JP2004067711A - 電気接点用グリース組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】最良の導電性材料である貴金属メッキ表面を摩耗させない、摩擦係数の低い摺動電気接点用グリース組成物を提供すること、貴金属のメッキ表面が摩耗し、下地金属である銅又は銅合金が露出しても表面に酸化皮膜を形成させず、接点の導通不良を生じさせない電気接点用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、増ちょう剤、及び基油を含有する電気接点用グリース組成物。
【解決手段】水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、増ちょう剤、及び基油を含有する電気接点用グリース組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接点用グリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気製品、OA機器、車載電装部品や各種設備用機器などの各種摺動電気接点には摩耗防止のためにグリースが塗布され使用されている。この分野の接点は、以前は大電流の直切り接点も多かったが、最近は電気信号をオン−オフするなど微小電流の断続接点が増加している。従って、接点材料としては以前は銅接点が多かったが、最近では良好な導電性を確保するため、 金属の中で最も導電性が優れている銀メッキや耐食性が優れる金メッキなど貴金属のメッキを施した接点材料が主流となってきた。これら貴金属メッキの下地金属は、以前からの接点材料である銅又は銅合金が多い。
【0003】
従来は、大電流用のグリースが、そのまま微小電流接点にも使用されていた。微小電流接点用グリースには、最良の導電性材料である貴金属メッキを摩耗から保護する性能が求められる。しかし、従来のグリースは貴金属表面で摩際力が高く、接点を摩耗させてしまう。また、摩耗により下地金属が表れた場合、これらは貴金属と異なり、酸化皮膜を形成し易く、不導通膜となって、電気接点としての機能が失われてしまう。従来のグリースは、この酸化皮膜の形成を抑制する機能が充分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、 最良の導電性材料である貴金属メッキ表面を摩耗させない、摩擦係数の低い摺動電気接点用グリース組成物を提供することである。本発明の他の目的は、貴金属のメッキ表面が摩耗し、下地金属である銅又は銅合金が露出しても表面に酸化皮膜を形成させず、接点の導通不良を生じさせない電気接点用グリース組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、増ちょう剤、及び基油を含有する電気接点用グリース組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸は、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物であり、例えば、下記の一般式で表されるものが挙げられる。
(HO)nR(COOH)m
式中、Rは炭素原子数1〜17の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、nは1又は2、mは1、2又は3である。
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0007】
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸エステルの好ましい例としては、リシノール酸又は12−ヒドロキシステアリン酸とアルコール(炭素原子数1〜20の1価又は多価脂肪族アルコール)とのエステル化合物が挙げられる。具体例としては、精製ヒマシ油(リシノール酸のトリグリセリド)、メチルリシノレート、エチルリシノレート、ブチルリシノレート、エチレングリコールモノリシノレート、プロピレングリコールモノリシノレート、トリメチロールプロパンモノリシノレート、ペンタエリスリトールモノリシノレート、ソルビタンモノリシノレート、グリセリルモノリシノレート、メチル12−ヒドロキシステアレート、 ブチル12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
【0008】
本発明のグリース組成物中、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルはそれぞれ2種類以上を使用してもよい。本発明のグリース組成物中、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルの含有量の合計は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。0.1質量%未満では、充分な摩擦低減効果又は酸化皮膜形成抑制効果が得られない場合があり、また、10質量%を超えても更なる効果の改善はみられない。
【0009】
本発明のグリース組成物に使用する増ちょう剤は特に制限されず、例えば、リチウム石けん、複合リチウム石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、 有機化ベントナイト、 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
本発明のグリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、増ちょう剤の種類により異なる。本発明のグリース組成物のちょう度は、200〜400が好適であり、増ちょう剤の含有量はこのちょう度を得るのに必要な量となる。本発明のグリース組成物中、増ちょう剤の含有量は、通常3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%である。
【0010】
本発明のグリース組成物に使用する基油は、特に限定されず、ポリαオレフィン(PAO)に代表される合成炭化水素油、鉱油、エステル油、エーテル油、シリコーン油など全ての油種が使用可能である。これらのうち最も好ましいものは、ポリαオレフィンに代表される合成炭化水素油である。基油としては、40℃の動粘度が9〜50mm2/sの基油が好ましい。動粘度が9mm2/s未満では、高温で蒸発が大きくなり、高温下での使用が困難になり、動粘度が50mm2/sを超えると低温での流動特性が悪くなり、低温チャタリング(不導通)が発生し易くなるなど低温下での使用が困難になる、という点で好ましくない。
【0011】
