JP2004072037A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着シートとして熱剥離性テープを用い、半導体ウェハを粘着シートに貼り付けた状態で個々の半導体チップに切断し、個々の半導体チップを正確にピックアップすることのできる技術を提供する
【解決手段】ピックアップする半導体チップ2Aの下部へ真空吸着駒5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行った後、半導体チップを個別に加熱するヒートブロック6を上昇させることによって、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させ、ピックアップする半導体チップ2Aを裏面より加熱する。
【選択図】 図6
【解決手段】ピックアップする半導体チップ2Aの下部へ真空吸着駒5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行った後、半導体チップを個別に加熱するヒートブロック6を上昇させることによって、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させ、ピックアップする半導体チップ2Aを裏面より加熱する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、半導体ウェハを切断して複数の半導体チップとし、個々の半導体チップをピックアップする工程に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、特開平6−295930号公報においては、半導体ウェハを粘着シートに貼り付けた状態で、個々の半導体チップに切断した後、剥離すべき半導体チップを接着している粘着シートの裏面を摺動ピンで擦ることで半導体チップとの粘着力を弱め、その摺動ピンの周囲に設けられた突き上げピンを摺動ピンと一緒に上昇させ、半導体チップを均等に持ち上げることによって粘着力の弱まった半導体チップを粘着シートから剥離する技術について開示されている。
【0003】
また、たとえば特開平6−97214号公報においては、複数のペレットが粘着された粘着シートをペレットを下側にして保持し、ニードルユニットの下端の球状形状で粘着シートの押さえ面を形成し、ニードルユニットから先端が尖ったニードルを突き下げることによって、ペレットを粘着シートから剥離し、下方に位置するコレットによってそのペレットを真空吸着してピックアップする技術について開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ICカードなどの製品に実装する半導体チップは、製品の厚さを薄くしたり実装効率を向上する等の必要性から、その厚さを薄くすることが求められている。ところが、上記のピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップを粘着シートから剥離する技術を薄型化した半導体チップに適用する場合には以下のような課題が存在することを本発明者らは見出した。
【0005】
すなわち、ピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップを粘着シートから剥離することから、半導体チップに負荷がかかり、厚さの薄い半導体チップでは割れまたは欠けが発生してしまう問題がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、加熱処理によって剥離することができる熱剥離性テープを上記粘着シートとして用いる手段について検討している。その中で、本発明者らは以下のような課題を見出した。
【0007】
すなわち、熱剥離性テープを上記粘着シートとして用いた場合には、粘着シートは加熱処理によって粘着性を失ってしまうことから、個々の半導体チップへと切断された半導体ウェハを半導体チップのピックアップ位置まで搬送するまでに個々の半導体チップが移動してしまい、コレットを用いた吸着による半導体チップのピックアップを正確に行えなくなってしまう問題がある。
【0008】
本発明の目的は、粘着シートとして熱剥離性テープを用い、半導体ウェハを粘着シートに貼り付けた状態で個々の半導体チップに切断し、個々の半導体チップを正確にピックアップすることのできる技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明は、素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程と、前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程と、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面の前記粘着シートを第1加熱手段により第1温度で加熱し、前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させた後、第1吸着手段により前記第1半導体チップを前記素子形成面を吸着することでピックアップする工程とを含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の半導体装置の製造工程を示すフローチャートであり、このフローチャートに沿って本実施の形態1の半導体装置の製造工程を説明する。
【0014】
