JP2004073981A - 熱安定化装置の内部洗浄方法 - Google Patents

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Taiichiro Aoki
青木 泰一郎
Akihiko Nakamura
中村 彰彦
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】装置の分解を行わずに容易に処理室内の清掃を行う洗浄方法を提供する。
【解決手段】テーブルの開口部の下部を密閉するとともに加熱部材を備えた基板載置用のステージと、前記開口部の上部を密閉する透明板の付いた蓋体との間に処理室が形成された熱安定化装置の内部洗浄方法において、前記処理室を、過酸化水素水の蒸気雰囲気とし、この状態で前記透明板の上方に配置される紫外線ランプによる紫外線の照射によって処理室を洗浄した後、該処理室内をテーブルに設けられている真空排気用通路を通して真空引きする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱安定化装置の内部を洗浄する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIや超LSI等の高集積半導体素子を製造するには、基板表面にエッチング、イオン注入、絶縁膜若しくは導電膜の形成等の多数の工程を繰り返している。
【0003】
上記エッチング等を行うにあたっては、基板表面にホトリソグラフィ工程によってレジストパターン(微細パターン)を形成し、プラズマ処理装置等を用いてドライエッチングを行うようにしている。ここで、レジストパターンを形成するホトリソグラフィ工程としては、基板上にポジ型又はネガ型ホトレジストを塗布し、これを乾燥せしめて感光層を形成し、次いで感光層に活性光線を選択的に照射して潜像を形成した後、現像処理を施してレジストパターンを形成するようにしている。
【0004】
しかしながら、基板上に形成されたレジストパターンは熱的強度が十分といえず、そのままエッチングに用いるとパターンが変形し、サブミクロンオーダの微細加工ができない。
【0005】
そこでレジストパターンの熱的強度を向上すべく、紫外線を照射し、パターンの樹脂成分を架橋させることで軟化点を高くする手段が従来から知られている。
【0006】
特開昭63−260028号公報にあっては、処理室内を減圧する真空排気用通路と、その上昇によって処理室を気密に閉塞し且つ加熱部材を備えたステージと、このステージ上に載置された基板表面に紫外線を照射する紫外線ランプと処理室上部を構成する蓋体に取り付けられて紫外線ランプの紫外線を透過させる透明板とによってホトレジストの熱安定化装置を構成している。
【0007】
上記の熱安定化装置により、ホトレジスト層が設けられた基板表面に対して加熱下で紫外線を照射してホトレジストを硬化させるときは、昇華物が生じる。この昇華物が徐々に処理チャンバー内壁や透明板に付着すると、紫外線ランプの照射が十分に基板に届かず、ホトレジストの硬化が効率的に行われないおそれがあるので、定期的に装置を分解して処理室に付着している昇華物を除去するための掃除をしなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の熱安定化装置を分解して、清掃するにはかなり大かがりな工程になり頻繁に行うことができないから、結局、基板表面のホトレジストを硬化させる時間が長くなり、十分な効率化を図ることができなかった。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、装置の分解を行わずに容易に処理室内の清掃を行う洗浄方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明の熱安定化装置の内部洗浄方法は、テーブルの開口部の下部を密閉するとともに加熱部材を備えた基板載置用のステージと、前記開口部の上部を密閉する透明板の付いた蓋体との間に処理室が形成された熱安定化装置の内部洗浄方法において、前記処理室を、過酸化水素水の蒸気雰囲気とし、この状態で前記透明板の上方に配置される紫外線ランプによる紫外線の照射によって処理室を洗浄した後、該処理室内をテーブルに設けられている真空排気用通路を通して真空引きする構成とした。
【0011】
