JP2004069645A - 外観検査方法、外観検査装置 - Google Patents

外観検査方法、外観検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査対象物の位置ズレや回転ズレが大きい場合でも、被検査対象物の外観検査が高速処理できる外観検査方法を提供すること。
【解決手段】被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、被検査対象物の概略面内傾斜角を算出し(S22、S24)、算出された概略面内傾斜角に対応して第1及び第2テンプレートを概略面内傾斜角だけ回転させ(S26)、被検査対象物の第1及び第2テンプレート対応領域と、概略面内傾斜角だけ回転させた第1及び第2テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出し(S28、S30)と、前記算出された精密面内傾斜角に対応して、被検査対象物の回転補正を行ない(S32)、被検査対象物の外観検査処理を施す(S34、S36)。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体チップのような微細なパターンが形成された被検査対象物の外観検査装置及び方法に関し、特にトレー詰めされている半導体チップのように被検査対象物の配置様式や面内傾斜角度に統一性がない場合でも高速処理が行える外観検査装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体製造の分野ではウェーハや半導体チップの外観検査が行われている。ウェーハや半導体チップの外観検査では、以下のような形態が存在している。
▲1▼ウェーハ検査:ウェーハに回路パターンやパッドを形成し、表面に保護膜を付けたウェーハの最終工程に行われる外観検査で、各半導体チップに位置ズレが存在していないため外観検査は容易に行える。
▲2▼ダイシング・ウェーハ検査:完成したウェーハを粘着性のあるフィルムシートに貼り、厚さ100μm程度の円盤状の刃で各チップ単位に切断した状態の半導体チップに行われる外観検査。なお、半導体チップが1mm程度以下の小さい場合には、ウェーハに切れ目を入れて、カッターの刃を当てて切断した状態の半導体チップの場合は、外観検査として切断が適切に行われているかの検査も含まれる。
【0003】
▲3▼エキスパンド・ウェーハ検査:ダイシングしたウェーハのフィルムシートを引き伸ばして、半導体チップを取り易くした状態のウェーハに行われる外観検査。なお、半導体チップが1mm程度以下の小さい場合には、半導体チップの形状と間隔の問題から取出しができないので、エキスパンド(引き伸ばし)して、ウェーハの外観検査をする。
▲4▼トレー詰め検査:ダイシング後に良品チップをトレー(仕切りがある箱のような物)に入れた状態の半導体チップに行われる外観検査。半導体チップはトレーに入れた状態で出荷するので、半導体チップ製造者にとって最も大切な最終段階での検査となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エキスパンド・ウェーハ検査では、半導体チップの設計値に対して位置ズレや回転ズレが大きく、半導体チップの目的部位のサーチや回転補正に時間が掛かる。また、トレー詰め検査では、トレー内の半導体チップの位置ズレや回転ズレが大きく、半導体チップの目的部位のサーチや回転補正に時間が掛かるという課題があった。
【0005】
本発明は、上述する課題を解決したもので、エキスパンド・ウェーハ検査やトレー詰め検査のように半導体チップの位置ズレや回転ズレが大きい場合でも、被検査対象物の外観検査が高速処理できる外観検査装置及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の外観検査方法は、上記目的を達成するもので、図4に示すように、良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程(S12)と、前記第1テンプレートを、所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて第1テンプレート群を設定する工程(S16)と、少なくとも1以上の被検査対象物が撮影された画像信号を取込む工程(S20)と、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、前記第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程(S22、S24)と、前記算出された概略面内傾斜角に対応して前記第1テンプレート及び前記第2テンプレートを当該概略面内傾斜角だけ回転させる工程(S26)と、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程と(S28、S30)と、前記算出された精密面内傾斜角に対応して、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の回転補正を行なう工程(S32)と、前記回転補正がなされた画像信号を用いて、当該画像信号に含まれる前記被検査対象物の外観検査処理を施す工程(S34、S36)とを備えている。
【0007】
このような工程を備える外観検査方法によれば、良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定することで、単一のテンプレートでは検出できない高精度の面内傾斜角を算出可能とする。被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程では、画像信号に含まれる被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算する際に、サンプル数の限られた第1テンプレート群を用いることで、少ない演算量で必要とする精度の概略面内傾斜角を算出している。被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程では、画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び第2テンプレートとのマッチングを演算して、比較的少ない演算量で必要とする精度の精密面内傾斜角を算出している。そして、算出された精密面内傾斜角に対応して、画像信号に含まれる被検査対象物の回転補正を行ない、回転補正がなされた画像信号を用いて、画像信号に含まれる被検査対象物の外観検査処理を施すことで、良品である被検査対象物としての基準画像で面内傾斜角の影響を考慮することのない、単純な演算アルゴリズムで適格な被検査対象物の外観検査処理が行える。
