JP2004067566A - スキンケア用多孔質状シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な気泡を有し、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】寒天を主成分として含有してなるものであり、熱水に溶解させた寒天溶液をそのまま、あるいは気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望のシート形状に成型、凝固させ、凍結乾燥により水分を除去することにより形成することを特徴とする。該スキンケア用多孔質状シートは、好ましくは可塑剤およぴ/または界面活性剤、繊維状物質、キトサンを含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】寒天を主成分として含有してなるものであり、熱水に溶解させた寒天溶液をそのまま、あるいは気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望のシート形状に成型、凝固させ、凍結乾燥により水分を除去することにより形成することを特徴とする。該スキンケア用多孔質状シートは、好ましくは可塑剤およぴ/または界面活性剤、繊維状物質、キトサンを含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法に関する。また、本発明は、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚にうるおいを与えたり、荒れた皮膚を改善させる目的で化粧水を含ませた親水性シートでパックすることが近年盛んに行われるようになっている。その他にエステ等で肌の脱毛処理をした後や屋外での日焼けにより痛んだ肌を回復させるために消炎効果のある化粧水を親水性シートに含ませてパックすることも行われている。
化粧水を含浸させるシートとしては、パルプをシート状に加工したものやセルロースの不織布が一般的であり、感触を重要視したものとして牛由来コラーゲンを発泡させたスポンジ状のシート等がある。
パルプやセルロースを主成分としたシートは安価ではあるが、ごわごわした感触のため商品性が劣る。一方、狂牛病等で騒がれているように哺乳動物を原料とした素材は商品性に劣る傾向にある。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来のパック用親水性シートの欠点を改良することであり、即ち、均一な気泡を有し、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、海草由来である寒天を基材とした多孔質状シートを作製することにより、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)寒天を主成分として含有してなるものであることを特徴とするスキンケア用多孔質状シート。
(2)前記多孔質状シートが、可塑剤および/または界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)に記載のスキンケア用多孔質状シート。
(3)前記多孔質状シートが、繊維状物質を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のスキンケア用多孔質状シート。
(4)前記多孔質状シートが、キトサンを含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シート。
(5)熱水に溶解させた寒天溶液をそのまま、あるいは気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望のシート形状に成型、凝固させ、凍結乾燥により水分を除去することにより形成することを特徴とするスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(6)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に可塑剤および/または界面活性剤を含有させることを特徴とする前記(5)に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(7)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に繊維状物質を含有させることを特徴とする前記(5)または(6)に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(8)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液にキトサンを含有させることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
【0005】
本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法は、上記のように、海草由来である寒天を主成分として含有し、熱水に溶解させた寒天溶液を基材とし、更に好ましくは、乾燥状態のスキンケア用多孔質状シートの柔軟性や吸水性を高めるために可塑剤および/または界面活性剤、多孔質状シートの強度を向上するために繊維状物質、及び肌に対する親和性を高めるためにキトサンを添加して製造されるため、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法の構成要素の特徴は、上記のように、寒天を基材するものである。
本発明に用いられる寒天としては、特に原料等を限定しないが、スキンケア用多孔質状シート中の寒天の含有量としては、50重量%以上が好ましい。
50重量%未満では寒天シートとしての強度が保てなくなり不適である。
また本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法に用いる熱水に溶解させた寒天溶液中の寒天の含有量としては、1〜3重量%の範囲が好ましい。
1重量%未満では熱水に溶解させた寒天溶液を成型する際、凝固物の強度が弱く取り扱いが困難であり、3重量%を超えて多くなると、熱水に寒天を溶解させるのが困難となり、共に不適である。
【0007】
本発明に用いられる可塑剤および/または界面活性剤とは、乾燥状態のスキンケア用多孔質状シートの柔軟性や吸水性を高めるために添加する。
このような可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)等を挙げることができる。
界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤が好ましく、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、5〜50重量%であることが好ましい。
【0008】
本発明に用いられる繊維状物質とは、スキンケア用多孔質状シートの強度を向上するための繊維状の水不溶性添加剤である。
このような繊維状物質としては、天然物としてセルロースやリグニン繊維等が挙げられ、合成物としてはポリエステルやナイロン繊維等 が挙げられる。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、5〜50重量%であることが好ましい。
【0009】