まず、図2に示すように、裏面にウェハシート(粘着シート)1が貼付された半導体ウェハ2を用意する(工程P1)。なお、図2(b)は、図2(a)中のA−A線に沿った断面図である。半導体ウェハ2は、その主面(素子形成面)上に半導体素子、配線層および表面保護膜が形成され、ダイシング(分割)工程により複数の半導体チップに個片化されたものであり、その裏面に半導体ウェハ2の径よりも大きな径を有するウェハシート1が貼付されたことによって、ダイシング工程前の半導体ウェハ2の外形と同様の外形で保持されている。ウェハシート1の外周部には、ウェハシート1が貼付された半導体ウェハ2を搬送するためのリング状のキャリア治具3が装着されている。このキャリア治具3は、たとえばステンレス鋼などから形成されたものを用いることができる。
【0015】
図3に示すように、ウェハシート1は、基材1Aおよびその基材1Aと半導体ウェハ2との間に介在する粘着層1Bから形成されている。基材1Aは、たとえばポリエステル、PVC(ポリ塩化ビニル)またはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの伸縮性を有する樹脂から形成されている。図4に示すように、粘着層1B中には、エアーカプセル4が含まれている。このウェハシート1は、加熱によってエアーカプセル4が膨張することで半導体ウェハ2から剥離することのできる熱剥離性のウェハシートである。
【0016】
次に、図5に示すように、ピックアップする半導体チップ(第1半導体チップ)2Aの下部へ真空吸着駒(第2吸着手段)5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行う(工程P2)。本実施の形態1において、真空吸着駒5は、半導体チップを個別に加熱するヒートブロック(第1加熱手段)6を有する。
【0017】
次に、図6に示すように、上記ヒートブロック6を上昇させることによって、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させ、ピックアップする半導体チップ2Aを半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離する加熱温度(第1温度)で裏面から加熱する(工程P3)。これにより、上記エアーカプセル4(図4参照)は膨張し、粘着層1B(図3および図4参照)の粘着力を半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離できる粘着力とすることができる。本実施の形態1においては、この加熱処理に要する加熱温度および加熱時間をそれぞれ約200℃および約1秒以下とすることを例示できる。また、加熱温度を下げ加熱時間を延ばして(たとえば約140℃で約1分以下)加熱処理を行ってもよい。
【0018】
また、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させる際には、半導体チップ2Aをピックアップする真空吸着コレット(第1吸着手段)7を下降させ、真空吸着コレット7をピックアップする半導体チップ2Aに吸着させる。
【0019】
上記加熱処理を行うに当たり、予め半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離しない程度の温度(たとえば60℃程度)で第1の加熱処理を施しておき、その後、半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離させるための第2の加熱処理を施す手段を用いてもよい。この時、第1の加熱処理は、上記ヒートブロック6以外の手段(たとえばドライヤーなど)を用いて行ってもよい。それにより、第2の加熱処理に要する加熱時間を短縮することができる。すなわち、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bに対して与える加熱による影響を低減することができるので、その半導体チップ2Bが加熱によりウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことが可能となる。
【0020】
上記加熱工程時において、上記真空吸着駒5としては、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bと平面で重なる領域が可能な限り小さいものを用いる。また、ヒートブロック6は、平面において半導体チップ2A、2Bより小さいものを用いる。それにより、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bに対して与える加熱による影響を低減することができる。すなわち、その半導体チップ2Bが加熱によりウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことができる。真空吸着駒5と半導体チップ2Bとが平面で重なる領域を減らす以外にも、その重なる領域に冷却エアーを吹き付けることによって、半導体チップ2Bが加熱によってウェハシート1から剥離してしまうことを防いでもよい。また、真空吸着駒5のウェハシート1と接触する面に、エアーの流通経路となる溝部8(図7参照)を設け、真空吸着駒5のウェハシート1への吸着時におけるエアーの流れを形成することによって、真空吸着駒5と半導体チップ2Bとが平面で重なる領域を冷却する手段を用いてもよい。このような手段でも、半導体チップ2Bが加熱によってウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことができる。
【0021】
次に、図8に示すように、上記加熱処理が終了後、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bが加熱による影響を受けないようにヒートブロック6を即下降させる。続いて、真空吸着コレット7を上昇させることによって、ウェハシート1から剥離した半導体チップ2Aをピックアップする(工程P4)。