【0008】
好ましくは、第1テンプレート群は、第1面内傾斜角範囲内で粗い面内傾斜角間隔で与えられる第1グループと、この第1面内傾斜角範囲よりも狭い第2面内傾斜角範囲内で細かい面内傾斜角間隔で与えられる第2グループとに区分して設けられる構成とすると、細かい面内傾斜角間隔で第1面内傾斜角範囲内の面内傾斜角間隔でマッチング演算をする場合に比較して、少ない演算量で目的とする精度の面内傾斜角を算出できる。ここで、前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程は、図8に示すように、前記第1グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第1概略面内傾斜角を算出する工程(S70、S72)と、次に当該第1概略面内傾斜角を含む第2面内傾斜角範囲内の前記第2グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第2概略面内傾斜角を算出する工程(S74、S76)と、当該算出された第2概略面内傾斜角を前記概略面内傾斜角とする工程(S78)を有するとよい。
【0009】
好ましくは、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程は、図7に示すように、前記マッチングを演算する際に、前記良品である被検査対象物における前記第1テンプレートと前記第2テンプレートとの位置関係を利用してマッチングを演算する構成とする(S46、S58)と、良品である被検査対象物と比較して被検査対象物の画像が歪んでいる場合でも、正確に被検査画像信号に含まれる被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域を抽出できる。
【0010】
好ましくは、図4に示すように、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、前記第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチング演算(S22)、又は前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチング演算(S28)の少なくとも一方のマッチング演算には、相関処理が用いられる構成とすると、被検査対象物のキズが著しかったり、画像の歪やノイズが多い場合でも信号処理理論を用いて最も確からしいマッチング演算の処理結果が得られる。
【0011】
好ましくは、図10に示すように、良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程(S100)において、前記良品である被検査対象物において前記第1及び第2テンプレートに相応しいパターンを捜索する工程(S106)と、前記捜索工程において相応しいパターンが見当たらない場合に、前記良品である被検査対象物の画像に抽出画像処理を施して、テンプレートに相応しい少なくとも複数のパターンを形成させる工程(S110、S112、S114)と、当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程(S116)とを含む外観検査方法とするとよい。
【0012】
好ましくは、前記抽出画像処理は、図10に示すように、前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間高周波成分を除去する工程(S110)と、前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間低周波成分から再生された画像から少なくとも複数のパターンを形成させる工程(S112)と、当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程(S114)とを含む外観検査方法とするとよい。
【0013】
本発明の外観検査装置は、上記目的を達成するもので、図1に示すように、良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定し、前記第1テンプレートを所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて第1テンプレート群12を設定するテンプレート設定部10と、少なくとも1以上の被検査対象物が撮影された画像信号を取込む画像信号取込み部20と、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、第1テンプレート群12に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する概略面内傾斜角算出部22と、前記算出された概略面内傾斜角に対応して前記第1テンプレート及び前記第2テンプレートを当該概略面内傾斜角だけ回転させるテンプレート回転部24と、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する精密面内傾斜角算出部26と、前記算出された精密面内傾斜角に対応して、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の回転補正を行なう画像回転補正部28と、前記回転補正がなされた画像信号を用いて、当該画像信号に含まれる前記被検査対象物の外観検査処理を施す外観検査処理部30とを備えている。
【0014】
好ましくは、図6に示すように、第1テンプレート群12は、第1面内傾斜角範囲内で粗い面内傾斜角間隔で与えられる第1グループと、この第1面内傾斜角範囲よりも狭い第2面内傾斜角範囲内で細かい面内傾斜角間隔で与えられる第2グループとに区分して設けられる構成としている。また、概略面内傾斜角算出部22は、前記第1グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第1概略面内傾斜角を算出する第1概略面内傾斜角算出部222と、当該第1概略面内傾斜角を含む第2面内傾斜角範囲内の前記第2グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第2概略面内傾斜角を算出する第2概略面内傾斜角算出部224とを有し、前記算出された第2概略面内傾斜角を前記概略面内傾斜角とする構成とすると良い。