本発明に用いられるキトサンとは、しっとりとした寒天の感触を損なうことがないよう、肌に対する親和性を高めるための添加剤である。粉末を添加する場合は徽粉末状のものが良好で、150メッシュ 以下が好ましく、より好ましくは200メッシュ以下である。また、酸で溶解させたキトサンを添加してもよい。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、30重量%未満であることが好ましい。
【0010】
その他、グリチルリチン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の肌に対する有効成分を添加することも可能である。
【0011】
本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法において、寒天溶液中に、必要に応じて前記可塑剤および/または界面活性剤、繊維状物質、キトサン等の添加剤を含有させることができる。
本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法のより好ましい態様は、上記添加剤をすべて添加することが好ましく、また、多孔質状の発泡の程度は、上記寒天溶液混合物の攪拌の度合いにより気泡を混入させる。
従って、本発明の好ましいスキンケア用多孔質状シートの製造方法は、以下の通りである。
(1)寒天を熱水に溶解させ−可塑剤および/あるいは界面活性剤、補強剤、キトサン等を添加し、よく混合したものを強く攪拌しながら気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望の形状の型内に流延する。凝固物を凍結乾燥し、必要 に応じて所望の厚さにスライスすることで多孔質状シートを得る。
(2)寒天を熱水に溶解させ、可塑剤および/あるいは界面活性剤、補強剤、キトサン等を添加し、よく混合したものを寒天が凝固する前に所望の形状の型内に流延する.凝固物を凍結乾燥することで多孔質状を得る。必要に応じて所望の厚さにスライスすることで多孔質状シートを得る。
【0012】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
寒天10gを蒸留水400gに良く分散させ、オートクレーブ中で115℃で30分間の加熱をし寒天を溶解させた。得られた寒天溶液を95℃の湯浴中で攪拌しながら、界面活性剤としてポリエチレングリコールステアリルエーテル(Brij78、HLB=15.3:シグマアルドリッチジャパン(株)製)5g、乾燥時のシート強度を向上させるためのセルロースパウダー(KCフロック、W−100:日本製紙(株)製)2.5gおよび平均粒径100μm、脱アセチル化率85%のカニ由来キトサン2.5gを添加して攪拌混合を行った。
上記の混合物をプラネタリー式ミキサーを用いて攪拌し、2倍の容積になるまで泡立て発泡を行った。得られた発泡混合物を素早く1mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た。次に得られた凝固物を−60℃の冷凍庫に10時間放置して凍結させた後、100Pa以下で真空乾燥を行い水分を除去して、寒天を主成分とする多孔質状シートを得た。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.04g/cm3で吸水量が自重の13倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状シートであった。
【0013】
〔実施例2〕
実施例1と同じ混合物をプラネタリー式ミキサーを用いた泡立て発泡は行わず、20mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た。次に得られた凝固物を実施例1と同様に凍結乾燥により水分を除去した後、1mmの厚さにスライスして寒天を主成分とする多孔質状シートを得た。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.06g/cm3で吸水量が自重の10倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状であった。
【0014】
〔比較例1〕
実施例1での寒天に代えてκ−カラギーナンを使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られた多孔質状シートは吸水させると膨潤し、スキンケア用シートとしては強度が弱く商品性に劣るものであった。
【0015】
〔比較例2〕
実施例1での凍結乾燥に代えて、40℃の温風乾燥機で48時間放置して水分を除去した以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートは収縮して多孔質状の形状をなさず、吸水量は自重の1.5倍と低値で、感触もごわごわ感があり、外観も劣悪でスキンケア用シートとしては商品性に劣るものであった。
【0016】
〔実施例3〕
実施例1と同じ混合物をプラネタリー式ミキサーを用いた泡立て発泡は行わず、2mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た以外は、実施例1と同様に行った。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.11g/cm3で吸水量が自重の10倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状シートであった。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法は、海草由来である寒天を主成分として含有し、熱水に溶解させた寒天溶液を基材とし、更に好ましくは、可塑剤および/または界面活性剤、繊維状物質及びキトサンを添加して製造することにより、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法に関する。また、本発明は、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚にうるおいを与えたり、荒れた皮膚を改善させる目的で化粧水を含ませた親水性シートでパックすることが近年盛んに行われるようになっている。その他にエステ等で肌の脱毛処理をした後や屋外での日焼けにより痛んだ肌を回復させるために消炎効果のある化粧水を親水性シートに含ませてパックすることも行われている。
化粧水を含浸させるシートとしては、パルプをシート状に加工したものやセルロースの不織布が一般的であり、感触を重要視したものとして牛由来コラーゲンを発泡させたスポンジ状のシート等がある。
パルプやセルロースを主成分としたシートは安価ではあるが、ごわごわした感触のため商品性が劣る。一方、狂牛病等で騒がれているように哺乳動物を原料とした素材は商品性に劣る傾向にある。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来のパック用親水性シートの欠点を改良することであり、即ち、均一な気泡を有し、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、海草由来である寒天を基材とした多孔質状シートを作製することにより、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)寒天を主成分として含有してなるものであることを特徴とするスキンケア用多孔質状シート。
(2)前記多孔質状シートが、可塑剤および/または界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)に記載のスキンケア用多孔質状シート。
