JP7065035B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化および薄型化に伴い、半導体パッケージの薄型化および小型化に対する要求も高まっている。そのため、半導体素子の実装方式として、金属ワイヤを用いて接続する従来のワイヤーボンディング方式に代えて、チップの電極上にバンプと呼ばれる突起電極を形成し、基板の電極とチップの電極とをバンプを介して直接接続するフリップチップ接続方式の実装方法が提案されている。
このようなフリップチップ接続方式の実装方法では、様々な目的に応じて、バンプ付ウエハまたはバンプ付チップなどのバンプを覆うように樹脂層が設けられる。このような樹脂層としては、例えば、バンプ付チップと基板とを接着するための接着剤層、バンプ付チップと基板との接続を補強するためのアンダーフィル層、バンプ付ウエハまたはバンプ付チップを保護するための保護層などが挙げられる。
しかしながら、樹脂層がバンプを覆っている場合には、バンプ上の樹脂層を機械的に押しのけて、バンプと基板の電極との電気的な接続を確保しなければならない。そのため、バンプ付チップと基板との接続信頼性の点で問題があった。また、リフロー処理により、バンプ付チップと基板とを接続する場合には、バンプに由来する溶融はんだが樹脂層に覆われているため、セルフアライメント効果(チップおよび基板の電極同士の位置合わせ精度が悪く、ずれを生じていてもリフロー時に正常な位置へ自動的に補正される現象)が得られないという問題があった。
上記のような問題を解決するために、例えば、バンプ付ウエハの裏面を研削する工程において、回路面と接する熱硬化性樹脂層と、この層の上に積層され、バンプを埋め込むための柔軟性のある熱可塑性樹脂層と、この層の上に積層される最外層とを備える積層シートを用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005-28734号公報
特許文献1に記載の積層シートを用いる場合には、バンプに熱硬化性樹脂層を貫通させた上で、この熱硬化性樹脂層以外の層を剥離する。そのため、バンプ付ウエハのバンプの形状を針状などにする必要があった。また、バンプの断面形状が半円形または台形の場合には、バンプ上に樹脂層が残りやすく、接続信頼性の点で問題があった。
このような課題を解決するために、本発明者は、複数のバンプが形成されているバンプ付部材のバンプ形成面に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層にプラズマ処理を施して、前記バンプの表面を覆っている前記樹脂層を除去する工程と、を備える半導体装置の製造方法を提案している(国際公開第2016/194431号参照)。
しかしながら、このような半導体装置の製造方法においては、樹脂層にプラズマ処理を施した後でも、バンプの接合性が不十分となる場合があることが分かった。かかる問題の原因について、本発明者が鋭意検討した結果、プラズマ処理時の飛散物の一部がプラズマ処理後にバンプの表面に付着することにより、バンプの接合性が低下する原因となることを見出した。そして、本発明者は、バンプの接合性が更に向上するために、バンプ表面に付着した飛散物を、効率よくかつ簡便に除去できる方法について鋭意検討を行った。
本発明の目的は、接続信頼性に優れた半導体装置を効率よく製造できる半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、複数のバンプが形成されているバンプ付部材のバンプ形成面に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層にプラズマ処理を施して、前記バンプの表面を覆っている前記樹脂層を除去する工程と、前記樹脂層を除去した前記バンプの表面に、液体により洗浄処理を施す工程と、を備えることを特徴とする方法である。
この構成によれば、バンプ付部材のバンプ形成面に、様々な目的に応じて、樹脂層を設けることができる。この樹脂層としては、例えば、バンプ付チップと基板とを接着するための接着剤層、バンプ付チップと基板との接続を補強するためのアンダーフィル層、バンプ付ウエハまたはバンプ付チップを保護するための保護層などが挙げられる。
そして、この樹脂層に対してプラズマ処理を施すことで、バンプの表面を覆っている樹脂層を除去できる。また、プラズマ処理は、バンプ形成面上の樹脂層の全面に均一に処理ができる。そのため、バンプの表面を覆っている樹脂層を、機械的に除去するよりも、簡便で効率よく除去できる。さらに、プラズマ処理時の飛散物の一部がプラズマ処理後にバンプの表面に付着した場合であっても、バンプの表面に液体により洗浄処理を施すことで、バンプの表面に付着した飛散物を除去できる。そして、表面が露出されたバンプと、基板の電極とを電気的に接続することで、表面が露出されたバンプにより、バンプ付部材および基板の電極同士をはんだ接合で接続できる。このようにして、接続信頼性に優れた半導体装置を効率よく製造できる。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記バンプ付部材が、バンプ付ウエハであり、前記洗浄処理が、前記バンプ付ウエハを、ダイシングブレードによりダイシングする際の洗浄処理であることが好ましい。