本発明のグリース組成物には必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、錆止め剤、金属腐食防止剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤、固体潤滑剤などが挙げられる。
【0012】
実施例1〜4、比較例1〜5
<試験グリース組成物の調製>
下記の増ちょう剤、及び基油からなるベースグリースに表1に示す添加剤を加え、表中のちょう度に調整したグリースを試験グリースとした。
増ちょう剤:リチウム12−ヒドロキシステアレート
基油 :PAO(40℃における動粘度18mm2/s)
【0013】
評価方法
▲1▼貴金属の摩耗の評価
銀メッキ表面の摩擦力を評価する。摩擦係数が小さい方が摩耗が少なく、良好である。
トライボギア試験機(新東科学製)に、下記の試験片をセットし、これに0.01〜0.02mmの厚さでグリースを塗布し、室温で、規定の荷重、摺動速度、摺動距離、摺動回数で往復摺動させる。このときの平均摩擦係数を測定する。
測定条件
上試験片:リベット銅φ5mm球 下試験片:銀メッキ板
荷重: 45gf 摺動速度:200mm/min
摺動距離:10mm 摺動回数:100回
【0014】
▲2▼下地金属の導通不良評価
下地金属の酸化皮膜形成による導通不良を評価する。
下記の銅板又は黄銅板に0.01〜0.02mmの厚さでグリースを塗布し、所定の高温高湿条件に規定時間静置する。この後、試験板の電気抵抗を接点シミュレータで測定する。
銅板 :100℃、100時間放置(試験前の接触抵抗 荷重45gf 5mΩ以下)
黄銅板:80℃、 95%RHで240時間放置(試験前の接触抵抗 荷重45gf 5mΩ以下)
【0015】
<電気接点シミュレータ条件>
電気接点シミュレータ(山崎精機研究所製、CRS−153−AU)に、上記試験片をセットし、これを下記条件で摺動させ、荷重45gfでの電気抵抗を測定する。
電流:10mA、 接点端子:銅リベット、 接触荷重:45gf、摺動速度:1mm/s
【0016】
<試験結果>
結果を表1にまとめて示す。
添加剤を添加しない比較例1のグリース組成物は、摩擦係数が大きく、銅の加熱後の接触抵抗は40mΩに上昇した。
ステアリルメルカプタンを添加した比較例2のグリース組成物は、摩擦係数は低いが加熱後の接触抵抗は黄銅、銅ともに増大した。
トリアゾール誘導体を添加した比較例3、ステアリン酸メチルを添加した比較例4、及びステアリン酸を添加した比較例5のグリース組成物は、摩擦係数が大きく、黄銅及び銅の加熱後の接触抵抗は増大した。
これに対して精製ひまし油又は12−ヒドロキシステアリン酸を添加した実施例1〜4のグリース組成物は、いずれも摩擦係数が低く、黄銅、銅の両者において加熱後の接触抵抗は試験前と同一であり、精製ヒマシ油又は12−ヒドロキシステアリン酸を添加すると、貴金属メッキ表面を磨耗させないこと、及び下地金属の黄銅板及び銅板に酸化皮膜を形成しにくいため、導通不良を生じにくいことがわかる。
【0017】
【表1】
(*)トリアソ゛ール誘導体:N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンとN,N−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンの混合物
【0018】
【発明の効果】
本発明のグリース組成物は、電気接点の摩擦係数を低くし、貴金属メッキ表面の磨耗を少なくし、また下地金属が露出した場合にも、下地金属の酸化皮膜の形成を抑制することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接点用グリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気製品、OA機器、車載電装部品や各種設備用機器などの各種摺動電気接点には摩耗防止のためにグリースが塗布され使用されている。この分野の接点は、以前は大電流の直切り接点も多かったが、最近は電気信号をオン−オフするなど微小電流の断続接点が増加している。従って、接点材料としては以前は銅接点が多かったが、最近では良好な導電性を確保するため、 金属の中で最も導電性が優れている銀メッキや耐食性が優れる金メッキなど貴金属のメッキを施した接点材料が主流となってきた。これら貴金属メッキの下地金属は、以前からの接点材料である銅又は銅合金が多い。
【0003】
従来は、大電流用のグリースが、そのまま微小電流接点にも使用されていた。微小電流接点用グリースには、最良の導電性材料である貴金属メッキを摩耗から保護する性能が求められる。しかし、従来のグリースは貴金属表面で摩際力が高く、接点を摩耗させてしまう。また、摩耗により下地金属が表れた場合、これらは貴金属と異なり、酸化皮膜を形成し易く、不導通膜となって、電気接点としての機能が失われてしまう。従来のグリースは、この酸化皮膜の形成を抑制する機能が充分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、 最良の導電性材料である貴金属メッキ表面を摩耗させない、摩擦係数の低い摺動電気接点用グリース組成物を提供することである。本発明の他の目的は、貴金属のメッキ表面が摩耗し、下地金属である銅又は銅合金が露出しても表面に酸化皮膜を形成させず、接点の導通不良を生じさせない電気接点用グリース組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、増ちょう剤、及び基油を含有する電気接点用グリース組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸は、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物であり、例えば、下記の一般式で表されるものが挙げられる。
(HO)nR(COOH)m
式中、Rは炭素原子数1〜17の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、nは1又は2、mは1、2又は3である。
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0007】
本発明に使用される水酸基を含む脂肪酸エステルの好ましい例としては、リシノール酸又は12−ヒドロキシステアリン酸とアルコール(炭素原子数1〜20の1価又は多価脂肪族アルコール)とのエステル化合物が挙げられる。具体例としては、精製ヒマシ油(リシノール酸のトリグリセリド)、メチルリシノレート、エチルリシノレート、ブチルリシノレート、エチレングリコールモノリシノレート、プロピレングリコールモノリシノレート、トリメチロールプロパンモノリシノレート、ペンタエリスリトールモノリシノレート、ソルビタンモノリシノレート、グリセリルモノリシノレート、メチル12−ヒドロキシステアレート、 ブチル12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