(3)前記多孔質状シートが、繊維状物質を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のスキンケア用多孔質状シート。
(4)前記多孔質状シートが、キトサンを含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シート。
(5)熱水に溶解させた寒天溶液をそのまま、あるいは気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望のシート形状に成型、凝固させ、凍結乾燥により水分を除去することにより形成することを特徴とするスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(6)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に可塑剤および/または界面活性剤を含有させることを特徴とする前記(5)に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(7)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に繊維状物質を含有させることを特徴とする前記(5)または(6)に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
(8)前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液にキトサンを含有させることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
【0005】
本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法は、上記のように、海草由来である寒天を主成分として含有し、熱水に溶解させた寒天溶液を基材とし、更に好ましくは、乾燥状態のスキンケア用多孔質状シートの柔軟性や吸水性を高めるために可塑剤および/または界面活性剤、多孔質状シートの強度を向上するために繊維状物質、及び肌に対する親和性を高めるためにキトサンを添加して製造されるため、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法の構成要素の特徴は、上記のように、寒天を基材するものである。
本発明に用いられる寒天としては、特に原料等を限定しないが、スキンケア用多孔質状シート中の寒天の含有量としては、50重量%以上が好ましい。
50重量%未満では寒天シートとしての強度が保てなくなり不適である。
また本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法に用いる熱水に溶解させた寒天溶液中の寒天の含有量としては、1〜3重量%の範囲が好ましい。
1重量%未満では熱水に溶解させた寒天溶液を成型する際、凝固物の強度が弱く取り扱いが困難であり、3重量%を超えて多くなると、熱水に寒天を溶解させるのが困難となり、共に不適である。
【0007】
本発明に用いられる可塑剤および/または界面活性剤とは、乾燥状態のスキンケア用多孔質状シートの柔軟性や吸水性を高めるために添加する。
このような可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)等を挙げることができる。
界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤が好ましく、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、5〜50重量%であることが好ましい。
【0008】
本発明に用いられる繊維状物質とは、スキンケア用多孔質状シートの強度を向上するための繊維状の水不溶性添加剤である。
このような繊維状物質としては、天然物としてセルロースやリグニン繊維等が挙げられ、合成物としてはポリエステルやナイロン繊維等 が挙げられる。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、5〜50重量%であることが好ましい。
【0009】
本発明に用いられるキトサンとは、しっとりとした寒天の感触を損なうことがないよう、肌に対する親和性を高めるための添加剤である。粉末を添加する場合は徽粉末状のものが良好で、150メッシュ 以下が好ましく、より好ましくは200メッシュ以下である。また、酸で溶解させたキトサンを添加してもよい。
添加量としては、特に限定はないが、一般に寒天重量に対して、30重量%未満であることが好ましい。
【0010】
その他、グリチルリチン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の肌に対する有効成分を添加することも可能である。
【0011】
本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法において、寒天溶液中に、必要に応じて前記可塑剤および/または界面活性剤、繊維状物質、キトサン等の添加剤を含有させることができる。
本発明のスキンケア用多孔質状シートの製造方法のより好ましい態様は、上記添加剤をすべて添加することが好ましく、また、多孔質状の発泡の程度は、上記寒天溶液混合物の攪拌の度合いにより気泡を混入させる。
従って、本発明の好ましいスキンケア用多孔質状シートの製造方法は、以下の通りである。
(1)寒天を熱水に溶解させ−可塑剤および/あるいは界面活性剤、補強剤、キトサン等を添加し、よく混合したものを強く攪拌しながら気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望の形状の型内に流延する。凝固物を凍結乾燥し、必要 に応じて所望の厚さにスライスすることで多孔質状シートを得る。
(2)寒天を熱水に溶解させ、可塑剤および/あるいは界面活性剤、補強剤、キトサン等を添加し、よく混合したものを寒天が凝固する前に所望の形状の型内に流延する.凝固物を凍結乾燥することで多孔質状を得る。必要に応じて所望の厚さにスライスすることで多孔質状シートを得る。
【0012】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
寒天10gを蒸留水400gに良く分散させ、オートクレーブ中で115℃で30分間の加熱をし寒天を溶解させた。得られた寒天溶液を95℃の湯浴中で攪拌しながら、界面活性剤としてポリエチレングリコールステアリルエーテル(Brij78、HLB=15.3:シグマアルドリッチジャパン(株)製)5g、乾燥時のシート強度を向上させるためのセルロースパウダー(KCフロック、W−100:日本製紙(株)製)2.5gおよび平均粒径100μm、脱アセチル化率85%のカニ由来キトサン2.5gを添加して攪拌混合を行った。
上記の混合物をプラネタリー式ミキサーを用いて攪拌し、2倍の容積になるまで泡立て発泡を行った。得られた発泡混合物を素早く1mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た。次に得られた凝固物を−60℃の冷凍庫に10時間放置して凍結させた後、100Pa以下で真空乾燥を行い水分を除去して、寒天を主成分とする多孔質状シートを得た。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.04g/cm3で吸水量が自重の13倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状シートであった。