【0022】
上記のような本実施の形態1の半導体チップ2Aのピックアップ手段によれば、ウェハシートとして熱剥離性のウェハシート1を用いるので、ピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップをウェハシートから剥離する手段を用いた場合のような機械的負荷が半導体チップにかかることを防ぐことができる。それにより、半導体チップ2Aの厚さが薄い場合でも半導体チップ2Aに割れまたは欠けが発生してしまうことを防ぐことができる。たとえば、半導体チップ2Aの厚さが100μm程度以上の場合でも半導体チップ2Aに割れまたは欠けが発生してしまう不具合を防ぐことができるが、半導体チップ2Aの厚さが100μm程度以下の場合には特に顕著な効果を得ることができる。また、ピンまたはニードルの代わりに、加熱手段であるヒートブロック6および冷却手段(たとえば溝部8(図7参照))を設けるので、新たなダイボンダを導入することなく、ピンまたはニードルが設けられたダイボンダを改良して、ピンまたはニードルをヒートブロック6に置き換え、冷却手段を追加することによって用いることが可能となる。それにより、本実施の形態1の半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0023】
また、半導体ウェハ2にウェハシート1を貼付している粘着層1B(図3および図4参照)として、たとえば紫外線の照射により硬化し粘着力が低下するポリイミド系の材料を用いた場合には、半導体チップ2Aをウェハシート1から剥離しやすくするための紫外線照射装置が必要となる。一方、上記の本実施の形態1のように、熱剥離性のウェハシート1を用いた場合には、加熱によって半導体チップ2Aをウェハシート1から剥離することができる。すなわち本実施の形態1によれば、紫外線照射装置は不要であることから、半導体製造装置(ダイボンダ)の構成を簡略化することができる。
【0024】
次に、図9に示すように、配線基板11の主面のチップ実装領域に接着剤12を塗布する。接着剤12としては、たとえば熱硬化性樹脂系の接着剤が用いられる。また、接着剤12に代えて、半導体チップ2Aとほぼ同じ寸法に裁断した両面接着テープなどを各チップ実装領域に貼り付けてもよい。配線基板11をスクライブライン(図示は省略)に沿って格子状に切断(ダイシング)、個片化することにより、複数個のパッケージ基板を得ることができる。配線基板11の主面および内層には、配線13が形成されており、裏面には、電極パッド14が形成されている。また、配線基板11の主面および裏面には、配線13や電極パッド14の表面を除き、エポキシ系樹脂などからなるソルダレジスト15がコーティングされている。
【0025】
続いて、前記真空吸着コレット7(図6および図8参照)に吸着保持された半導体チップ2Aの裏面(下面)を配線基板11のチップ実装領域に押し付け、真空吸着コレット7を半導体チップ2Aから離すことによって、半導体チップ2Aのダイボンディングを行う(工程P5)。本実施の形態1において、半導体チップ2Aは、たとえばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)が形成されたシリコンチップである。
【0026】
続いて、半導体チップ2Aのボンディングパッド16と配線基板11の配線13とをAuワイヤ17で接続する(工程P6)。Auワイヤ17の接続は、たとえば超音波振動と熱圧着とを併用した周知のワイヤボンダを使用して行う。
【0027】
次に、半導体チップ2Aの上面のチップ実装領域に接着フィルム18を貼付した後、上記半導体チップ2Aと同様の方法でピックアップされた半導体チップ2Cをそのチップ実装領域に押し付けることによって半導体チップ2Cのダイボンディングを行う(工程P7)。この時、接着フィルム18としては、半導体チップ2Cとほぼ同じ寸法に裁断したものを用いる。また、本実施の形態1において、半導体チップ2Cは、たとえば高速マイクロプロセッサ(MPU:超小型演算処理装置)が形成されたシリコンチップである。
【0028】
続いて、半導体チップ2Aのボンディングパッド19と配線基板11の配線13とをAuワイヤ20で接続する(工程P8)。Auワイヤ17の接続には、たとえば超音波振動と熱圧着とを併用したワイヤボンダを使用することができる。
【0029】
次に、モールド金型(図示せず)を使って配線基板11の主面全体を一括して樹脂封止する(工程P9)。配線基板11の主面を封止するモールド樹脂21は、たとえば粒径70μm〜100μm程度のシリカを分散させた熱硬化型エポキシ系樹脂からなる。
【0030】
次に、配線基板11の裏面の電極パッド14にはんだバンプ22を接続する。(工程P10)はんだバンプ22の接続は、たとえば低融点のPb(鉛)−Sn(スズ)共晶合金からなるはんだボールを電極パッド14の表面に供給した後、はんだボールをリフローさせることによって行う。
【0031】
その後、配線基板11を前記スクライブラインに沿って切断、個片化することにより、本実施の形態1の半導体装置であるマルチチップモジュール(Multi Chip Module;MCM)を製造する(工程P11)。
【0032】
上記の本実施の形態1においては、半導体チップ2A、2CをそれぞれAuワイヤ17、20を用いたワイヤボンディングにより配線基板11と電気的に接続した場合について例示したが、図10に示すように、半導体チップを積層せずに、半導体チップ2Aを主面を配線基板11側に向け、バンプ電極23を用いたフェイスダウンボンディングで実装してもよい。この時、半導体チップ2Aの主面に形成された配線(図示は省略)と配線基板11内に形成された配線13とは、バンプ電極23を介して電気的に接続される。