【0008】
本発明のグリース組成物中、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルはそれぞれ2種類以上を使用してもよい。本発明のグリース組成物中、水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルの含有量の合計は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。0.1質量%未満では、充分な摩擦低減効果又は酸化皮膜形成抑制効果が得られない場合があり、また、10質量%を超えても更なる効果の改善はみられない。
【0009】
本発明のグリース組成物に使用する増ちょう剤は特に制限されず、例えば、リチウム石けん、複合リチウム石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、 有機化ベントナイト、 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
本発明のグリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、増ちょう剤の種類により異なる。本発明のグリース組成物のちょう度は、200〜400が好適であり、増ちょう剤の含有量はこのちょう度を得るのに必要な量となる。本発明のグリース組成物中、増ちょう剤の含有量は、通常3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%である。
【0010】
本発明のグリース組成物に使用する基油は、特に限定されず、ポリαオレフィン(PAO)に代表される合成炭化水素油、鉱油、エステル油、エーテル油、シリコーン油など全ての油種が使用可能である。これらのうち最も好ましいものは、ポリαオレフィンに代表される合成炭化水素油である。基油としては、40℃の動粘度が9〜50mm2/sの基油が好ましい。動粘度が9mm2/s未満では、高温で蒸発が大きくなり、高温下での使用が困難になり、動粘度が50mm2/sを超えると低温での流動特性が悪くなり、低温チャタリング(不導通)が発生し易くなるなど低温下での使用が困難になる、という点で好ましくない。
【0011】
本発明のグリース組成物には必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、錆止め剤、金属腐食防止剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤、固体潤滑剤などが挙げられる。
【0012】
実施例1〜4、比較例1〜5
<試験グリース組成物の調製>
下記の増ちょう剤、及び基油からなるベースグリースに表1に示す添加剤を加え、表中のちょう度に調整したグリースを試験グリースとした。
増ちょう剤:リチウム12−ヒドロキシステアレート
基油 :PAO(40℃における動粘度18mm2/s)
【0013】
評価方法
▲1▼貴金属の摩耗の評価
銀メッキ表面の摩擦力を評価する。摩擦係数が小さい方が摩耗が少なく、良好である。
トライボギア試験機(新東科学製)に、下記の試験片をセットし、これに0.01〜0.02mmの厚さでグリースを塗布し、室温で、規定の荷重、摺動速度、摺動距離、摺動回数で往復摺動させる。このときの平均摩擦係数を測定する。
測定条件
上試験片:リベット銅φ5mm球 下試験片:銀メッキ板
荷重: 45gf 摺動速度:200mm/min
摺動距離:10mm 摺動回数:100回
【0014】
▲2▼下地金属の導通不良評価
下地金属の酸化皮膜形成による導通不良を評価する。
下記の銅板又は黄銅板に0.01〜0.02mmの厚さでグリースを塗布し、所定の高温高湿条件に規定時間静置する。この後、試験板の電気抵抗を接点シミュレータで測定する。
銅板 :100℃、100時間放置(試験前の接触抵抗 荷重45gf 5mΩ以下)
黄銅板:80℃、 95%RHで240時間放置(試験前の接触抵抗 荷重45gf 5mΩ以下)
【0015】
<電気接点シミュレータ条件>
電気接点シミュレータ(山崎精機研究所製、CRS−153−AU)に、上記試験片をセットし、これを下記条件で摺動させ、荷重45gfでの電気抵抗を測定する。
電流:10mA、 接点端子:銅リベット、 接触荷重:45gf、摺動速度:1mm/s
【0016】
<試験結果>
結果を表1にまとめて示す。
添加剤を添加しない比較例1のグリース組成物は、摩擦係数が大きく、銅の加熱後の接触抵抗は40mΩに上昇した。
ステアリルメルカプタンを添加した比較例2のグリース組成物は、摩擦係数は低いが加熱後の接触抵抗は黄銅、銅ともに増大した。
トリアゾール誘導体を添加した比較例3、ステアリン酸メチルを添加した比較例4、及びステアリン酸を添加した比較例5のグリース組成物は、摩擦係数が大きく、黄銅及び銅の加熱後の接触抵抗は増大した。
これに対して精製ひまし油又は12−ヒドロキシステアリン酸を添加した実施例1〜4のグリース組成物は、いずれも摩擦係数が低く、黄銅、銅の両者において加熱後の接触抵抗は試験前と同一であり、精製ヒマシ油又は12−ヒドロキシステアリン酸を添加すると、貴金属メッキ表面を磨耗させないこと、及び下地金属の黄銅板及び銅板に酸化皮膜を形成しにくいため、導通不良を生じにくいことがわかる。
【0017】
【表1】
(*)トリアソ゛ール誘導体:N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンとN,N−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンの混合物
【0018】
【発明の効果】
本発明のグリース組成物は、電気接点の摩擦係数を低くし、貴金属メッキ表面の磨耗を少なくし、また下地金属が露出した場合にも、下地金属の酸化皮膜の形成を抑制することができる。
Claims (8)
- 水酸基を含む脂肪酸及び水酸基を含む脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、増ちょう剤、及び基油を含有する電気接点用グリース組成物。
- 電気接点材料の少なくとも一方が、貴金属表面を有する摺動接点に使用する請求項1記載のグリース組成物。
- 貴金属表面が銀メッキ表面又は金メッキ表面である摺動接点に使用する請求項2記載のグリース組成物。