【0015】
好ましくは、概略面内傾斜角算出部22は、前回検査対象の被検査対象物の傾斜データ、又は前回測定の被検査対象物の端部データの少なくとも一方をパラメータに含めて、今回検査対象の被検査対象物の概略面内傾斜角を求めるように構成されているとよい。被検査対象物は、同一の製造条件で製造される場合が多いから、直近の被検査対象物の傾斜データや前回測定の被検査対象物の端部データを用いると、概略面内傾斜角が円滑に算出できる。ここで、傾斜データには例えば精密面内傾斜角が用いられ、端部データには例えば被検査対象物の端子部パターンが用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。図において、半導体チップ1を平面的に多数収容したトレー2はパレット3上に載置されており、パレット3はXYステージ5の上に置かれている。撮像装置6は所定倍率の顕微鏡7を用いて視野内の半導体チップ1を撮影するもので、例えばCCD(Charge−Coupled device)やTVカメラが用いられる。顕微鏡7の倍率は、例えば撮像装置6の視野に被検査対象となる半導体チップ1全体が撮影されるような比較的低倍率であって、且つ半導体チップ1の瑕疵態様が判別できる程度に高倍率であることが望ましい。半導体チップ1の瑕疵態様には、異物、針跡異常、パッドの針跡ズレ、欠け、浮遊ゴミ、保護膜のムラ、キズ等がある。
【0017】
図2は半導体チップがトレーに収容される状態の説明図で、(A)は整列状態の平面図、(B)は通常検査状態の平面図、(C)は側面断面図である。半導体チップ1は、図2に示すように、トレー2の凹部にマトリクス平面状に多数収容されている。しかし、トレー2の凹部は半導体チップ1に比較して余裕のある寸法なので、各半導体チップ1は、トレー2の凹部内で区々の方向を向いている。そこで、撮像装置6により撮像される画像の水平方向及び垂直方向を、XYステージ5の座標軸方向に一致させても、XYステージ5とパレット3、トレー2の方向が揃うように整置できるが、各半導体チップ1はランダムな面内傾斜角を有することになる。ここで、面内傾斜角とは撮像装置6の光軸と垂直な画像基準平面に対して、同一面内で各半導体チップ1が基準方向に対して傾斜(回転)している角度をいう。もし、トレー2の凹部内の底面に傾斜があると、半導体チップ1も底面傾斜に沿って傾斜するが、この傾斜角は画像基準平面に対して面外に傾斜している。そこで、半導体チップ1の面外傾斜の影響を考慮する場合には、面内傾斜角に加えて面外傾斜角も考慮する。
【0018】
図1に戻り、撮像装置6で撮影された、被検査対象となる半導体チップ1の画像を処理する外観検査装置について説明する。外観検査装置は、テンプレート設定部10、第1テンプレート群12、画像信号取込み部20、概略面内傾斜角算出部22、テンプレート回転部24、精密面内傾斜角算出部26、画像回転補正部28、外観検査処理部30を備えるもので、例えばパソコンやワークステーションのような高度の演算処理機能を有するコンピュータに外観検査装置用のプログラムをアップロードして使用される。
【0019】
テンプレート設定部10は、良品である半導体チップ1の2つの領域に対応して第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2を画像認識技術やオペレータの指示に従い設定し、第1テンプレートTp1を所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて第1テンプレート群12を設定する。図3は、被検査対象物に設定される第1テンプレートTp1と第2テンプレートの一例を説明する平面図で、(A)は空間高周波成分を含む木目細やかな画像、(B)は空間高周波成分を除去した概括的な画像である。第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2は、良品である被検査対象物において単一の領域が定まるように設定し、例えば第1テンプレートTp1は丸型パターンと矩形パターンの一部を含み、第2テンプレートは長方形パターンと矩形パターンの一部を含んでいる。
【0020】
所定面内傾斜角範囲内とは、例えば各半導体チップ1がトレー2の凹部内で区々の方向を向いている場合に、取り得る最大値と最小値を基準として定め、例えば±15〜±35度とする。所定面内傾斜角間隔とは、トレー2の凹部内に位置する各半導体チップ1の面内傾斜角の求めるべき精度に応じて定めるもので、例えば0.5度〜5度のように選定する。面内傾斜角間隔を一定にしたまま、所定面内傾斜角範囲内の全てについて第1テンプレート群12を設定すると演算処理時間が膨大になる可能性がある。そこで、例えば第1段階では粗い面内傾斜角間隔で全ての面内傾斜角範囲内について第1テンプレート群12の第1グループを設定し、次に第2段階では細かい面内傾斜角間隔で第1段階の粗い面内傾斜角間隔に相当する面内傾斜角範囲内について第1テンプレート群12の第2グループを設定して、面内傾斜角間隔の測定精度と演算速度とを両立させてもよい。
【0021】
図1に戻り、画像信号取込み部20は、撮像装置6で撮影された、被検査対象となる半導体チップ1の画像信号を取込むもので、例えば撮像装置6で撮影された画像情報を記憶するフレキシブル・ディスクやCD−ROMの読取装置でもよく、また通信回線を用いて撮像装置6で撮影された画像信号を受信するものでも良い。概略面内傾斜角算出部22は、画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域と、第1テンプレート群12に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートTp1とのマッチングを演算して、半導体チップ1の概略面内傾斜角を算出するもので、演算処理の具体的な内容は後で説明する。
【0022】
テンプレート回転部24は、概略面内傾斜角算出部22で算出された概略面内傾斜角に対応して、第1テンプレート群12に含まれる第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を概略面内傾斜角だけ回転させる機能を有する。精密面内傾斜角算出部26は、画像信号取込み部20で取込んだ画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域及び第2テンプレート対応領域と、テンプレート回転部24で概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2とのマッチングを演算して、半導体チップ1の精密面内傾斜角を算出するもので、演算処理の具体的な内容は後で説明する。