この構成によれば、洗浄処理を、半導体装置の製造方法において行われるダイシング工程における洗浄処理で兼ねることができる。そのため、バンプの表面に液体により洗浄処理を施す工程を別途に設けなくてもよい。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記洗浄処理における液体が、水であり、前記洗浄処理における水の流量が、0.5L/min以上であることが好ましい。
この構成のように、洗浄処理における液体を水とし、洗浄処理における水の流量を前記下限以上とすれば、バンプの表面に付着した飛散物を効率よく除去できる。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記洗浄処理における液体が、水であり、前記洗浄処理における水圧が、0.1MPa以上であることが好ましい。
この構成のように、洗浄処理における液体を水とし、洗浄処理における水圧を前記下限以上とすれば、バンプの表面に付着した飛散物を効率よく除去できる。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記洗浄処理を施した前記バンプと、基板の電極とを電気的に接続する工程を、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、バンプの表面を覆っている樹脂層が除去され、さらに、プラズマ処理後にバンプの表面に付着した飛散物も除去される。そして、表面が露出されたバンプと、基板の電極とを電気的に接続することで、表面が露出されたバンプにより、バンプ付部材および基板の電極同士をはんだ接合で接続できる。このようにして、接続信頼性に優れた半導体装置が得られる。
本発明の実施形態に係る樹脂層を形成するための積層シートを示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るバンプ付部材(バンプ付ウエハ)を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための説明図である。 実施例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップを示すSEM写真の一部を拡大した写真である。 比較例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップを示すSEM写真である。 比較例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップを示すSEM写真の一部を拡大した写真である。
[実施形態]
以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大または縮小をして図示した部分がある。
まず、本実施形態に用いる接着シートおよびバンプ付ウエハについて説明する。
(接着シート)
本実施形態に用いる接着シート1は、図1に示すように、支持体層11と、粘着剤層12と、接着剤を含有する樹脂層13と、を備えている。なお、樹脂層13の表面は、ウエハに貼着されるまでの間、剥離フィルムなどにより保護されていてもよい。
支持体層11としては、接着シートの支持体として公知の支持体を用いることができ、例えば、プラスチックフィルムなどを用いることができる。このような支持体層11は、被着体を加工している間に、被着体を支持する。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、およびフッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合には、1種のフィルムを積層してもよく、2種以上のフィルムを積層してもよい。
粘着剤層12は、接着シートの粘着剤として公知の粘着剤を用いて形成することができる。このような粘着剤層12により、被着体を加工している間は支持体層11と樹脂層13の間を強固に固定し、その後、樹脂層13を被着体に固着残存させて支持体層11から剥離することが容易となる。なお、粘着剤層12に、紫外線などのエネルギー線を照射することで硬化させて、樹脂層13との剥離が容易になるようにしてもよい。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤およびウレタン系粘着剤などが挙げられる。
樹脂層13は、接着シートの接着剤として公知の接着剤を用いて形成することができる。このような接着剤を含有する樹脂層13により、後述するバンプ付チップ2aと基板4とを接着することができる。
接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と、熱硬化剤とを含有するものが挙げられる。また、接着剤は、硬化物の熱膨張係数を調整するという観点から、無機充填材をさらに含有していてもよい。無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、および窒化ホウ素などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(バンプ付ウエハ)