【0033】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、前記実施の形態1にて用いた半導体チップ2Aを個別に加熱するヒートブロック6(図5参照)を用いる代わりに、真空吸着コレット7に半導体チップ2Aを個別に加熱する加熱手段を持たせるものである。
【0034】
すなわち、図11に示すように、前記実施の形態1で図5を用いて説明した工程と同様に、ピックアップする半導体チップ2Aの下部へ真空吸着駒5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行った後、真空吸着コレット7を下降させ、真空吸着コレット7をピックアップする半導体チップ2Aに吸着させる。
【0035】
続いて、真空吸着コレット7により半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離する加熱温度(第1温度)で半導体チップ2Aに対して加熱処理を施す。この時、この加熱処理に要する加熱温度および加熱時間をそれぞれ約200℃および約1秒以下とすることを例示できる。これにより、ウェハシートを形成する粘着層1B(図3および図4参照)に含まれるエアーカプセル4(図4参照)は膨張し、粘着層1Bの粘着力を半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離できる粘着力とすることができる。
【0036】
次いで、真空吸着コレット7を上昇させることによって、ウェハシート1から剥離した半導体チップ2Aをピックアップする。
【0037】
上記のような本実施の形態2によっても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0038】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0039】
前記実施の形態においては、ウェハシートに接着された半導体チップをウェハシートから剥離してピックアップする工程に本発明を適用する場合について示したが、たとえば搬送用トレイ内に仮固定された半導体パッケージをその搬送用トレイからピックアップする工程にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
(1)熱剥離性のウェハシート(粘着シート)を用い、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面のウェハシートを加熱し、前記第1半導体チップとウェハシートとを剥離させた後に第1半導体チップをピックアップするので、ピックアップ時に第1半導体チップに割れまたは欠けが発生してしまうことを防ぐことができる。
(2)熱剥離性のウェハシート(粘着シート)を用い、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面のウェハシートを加熱することによって、第1半導体チップとウェハシートとを剥離させ、ピックアップする第1半導体チップ以外の半導体チップが加熱によりウェハシートから剥離してしまうことを防ぐので、個々の半導体チップを正確にピックアップすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を説明する要部平面図および要部断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中において半導体ウェハに貼付されたウェハシートを説明する要部断面図である。
【図4】図3に示したウェハシートに含まれる粘着層の要部平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造に用いる真空吸着駒の要部平面図である。
【図8】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【符号の説明】
1 ウェハシート(粘着シート)
1A 基材
1B 粘着層
2 半導体ウェハ
2A 半導体チップ(第1半導体チップ)
2B、2C 半導体チップ
3 キャリア治具
4 エアーカプセル
5 真空吸着駒(第2吸着手段)
6 ヒートブロック(第1加熱手段)
7 真空吸着コレット(第1吸着手段)
8 溝部
11 配線基板
12 接着剤
13 配線
14 電極パッド
15 ソルダレジスト
16 ボンディングパッド
17 Auワイヤ
18 接着フィルム
19 ボンディングパッド
20 Auワイヤ
21 モールド樹脂
22 はんだバンプ
P1〜P11 工程
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、半導体ウェハを切断して複数の半導体チップとし、個々の半導体チップをピックアップする工程に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、特開平6−295930号公報においては、半導体ウェハを粘着シートに貼り付けた状態で、個々の半導体チップに切断した後、剥離すべき半導体チップを接着している粘着シートの裏面を摺動ピンで擦ることで半導体チップとの粘着力を弱め、その摺動ピンの周囲に設けられた突き上げピンを摺動ピンと一緒に上昇させ、半導体チップを均等に持ち上げることによって粘着力の弱まった半導体チップを粘着シートから剥離する技術について開示されている。
【0003】