【0023】
画像回転補正部28は、精密面内傾斜角算出部26で算出された精密面内傾斜角に対応して、画像信号取込み部20で取込んだ画像信号に含まれる半導体チップ1の回転補正を行なう。外観検査処理部30は、画像回転補正部28で回転補正がなされた画像信号を用いて、画像信号取込み部20で取込んだ画像信号に含まれる半導体チップ1の外観検査処理を施す。外観検査処理とは、半導体チップ1に異物、針跡異常、パッドの針跡ズレ、欠け、浮遊ゴミ、保護膜のムラ、キズ等の瑕疵があるか否か検査することをいう。
【0024】
このように構成された外観検査装置を用いて、撮像装置6で撮影された被検査対象となる半導体チップの外観検査方法について説明する。図4は半導体チップの外観検査方法を説明するフローチャートである。図示するように、被検査対象となる半導体チップの画像には、良品である半導体チップの外観を記録した基準画像と、製造された多数の被検査対象となる半導体チップの被検査画像とがある。まず、良品である半導体チップの外観を記録した基準画像を、画像信号取込み部20等を用いて適宜外観検査装置に取込む(S10)。次に、テンプレート設定部10によって基準画像から第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定する(S12)。第1テンプレートTp1は、概略面内傾斜角算出部22で概略面内傾斜角の算出に使用されるので、面内傾斜角測定に適する形状、例えば面内傾斜角の基準方向と一致する線分を有する領域を設定すると良い(S14)。第2テンプレートTp2は、第1テンプレートTp1と共に精密面内傾斜角算出部26で精密面内傾斜角の算出に使用されるので、面内傾斜角の精密測定に適する形状、例えば面内傾斜角の基準方向と直交する線分を含む領域を設定すると良い(S15)。次に、テンプレート設定部10により、第1テンプレートTp1を所定面内傾斜角範囲内(例えば−25度〜+25度)の所定面内傾斜角間隔(例えば5度)で回転させて、第1テンプレート群12を設定する(S16)。
【0025】
次に、今回検査対象となる撮像装置6で撮影された被検査対象となる半導体チップの画像信号を取込む(S20)。そして、各面内傾斜角の第1テンプレートTp1と、半導体チップの画像信号との間でテンプレートマッチングを行う(S22)。なお、テンプレートマッチングの詳細は後で説明する。そして、概略面内傾斜角算出部22により概略面内傾斜角を算出する(S24)。ここで、例えば相関値を用いて算出すると、第1テンプレートTp1の所定面内傾斜角間隔に比較して、高い精度で概略面内傾斜角を算出できる。
【0026】
次に、テンプレート回転部24により、S24で算出された概略面内傾斜角に対応して、第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を回転させる(S26)。そして、概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2と、半導体チップの画像信号との間でテンプレートマッチングを行う(S28)。そして、精密面内傾斜角算出部26により、両者の角度のズレと位置ズレ量を演算して、半導体チップ1の精密面内傾斜角を算出する(S30)。そして、S30にて算出された精密面内傾斜角に対応して、半導体チップの画像信号の回転変換を行なう(S32)。そして、外観検査処理部30によって、基準画像と被検査対象となる半導体チップの被検査画像との差分をとり(S34)、被検査対象となる半導体チップの欠陥を検出する(S36)。
【0027】
(実施例2)本実施例は、例えばDRAMのように類似のパターンが繰返して並んでいる半導体チップの欠陥検出に関する。図5は類似のパターンが繰返して並んでいる半導体チップの一例を示す図で、(A)は基準画像、(B)〜(D)は被検査対象となる半導体チップの画像信号を示している。図5(A)の基準画像では、入力端子パターンに相当するL1、L2、…、L5の5個の丸型パターンが基準画像の左側に設けられている。また、出力端子パターンに相当するR1、R2、…、R5の5個の正方形パターンが基準画像の右側に設けられている。入力端子パターンL1、L2、…、L5と出力端子パターンR1、R2、…、R5の間には横長矩形パターンDSP1、DSP2、…、DSP5が設けられており、横長矩形パターンDSP1では例えばディジタル信号の信号処理がなされる。
【0028】
図6は本発明の第2の実施の形態を説明する全体構成ブロック図で、図5(A)に示すような類似パターンが繰返して並んでいる半導体チップに対する外観検査装置を示している。なお、図6において前記図1と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。相対位置関係記憶部14は、基準画像に対してテンプレート設定部10により求められた、第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2の相対位置関係、例えば直線距離dを記憶している。
【0029】
概略面内傾斜角算出部22は、ここでは第1面内傾斜角算出部222と第2面内傾斜角算出部224の2段階の精度で、半導体チップ1の概略面内傾斜角を算出するものである。第1テンプレート群12に含まれる第1テンプレートTp1の各面内傾斜角のうち、第1面内傾斜角算出部222は、例えば10度間隔で画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域とマッチング演算を行ない、第2面内傾斜角算出部224は、例えば2.5度間隔で画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域とマッチング演算を行なう。所定回転角テンプレート抽出部226は、第1テンプレート群12に含まれる第1テンプレートTp1から、第1面内傾斜角算出部222と第2面内傾斜角算出部224で使用する面内傾斜角の第1テンプレートTp1を抽出して、第1面内傾斜角算出部222と第2面内傾斜角算出部224に送る。
【0030】