過酸化水素水を処理室で蒸気化させ、紫外線を照射することにより処理室を洗浄することで、装置自身を分解せずに清掃することが可能になり、手軽で且つ頻繁に洗浄することができる。
【0012】
次に具体的に本発明の構成を説明する。
まず、熱安定化装置における処理室内の基板載置用ステージにダミーウェーハを載置する。このダミーウェーハ上に濃度40%前後の過酸化水素水をダミーウェーハからこぼれない程度に滴下若しくは供給する。
【0013】
次いで、加熱部材を約100℃にし、過酸化水素水を蒸発させ、チャンバー室内を過酸化水素水蒸気雰囲気とする。ここで、紫外線ランプから波長254nmの紫外線を照射すると昇華物(主に炭素を含有する)が式(1)及び(2)を経て分解される。
2H→2HO+2O (1)
C+2O→CO  (2)
【0014】
最後に真空排気用通路から真空引きされることによって、昇華物の分解分等は除去される。ここで、過酸化水素水の濃度が40%より著しく低いと、昇華物を分解するのに時間がかかったり、昇華物を完全に分解できなかったりして十分な洗浄が行えない。濃度が40%より高ければ高いほどよいが、最低でも40%あれば満足のいく結果が得られる。
【0015】
また、本発明のもう1つの構成は次のとおりである。
まず、熱安定化装置における処理室内に酸素又は大気(酸素濃度は20.6%である。)を導入する。次いで、紫外線ランプから波長185nmの紫外線を照射すると、処理室内に付着した昇華物を分解する。
すなわち、酸素濃度が20%以上の処理室内に波長185nmの紫外線を照射して、昇華物を除去するとのことである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。第1図は本発明に係る熱安定化装置の内部洗浄方法の全体図である。図中1は支持板であり、この支持板1上に支柱2を介してテーブル3を設けている。このテーブル3は開口部4が形成されている。
【0017】
また、前記支持板1上には上下方向のブラケット5が固定され、このブラケット5の上部に設けた昇降部材6によってステージ7が昇降動をなすようにしている。
【0018】
ステージ7にはその上面を基板(W)の載置面とし、また基板(W)の載置面の下方にホットプレート等の温度コントロール可能な加熱部材8が埋没されている。この基板(W)は洗浄用のダミーウェーハを用いる。
【0019】
また、ステージ7には、加熱部材8よりも下方位置において外側に延びるフランジ部7aが形成されている。そして、ステージ7が上昇してテーブル3に形成した開口部4に下方から進入した際にフランジ部7aの上面がテーブル3の下面に設けたシール部材3aに当接し、開口部4を下部から気密に閉塞するようにしている。
【0020】
さらに、テーブル3の上面には、開口部4の周囲に凹部分が形成されている。この凹部分にはコ字型の蓋体9によって気密に閉塞されている。この蓋体9の天井部には穴が空けられ、その穴に石英板等の透明板10が取り付けられている。このようして、蓋体9とステージ7との間に処理室Sが形成される。さらに、蓋体9の側部に覗き窓11が形成され、上記のテーブル3の凹部分に照度センサー12が設けられている。
【0021】
処理室Sの一方の側には、テーブル3に形成した真空排気用通路13及び可撓性チューブ14を介して図示しない真空ポンプにつながっており、一方、処理室Sの他方の側には、テーブル3に形成した不活性ガス供給通路15が開口している。この不活性ガス供給通路15にはNガス等の不活性ガス供給パイプ16及び処理室S内を大気圧に戻すためのパージ用パイプ17が接続されている。
【0022】
また、テーブル3の上には支持ブロック18を介して蓋体9の上方に位置する紫外線ランプ19を取り付けている。この紫外線ランプ19としては例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯或いはキセノンランプ等を用いるものとし、その形状としては直線状又は湾曲したもの等任意である。紫外線ランプ19はカバー内に収納されており、このカバー内には冷却水を図示しないパイプを介して供給するようにしている。
【0023】
また、処理室S内にはN、Ar等の不活性ガスを導入し、紫外線によって空気中のOがOに変化するのを制御し、作業環境の改善と紫外線の透過量の減少防止を図っている。
【0024】
さらに紫外線ランプ19の上方には下面を鏡面としたハウジング20が配設され、紫外線ランプ19と透明板10との間に左右に開閉自在なシャッター21が配設されている。