本実施形態に用いるバンプ付ウエハ2(バンプ付部材)は、図2に示すように、半導体ウエハ21と、バンプ22と、を備えている。なお、バンプ22は、半導体ウエハ21の回路のある側に形成される。
半導体ウエハ21としては、公知の半導体ウエハを用いることができ、例えば、シリコンウエハなどを用いることができる。
半導体ウエハ21の厚みは、通常、10μm以上1000μm以下であり、好ましくは、50μm以上750μm以下である。
バンプ22の材料としては、公知の導電性材料を用いることができ、例えば、ハンダなどを用いることができる。ハンダとしては、公知のハンダ材料を用いることができ、例えば、スズ、銀および銅を含有する鉛フリーハンダを用いることができる。
バンプ22の高さは、通常、5μm以上1000μm以下であり、好ましくは、50μm以上500μm以下である。
バンプ22の側方から見た断面形状は、特に限定されないが、半円形、半楕円形、円形、長方形または台形などであってもよい。
バンプ22の種類としては、特に限定されないが、ボールバンプ、マッシュルームバンプ、スタッドバンプ、コーンバンプ、シリンダーバンプ、ドットバンプ、およびキューブバンプなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図3A~図3Fは、第一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す説明図である。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、先ず、複数のバンプ22が形成されているバンプ付ウエハ2のバンプ形成面2Aに樹脂層13を形成する。具体的には、図3A~図3Cに示すように、接着シート1の樹脂層13をバンプ付ウエハ2のバンプ形成面2Aに貼り合わせる工程(接着シート貼着工程)と、ダイシングテープ3をバンプ付ウエハ2の裏面を貼り合わせる工程(ダイシングテープ貼着工程)と、接着シート1の支持体層11および粘着剤層12を、樹脂層13から剥離する工程(支持体剥離工程)と、を備える方法により、複数のバンプ22が形成されているバンプ付ウエハ2のバンプ形成面2Aに樹脂層13を形成する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、次に、図3Dに示すように、樹脂層13にプラズマ処理を施して、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13を除去する(プラズマ処理工程)。
そして、図3Eに示すように、ダイシングブレードによりバンプ付ウエハ2をダイシングする(ダイシング工程)。なお、このダイシング工程における洗浄処理は、樹脂層13を除去したバンプ22の表面に、液体により洗浄処理を施す工程(洗浄工程)を兼ねる。その後、図3Fに示すように、ダイシングにより個片化したバンプ付チップ2aをピックアップし、被着体である基板4に接着固定する工程(ボンディング工程)と、を備える方法により、樹脂層13が除去され、表面が露出されたバンプ22と、基板4の電極42とを電気的に接続する。
以下、接着シート貼着工程、ダイシングテープ貼着工程、支持体剥離工程、プラズマ処理工程、ダイシング工程、洗浄工程およびボンディング工程について、より詳細に説明する。
接着シート貼着工程においては、図3Aに示すように、接着シート1の樹脂層13をバンプ付ウエハ2のバンプ22の形成されている面(バンプ形成面2A)に貼り合わせる。
ここで、貼着方法としては公知の方法を採用でき、特に限定されないが、圧着による方法が好ましい。圧着は、通常、圧着ロールなどにより押圧しながら行われる。圧着の条件は特に限定されないが、圧着温度は、40℃以上120℃以下が好ましい。ロール圧力は、0.1MPa以上20MPa以下が好ましい。圧着速度は、1mm/sec以上20mm/sec以下が好ましい。
また、接着シート1の樹脂層13の厚みは、バンプ22の高さ寸法より小さくすることが好ましく、バンプ22の高さ寸法の0.8倍以下であることがより好ましく、バンプ22の高さ寸法の0.1倍以上0.7倍以下であることが特に好ましい。樹脂層13の厚みが前記上限以下であれば、バンプ22の表面を覆う樹脂層13を、より薄くすることができ、後述するプラズマ処理工程で容易に除去できる。
ダイシングテープ貼着工程においては、図3Bに示すように、ダイシングテープ3をバンプ付ウエハ2のバンプ22の形成されていない面(裏面2B)に貼り合わせる。
ここで、貼着方法としては公知の方法を採用でき、特に限定されないが、圧着による方法が好ましい。圧着は、通常、圧着ロールなどにより押圧しながら行われる。圧着の条件は、特に限定されず、適宜設定できる。また、ダイシングテープ3についても、公知のダイシングテープを用いることができる。