- 基油の40℃の動粘度が9〜50mm2/sである請求項1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
- 水酸基を含む脂肪酸が、下記の一般式で表されるものである請求項1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
(HO)nR(COOH)m
式中、Rは炭素原子数1〜17の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、nは1又は2、mは1、2又は3である。 - 水酸基を含む脂肪酸が、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸からなる群から選ばれる請求項5記載のグリース組成物。
- 水酸基を含む脂肪酸エステルが、リシノール酸又は12−ヒドロキシステアリン酸とアルコールとのエステルである請求項1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
- 水酸基を含む脂肪酸エステルが、精製ヒマシ油、メチルリシノレート、 エチルリシノレート、ブチルリシノレート、 エチレングリコールモノリシノレート、 プロピレングリコールモノリシノレート、トリメチロールプロパンモノリシノレート、ペンタエリスリトールモノリシノレート、 ソルビタンモノリシノレート、 グリセリルモノリシノレート、メチル12−ヒドロキシステアレート、 及びブチル12−ヒドロキシステアレートからなる群から選ばれる請求項7記載のグリース組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002224489A JP2004067711A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 電気接点用グリース組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002224489A JP2004067711A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 電気接点用グリース組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004067711A true JP2004067711A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32012434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002224489A Pending JP2004067711A (ja) | 2002-08-01 | 2002-08-01 | 電気接点用グリース組成物 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004067711A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008123460A1 (ja) * | 2007-04-03 | 2008-10-16 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 電気接点材料、その製造方法、及び電気接点 |
JP2019173141A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | Dowaメタルテック株式会社 | Agめっき材およびその製造方法、並びに、接点または端子部品 |
-
2002
- 2002-08-01 JP JP2002224489A patent/JP2004067711A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008123460A1 (ja) * | 2007-04-03 | 2008-10-16 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 電気接点材料、その製造方法、及び電気接点 |
JP2008273189A (ja) * | 2007-04-03 | 2008-11-13 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電気接点材料、その製造方法、及び電気接点 |
EP2154688A1 (en) * | 2007-04-03 | 2010-02-17 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Electric contact material, method for manufacturing the electric contact material, and electric contact |
EP2154688A4 (en) * | 2007-04-03 | 2012-09-19 | Furukawa Electric Co Ltd | ELECTRIC CONTACT MATERIAL, METHOD FOR MANUFACTURING THE ELECTRIC CONTACT MATERIAL, AND ELECTRICAL CONTACT |
US8283032B2 (en) | 2007-04-03 | 2012-10-09 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Electric contact material, method for manufacturing the electric material, and electric contact |
KR101387832B1 (ko) * | 2007-04-03 | 2014-04-22 | 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 | 전기 접점 재료, 그 제조 방법, 및 전기 접점 |
JP2019173141A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | Dowaメタルテック株式会社 | Agめっき材およびその製造方法、並びに、接点または端子部品 |
JP7128009B2 (ja) | 2018-03-29 | 2022-08-30 | Dowaメタルテック株式会社 | Agめっき材およびその製造方法、並びに、接点または端子部品 |
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