JP2004071590A - 薄膜トランジスタを備えた装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能で微細な薄膜トランジスタを歩留まり良く形成される。
【解決手段】薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に開口部を形成する工程と、開口部を介して薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法である。絶縁膜を形成する工程では、薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を順次堆積する。第2絶縁層は、第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成する。絶縁膜に開口部を形成する工程は、第3絶縁層上に開口部を規定するパターンを形成する工程と、第2絶縁層よりも第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、パターンをエッチングマスクとして第3絶縁層をエッチングする。これにより、第3絶縁層に開口を形成する工程と、第3絶縁層の開口を介して第2絶縁層および第1絶縁層をエッチングして開口部を完成する。
【選択図】 図3
【解決手段】薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に開口部を形成する工程と、開口部を介して薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法である。絶縁膜を形成する工程では、薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を順次堆積する。第2絶縁層は、第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成する。絶縁膜に開口部を形成する工程は、第3絶縁層上に開口部を規定するパターンを形成する工程と、第2絶縁層よりも第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、パターンをエッチングマスクとして第3絶縁層をエッチングする。これにより、第3絶縁層に開口を形成する工程と、第3絶縁層の開口を介して第2絶縁層および第1絶縁層をエッチングして開口部を完成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタを備えた装置およびその製造方法に関しており、特に、薄膜トランジスタが高い密度で集積された装置およびその製造方法に関している。
【0002】
【従来の技術】
高性能システム液晶表示装置などの装置を実現するため、ガラスなどの絶縁基板上に高性能半導体素子を集積することが試みられている。これらの装置に用いられる半導体素子としては、薄膜トランジスタ(TFT)が好適に用いられる。
【0003】
従来のアクティブマトリクス基板では、画像表示部のスイッチング素子としては絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタが用いられてきたが、駆動回路部では、シリコンチップ上に集積回路が形成されたドライバが用いられてきた。ドライバは、アクティブマトリクス基板製造工程とは別のLSI製造工程によって製造されたものであり、アクティブマトリクス基板の周辺領域に搭載されてきた。
【0004】
これに対し、システム液晶表示装置では、駆動回路も絶縁基板上に形成した薄膜トランジスタを用いる。このような駆動回路用の薄膜トランジスタには、画像表示部における薄膜トランジスタに比べて、より優れたトランジスタ特性を示すことが要求させる。特に近年は、高精細な画像表示部を持った表示装置が求められており、そのような表示装置では、大容量の情報信号を処理するため、ドライバなどの周辺回路部における薄膜トランジスタの駆動能力を向上させることが非常に重要な課題となってきており、薄膜トランジスタの小型化および高速化が強く求められている。薄膜トランジスタを高速に動作させめため、非晶質シリコンにおける電界効果移動度よりも高い電界効果移動度を示す多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタが開発され、また、素子の微細化が試みられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタによれば、チャネルにおけるキャリアの実効移動度が向上し、さらには、短チャネル化とゲート絶縁膜薄膜化によりチャネルオン抵抗が小さくなるに従い、ソース/ドレイン抵抗やコンタクト抵抗などの寄生抵抗がオン電流に及ぼす影響が大きくなってきた。このため、次世代の薄膜トランジスタでは、ソース/ドレイン抵抗やコンタクト抵抗を低減することが重要な課題になると予想される。
【0006】
一方、薄膜トランジスタが微細化するに従い、通常のフォトリソグラフイ法によってソース/ドレイン領域上にコンタクトを形成するには、コンタクトホールも微細化せざるを得なくなり、コンタクト抵抗が大きくなる問題がある。
【0007】
図1は、従来のトップゲート型薄膜トランジスタにおけるコンタクトホール112とソース102a領域およびドレイン領域102bとの配置関係を示すレイアウト図である。
【0008】
この例では、コンタクトホール112のサイズが1μm×1μm、アライメントマージンが0.4μm、ゲート電極103の線幅が1μmの条件でレイアウト図が記載されている。ゲート電極103の側壁には幅0.3μm程度のサイドウォールスペーサ110が設けられている。
【0009】
このような構成の薄膜トランジスタでは、アライメントマージンを0.4μmよりも更に小さくすることができれば、コンタクトホール112のサイズを拡大してコンタクト抵抗を低減したり、コンタクトホール112のサイズを維持しつつ島状シリコン層116の占有面積を縮小することも可能である。
【0010】
しかし、アライメントマージンを小さくするには、フォトリソグラフィ工程におけるマスクアライメントのずれ(アライメントずれ)を低減する必要があり、このことは、液晶表示装置などの表示装置を製造するプロセスにおいては極めて困難である。困難である理由は、表示装置に用いる基板がガラスやプラスチックから形成されているため、メモリセルアレイなどの集積回路が作製されるシリコンウェハに比べ、伸縮性に富み、また、基板面積も格段に広いからである。製造工程で基板が伸縮すると、フォトリソグラフィ工程におけるアライメントずれが生じやすい。また、基板面積が広いほど、アライメントが面内でばらつきやすく、最悪の条件でマージンを設定する必要があり、アライメントマージンが大きくなる。
【0011】
更に、表示装置に用いられる薄膜トランジスタは、通常のLSIメモリの動作電圧に比べて高い電圧が印加されて使用される。しかも、薄膜トランジスタが、結晶粒界の存在する多結晶シリコンからから構成される場合には、リーク電流の問題が重要な克服課題となる。このため、コンタクトホール112がゲート電極3に接近しすぎると、大きな印加電圧のもとで、ゲート−コンタクト間でリーク電流が発生しやすくなり、トランジスタの信頼性が低下する。
【0012】
また、アライメントマージンを小さく設定した場合、もしもコンタクトホール112がシリコン層116の外側にはずれた場合、酸化シリコンなどから形成されるベースコートをエッチングしてしまう問題もある。
【0013】
以上のような理由から、基板上に薄膜トランジスタを集積した装置を製造する場合は、LSIなどの集積回路に比べてコンタクトホールの位置合わせが難しく、高性能で小型の薄膜トランジスタによって特性の優れた駆動回路などの周辺回路を実現することが困難である。
【0014】
なお、特開平10−41516号公報は、ゲート電極上に絶縁膜を設けず、フォトリソグラフィ法でゲート電極とソースドレイン配線を分離する方法を開示している。この方法によれば、アライメントに十分な余裕が必要になるため、トランジスタの微細化は困難である。特開平10−41516号公報に開示されている従来技術では、シリコン基板上のトランジスタでは、全面に金属を形成し、熱処理を施すことでソース/ドレイン領域やゲート電極のシリコン上にのみシリサイドを形成し、未反応の金属をウェットエッチングにより除去することで、ソース/ドレイン領域とゲート電極のみを自己整合的に低抵抗化する方法(サリサイドプロセス)が用いられている。しかし、大型ガラス基板の量産プロセスでは未反応金属の選択的なウェットエッチングが難しく、ソース/ドレイン領域とゲート電極とのブリッジング等の問題も発生しやすい。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、寄生抵抗の少ない特性が良好な薄膜トランジスタを備えた装置およびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置は、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜と、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、前記ゲート電極から絶縁された導電部材とを備えた装置であって、前記絶縁膜は、前記薄膜トランスジスタに近い側から積層された第1絶縁層、第2絶縁層、および第3絶縁層を含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、前記絶縁膜には、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部に達する開口部が形成されており、前記開口部を規定する前記第1および第2絶縁層の側面は、前記開口部を規定する前記第3絶縁層の側面に整合している。
【0017】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタは、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサとを備えている。
【0018】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタは、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを有している。