【0013】
〔実施例2〕
実施例1と同じ混合物をプラネタリー式ミキサーを用いた泡立て発泡は行わず、20mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た。次に得られた凝固物を実施例1と同様に凍結乾燥により水分を除去した後、1mmの厚さにスライスして寒天を主成分とする多孔質状シートを得た。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.06g/cm3で吸水量が自重の10倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状であった。
【0014】
〔比較例1〕
実施例1での寒天に代えてκ−カラギーナンを使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られた多孔質状シートは吸水させると膨潤し、スキンケア用シートとしては強度が弱く商品性に劣るものであった。
【0015】
〔比較例2〕
実施例1での凍結乾燥に代えて、40℃の温風乾燥機で48時間放置して水分を除去した以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートは収縮して多孔質状の形状をなさず、吸水量は自重の1.5倍と低値で、感触もごわごわ感があり、外観も劣悪でスキンケア用シートとしては商品性に劣るものであった。
【0016】
〔実施例3〕
実施例1と同じ混合物をプラネタリー式ミキサーを用いた泡立て発泡は行わず、2mmの厚さに流延し、室温で放冷して寒天を凝固させ凝固物を得た以外は、実施例1と同様に行った。
得られた多孔質状シートは、見掛け密度=0.11g/cm3で吸水量が自重の10倍の滑らかで感触のよい保水性に優れた多孔質状シートであった。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法は、海草由来である寒天を主成分として含有し、熱水に溶解させた寒天溶液を基材とし、更に好ましくは、可塑剤および/または界面活性剤、繊維状物質及びキトサンを添加して製造することにより、特に感触性および保水性に優れたスキンケア用多孔質状シート及びその製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- 寒天を主成分として含有してなることを特徴とするスキンケア用多孔質状シート。
- 前記多孔質状シートが、可塑剤および/または界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のスキンケア用多孔質状シート。
- 前記多孔質状シートが、繊維状物質を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のスキンケア用多孔質状シート。
- 前記多孔質状シートが、キトサンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シート。
- 熱水に溶解させた寒天溶液をそのまま、あるいは気泡を混入させた後、寒天が凝固する前に所望のシート形状に成型、凝固させ、凍結乾燥により水分を除去することにより形成することを特徴とするスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
- 前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に可塑剤および/または界面活性剤を含有させることを特徴とする請求項5に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
- 前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液に繊維状物質を含有させることを特徴とする請求項5または6に記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
- 前記多孔質状シート製造方法において、寒天溶液にキトサンを含有させることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のスキンケア用多孔質状シートの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002227666A JP2004067566A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | スキンケア用多孔質状シート及びその製造方法 |
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JP2002227666A JP2004067566A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | スキンケア用多孔質状シート及びその製造方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004067566A true JP2004067566A (ja) | 2004-03-04 |
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ID=32014634
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JP2002227666A Pending JP2004067566A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | スキンケア用多孔質状シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004067566A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012113996A1 (fr) * | 2011-02-22 | 2012-08-30 | Setalg | COMPOSITION COSMETIQUE SOLIDE CONTENANT UNE CHARGE ABSORBANTE, UN CORPS GRAS ET DE l'AGAR-AGAR, ET PROCEDE D'APPLICATION. |
JP2013112625A (ja) * | 2011-11-25 | 2013-06-10 | Keiwa Inc | 肌用化粧シート及び肌用化粧シートの製造方法 |
-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002227666A patent/JP2004067566A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012113996A1 (fr) * | 2011-02-22 | 2012-08-30 | Setalg | COMPOSITION COSMETIQUE SOLIDE CONTENANT UNE CHARGE ABSORBANTE, UN CORPS GRAS ET DE l'AGAR-AGAR, ET PROCEDE D'APPLICATION. |
JP2013112625A (ja) * | 2011-11-25 | 2013-06-10 | Keiwa Inc | 肌用化粧シート及び肌用化粧シートの製造方法 |
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