第2テンプレート位置推算部27は、相対位置関係記憶部14に記憶された第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2の相対位置関係を用いて、画像信号に含まれる半導体チップ1の第2テンプレート対応領域の範囲を推算する。図5(B)〜(D)に示す被検査対象となる半導体チップの画像信号を用いて説明すると、半導体チップ1の第1テンプレート対応領域に関しては概略面内傾斜角算出部22で求めた位置を用いる。例えば、図5(B)に示すように、第1テンプレートTp1は、入力端子パターンL1を含む領域に設定される。次に、図5(C)に示すように、第2テンプレート位置推算部27を用いて、第1テンプレートTp1が入力端子パターンL1に位置している場合に、第2テンプレートTp2が概ね出力端子パターンR3を含む領域に位置することを推算する。そして、図5(D)に示すように、画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域及び第2テンプレート対応領域を確定する。精密面内傾斜角算出部26は、第2テンプレート位置推算部27で推算された半導体チップ1の第2テンプレート対応領域の範囲内から第2テンプレートTp2を定める。
【0031】
図7は図6の外観検査装置を用いた半導体チップの外観検査方法を説明するフローチャートである。まず、良品である類似のパターンが繰返して並んでいる半導体チップの外観を記録した基準画像を、画像信号取込み部20等を用いて適宜外観検査装置に取込む(S40)。次に、テンプレート設定部10によって基準画像に対して、第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定する(S42)。第1テンプレートTp1は、例えば入力端子パターンL1を含む領域に設定する(S44)。第2テンプレートTp2は、例えば出力端子パターンR3を含む領域に設定する(S45)。次に、テンプレート設定部10により、第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2の相対位置関係、例えば直線距離dを求める(S46)。
【0032】
他方、テンプレート設定部10により、第1テンプレートTp1を所定面内傾斜角範囲内(例えば−25度〜+25度)の所定面内傾斜角間隔(例えば3度)で回転させて、第1テンプレート群12を設定する(S48)。ここで、類似のパターンが繰返して並んでいる半導体チップに対しては、類似パターンの繰返しのない通常パターンの半導体チップに比較して、所定面内傾斜角間隔を例えば半分程度に設定することで、テンプレートマッチング結果を用いて、相関係数が真に大きくなる概略面内傾斜角を算出できる。所定面内傾斜角間隔を粗くしすぎると、真の概略面内傾斜角を算出できず、ニセの概略面内傾斜角を算出してしまうため、被検査対象となる半導体チップの欠陥検出ができなくなる。
【0033】
次に、今回検査対象となる撮像装置6で撮影された被検査対象となる半導体チップの画像信号を取込む(S50)。そして、各面内傾斜角の第1テンプレートTp1と、半導体チップの画像信号との間でテンプレートマッチングを行う(S52)。そして、概略面内傾斜角算出部22により概略面内傾斜角を算出して(S54)、テンプレート回転部24により、S24で算出された概略面内傾斜角に対応して、第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を回転させる(S56)。
【0034】
他方、S52のテンプレートマッチング結果を用いて、被検査対象となる半導体チップの画像信号における第1テンプレートTp1のマッチング位置を取得し(S55)、第2テンプレート位置推算部27(S46)で求めた第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2の相対位置関係を用いて、被検査対象となる半導体チップの画像信号における第2テンプレートTp2の位置を推定する(S58)。そして、概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2と、半導体チップの画像信号との間でテンプレートマッチングを行う(S60)。そして、精密面内傾斜角算出部26により、両者の角度のズレと位置ズレ量を演算して、半導体チップ1の精密面内傾斜角を算出する(S62)。そして、S62にて算出された精密面内傾斜角に対応して、半導体チップの被検査画像信号の回転変換を行なう(S64)。そして、外観検査処理部30によって、基準画像と被検査対象となる半導体チップの被検査画像との差分をとり(S66)、被検査対象となる半導体チップの欠陥を検出する(S68)。
【0035】
図8は、概略面内傾斜角算出部の要部フローチャートで、図7に示すS48、S52の機能を発揮する概略面内傾斜角算出部として、図6に示す第1面内傾斜角算出部と第2面内傾斜角算出部を用いる場合を説明している。まず、所定回転角テンプレート抽出部226によって、第1テンプレート群12に含まれる第1テンプレートTp1から、第1面内傾斜角算出部222で使用する面内傾斜角の第1テンプレートTp1を抽出する(S70)。抽出される面内傾斜角は、例えば−25度〜+25度までを範囲とする10度間隔の第1テンプレートTp1である。そして、第1面内傾斜角算出部222により、被検査画像とテンプレートマッチング演算される。そして、最も確からしい面内傾斜角aを、二次補間のような適宜の補間式を用いて算出する(S72)。
【0036】
次に、所定回転角テンプレート抽出部226によって、第1テンプレート群12に含まれる第1テンプレートTp1から、第2面内傾斜角算出部224で使用する面内傾斜角の第1テンプレートTp1を抽出する(S74)。抽出される面内傾斜角は、例えばS72で求めた面内傾斜角aを中心とする、S70よりも細かな2.5度間隔の第1テンプレートTp1である。そして、第2面内傾斜角算出部224により、被検査画像とテンプレートマッチング演算される。そして、最も確からしい面内傾斜角bを、二次補間のような適宜の補間式を用いて算出する(S76)。
【0037】
