが可能になる。なお、図1中、符号Aで示す矢印は、その空気の流れを示している。また、図1中の矢印Gで示す方向が、列車5の進行方向とする。
【0018】
図3はトンネル1内における火災発生時の避難支援システムの全体構成を示すブロック図である。この避難支援システムでは、トンネル1内での火災を検知する複数の煙センサ11とデータ入出力装置12と、データ処理装置13と、データ記憶装置14と、モニター装置15と、外部装置16と、スプリンクラー17とから構成されている。このうち、一部の煙センサ11と、データ入出力装置12と、データ処理装置13と、データ記憶装置14とモニター装置15は、列車5内に設置されるが、この情報は外部装置16及びスプリンクラー17及びトンネル1内の煙センサ11を管理している図示せぬ運行管理センターにも同時に送られ、運行管理センターからのアドバイス等も受けられるようになっている。
【0019】
煙センサ11は、トンネル1内及び列車5内に設置され、トンネル1内及び列車5内の煙を検知して電気信号として出力する。
【0020】
データ入出力装置12は、複数の煙センサ11から出力された電気信号に、煙センサ11のアドレス情報を付加する。すなわち、トンネル1内のどの位置、及びどの列車のどの位置に設置されている煙センサ11からの電気信号かを判別可能にするためのアドレス情報を付加し、それをデータ処理装置13へ出力する。
【0021】
データ処理装置13は、判定手段13aと警報発生手段13bとから構成される。判定手段13aは、データ入出力装置12から出力されたアドレス情報付信号データの中から火災発生を判定し、さらに火災発生位置を判定してデータ記憶手段14に記憶されている対応モデルパターンに従って対応を指示する。警報発信手段16bは、判定手段13aにより判定された異常の予兆信号(或いは通知信号)を外部に発信し、必要によっては関連する位置にあるスプリンクラー17を稼働させて放水し、消火処理を行う。
【0022】
データ記憶手段14は、データ処理装置13から出力された異常の予兆信号に対しての処理をアドバイス、すなわち避難支援するためのデータ等が蓄積されている。
【0023】
モニター装置15は、警報発信手段13bから発信された警報信号、火災発生位置データ、あるいは異常の予兆信号等を表示する。
【0024】
外部装置16は、運行管理センター等に設置され、列車運行システム16aとトンネル情報システム16bとから構成されている。列車運行システム16aは、
通常の列車運行及び緊急時の列車停止または減速等、列車の運行を制御するもので、各列車5からの警報信号を受け付けるとともに、データ処理装置13へ信号を送り、該データ処理装置13で運行の避難支援をするのに役立つ最新情報を送る。トンネル情報システムは、トンネルに関する情報を各列車5に知らせる。
【0025】
図4は、トンネル内で自己の列車5内で火災が発生した時の運行モデルパターンの一例を示す流れ図である。この運行モデルでは、避難拠点である立坑6の位置を定点とし、この定点に列車5を移動させて、立坑6から外部に乗客を安全に避難させることを最優先課題として運行を支援するもので、火災発生の予兆信号が発せられると、データ記憶手段14内に記憶されている処理データがモニター装置15の表示画面上に映し出され、イエス・ノー形式で乗務員等の判断を求め、
その判断に従って列車5の運行を管理する。なお、ここでの判断の入力は、モニター装置14の表示面上に設けてある透明タッチパネルスイッチを通して表示面上の表示ボタンに触れ、指示をする等の方法がとられる。この運行では、自動運転も含まれる。同時に、この情報は外部装置16が置かれた運行管理センターにも送られ、避難誘導並びにトンネル1内への換気制御、スプリンクラー17の稼働制御等の避難支援が行われる。
【0026】
ここでの基本方針も、この定点まで列車5を移動させて避難拠点に停止させ、立坑6から外部に乗客を安全に避難させることを最優先課題として避難支援することは勿論で、さらに次の点も基本方針とする。
・乗客を避難させる方向は、風向きと逆方向を基本とする。
・火災発生時は、まず風で火をあおらないように鉄道車両の停止、すなわち列車停止を基本とする。
・定点で停止後は、その時の風向・風速に合わせた換気制御を行う。
・煙の拡散を防止するため、初期排煙風速は秒速2mとする。
・避難路3内の圧力は本抗である軌道路2の圧力よりも高圧とし、避難路3内に煙が流入しないようにする。
・スプリンクラー17の水噴霧放水は、水のカーテンとして、避難をしている乗客を保護する方向、すなわち乗客は風向きと逆方向へ避難させるため、風向きと逆方向に放水することを原則とする。
【0027】
(自己の列車で車両火災が発生した場合の対応モデル)