支持体剥離工程においては、図3Cに示すように、接着シート1の支持体層11および粘着剤層12を、樹脂層13から剥離する。
粘着剤層12が紫外線硬化性を有する場合には、必要に応じて、支持体層11側から紫外線を照射する。これにより、粘着剤層12が硬化し、粘着剤層12と樹脂層13との界面の接着力が低下して、粘着剤層12を樹脂層13から剥離しやすくなる。
プラズマ処理工程においては、図3Dに示すように、樹脂層13にプラズマ処理を施して、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13を除去する。ここで、樹脂層13は、その目的に応じて、除去できる。例えば、表面が露出されたバンプ22と、基板4の電極42との電気的な接続が目的であれば、電気的な接続ができる程度に除去すればよい。具体的には、接続信頼性と樹脂層13の機能の確保とのバランスの観点から、樹脂層13の除去量を調整できる。
プラズマ処理を行うプラズマ処理装置は、特に限定されず、公知のプラズマ処理装置を用いることができる。また、プラズマ処理の条件は、樹脂層13の種類などに応じて異なり、特に限定されないが、例えば、以下のような条件を採用できる。
プラズマ処理における処理ガスとしては、樹脂層の除去性の観点から、酸素、アルゴン、三フッ化メタン、四フッ化メタンおよび六フッ化硫黄などが挙げられる。これらの中でも、樹脂層がシリカなどの無機充填材を含有する場合にも除去性が優れるという観点から、三フッ化メタン、四フッ化メタンおよび六フッ化硫黄からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、六フッ化硫黄がより好ましい。また、これらの処理ガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プラズマ処理における処理ガスの流量は、樹脂層を効率よく除去するという観点から、1cm/min以上1000cm/min以下であることが好ましく、10cm/min以上100cm/min以下であることがより好ましい。
プラズマ処理における処理圧力は、樹脂層を効率よく除去するという観点から、1Pa以上3000Pa以下であることが好ましく、10Pa以上200Pa以下であることがより好ましい。
プラズマ処理における出力は、樹脂層を効率よく除去するという観点から、10W以上600W以下であることが好ましい。
プラズマ処理における処理時間は、樹脂層を効率よく除去するという観点から、30秒間以上60分間以下であることが好ましい。
ダイシング工程においては、図3Eに示すように、ダイシングブレードによりバンプ付ウエハ2をダイシングする。このようにして、バンプ付ウエハ2をバンプ付チップ2aに個片化できる。
ダイシング装置は、特に限定されず、公知のダイシング装置を用いることができる。ただし、ダイシング工程において、洗浄処理を施すことが可能なダイシング装置を用いることが好ましい。このようなダイシング装置は、洗浄ノズルなどの洗浄手段を備えることが好ましい。また、洗浄手段としては、ダイシングブレードによる切削時に切削箇所に水(切削水)を噴射できる洗浄ノズル、および、ダイシングブレードによる切削後に被処理物に水(洗浄水)を噴射できる洗浄ノズルなどが挙げられる。
ダイシング工程における洗浄処理は、樹脂層13を除去したバンプ22の表面に、液体により洗浄処理を施す工程(洗浄工程)を兼ねる。ダイシング工程における洗浄処理としては、ダイシングブレードによる切削時の洗浄処理(切削水による洗浄処理)、および、ダイシングブレードによる切削後の洗浄処理(洗浄水による洗浄処理)などが挙げられる。これらの洗浄処理は、両方を行ってもよく、いずれか一方のみを行ってもよい。
洗浄処理に用いる液体は、特に限定されず、水および有機溶剤など用いることができる。これらの中でも、安全性の観点から、水を用いることが好ましい。
洗浄処理における水の流量は、バンプの表面に付着した飛散物を効率よく除去するという観点から、0.5L/min以上であることが好ましく、1L/min以上10L/min以下であることがより好ましく、1.2L/min以上5L/min以下あることが特に好ましい。
洗浄処理における水圧は、バンプの表面に付着した飛散物を効率よく除去するという観点から、0.1MPa以上であることが好ましく、0.1MPa以上1MPa以下であることがより好ましく、0.2MPa以上0.5MPa以下であることが特に好ましい。
洗浄処理における処理時間は、特に制限されないが、5秒間以上100秒間以下であることが好ましく、10秒間以上50秒間以下であることがより好ましい。
ダイシングブレードによる切削後の洗浄処理は、バンプの表面に付着した飛散物を効率よく除去するという観点から、バンプ付ウエハ2を回転させながら行ってもよい。このような場合、バンプ付ウエハ2の回転数は、100rpm以上2000rpm以下であることが好ましく、500rpm以上1000rpm以下であることがより好ましい。
ボンディング工程においては、図3Fに示すように、ダイシングにより個片化したバンプ付チップ2aをピックアップし、基材41と電極42とを備える基板4に接着固定する。バンプ付チップ2aのバンプ22は、樹脂層13が除去され、表面が露出されているため、バンプ22と、基板4の電極42とを電気的に接続することができる。