そして、テンプレート回転部24により、S76で算出された面内傾斜角bに対応して、第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を回転させる(S78)。そして、相対位置関係記憶部14に記憶された第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2の相対位置関係を用いて、基準画像における第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2のなす角度θを求める(S80)。また、被検査画像に対してはサブピクセル精度で画像信号に含まれる半導体チップ1の第1テンプレート対応領域と第2テンプレート対応領域の位置合わせをして、求まった座標から被検査画像における第1テンプレートTp1と第2テンプレートTp2のなす角度θ’を求める(S82)。そして、S76で算出された面内傾斜角bと、S80で求めた角度θ並びにS82で求めた角度θ’との偏差(θ−θ’)として、精密面内傾斜角算出部26により、最も確からしい面内傾斜角を算出する(S84)。
【0038】
(実施例3)本実施例は、テンプレート設定部10により、良品である被検査対象物の画像である基準画像に対して第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2が旨く設定できない場合の対処に関する。今日の高密度化・微細化した半導体パターンにおいては、良品である被検査対象物の画像である基準画像に対して第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定するのに画像情報が多すぎて過大な時間の掛かる場合がある。このような場合には、図3に示すように、空間フィルタ処理を行い、微細な画像情報を取り除いて大局的なパターン配置から第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定するのがよい。
【0039】
図9は本発明の第3の実施の形態を説明する全体構成ブロック図で、図3(A)に示すような微細な画像情報を含む基準画像からテンプレートを抽出する外観検査装置を示している。なお、図9において前記図1、図6と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。図において、空間フィルタ部102は、入力された基準画像から所定の空間周波数以上の高周波成分を除去して、低周波数成分の画像情報として再合成するもので、画像処理に適合したものであればHAAR変換のような公知の適宜の画像情報圧縮技術を用いてよい。テンプレート設定規範部104は、基準画像から第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定する場合の規範が定められている。例えば、基準画像から単一の領域が定まるように大局的なパターン配置からテンプレートを定めると共に、面内傾斜角を迅速に演算処理するため単純な図形になるように定める。
【0040】
図10は空間フィルタを用いたテンプレート抽出を説明する要部フローチャートである。まず、テンプレート設定部10により基準画像に対して第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2の設定シーケンスが開始される(S100)。まず、良品である被検査対象物の画像を記録してある基準画像を読込む(S102)。また、テンプレート設定規範部104からテンプレートの設定規範を読込む(S104)。そして、基準画像中にテンプレートとして適切な領域が存在するか判断し(S106)、存在していれば当該領域を第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2として設定する(S108)。
【0041】
S106にて基準画像中にテンプレートとして適切な領域が存在しないと判断された場合には、空間フィルタ部102にて基準画像中の空間高周波成分を除去し(S110)、残余の空間低周波成分から再生された基準画像を合成する(S112)。合成された基準画像では、微細なパターン情報は除去されて、大局的なパターン情報のみが含まれている。そこで、合成された基準画像から複数のパターンを形成して(S114)、当該複数のパターンに対して第1テンプレートTp1及び第2テンプレートTp2を設定し(S116)、リターンとする。
【0042】
空間フィルタ部102によれば、図3(A)の微細な画像情報を含む基準画像から高周波成分が除去されて、図3(B)に示すような概括的・大局的な配置のパターン情報が得られる。
【0043】
(テンプレートマッチングの原理)続いて、各実施例の概略面内傾斜角算出部22、精密面内傾斜角算出部26で用いたテンプレートマッチングの原理について説明する。図11はテンプレートマッチングの概念図で、(A)は被探索対象画像、(B)はテンプレートを表している。テンプレートマッチングは、探索したい画像情報として登録し、探索対象画像の探索範囲内で動かし、テンプレートとの類似度を計算することにより、テンプレートと一致した画像を探し出すマッチング手法である。次式は、正規化相関によるテンプレートマッチングの概念図と相関値を求める式である。
【数1】
Figure 2004069645
【0044】
正規化相関によるテンプレートマッチングは、テンプレートを基準画像中の探索対象画像の指定された探索範囲を1画素単位で動かすので、テンプレートサイズや探索する対象が大きくなった場合、計算コストが大きくなり、探索時間が掛かる。他方、半導体チップの検査のような用途では、スループットを向上させることが必要であり、検査時間も短縮することが要請されている。そこで、疎密探索法を採用して、テンプレートマッチングに掛かる探索時間を短くするのがよい。
【0045】
図12は疎密探索法の説明図である。疎密探索法は、最初から解像度の高い画像での探索は行わず、解像度を落とした層を作成し、解像度の低い画像で粗い探索を行ってから、順次解像度を上げて次第に解像度の高い層で精度の高い探索を行うことで、マッチング処理時間の短縮を行なう式である。例えば、解像度の低い層としては、直近高解像度層の2x2画素の平均をとって1画素を形成すると良い。
【0046】