【0019】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜の前記開口部は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップしている。
【0020】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜は、前記第3絶縁層上に形成された第4絶縁性層を含んでおり、前記第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、前記開口部の内周面には、前記第4絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成された第2の絶縁性サイドウォールスペーサが設けられている。
【0021】
好ましい実施形態において、前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサにより、前記導電部材と前記LDDと距離が0.03μm以上離れている。
【0022】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域は、基板に支持された半導体薄膜内に形成されている。
【0023】
好ましい実施形態において、前記基板に対向する対向基板と、前記基板と前記対向基板との間に位置する液晶層とを備えている。
【0024】
好ましい実施形態において、前記半導体薄膜は、多結晶シリコンから形成されている。
【0025】
好ましい実施形態において、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタが形成された表示部と、前記表示領域の薄膜トランジスタを駆動する薄膜トランジスタが形成された周辺回路部とを備えている。
【0026】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタには、動作時において、1ボルト以上の電圧が印加される。
【0027】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部表面にはシリサイド層が形成されている。
【0028】
本発明による装置の製造方法は、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法であって、前記絶縁膜を形成する工程は、前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程とを含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、前記第3絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、前記第3絶縁層の開口を介して前記第2絶縁層および前記第1絶縁層をエッチングすることより、前記開口部を完成する工程とを含む。
【0029】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含んでいる。
【0030】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる。
【0031】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される。
【0032】
本発明による他の装置の製造方法は、基板上に半導体薄膜を形成する工程と、前記半導体薄膜を用いて、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含み、前記絶縁膜を形成する工程は、前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程と、前記第3絶縁層上に第4絶縁層を堆積する工程とを含み、前記第2絶縁層および第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、前記第4絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、前記パターンをエッチングマスクとして、前記第4絶縁層をエッチングすることにより、前記第4絶縁層に開口を形成する工程と、前記パターンをエッチングマスクとして、前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、前記絶縁膜の前記開口部の内周面に第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成するとともに、前記第3絶縁層の開口を介して前記第2および第1絶縁層をエッチングする工程とを含む。
【0033】
前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程とを含んでいる。
【0034】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる。
【0035】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される。
【0036】
好ましい実施形態において、前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程とを含んでいる。
【0037】
好ましい実施形態において、薄膜トランジスタが形成された前記基板に対向する対向基板を用意する工程と、前記基板と前記対向基板との間に液晶層を設ける工程とを含んでいる。
【0038】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図面を参照しながら、本発明による装置の第1実施形態を説明する。
【0039】
本実施形態の装置は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置であり、薄膜トランジスタの形成されたアクティブマトリクス基板を有している。本実施形態におけるアクティブマトリクス基板は、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタが形成された表示部と、表示部内の薄膜トランジスタを駆動するための薄膜トランジスタが形成された周辺回路部とを備えている。
【0040】
本実施形態では、薄膜トランジスタを支持する基板としてガラス基板を用い、このガラス基板上にN型薄膜トランジスタを作製している。薄膜トランジスタの導電型はN型に限定されず、P型であってもよいし、また、P型の薄膜トランジスタとN型の薄膜トランジスタとが同一基板上に混在していてもよい。
【0041】
図2は、ガラス基板1上における任意の薄膜トランジスタの断面を示している。図では、簡単化のため、1つの薄膜トランジスタのみが示されているが、現実には、多数の薄膜トランジスタが同一基板上に形成されている。各薄膜トランジスタが形成される半導体薄膜は、アイランド状(島状)にパターニングされている。
【0042】
本実施形態のアクティブマトリクス基板は、図2に示されるように、ソース領域2a、ドレイン領域2b、およびゲート電極3を備えた薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタを覆う絶縁膜(層間絶縁膜)40と、薄膜トランジスタのソース領域2aおよびドレイン領域2bの少なくとも一方に接触し、ゲート電極3から絶縁された導電部材(ソース・ドレイン電極または配線)5とを備えている。
【0043】
層間絶縁膜40は、多層構造を有しており、薄膜トランスジスタに近い側から積層された第1絶縁層6、第2絶縁層7、および第3絶縁層8を含んでいる。第2絶縁層7は、第3絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成されている。好ましい実施形態では、第1絶縁層6および第3絶縁層8は酸化シリコンから形成され、第2絶縁層7はシリコンナイトライドから形成される。
【0044】
本実施形態における薄膜トランジスタは、ゲート電極3の上面を覆う上部絶縁層9と、ゲート電極3の側面を覆う側部絶縁層(絶縁性サイドウォールスペーサ)10とを備えている。また、ゲート電極の下方にはゲート絶縁膜17が存在する。すなわち、ゲート電極3は周囲が絶縁物で覆われている。絶縁性サイドウォールスペーサ10の下方には、不純物イオンが低濃度にドープされたLDD(Lightly Doped Drain)11が形成されている。LDD11は、ソース/ドレイン領域のチャネル側エッジにおける電界集中を緩和し、リーク電流を低減する効果を発揮する。薄膜トランジスタを多結晶シリコンから形成する場合、多結晶シリコン内に存在する粒界や結晶欠陥のために、リーク電流が発生しやすいが、LDD11を設けることにより、リークの発生を効果的に低減することができる。LDD11のチャネル方向サイズは、0.3μm以上であることが好ましい。このサイズが小さすぎると、リーク電流の低減効果が小さくなるので好ましくない。
【0045】
層間絶縁膜40には、薄膜トランジスタのソース領域2aおよびドレイン領域2bの少なくとも一部に達する自己整合型の開口部(コンタクトホール)12が形成されている。このコンタクホール12を規定する第1絶縁層6および第2絶縁層7の側面は、コンタクホール12を規定する第3絶縁層8の側面に整合している。
【0046】
簡単化のため、図面では、層間絶縁膜40に設けたコンタクホール12が1つしか示されていないが、実際には、薄膜トランジスタのソース領域2aに達する第1コンタクトホールと、ドレイン領域7bに達する第2第1コンタクトホールとが形成されている。なお、図2に示されているコンタクトホール12は、絶縁性サイドウォールスペーサ10が形成されている領域とオーバーラップしている。
【0047】
本実施形態のアクティブマトリクス基板を液晶表示装置に用いる場合、アクティブマトリクス基板上の薄膜トランジスタには、動作時において、1V以上の電圧が印加される。また、駆動回路内に薄膜トランジスタを高速に動作させるには、トランジスタのソース・ドレイン抵抗やコンタクト抵抗を低減することが好ましく、このためには、薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部表面には、シリサイド層を形成することが望ましい。