基板4としては、特に限定されないが、リードフレーム、配線基板、並びに、表面に回路が形成されたシリコンウエハおよびシリコンチップなどを用いることができる。基材41の材質としては、特に限定されないが、セラミックおよびプラスチックなどが挙げられる。また、プラスチックとしては、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン、およびポリイミドなどが挙げられる。
ボンディング工程においては、必要に応じて、加熱処理を施して、接着剤を硬化させてもよい。
加熱処理の条件は、接着剤の種類などに応じて、適宜設定できる。
ボンディング工程においては、必要に応じて、リフロー処理を施して、バンプ付チップ2aのバンプ22を溶融させて、バンプ付チップ2aと基板4とをはんだ接合させてもよい。
リフロー処理の条件は、はんだの種類などに応じて、適宜設定できる。
以上のようにして、半導体装置100を製造することができる。
(第一実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)樹脂層13に対してプラズマ処理を施すことで、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13を除去できる。プラズマ処理は、バンプ形成面2A上の樹脂層の全面に均一に処理ができる。そのため、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13を、機械的に除去するよりも、簡便で効率よく除去できる。また、バンプ22の側方から見た断面形状が半円形、半楕円形、円形、長方形または台形である場合でも、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13を除去できる。さらに、プラズマ処理においては、バンプ22を削ることなく、バンプ22の表面を覆っている樹脂層13のみを容易に除去できる。
(2)プラズマ処理時の飛散物の一部がプラズマ処理後にバンプ22の表面に付着した場合であっても、バンプ22の表面に水により洗浄処理を施すことで、バンプ22の表面に付着した飛散物を除去できる。そして、表面が露出されたバンプ22と、基板4の電極42とを電気的に接続することで、表面が露出されたバンプ22により、バンプ付チップ2aおよび基板4の電極同士をはんだ接合で接続できる。このようにして、接続信頼性に優れた半導体装置100が得られる。
(3)半導体装置の製造方法において行われるダイシング工程における洗浄処理が、洗浄工程を兼ねている。そのため、洗浄工程を別途に設けなくてもよい。
(4)バンプ付チップ2aのバンプ形成面2Aに、バンプ付チップ2aと基板4とを接着するための接着剤層(樹脂層13)を設けることができる。
(5)バンプ付ウエハ2に樹脂層13を設け、プラズマ処理をした後に、バンプ付チップ2aに個片化しているので、複数のバンプ付チップ2aにまとめて樹脂層13を設けることができる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法のより具体的な例としては、例えば、以下のような半導体装置の製造方法の例が挙げられるが、本発明は、このような例に限定されない。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として、複数のバンプが形成されているバンプ付部材のバンプ形成面に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層にプラズマ処理を施して、前記バンプの表面を覆っている前記樹脂層を除去する工程と、前記樹脂層を除去した前記バンプの表面に、液体により洗浄処理を施す工程と、を備え、前記洗浄処理に用いる液体は、水であり、洗浄処理における水の流量は、0.5L/min以上であり、洗浄処理における水圧は、0.1MPa以上であり、洗浄処理における処理時間は、5秒間以上100秒間以下である、半導体装置の製造方法が挙げられる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として、複数のバンプが形成されているバンプ付部材のバンプ形成面に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層にプラズマ処理を施して、前記バンプの表面を覆っている前記樹脂層を除去する工程と、前記樹脂層を除去した前記バンプの表面に、液体により洗浄処理を施す工程と、を備え、前記洗浄処理に用いる液体は、水であり、前記洗浄処理は、ダイシングブレードによる切削時における切削水による洗浄処理、および、ダイシングブレードによる切削後における洗浄水による洗浄処理の両方であり、前記切削水の流量は、0.5L/min以上であり、前記切削水の水圧は、0.1MPa以上であり、前記洗浄水の流量は、0.5L/min以上であり、前記洗浄水の水圧は、0.1MPa以上であり、前記洗浄水における処理時間は、5秒間以上100秒間以下である、半導体装置の製造方法が挙げられる。