なお、上記の実施の形態においては、テンプレートマッチングとして正規化相関法や疎密探索法の場合を例に説明したが、被検査対象物のテンプレート対応領域とテンプレートとの適合度を演算できるものであれば、適宜のマッチング演算を用いても良い。また、上記の実施の形態においては、テンプレート所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて、第1テンプレート群を設定して、被検査対象物のテンプレート対応領域とテンプレートとの適合度を演算している。そこで、面内傾斜角間隔の中間に最も確からしい角度が存在するから、適宜の補間法を用いて最も確からしい角度を求めると良い。さらに、上記実施の形態においては、被検査対象物の位置ズレや回転ズレが大きい場合として、半導体チップのトレー詰め検査を例に説明したが、本発明はエキスパンド・ウェーハ検査にも適用できるし、個別包装された医薬品や食品のような各種の目視検査に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の外観検査方法によれば、良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定することで、単一のテンプレートでは検出できない高精度の面内傾斜角を算出可能とする。被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程では、画像信号に含まれる被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算する際に、サンプル数の限られた第1テンプレート群を用いることで、少ない演算量で必要とする精度の概略面内傾斜角を算出している。被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程では、画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び第2テンプレートとのマッチングを演算して、比較的少ない演算量で必要とする精度の精密面内傾斜角を算出している。そして、算出された精密面内傾斜角に対応して、画像信号に含まれる被検査対象物の回転補正を行ない、回転補正がなされた画像信号を用いて、画像信号に含まれる被検査対象物の外観検査処理を施すことで、良品である被検査対象物としての基準画像で面内傾斜角の影響を考慮することのない、単純な演算アルゴリズムで適格な被検査対象物の外観検査処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。
【図2】半導体チップがトレーに収容される状態の説明図である。
【図3】被検査対象物に設定される第1テンプレートと第2テンプレートの一例を説明する平面図である。
【図4】半導体チップの外観検査方法を説明するフローチャートである。
【図5】類似のパターンが繰返して並んでいる半導体チップの一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。
【図7】図6の外観検査装置を用いた半導体チップの外観検査方法を説明するフローチャートである。
【図8】概略面内傾斜角算出部の要部フローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。
【図10】空間フィルタを用いたテンプレート抽出を説明する要部フローチャートである。
【図11】テンプレートマッチングの概念図である。
【図12】疎密探索法の説明図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ
2 トレー
3 パレット
6 撮像装置
10 テンプレート設定部
12 第1テンプレート群
20 画像信号取込み部
22 概略面内傾斜角算出部
24 テンプレート回転部
26 精密面内傾斜角算出部
28 画像回転補正部
30 外観検査処理部

Claims (13)

  1. 良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程と;
    前記第1テンプレートを、所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて第1テンプレート群を設定する工程と;
    少なくとも1以上の被検査対象物が撮影された画像信号を取込む工程と;
    前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、前記第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程と;
    前記算出された概略面内傾斜角に対応して前記第1テンプレート及び前記第2テンプレートを当該概略面内傾斜角だけ回転させる工程と;
    前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程と;
    前記算出された精密面内傾斜角に対応して、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の回転補正を行なう工程と;
    前記回転補正がなされた画像信号を用いて、当該画像信号に含まれる前記被検査対象物の外観検査処理を施す工程と;
    を有する外観検査方法。
  2. 前記第1テンプレート群は、第1面内傾斜角範囲内で粗い面内傾斜角間隔で与えられる第1グループと、この第1面内傾斜角範囲よりも狭い第2面内傾斜角範囲内で細かい面内傾斜角間隔で与えられる第2グループとに区分して設けられ;
    前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する工程は;
    前記第1グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第1概略面内傾斜角を算出する工程と;
    次に当該第1概略面内傾斜角を含む第2面内傾斜角範囲内の前記第2グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第2概略面内傾斜角を算出する工程と;
    当該算出された第2概略面内傾斜角を前記概略面内傾斜角とする工程を有する;
    請求項1記載の外観検査方法。
  3. 前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する工程は、前記マッチングを演算する際に、前記良品である被検査対象物における前記第1テンプレートと前記第2テンプレートとの位置関係を利用してマッチングを演算する;
    請求項1又は請求項2に記載の外観検査方法。
  4. 前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、前記第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチング演算、又は前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチング演算の少なくとも一方のマッチング演算には、相関処理が用いられる;