【0048】
次に、図3(a)から(e)を参照しながら、本実施形態の装置の製造方法を説明する。
【0049】
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板1上に薄膜トランジスタを作製する。具体的には、ガラス基板1上にベースコート15を形成した後、ベースコート15の上に真性(I型)アモルファスシリコン膜(a−Si膜、厚さ:例えば30nm程度)を堆積する。ベースコート15としては、例えばプラズマCVD法によって堆積した酸化シリコン膜(厚さ:例えば300nm)を用いることができる。プラズマCVD法で堆積した酸化シリコン膜は、堆積後に550℃で120分程度の熱処理を施して緻密化することが好ましい。
【0050】
次に、触媒を用いた固相成長法やレーザ結晶化法を用いて、アモルファスシリコン膜を結晶化し、結晶性シリコン16を形成する。フォトリソグラフィおよびエッチングによって結晶性シリコン層16を島状に加工した後、この島状結晶性シリコン16を覆うように、ゲート絶縁膜17を堆積する。ゲート絶縁膜17としては、例えば、プラズマCVD法で堆積された酸化シリコン膜(厚さ:例えば60nm)を用いることができる。
【0051】
スパッタリング法により、厚さ300nmのタングステン膜を堆積した後、その上に、プラズマCVD法で厚さ150nmの酸化シリコン膜を堆積する。その後、これらの積層膜(酸化シリコン膜/タングステン)をゲート電極形状にパターニングすることにより、上面が上部絶縁層9で覆われたゲート電極3を作製する。ゲート電極3の線幅は、例えば0.7μm〜2μm程度である。
【0052】
次に、ゲート電極3および上部絶縁層9をマスクとするイオン注入を行うことにより、LDD11となるn−不純物領域を結晶性シリコン層15に形成する。n−不純物領域における不純物濃度は、1×1017〜1×1019cm−3程度に設定される。注入する不純物は、P、Asなどである。
【0053】
この後、プラズマCVD法によって段差被覆性に優れた酸化シリコン膜(厚さ:300nm)を堆積した後、全面エッチバックを行うことにより、ゲート電極3の側壁にサイドウォールスペーサ10を形成する。
【0054】
次に、ゲート電極3およびサイドウォールスペーサ10をマスクとして、高ドープイオン注入を行い、ゲート電極3およびサイドウォールスペーサ10によって覆われていない領域にn+不純物領域を形成する。このとき、サイドウォールスペーサ10の下方には、n+不純物領域が形成されず、LDD11となるn−不純物領域がそのまま存在することになる。n+不純物領域における不純物濃度は、5×1019〜5×1021cm−3程度に設定される。注入する不純物は、P、Asなどである。
【0055】
次に、RTA、炉アニール、および/またはレーザ照射により、注入した不純物イオンの活性化を行う。こうして、n−不純物領域およびn+不純物領域の不純物が活性化され、n−不純物領域がLDD11として機能し、n+不純物領域がソース/ドレイン領域(2a、2b)として機能する状態になる。
【0056】
次に、図3(b)に示すように、第1絶縁層6として酸化シリコン膜70nm、第2絶縁層7として窒化シリコン膜50nm、第3絶縁層8として酸化シリコン膜400nmを順次積層し、層間絶縁膜40を形成する。この後、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、コンタクトホールを規定する開口パターン18を備えたレジストマスク19を形成する。
【0057】
次に、図3(d)に示すように、第3絶縁層8を例えばC4F8およびCOを含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:700WのRIE条件でエッチングする。このエッチング条件のもとでは、第3絶縁層8に比べて第2絶縁層7のエッチングレートは低く、第2絶縁層7はエッチストッパとして機能する。このため、第2絶縁層7が露出した時点で第3絶縁層8のエッチングは再現性良く停止する。もし、この第2絶縁層7を第3絶縁層8の下に設けていなければ、第3絶縁層をエッチングする工程で、エッチングを停止すべき時点検出すること(終端検出)が困難であるため、過度にエッチングが進行してゲート電極3を露出させるおそれがある。これは、ゲート電極3の周囲に設けられている絶縁物(上部絶縁層9およびサイドウォールスペーサ10)が、第3絶縁層8と同様のエッチング特性を示す材料から形成されるからである。
【0058】
第3絶縁層8のコンタクトエッチングに際して下方の上部絶縁層9やサイドウォールスペーサ10をエッチングしないように、第3絶縁層8の下方にエッチストッパ層を設けておく必要がある。
【0059】
なお、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて行う前述のエッチングによれば、酸化シリコンのエッチレートが約115nm/分のとき、シリコンナイトライドのエッチレートは約13nm/分となる。
【0060】
第3絶縁層8に開口を設けた後、エッチング条件を切り替えて、CF4およびO2を含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:800WのRIE条件で、第2絶縁層7をエッチングする。CF4およびO2を含む混合ガスを用いて行う上記のエッチングによれば、シリコンナイトライドのエッチレートが約120nm/分のときに、酸化シリコンのエッチレートは約15nm/分となる。
【0061】
さらに、エッチング条件を切り替えて、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて第1絶縁層6をエッチングすることにより、ソース/ドレイン領域(2a、2b)を露出させ、コンタクトホール12を形成する。第2絶縁層7に開口を形成するエッチングを行うとき、第3絶縁層8がマスクとして機能するため、第2絶縁層7に形成した開口の側面は、第3絶縁層8に形成した開口の側面に整合する。
【0062】
次に、図3(e)に示すように、レジストマスク19を除去した後、ソース/ドレイン電極5を形成する。ソース/ドレイン電極5は、電極材料の堆積、および電極材料のパターニングを行うことにより形成される。図3(e)では、簡単化のためドレイン電極5のみが記載されているが、ソース電極5も同時に形成される。
【0063】
図4は、本実施形態の装置の平面レイアウトを模式的に示している。図4のレイアウト例では、コンタクトホール12の一端がサイドウォールスペーサ10のエッジと一致し、他端が島状シリコン層16のエッジと略一致するように設計されている。このようなレイアウトによれば、コンタクトホール12を規定するレジストマスクをフォトリソグラフィ技術によって作製する工程でアライメントずれが生じ、図中右側のコンタクトホール16が図中左側にシフトした場合でも、絶縁層のエッチング時に下層のエッチングストップ層が適切に機能するため、ゲート電極3が露出することはない。そのため、ゲート電極3とソース・ドレイン電極5との短絡が適切に防止される。
【0064】
なお、図4におけるコンタクトホール12が図中左側にシフトした場合、左側のコンタクトホール12は、島状シリコン層16から外側にはみ出ることになる。しかし、ゲート電極3と反対側のコンタクトホール12のエッジがシリコン層16からはみ出したとしても、エッチングストップ層の効果により、下地のベースコート15がオーバーエッチングされる量は少なく、問題とはならない。ただし、コンタクトホール16がシリコン層から外側にはみだすと、コンタクト面積が減少するため、コンタクト抵抗の増加が生じ得る。このようなコンタクト抵抗の増加を避けるには、島状シリコン層16をコンタクトホール12よりも広く形成しておくことが好ましい。ただし、本実施形態によれば、従来のアライメントマージンに比べて小さいアライメントマージンでもゲート電極3とソース・ドレイン電極5との短絡を確実に防止でき、また、ペースコートのエッチングも抑えられるため、小型のトップゲート型薄膜トランジスタを歩留まり良く作製することができる。
【0065】
〔実施形態2〕
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0066】
本実施形態は、ゲート電極3とソース/ドレイン電極5との間の絶縁を確実に行うとともに、LDD11とソース/ドレイン電極5との分離をも確実に行うことができる。
【0067】
本実施形態と前述の実施形態1との間で共通する部分については、説明を繰り返さず、本実施形態に特徴的な点を詳細に説明することとする。
【0068】
図5を参照する。本実施形態では、図5に示すように、第3絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成された第4絶縁層20が第3絶縁層8上に形成されている。この第4絶縁層20は、その上に堆積した第5絶縁層(図6(b)における参照符号「21」)をエッチングするときにエッチストッパとして機能する。第5絶縁層21は、第4絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、コンタクトホール12の形成後に堆積される。
【0069】
本実施形態におけるコンタクトホール12の内周面には、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22が設けられている。この第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22は、第5絶縁層21を加工することによって作製されたものであり、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の存在により、ソース・ドレイン電極5とLDD11と距離が0.03μm以上離れている。ソースドレイン電極5がLDD11とオーバラップすると、トランジスタ特性が劣化するが、本実施形態によれば、そのようなトランジスタ特性の劣化が確実に防止される。
【0070】
以下、図6(a)から(g)を参照しながら、本実施形態の製造方法を説明する。
【0071】
まず、実施形態1について説明した方法で図6(a)に示す薄膜トランジスタを作製する。
【0072】