また、たとえば特開平6−97214号公報においては、複数のペレットが粘着された粘着シートをペレットを下側にして保持し、ニードルユニットの下端の球状形状で粘着シートの押さえ面を形成し、ニードルユニットから先端が尖ったニードルを突き下げることによって、ペレットを粘着シートから剥離し、下方に位置するコレットによってそのペレットを真空吸着してピックアップする技術について開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ICカードなどの製品に実装する半導体チップは、製品の厚さを薄くしたり実装効率を向上する等の必要性から、その厚さを薄くすることが求められている。ところが、上記のピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップを粘着シートから剥離する技術を薄型化した半導体チップに適用する場合には以下のような課題が存在することを本発明者らは見出した。
【0005】
すなわち、ピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップを粘着シートから剥離することから、半導体チップに負荷がかかり、厚さの薄い半導体チップでは割れまたは欠けが発生してしまう問題がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、加熱処理によって剥離することができる熱剥離性テープを上記粘着シートとして用いる手段について検討している。その中で、本発明者らは以下のような課題を見出した。
【0007】
すなわち、熱剥離性テープを上記粘着シートとして用いた場合には、粘着シートは加熱処理によって粘着性を失ってしまうことから、個々の半導体チップへと切断された半導体ウェハを半導体チップのピックアップ位置まで搬送するまでに個々の半導体チップが移動してしまい、コレットを用いた吸着による半導体チップのピックアップを正確に行えなくなってしまう問題がある。
【0008】
本発明の目的は、粘着シートとして熱剥離性テープを用い、半導体ウェハを粘着シートに貼り付けた状態で個々の半導体チップに切断し、個々の半導体チップを正確にピックアップすることのできる技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明は、素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程と、前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程と、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面の前記粘着シートを第1加熱手段により第1温度で加熱し、前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させた後、第1吸着手段により前記第1半導体チップを前記素子形成面を吸着することでピックアップする工程とを含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の半導体装置の製造工程を示すフローチャートであり、このフローチャートに沿って本実施の形態1の半導体装置の製造工程を説明する。
【0014】
まず、図2に示すように、裏面にウェハシート(粘着シート)1が貼付された半導体ウェハ2を用意する(工程P1)。なお、図2(b)は、図2(a)中のA−A線に沿った断面図である。半導体ウェハ2は、その主面(素子形成面)上に半導体素子、配線層および表面保護膜が形成され、ダイシング(分割)工程により複数の半導体チップに個片化されたものであり、その裏面に半導体ウェハ2の径よりも大きな径を有するウェハシート1が貼付されたことによって、ダイシング工程前の半導体ウェハ2の外形と同様の外形で保持されている。ウェハシート1の外周部には、ウェハシート1が貼付された半導体ウェハ2を搬送するためのリング状のキャリア治具3が装着されている。このキャリア治具3は、たとえばステンレス鋼などから形成されたものを用いることができる。
【0015】
図3に示すように、ウェハシート1は、基材1Aおよびその基材1Aと半導体ウェハ2との間に介在する粘着層1Bから形成されている。基材1Aは、たとえばポリエステル、PVC(ポリ塩化ビニル)またはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの伸縮性を有する樹脂から形成されている。図4に示すように、粘着層1B中には、エアーカプセル4が含まれている。このウェハシート1は、加熱によってエアーカプセル4が膨張することで半導体ウェハ2から剥離することのできる熱剥離性のウェハシートである。
【0016】
次に、図5に示すように、ピックアップする半導体チップ(第1半導体チップ)2Aの下部へ真空吸着駒(第2吸着手段)5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行う(工程P2)。本実施の形態1において、真空吸着駒5は、半導体チップを個別に加熱するヒートブロック(第1加熱手段)6を有する。
【0017】
次に、図6に示すように、上記ヒートブロック6を上昇させることによって、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させ、ピックアップする半導体チップ2Aを半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離する加熱温度(第1温度)で裏面から加熱する(工程P3)。これにより、上記エアーカプセル4(図4参照)は膨張し、粘着層1B(図3および図4参照)の粘着力を半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離できる粘着力とすることができる。本実施の形態1においては、この加熱処理に要する加熱温度および加熱時間をそれぞれ約200℃および約1秒以下とすることを例示できる。また、加熱温度を下げ加熱時間を延ばして(たとえば約140℃で約1分以下)加熱処理を行ってもよい。