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、前述の実施形態では、ダイシング工程における洗浄処理が、洗浄工程を兼ねているが、これに限定されない。すなわち、本発明においては、洗浄工程をダイシング工程とは別途に行ってよい。このような場合、洗浄処理の条件は、前述の実施形態のダイシング工程における洗浄処理の条件と同様である。
前述の実施形態では、樹脂層13は、バンプ付チップ2aと基板4とを接着するための接着剤層として設けられているが、これに限定されない。すなわち、本発明においては、樹脂層を、様々な目的に応じて、設けることができる。例えば、樹脂層13は、バンプ付チップ2aと基板4との接続を補強するためのアンダーフィル層として設けられてもよい。また、樹脂層13は、バンプ付ウエハ2またはバンプ付チップ2aを保護するための保護層として設けられてもよい。なお、このような場合、樹脂層13の材料としては、アンダーフィルまたは保護層の材料として公知の材料を用いることができる。
前述の実施形態では、樹脂層13は、バンプ付チップ2aおよび基板4の両方に接しているが、これに限定されない。例えば、樹脂層13がバンプ付チップ2aを保護するための保護層として設けられる場合には、樹脂層13はバンプ付チップ2aに接していればよく、基板4に接していなくともよい。
前述の実施形態では、バンプ付部材として、バンプ付ウエハ2またはバンプ付チップ2aを用いているが、これに限定されない。例えば、バンプ付部材は、バンプを有するパッケージ(例えば、BGA(Ball grid array)、CSP(Chip size package)など)であってもよい。
前述の実施形態では、接着シート1を用いて樹脂層13をバンプ形成面2Aに形成し、バンプ22を覆っているが、これに限定されない。例えば、樹脂組成物をバンプ形成面2Aに塗布し硬化させることにより樹脂層13を形成し、バンプ22を覆ってもよい。
前述の実施形態では、支持体層11、粘着剤層12および樹脂層13を備える接着シート1を用いているが、これに限定されない。例えば、接着シート1は、支持体層11および樹脂層13を備える積層シートであってもよい。この場合、支持体剥離工程において、樹脂層13から支持体層11を剥離すればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
バンプ付ウエハ(ウエハの直径:8インチ、ウエハの厚み:200μm、バンプの種類:ボールバンプ、バンプの高さ:200μm、バンプの直径:250μm、バンプのピッチ:400μm)を準備した。また、支持体層と、この支持体層に設けられた粘着剤層と、この粘着剤層に設けられた剥離シートとを備えるバックグラインドテープ(リンテック社製の「E-8510HR」)を準備した。さらに、下記樹脂組成物からなる樹脂層と、この樹脂層の両面に設けられた剥離シートとを備える樹脂シートを準備した。
(樹脂組成物)
アクリル重合体:100質量部
エポキシ樹脂:30質量部
エポキシ樹脂硬化剤:1質量部
バックグラインドテープおよび樹脂シートの剥離シートをそれぞれ剥離し、樹脂層をバックグラインドテープの粘着剤層に貼り合せて、樹脂層と、粘着剤層と、支持体層とを備える積層シートを作製した。この積層シートの樹脂層をバンプ付ウエハのバンプ形成面に貼り合わせた後(貼付温度:70℃、貼付圧力:0.5MPa、貼付速度:2mm/sec)、積層シートの支持体層および粘着剤層を、樹脂層から剥離し、その後、熱処理(処理温度:130℃、処理圧力:0.5MPa、処理時間:2時間)を施し、樹脂層を硬化させた。このようにして、バンプ付チップのバンプ形成面に樹脂層を形成した。
そして、このバンプ付チップの樹脂層に、下記の条件にて、プラズマ処理を施し、バンプの表面を覆っている樹脂層を除去した(プラズマ処理工程)。
(プラズマ処理の条件)
処理ガス:四フッ化メタン
処理ガスの流量:40cm/min
処理圧力:100Pa
出力:250W
処理時間:15分間
パージ:1回
その後、バンプの表面を覆っている樹脂層を除去したバンプ付チップを、ダイサーを用いて、下記の条件にて、ダイシングした(ダイシング工程)。なお、ダイシング工程では、下記の条件にて洗浄処理を施した。このようにして、樹脂層形成バンプ付チップ(チップの大きさ:6mm×6mm、バンプの数:15個×15個)を得た。
(ダイサーの条件)
ダイサー:DFD6361、ディスコ社製
ダイシングブレード:27HEEE、ディスコ社製
ダイシングブレードの移動速度:30mm/sec
ダイシングブレードの回転数:30000rpm
ダイシングブレードの幅寸法(カーフ幅):35~40μm
(洗浄処理の条件)
切削水の流量:1.5L/min
切削水の水圧:0.2MPa~0.4MPa
洗浄水の流量:1.5L/min
洗浄水の水圧:0.2MPa~0.4MPa
洗浄水による洗浄処理の時間:20秒間
洗浄水による洗浄処理時のバンプ付チップの回転数:800rpm