次に、図6(b)に示すように、第1絶縁層6として酸化シリコン膜70nm、第2絶縁層7として窒化シリコン膜50nm、第3絶縁層8として酸化シリコン膜400nm、第4絶縁膜27としての窒化シリコン膜50nmを順次積層し、層間絶縁膜40を形成する。
【0073】
この後、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、コンタクトホール12を規定する開口パターン18を備えたレジストマスク19を形成する。
【0074】
次に、図6(d)に示すように、CF4およびO2の混合ガスを用い、100mT、800W(RIE)で第4絶縁層20をエッチングする。エッチング条件を切り替えて、第3絶縁層8を例えばC4F8およびCOを含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:700WのRIE条件でエッチングする。このエッチング条件のもとでは、第3絶縁層8に比べて第2絶縁層7のエッチングレートは低く、第2絶縁層7はエッチストッパとして機能する。このため、第2絶縁層7が露出した時点で第3絶縁層8のエッチングは再現性良く停止する。
【0075】
次に、エッチング条件を切り替えて、CF4およびO2を含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:800WのRIE条件で、第2絶縁層7をエッチングする。
【0076】
さらに、エッチング条件を切り替えて、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて第1絶縁層6をエッチングすることにより、ソース/ドレイン領域(2a、2b)を露出させ、コンタクトホール12を形成する。
【0077】
図6(e)に示すように、レジストマスク19を除去・洗浄した後、コンタクトホール12を含む全面に、プラズマCVD法により、段差被覆性(ステップカバレッジ)に優れた酸化シリコン膜21を200nm堆積する。
【0078】
図6(f)に示すように、C4F8およびCOの混合ガスを用いて、ソース/ドレイン領域2a、2bが露出するまで、異方性エッチングによる全面エッチバックを行う。こうすることにより、第2絶縁層7、第3絶縁層8、および第4絶縁層20に形成された開口の内周側壁、ならびに第1絶縁膜6に形成された開口の内周側壁に、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22が形成される。
【0079】
次に、図6(g)に示すようにソース/ドレイン電極5を形成する。
【0080】
本実施形態によれば、実施形態1で得られる効果に加え、ゲート電極3とソース・ドレイン電極5との電気的絶縁がより確実になり、LDD11とソース・ドレイン電極5との分離もより確実なものになる。このため、信頼性の高い薄膜トランジスタが得られる。
【0081】
第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の厚さ(チャネル方向に平行なサイズ)は、各スペーサ22において最も厚い部分で0.03μm以上であることが好ましい。この厚が大きすぎると、コンタクト面積が減少するため、コンタクト抵抗増加が問題になる可能性がある。このため、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の厚さの好ましい範囲は、0.03μm以上0.15μm以下である。
【0082】
〔実施形態3〕
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
【0083】
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、コンタクト領域にシリサイド層を形成している点にある。以下、この点を詳細に説明する。
【0084】
まず、図7(a)に示すように、実施形態2について説明した方法と同一の方法でコンタクトホール12を層間絶縁膜40中に形成する。100:1のバッファドフッ酸(BHF)に基板を30秒間浸液した後、スパッタリング法により、TiN/Ti=100/50nm(32、33)を堆積する。この後、ガスRTA装置を用い、N2雰囲気中で600℃1分のアニール処理を行う。こうして、Ti層とソース・ドレイン領域2a、2bとの界面でTiシリサイド34が形成される。
【0085】
次に、図7(b)に示すように、AlSi膜からなる低抵抗配線材料35を堆積した後、下層の高融点金属(32、33)ととともにパターニングすることにより、ソース/ドレイン電極を形成する。本実施形態では、コンタクト部にシリサイド34が形成されるため、コンタクト抵抗が低減される。
【0086】
以上、3つの実施形態について本発明を説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、高性能で微細な薄膜トランジスタを歩留まり良く形成される。このため、本発明を液晶表示装置などの表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板に適用した場合、高性能化および高集積化を同時に満足させることができるため、多機能のシステムを同一基板上に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の薄膜トランジスタの平面レイアウトを示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1における薄膜トランジスタの断面図である。
【図3】(a)から(e)は、実施形態1における薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明における薄膜トランジスタの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態2における薄膜トランジスタの断面図である。
【図6】(a)から(g)は、実施形態2における薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図7】(a)および(b)は、それそれ、本発明の実施形態3における薄膜トランジスタの断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2a ソース領域
2b ドレイン領域
3 ゲート電極
40 絶縁膜(層間絶縁膜)
5 導電部材(ソース・ドレイン電極または配線)
6 第1絶縁層
7 第2絶縁層
8 第3絶縁層
9 上部絶縁層
10 側部絶縁層(絶縁性サイドウォールスペーサ)
11 LDD
12 コンタクホール
16 結晶性シリコン層
20 第4絶縁層
21 第5絶縁層
22 第2の絶縁性サイドウォールスペーサ
102a ソース領域
102b ドレイン領域
103 ゲート電極
110 サイドウォールスペーサ
112 コンタクトホール
116 シリコン層
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタを備えた装置およびその製造方法に関しており、特に、薄膜トランジスタが高い密度で集積された装置およびその製造方法に関している。
【0002】
【従来の技術】
高性能システム液晶表示装置などの装置を実現するため、ガラスなどの絶縁基板上に高性能半導体素子を集積することが試みられている。これらの装置に用いられる半導体素子としては、薄膜トランジスタ(TFT)が好適に用いられる。
【0003】
従来のアクティブマトリクス基板では、画像表示部のスイッチング素子としては絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタが用いられてきたが、駆動回路部では、シリコンチップ上に集積回路が形成されたドライバが用いられてきた。ドライバは、アクティブマトリクス基板製造工程とは別のLSI製造工程によって製造されたものであり、アクティブマトリクス基板の周辺領域に搭載されてきた。
【0004】
これに対し、システム液晶表示装置では、駆動回路も絶縁基板上に形成した薄膜トランジスタを用いる。このような駆動回路用の薄膜トランジスタには、画像表示部における薄膜トランジスタに比べて、より優れたトランジスタ特性を示すことが要求させる。特に近年は、高精細な画像表示部を持った表示装置が求められており、そのような表示装置では、大容量の情報信号を処理するため、ドライバなどの周辺回路部における薄膜トランジスタの駆動能力を向上させることが非常に重要な課題となってきており、薄膜トランジスタの小型化および高速化が強く求められている。薄膜トランジスタを高速に動作させめため、非晶質シリコンにおける電界効果移動度よりも高い電界効果移動度を示す多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタが開発され、また、素子の微細化が試みられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタによれば、チャネルにおけるキャリアの実効移動度が向上し、さらには、短チャネル化とゲート絶縁膜薄膜化によりチャネルオン抵抗が小さくなるに従い、ソース/ドレイン抵抗やコンタクト抵抗などの寄生抵抗がオン電流に及ぼす影響が大きくなってきた。このため、次世代の薄膜トランジスタでは、ソース/ドレイン抵抗やコンタクト抵抗を低減することが重要な課題になると予想される。
【0006】
一方、薄膜トランジスタが微細化するに従い、通常のフォトリソグラフイ法によってソース/ドレイン領域上にコンタクトを形成するには、コンタクトホールも微細化せざるを得なくなり、コンタクト抵抗が大きくなる問題がある。
【0007】
図1は、従来のトップゲート型薄膜トランジスタにおけるコンタクトホール112とソース102a領域およびドレイン領域102bとの配置関係を示すレイアウト図である。
【0008】
この例では、コンタクトホール112のサイズが1μm×1μm、アライメントマージンが0.4μm、ゲート電極103の線幅が1μmの条件でレイアウト図が記載されている。ゲート電極103の側壁には幅0.3μm程度のサイドウォールスペーサ110が設けられている。
【0009】
このような構成の薄膜トランジスタでは、アライメントマージンを0.4μmよりも更に小さくすることができれば、コンタクトホール112のサイズを拡大してコンタクト抵抗を低減したり、コンタクトホール112のサイズを維持しつつ島状シリコン層116の占有面積を縮小することも可能である。