【0018】
また、ヒートブロック6とウェハシート1とを接触させる際には、半導体チップ2Aをピックアップする真空吸着コレット(第1吸着手段)7を下降させ、真空吸着コレット7をピックアップする半導体チップ2Aに吸着させる。
【0019】
上記加熱処理を行うに当たり、予め半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離しない程度の温度(たとえば60℃程度)で第1の加熱処理を施しておき、その後、半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離させるための第2の加熱処理を施す手段を用いてもよい。この時、第1の加熱処理は、上記ヒートブロック6以外の手段(たとえばドライヤーなど)を用いて行ってもよい。それにより、第2の加熱処理に要する加熱時間を短縮することができる。すなわち、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bに対して与える加熱による影響を低減することができるので、その半導体チップ2Bが加熱によりウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことが可能となる。
【0020】
上記加熱工程時において、上記真空吸着駒5としては、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bと平面で重なる領域が可能な限り小さいものを用いる。また、ヒートブロック6は、平面において半導体チップ2A、2Bより小さいものを用いる。それにより、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bに対して与える加熱による影響を低減することができる。すなわち、その半導体チップ2Bが加熱によりウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことができる。真空吸着駒5と半導体チップ2Bとが平面で重なる領域を減らす以外にも、その重なる領域に冷却エアーを吹き付けることによって、半導体チップ2Bが加熱によってウェハシート1から剥離してしまうことを防いでもよい。また、真空吸着駒5のウェハシート1と接触する面に、エアーの流通経路となる溝部8(図7参照)を設け、真空吸着駒5のウェハシート1への吸着時におけるエアーの流れを形成することによって、真空吸着駒5と半導体チップ2Bとが平面で重なる領域を冷却する手段を用いてもよい。このような手段でも、半導体チップ2Bが加熱によってウェハシート1から剥離してしまうことを防ぐことができる。
【0021】
次に、図8に示すように、上記加熱処理が終了後、ピックアップする半導体チップ2A以外の半導体チップ2Bが加熱による影響を受けないようにヒートブロック6を即下降させる。続いて、真空吸着コレット7を上昇させることによって、ウェハシート1から剥離した半導体チップ2Aをピックアップする(工程P4)。
【0022】
上記のような本実施の形態1の半導体チップ2Aのピックアップ手段によれば、ウェハシートとして熱剥離性のウェハシート1を用いるので、ピンまたはニードルを突き上げる(または突き下げる)ことによって半導体チップをウェハシートから剥離する手段を用いた場合のような機械的負荷が半導体チップにかかることを防ぐことができる。それにより、半導体チップ2Aの厚さが薄い場合でも半導体チップ2Aに割れまたは欠けが発生してしまうことを防ぐことができる。たとえば、半導体チップ2Aの厚さが100μm程度以上の場合でも半導体チップ2Aに割れまたは欠けが発生してしまう不具合を防ぐことができるが、半導体チップ2Aの厚さが100μm程度以下の場合には特に顕著な効果を得ることができる。また、ピンまたはニードルの代わりに、加熱手段であるヒートブロック6および冷却手段(たとえば溝部8(図7参照))を設けるので、新たなダイボンダを導入することなく、ピンまたはニードルが設けられたダイボンダを改良して、ピンまたはニードルをヒートブロック6に置き換え、冷却手段を追加することによって用いることが可能となる。それにより、本実施の形態1の半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0023】
また、半導体ウェハ2にウェハシート1を貼付している粘着層1B(図3および図4参照)として、たとえば紫外線の照射により硬化し粘着力が低下するポリイミド系の材料を用いた場合には、半導体チップ2Aをウェハシート1から剥離しやすくするための紫外線照射装置が必要となる。一方、上記の本実施の形態1のように、熱剥離性のウェハシート1を用いた場合には、加熱によって半導体チップ2Aをウェハシート1から剥離することができる。すなわち本実施の形態1によれば、紫外線照射装置は不要であることから、半導体製造装置(ダイボンダ)の構成を簡略化することができる。
【0024】
次に、図9に示すように、配線基板11の主面のチップ実装領域に接着剤12を塗布する。接着剤12としては、たとえば熱硬化性樹脂系の接着剤が用いられる。また、接着剤12に代えて、半導体チップ2Aとほぼ同じ寸法に裁断した両面接着テープなどを各チップ実装領域に貼り付けてもよい。配線基板11をスクライブライン(図示は省略)に沿って格子状に切断(ダイシング)、個片化することにより、複数個のパッケージ基板を得ることができる。配線基板11の主面および内層には、配線13が形成されており、裏面には、電極パッド14が形成されている。また、配線基板11の主面および裏面には、配線13や電極パッド14の表面を除き、エポキシ系樹脂などからなるソルダレジスト15がコーティングされている。
【0025】