【0025】
以上の如き構成の装置を用いて処理室内S(主に透明板10)に形成された昇華物を除去する二つの方法を説明する。
【0026】
一つ目の方法としては、第1図に示す状態からステージ7を下降させた状態とする。そして、この状態において、加熱部材8が昇温し、紫外線ランプ19が点灯する。
【0027】
この後、照度センサー12によって紫外線ランプの照度が所定値(例えば装置の出力が80%以上である。)となったこと、加熱部材8の温度が所定値(例えば80℃〜150℃)となったこと及び冷却水の水圧が所定値であることを検出したならば、下降状態にあるステージ7の上面に基板(W)(即ち、ダミウェーハ)を載置して、そのダミウェーハの上面に濃度40%の過酸化水素水をこぼれない程度に滴下する。その後、ステージ7を上昇せしめて処理室S内に基板(W)を臨ませ、且つ処理室Sを気密に閉塞する。
【0028】
次いで、通常3分〜10分で過酸化水素水を加熱して蒸気化させる。この処理により、過酸化水素水を蒸発させて過酸化水素水の蒸気雰囲気下で処理室内面、透明板10に付着した昇華物に接触させることになる。その後、シャッター21を開き、処理室S及びダミーウェーハに紫外線を照射する。この照射時間は通常1分〜3分程度とする。最後に真空排気用通路13から真空引きされることによって、昇華物を分解した水、二酸化炭素等が除去される。
【0029】
以上の処理が終了したならば、加熱部材8への加熱を停止して、紫外線ランプ19を消灯して、シャッター21を閉じた後、パージ用パイプ17を介して大気を導入し、処理室Sの圧力が0.2Torr程度となったならば、ステージ7を下降させ、ダミーウェーハを取り出し、カセットに収納する。
【0030】
もう一つの方法としては、第1図に示す状態からステージ7を下降させた状態とする。そして、この状態において、加熱部材8が昇温し、紫外線ランプ19が点灯する。
【0031】
この後、照度センサー12によって紫外線ランプの照度が所定値(例えば装置の出力が80%以上である。)となったこと、加熱部材8の温度が所定値(例えば80℃〜150℃)となったこと及び冷却水の水圧が所定値であることを検出したならば、処理室S内に大気(或いは酸素)を導入する。
【0032】
その後、シャッター21を開き、処理室S内に波長185nmの紫外線を照射して、処理室S内に付着した昇華物を分解する。この照射時間は通常1分〜3分程度とする。最後に真空排気用通路13から真空引きされることによって、処理室S内が浄化される。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明した如く本発明に係る熱安定化装置の内部洗浄方法によれば、過酸化水素水を処理室で蒸気化させ、紫外線を照射することにより昇華物を分解・除去することで、若しくは酸素濃度が20%以上の処理室内に波長185nmの紫外線を照射して昇華物を除去することで、処理室を洗浄し、装置自身を分解せずに清掃することができ、しかも特別な治具を用いることがないので、手軽で且つ頻繁に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱安定化装置の内部洗浄方法の全体図
【符号の説明】
1…支持板、 2…支柱、 3…テーブル、 3a…シール部材、 4…開口部、 5…ブラケット、 6…昇降部材、 7…ステージ、 7a…フランジ部、 8…加熱部材、 9…蓋体、 10…透明板、 11…覗き窓、 12…照度センサー、 13…真空排気通路、 14…可撓性チューブ、 15…不活性ガス供給通路、 16…不活性ガス供給パイプ、 17…パージ用パイプ、 18…支持ブロック、 19…紫外線ランプ、 20…ハウジング、 21…シャッター、 S…処理室、 W…基板。

Claims (1)

  1. テーブルの開口部の下部を密閉するとともに加熱部材を備えた基板載置用のステージと、前記開口部の上部を密閉する透明板の付いた蓋体との間に処理室が形成された熱安定化装置の内部洗浄方法において、前記処理室を、過酸化水素水の蒸気雰囲気とし、この状態で前記透明板の上方に配置される紫外線ランプによる紫外線の照射によって処理室を洗浄した後、該処理室内をテーブルに設けられている真空排気用通路を通して真空引きすることを特徴とする熱安定化装置の内部洗浄方法。
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