【0010】
しかし、アライメントマージンを小さくするには、フォトリソグラフィ工程におけるマスクアライメントのずれ(アライメントずれ)を低減する必要があり、このことは、液晶表示装置などの表示装置を製造するプロセスにおいては極めて困難である。困難である理由は、表示装置に用いる基板がガラスやプラスチックから形成されているため、メモリセルアレイなどの集積回路が作製されるシリコンウェハに比べ、伸縮性に富み、また、基板面積も格段に広いからである。製造工程で基板が伸縮すると、フォトリソグラフィ工程におけるアライメントずれが生じやすい。また、基板面積が広いほど、アライメントが面内でばらつきやすく、最悪の条件でマージンを設定する必要があり、アライメントマージンが大きくなる。
【0011】
更に、表示装置に用いられる薄膜トランジスタは、通常のLSIメモリの動作電圧に比べて高い電圧が印加されて使用される。しかも、薄膜トランジスタが、結晶粒界の存在する多結晶シリコンからから構成される場合には、リーク電流の問題が重要な克服課題となる。このため、コンタクトホール112がゲート電極3に接近しすぎると、大きな印加電圧のもとで、ゲート−コンタクト間でリーク電流が発生しやすくなり、トランジスタの信頼性が低下する。
【0012】
また、アライメントマージンを小さく設定した場合、もしもコンタクトホール112がシリコン層116の外側にはずれた場合、酸化シリコンなどから形成されるベースコートをエッチングしてしまう問題もある。
【0013】
以上のような理由から、基板上に薄膜トランジスタを集積した装置を製造する場合は、LSIなどの集積回路に比べてコンタクトホールの位置合わせが難しく、高性能で小型の薄膜トランジスタによって特性の優れた駆動回路などの周辺回路を実現することが困難である。
【0014】
なお、特開平10−41516号公報は、ゲート電極上に絶縁膜を設けず、フォトリソグラフィ法でゲート電極とソースドレイン配線を分離する方法を開示している。この方法によれば、アライメントに十分な余裕が必要になるため、トランジスタの微細化は困難である。特開平10−41516号公報に開示されている従来技術では、シリコン基板上のトランジスタでは、全面に金属を形成し、熱処理を施すことでソース/ドレイン領域やゲート電極のシリコン上にのみシリサイドを形成し、未反応の金属をウェットエッチングにより除去することで、ソース/ドレイン領域とゲート電極のみを自己整合的に低抵抗化する方法(サリサイドプロセス)が用いられている。しかし、大型ガラス基板の量産プロセスでは未反応金属の選択的なウェットエッチングが難しく、ソース/ドレイン領域とゲート電極とのブリッジング等の問題も発生しやすい。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、寄生抵抗の少ない特性が良好な薄膜トランジスタを備えた装置およびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置は、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜と、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、前記ゲート電極から絶縁された導電部材とを備えた装置であって、前記絶縁膜は、前記薄膜トランスジスタに近い側から積層された第1絶縁層、第2絶縁層、および第3絶縁層を含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、前記絶縁膜には、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部に達する開口部が形成されており、前記開口部を規定する前記第1および第2絶縁層の側面は、前記開口部を規定する前記第3絶縁層の側面に整合している。
【0017】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタは、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサとを備えている。
【0018】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタは、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを有している。
【0019】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜の前記開口部は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップしている。
【0020】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜は、前記第3絶縁層上に形成された第4絶縁性層を含んでおり、前記第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、前記開口部の内周面には、前記第4絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成された第2の絶縁性サイドウォールスペーサが設けられている。
【0021】
好ましい実施形態において、前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサにより、前記導電部材と前記LDDと距離が0.03μm以上離れている。
【0022】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域は、基板に支持された半導体薄膜内に形成されている。
【0023】
好ましい実施形態において、前記基板に対向する対向基板と、前記基板と前記対向基板との間に位置する液晶層とを備えている。
【0024】
好ましい実施形態において、前記半導体薄膜は、多結晶シリコンから形成されている。
【0025】
好ましい実施形態において、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタが形成された表示部と、前記表示領域の薄膜トランジスタを駆動する薄膜トランジスタが形成された周辺回路部とを備えている。
【0026】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタには、動作時において、1ボルト以上の電圧が印加される。
【0027】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部表面にはシリサイド層が形成されている。
【0028】
本発明による装置の製造方法は、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法であって、前記絶縁膜を形成する工程は、前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程とを含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、前記第3絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、前記第3絶縁層の開口を介して前記第2絶縁層および前記第1絶縁層をエッチングすることより、前記開口部を完成する工程とを含む。
【0029】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含んでいる。
【0030】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる。
【0031】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される。
【0032】
本発明による他の装置の製造方法は、基板上に半導体薄膜を形成する工程と、前記半導体薄膜を用いて、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程とを備えた装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含み、前記絶縁膜を形成する工程は、前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程と、前記第3絶縁層上に第4絶縁層を堆積する工程とを含み、前記第2絶縁層および第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、前記第4絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、前記パターンをエッチングマスクとして、前記第4絶縁層をエッチングすることにより、前記第4絶縁層に開口を形成する工程と、前記パターンをエッチングマスクとして、前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、前記絶縁膜の前記開口部の内周面に第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成するとともに、前記第3絶縁層の開口を介して前記第2および第1絶縁層をエッチングする工程とを含む。
【0033】
前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程とを含んでいる。
【0034】
好ましい実施形態において、前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる。
【0035】
好ましい実施形態において、前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される。
【0036】
好ましい実施形態において、前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程とを含んでいる。
【0037】
好ましい実施形態において、薄膜トランジスタが形成された前記基板に対向する対向基板を用意する工程と、前記基板と前記対向基板との間に液晶層を設ける工程とを含んでいる。
【0038】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図面を参照しながら、本発明による装置の第1実施形態を説明する。