続いて、前記真空吸着コレット7(図6および図8参照)に吸着保持された半導体チップ2Aの裏面(下面)を配線基板11のチップ実装領域に押し付け、真空吸着コレット7を半導体チップ2Aから離すことによって、半導体チップ2Aのダイボンディングを行う(工程P5)。本実施の形態1において、半導体チップ2Aは、たとえばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)が形成されたシリコンチップである。
【0026】
続いて、半導体チップ2Aのボンディングパッド16と配線基板11の配線13とをAuワイヤ17で接続する(工程P6)。Auワイヤ17の接続は、たとえば超音波振動と熱圧着とを併用した周知のワイヤボンダを使用して行う。
【0027】
次に、半導体チップ2Aの上面のチップ実装領域に接着フィルム18を貼付した後、上記半導体チップ2Aと同様の方法でピックアップされた半導体チップ2Cをそのチップ実装領域に押し付けることによって半導体チップ2Cのダイボンディングを行う(工程P7)。この時、接着フィルム18としては、半導体チップ2Cとほぼ同じ寸法に裁断したものを用いる。また、本実施の形態1において、半導体チップ2Cは、たとえば高速マイクロプロセッサ(MPU:超小型演算処理装置)が形成されたシリコンチップである。
【0028】
続いて、半導体チップ2Aのボンディングパッド19と配線基板11の配線13とをAuワイヤ20で接続する(工程P8)。Auワイヤ17の接続には、たとえば超音波振動と熱圧着とを併用したワイヤボンダを使用することができる。
【0029】
次に、モールド金型(図示せず)を使って配線基板11の主面全体を一括して樹脂封止する(工程P9)。配線基板11の主面を封止するモールド樹脂21は、たとえば粒径70μm〜100μm程度のシリカを分散させた熱硬化型エポキシ系樹脂からなる。
【0030】
次に、配線基板11の裏面の電極パッド14にはんだバンプ22を接続する。(工程P10)はんだバンプ22の接続は、たとえば低融点のPb(鉛)−Sn(スズ)共晶合金からなるはんだボールを電極パッド14の表面に供給した後、はんだボールをリフローさせることによって行う。
【0031】
その後、配線基板11を前記スクライブラインに沿って切断、個片化することにより、本実施の形態1の半導体装置であるマルチチップモジュール(Multi Chip Module;MCM)を製造する(工程P11)。
【0032】
上記の本実施の形態1においては、半導体チップ2A、2CをそれぞれAuワイヤ17、20を用いたワイヤボンディングにより配線基板11と電気的に接続した場合について例示したが、図10に示すように、半導体チップを積層せずに、半導体チップ2Aを主面を配線基板11側に向け、バンプ電極23を用いたフェイスダウンボンディングで実装してもよい。この時、半導体チップ2Aの主面に形成された配線(図示は省略)と配線基板11内に形成された配線13とは、バンプ電極23を介して電気的に接続される。
【0033】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、前記実施の形態1にて用いた半導体チップ2Aを個別に加熱するヒートブロック6(図5参照)を用いる代わりに、真空吸着コレット7に半導体チップ2Aを個別に加熱する加熱手段を持たせるものである。
【0034】
すなわち、図11に示すように、前記実施の形態1で図5を用いて説明した工程と同様に、ピックアップする半導体チップ2Aの下部へ真空吸着駒5を配置し、その半導体チップ2Aの裏面に貼付されたウェハシート1に吸着させることでピックアップする半導体チップ2Aの位置認識を行った後、真空吸着コレット7を下降させ、真空吸着コレット7をピックアップする半導体チップ2Aに吸着させる。
【0035】
続いて、真空吸着コレット7により半導体チップ2Aとウェハシート1とが剥離する加熱温度(第1温度)で半導体チップ2Aに対して加熱処理を施す。この時、この加熱処理に要する加熱温度および加熱時間をそれぞれ約200℃および約1秒以下とすることを例示できる。これにより、ウェハシートを形成する粘着層1B(図3および図4参照)に含まれるエアーカプセル4(図4参照)は膨張し、粘着層1Bの粘着力を半導体チップ2Aとウェハシート1とを剥離できる粘着力とすることができる。
【0036】
次いで、真空吸着コレット7を上昇させることによって、ウェハシート1から剥離した半導体チップ2Aをピックアップする。
【0037】
上記のような本実施の形態2によっても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0038】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0039】
前記実施の形態においては、ウェハシートに接着された半導体チップをウェハシートから剥離してピックアップする工程に本発明を適用する場合について示したが、たとえば搬送用トレイ内に仮固定された半導体パッケージをその搬送用トレイからピックアップする工程にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
(1)熱剥離性のウェハシート(粘着シート)を用い、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面のウェハシートを加熱し、前記第1半導体チップとウェハシートとを剥離させた後に第1半導体チップをピックアップするので、ピックアップ時に第1半導体チップに割れまたは欠けが発生してしまうことを防ぐことができる。