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の外観検査方法。
  5. 良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程において;
    前記良品である被検査対象物において前記第1及び第2テンプレートに相応しいパターンを捜索する工程と;
    前記捜索ステップにおいて相応しいパターンが見当たらない場合に、前記良品である被検査対象物の画像に抽出画像処理を施して、テンプレートに相応しい少なくとも複数のパターンを形成させる工程と;
    当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程とを含む;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の外観検査方法。
  6. 前記抽出画像処理は;
    前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間高周波成分を除去する工程と;
    前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間低周波成分から再生された画像から少なくとも複数のパターンを形成させる工程と;
    当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定する工程とを含む;
    請求項5に記載の外観検査方法。
  7. 良品である被検査対象物の少なくとも2つの領域に対応して第1テンプレートと第2テンプレートを設定し、前記第1テンプレートを所定面内傾斜角範囲内の所定面内傾斜角間隔で回転させて第1テンプレート群を設定するテンプレート設定部と;
    少なくとも1以上の被検査対象物が撮影された画像信号を取込む画像信号取込み部と、
    前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域と、前記第1テンプレート群に含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の概略面内傾斜角を算出する概略面内傾斜角算出部と;
    前記算出された概略面内傾斜角に対応して前記第1テンプレート及び前記第2テンプレートを当該概略面内傾斜角だけ回転させるテンプレート回転部と;
    前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の第1テンプレート対応領域及び前記第2テンプレート対応領域と、前記概略面内傾斜角だけ回転させた第1テンプレート及び前記第2テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の精密面内傾斜角を算出する精密面内傾斜角算出部と;
    前記算出された精密面内傾斜角に対応して、前記画像信号に含まれる前記被検査対象物の回転補正を行なう画像回転補正部と;
    前記回転補正がなされた画像信号を用いて、当該画像信号に含まれる前記被検査対象物の外観検査処理を施す外観検査処理部と;
    を備える外観検査装置。
  8. 前記第1テンプレート群は、第1面内傾斜角範囲内で粗い面内傾斜角間隔で与えられる第1グループと、この第1面内傾斜角範囲よりも狭い第2面内傾斜角範囲内で細かい面内傾斜角間隔で与えられる第2グループとに区分して設けられ;
    前記概略面内傾斜角算出部は;
    前記第1グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第1概略面内傾斜角を算出する第1概略面内傾斜角算出部と;
    当該第1概略面内傾斜角を含む第2面内傾斜角範囲内の前記第2グループに含まれる各面内傾斜角の第1テンプレートとのマッチングを演算して、前記被検査対象物の第2概略面内傾斜角を算出する第2概略面内傾斜角算出部と;
    を有し、前記算出された第2概略面内傾斜角を前記概略面内傾斜角とする請求項7記載の外観検査装置。
  9. 前記精密面内傾斜角算出部は、前記マッチングを演算する際に、前記良品である被検査対象物における前記第1テンプレートと前記第2テンプレートとの位置関係を利用してマッチングを演算する請求項7又は請求項8に記載の外観検査装置。
  10. 前記概略面内傾斜角算出部と前記精密面内傾斜角算出部のマッチング演算の少なくとも一方には、相関処理演算が用いられる請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の外観検査装置。
  11. 前記テンプレート設定部において;
    前記良品である被検査対象物において前記第1及び第2テンプレートに相応しいパターンを捜索し、前記捜索において相応しいパターンが見当たらない場合に、前記良品である被検査対象物の画像に抽出画像処理を施して、テンプレートに相応しい少なくとも複数のパターンを形成させ、当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定するように構成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の外観検査装置。
  12. 前記抽出画像処理は、前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間高周波成分を除去し、前記良品である被検査対象物の画像に含まれる空間低周波成分から再生された画像から少なくとも複数のパターンを形成させ、当該形成された複数のパターン対して、第1テンプレートと第2テンプレートを設定するように構成されている請求項11に記載の外観検査装置。
  13. 前記概略面内傾斜角算出部は、前回検査対象の被検査対象物の傾斜データ、又は前回測定の被検査対象物の端部データの少なくとも一方をパラメータに含めて、今回検査対象の被検査対象物の概略面内傾斜角を求めるように構成されている請求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の外観検査装置。
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