図4に示すモデルパターンでは、自己の列車に火災が発生した場合を一例としている。ここでの判断は乗務員が行うことを前提とし、車両火災が発生した場合(ステップS1)は、まず列車(或いは鉄道車両)が定点まで行けるか否かを判断させる(ステップS2)。車両の火災の勢いが激しく、定点まで行けないと判断した場合は途中で停車し、乗客を列車から降ろし、避難路3へ誘導して、最も近い立坑を避難拠点としてここから外部へ避難させる(ステップS3)。一方、列車が定点まで行けると判断した場合は、ステップS4で前進して定点に行くべきか後退して定点に行くべきかを判断させる。
【0028】
前進して定点に到達した場合(ステップS5)は、立坑6内に車両を入れて避難拠点に停止させるべきか否かを判断させる(ステップS6)。立坑6内に車両を入れると判断された場合は、火災車両の乗客の避難を優先すべきか、最遠端の乗客の避難を優先すべきかを判断させる(ステップS7)。火災車両の乗客の避難を優先すべきと判断した場合(ステップS8)は、火災車両を避難拠点に再接近させて停止する(ステップS9)。この停止した状態のイメージ図を図5に示す。すなわち、火災車両を立坑(避難拠点)6の付近に停止させると、火災が発生している車両の乗客は、立坑6を使って避難がし易くなる。ステップS6で、最遠端の乗客避難を優先すべきと判断した場合(ステップS10)は、列車中央車両を避難拠点に停止する(ステップS11)。この停止した状態のイメージ図を図6に示す。すなわち、列車中央車両を立坑(定点)6内に入れて停止させると、最端車両の乗客も避難し易く、公平な地点での停車が得られる。
【0029】
ステップS6で、立坑6内に車両を入れないと判断された場合は、放水をして車両火災の消火を急ぐべきか、すなわち放水を急ぐか、放水はさほど急がないかを判断させる(ステップS12)。放水を急ぐと判断した場合(ステップS1・・3)は、火災車両が水噴霧放水範囲7に入った時点で列車を停止させ(ステップS14)、火災車両に対する放水を受ける。この停止した状態のイメージ図を図7に示す。そして、この場合、列車は避難拠点の付近に停車しているので、乗客は降車し、避難路3を使用し、さらに立坑6を通って外部へ避難する。したがって、この場合では、一刻も早く放水開始が可能になり、消火を早め、他の車両への延焼を抑えることができる。ステップS12で、放水はさほど急がないと判断した場合(ステップS15)は、列車全体が水噴霧放水範囲7に入った時点で列車を停止させ(ステップS16)、列車全体に対する放水を受ける。この停止した状態のイメージ図を図8に示す。そして、この場合も、列車は立坑6の付近に停車しているので、乗客は降車し、避難路3を使用し、さらに立坑6を通って外部へ避難する。したがって、この場合では、火災車両は勿論のこと、全車両に放水ができ、他の車両への延焼を抑えることができる。
【0030】
これに対して、ステップS4での判断で後退して定点に到達した場合(ステップS17)は、立坑6内に車両を入れるべきか否かを判断させる(ステップS18)。立坑6内に車両を入れると判断された場合は、火災車両の乗客を避難を優先すべきか、最遠端の乗客避難を優先すべきかを判断させる(ステップS19)。
火災車両の乗客を避難を優先すべきと判断した場合(ステップS20)は、火災車両を立坑6に再接近させて停止する(ステップS21)。この停止した状態のイメージ図は図5に示す状態となる。すなわち、火災車両を立坑(定点)6に付近に停止させると、火災が発生している車両の乗客は、避難拠点になった場所の立坑6を使って避難がし易くなる。ステップS19で、最遠端の乗客避難を優先すべきと判断した場合(ステップS22)は、列車中央車両を立坑6内に入れて停止する(ステップS23)。この停止した状態のイメージ図を図6に示す。すなわち、列車中央車両を立坑(避難拠点)6内に入れて停止させると、最端車両の乗客も避難し易く、公平な地点での停車が得られる。
【0031】
ステップS18で、立坑6内に車両を入れないと判断された場合は、放水をして車両火災の消火を急ぐべきか、すなわち放水を急ぐか、放水はさほど急がないかを判断させる(ステップS24)。放水を急ぐと判断した場合(ステップS25)は、火災車両が水噴霧放水範囲7に入った時点で列車を停止させ(ステップS26)、火災車両に対する放水を受ける。この停止した状態のイメージ図を図7に示す。そして、この場合、列車は立坑6の付近に停車しているので、乗客は降車し、避難路3を使用し、さらに立坑6を通って外部へ避難する。したがって、
この場合では、一刻も早く放水開始が可能になり、消火を早め、他の車両への延焼を抑えることができる。ステップS24で、放水はさほど急がないと判断した場合(ステップS27)は、列車全体が水噴霧放水範囲7に入った時点で列車を停止させ(ステップS28)、列車全体に対する放水を受ける。この停止した状態のイメージ図を図8に示す。そして、この場合も、列車は立坑6の付近に停車しているので、乗客は降車し、避難路3を使用し、さらに立坑6を通って外部へ避難する。したがって、この場合では、火災車両は勿論のこと、全車両に放水ができ、他の車両への延焼を抑えることができる。