(2)熱剥離性のウェハシート(粘着シート)を用い、ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面のウェハシートを加熱することによって、第1半導体チップとウェハシートとを剥離させ、ピックアップする第1半導体チップ以外の半導体チップが加熱によりウェハシートから剥離してしまうことを防ぐので、個々の半導体チップを正確にピックアップすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を説明する要部平面図および要部断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中において半導体ウェハに貼付されたウェハシートを説明する要部断面図である。
【図4】図3に示したウェハシートに含まれる粘着層の要部平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造に用いる真空吸着駒の要部平面図である。
【図8】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【符号の説明】
1 ウェハシート(粘着シート)
1A 基材
1B 粘着層
2 半導体ウェハ
2A 半導体チップ(第1半導体チップ)
2B、2C 半導体チップ
3 キャリア治具
4 エアーカプセル
5 真空吸着駒(第2吸着手段)
6 ヒートブロック(第1加熱手段)
7 真空吸着コレット(第1吸着手段)
8 溝部
11 配線基板
12 接着剤
13 配線
14 電極パッド
15 ソルダレジスト
16 ボンディングパッド
17 Auワイヤ
18 接着フィルム
19 ボンディングパッド
20 Auワイヤ
21 モールド樹脂
22 はんだバンプ
P1〜P11 工程
Claims (5)
- (a)素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程、
(b)前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程、
(c)ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面の前記粘着シートを第1加熱手段により第1温度で加熱し、前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させる工程、
(d)前記(c)工程後、第1吸着手段により前記第1半導体チップを前記素子形成面を吸着することでピックアップする工程、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程、
(b)前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程、
(c)ピックアップ対象の第1半導体チップの裏面の前記粘着シートを第1加熱手段により第1温度で加熱し、前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させる工程、
(d)前記(c)工程後、第1吸着手段により前記第1半導体チップを前記素子形成面を吸着することでピックアップする工程、
を含み、前記(c)工程においては、前記第1半導体チップ以外の前記半導体チップの裏面の前記粘着シートを冷却することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程、
(b)前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程、
(c)ピックアップ対象の第1半導体チップに対応した位置において、前記粘着シートに第2吸着手段を吸着させ、前記第1半導体チップの裏面の前記粘着シートを第1加熱手段により第1温度で加熱し、前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させる工程、
(d)前記(c)工程後、第1吸着手段により前記第1半導体チップを前記素子形成面を吸着することでピックアップする工程、
を含み、前記第2吸着手段の前記粘着シートとの接触面には溝部が形成され、前記第2吸着手段は前記溝部を通じて前記第2吸着手段の内部と外部との間で通気を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程、
(b)前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程、
(c)加熱手段を有する第1吸着手段によりピックアップ対象の第1半導体チップを吸着し、前記第1吸着手段により前記第1半導体チップを第1温度で加熱することによって前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させる工程、
(d)前記(c)工程後、前記第1吸着手段により前記第1半導体チップをピックアップする工程、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)素子形成面上に半導体素子が形成され、裏面に熱剥離性の粘着シートが貼付された半導体ウェハを用意する工程、
(b)前記半導体ウェハを個々の半導体チップへ分割する工程、
(c)加熱手段を有する第1吸着手段によりピックアップ対象の第1半導体チップを吸着し、前記第1吸着手段により前記第1半導体チップを第1温度で加熱することによって前記第1半導体チップと前記粘着シートとを剥離させる工程、
(d)前記(c)工程後、前記第1吸着手段により前記第1半導体チップをピックアップする工程、
を含み、前記第1半導体チップ以外の前記半導体チップの裏面の前記粘着シートを冷却することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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