【0039】
本実施形態の装置は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置であり、薄膜トランジスタの形成されたアクティブマトリクス基板を有している。本実施形態におけるアクティブマトリクス基板は、スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタが形成された表示部と、表示部内の薄膜トランジスタを駆動するための薄膜トランジスタが形成された周辺回路部とを備えている。
【0040】
本実施形態では、薄膜トランジスタを支持する基板としてガラス基板を用い、このガラス基板上にN型薄膜トランジスタを作製している。薄膜トランジスタの導電型はN型に限定されず、P型であってもよいし、また、P型の薄膜トランジスタとN型の薄膜トランジスタとが同一基板上に混在していてもよい。
【0041】
図2は、ガラス基板1上における任意の薄膜トランジスタの断面を示している。図では、簡単化のため、1つの薄膜トランジスタのみが示されているが、現実には、多数の薄膜トランジスタが同一基板上に形成されている。各薄膜トランジスタが形成される半導体薄膜は、アイランド状(島状)にパターニングされている。
【0042】
本実施形態のアクティブマトリクス基板は、図2に示されるように、ソース領域2a、ドレイン領域2b、およびゲート電極3を備えた薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタを覆う絶縁膜(層間絶縁膜)40と、薄膜トランジスタのソース領域2aおよびドレイン領域2bの少なくとも一方に接触し、ゲート電極3から絶縁された導電部材(ソース・ドレイン電極または配線)5とを備えている。
【0043】
層間絶縁膜40は、多層構造を有しており、薄膜トランスジスタに近い側から積層された第1絶縁層6、第2絶縁層7、および第3絶縁層8を含んでいる。第2絶縁層7は、第3絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成されている。好ましい実施形態では、第1絶縁層6および第3絶縁層8は酸化シリコンから形成され、第2絶縁層7はシリコンナイトライドから形成される。
【0044】
本実施形態における薄膜トランジスタは、ゲート電極3の上面を覆う上部絶縁層9と、ゲート電極3の側面を覆う側部絶縁層(絶縁性サイドウォールスペーサ)10とを備えている。また、ゲート電極の下方にはゲート絶縁膜17が存在する。すなわち、ゲート電極3は周囲が絶縁物で覆われている。絶縁性サイドウォールスペーサ10の下方には、不純物イオンが低濃度にドープされたLDD(Lightly Doped Drain)11が形成されている。LDD11は、ソース/ドレイン領域のチャネル側エッジにおける電界集中を緩和し、リーク電流を低減する効果を発揮する。薄膜トランジスタを多結晶シリコンから形成する場合、多結晶シリコン内に存在する粒界や結晶欠陥のために、リーク電流が発生しやすいが、LDD11を設けることにより、リークの発生を効果的に低減することができる。LDD11のチャネル方向サイズは、0.3μm以上であることが好ましい。このサイズが小さすぎると、リーク電流の低減効果が小さくなるので好ましくない。
【0045】
層間絶縁膜40には、薄膜トランジスタのソース領域2aおよびドレイン領域2bの少なくとも一部に達する自己整合型の開口部(コンタクトホール)12が形成されている。このコンタクホール12を規定する第1絶縁層6および第2絶縁層7の側面は、コンタクホール12を規定する第3絶縁層8の側面に整合している。
【0046】
簡単化のため、図面では、層間絶縁膜40に設けたコンタクホール12が1つしか示されていないが、実際には、薄膜トランジスタのソース領域2aに達する第1コンタクトホールと、ドレイン領域7bに達する第2第1コンタクトホールとが形成されている。なお、図2に示されているコンタクトホール12は、絶縁性サイドウォールスペーサ10が形成されている領域とオーバーラップしている。
【0047】
本実施形態のアクティブマトリクス基板を液晶表示装置に用いる場合、アクティブマトリクス基板上の薄膜トランジスタには、動作時において、1V以上の電圧が印加される。また、駆動回路内に薄膜トランジスタを高速に動作させるには、トランジスタのソース・ドレイン抵抗やコンタクト抵抗を低減することが好ましく、このためには、薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部表面には、シリサイド層を形成することが望ましい。
【0048】
次に、図3(a)から(e)を参照しながら、本実施形態の装置の製造方法を説明する。
【0049】
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板1上に薄膜トランジスタを作製する。具体的には、ガラス基板1上にベースコート15を形成した後、ベースコート15の上に真性(I型)アモルファスシリコン膜(a−Si膜、厚さ:例えば30nm程度)を堆積する。ベースコート15としては、例えばプラズマCVD法によって堆積した酸化シリコン膜(厚さ:例えば300nm)を用いることができる。プラズマCVD法で堆積した酸化シリコン膜は、堆積後に550℃で120分程度の熱処理を施して緻密化することが好ましい。
【0050】
次に、触媒を用いた固相成長法やレーザ結晶化法を用いて、アモルファスシリコン膜を結晶化し、結晶性シリコン16を形成する。フォトリソグラフィおよびエッチングによって結晶性シリコン層16を島状に加工した後、この島状結晶性シリコン16を覆うように、ゲート絶縁膜17を堆積する。ゲート絶縁膜17としては、例えば、プラズマCVD法で堆積された酸化シリコン膜(厚さ:例えば60nm)を用いることができる。
【0051】
スパッタリング法により、厚さ300nmのタングステン膜を堆積した後、その上に、プラズマCVD法で厚さ150nmの酸化シリコン膜を堆積する。その後、これらの積層膜(酸化シリコン膜/タングステン)をゲート電極形状にパターニングすることにより、上面が上部絶縁層9で覆われたゲート電極3を作製する。ゲート電極3の線幅は、例えば0.7μm〜2μm程度である。
【0052】
次に、ゲート電極3および上部絶縁層9をマスクとするイオン注入を行うことにより、LDD11となるn−不純物領域を結晶性シリコン層15に形成する。n−不純物領域における不純物濃度は、1×1017〜1×1019cm−3程度に設定される。注入する不純物は、P、Asなどである。
【0053】
この後、プラズマCVD法によって段差被覆性に優れた酸化シリコン膜(厚さ:300nm)を堆積した後、全面エッチバックを行うことにより、ゲート電極3の側壁にサイドウォールスペーサ10を形成する。
【0054】
次に、ゲート電極3およびサイドウォールスペーサ10をマスクとして、高ドープイオン注入を行い、ゲート電極3およびサイドウォールスペーサ10によって覆われていない領域にn+不純物領域を形成する。このとき、サイドウォールスペーサ10の下方には、n+不純物領域が形成されず、LDD11となるn−不純物領域がそのまま存在することになる。n+不純物領域における不純物濃度は、5×1019〜5×1021cm−3程度に設定される。注入する不純物は、P、Asなどである。
【0055】
次に、RTA、炉アニール、および/またはレーザ照射により、注入した不純物イオンの活性化を行う。こうして、n−不純物領域およびn+不純物領域の不純物が活性化され、n−不純物領域がLDD11として機能し、n+不純物領域がソース/ドレイン領域(2a、2b)として機能する状態になる。
【0056】
次に、図3(b)に示すように、第1絶縁層6として酸化シリコン膜70nm、第2絶縁層7として窒化シリコン膜50nm、第3絶縁層8として酸化シリコン膜400nmを順次積層し、層間絶縁膜40を形成する。この後、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、コンタクトホールを規定する開口パターン18を備えたレジストマスク19を形成する。
【0057】
次に、図3(d)に示すように、第3絶縁層8を例えばC4F8およびCOを含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:700WのRIE条件でエッチングする。このエッチング条件のもとでは、第3絶縁層8に比べて第2絶縁層7のエッチングレートは低く、第2絶縁層7はエッチストッパとして機能する。このため、第2絶縁層7が露出した時点で第3絶縁層8のエッチングは再現性良く停止する。もし、この第2絶縁層7を第3絶縁層8の下に設けていなければ、第3絶縁層をエッチングする工程で、エッチングを停止すべき時点検出すること(終端検出)が困難であるため、過度にエッチングが進行してゲート電極3を露出させるおそれがある。これは、ゲート電極3の周囲に設けられている絶縁物(上部絶縁層9およびサイドウォールスペーサ10)が、第3絶縁層8と同様のエッチング特性を示す材料から形成されるからである。
【0058】
第3絶縁層8のコンタクトエッチングに際して下方の上部絶縁層9やサイドウォールスペーサ10をエッチングしないように、第3絶縁層8の下方にエッチストッパ層を設けておく必要がある。
【0059】
なお、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて行う前述のエッチングによれば、酸化シリコンのエッチレートが約115nm/分のとき、シリコンナイトライドのエッチレートは約13nm/分となる。
【0060】
第3絶縁層8に開口を設けた後、エッチング条件を切り替えて、CF4およびO2を含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:800WのRIE条件で、第2絶縁層7をエッチングする。CF4およびO2を含む混合ガスを用いて行う上記のエッチングによれば、シリコンナイトライドのエッチレートが約120nm/分のときに、酸化シリコンのエッチレートは約15nm/分となる。
【0061】