得られた樹脂層形成バンプ付チップのバンプの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、下記の条件にて観察し、SEM写真を撮影した。SEM写真の一部を拡大した写真を図4に示す。
(SEM観察条件)
加速電圧:3kV
撮影方法:チップ天面から60°傾けて撮影
撮影倍率:100倍
蒸着条件:Pd-Pt、30秒間
また、得られた樹脂層形成バンプ付チップのバンプの接合性を、次のようにして評価した。すなわち、フラックスを塗布した銅板上に、樹脂層形成バンプ付チップを、バンプ形成面とフラックスとが接するように配置して試験片とした。この試験片を、ホットプレート上で、温度300℃にて2分間加熱して、樹脂層形成バンプ付チップと銅板とを接合させた。そして、下記基準に従い、バンプの接合性を評価した。得られた結果を表1に示す。
A:樹脂層形成バンプ付チップと銅板とが接合しており、容易に剥がせない。
B:樹脂層形成バンプ付チップと銅板とが接合しているが、容易に剥がせる。
[比較例1]
プラズマ処理工程およびダイシング工程の順番を変え、ダイシング工程後に、プラズマ処理工程を行った以外は実施例1と同様にして、樹脂層形成バンプ付チップを得た。
得られた樹脂層形成バンプ付チップのバンプの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、下記の条件にて観察し、SEM写真を撮影した。SEM写真を図5に示し、SEM写真の一部を拡大した写真を図6に示す。
また、得られた樹脂層形成バンプ付チップのバンプの接合性を、実施例1と同様の方法および基準に従い、評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0007065035000001
表1に示す結果からも明らかなように、実施例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップを用いた場合には、バンプの接合性が優れていることが確認された。そのため、プラズマ処理工程後に、洗浄処理を施すことにより、バンプの接合性が優れ、接続信頼性に優れた半導体装置が製造できることが確認された。
これに対し、比較例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップを用いた場合には、バンプの接合性が劣ることが分かった。すなわち、プラズマ処理工程後に、洗浄処理が施されていない場合(比較例1)には、バンプの接合性が劣ることが分かった。
図5に示すように、比較例1で得られた樹脂層形成バンプ付チップにおいても、バンプの表面を覆っている樹脂層は除去されていた。しかしながら、プラズマ処理工程後のバンプの表面を精査すると、図6に示すように、プラズマ処理時の飛散物の一部がプラズマ処理後にバンプの表面に付着していることが分かった。これに対し、プラズマ処理工程後に洗浄処理が施された場合(実施例1)には、図4に示すように、バンプ表面に付着した飛散物を、効率よくかつ簡便に除去できることが確認された。
本発明は、半導体装置の製造方法に利用できる。
13…樹脂層、2…バンプ付ウエハ、2a…バンプ付チップ、2A…バンプ形成面、22…バンプ、4…基板、42…電極、100…半導体装置。

Claims (3)

  1. 複数のバンプが形成されているバンプ付部材のバンプ形成面に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層にプラズマ処理を施して、前記バンプの表面を覆っている前記樹脂層を除去する工程と、
    前記樹脂層を除去した前記バンプの表面に、水により洗浄処理を施す工程と、を備え
    前記洗浄処理が、ダイシングブレードによる切削時の切削水による洗浄処理、および、ダイシングブレードによる切削後の洗浄水による洗浄処理の両方であり、
    前記ダイシングブレードによる切削時の切削水による洗浄処理における水の流量が、0.5L/min以上であり、水圧が、0.1MPa以上であり、
    前記ダイシングブレードによる切削後の洗浄水による洗浄処理は、前記バンプ付部材を回転させながら行い、
    前記ダイシングブレードによる切削後の洗浄水による洗浄処理における水の流量が、0.5L/min以上であり、水圧が、0.1MPa以上であり、前記バンプ付部材の回転数が、100rpm以上である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記バンプ付部材が、バンプ付ウエハであり、
    前記洗浄処理が、前記バンプ付ウエハを、ダイシングブレードによりダイシングする際の洗浄処理である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記洗浄処理を施した前記バンプと、基板の電極とを電気的に接続する工程を、さらに備える
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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