【0032】
(自己の列車以外でトンネル内火災が発生した場合の対応モデル)
図9に示すモデルパターンでは、自己の列車以外でトンネル内火災が発生した場合を一例としている。ここでの判断も乗務員が行うことを前提とし、トンネル火災が発生した場合(ステップS31)は、まず列車を火点(実際に火災が発生している地点)までに急制動をかけて停止できるか否かを判断させる(ステップS32)。停止できると判断した場合は、一旦緊急停止した後、徐行運転しながら後退して定点まで行き、定点で乗客を降ろして避難拠点となった立坑6を利用して外部へ脱出させる(ステップS33)。このイメージ図は図10に示す。
【0033】
ステップS32で急制動をかけても停止できない(火点よりも先方の位置で停止する)、または火点内に停止すると判断した場合は、列車を停止させることなく、列車走行を継続させ火点を突っ切る(ステップS34)。また、火点を突っ切った後、次の定点まで行けるか否かを判断し、行けると判断された場合は、次の定点まで前進して、次の定点で停止し、点検並びに乗客の避難の必要性を判断する。避難の必要がある場合は、避難拠点の立坑6を使用して外部へ脱出させる。
このイメージ図は図11に示す。一方、次の定点まで行けない場合は、乗客は降車し、避難路3を使用し、さらに立坑6を通って外部へ避難する。
【0034】
したがって、本実施の形態に係るトンネル火災避難支援システムでは、予め決められたモデルのパターンに従って処理をすることができるので、突発的に発生するトンネル火災で列車管理者がパニックになって冷静な判断を欠いて不適正な避難支援処理を行うのを無くすことができる。これにより、常に決められたモデルに従って適切な避難支援処理を行うことができることになる。
【0035】
なお、本発明の実施の形態としてトンネル火災避難支援システムについて説明したが、例えば鉄橋における火災の避難支援、或いは切り通し場所における火災の避難支援などにおいても同様に適用することができるものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は突発的に鉄道火災が発生しても、列車管理者がパニックになって不適正な避難支援処理を行うのをなくし、安全性を向上させることができるという、きわめて有益な効果を有する鉄道火災事故の避難支援方法及びシステムを提供することができるものである。
【0037】
また、本発明によれば、避難支援のためのモデルパターンとして、鉄道車両で火災が発生した場合の避難支援用モデルパターンと、鉄道車両以外で火災が発生した場合の避難支援用モデルパターンを設定しているため、それぞれの状況に対応して適切な避難支援を行うことが可能となる。
【0038】
また、本発明によれば、鉄道火災事故の避難支援システムのモニター装置に表示された情報と同じ情報を、前記列車以外の外部に同時に表示するようにしているため、列車内で乗務員が避難支援処理した判断を、例えば運行管理センター等に置かれた外部の表示装置で見て、適切な避難支援処理か否かを第三者的に判断して、アドバイスを送ることができるという効果が得られる。
【0039】
また、本発明によれば、トンネル内に軌道路と、避難路とを上下関係に平行して設けているとともに、所定の間隔をおいて避難拠点となる立坑が配置され、立坑を通してトンネル内に空気を送り込むようにし、且つ立坑周辺には避難設備と消火設備が設置されている構成としたため、火災により軌道路内に煙が発生しても、避難路内に煙が流れ込むのを防ぎつつ、火災車両に対しては消火活動を行うことができ、避難中の乗客等を煙から保護しつつ避難させることが可能になる。
【0040】
また、本発明によれば、データ処理装置が、鉄道車両で火災が発生したことを検知した場合に、鉄道車両が前記立坑の位置まで運行できるか否かの判断、運行できる場合、鉄道車両を前進または後退させて立坑内に入れてこの避難拠点で停止させるか、または立坑の前後いずれか一方の位置に停止させるかの判断、或いは鉄道車両を立坑内に入れる場合、火災車両を立坑内に入れてこの避難拠点で停止させるか、または前記火災車両以外の車両を前記立坑内に入れてこの避難拠点で停止させるかの判断を行って、乗客等の避難および火災の消火を行うため、火災の規模の大小により、それぞれに適応した避難支援措置をとることが可能になり、より安全で確実に避難させることが可能になり、さらに列車の乗客等全員を短時間で避難させることが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すトンネル内構造を側面より見た配置図
【図2】本実施の形態におけるトンネル内構造の断面図
【図3】本実施の形態における避難支援システムの全体構成を示す概略構成ブロック図
【図4】本実施の形態における避難支援モデルの処理パターンの一例を示す流れ図