さらに、エッチング条件を切り替えて、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて第1絶縁層6をエッチングすることにより、ソース/ドレイン領域(2a、2b)を露出させ、コンタクトホール12を形成する。第2絶縁層7に開口を形成するエッチングを行うとき、第3絶縁層8がマスクとして機能するため、第2絶縁層7に形成した開口の側面は、第3絶縁層8に形成した開口の側面に整合する。
【0062】
次に、図3(e)に示すように、レジストマスク19を除去した後、ソース/ドレイン電極5を形成する。ソース/ドレイン電極5は、電極材料の堆積、および電極材料のパターニングを行うことにより形成される。図3(e)では、簡単化のためドレイン電極5のみが記載されているが、ソース電極5も同時に形成される。
【0063】
図4は、本実施形態の装置の平面レイアウトを模式的に示している。図4のレイアウト例では、コンタクトホール12の一端がサイドウォールスペーサ10のエッジと一致し、他端が島状シリコン層16のエッジと略一致するように設計されている。このようなレイアウトによれば、コンタクトホール12を規定するレジストマスクをフォトリソグラフィ技術によって作製する工程でアライメントずれが生じ、図中右側のコンタクトホール16が図中左側にシフトした場合でも、絶縁層のエッチング時に下層のエッチングストップ層が適切に機能するため、ゲート電極3が露出することはない。そのため、ゲート電極3とソース・ドレイン電極5との短絡が適切に防止される。
【0064】
なお、図4におけるコンタクトホール12が図中左側にシフトした場合、左側のコンタクトホール12は、島状シリコン層16から外側にはみ出ることになる。しかし、ゲート電極3と反対側のコンタクトホール12のエッジがシリコン層16からはみ出したとしても、エッチングストップ層の効果により、下地のベースコート15がオーバーエッチングされる量は少なく、問題とはならない。ただし、コンタクトホール16がシリコン層から外側にはみだすと、コンタクト面積が減少するため、コンタクト抵抗の増加が生じ得る。このようなコンタクト抵抗の増加を避けるには、島状シリコン層16をコンタクトホール12よりも広く形成しておくことが好ましい。ただし、本実施形態によれば、従来のアライメントマージンに比べて小さいアライメントマージンでもゲート電極3とソース・ドレイン電極5との短絡を確実に防止でき、また、ペースコートのエッチングも抑えられるため、小型のトップゲート型薄膜トランジスタを歩留まり良く作製することができる。
【0065】
〔実施形態2〕
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0066】
本実施形態は、ゲート電極3とソース/ドレイン電極5との間の絶縁を確実に行うとともに、LDD11とソース/ドレイン電極5との分離をも確実に行うことができる。
【0067】
本実施形態と前述の実施形態1との間で共通する部分については、説明を繰り返さず、本実施形態に特徴的な点を詳細に説明することとする。
【0068】
図5を参照する。本実施形態では、図5に示すように、第3絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成された第4絶縁層20が第3絶縁層8上に形成されている。この第4絶縁層20は、その上に堆積した第5絶縁層(図6(b)における参照符号「21」)をエッチングするときにエッチストッパとして機能する。第5絶縁層21は、第4絶縁層8のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、コンタクトホール12の形成後に堆積される。
【0069】
本実施形態におけるコンタクトホール12の内周面には、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22が設けられている。この第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22は、第5絶縁層21を加工することによって作製されたものであり、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の存在により、ソース・ドレイン電極5とLDD11と距離が0.03μm以上離れている。ソースドレイン電極5がLDD11とオーバラップすると、トランジスタ特性が劣化するが、本実施形態によれば、そのようなトランジスタ特性の劣化が確実に防止される。
【0070】
以下、図6(a)から(g)を参照しながら、本実施形態の製造方法を説明する。
【0071】
まず、実施形態1について説明した方法で図6(a)に示す薄膜トランジスタを作製する。
【0072】
次に、図6(b)に示すように、第1絶縁層6として酸化シリコン膜70nm、第2絶縁層7として窒化シリコン膜50nm、第3絶縁層8として酸化シリコン膜400nm、第4絶縁膜27としての窒化シリコン膜50nmを順次積層し、層間絶縁膜40を形成する。
【0073】
この後、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、コンタクトホール12を規定する開口パターン18を備えたレジストマスク19を形成する。
【0074】
次に、図6(d)に示すように、CF4およびO2の混合ガスを用い、100mT、800W(RIE)で第4絶縁層20をエッチングする。エッチング条件を切り替えて、第3絶縁層8を例えばC4F8およびCOを含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:700WのRIE条件でエッチングする。このエッチング条件のもとでは、第3絶縁層8に比べて第2絶縁層7のエッチングレートは低く、第2絶縁層7はエッチストッパとして機能する。このため、第2絶縁層7が露出した時点で第3絶縁層8のエッチングは再現性良く停止する。
【0075】
次に、エッチング条件を切り替えて、CF4およびO2を含む混合ガスを用いて圧力:100mT、投入電力:800WのRIE条件で、第2絶縁層7をエッチングする。
【0076】
さらに、エッチング条件を切り替えて、C4F8およびCOを含む混合ガスを用いて第1絶縁層6をエッチングすることにより、ソース/ドレイン領域(2a、2b)を露出させ、コンタクトホール12を形成する。
【0077】
図6(e)に示すように、レジストマスク19を除去・洗浄した後、コンタクトホール12を含む全面に、プラズマCVD法により、段差被覆性(ステップカバレッジ)に優れた酸化シリコン膜21を200nm堆積する。
【0078】
図6(f)に示すように、C4F8およびCOの混合ガスを用いて、ソース/ドレイン領域2a、2bが露出するまで、異方性エッチングによる全面エッチバックを行う。こうすることにより、第2絶縁層7、第3絶縁層8、および第4絶縁層20に形成された開口の内周側壁、ならびに第1絶縁膜6に形成された開口の内周側壁に、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22が形成される。
【0079】
次に、図6(g)に示すようにソース/ドレイン電極5を形成する。
【0080】
本実施形態によれば、実施形態1で得られる効果に加え、ゲート電極3とソース・ドレイン電極5との電気的絶縁がより確実になり、LDD11とソース・ドレイン電極5との分離もより確実なものになる。このため、信頼性の高い薄膜トランジスタが得られる。
【0081】
第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の厚さ(チャネル方向に平行なサイズ)は、各スペーサ22において最も厚い部分で0.03μm以上であることが好ましい。この厚が大きすぎると、コンタクト面積が減少するため、コンタクト抵抗増加が問題になる可能性がある。このため、第2の絶縁性サイドウォールスペーサ22の厚さの好ましい範囲は、0.03μm以上0.15μm以下である。
【0082】
〔実施形態3〕
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
【0083】
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、コンタクト領域にシリサイド層を形成している点にある。以下、この点を詳細に説明する。
【0084】
まず、図7(a)に示すように、実施形態2について説明した方法と同一の方法でコンタクトホール12を層間絶縁膜40中に形成する。100:1のバッファドフッ酸(BHF)に基板を30秒間浸液した後、スパッタリング法により、TiN/Ti=100/50nm(32、33)を堆積する。この後、ガスRTA装置を用い、N2雰囲気中で600℃1分のアニール処理を行う。こうして、Ti層とソース・ドレイン領域2a、2bとの界面でTiシリサイド34が形成される。
【0085】
次に、図7(b)に示すように、AlSi膜からなる低抵抗配線材料35を堆積した後、下層の高融点金属(32、33)ととともにパターニングすることにより、ソース/ドレイン電極を形成する。本実施形態では、コンタクト部にシリサイド34が形成されるため、コンタクト抵抗が低減される。
【0086】
以上、3つの実施形態について本発明を説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、高性能で微細な薄膜トランジスタを歩留まり良く形成される。このため、本発明を液晶表示装置などの表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板に適用した場合、高性能化および高集積化を同時に満足させることができるため、多機能のシステムを同一基板上に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の薄膜トランジスタの平面レイアウトを示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1における薄膜トランジスタの断面図である。
【図3】(a)から(e)は、実施形態1における薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明における薄膜トランジスタの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態2における薄膜トランジスタの断面図である。