【図5】本実施の形態における避難支援モデルでの処理イメージ図
【図6】本実施の形態における避難支援モデルでの別の処理イメージ図
【図7】本実施の形態における避難支援モデルでのさらに別の処理イメージ図
【図8】本実施の形態における避難支援モデルでのさらに別の処理イメージ図
【図9】本実施の形態における避難支援モデルの別の処理パターンの例を示す流れ図
【図10】本実施の形態における避難支援モデルでのさらに別の処理イメージ図
【図11】本実施の形態における避難支援モデルでのさらに別の処理イメージ図
【符号の説明】
1 トンネル
2 軌道路
3 避難路
4 軌道
5 列車
6 立坑
7 水噴霧放水範囲
11 煙センサ
12 データ入出力装置
13 データ処理装置
13a 判定手段
13b 警報発信手段
14 データ記憶装置
15 モニター装置
16 外部装置
16a 列車運行システム
16b トンネル情報システム
17 スプリンクラー(消火設備)
S 排煙の流れ
A 空気の流れる方向
Claims (9)
- 鉄道車両の火災、または走行路の火災における、前記鉄道車両の火災の位置、前記走行路の火災の位置、前記走行路に備えられた避難拠点の位置、及び前記鉄道車両の位置から避難支援の手順を予めモデルパターンとして設定し、前記鉄道車両の火災の位置、または前記走行路の火災の位置と鉄道車両との相対位置を検出し、
前記鉄道車両の火災の位置、または前記走行路の火災の位置、前記避難拠点の位置、前記鉄道車両の位置の少なくとも1つを検出し、
当該検出の結果から前記モデルパターンを選び出し、
当該モデルパターンにしたがって避難支援処理を行なうことを特徴とする鉄道火災事故の避難支援方法。 - 鉄道火災事故が発生した場合に、決められた手順に従って避難支援処理をするための避難支援用モデルパターンを記憶しているデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶された前記モデルパターンの指示を表示する前記鉄道車両に設けたモニター装置と、
前記鉄道火災事故を検知し、前記データ記憶手段内のモデルパターンを呼び出し、予め決められた手順に従って避難支援処理をするための情報を前記モニター装置に表示させるためのデータ処理装置、
とを備えたことを特徴とする鉄道火災事故の避難支援システム。 - 前記モニター装置に表示する情報を、前記鉄道車両以外に設けた装置に表示することを特徴とする請求項2記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
- 前記鉄道火災は、トンネル内における火災事故であることを特徴とする請求項2または3に記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
- 前記トンネル内には、鉄道車両が通る軌道を敷設した軌道路と、
前記軌道路よりも下部に配置され、乗客が避難するのに使用する避難路とを平行して設けており、所定の間隔をおいてトンネル内と地上とを連通させる立坑を配置して避難拠点とし、且つ前記立坑には避難設備が設置されるとともに、前記立坑の前後部分には消火設備が設置されていることを特徴とする請求項6記載の鉄道火災事故の避難支援システム。 - 前記データ処理装置は、鉄道車両で火災が発生したことを検知した場合に、前記鉄道車両が前記立坑の位置まで運行できるか否かを判断し、その判断結果に基づいたモデルパターンにしたがって避難支援が実行処理されることを特徴とする請求項6記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
- 前記データ処理装置は、前記鉄道車両が前記立坑の位置まで運行できると判断された場合、その判断結果に基づいたモデルパターンにしたがって前記鉄道車両を前進または後退させて前記立坑に到達させ、前記鉄道車両の車両を前記立坑内に入れるか、または前記鉄道車両を前記立坑の前後いずれか一方の位置に停止させることを特徴とする請求項6記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
- 前記データ処理装置が避難のため、前記鉄道車両を前記避難拠点に停止させる際、火災の発生している前記鉄道車両を前記避難拠点に停止させ、或いは前記火災の発生した車両以外の車両を前記避難拠点に停止することを特徴とする請求項7記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
- 前記データ処理装置は、トンネル設備で火災が発生したことを検知した場合に、前記鉄道車両を一旦停止させ、その後前進または後退により避難拠点まで運行させることを特徴とする請求項5記載の鉄道火災事故の避難支援システム。
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