【図6】(a)から(g)は、実施形態2における薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図7】(a)および(b)は、それそれ、本発明の実施形態3における薄膜トランジスタの断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2a ソース領域
2b ドレイン領域
3 ゲート電極
40 絶縁膜(層間絶縁膜)
5 導電部材(ソース・ドレイン電極または配線)
6 第1絶縁層
7 第2絶縁層
8 第3絶縁層
9 上部絶縁層
10 側部絶縁層(絶縁性サイドウォールスペーサ)
11 LDD
12 コンタクホール
16 結晶性シリコン層
20 第4絶縁層
21 第5絶縁層
22 第2の絶縁性サイドウォールスペーサ
102a ソース領域
102b ドレイン領域
103 ゲート電極
110 サイドウォールスペーサ
112 コンタクトホール
116 シリコン層
Claims (22)
- ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜と、
前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、前記ゲート電極から絶縁された導電部材と、
を備えた装置であって、
前記絶縁膜は、前記薄膜トランスジスタに近い側から積層された第1絶縁層、第2絶縁層、および第3絶縁層を含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、
前記絶縁膜には、前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部に達する開口部が形成されており、前記開口部を規定する前記第1および第2絶縁層の側面は、前記開口部を規定する前記第3絶縁層の側面に整合している、装置。 - 前記薄膜トランジスタは、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサとを備えている請求項1に記載の装置。
- 前記薄膜トランジスタは、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを有している請求項2に記載の装置。
- 前記絶縁膜の前記開口部は、前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを含んでおり、
前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップしている請求項3に記載の装置。 - 前記絶縁膜は、前記第3絶縁層上に形成された第4絶縁性層を含んでおり、前記第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成され、
前記開口部の内周面には、前記第4絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成された第2の絶縁性サイドウォールスペーサが設けられている、請求項4に記載の装置。 - 前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサにより、前記導電部材と前記LDDと距離が0.03μm以上離れている請求項5に記載の装置。
- 前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域は、基板に支持された半導体薄膜内に形成されている請求項1から6のいずれかに記載の装置。
- 前記基板に対向する対向基板と、
前記基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、
を備えている請求項7に記載の装置。 - 前記半導体薄膜は、多結晶シリコンから形成されている請求項7または8に記載の装置。
- スイッチング素子として動作する薄膜トランジスタが形成された表示部と、
前記表示領域の薄膜トランジスタを駆動する薄膜トランジスタが形成された周辺回路部と、
を備えている請求項9に記載の装置。 - 前記薄膜トランジスタには、動作時において、1ボルト以上の電圧が印加される請求項9または10に記載の装置。
- 前記薄膜トランジスタの前記ソース領域およびドレイン領域の少なくとも一部表面にはシリサイド層が形成されている請求項1から11のいずれかに記載の装置。
- ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、
前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程と、
を備えた装置の製造方法であって、
前記絶縁膜を形成する工程は、
前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、
前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、
前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程と
を含み、前記第2絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、
前記第3絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、 前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、
前記第3絶縁層の開口を介して前記第2絶縁層および前記第1絶縁層をエッチングすることより、前記開口部を完成する工程と、
を含む装置の製造方法。 - 前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含んでいる請求項13に記載の製造方法。
- 前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる請求項14に記載の装置。
- 前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、
前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、
前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される請求項15に記載の装置。 - 基板上に半導体薄膜を形成する工程と、
前記半導体薄膜を用いて、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート電極を備えた薄膜トランジスタを作製する工程と、
前記薄膜トランジスタを覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部を介して前記薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の少なくとも一方に接触し、かつ、前記ゲート電極から絶縁された導電部材を形成する工程と、
を備えた装置の製造方法であって、
前記薄膜トランジスタを作製する工程は、
前記ゲート電極の上面を覆う上部絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程とを含み、
前記絶縁膜を形成する工程は、
前記薄膜トランスジスタを覆う第1絶縁層を堆積する工程と、
前記第1絶縁層上に第2絶縁層を堆積する工程と、
前記第2絶縁層上に第3絶縁層を堆積する工程と、
前記第3絶縁層上に第4絶縁層を堆積する工程と、
を含み、前記第2絶縁層および第4絶縁層は、前記第3絶縁層のエッチング特性とは異なるエッチング特性を示す材料から形成し、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程は、
前記第4絶縁層上に前記開口部を規定するパターンを形成する工程と、 前記パターンをエッチングマスクとして、前記第4絶縁層をエッチングすることにより、前記第4絶縁層に開口を形成する工程と、
前記パターンをエッチングマスクとして、前記第2絶縁層よりも前記第3絶縁層を選択的にエッチングする条件のもと、前記パターンをエッチングマスクとして前記第3絶縁層をエッチングすることにより、前記第3絶縁層に開口を形成する工程と、
前記絶縁膜の前記開口部の内周面に第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成するとともに、前記第3絶縁層の開口を介して前記第2および第1絶縁層をエッチングする工程と、
を含む装置の製造方法。 - 前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、
前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程と、
を含んでいる請求項17に記載の製造方法。 - 前記薄膜トランジスタを作製する工程は、前記絶縁性サイドウォールスペーサの下方に配置されたLDDを形成する工程を含んでいる請求項17または18に記載の装置。
- 前記絶縁膜に前記開口部を形成する工程は、
前記薄膜トランジスタの前記ソース領域に達する第1開口部と、前記ドレイン領域に達する第2開口部とを形成する工程を含んでおり、
前記第1開口部および第2開口部の少なくとも一方は、前記絶縁性サイドウォールスペーサが形成されている領域とオーバーラップするように形成される請求項17から19のいずれかに記載の装置。 - 前記第2の絶縁性サイドウォールスペーサを形成した後、高融点金属膜を堆積する工程と、
前記高融点金属膜と前記半導体薄膜との間の反応層を形成する工程と、
を含んでいる請求項17から20のいずれかに記載の製造方法。 - 薄膜トランジスタが形成された前記基板に対向する対向基板を用意する工程と、
前記基板と前記対向基板との間に液晶層を設ける工程と、
を含んでいる請求項13から21のいずれかに記載の製造方法。
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JP (1) | JP2004071590A (ja) |
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224367A patent/JP2004071590A/ja active Pending
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